JP2007517482A - アモルファスダイヤモンド材料ならびにその使用および製造のための関連する方法 - Google Patents

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Abstract

アモルファスダイヤモンド材料(5)および陰極(25)と陽極(30)との間に結合される中間部材(55)。このアモルファスダイヤモンド材料(5)は、少なくとも約90%の炭素原子を含み、この炭素原子の少なくとも約20%は、歪んだ四面体配位で結合されている。アモルファスダイヤモンドコーティング(5)は、陰極(25)のベース部材と接触しているエネルギー入力表面(10)およびこのエネルギー入力表面(10)に対向する電子放出表面(15)を有する。この電子放出表面(15)は、約10〜約1,000ナノメートルの隆起高さを有し得、そして十分量のエネルギーが該アモルファスダイヤモンド材料に入力された際に、電子を放出し得る。

Description

(発明の分野)
本発明は、概して、ダイヤモンド様炭素材料から電子を発生するためのデバイスおよび方法に関する。従って、本出願は、物理、化学、電気、および材料科学の分野に関係する。
(発明の背景)
熱電子放出デバイスおよび電界放出デバイスは周知であり、種々の用途において使用される。電界放出デバイス(例えば、陰極線管および電界放出ディスプレイ)は、このようなデバイスの一般的な例である。一般に、熱電子放出デバイスが、ポテンシャル障壁を越えて熱電子を放出することにより作動するのに対して、電界放出デバイスは、電子に障壁を通り抜けさせることにより作動する。特定のデバイスの例としては、米国特許第6,229,083号;同6,204,595号;同6,103,298号;同6,064,137号;同6,055,815号;同6,039,471号;同5,994,638号;同5,984,752号;同5,981,071号;同5,874,039号;同5,777,427号;同5,722,242号;同5,713,775号;同5,712,488号;同5,675,972号;および同5,562,781号に開示されるデバイスが挙げられ、これらの特許の各々が、本明細書中で参考として援用される。
熱電子デバイスの電子放出特性は、電界放出デバイスにおけるよりも、より大きく温度に依存する。温度の上昇は、その熱電子デバイス表面から放出される電子の数に劇的な影響を及ぼし得る。
多くの用途で基本的には成功を収めているが、熱電子デバイスは、電界放出デバイスほどには成功を収めてきてはいない。なぜなら、電界放出デバイスは、一般的に、より高い電流出力を達成しているからである。この重要な利点にもかかわらず、ほとんどの電界放出デバイスは、それらの潜在的な用途を制限する種々の他の欠点を抱えており、その欠点としては、とりわけ、材料の制限、汎用性の制限、経済性、寿命の制限、および効率の制限が挙げられる。
上述の欠点を取り除き、そしてより低いエネルギー入力を用いてより高い電流出力を獲得するための努力の中で、種々の異なる材料が、電界放出体において使用されてきた。最近、その物理的性質のために顕著に関心を集めているのがダイヤモンドである。具体的には、純粋なダイヤモンドは、真空に近い、低い正の電子親和力を有する。同様に、低イオン化ポテンシャルの元素(例えば、セシウム)でドープされたダイヤモンドは、負の電子親和力(NEA)を有し、NEAは、その軌道に保持される電子が、最小のエネルギー入力によってそこから震動させられることを可能にする。しかし、ダイヤモンドはまた、高バンドギャップを有し、これはダイヤモンドを絶縁体にし、電子がそれを通って移動したりそこから出ていくことを防ぐ。このバンドギャップを改変するかまたは低下させるために、多くの試み(例えば、ダイヤモンドを種々のドーパントでドープすること、およびダイヤモンドを特定の幾何学的配置に形成することなど)がなされてきた。このような試みは、まあまあの成功を収めてきたが、性能、効率および費用に関する多くの制限が、依然として存在する。それゆえに、電界放出体についての可能な用途は、まだ小スケールの、低電流出力用途に限定されたままである。
従って、エネルギー源から比較的少量のエネルギーを吸収することにより、高い電流出力を達成し得る材料が、進行中の研究努力および開発努力を通して探索され続けている。
(発明の要旨)
従って、本発明は、比較的少量のエネルギーを吸収した際に、顕著な電流出力を生成するための材料、デバイス、および方法を提供する。1つの局面では、本発明は、十分量のエネルギーを吸収した際に、電子の発生を可能にする、材料と幾何学的局面との組合せを有するアモルファスダイヤモンド材料を提供する。このような材料は、種々の用途を有し、この目的のための多数のデバイス中に組込まれ得る。
基礎的なレベルにおいて、このようなアモルファスダイヤモンド材料は、陰極の一部分として利用され得る。1つの局面では、この陰極は、その一部を覆ってコーティングされたアモルファスダイヤモンド層を有するベース部材を備え得る。このベース部材と接触しているアモルファスダイヤモンド層の表面は、エネルギー入力表面であり、その対向する表面は、電子放出表面である。この電子放出表面は、種々の配置および設計を有し得る。しかし、1つの局面では、この表面は、約10〜約1,000ナノメートルの隆起高さを有する複数の突出物を備え得る。さらに、アモルファスダイヤモンド層の特定の材料は、可変である。しかし、1つの局面では、このアモルファスダイヤモンド材料は、少なくとも約90%の炭素原子を含み得、この炭素原子の少なくとも約20%は、歪んだ四面体配位で結合されている。別の局面では、歪んだ四面体配位で結合される炭素原子の量は、少なくとも約50%であり得る。
この陰極は、完全な回路を提供するために、他の部材および材料に結合され得る。例えば、いくつかの局面では、この陰極は、陽極に作動性に結合され得る。1つの実施形態では、電子が通るために、真空空間が、この陰極とこの陽極の間に提供され得る。別の実施形態では、中間部材が、このアモルファスダイヤモンドコーティングの電子放出表面に、そして陰極に接続され得る。1つの局面では、このような中間部材は、約100W/mK未満の熱伝導率および20℃において約80μΩ−cm未満の抵抗率を有し得る。このような特性を有する適切な材料としては、Pb、V、Cs、Hf、Ti、Nb、Zr、Ga、およびこれらの混合物またはこれらの合金が挙げられ得る。別の局面では、この中間部材は、鉄の熱伝導率および抵抗率より小さい熱伝導率および抵抗率を有し得る。従って、本発明の1つの実施形態では、約80W/mK未満の熱伝導率および20℃において約10μΩ−cm未満の抵抗率を有し得る。
1つの代替の実施形態では、上記中間部材は、複数の開口部を有する断熱材料から形成され得、この開口部は、この断熱材料を貫いて延びる。この複数の開口部は、導電性金属を含み得る。開口部および導電性材料の種々の構成は、上記中間部材の全体の熱伝導性および導電性全体を調整することを可能にする。
別の詳細な局面では、エネルギー収集体が、アモルファスダイヤモンド材料に対向する陰極に結合され得、このアモルファルダイヤモンド層に向かって方向付けられるべきエネルギーの収集を増強し得る。例として、このエネルギー収集体は、カーボンブラックの層、ナノメートルまたはミクロンの範囲の隆起を有する粗面であり得、または任意の他のエネルギー収集性材料であり得る。
種々の特定の陰極構成が、本発明のもとで可能である。例えば、この陰極は、単層または多層であり得る。多層を有する実施形態では、この陰極は、ベース部材、およびこのベース層と上記アモルファスダイヤモンドコーティングとの間に配置される第2の層の材料を備え得る。種々の材料が、多くの異なる目的のための材料の第2の層として、有利に使用され得る。しかし、1つの局面では、この第2の層は、約1.5eV〜約4.0eVの仕事関数を有する材料からなり得、そしてさらに約100W/mKより大きい熱伝導率を有し得る。1つの実施形態では、この第2の層は、約2.0eV〜約3.0eVの仕事関数を有する材料を含む。この第2の層に適した材料の例としては、限定することなく、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、Sm、およびこれらの混合物またはこれらの合金が挙げられる。
種々のエネルギータイプが、本発明の材料によって利用され得、そこからの電子の流れを促進し得、そのエネルギーとしては、熱エネルギー、光子エネルギー、電場エネルギー、およびこれらの組合せが挙げられる。しかし、1つの局面では、そのエネルギーは、熱エネルギーであり得、その熱エネルギーは、単独でかまたは電場エネルギーと組合せて使用される。別の局面では、そのエネルギーは、光子(すなわち、光エネルギー)であり得、そのエネルギーは、単独でかまたは電場エネルギーと組合せて使用され得る。さらに別の局面では、そのエネルギーは、電場エネルギーであり得る。
いくつかの局面では、本発明のアモルファスダイヤモンド発電機は、電流を生成するために、熱源に有利に結合され得る。代表的な熱源の例としては、太陽熱捕獲アセンブリまたは太陽熱集束アセンブリ、蓄電池、製造プロセスユニット、CPU、および他の電気デバイスが挙げられる。本発明のアモルファスダイヤモンド材料は、当業者に公知の種々の技術を使用して作製され得る。このような方法は、一般に、提供されるべき炭素源および析出技術を使用する、アモルファスダイヤモンド材料の形成を必要とする。しかし、1つの局面では、このアモルファスダイヤモンド材料は、陰極アーク技術を使用して形成され得る。本発明の種々の部材および層(例えば、第2の層、中間部材、陰極および陽極)は、PVD、CVD、スパッタリング、ろう付け、または他の公知の技術により形成され得る。
従って、以下の本発明の詳細な説明がより良く理解されるように、そして当該分野に対する本発明の貢献がより良く評価されるように、本発明のより重要な特徴が、やや大まかに、概説される。本発明の他の特徴は、添付の図面および特許請求の範囲とともに、以下の本発明の詳細な説明からより明りょうになるか、または本発明の実施によって教示され得る。
(詳細な説明)
本発明が開示され、そして記載される前に、本発明は、本明細書中に開示される特定の構成、プロセス工程、または材料に限定されないが、当業者に認識されるようにその等価物に及ぶことが理解されるべきである。また、本明細書中で使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的のみのために使用され、限定を意図しない。
本明細書および特許請求の範囲において使用されるとおりに、単数形「a」、「an」および「the」は、その内容が、明らかに他を指定しない限り、複数形を含む。従って、例えば、「ダイヤモンド粒子」という場合は、1つ以上のそのような粒子が含まれ、「炭素源」という場合は、1つ以上のそのような炭素源が含まれ、そして、「陰極アーク技術」という場合は、1つ以上のそのような技術が含まれる。
(定義)
本発明の記載および特許請求の範囲において、以下の技術は、以下に示される定義に従って使用される。
本明細書中で使用される場合、「真空」は、10−2トル未満の圧力状態をいう。
本明細書中で使用される場合、「ダイヤモンド」は、sp結合として公知の4面体配位格子における、他の炭素原子に結合した炭素原子の結晶構造をいう。特に、各炭素原子は、各々規則的な4面体の端部に位置する、4つの炭素原子に取り囲まれて結合する。さらに、実験結果は、わずかに変化し得るが、任意の2つの炭素原子間の結合長は、周囲温度条件において、1.54オングストロームであり、その炭素原子間の角度は、109°28分16秒である。ダイヤモンドを形成するための正常な、または規則的な4面体配置において結合された炭素原子の描写は、図6に示される。ダイヤモンドの構成および性質(その物理学的性質および電気的性質を含む)は、当該分野で周知である。
本明細書中で使用される場合、「歪んだ4面体配位」とは、不規則である炭素原子の4面体結合構成か、または上記のとおりの正常な4面体配置のダイヤモンドから逸脱している炭素原子の4面体配置をいう。このような歪みは、一般に結合のいくつかの伸長および他の結合の短縮、ならびに結合間の結合角の変化を生じる。さらに、4面体の歪みは、炭素原子の特徴および性質を変化し、sp構成において結合した炭素(すなわち、ダイヤモンド)とsp構成において結合した炭素(すなわち、グラファイト)との間に効率的に位置する。歪んだ4面体結合において結合した炭素原子を有する材料の1つの例は、アモルファスダイヤモンドである。歪んだ4面体配置における炭素原子の描写は、図7に示される。図7は、単に1つのあり得る歪んだ4面体配置の描写であり、歪んだ構成の広範な改変が、一般にアモルファスダイヤモンドにおいて存在する。
本明細書中で使用される場合、「アモルファスダイヤモンド」および「ダイヤモンド様炭素」は、交換可能に使用され得、そして、歪んだ4面体配位において結合した炭素原子の十分な量を伴った、多数元素として炭素原子を有する材料をいう。特に、他の種々の元素は、限定されることなく水素、硫黄、リン、ホウ素、窒素、ケイ素、タングステンなどを含む、不純物またはドーパントのどちらかのような炭素性材料に含まれ得る。1つの局面において、アモルファスダイヤモンド中の炭素の量は、少なくとも約90%であり、このような炭素原子の少なくとも約20%は、歪んだ4面体配位において結合され得る。
本明細書中で使用される場合、「隆起」は、表面構造の種々の特性により評価されるとおりの表面のざらつきをいう。種々の測定は、表面の隆起の指標として使用され得る(例えば、表面上のピークまたは突出の高さ、表面中の谷または陥没の低さ)。さらに、隆起の測定は、表面の所与の領域内のピークおよび谷の数(すなわち、ピーク密度または谷密度)、ならびにこのようなピークまたは谷の間の距離を含む。
本明細書中で使用される場合、「金属性の」とは、金属または2つ以上の金属の合金をいう。広範な種々の金属性材料(例えば、アルミニウム、銅、クロム、鉄、鋼、ステンレス、鋼、チタン、タングステン、亜鉛、ジルコニウム、モリブテンなど(それらの合金および化合物を含む)は、当業者に公知である。
本明細書中で使用される場合、「十分な」とは、材料の量(quantity)または量(amount)、あるいはその特殊な特徴に関して使用される場合、材料または特徴が、提供されるように意図された効果を提供するのに十分な量をいう。さらに、「十分にフリーな」とは、材料の量(quantity)または量(amount)、あるいはその特殊な特徴に関して使用される場合、材料または特徴が存在しないこと、あるいは、そのような材料または特徴により正常に改善された測定可能な効果を改善するのに不十分な量の材料または特徴の存在することをいう。
本明細書中で使用される場合、「電子親和力」とは、その外殻の1つに自由電子を引き付けるかまたは結合する原子の傾向をいう。さらに「非電子親和力(NEA)」とは、自由電子をはね付けるためか、またはわずかなエネルギー入力を使用してその外殻から電子を放出させるかためかのいずれかの原子の傾向をいう。NEAは、一般に、伝導バンド内の真空状態と最低エネルギー状態との間のエネルギー差である。当業者は、非電子親和力は、材料の組成性質、または結晶の不規則性(例えば、欠損、封入、粒界、双晶面、およびそれらの組み合せ)により改善され得ると認識している。
本明細書中で使用される場合、「仕事関数」とは、代表的には、eVで表され、材料の最高エネルギー状態において電子を、その材料から減圧空間へ放射させるために、必要とされるエネルギー量をいう。従って、約4.5eVの仕事関数を有する材料(例えば、銅)は、0eVにおいて電子を表面から、理論的な完全真空に放出するために4.5eVのエネルギーを必要とする。
濃度、量、および他の数的データは、本明細書中において、範囲様式において表現され得るかまたは示され得る。このような範囲様式は、単に利便性および簡便性のために使用され、従って範囲の限定として明白に引用される数値を含むだけでなく、明白に列挙される各数値または部分領域のような範囲内に包含された全ての個別の数値および部分領域をまた含むように柔軟に解釈されるべきであると理解されるべきである。例示としては、「約1ミクロン〜約5ミクロン」の数的範囲は、柔軟に列挙された約1ミクロン〜約5ミクロンの値を含むだけでなく、指示された範囲内の個別の値および部分領域を含むと解釈されるべきである。従って、この数的範囲に含まれるものは、個別の値(例えば、2,3および4)ならびに部分領域(例えば、1〜3、2〜4および3〜5など)である。
この同じ原理は、1つの数値のみを列挙する範囲にあてはまる。さらに、このような解釈は、記載された範囲の広さまたは特徴にもかかわらず当てはまるはずである。
(本発明)
本発明は、十分な量のエネルギー入力の際に電子を生じるために使用され得るアモルファスダイヤモンド材料に関する。背景部分に列挙されるように、多くの材料の利用は、WO 01/39235(その全体は、本明細書中で参考として援用される)に開示されるダイヤモンド材料およびデバイスを含む、この目的のために意図される。その高バンドギャップ特性に起因して、ダイヤモンドは、そのバンドギャップを下げるかまたは変更するように改変されない限り、電子放出体としての使用に不適切である。これまでは、ダイヤモンドのバンドギャップを変更するための技術(例えば、ダイヤモンドを種々のドーパントとドーピングする技術、およびダイヤモンドを特定の幾何学的極面で構成するための技術)は、有用かどうか疑わしい電子放出体を生じる。
現在、種々のアモルファスダイヤモンドは、エネルギー源が適用される場合、電子を容易に放出し得ることが見出されている。このような材料は、ダイヤモンドのNEA特性を保持するが、純粋なダイヤモンドのバンドギャップ問題を被らない。従って、適用されたエネルギーにより活性化した電子は、アモルファスダイヤモンド材料を介して容易に移動可能であり、そしてダイヤモンドに必要とされるよりも有意に低エネルギーの入力を使用して放出される。さらに、本発明のアモルファスダイヤモンド材料は、電子に変換されるより広範なエネルギーを可能にし、従って転換効率を上げる高エネルギー吸収範囲を有することが見出された。
所望の特性を提供する種々の特定のアモルファスダイヤモンド材料は、本発明に包含される。電子放出を容易にするアモルファスダイヤモンドの1局面は、結合した多くの炭素原子を有する歪んだ4面体配位である。4面体配位は、炭素原子に、NEAのために必要な表面条件を容易にし得るsp結合特性を持続させ、そしてまた、歪んだ4面体配置における炭素原子結合の種々の結合長に起因して、複数の有効なバンドギャップを提供する。この様式において、純粋なダイヤモンドのバンドギャップ問題は、克服され、そしてアモルファスダイヤモンド材料は、電子を放出するのに有効になる。本発明の1局面において、アモルファスダイヤモンド材料は、少なくとも約90%の炭素原子を含み得、このような炭素原子の少なくとも約20%が、歪んだ4面体配位で結合している。別の局面において、アモルファスダイヤモンドは、歪んだ4面体配位中で結合された少なくとも50%の炭素原子を有する。
電子の放出を容易にする本発明のアモルファスダイヤモンド材料の別の局面は、特定の幾何学的構成の存在である。図1を参照すると、本発明に従って製造されたアモルファスダイヤモンド材料5の配置の1実施形態の側面図が示される。特に、アモルファスダイヤモンド材料は、エネルギー(例えば、熱エネルギー)を受け取るエネルギー入力表面10、およびアモルファスダイヤモンドから電子を放出する放出表面15を有する。電子の放出をさらに容易にするために、放出表面は、ざらつき、または隆起を有する放出表面で構成され得、そのざらつきまたは隆起は、電子流れを集め、電流出力を上げる(例えば、複数のピークまたは突出20により本明細書に示される隆起)。図1は、定型のピークを示すが、そのようなピークは、簡便性のためのみであり、本発明のアモルファスダイヤモンドは、代表的に、不定形であり、ピークとピーク高さとの間の距離は、図3および図4に示されるように変化し得る。
以前の多くのデバイスは、電子を集めるように意図される(例えば、複数の三角錐および円錐を放出表面に与える)が、現在、有効な費用の様式において実現可能なエネルギー入力を使用して、多くの適用に対して可能であることが必要とされる高電流出力を達成することが可能なデバイスはない。しばしば、この不十分さは、三角錐、円錐などが大きすぎ、そして必要とされる電子を集めて電流を増幅するのに不十分な密度であるという事実より生じる。このような高さは、しばしば数ミクロン長より大きく、従って、1平方センチメートルあたり10万未満の突出の密度を可能にする。炭素ナノチューブは、他の公知の放出器よりも高い出力を達成しているが、炭素ナノチューブは、達成される電子レベルおよび電子流れにおいて、脆弱であり、短命であり、そして不十分である。
本発明の1つの局面において、放出表面の隆起は、約10〜約1,000ナノメートルの高さを有し得る。別の局面において、その隆起の高さは、約800ナノメートルであり得る。さらに別の局面において、隆起の高さは、約100ナノメートルであり得る。さらに、その隆起は、放出表面の1平方センチメートルあたり少なくとも約100万のピークのピーク密度を有し得る。さらに別の局面において、そのピーク密度は、放出表面の1平方センチメートルあたり約1億のピークのピーク密度を有し得る。さらなる局面において、そのピーク密度は、放出表面の1平方センチメートルあたり約10億のピークのピーク密度を有し得る。高さおよび密度の任意の数の組み合せは、所望の電子出力を達成するために必要とされるような、特定の放出表面隆起を達成するために、使用され得る。しかし、1局面において、その隆起は、約800ナノメートルの高さ、および放出表面の1平方センチメートルあたり約100万以上のピーク密度を含み得る。さらに別の局面において、その隆起は、約1,000ナノメートルの高さ、および放出表面の1平方センチメートルあたり約10億以上のピーク密度を含み得る。
本発明のアモルファスダイヤモンド材料は、電子を発生するために、種々の異なるエネルギー入力のタイプを利用することができる。適切なエネルギーのタイプとしては、熱(heat)エネルギーもしくは熱(thermal)エネルギー、光もしくは光子エネルギー、および電場エネルギーが挙げられ得るが、これらに限定されない。したがって、適切なエネルギー源は、可視光または任意の特定波長範囲に限定されず、可視光、赤外光、および紫外光の波長範囲全てを含み得る。当業者は、上記アモルファスダイヤモンド材料中に含まれる電子を十分に振動させて、この材料を通ってこの材料を出ていく電子の放出および移動に影響を及ぼし得る、他のエネルギータイプを認識する。さらに、エネルギータイプの種々の組み合わせが、特に所望される結果を達成するために、またはこのアモルファスダイヤモンド材料が組み込まれる特定のデバイスの機能に適応するように、使用され得る。
本発明の一局面において、使用されるエネルギータイプは、熱エネルギーであり得る。このため、エネルギー吸収材およびエネルギー収集層が、本発明のアモルファスダイヤモンド材料に接続されるかまたは結合されて、上記材料への熱の吸収および移動を補助するように使用され得る。当業者により認識されるように、このような吸収材は、熱エネルギーを吸収しやすい種々の材料(例えば、カーボンブラックなど)から構成され得る。本発明によると、上記アモルファスダイヤモンド材料によって吸収される熱エネルギーは、約500℃未満の温度を有し得る。さらに、このような吸収材の収集層は、光子エネルギーおよび/または熱エネルギーを吸収するために設計され得る(例えば、カーボンブラック、噴霧されたグラファイト粒子、または他のあらゆる暗色体もしくは黒体)。あるいは、上記吸収材収集層は、表面あらさを増加させており、吸収される光および/または熱の量を高め得る。ざらつきのある(textured)表面を提供する種々の方法は、当業者に公知である。
本発明の別の局面において、電子流を促進するために使用されるエネルギー(すなわち、正バイアス)は、電場エネルギーであり得る、したがって、本発明のいくつかの実施形態において、正バイアスは、他のエネルギー源(例えば、熱および/もしくは光)と組み合わせて適用され得る。このような正バイアスは、上記アモルファスダイヤモンド材料および/もしくは以下に記載される中間部材に適用され得るか、または当業者に公知の種々の他の機構ともに適用され得る。具体的には、バッテリーまたは他の電流源の負極は、電極および/またはアモルファスダイヤモンドに接続され得、そして正極は、中間材料か、またはアモルファスダイヤモンド電子放出表面と陽極との間に配置されたゲート部材に接続され得る。
本発明のアモルファスダイヤモンド材料はさらに、種々のデバイスを作製するため、多くの異なる構成要素に結合または係合され得る。ここで図2を参照すると、本発明によるアモルファスダイヤモンド発電機の一実施形態が示されている。特に、陰極25は、その上にコーティングされたアモルファスダイヤモンド材料5の層を有する。この陰極に接触するアモルファスダイヤモンドの表面は、入力表面10である。さらに、上記で議論したように、必要に応じて使用されるエネルギー収集表面40が、上記アモルファスダイヤモンド層の反対側で上記陰極に結合され得る。このエネルギー収集体は、所望される場合、このアモルファスダイヤモンド材料への熱エネルギーもしくは光子エネルギーの収集および伝達を増強するために備えられ得る。中間部材55は、このアモルファスダイヤモンド材料5の電子放出表面15に結合される。陽極30は、このアモルファスダイヤモンド材料の反対側で中間部材に結合される。本発明の一局面において、上記アモルファスダイヤモンド発電機全体は、各層が連続して隣の層および/または部材と密接に接触している固体のアセンブリである。
当業者は、特定の目的を達成するため、または特定のデバイスを作製するために、図2のアセンブリに添加され得るかまたは添加されるべき他の構成要素を、容易に認識する。例として、限定ではなく、接続線50は、陰極と陽極との間に配置され、完全な回路を形成して電気が通ることを可能にし得、一以上の電気を必要とするデバイス(示さず)を動作させるため、および他の作業を行うために使用され得る。さらに、入力線および出力線、ならびに電源(示さず)が、電場もしくは正バイアスを誘導するために必要とされる電流を提供するために中間部材55に接続され得、そして特定のデバイスを実現するための他の必要とされる構成要素は、当業者に容易によって認識される。
上記に記載した構成要素は、種々の構成を取り得、そして種々の材料から作製され得る。以下で議論される層の各々は、多数の公知技術を用いて形成され得る。一局面において、各層は、析出技術(例えば、PVD、CVD、もしくは任意の他の公知である薄層析出プロセス)を用いて形成される。一局面において、PVDプロセスは、スパッタリングもしくは陰極アークである。さらに、陰極25および陽極30について、適切な導電材料および構成は、当業者に容易に認識される。このような材料および構成は、上記アセンブリが組み込まれるデバイスの機能によって部分的に決定され得る。加えて、上記層は、以下で議論されるように、熱的特性および電気的特性を干渉しない方法を用いて、蝋付けされ得るかまたは別の方法で互いに固定され得る。種々の幾何学的形状および層の厚さが使用され得るが、代表的な厚さは、上記アモルファスダイヤモンド放出表面に関しては約10ナノメートル〜約3ミクロンであり、そして他の層に関しては約1ミクロン〜約1ミリメートルである。
陰極25は、少なくとも部分的に被覆されたアモルファスダイヤモンド5の層を備えるベース部材60を有して形成され得る。このベース部材は、任意の導電性電極材料(例えば、金属)から形成され得る。適切な金属としては、銅、アルミニウム、ニッケル、それらの合金などが挙げられるが、これらに限定されない。このベース部材を形成するのに使用される、目下好ましい金属は、銅である。同様に、陽極30は、上記ベース部材と同じ材料、または異なる導電性材料から形成され得る。一般的な指針として、陽極および/または陰極のベース部材は、約3.5eV〜約6.0eVの仕事関数を有し得、そして第二の実施形態においては、約3.5eV〜約5.0eVの仕事関数を有し得る。陰極および/または陽極に関して種々の厚さが機能的であるが、代表的厚さは、約0.1mm〜約10mmの範囲である。
上記陰極25のベース部材60は、単層または多層であり得る。一実施形態において、このベース部材は、材料の単層である。別の実施形態においては、このベース部材は、第1の層および第2の層(示さず)を備え、したがってこの第2の層は、第1の層と、上記アモルファスダイヤモンド層のエネルギー入力表面との間に結合される。第2の層は、上記ダイヤモンド層の放出表面への電子伝導を改善するように作用する。代表的に、第2の層は、約2.0eV〜約4.0eVの低仕事関数を有する材料を含む。しかし、約2.0eV〜約3.0eVの仕事関数もまた適切である。より好ましくは、この第2の層は、約1.5eV〜約3.5eVの仕事関数を有する材料を含む。この第2の層における使用のために適切な材料としては、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、Sm、およびこれらの混合物もしくはこれらの合金が挙げられるが、それらに限定されない。より特定の実施形態において、この第2の層は、Be、Mg、Cs、またはSmを含有し得る。アモルファスダイヤモンド層への熱伝導を改善するため、この第2の層は、約100W/mKより大きな熱伝導率を有する材料を含有し得る。他の層または部材と同様に、種々の厚さが使用され得るが、この第2の層は、多くの場合、約1ミクロン〜約1ミリメートルである。当業者は、典型的な低仕事関数の材料もまた、容易に酸化されることを認識する。したがって、少なくとも第2の層、および多くの場合発電機全体を、真空下または他の不活性環境下で形成することが所望され得る。
いかなる特定の理論に縛られることも望まないが、本発明の電気を生産する能力は、各層の、材料間でのバンドギャップ、仕事関数、および熱伝導率に関連した段階的なプロセスとしてみなされ得る。特に、上記陰極の第2の層は、電子を真空エネルギーまたは伝導帯へと近づけるように作用する(すなわち、上記第1の層と真空エネルギーとの間のバンドギャップを減少させる)材料から構成され得る。さらに、この第2の層は、電子放出表面電子流を改善するため、高熱伝導率を有し得る。次いで、この第2の層の電子は、上記アモルファスダイヤモンド層に伝達され得、ここで、このアモルファスダイヤモンドの歪んだ四面体配位は、アモルファスダイヤモンド層内に、種々の異なる仕事関数およびバンドギャップ値(すなわち、非占有伝導帯内)を生成す、これによって電子の状態の一部は、真空エネルギーに近づき、そして真空エネルギーを超える。
そして、中間部材において使用するための材料は、陽極材料へ電子を伝達または「降下」させることによって、熱の損失を最小限にする様に選択され得る。このことは、このシステム中で失われるエネルギーの量を減少させる。例えば、アモルファスダイヤモンドから高仕事関数の材料への大幅な降下が、本発明において使用される;しかし、この電気エネルギーの一部は、熱として失われる。したがって、一以上の中間部材層および/またはベース部材層が発電機に組み込まれ、各層の間でのエネルギーバンドギャップの間の、種々の程度の「上昇」および「降下」を提供し得る。したがって、この中間部材は、各々異なる電気的特性および熱特性を有する複数の層から形成され得る。
加えて、上記中間部材の熱伝導率を最小限にして、陰極から陽極にわたって維持される熱勾配が存在するようにすることが、多くの場合望ましい。さらに、動作温度は、その適用およびエネルギー源に大きく依存して変動し得る。陰極温度は、約100℃〜約1800℃であり得、多くの場合、約300℃を超え得る。あるいは、陰極温度は、約100℃以下であり得、例えば、約0℃〜約100℃であり得る。これらの範囲は、本発明の発電機にわたって存在し得る例示的温度勾配を提供するが、これらの範囲外の温度が使用可能である。
図2に示されるように、中間部材55は、電子放出表面15に結合され得る。この中間部材は、約100W/mK未満の熱伝導率、および20℃で約80μΩ−cm未満の抵抗率を有する材料から形成され得る。この中間層で使用するための適切な材料の選択において、少なくとも2つの要因が考慮される。第一に、この材料は、層全体にわたる熱伝達を最小限にするように作用すべきである。したがって、比較的低い熱伝導率を有する材料が、望ましい。一局面において、中間部材は、約100W/mK未満(例えば、約80W/mK未満)の熱伝導率を有する材料を含有する。約40W/mK以下の熱伝導率を有する材料もまた、有利に使用され得る。第二に、この中間部材は、相対的に導電性である。一局面において、この中間部材はまた、20℃で約80μΩ−cm未満の抵抗率を有し、より好ましくは、20℃で約10μΩ−cm以下の抵抗率を有する。ここで具体的には、図8が参照とされる。図8は、種々の元素の抵抗率 対 熱伝導率のプロットである。種々の合金および化合物もまた上記中間部材のために望ましい特性を示すことが、理解され、そしてこのような合金および化合物は、本発明の範囲内であると考えられる。
図8を参照すると、元素の間で、抵抗率の増加(導電率の減少)が熱伝導率の減少に伴うという、一般的傾向が存在することが理解され得る。しかし、点線のボックスで示された領域の元素は、低熱伝導率および高導電率の両方を示す。この領域からの例示的材料としては、Pb、V、Cs、Hf、Ti、Nb、Zr、Gaおよびこれらの混合物もしくはこれらの合金が挙げられる。本発明の一局面において、上記中間部材はCsを含有する。種々の層についての適切な電気的特性の有用な尺度は、仕事関数である。上記中間部材は、約1.5eV〜約4.0eVの仕事関数を有する材料を含有し得、そして別の局面においては、約2.0eV〜約4.0eVであり得る。他の適切な材料もまた、上記指針に基づいて選択され得る。本発明の一実施形態において、上記中間部材は、約0.1ミリメートル〜約1ミリメートルの厚さを有し得る。
代替的実施形態において、上記中間部材は、熱伝導率および導電率に関する上記指針を満たす一方、使用され得る材料の型を拡張するように構築され得る。特に、この中間部材は、それらを貫通して延びた複数の開口部を有する一次断熱材料(示さず)から形成され得る。導電材料は、使用され得る任意の断熱材料からなることが、当然好ましい。適切な絶縁材料は、当業者によって選択され得る。適切な絶縁材料の非限定的な例としては、セラミックおよび酸化物が挙げられる。いくつかの現在好ましい酸化物としては、ZrO,SiO、およびAlが挙げられる。上記開口部は、ダイヤモンド層の電子放出表面から陽極へと延びる。この開口部を形成する都合良い方法の一つは、レーザードリルである。他の方法としては、アルミニウムのような金属の陽極処理が挙げられる。このようなプロセスにおいては、上記アルミニウム表面に小さなくぼみが形成され得、ついで陽極処理され、電子が、上記くぼんだ領域を通って優先的に流れ、このアルミニウムを溶解して、直線的かつ平行する開口部を形成する。周辺のアルミニウムは酸化されて、Alを形成する。
一旦この開口部が形成されると、より導電性の大きい金属がこの開口部へと堆積され得る。この開口部は、電子堆積、物理的流動、または他の方法により満たされ得る。ほとんどあらゆる導電性物質が使用され得るが、一つの局面では、導電性物質は、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、およびこれらの混合物またはこれらの合金であり得る。このようにして、高い導電性を有する導電性金属が、熱伝導について限定されずに選択され得る。開口部に覆われる表面の面積と絶縁体の表面積との比率は、上に記載されるガイドラインの中に全体の熱伝導および導電性を達成するために調節され得る。さらに、パターン、開口部の大きさ、および開口部の深さは、最適の結果を達成するために適用され得る。一つの局面では、開口部の表面積は、アモルファスダイアモンド層の電子放出表面と接触する中間層の表面の約10%〜約40%を構成する。
本発明のアモルファスダイアモンド材料を用いて電子が容易に生み出され得るので、印加される電場を用いて電子流を誘導することは、電子投入表面において熱吸収を促進し、従って本発明の電子放出体が冷却デバイスとして使用されることを可能にしていることが見出されている。そのようなものとして、本発明は、誘導された電場のもとで電子を放出することにより熱を吸収し得る冷却デバイスを包含する。このようなデバイスは、種々の形態をとり得、そして多くの支持コンポーネント(例えば、上記発電機において列挙されるコンポーネント)を利用し得る。一つの局面では、この冷却デバイスは、隣接領域を100℃未満の温度に冷却し得る。あるいは、本発明は、熱ポンプとて使用され得、低熱領域または低熱量(low heat volume)からより多くの熱量を有する領域に熱を伝達し得る。
本発明において使用されるアモルファスダイアモンド材料は、当業者に公知の種々のプロセスを用いて生み出され得る。しかし、一つの局面では、陰極アーク方法(cathodic arc method)を用いて使用され得る。種々の陰極アークプロセスは、米国特許第4,448,799号;同第4,511,593号;同4,556,471号;同4,620,913号;同4,622,452号;同5,294,322号;同5,458,754号および同6,139,964号に開示されているものとして当業者に周知であり、これらの各特許は、本明細書中に参考として援用される。一般的に言えば、陰極アーク技術は、標的または基材への炭素原子の物理的蒸気堆積(physical vapor deposition)(PVD)を伴う。このアークは、大きな電流がグラファイトの電極を通過することにより生み出され、このグラファイトの電極は、陰極として役立ち、そして電流を用いて陰極の炭素原子を蒸気化する。この気化した原子はまた、イオン化され、正電荷を運ぶ。次いで、種々の強度の負のバイアスが使用され、この炭素原子を導電性の標的に対して方向付ける。炭素原子が十分な量のエネルギー(すなわち、約100eV)を含む場合、炭素原子は、標的に衝突し、そして標的の表面に接着して、炭素性の物質(例えば、アモルファスダイアモンド)を形成する。
一般的に、衝突炭素原子の動力学的エネルギーは、基材での種々の負のバイアスにより調節され、そして堆積速度(deposition rate)は、アークの電流により制御され得る。これらのパラメーターおよびその他のパラメーターの制御はまた、アモルファスダイアモンド材料の炭素原子の四面体等位構造の歪みの程度および幾何学的構造、または配置を調節し得る(すなわち、例えば大きな負のバイアスは、炭素原子を加速し得、そしてsp結合を増加し得る)。この物質のラマンスペクトルを測定することにより、sp/sp比が決定され得る。しかし、アモルファスダイアモンド層の歪んだ四面体部分は、spでもspでもなく、spとspとの中間の特性を有する結合の範囲であることに留意すべきである。さらに、アークの電流の増加は、高フラックス炭素イオンとの標的の衝撃の速度を増加し得る。結果として、温度が上昇し得、その結果、堆積された炭素は、より安定なグラファイトへと転換する。従って、アモルファスダイアモンド材料の最終的な配置および構造(すなわち、バンドギャップ、NEA、および放出表面の粗さ)が、アモルファスダイアモンド材料が形成される条件下で陰極のアークの状態を操作することにより、制御され得る。
本明細書中で議論されるデバイスおよび方法の種々の適用は、当業者の頭に浮かぶ。一つの局面では、本発明の発電機は、余熱を生み出すデバイス中へと組み込まれ得る。陰極サイドすなわち本発明のエネルギー投入表面は、熱源(例えば、ボイラー)、バッテリー(例えば、再充電可能なバッテリー)、CPU、抵抗器、他の電子コンポーネント、またはこのデバイスと連結しなければ利用されない余熱を生み出す任意の他のデバイス、に連結され得る。例えば、本発明の発電機は、ラップトップのバッテリーに連結され得る。このような発電機は、電源装置を補完し、従って、バッテリーの寿命を延長する。別の実施例では、一種以上の発電機は、製造プロセスの電気的需要を同様に供給するために、ボイラーの外側表面または製造設備の他の熱産生設備の表面に付着し得る。従って、観察され得るように、電気を有用な量で生み出すために、熱源、光源、または他のエネルギー源を用いて種々の適用が考案され得る。
さらに、アモルファスダイアモンドは、普通の電極上に被覆され、電子の流れを加速し得る。このような電極は、バッテリーおよび金属の電子堆積(例えば、電子装甲(electroplating))において使用され得る。一つの局面では、電極は、水溶液中で使用され得る。例えば、水質またはその他の食料品(例えば、ジュース、ビール、ソーダ等)の品質を、(これらの水の抵抗率を測定することにより)モニタリングするために使用される電極。抗腐食性のために、アモルファスダイアモンドの電極は、従来の電極を越えた著しい利点をもたらす。
アモルファスダイアモンド電極が著しく好都合である一つの特定の適用は、電子堆積適用(electro−deposition application)にある。具体的には、ほとんどの電子堆積デバイスが経験している一つの問題点は、種々の気体の吸収による電極の分極である。しかし、アモルファスダイアモンドの非常に不活性な性質のおかげで、アモルファスダイアモンドで被覆されている陰極および陽極は、事実上分極しない。さらに、この不活性な性質は、水溶液中において、金属電極または炭素電極を用いて得られる電気ポテンシャルより高い電気ポテンシャルを作り出す。通常の環境下で、このような電位差は、水を解離する。しかし、アモルファスダイアモンドの高いポテンシャルのために、溶液中に含まれる溶質は、水が解離され得る前に駆逐(drive out)される。この局面は、非常に有用である。なぜなら、それは、高い酸化ポテンシャルを有する元素(例えば、LiおよびNa)の電子堆積(過去にはこれは不可能ではないにしても極度に困難であった)を可能にするからである。
類似の局面に置いて、溶液中のアモルファスダイアモンド電極により達成される高いポテンシャルのために、非常にわずかな量で存在する溶質は、溶液から駆逐され、そして検出され得る。従って、本発明の物質はまた、高感受性の診断用ツールまたは診断用デバイスとして有用であり、この診断用ツールまたは診断用デバイスは、溶液中の10億分の1(ppb)と同程度に少量の種々の元素(例えば、鉛)の存在を測定し得る。このような適用としては、電荷に駆逐され得るかまたは誘引され得るほとんどあらゆる要素(生体物質(例えば、血液および他の体内流体物(例えば、尿))の検出が挙げられる。
上に暗示されているように、本発明は、本明細書中に開示されるアモルファスダイアモンド材料を製造するための方法、およびこれらを使用する方法を包含する。上に列挙された発電機および冷却デバイスに加えて、電子を放出する原理に基づいて作動する多くのデバイスが、本発明のアモルファスダイアモンド材料を有効に利用し得る。多くのこのようなデバイス(トランジスタ、超高速スイッチ、リングレーザージャイロスコープ、電流増幅器(current amplifier)、マイクロ波放出器、および種々の他の電子ビームデバイスが挙げられるが、これらに限定されない)が、当業者により認識される。
一つの局面では、十分量のエネルギーを吸収することにより電子を放出し得るアモルファスダイアモンド材料を製造するための方法は、炭素源を供給する工程、および陰極アーク方法を用いてこの工程由来のアモルファスダイアモンド材料を形成する工程を包含する。電子の流れを生み出すための方法または電流を生み出すための方法は、本明細書に列挙されたように、アモルファスダイアモンド材料を形成する工程、そして電子の流れを生み出すのに十分なエネルギー量をこの物質に投入するための工程を包含し得る。陰極のベース部材および中間部材(intermediate member)の第2の層は、CVD、PVD、スパッタリング(sputtering)または他の公知のプロセスを用いて形成され得る。一つの局面では、この層は、スパッタリングを用いて形成される。さらに、陽極は、CVD、PVD、スパッタリング、蝋付け、(例えば、銀のペースト剤を用いた)接着(gluing)または当業者に公知の他の方法を用いて、中間部材に連結され得る。陽極は、一般にスパッタリングまたはアークの堆積により形成されるが、この陽極は、蝋付けにより中間部材に連結され得る。選択的な工程において、アモルファスダイアモンド生成器は、真空加熱炉において熱処理され得る。熱処理は、熱特性および電気特性を、種々の物質間の境界線を越えて改善し得る。代表的な熱処理温度は、選択された特定の物質に依存し、約200℃〜約800℃の範囲であり得、より好ましくは、約350℃〜約500℃の範囲であり得る。
以下は、本発明に従って電子放出体を製造する種々の方法を例示する実施例である。しかし、以下は、本発明の原理の適用の模範または例示に過ぎないことが理解されるべきである。多くの改変および代替の組成物、方法、および系が、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、当業者により考案され得る。添付の特許請求の範囲は、このような改変および改作を網羅することが意図される。従って、本発明は上に詳細に記載されるが、以下の実施例は、本発明のいくつかの特定の実施形態と関連したさらなる詳細を提供する。
(実施例1)
アモルファスダイアモンド材料を、陰極のアークの堆積を用いて、図3に示されるように製造した。とりわけ、放出表面の粗さは、約200ナノメーターの高さ、および1平方センチメートル当たり約10億ピークのピーク密度を有する。このような物質の製造においては、第一に、(200)配向を有するN型ウェハーのケイ素基材を、Arイオンにより約20分エッチングした。次に、エッチングしたケイ素ウェハーを、Multi−Arc,Rockaway,NJにより製造されたTetrabond(登録商標)コーティングシステムを用いて、アモルファスダイアモンドで被覆した。このコーティングシステムのグラファイト電極を、蒸気化して、80アンペアの電流を有する電気アークを形成し、そしてこのアークを、20ボルトの負のバイアスによりケイ素基材に向けて駆逐し、ケイ素基材上に堆積させた。生じたアモルファスダイアモンド材料を、図3および図4に示されているように、コーティングシステムから除去し、そして原子間力顕微鏡(atomic force microscope)のもとで観察した。
次いで、アモルファスダイアモンド材料を、電極に連結し、陰極を形成し、そして本発明に従う発電機を形成した。外側の電気的バイアスを印加して、そしてアモルファスダイアモンド材料により発生した電流をいくつかの温度で測定し、図5に記録した。
(実施例2)
銅の10ミクロン層を、スパッタリングを用いて基材の上に堆積し得る。この銅上に、真空下で銅表面上にスパッタリングをすることにより、2ミクロンのサマリウムを堆積した。当然、ベリリウムを酸化性雰囲気に曝さないように注意を払うべきである(例えば、全プロセスを真空下で遂行してもよい)。次いで、アモルファスダイアモンド材料の層を、陰極アーク技術を用いて実施例1のように堆積させ得、約0.5ミクロンの厚さを得る。アモルファスダイアモンドの成長表面上に、マグネシウム層をスパッタリングにより堆積させ得、約10ミクロンの厚さを得る。最終的に、銅の10ミクロンの厚さの層をスパッタリングにより堆積し、陽極を形成した。
(実施例3)
銅の10ミクロン層を、スパッタリングを用いて基材の上に堆積し得る。この銅上に、真空下で銅表面上にスパッタリングをすることにより、2ミクロンのセシウムを堆積した。当然、セシウムを酸化性雰囲気に曝さないように注意を払うべきである(例えば、全プロセスを真空下で遂行してもよい)。次いで、アモルファスダイアモンド材料の層を、陰極アーク技術を用いて実施例1のように堆積し得、約65nmの厚さを得た。アモルファスダイアモンドの成長表面上に、モリブデン層をスパッタリングにより堆積させ得、約16nmの厚さを得る。さらに、In−Snオキシドの20nmの厚さの層を、スパッタリングにより堆積させ、陽極を形成した。最終的に、銅の10ミクロンの厚さの層をスパッタリングにより堆積した。組み立てられた層の断面構造を、堆積されたものとして、図9Aにその一部を示す。次いで、組み立てられた層を真空加熱炉において400℃に加熱した。最終的なアモルファスダイアモンド発電機の断面構造を、一部図9Bに示す。層と層の間のインターフェースが、特徴的な境界線を示すとは限らないが、むしろ、一つの層から次の層への構造勾配により特徴付けられることに注意されたい。この熱処理は、陽極と中間物質との間の境界線、およびアモルファスダイアモンドと中間物質との間の境界線を越えての電子の移動を改善する。25℃で印加された電界の力対電流密度の測定は、図5に示される400℃での反応とほぼ同一の反応を生じた。25℃を超えた温度での測定は、図5に図示される温度の関数として、類似の傾向を示すことが予測され、ここで、電流密度は、印加されるより低い電位にて増加する。
当然、上記の改作は、本発明の原理の適用の例示に過ぎないことが理解されるべきである。多くの改変および代替の改作が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者に考案され得、そして添付の特許請求の範囲は、このような改変および改作を網羅することを意図する。従って、本発明は、本発明の現在最も実用的でかつ好ましい実施形態であると判断されるものと組み合わせて、上に詳細に記載されているが、多くの改変(サイズの変更、物質の変更、形の変更、形態の変更、機能の変更、作動様式の変更、組み立ての変更および使用の変更が挙げられるが、これらに限定されない)が、本明細書に記載の原理および概念から逸脱することなく、なされ得るということが当業者には明らかである。
図1は、本発明に従って、アモルファスダイヤモンド材料の1実施形態の側面図を示す。 図2は、十分な量のエネルギーを吸収することにより、電子を放出可能なデバイスを形成するために種々の構成要素を用いて製造されたされた図1のアモルファスダイヤモンド材料の側面図を示す。 図3は、本発明の1局面に従って、陰極アーク手順を使用して製造されたアモルファスダイヤモンド材料の1実施形態の斜視図を示す。 図4は、図3に示されるアモルファスダイヤモンド材料の部分拡大図を示す。 図5は、本発明のアモルファスダイヤモンド製造機の1実施形態により、種々の温度にて、適用された電界下で発生する電流のグラフ図を示す。 図6は、炭素結合の規則的な、または正常な4面体配位を有するダイヤモンドの4面体の斜視図を示す。 図7は、炭素結合の不規則的な、または異常な4面体配位を有する炭素の4面体の斜視図を示す。 図8は、ほとんどの元素についての抵抗率対熱伝導率のグラフを示す。 図9Aは、熱処理前の本発明の実施形態についての原子濃度対深さのグラフを示す。図9Bは、熱処理後の図9Aに示される実施形態についての原子濃度対深さのグラフを示す。

Claims (25)

  1. アモルファスダイヤモンド発電機であって、以下:
    a)アモルファスダイヤモンド材料の層を備えるベース部材を有する陰極であって、該アモルファスダイヤモンド材料は、該陰極の少なくとも一部をコーティングし、該アモルファスダイヤモンド材料は、少なくとも約90%の炭素原子を含み、該炭素原子の少なくとも約20%は、歪んだ四面体配位で結合され、該ダイヤモンドコーティングは、該ベース部材と接触しているエネルギー入力表面および該エネルギー入力表面に対向する電子放出表面を備えて構成され、該電子放出表面は、約10〜約1,000ナノメートルの隆起高さを有し、そして十分量のエネルギーが該アモルファスダイヤモンド材料に投入された際に、電子を放出し得る、陰極;
    b)該アモルファスダイヤモンドコーティングの該電子放出表面に結合される中間部材であって、該中間部材は、約100W/mK未満の熱伝導率および20℃において約80μΩ−cm未満の抵抗率を有する材料を含む、中間部材;ならびに
    c)該アモルファスダイヤモンドコーティングに対向する該中間部材に結合される陽極、を備える、アモルファスダイヤモンド発電機。
  2. 前記陰極の前記ベース部材が、単層である、請求項1に記載の発電機。
  3. 前記陰極の前記ベース部材が、第1の層、および該第1の層と前記アモルファスダイヤモンドコーティングの前記エネルギー入力表面との間に接続される第2の層を備え、ここで該第2の層が、約2eV〜約4.0eVの仕事関数を有する、請求項1に記載の発電機。
  4. 前記第2の層が、約100W/mKより大きい熱伝導率を有する材料を含む、請求項3に記載の発電機。
  5. 前記第2の層が、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、Sm、およびこれらの混合物またはこれらの合金からなる群より選択されるメンバーを含む、請求項3に記載の発電機。
  6. 前記中間部材が、約80W/mK未満の熱伝導率および20℃において約10μΩ−cm未満の抵抗率を有する材料を含む、請求項1に記載の発電機。
  7. 前記中間部材が、Pb、V、Cs、Hf、Ti、Nb、Zr、Ga、およびこれらの混合物またはこれらの合金からなる群より選択される材料を含む、請求項1に記載の発電機。
  8. 前記中間部材が、複数の開口部を有する断熱材料をさらに含み、該開口部は、該断熱材料を貫いて延び、該開口部が、導電性金属を含む、請求項1に記載の発電機。
  9. 前記アモルファスダイヤモンドコーティングが、約10nm〜約3ミクロンの厚みを有する、請求項1に記載の発電機。
  10. 前記中間部材が、約1ミクロン〜約1ミリメートルの厚みを有する、請求項1に記載の発電機。
  11. 前記アモルファスダイヤモンド材料に対向する前記陰極に結合されるエネルギー収集体をさらに備える、請求項1に記載の発電機。
  12. 前記隆起高さが、約10ミクロン〜約100ミクロンである、請求項1に記載の発電機。
  13. 前記隆起が、放出表面1平方センチメートルあたり約1,000,000ピークより大きいピーク密度を有する、請求項12に記載の発電機。
  14. 前記隆起高さが、約100〜約1,000ナノメートルである、請求項1に記載の発電機。
  15. 前記隆起が、放出表面1平方センチメートルあたり約1,000,000,000ピークより大きいピーク密度を有する、請求項14に記載の発電機。
  16. アモルファスダイヤモンド発電機を作製する方法であって、以下:
    a)物理蒸着技術を用いて陰極材料上にアモルファスダイヤモンドの層を形成する工程であって、該アモルファスダイヤモンド材料は、少なくとも約90%の炭素原子を含み、該炭素原子の少なくとも約20%は、歪んだ四面体配位で結合され、該ダイヤモンド材料は、該陰極材料と接触しているエネルギー入力表面および該エネルギー入力表面に対向する電子放出表面を備えて構成され、該電子放出表面は、約10〜約1,000ナノメートルの隆起高さを有し、そして十分量のエネルギーが該材料に入力された際に、電子を放出し得る、工程;
    b)該アモルファスダイヤモンド材料の該電子放出表面上に中間部材を形成する工程であって、該中間部材は、約100W/mK未満の熱伝導率および20℃において約80μΩ−cm未満の抵抗率を有する、工程;ならびに
    c)陽極を、該電子放出表面に対向する低仕事関数材料に結合する工程、
    を包含する、方法。
  17. 前記物理蒸着技術が、陰極アーク技術である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記中間部材が、スパッタリングまたはアーク析出により形成される、請求項16に記載の方法。
  19. 前記中間部材が、約40W/mK未満の熱伝導率を有する、請求項16に記載の方法。
  20. 前記中間部材が、約2.0〜約4.0eVの仕事関数を有する、請求項16に記載の方法。
  21. 前記中間機能材料が、Pb、V、Cs、Hf、Ti、Nb、Zr、Ga、およびこれらの混合物またはこれらの合金からなる群より選択されるメンバーである、請求項16に記載の方法。
  22. 前記陽極が、約3.5eV〜約5.0eVの仕事関数を有する材料を含む、請求項16に記載の方法。
  23. 前記陰極材料が、第1の層および該第1の層と前記アモルファスダイヤモンドコーティングの前記エネルギー入力表面との間に結合される第2の層から形成され、ここで該第2の層が、約1.5eV〜約3.5eVの仕事関数を有する、請求項16に記載の方法。
  24. 前記第2の層が、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、Sm、およびこれらの混合物またはこれらの合金からなる群より選択される材料を含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記アモルファスダイヤモンド層に対向する前記陰極上のエネルギー収集層を形成する工程をさらに包含する、請求項16に記載の方法。
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