JP2007512079A - インプラント用のステント補助具 - Google Patents
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Abstract
インプラント用のステント補助具が開示されている。本発明によるインプラント用のステント補助具は、所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備えてなり、前記胴体は、それよりも広い断面積と所定の厚さをもって設けられる支持部を上面に有する。
Description
本発明はインプラント用のステント補助具に係り、さらに詳しくは、患者の歯槽骨にインプラントをより一層正確で且つ安全に植立するためのインプラント用のステント補助具に関する。
インプラントとは、問題があったり欠損した歯牙を交換するために用いられる補綴物の一種である。現在のところ、これは、隣り合った歯牙を損傷することなく個別に施術することができ、比較的に長期の寿命を有することから、脚光を浴びている医療技術の一つとされている。
この種のインプラントは、ドリルなどを用いて患者の歯槽骨を穿孔した後に植立を行うため、患者の歯槽骨を穿孔することが何よりも重要である。
図1は、インプラントを植立するために用いられる従来のステントと、このステントを用いて穿孔を行う状態を示す斜視図である。ここで、ステントSは、インプラントの植立に先立ち、患者の歯牙Tと同じ形状の模型を制作して正確な植立個所を見付けるために用いられるものであり、レジン(アクリル)などから形成され、隣り合う歯牙に嵌装される。
このようなステントSを用いてインプラント植立を行う過程を説明すると、下記の通りである。
先ず、ゴム製の印象材料を用いて患者の上下顎の陰型を採得し、採得した陰型に石膏を注ぎ込んで患者の上下顎の形状と全く同じ石膏模型を製作する。その後、人工咬合器と係合して、患者の状態とほとんど同様な顎関節及び上下顎歯牙Tの相互関係を口腔外で再現する。次いで、歯牙Tが欠損した個所に係合される歯牙の模型を製作し、該模型をステントSとして用いる。ステントSに設けられた人口歯牙模型の中央部は、インプラントが植立される個所であり、この個所にドリルが嵌合可能なホールHを穿設することにより、ステントSの作製は完了する。通常、ステントSは、周りの歯牙Tに挿入自在に製作されて歯牙Tに嵌装される。植立されるインプラントの個数及び位置は、患者の口腔状態、X線撮影の結果などにより決まる。
ステントSの製作が完了すると、患者の歯茎Gを切開した後、残存する歯牙TにステントSを挿入する。そして、ステントSに穿設されたホールHの位置を考慮して、患者の歯槽骨Bの上端の適宜個所に穿孔位置を表示し、ステントSのホールHの上部からドリルDを挿入した後、表示された個所を穿孔することにより、インプラントの植立空間ができる。
このとき、前記ホールHの下部に歯槽骨Bの最上部の中心が位置する場合、ドリルDをステントSのホールHの中心に垂直に位置付けた後、歯槽骨Bを穿孔することができるが、歯槽骨Bの最上部が前記ホールHの下部において内外側に離れている場合、ホールHの直径が小さければ、ドリルDの方向変更が困難になって穿孔作業が容易ではないため、前記ホールHの直径を大きく取る必要がある。ところが、ホールHは、その直径が小さいほど、ドリルDの揺らぎが小さくて穿孔角の誤差も低くものの、ホールHの直径が小さ過ぎる場合には、ドリルDがホールHの壁に引っ掛かってしまい、穿孔角を変更できなくなるという欠点がある。これに対し、ホールHの直径が大きければ、穿孔角の変更は容易ではあるが、穿孔時にドリルDに揺らぎが生じ、施術者が穿孔角を判断するに当たって誤差が生じる恐れがある。
さらに、歯槽骨Bの穿孔に際し、ドリルDの目盛の視認は歯槽骨Bの表面から行われるが、歯槽骨B上の穿孔個所は口腔の奥側に位置するために、視野が狭く、接近が容易ではないほか、手術中における出血が歯槽骨Bを覆ってしまい、施術者の目盛の視認が容易ではない。
そして、このように目盛を視認できず、過度な穿孔が生じたり、施術者が意図していた深さまで穿孔できなかった場合、合病症が起こったり、あるいは、はじめから穿孔作業を行い直せねばならないという欠点がある。
さらに、従来のステントSを用いた穿孔方法は、前述したように、施術者が意図していた位置から外れる可能性が高いため、手術中にも歯槽骨Bの穿孔方向を確かめるためにX線撮影を行ったり、周りの重要構造物の損傷の有無を確かめる煩雑な過程をさらに行ったりする場合が多く、その結果として、手術時間が延び、施術者及び患者にとって一層大変な作業になる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インプラントを植立するためのホールを穿孔する場合、穿孔作業をより一層安定的でかつ正確に、しかも迅速に行うことを可能にする、ステントに取り付けられるインプラント用のステント補助具を提供するところにある。
また、本発明の別の目的は、ホールの深さを正確で且つ手軽に測定可能にするインプラント用のステント補助具を提供するところにある。
前述した本発明の目的を達成するために、本発明によるインプラント用のステント補助具の第1の態様は、患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具において、所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備え、前記胴体は、それよりも広い断面積と所定の厚さをもって設けられる支持部を上面に有することを特徴とする。
前述した本発明の目的を達成するために、本発明によるインプラント用のステント補助具の第2の態様は、患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具において、所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備え、前記胴体は、両対向方向に所定の長さだけさらに突出され、所定の厚さをもって設けられる支持部を下面に有することを特徴とする。
前述した本発明の目的を達成するために、本発明によるインプラント用のステント補助具の第3の態様は、患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具において、所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備え、前記胴体には、下部の両角部に段差部が凹設されていることを特徴とする。
前述した本発明の目的を達成するために、本発明によるインプラント用のステント補助具の第4の態様は、患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具において、所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備え、前記胴体の上面に穿設された前記ドリル嵌合孔の開口部は、胴体の上面の中心から所定の距離だけ離れていることを特徴とする。
上記の第1の態様ないし第4の態様において、前記胴体の上面に穿設されたドリル嵌合孔の開口部は、胴体の上面の中心から所定の距離だけ離れていても良い。
上記の本発明によるインプラント用のステント補助具において、前記ドリル嵌合孔は、所定の角度だけ斜設されていても良い。前記胴体の下面には、下方に向かって突出する延設部が設けられ、前記ドリル嵌合孔は、前記延設部を貫設されていても良い。前記ドリル嵌合孔は、前記胴体の下部に行くほど断面積が広くなっても良い。前記ドリル嵌合孔の上面の開口部は、下部に行くほど内側に狭くなっていても良い。前記胴体は、その横断面が、両対向辺が丸められた四角形状、円形または角部が丸められた四角形状を有しても良い。前記上面の開口部は、その横断面が、両対向辺が丸められた四角形状、円形または角部が丸められた四角形状を有しても良い。
本発明によるX線撮影用の補助具は、患者の歯槽骨に植立されるインプラントの植立方向を決めるためのものであり、所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面に突設される方向指示具と、を備えることを特徴とする。このとき、前記胴体の上面に支持部がさらに設けられていても良い。
本発明による歯茎除去用の補助具は、患者の歯槽骨にインプラントを植立するために歯茎を除去するものであり、所定の長さを有する胴体と、前記胴体の下面に突設される中空管状のカッターと、を備えることを特徴とする。このとき、前記胴体の上面と下面を貫通する貫通孔がさらに設けられていても良い。さらに、前記カッターの下部には、歯槽骨の上部が嵌入する溝が穿設されていることが好ましい。
本発明による補助具ガイドは、患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具を案内するものであり、インプラント用のステント補助具が嵌合・受止自在に内部が中空管状に設けられていることを特徴とする。
本発明によるステント成形補助具は、患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具の取付位置を設けるためのものであり、所定の長さを有する成形部と、前記胴体の下面に突設される挿入部と、を備えることを特徴とする。
本発明によるドリル工具は、患者の歯槽骨を穿孔ものであり、電動手段と係合自在な形状を有する接続部材が上部に設けられ、歯槽骨の穿孔のためのドリル部が下部に設けられ、前記ドリル部よりも大径の円筒状のガイド部が前記接続部材とドリル部との間に介装されていることを特徴とする。
以下、添付図面に基づき、本発明による実施例を詳細に説明する。
図2は、本発明によるインプラント用のステント補助具の第1の実施例を示す斜視図であり、図3は、前記第1の実施例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図である。
この明細書において、前後方向とは、図1及び図2に矢印で示すような方向を意味し、側方向とは、前記前後方向に水平に直角をなす方向を意味する。このため、図中、側方向の縦断面図は、側方向に切断した後、前後方向からみた断面図であり、前後方向の縦断面図は、前後方向に切断した後、側方向からみた断面図である。
図2と図3に示す第1の実施例のように、インプラント用のステント補助具110は、横断面の形状が両対向辺(図中の前後方向と直交する方向に設けられた辺)が丸められた直方形状であり、垂直方向に所定の長さを有する胴体111と、前記胴体111を貫通するドリル嵌合孔113と、により構成されている。このとき、前記ドリル嵌合孔113は、前記胴体111の上面から下面に垂直に貫設され、ドリル嵌合孔113の入口に相当する上面の開口部115は、歯槽骨Bの穿孔のための穿孔手段を挿入し易くするために、下部に行くほど内側に狭くなる形状を有する。ここで、前記ステント補助具110の胴体111の形状は、両対向辺が丸められた直方形状となっているが、これに限定されることなく、円形、楕円形または角部が丸められた直方形状であっても構わない。
一方、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔113の中心から外れている患者にとっては、前述したように胴体111の中心にドリル嵌合孔113が垂直方向に穿設された前記第1の実施例よりは、この実施例の変形例が当てはまる。図4ないし図7を参照して、第1の実施例の変形例を説明する。
図4は、前記第1の実施例の第1の変形例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図5は、前記第1の変形例において、ドリル嵌合孔の傾斜方向が異なる例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記第1の実施例の第1の変形例であるステント補助具120は、図4に示すように、前記ステント補助具120と同じ形状の胴体121と、前記胴体121の上面に対して側方向に所定の角度だけ斜設されるドリル嵌合孔123と、により構成されている。
ここで、前記ドリル嵌合孔123が所定の角度で斜設されている前記ステント補助具120を用いることにより、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者であっても、最適な個所に穿孔を行うことが可能になる。このとき、ドリル嵌合孔の傾斜方向は、側方向に限定されることなく、図5に示すように、前後方向であっても良い。前記ドリル嵌合孔123、123’の傾斜方向は、ステント補助具120、120’の側方向または前後方向に限定されることなく、いかなる方向であっても構わない。さらに、前記ドリル嵌合孔123、123’の斜角度は、種々な角度であっても構わない。
通常、患者ごとに歯槽骨Bの最上端の位置が異なるため、施術者は、ドリル嵌合孔の傾斜方向を異ならせた多数のステント補助具を前もって用意しておくことが好ましい。
図6は、前記第1の実施例の第2の変形例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図7は、前記第2の変形例において、ドリル嵌合孔の離隔方向が異なる例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記第1の実施例の第2の変形例であるステント補助具130は、図6に示すように、前記ステント補助具120と同じ形状の胴体131と、前記胴体131の上面に対して垂直に穿設されるが、ドリル嵌合孔133の開口部135が上面の中心から所定の距離だけ離れているドリル嵌合孔133と、により構成されている。
ここで、前記ドリル嵌合孔133が前記胴体131の上面の中心から所定の距離だけ離れている前記ステント補助具120を用いることにより、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者であっても、最適な個所に穿孔を行うことが可能になる。このとき、ドリル嵌合孔の離隔方向は、側方向に限定されることなく、図7に示すように、前後方向であっても良い。前記ドリル嵌合孔133、133’の離隔方向は、ステント補助具130、130’の側方向または前後方向に限定されることなく、いかなる方向であっても構わない。さらに、前記ドリル嵌合孔133、133’は、胴体131、131’の上面に対して必ずしも垂直に穿設される必要はなく、種々の角度で斜設可能である。
通常、患者ごとに歯槽骨Bの最上端の位置が異なるため、施術者は、ドリル嵌合孔の離隔方向を異ならせた多数のステント補助具を前もって用意しておくことが好ましい。
図8は、本発明によるインプラント用のステント補助具の第2の実施例を示す斜視図であり、図9は、前記第2の実施例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図である。
図8と図9に示す第2の実施例を参照すると、インプラント用のステント補助具210は、垂直方向に所定の長さを有する胴体部211aと、前記胴体部211aよりも広い断面積及び所定の厚さをもって胴体部211aの上面に設けられる支持部211bを含む胴体211と、前記胴体211の上面、すなわち、前記支持部211bの上面と胴体211の下面を貫通するドリル嵌合孔215と、により構成されている。ここで、前記胴体211の横断面は、両対向辺が丸められた直方形状であるが、その形状はこれに限定されるものではない。
このとき、前記ドリル嵌合孔215は、前記支持部211bの上面から前記胴体211の下面まで垂直に貫設される。さらに、上面の開口部217は、歯槽骨B穿孔のための穿孔手段を挿入し易くするために、下部に行くほど内側に狭くなる形状を有する。
一方、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔215の中心から外れている患者にとっては、前述したように、胴体211の中心にドリル嵌合孔215が垂直方向に穿設された前記ステント補助具210よりは、この実施例の変形例が当てはまる。図10から図13を参照し、前記第2の実施例の変形例を説明する。
図10は、前記第2の実施例の第1の変形例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図11は、前記第1の変形例において、ドリル嵌合孔の傾斜方向が異なる例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記第2の実施例の第1の変形例であるステント補助具220は、図10に示すように、前記ステント補助具210と同じ形状の胴体部221aと支持部221bよりなる胴体221と、前記支持部221bの上面に対して側方向に所定の角度で斜設されるドリル嵌合孔215と、により構成されている。
ここで、前記ドリル嵌合孔225が所定の角度で斜設されている前記ステント補助具220を用いることにより、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者であっても、最適な個所に穿孔を行うことが可能になる。このとき、ドリル嵌合孔の傾斜方向は、側方向に限定されることなく、図11に示すように、前後方向であっても良い。前記ドリル嵌合孔225、225’の傾斜方向は、ステント補助具220、220’の側方向または前後方向に限定されることなく、いかなる方向であっても構わない。さらに、前記ドリル嵌合孔225、225’は、種々の角度で斜設されても構わない。
通常、患者ごとに歯槽骨Bの最上端の位置が異なるため、施術者は、ドリル嵌合孔の傾斜方向を異ならせた多数のステント補助具を前もって用意しておくことが好ましい。
図12は、前記第2の実施例の第2の変形例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図13は、前記第2の変形例において、ドリル嵌合孔の離隔方向が異なる例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記第2の実施例の第2の変形例であるステント補助具230は、図12に示すように、前記ステント補助具210と同じ形状の胴体部231aと支持部231bよりなる胴体231と、前記支持部231bの上面に対して垂直に穿設されるが、ドリル嵌合孔235の開口部237が上面の中心から所定の距離だけ離れているドリル嵌合孔235と、により構成されている。
ここで、前記ドリル嵌合孔235が前記胴体231の上面の中心から所定の距離だけ離れている前記ステント補助具230を用いることにより、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者であっても、最適な個所に穿孔を行うことが可能になる。このとき、ドリル嵌合孔の離隔方向は、側方向に限定されることなく、図13に示すように、前後方向であっても良い。前記ドリル嵌合孔235、235’の離隔方向は、ステント補助具230、230’の側方向または前後方向に限定されることなく、いかなる方向であっても構わない。さらに、前記ドリル嵌合孔235、235’は胴体231、231’の上面に対して必ずしも垂直に穿設される必要はなく、種々な角度で斜設可能である。
通常、患者ごとに歯槽骨Bの最上端の位置が異なるため、施術者は、ドリル嵌合孔の離隔方向を異ならせた多数のステント補助具を前もって用意しておくことが好ましい。
一方、図14は、前記第2の実施例の第3の変形例を示すものであり、前記第2の実施例の第3の変形例であるステント補助具240は、垂直方向に所定の長さを有する胴体部241aと前記胴体部241aよりも広い断面積及び所定の厚さをもって胴体部241aの上面に設けられる支持部241bよりなる胴体241と、前記胴体241の上面、すなわち、前記支持部241bの上面と胴体241の下面を貫通するドリル嵌合孔245と、により構成されている。このとき、前記支持部241bは、側方向にのみ突設される。前記ドリル嵌合孔245の上面の開口部247は、穿孔手段を挿入し易くするために、下部に行くほど内側に狭くなる形状を有する。通常、前記開口部247は、前記支持部241bの厚さに相当する深さまで内側が狭くなるように設けられる。
図15は、本発明によるインプラント用のステント補助具の第3の実施例を示す斜視図であり、図16は、前記第3の実施例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図17は、前記第3の実施例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
図15から図17の第3の実施例に示すように、インプラント用のステント補助具310は、垂直方向に所定の長さを有する胴体部311aと前記胴体部311aの前後方向に所定の長さだけ突出され、所定の厚さをもって胴体部311aの下面に設けられる支持部311bからなる胴体311と、前記胴体部311aの上面と支持部311bの下面を貫通するドリル嵌合孔315と、により構成されている。ここで、前記胴体311の横断面は、前記前後方向に直交する方向に位置する両対向辺が丸められた直方形状であるが、その形状はこれに限定されるものではない。
このとき、前記ドリル嵌合孔315は、前記胴体311の上面の中心から前記胴体311の下面、すなわち、支持部311bの下面まで垂直に貫設される。さらに、上面の開口部317は、歯槽骨Bの穿孔のためのドリルを挿入し易くするために、下部に行くほど内側に狭くなるように設けられる。
一方、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔315の中心から外れている患者にとっては、前述したように、胴体311の中心にドリル嵌合孔315が垂直方向に穿設された前記ステント補助具310よりは、この実施例の変形例が当てはまる。図18から図21を参照し、前記第3の実施例の変形例を説明する。
図18は、前記第3の実施例の第1の変形例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図19は、前記第1の変形例において、ドリル嵌合孔の傾斜方向が異なる例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記第3の実施例の第1の変形例であるステント補助具320は、図18に示すように、前記ステント補助具310と同じ形状の胴体部321aと支持部321aからなる胴体321と、前記胴体321の上面に対して側方向に所定の角度で斜設されるドリル嵌合孔325と、により構成されている。
ここで、前記ドリル嵌合孔325が所定の角度で斜設されている前記ステント補助具320を用いることにより、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者であっても、最適な個所に穿孔を行うことが可能になる。このとき、ドリル嵌合孔の傾斜方向は、側方向に限定されることなく、図19に示すように、前後方向であっても良い。前記ドリル嵌合孔325、325’の傾斜方向は、ステント補助具320、320’の側方向または前後方向に限定されることなく、いかなる方向であっても構わない。さらに、前記ドリル嵌合孔325、325’は、種々の角度で斜設されても構わない。
通常、患者ごとに歯槽骨Bの最上端の位置が異なるため、施術者は、ドリル嵌合孔の傾斜方向を異ならせた多数のステント補助具を前もって用意しておくことが好ましい。
図20は、前記第3の実施例の第2の変形例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図21は、前記第2の変形例において、ドリル嵌合孔の離隔方向が異なる例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記第3の実施例の第2の変形例であるステント補助具330は、図20に示すように、前記第3の実施例と同じ形状の胴体部331aと支持部331aよりなる胴体331と、前記胴体331の上面に対して垂直に穿設されるが、ドリル嵌合孔335の開口部337が上面の中心から所定の距離だけ離れているドリル嵌合孔335と、により構成されている。
ここで、前記ドリル嵌合孔335が前記胴体331の上面の中心から所定の距離だけ離れている前記ステント補助具330を用いることにより、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者であっても、最適な個所に穿孔を行うことが可能になる。このとき、ドリル嵌合孔の離隔方向は、側方向に限定されることなく、図21に示すように、前後方向であっても良い。前記ドリル嵌合孔335、335’の離隔方向は、ステント補助具330、330’の側方向または前後方向に限定されることなく、いかなる方向であっても構わない。さらに、前記ドリル嵌合孔335、335’は、胴体331、331’の上面に対して必ずしも垂直に穿設される必要はなく、種々の角度で斜設可能である。
通常、患者ごとに歯槽骨Bの最上端の位置が異なるため、施術者は、ドリル嵌合孔の離隔方向を異ならせた多数のステント補助具を前もって用意しておくことが好ましい。
図22は、本発明によるインプラント用のステント補助具の第4の実施例を示す斜視図であり、図23は、前記第4の実施例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図24は、前記第4の実施例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
同図に示すように、インプラント用のステント補助具410は、垂直方向に所定の長さを有する胴体部411aと前記胴体部411aの下部の前後方向の両角部に凹設される段差部411bよりなる胴体411と、前記胴体411を貫通するドリル嵌合孔415と、により構成されている。ここで、前記胴体411の横断面は、両対向辺が丸められた直方形状であるが、その形状はこれに限定されるものではない。
このとき、前記ドリル嵌合孔415は、前記胴体411の上面の中心から下面まで垂直に貫通される。さらに、上面の開口部417は、歯槽骨Bの穿孔のためのドリルを挿入し易くするために、下部に行くほど内側に狭くなるように設けられる。
一方、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者にとっては、前述したように、胴体411の中心にドリル嵌合孔415が垂直方向に穿設された前記ステント補助具410よりは、この実施例の変形例が当てはまる。図25から図28を参照し、前記第4の実施例の変形例を説明する。
図25は、前記第4の実施例の第1の変形例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図26は、前記第1の変形例において、ドリル嵌合孔の傾斜方向が異なる例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記第4の実施例の第1の変形例であるステント補助具420は、図25に示すように、前記ステント補助具410と同じ形状の胴体部421aと段差部421bよりなる胴体421と、前記胴体421の上面に対して側方向に所定の角度で斜設されるドリル嵌合孔425と、により構成されている。
ここで、前記ドリル嵌合孔425が所定の角度で斜設されている前記ステント補助具420を用いることにより、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者であっても、最適な個所に穿孔を行うことが可能になる。このとき、ドリル嵌合孔の傾斜方向は、側方向に限定されることなく、図26に示すように、前後方向であっても良い。前記ドリル嵌合孔425、425’の傾斜方向は、ステント補助具420、420’の側方向または前後方向に限定されることなく、いかなる方向であっても構わない。さらに、前記ドリル嵌合孔425、425’は、種々な角度で斜設可能である。
通常、患者ごとに歯槽骨Bの最上端の位置が異なるため、施術者は、ドリル嵌合孔の傾斜方向を異ならせた多数のステント補助具を前もって用意しておくことが好ましい。
図27は、前記第4の実施例の第2の変形例がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図であり、図28は、前記第2の変形例において、ドリル嵌合孔の離隔方向が異なる例がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
さらに、前記第4の実施例の第2の変形例であるステント補助具430は、図27に示すように、前記ステント補助具410と同じ形状の胴体部431aと段差部431bよりなる胴体431と、前記胴体431の上面に対して垂直に穿設されるが、ドリル嵌合孔435の開口部437が上面の中心から所定の距離だけ離れているドリル嵌合孔435と、により構成されている。
ここで、前記ドリル嵌合孔435が前記胴体431の上面の中心から所定の距離だけ離れている前記ステント補助具430を用いることにより、歯槽骨Bの最上端がドリル嵌合孔の中心から外れている患者であっても、最適な個所に穿孔を行うことが可能になる。このとき、ドリル嵌合孔の離隔方向は、側方向に限定されることなく、図28に示すように、前後方向であっても良い。前記ドリル嵌合孔435、435’の離隔方向は、ステント補助具430、430’の側方向または前後方向に限定されることなく、いかなる方向であっても構わない。さらに、前記ドリル嵌合孔435、435’は、胴体431、431’の上面に対して必ずしも垂直に穿設される必要はなく、種々な角度で斜設可能である。
通常、患者ごとに歯槽骨Bの最上端の位置が異なるため、施術者は、ドリル嵌合孔の離隔方向を異ならせた多数のステント補助具を前もって用意しておくことが好ましい。
図29は、本発明によるインプラント用のステント補助具に延設部がさらに設けられている状態を示す斜視図であり、図30は、図29に示すインプラント用のステント補助具の断面図である。
ステント補助具110は、図29と図30に示すように、胴体部111よりも狭い断面積をもって設けられ、前記胴体部111の下面から下方に向かって延設部117が所定の長さだけさらに延びている。このとき、ドリル嵌合孔113は、前記延設部117を貫設される。ここで、図29と図30に示す前記ステント補助具110は、前記第1の実施例を基準とするものに過ぎず、前記他の全ての実施例及びその変形例に適用可能である。
図31ないし図37は、種々な形状のドリル嵌合孔が穿設された本発明によるインプラント用のステント補助具の斜視図である。
図31から図33に示すように、ステント補助具140のドリル嵌合孔は、上下面の開口部145、147が異なる形状に穿設される。前記ドリル嵌合孔143の上面の開口部145は円形に形成されるが、下部に行くほど拡開し、下面の開口部147は、胴体141の前後方向または側方向に沿って長く形成されるか、あるいは、前後方向と側方向に同時に拡開するような形状を有する。
さらに、図34及び図35に示すステント補助具150のドリル嵌合孔153は、上下面の開口部155、157が互いに同じ形状に形成されるが、胴体151の前後方向または側方向に長く形成される。
一方、図36及び図37を参照すると、同図に示すステント補助具160のドリル嵌合孔163は、上下面の開口部165、167が異なる形状に形成されるが、前記上面の開口部165は、図34及び図35に示すように、胴体161の前後方向または側方向に長く形成され、下面の開口部167は、図34に示すように、前後方向と側方向に同時に拡開したような形状を有する。
前述したように、ドリル嵌合孔の形状を異ならせて形成する理由は、歯槽骨の穿孔の作業に際し、穿孔手段の穿孔角を変えるためである。図31から図37は、本発明の第1の実施例によるステント補助具110について説明しているが、当然のことながら、他の変形例及び実施例についても適用可能である。
図38は、本発明によるX線撮影用の補助具を示す斜視図であり、図39は、前記X線撮影用の補助具がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記X線撮影用の補助具500は、垂直方向に所定の長さを有する胴体部501aと前記胴体501aの上面に両方向に突設された突出支持部501bからなる胴体501と、前記胴体501の上面と下面に突設される方向指示具503と、により構成されている。
このようにして構成されるX線撮影用の補助具500は、歯槽骨Bの最適な穿孔角を調べるためのものであり、その方法は、下記の通りである。先ず、ステントSに前記X線撮影用の補助具500が挿入自在に所定のホールHを形成する。前記ホールHが完成すると、ホールHに前記X線撮影用の補助具500を挿入し、その状態において、X線撮影を行う。その後、撮影された写真を印画すると、歯槽骨Bの形状と共に、前記X線撮影用の補助具500が現れるが、方向指示具503の先端点を結ぶ仮想の軸を形成して歯槽骨Bと比較すると、最適な穿孔角を補足することができる。
図40は、本発明による歯茎除去用の補助具を示す斜視図であり、図41は、前記歯茎除去用の補助具がステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
前記歯茎除去用の補助具600は、所定の長さを有する胴体601と、前記胴体601の下部に設けられるカッター603と、により構成されている。
前記胴体601は、両対向辺が丸められた形状に所定の長さをもって設けられ、前記カッター603は、円筒状に歯茎Gを切断自在に下端に行くほど外径が狭くなるように形成され、その内部には、切断された歯茎Gが挿入自在に所定のスペース605が設けられる。さらに、前記歯茎除去用の補助具600は、口腔模型上において、予測位置と実際の穿孔位置との誤差を確認するために、前記胴体601とカッター603を貫通する貫通孔607が穿設され、施術者は、前記貫通孔607を介して穿孔個所の適合性を判断することになる。
図42は、前記歯茎除去用の補助具の他の実施例を示す斜視図であり、図43は、図42の歯茎除去用の補助具がステントに取り付けられた状態における側方向の縦断面図である。
歯茎除去用の補助具の他の実施例は、前記図42及び図43に示す実施例と同じ形状に形成されるが、カッター603の下端に歯槽骨Bの上部が挿入自在に、通常の歯槽骨Bの上部と対応する形状の溝609が穿設される。前述したように、溝609が穿設された歯茎除去用の補助具600’は、カッター603と歯槽骨Bとの間に広い接触面積を持つことになり、歯茎Gの除去を一層確実に行うことができる。
図44は、本発明によるステント成形補助具を示す斜視図であり、図45は、前記ステント成形補助具の使用状態を示す斜視図である。
ステントに前記インプラント用のステント補助具、X線撮影補助具及び歯茎除去用の補助具を挿入するためのステントホールHを加工するに当たり、胴体の横断面の形状が円形ではなければ、ドリルによる加工は行うことができない。
このため、前記ステントホールHを加工するには、他の方法が求められるが、図44に示すステント成形補助具700を用いてステントホールHを簡単に加工することができる。
前記ステント成形補助具700は、上記のインプラント用のステント補助具、X線撮影補助具及び歯茎除去用の補助具の胴体と同じ形状の平断面を有する成形部701と、前記成形部701の下面から下側に向かって延設する円筒状の挿入部703と、により構成されている。このとき、インプラント用のステント補助具、X線撮影補助具及び歯茎除去用の補助具の胴体は、前述した全ての実施例において同じサイズの横断面を有する。
以下、図44を参照してステントホールHの穿孔過程を説明する。先ず、口腔石膏模型のうち人工歯牙が植立される歯槽骨の部分に最適方向に挿入溝Hを穿設した後、前記ステント成形補助具700の挿入部703を前記挿入溝Hに差し込み、ステント成形補助具700を適宜方向に位置付けた状態において、ステントSを製作する。その後、前記ステント成形補助具700を外すと、ステントSの内部に各種のインプラント用のステント補助具、X線撮影補助具及び歯茎除去用の補助具が挿入可能なステントホールHが完成する。
図46は、本発明による補助具ガイドを示す斜視図であり、図47は、前記補助具ガイドがステントに取り付けられた状態における前後方向の縦断面図である。
補助具ガイド800は、各種のインプラント用のステント補助具、X線撮影補助具及び歯茎除去用の補助具がステントホールHに挿入されるに当たり、ステントホールHとの摩擦力を低減することで、挿入を容易にするためのものである。同図を参照すると、補助具ガイド800は、所定の長さを有する胴体801と、前記胴体801の上下に開口部が設けられる挿入孔803と、により構成されている。前記胴体部801は、ステントホールHの内壁面に取付自在に設けられ、前記挿入孔803は、インプラント用のステント補助具、X線撮影補助具及び歯茎除去用の補助具が嵌合・受止自在に形成される。
図48は、本発明による歯槽骨の穿孔のためのドリル工具を示す斜視図であり、図49は、前記ドリル工具が前記第1の実施例に挿入された状態における側方向の縦断面図である。
同図を参照すると、ドリル工具900は、外部の電動手段と係合可能な形状を有する接続部材901が上部に設けられ、歯槽骨の穿孔のためのドリル部903が下部に設けられ、前記ドリル部903よりも大径の円筒状のガイド部905が前記接続部材901とドリル部903との間に介装されている。ここで、前記接続部材901、ドリル部903及びガイド部905は一体に形成される。
ここで、前記ガイド部905は、前記図2及び図3に示すステント補助具110のドリル嵌合孔113に沿って挿入されて歯槽骨を穿孔するが、少なくともドリル嵌合孔113と同じ直径を有する。さらに、前記ガイド部905は、ドリル部903よりも大径に形成され、歯槽骨の穿孔作業に際してドリル部903が所定の深さ以上になることを阻止するストッパの役割を果たす。前述したようにストッパを形成する理由は、インプラントを植立するための手術部位はほとんどが狭くて奥側に位置するために手術時に出血が多く、このため、施術者が回転するドリル工具900に刻んである目盛を視認できなくなるからである。
図50は、本発明によるインプラント用のステント補助具を用いた歯槽骨の穿孔過程を示す概略図である。
本発明によるインプラント用のステント補助具を用いた歯槽骨の穿孔方法は、ステント補助具1000を設ける段階と、ステントSを製作する段階と、前記ステントSに前記ステント補助具1000を取り付けるための空間を設け、上面の一部を切断する段階と、前記ステントSに前記ステント補助具1000を取り付ける段階と、前記ステント補助具1000のドリル嵌合孔1001を介して図48及び図49に示すドリル工具900を挿入し、歯槽骨を穿孔する段階と、を含む。このとき、前記ステント補助具1000の上面が、上面の一部が切断された前記ステントSの上面と面一、あるいはそれよりも低いステント補助具を選択して用いる必要がある。
図50に示す歯槽骨の穿孔過程に用いられたステント補助具1000としては、前述した本発明によるステント補助具に加えて、いかなるステント補助具も使用可能である。
ここで、前記ステントSの上部を切断した後、前記各実施例のステント補助具1000を取り付けて用いる理由は、歯槽骨の深い穿孔作業が必要であるか、あるいは、患者の開口量が低くて、図48及び図49に示すドリル工具900を挿入することが困難である場合、通常のステント補助具では、歯槽骨の穿孔作業が行えなくなるからである。
図51は、本発明によるインプラント用のステント補助具を用いた歯槽骨の他の穿孔過程を示す概略図である。
本発明によるインプラント用のステント補助具を用いた歯槽骨の穿孔方法は、ステント補助具1000を設ける段階と、ステントSを製作する段階(S23)と、前記ステントSに前記ステント補助具1000を取り付けるための空間を設ける段階と、前記ステントSに前記ステント補助具1000を取り付ける段階と、前記ステント補助具1000に穿設されたドリル嵌合孔1001を介して図48及び図49に示すドリル工具900を挿入し、歯槽骨を穿孔する段階と、を含む。このとき、前記ステント補助具1000としては、前記ステントSと同じ高さを有するものが用いられる。これとは異なり、前記ステント補助具1000としては、前記ステントSの上面より突き出る高さを有するものを用いても良い。その理由は、歯槽骨の穿孔作業に際し、ドリル嵌合孔の長さが短くて、図48及び図49に示すドリル工具900を支持できない場合、短尺のステント補助具では、歯槽骨の穿孔作業が行えなくなるからである。すなわち、穿孔作業に際し、ドリル工具900のガイド部905の一部がドリル嵌合孔1001に所定の長さだけ挿入された状態で穿孔作業を始めなければ、ドリル嵌合孔1001に沿って穿孔作業を行えなくなる。
以上、本発明の好適な実施例によるインプラント用のステント補助具の構成及びインプラント用のステント補助具を用いた歯槽骨の穿孔方法を詳しく説明したが、これは単なる例示的なものに過ぎず、本発明の技術的な思想から逸脱しない限り、各種の変形及び変更が加えられることは、この分野における通常の技術者にとって明らかである。
産業上の利用可能性
以上、述べてきたように、本発明によるインプラント用のステント補助具は、下記の如き利点を有する。
先ず、第一に、予め決めた歯槽骨の穿孔角を基にドリルをインプラント用のステント補助具に挿入して穿孔を行うことから、施術中に角度の変化を考慮することが不要になり、手術時間が短縮され、手術が容易になる他、施術者の疲労も低減可能である。さらに、口腔外において予測しておいた穿孔角が、手術中に歯槽骨の位置ずれにより変わったとしても、咬合面の中心部の位置は不変になるため、理想的な最終補綴物を製作及び取付可能である。のみならず、可変した傾斜角を数値的に測定することができ、科学的で且つ機械的な穿孔作業が行える。
第二に、インプラント用のステント補助具によるドリルの誘導は、穿孔時におけるドリルの揺らぎを防止して安定的で且つ正確に歯槽骨を穿孔することができる。
第三に、口腔外で予測及び決定しておいた穿孔角を口腔内で実際の手術時にそのまま再現できることから、手術前であっても、手術後の結果をある程度予測することができる。実際の手術過程と同様に、口腔外でサーベイヤーにより口腔模型上に多数のインプラント間の前後及び内外側の完璧な平行を図り、たとえ歯茎の剥離をしなかった状態であっても、最適な個所に模擬穿孔を行い、その穿孔角をインプラント用のステント補助具に適用することにより、一層機械的な結果を得ることができる。実際に、前記ステント補助具を用いた手術中に、前後方の角度を変えることは皆無であり、内外側の角度のみを歯槽骨の位置に応じて可変する。また、手術前に、X線撮影用の補助具付きステントを患者の口腔内に取り付けてX線撮影を行うことにより、植立されたインプラントの長さが予測可能であり、ドリル嵌合孔の方向の適正性と周りの重要構造物との関係を予測することができ、必要に応じて、挿入方向を予め修正することもできる。さらに、X線撮影用の補助具を患者の口腔内に取り付けてCT撮影を行うことで、歯槽骨の穿孔方向を予測することが可能になる。
第四に、インプラント用のステント補助具が歯槽骨に当接する場合、予想の穿孔深さに補助具の長さを加算したドリルの目盛を補助具の最上方に位置付けて、従来の手術時における出血によるもやもやしい視野を排除して穿孔作業を行うことができ、手術の安定性を高めることができる。さらに、ストッパ機能付きドリル工具を用いることにより、過大な穿孔の恐れがなく、手術の安定性を高めることができる。
第五に、補助具本体が規格化されていることから、必要に応じて、相異なる形状の補助具を用いることができ、手術の条件に効果的に対応可能である。
第六に、X線撮影用の補助具は、X線撮影時に拡大率を補正する道具として用いられる。
最後に、手術中にインプラント用のステント補助具を使用できない特殊状況が生じた場合、インプラント用のステント補助具を外し、補助具ガイドのみを用いて従来の方法によって施術可能である。
Claims (21)
- 患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具において、
所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備え、
前記胴体は、それよりも広い断面積と所定の厚さをもって設けられる支持部を上面に有することを特徴とするインプラント用のステント補助具。 - 患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具において、
所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備え、
前記胴体は、両対向方向に所定の長さだけさらに突出され、所定の厚さをもって設けられる支持部を下面に有することを特徴とするインプラント用のステント補助具。 - 患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具において、
所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備え、
前記胴体には、下部の両角部に段差部が凹設されていることを特徴とするインプラント用のステント補助具。 - 患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具において、
所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面を貫通するドリル嵌合孔と、を備え、
前記胴体の上面に穿設された前記ドリル嵌合孔の開口部は、胴体の上面の中心から所定の距離だけ離れていることを特徴とするインプラント用のステント補助具。 - 前記胴体の上面に穿設されたドリル嵌合孔の開口部は、胴体の上面の中心から所定の距離だけ離れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインプラント用のステント補助具。
- 前記ドリル嵌合孔は、所定の角度だけ斜設されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインプラント用のステント補助具。
- 前記ドリル嵌合孔は、所定の角度で斜設するように穿設されていることを特徴とする請求項5に記載のインプラント用のステント補助具。
- 前記胴体の下面には、下方に向かって突出する延設部が設けられ、前記ドリル嵌合孔は、前記延設部を貫設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインプラント用のステント補助具。
- 前記胴体の下面には、下方に向かって突出する延設部が設けられ、前記ドリル嵌合孔は、前記延設部を貫設されていることを特徴とする請求項5に記載のインプラント用のステント補助具。
- 前記ドリル嵌合孔は、前記胴体の下部に行くほど断面積が広くなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインプラント用のステント補助具。
- 前記ドリル嵌合孔の上面の開口部は、下部に行くほど内側に狭くなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインプラント用のステント補助具。
- 前記胴体は、その横断面が、両対向辺が丸められた四角形状、円形または角部が丸められた四角形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインプラント用のステント補助具。
- 前記上面の開口部は、その横断面が、両対向辺が丸められた四角形状、円形または角部が丸められた四角形状を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインプラント用のステント補助具。
- 患者の歯槽骨に植立されるインプラントの植立方向を決めるためのX線撮影補助具において、
所定の長さを有する胴体と、前記胴体の上面と下面に突設される方向指示具と、を備えることを特徴とするX線撮影用の補助具。 - 前記胴体の上面に支持部がさらに設けられていることを特徴とする請求項14に記載のX線撮影用の補助具。
- 患者の歯槽骨にインプラントを植立するために歯茎を除去する補助具において、
所定の長さを有する胴体と、前記胴体の下面に突設される中空管状のカッターと、を備えることを特徴とする歯茎除去用の補助具。 - 前記胴体の上面と下面を貫通する貫通孔がさらに穿設されていることを特徴とする請求項16に記載の歯茎除去用の補助具。
- 前記カッターの下部には、歯槽骨の上部が嵌入する溝が穿設されていることを特徴とする請求項16または17に記載の歯茎除去用の補助具。
- 患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具を案内する補助具ガイドにおいて、
インプラント用のステント補助具が嵌合・受止自在に内部が中空管状に設けられていることを特徴とする補助具ガイド。 - 患者の歯槽骨にインプラントを植立するためのインプラント用のステント補助具の取付位置を設けるためのステント成形補助具において、
所定の長さを有する成形部と、前記胴体の下面に突設される挿入部と、を備えることを特徴とするステント成形補助具。 - 患者の歯槽骨を穿孔するドリル工具において、
電動手段と係合自在な形状を有する接続部材が上部に設けられ、歯槽骨の穿孔のためのドリル部が下部に設けられ、前記ドリル部よりも大径の円筒状のガイド部が前記接続部材とドリル部との間に介装されていることを特徴とするドリル工具。
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