JP2007511472A - 植物抽出物ならびに該抽出物の医薬品および化粧品における使用 - Google Patents

植物抽出物ならびに該抽出物の医薬品および化粧品における使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物に関する。さらに本発明は、薬剤の製造のための該抽出物の使用、および化粧品調製物の製造のための該抽出物の使用、およびヒト身体の化粧処置のための該抽出物の使用に関する。

Description

本発明は、アルガニア・スピノーザ果実の果肉の抽出物に関する。さらに本発明は、薬剤の製造のための該抽出物の使用、化粧品調製物の製造のための該抽出物の使用、ならびに、ヒト身体の化粧処置のための該抽出物の使用に関する。
いくつかの特性を合わせ持ち、従って改善された性能スペクトルを示す化粧品調製物が求められることが増えている。特に重要なものは、ケア特性および活力付与特性を有し、かつ、ヒト皮膚またはヒト毛髪を老化現象から保護する化粧品調製物である。
化粧品調製物において使用される活性成分は、貯蔵安定性、光安定性および容易な配合可能性などの化粧品調製物の重要な特性に寄与すべきである(少なくとも悪影響を与えるべきではない)。良好な皮膚適合性および天然産物の使用が、消費者により要求されることが多い。いくつかの植物抽出物がこの目的を助けることができる。当分野で既に知られている活性成分を組合せることによって、大きく改善された化粧品調製物を得るのがの望ましいのは当然である。しかし、異なる植物の抽出物からの活性成分の組合せを使用するのが不利になることもある。これは、製品の複雑さが増大するためである。従って、調製物の製造が、より困難かつより高価になることがある。
植物からの抽出物およびその成分は、化粧品目的および医薬品目的に使用されることがますます多くなっている。多くの場合に、ある種の植物抽出物の既知の効果は、非常に特異的であり、これら抽出物の使用分野は、非常に限定されている。
多くの植物抽出物の組成が知られている。これらの場合に、いくつかの個々の化学物質が、植物抽出物において同定されている。これら化学物質の特性は、多くの場合に知られている。それにもかかわらず、ある種の特性を有するある種の化学的化合物が抽出物中に含まれているという情報から、その植物抽出物の特性を予測することはできない。ある植物抽出物がさらに未知の成分を未知の量で含有するという問題が残っている。これらの他の成分は、ある種の場合に、既知の化学物質が有している効果を過度に相殺することがある。例えば、ある種の植物が抗生物質を含有するという情報は、その抽出物が医薬品目的に有用であることを意味しない。抽出物中の毒性物質が、抽出物それ自体を、医薬品用途に対して全く使用できないものにする場合も十分にある。ある種の植物抽出物がある種の目的に有用であるか否かは、抽出物それ自体を、意図した用途について試験した後に決定しうるにすぎない。
植物アルガニア・スピノーザの特定部分またはその抽出物を、化粧品目的に使用しうることが知られている。
アルガニア・スピノーザ(Argania spinosa)とは、詳しくは、Argania spinosa (L.) Skeelsと称される植物を意味する。「L.」および「Skeels」は、使用した命名系を示す。
アルガニア・スピノーザ(Sapotaceae科に属する)はモロッコ固有の木である。これはアトラス山脈の西側で生育する。アルガニア・スピノーザの果実は、3つの部分、即ち、果肉、外殻および油性種子を有する。これら3つの部分は、果実の乾燥重量の約44%、46%および10%を構成する。アルガニア・スピノーザ果実の果肉は、乾燥形態または生の形態で、ウシを飼育するのに使用することができる。
国際特許出願公開WO01/82885は、植物アルガニア・スピノーザの抽出物からのサポニンを含有する化粧品および/または医薬品調製物を開示している。
国際特許出願公開WO02/45729は、植物アルガニア・スピノーザからの天然タンパク質を含有する調製物ならびに皮膚ケア製品および毛髪ケア製品としての該タンパク質の使用を開示している。これらのタンパク質は、アルガニア・スピノーザ種子の抽出物から得ることができる。
国際特許出願公開WO02/45728は、皮膚および毛髪のためのケア剤として、植物アルガニア・スピノーザからの天然タンパク質を含有する化粧品および/または皮膚医薬品調製物を開示している。
欧州特許出願、出願番号02293130.7(2002年12月18日出願)は、種々の医薬品目的のための、アルガニア・スピノーザの抽出物の使用を開示している。サポニンを含有する抽出物が使用されている。好ましくは、種子の抽出物が使用される。
アルガニア・スピノーザ果実の果肉が分析されている。この結果は、Z.Charroufの論文(1991年):Fella-Zarrouk,K.、Smoughen,S.およびMaurin,R.(1987)「Etude da la pulpe de fruit de l'arganier du Maroc.Matiere grasse et latex.Actes Ins.Agro.Vet.Rabat 7、17-22に記載されている。さらに、情報を、概説論文「Ethnoeconomical, ethnomedical and phytochemical study of Argania spinosa」[Journal of Ethnopharmacology、1998年11月]中に見ることができる。
アルガニア・スピノーザ果実の果肉の分析により、通常は以下の組成が明らかになるであろう。15〜25%の水分、2〜4%の灰分、29〜53%のグルコシド(15〜25%の還元糖、5〜15%の非還元糖、9〜3%のヘミセルロースを含む)、6〜12%のセルロース、5〜10%の脂質、6〜8%の窒素誘導体および1%のポリフェノール(主にタンニン)。
アルガニア・スピノーザ果実果肉の特定の分析により、以下の組成が明らかになるであろう。20〜50%の水分、4.1%の灰分、12.9%のセルロース、5.9%の窒素誘導体、6%の脂質および18%のグルコシド。
アルガニア・スピノーザ果実果肉の脂質分画は、通常は、33.3%のグリセリド、63%のラテックスおよび3.3%の非鹸化性物質を含有するであろう。この非鹸化性分画は、トリテルペノイドおよびステロールを含有する。
トリテルペノイドの中で、以下に挙げるものが個々に同定されている:
・ルペオール(lupeol):これはルパン型トリテルペンである(CAS番号:545-47-1、分子量:426.724)。
ルペオールの同義語は次の通りである:Monogynol B、Fagarasterol、Viscol、Cautchicol、Xanthosterin、Clerodol。
ルペオールは以下の生物学的活性を有することが知られている:これは、抗新生物薬であり、キモトリプシンおよびトリプシン阻害剤であり、肝保護剤であり、抗炎症性であり、エラスターゼ阻害剤である(これを、ヒト白血球を用いて試験した)。
・α-アミリン(α-amyrine):これはウルサン型トリテルペンである(CAS番号:638-95-9、分子量:426.73)。
α-アミリンの同義語は次の通りである:12-ウルセン-3-オール 3β型、Amyrenol、Viminalol。
α-アミリンは以下の生物学的活性を有することが知られている:これは、抗新生物薬であり、キモトリプシンおよびトリプシン阻害剤であり、リポキシゲナーゼを阻害する。
・β-アミリン(β-amyrine):これはオレアナン型トリテルペンである(CAS番号:559-70-6、分子量:426.73)。
β-アミリンの同義語は次の通りである:12-オレアネン-3-オール 3β型、Amyrenol、Viscol-Amirin。
β-アミリンは以下の生物学的活性を有することが知られている:これは、抗炎症特性を有し、エラスターゼ阻害剤であり(これを、ヒト白血球を用いて試験した)、リポキシゲナーゼを阻害する。
・タラキサステロール(taraxasterol):これはウルサン型トリテルペンである(CAS番号:1059-14-9、分子量:426.73)。
タラキサステロールの同義語は次の通りである:20(30)-タラキサステン-3-オール (3β,18α,19α)型、Lactucero、Anthesterin、Taraxasterin、Inusterol A、Pyrethrol、Saussurol。
タラキサステロールは以下の生物学的活性を有することが知られている:これは抗炎症性である。
・エリトロジオール(erythrodiol):これはオレアナン型トリテルペンである(CAS番号:545-48-2、分子量:442.72)。
エリトロジオールの同義語は次の通りである:12-オレアネン-3,28-ジオール 3β型、Homoolestranol。
エリトロジオールは以下の生物学的活性を有することが知られている:これは、抗炎症性であり、エラスターゼ阻害剤である(これを、ヒト白血球を用いて試験した)。
ステロールの中で、ショッテノール(schottenol)およびスピナステロール(spinasterol)が同定されている。
脂質分画のラテックスは、cis-ポリイソプレンおよびtrans-ポリイソプレン(通常は、それぞれが86%および14%)を含有する。
以下の参考文献が、本発明の背景を理解するために有用である。これらの参考文献はトリテルペンの特性を開示している。これらトリテルペンの一部は、アルガニア・スピノーザの抽出物中に見い出すことができる。これらの参考文献は、共通のデータベースにおいて検索しうるアブストラクトの形態で提供される。
「ヒト白血球エラスターゼ阻害剤としてのトリテルペンおよび植物ステロール」:
Mitaine-Offer AC、Hornebeck W、Sauvain M、Zeches-Hanrot M:Laboratoire de Pharmacognosie、Faculte de Pharmacie、Universite de Reims Champagne-Ardenne、Reims、フランス:Planta Med. 2002 Oct; 68(10):930-2:
10種類のトリテルペンおよび植物ステロール、即ち、β-アミリン、ルペオール、酢酸ルペオール、ウルソル酸、フリーデリン(friedelin)、カノフィロール(canophyllol)、29-ヒドロキシ-フリーデラン-3-オン、β-シトステロール、3-O-β-D-グルコピラノシル-β-シトステロール、3-O-(6'-O-パルミトイル)-β-D-グルコピラノシル-β-シトステロールが、ヒト白血球エラスターゼ(HLE)の潜在的な阻害剤として評価された。この系列において、ルペオール、ウルソル酸およびカノフィロールが、それぞれ1.9μM、4.4μMおよび2.5μMのIC(50)値で、顕著なHLE阻害活性を示した。HLE阻害は、HLEの長い基質結合ドメインのS(4)-S(5)サブサイト中のArg-217およびS(3)とそれぞれ反応する、10〜12A離れた、試験した分子中の2つの反応性基の存在および配向に依存するようであった。
「抗炎症性トリテルペノイドによるセリンプロテアーゼの阻害」:
Rajic A、Kweifio-Okai G、Macrides T、Sandeman RM、Chandler DS、Polya GM:Planta Med. 2000 Apr; 66(3):206-10:Department of Biochemistry and Genetics、Bundoora、Victoria、オーストラリア:
ルパン型トリテルペノイド ルペオール、ウルサン型トリテルペノイド α-アミリンおよびこれら化合物のエステルが、Alstonia boonei(Apocynaceae)の根の皮に存在し、これらは抗炎症特性を有する。α-アミリンは、ウシトリプシンおよびキモトリプシンの競合阻害剤である(Ki値はそれぞれ29μMおよび18μMである)。ルペオール リノレエート、ルペオール パルミテートおよびα-アミリン リノレエートは、トリプシンの非競合阻害剤である(Ki値はそれぞれ7μM、10μMおよび16μMである)。また、α-アミリン リノレエートは、キモトリプシンの非競合阻害剤でもある(Ki値は28μMである)。ルペオールは、トリプシンおよびキモトリプシンの両方の競合阻害剤である(Ki値はそれぞれ22μMおよび8μMである)。α-アミリン パルミテートは、キモトリプシンの強力な非競合阻害剤である(Ki値は6μMである)。ルペオール、α-アミリンならびにこれら化合物のパルミチン酸およびリノール酸エステルは、ブタ膵臓エラスターゼならびにLucilia cuprina(ヒツジキンバエ)およびHelicoverpa punctigera ロイシンアミノペプチダーゼの阻害剤として、有効ではないかまたは非常に弱い。これらの疎水性トリテルペノイドは、PKA阻害剤である抗炎症性トリテルペノイドのさらなる例であり、選択的プロテアーゼ阻害剤である。
「アミリン トリテルペンの抗リポキシゲナーゼ活性」:
Kweifio-Okai G、Macrides TA:Department of Anatomy and Physiology、Royal Melbourne Institute of Technology、Bundoora、オーストラリア:Res Commun Chem Pathol Pharmacol. 1992 Dec; 78(3):367-72:
トリテルペンであるα-アミリン アセテート、β-アミリン アセテートおよびβ-アミリンを、ヒト好中球における5-リポキシゲナーゼ産物の合成に対するその作用について試験した。全てのトリテルペンが、LTB4合成に作用することなく、5-HETE合成を低下させた。この相対的な作用は、5-HETE阻害により、これらの化合物によって保持される抗関節炎活性を説明しうることを示唆する。
「マリーゴールド(Calendula officinalis L.)の主トリテルペンジオールエステルの抗浮腫活性」:
Zitterl-Eglseer K、Sosa S、Jurenitsch J、Schubert-Zsilavecz M、Della Loggia R、Tubaro A、Bertoldi M、Franz C:J Ethnopharmacol. 1997 Jul; 57(2):139-44:Institute for Botany and Food Science、University of Veterinary Medicine Vienna、Wien、オーストリア:
マリーゴールド(Calendula officinalis L.、Asteraceae)の花頭からの純粋なファラジオール(faradiol)エステル(1、2)の分離および単離を、反復カラムクロマトグラフィー(CC)およびHPLCによって、初めて達成することができた。また、ファラジオール-3-ミリスチン酸エステル1、ファラジオール-3-パルミチン酸エステル2およびψ-タラキサステロール3の構造解明を、予め分解を全く行うことなく、MS、1H-NMR、13C-NMRおよび2D-NMR実験によって行った。これら3種類の化合物の抗浮腫活性を、マウス耳のクロトン油誘発した浮腫の阻害によって試験した。両ファラジオールエステルは、ほぼ同じ用量依存性の抗浮腫活性を示し、これらの混合物を用いて有意の相乗効果は見られなかった。遊離のモノオールであるψ-タラキサステロールは、わずかに低い効果を有していた。さらに、ファラジオールは、そのエステルよりもおよびψ-タラキサステロールよりも活性が高く、等モル用量のインドメタシンと同じ効果を示した。
「慢性皮膚炎症に対する選択したトリテルペノイドの効果」:
Manez S、Recio MC、Giner RM、Rios JL:Eur J Pharmacol. 1997 Sep 3; 334(1):103-5:Departament de Farmacologia、Universitat de Valencia、スペイン:
皮膚慢性炎症の12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート反復投与モデルに対する、4種類の天然トリテルペノイドの活性を調べた。エリトロジオールおよびウルソル酸は有意に効果があった。他の炎症状態に対するこれらトリテルペノイドの効果に関する以前のデータならびに構造-活性の相関に関する最も重要な特徴を議論した。
「ウルソル酸によるヒト白血球エラスターゼの阻害:五環式トリテルペンの結合部位の証拠」:
Ying QL、Rinehart AR、Simon SR、Cheronis JC:Biochem J. 1991 Jul 15; 277 (Pt 2):521-6:Department of Pathology、State University of New York、Stony Brook 11794:
植物起源のいくつかの五環式トリテルペノイド代謝産物は、ヒト白血球エラスターゼ(HLE)による合成ペプチド基質およびエラスチンの両方の加水分解の阻害剤である。これら化合物の中で最も強力なウルソル酸は、リン酸緩衝食塩水中のペプチド基質の加水分解に対して4〜6μMの阻害定数を有する。トリペプチドおよびテトラペプチド基質を用いると阻害は純粋に競合的であり、一方、より短いジペプチド基質を用いると阻害は非競合的である。このことは、ウルソル酸は、HLE中の長い基質結合ドメインのサブサイトS3と相互作用するが、サブサイトS1およびS2とは相互作用しないことを示唆する。トリテルペンの五環式環系中の28位のカルボキシ基が、HLEへの結合に寄与する。これは、この基をヒドロキシ基で置換すると、ウルソル酸のアルコール類似体であるウバオール(uvaol)におけるように、阻害の強さが低下するためである。また、ウルソル酸の阻害の強さは、1M NaClの添加によって低下する。このことは、トリテルペン上の負電荷と酵素上の正に荷電した残基(これを、我々は、HLE中のサブサイトS4およびS5の近くに位置するArg-217の側鎖に割り当てた)の間の仮定の静電相互作用をさらに支持する。これらの観察は、酵素上のS3からS4およびS5に向かって伸びるウルソル酸の結合部位と矛盾しない。また、他のトリテルペン[オレアノール酸、エリトロジオール、ヘデラゲニン(hederagenin)および18β-グリシルレチン酸を含む]も、この結合部位と相互作用することができる。これらの結果に基づいて、我々は、HLEの長い基質結合ドメインは、種々の疎水性リガンド(脂肪酸などの分子だけでなく、五環式トリテルペノイドなどの多環式分子をも含む)を受け入れることができると結論する。
本発明が解決しようとする課題は、化粧品用途に使用しうる物質の必要性である。ヒト皮膚に対して再生および活力付与効果を有し、かつUV-AおよびUV-B放射に対して保護効果を有する物質が必要とされている。
驚くべきことに、以下において規定するアルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物が、この抽出物を化粧品用途に対して有用なものにするいくつかの有利な特性を有していることがわかった。これら特性の中で、特に、アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物は、ヒト線維芽細胞に対して再生および活力付与効果を有し、かつUV-AおよびUV-B放射に対して保護効果を有する。
化粧品または医薬品目的のためのアルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物の使用は、当業者にとって驚くべきことであり、かつ自明ではない。その理由は、現在まで、アルガニア・スピノーザ果実果肉は、低価値の果実副産物としてのみ認識され、使用されていたためである。現在まで、油性の種子は、食品のためまたは化粧品目的のための油を製造するために使用されていた。果肉は、廃棄されていたか、またはウシを飼育するために使用されていた。本発明は、より高い価値を有する果肉の使用を提供するものである。即ち、化粧品および医薬品用途のような高価値目的のための果肉の使用は、高価値用途のために廃棄物をリサイクルすることを意味する。
本発明のアルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物とは、アルガニア・スピノーザ果実の果肉を、炭化水素(好ましくはヘキサンまたはヘプタン)、ハロゲン化炭化水素、1〜6個の炭素原子を含むアルコール、1〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と1〜6個の炭素原子を含むアルコールとのエステル(好ましくは酢酸エチル)、1〜6個の炭素原子を含むケトン(好ましくはアセトン)および超臨界流体(好ましくは超臨界二酸化炭素)からなる群から選択される溶媒で抽出することによって得られる物質を意味する。
好ましい溶媒はヘキサンおよび超臨界二酸化炭素であり、ヘキサンが特に好ましい。
アルガニア・スピノーザ果実果肉をヘキサンで抽出することによって得られる抽出物は親油性である。
アルガニア・スピノーザ果実果肉を超臨界二酸化炭素で抽出することによって得られる抽出物は親油性である。
本発明の抽出物は、アルガニア・スピノーザ果実の果肉を上記溶媒で抽出して、抽出物と溶媒を含有する混合物を得ること、次いで、このようにして得た混合物から溶媒を除去することによって得られる。混合物からの溶媒の除去は、溶媒の蒸留によって、または他の通常の方法によって行うことができる。
本発明の特定の態様において、アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物を乾燥する。この乾燥は、溶媒除去の前または後に行うことができる。
アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物は、本発明の1つの対象である。
アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物は、非鹸化性分画を含有する。このアルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物の非鹸化性分画は、本発明の別の対象である。
この非鹸化性分画は、アルガニア・スピノーザ果実の抽出物から、該抽出物を既知の方法に従って、好ましくはIUPAC基準番号2.2401に従って鹸化することによって、次いで、鹸化された物質および鹸化を行うために使用した物質を除去することによって得られる。
アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物の非鹸化性分画は、トリテルペン分画を含有する。アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物のトリテルペン分画は、本発明の別の対象である。
このトリテルペン分画は、非鹸化性分画から、クロマトグラフィーによって得られる。例えば、非鹸化性抽出物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの頂部に適用し、このカラムをヘキサン/酢酸エチル混合物で溶離して、ルペオール、α-アミリン、β-アミリン、タラキサステロール、ψ-タラキサステロールおよび他の物質を含有する分画を得ることができる。本発明によれば、前の文章に挙げた物質を含有する分画を、トリテルペン分画と称する。
前のパラグラフに記載したクロマトグラフィーを、シリカゲルカラムで行うことができる。また、これをポリメタクリレート吸着剤において、または他の通常のポリマー吸着剤において、または逆相C-18クロマトグラフィー吸着剤において行うこともできる。これを、多種多様の溶媒を用いて、例えば、ヘキサン/酢酸エチル混合物を用いて、または超臨界流体(好ましくは、超臨界二酸化炭素あるいは超臨界状態にある二酸化炭素とメタノールまたはエタノールまたはプロパノールの混合物;超臨界二酸化炭素が最も好ましい超臨界流体である)を用いて行うことができる。
アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物は、必然的に、アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物の非鹸化性分画を含有する。即ち、この抽出物は、果実果肉の抽出物の非鹸化性分画およびさらなる物質を含有する組成物であるとみなすことができる。
アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物の非鹸化性分画は、必然的に、アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物のトリテルペン分画を含有する。即ち、この非鹸化性分画は、アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物のトリテルペン分画およびさらなる物質を含有する組成物であるとみなすことができる。このパラグラフにおいて規定したさらなる物質は、前のパラグラフにおいて規定したさらなる物質とは異なることができる。
本発明の別の対象は、ヒトまたは動物身体において行う治療法または診断法によってヒトまたは動物身体を処置するための、請求項1に記載のトリテルペン分画、請求項2に記載の非鹸化性分画、請求項3に記載の抽出物、ならびに、以下の成分を含有する組成物:
(a)請求項1に記載のトリテルペン分画または請求項2に記載の非鹸化性分画または請求項3に記載の抽出物、および
(b)医薬品目的に一般的な助剤および/または添加剤、
からなる群から選択される物質である。
本発明の別の対象は、UV-A放射またはUV-B放射によって損傷したヒト皮膚の処置のための薬剤を製造するための、請求項1に記載のトリテルペン分画、請求項2に記載の非鹸化性分画、請求項3に記載の抽出物、ならびに、以下の成分を含有する組成物:
(a)請求項1に記載のトリテルペン分画または請求項2に記載の非鹸化性分画または請求項3に記載の抽出物、および
(b)医薬品目的に一般的な助剤および/または添加剤、
からなる群から選択される物質の使用である。
本発明の別の対象は、以下の成分を含有する組成物である:
(a)本発明のトリテルペン分画、本発明の非鹸化性分画、本発明の抽出物、ルペオール、α-アミリン、β-アミリン、タラキサステロール、およびψ-タラキサステロールからなる群から選択される成分、ならびに、
(b)化粧品目的に一般的な助剤および/または添加剤。
化粧品目的に一般的な助剤および添加剤は、油成分、界面活性剤、乳化剤、油脂、ワックス、真珠色化ワックス、増粘剤、濃厚剤、超脂肪化剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、レシチン、リン脂質、生物起源の活性成分、脱臭剤、抗微生物剤、発汗防止剤、皮膜形成剤、ふけ防止剤、膨潤剤、防虫剤、ヒドロトロープ剤、可溶化剤、防腐剤、芳香油および染料からなる群から選択することができる。
本発明の1つの態様において、化粧品目的に一般的な助剤および添加剤は、界面活性剤、乳化剤、油脂、ワックス、安定剤、脱臭剤、発汗防止剤、ふけ防止剤および芳香油からなる群から選択される。
成分が、本発明のトリテルペン分画、本発明の非鹸化性分画および本発明の抽出物からなる群から選択される組成物が好ましい。さらに好ましいのは、成分が本発明の抽出物である組成物である。
本発明の別の対象は、本発明の抽出物の製造方法であって、以下の工程を含んでなる方法である:
(a)アルガニア・スピノーザ果実の果肉を、炭化水素(好ましくはヘキサンまたはヘプタン)、ハロゲン化炭化水素、1〜6個の炭素原子を含むアルコール、1〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と1〜6個の炭素原子を含むアルコールとのエステル(好ましくは酢酸エチル)、1〜6個の炭素原子を含むケトン(好ましくはアセトン)および超臨界流体(好ましくは超臨界二酸化炭素)からなる群から選択される溶媒で抽出して、抽出物と溶媒を含有する混合物を得る工程、および
(b)このようにして得た混合物から溶媒を除去する工程。
本発明の別の対象は、化粧品調製物の製造のための、本発明のトリテルペン分画、または本発明の非鹸化性分画、または本発明の抽出物、またはルペオール、またはα-アミリン、またはβ-アミリン、またはタラキサステロール、またはψ-タラキサステロール、または本発明の組成物の使用である。
本発明の別の対象は、ヒト身体の化粧処置のための、本発明のトリテルペン分画、または本発明の非鹸化性分画、または本発明の抽出物、またはルペオール、またはα-アミリン、またはβ-アミリン、またはタラキサステロール、またはψ-タラキサステロール、または本発明の組成物、または本発明の化粧品調製物の使用である。
本発明の1つの態様は、ヒト皮膚、好ましくは男性ヒト皮膚の代謝を刺激するための、本発明のトリテルペン分画、または本発明の非鹸化性分画、または本発明の抽出物、またはルペオール、またはα-アミリン、またはβ-アミリン、またはタラキサステロール、またはψ-タラキサステロール、または本発明の組成物、または本発明の化粧品調製物の使用である。
本発明の対象が、前のパラグラフにおいて規定した使用からなる場合には、本発明のトリテルペン分画または本発明の非鹸化性分画または本発明の抽出物を使用するのが好ましい。本発明の抽出物を使用するのがさらに好ましい。
本発明のトリテルペン分画、本発明の非鹸化性分画、および本発明の抽出物は、いくつかの有利な特性を有する。これらは、化粧品用途に使用することができる。これらは、ヒト線維芽細胞に対して再生および活力付与効果を有し、UV-AおよびUV-B放射に対して保護効果を有する。
本発明の組成物は、皮膚および毛髪に対して良好なケアおよび保護特性を有し、高い皮膚適合性をも有する。また、これらは、皮膚の老化現象に対して防止および治癒効果を示す。これらは、メラニン形成に影響を与え、抗炎症および抗微生物活性を示す。
さらに、これらは、皮膚代謝に対して刺激効果を有する。即ち、これらは、ヒト皮膚の浄化および強化を助ける。特に、これらは、男性ヒト皮膚の改善に有用である。
さらに、これらは、老化した皮膚の処置に使用したときに有用な効果を有する。これらは、しわ形成に対抗するのを助けることができる。これらは、老化した皮膚における細胞およびタンパク質の再生の改善を助け、こうして、老化したヒト皮膚の若返りを助ける。
さらに、これらは、毛髪成長を改善することができる。
さらに、これらは、汚染物質または酸化ストレスへの暴露に起因するストレスなどのストレスに対抗するヒト細胞の潜在力を助ける。
さらに、これらは、炎症過程を軽減するため、ならびに、敏感な皮膚および/または座瘡の皮膚を処置するための鎮静物質として使用することができる。
さらに、これらは、皮膚炎症を処置するために使用することができる。特に、これらは、毛細血管拡張症または「クーペロシス(couperosis)」の処置のために使用することができる。
さらに、これらは、皮膚巨大分子の合成を刺激するために使用することができる。特に、皮膚巨大分子の合成、例えばグリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチンスルフェート、デルマタンスルフェート、ケラタンスルフェート)、または、例えばプロテオグリカン、コラーゲンおよびエラスチンなどの合成を刺激することができる。
さらに、これらは、活性な抗老化成分として使用することができる。その理由は、これらが、DEJを、その成分の一部の調節によって保護することができるためである。DEJは、真皮-表皮接合部であり、表皮の基底層に裏打ちされた特異的な構造であり、巨大分子(例えば、コラーゲンIV型、ラミニンなど)の組織化によって形成されている。DEJは、真皮への表皮の結合を確実にし、真皮および表皮区画の間の栄養物質および媒介物質の交換を制御する。
本発明のトリテルペン分画および本発明の非鹸化性分画および本発明の抽出物の上記した多くの有利な特性のゆえに、以下の対象が本発明のさらなる対象である。
本発明のさらなる態様は、しわに対抗するために老化したヒト皮膚を処置するための、本発明のトリテルペン分画、または本発明の非鹸化性分画、または本発明の抽出物、またはルペオール、またはα-アミリン、またはβ-アミリン、またはタラキサステロール、またはψ-タラキサステロール、または本発明の組成物、または本発明の化粧品調製物の使用である。
本発明のさらなる態様は、毛髪成長を改善するための該物質の使用である。
本発明のさらなる態様は、老化したヒト皮膚における細胞およびタンパク質の再生を改善するため、従って、老化したヒト皮膚の若返りのための該物質の使用である。
本発明のさらなる態様は、UVおよび/またはIR放射に対してヒト皮膚細胞を保護するための該物質の使用である。
本発明のさらなる態様は、汚染物質または酸化ストレスへの暴露に起因するストレスなどのストレスに対抗するヒト細胞の潜在力を改善するための該物質の使用である。
本発明のさらなる態様は、炎症過程を軽減するための該物質の使用である。
本発明のさらなる態様は、敏感な皮膚および/または座瘡の皮膚を処置するための該物質の使用である。
本発明のさらなる態様は、毛細血管拡張症または「クーペロシス(couperosis)」の処置のための該物質の使用である。
本発明のさらなる態様は、皮膚巨大分子の合成、例えば、グリコサミノグリカン(例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチンスルフェート、デルマタンスルフェートまたはケラタンスルフェート)、プロテオグリカン、コラーゲンまたはエラスチンの合成を刺激するための該物質の使用である。
本発明のさらなる態様は、ある種のDEJの成分を調節することによるDEJの保護効果に基づく活性な抗老化成分としての、該物質の使用である。
前のパラグラフにおいて規定した全ての態様において、本発明のトリテルペン分画または本発明の非鹸化性分画または本発明の抽出物を使用するのが好ましい。本発明の抽出物を使用するのがさらに好ましい。
抽出物、非鹸化性分画またはトリテルペン分画を、化粧品用途のために、封入された形態で使用することができる。封入された形態とは、活性物質が、リポソームまたはシクロデキストリンまたは微粒子などの中に封入されていることを意味する。
本発明のヒト身体の化粧処置は、皮膚および/または毛髪および/または皮膚付属物の処置を包含する。皮膚付属物とは、爪、脂腺、汗腺などを意味する。
本発明に従って使用する抽出物は、通常の抽出法によって製造される。適する通常の抽出法は、例えば、冷浸、再冷浸、温浸、撹拌冷浸、流動床抽出、超音波抽出、向流抽出、パーコレーション、再パーコレーション、エバコレーション(減圧下での抽出)、ジアコレーション、および連続還流下での固体/液体抽出(ソックスレー抽出器中で行われる)である。これらのそれぞれは、当業者に既知である。
使用しうる出発物質は、果実の生果肉または乾燥果肉である。これを、抽出前に、機械的に小片にすることができる。これに関連して、当業者に既知である全ての方法が適しており、例えば、刃を持つ装置を使用することが挙げられる。
抽出は、通常は20〜100℃で、好ましくは80〜100℃で、特に、溶媒または溶媒混合物の沸点温度で行う。1つの可能な態様において、抽出を、不活性ガス雰囲気下で行って、抽出物成分の酸化を回避する。抽出時間は、出発物質、抽出方法、抽出温度、溶媒と原料の比率などに依存して、当業者により調節される。抽出後に、得られた粗抽出物を、所望により、さらなる通常の工程(例えば、精製、濃縮および/または脱色)に付すことができる。必要なら、このように調製した抽出物を、例えば、個々の望ましくない成分の選択的除去に付すことができる。抽出は、任意の所望の程度まで行うことができるが、通常は枯渇するまで行う。
本発明は、抽出条件およびさらに最終抽出物の収率を、所望の使用分野に応じて選択しうるという発見を包含するものである。
本発明の組成物または化粧品調製物における植物抽出物の使用量は、個々の成分の濃度ならびに抽出物の適用の種類によって決定される。本発明の組成物または調製物中に存在する植物抽出物の合計量は、組成物または調製物を基準に乾燥重量として計算して、通常は0.01〜25重量%、好ましくは0.03〜5重量%、特に0.03〜0.6重量%であり、この場合、その量は、水および所望によりさらなる助剤および添加剤を用いて、合計して100重量%になる。
助剤および添加剤の合計含量は、化粧品および/または皮膚医薬品調製物を基準に、1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であってよい。調製物は、通常の冷間法または熱間法によって製造することができる。相反転温度法を使用するのが好ましい。
本発明の目的のために、活性物質とは、追加で添加される水を除いて、組成物中に存在する物質ならびに助剤および添加剤の割合を意味する。
本発明の目的のために、化粧品調製物はケア剤を意味することができる。ケア剤は、皮膚および毛髪のためのケア剤を意味するものと解される。これらのケア剤は、特に、皮膚および毛髪に対して洗浄および回復作用を有する。
適用は、錠剤、糖衣錠、カプセル、ジュース、溶液および顆粒の形態で経口または局所であってよい。
さらに、本発明の組成物および化粧品調製物は、高い皮膚適合性とともに、優れた皮膚ケア作用を示す。さらに、これらは、特に製品の酸化分解に対して良好な安定性を示す。これらの調製物は、多数の化粧効果および皮膚医薬効果を有する。従って、本発明は、日焼け止め剤(特に、UV-A放射および/またはUV-B放射に対するもの)としての、酸化防止剤としての、抗炎症剤としての、抗微生物剤としての、皮膚老化防止剤としての、マトリックス・メタロプロテアーゼ(MMP)を除くプロテアーゼ阻害剤としての、特にエラスターゼ阻害剤としての、好ましくはプラスミン阻害剤としての、ならびに、色素沈着剤としての、アルガニア・スピノーザ果実果肉からの抽出物の使用をさらに提供するものである。
本発明の目的のために、日焼け止め剤またはUV光保護因子とは、直接または間接の太陽放射の有害作用からヒト皮膚を保護するのに有用な光保護剤に対して使用される用語である。皮膚の日焼けの原因である太陽からの紫外線放射は、UV-C(波長 200〜280nm)、UV-B(280〜315nm)およびUV-A(315〜400nm)の部分に分けられる。
太陽放射の影響下での正常皮膚の色素沈着、即ち、メラニンの形成は、UV-BおよびUV-Aによって異なる様式でもたらされる。UV-A線(「長波長UV」)による照射は、表皮に既に存在するメラニン体の暗色化につながるが、有害な影響は明確ではない。これは、いわゆる「短波長UV」(UV-B)の場合とは異なる。これは、メラニン顆粒の新たな形成の結果として、いわゆる遅延色素の形成をもたらす。しかし、この(保護性)色素が形成される前に、皮膚は未フィルターの放射の作用に曝され、これが、暴露時間に依存して、皮膚発赤(紅斑)、皮膚炎症(日焼け)、さらには水膨れの形成を導くことができる。
UV吸収剤または光フィルター(即ち、UV放射を無害な熱に変換する)は、植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物であることができ、さらにこれは、さらなる日焼け止め剤またはUV光保護因子と組合せて存在することができる。
これらのさらなるUV光保護因子は、例えば、室温で液体または結晶性であり、紫外線を吸収することができ、吸収したエネルギーを再び長波長放射(例えば熱)の形態で放出することができる有機物質(光保護フィルター)である。UV-Bフィルターは、油溶性または水溶性であることができる。
油溶性物質の例は、以下の通りである:
・3-ベンジリデンカンファーまたは3-ベンジリデンノルカンファーおよびその誘導体、例えば3-(4-メチルベンジリデン)カンファー;
・4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-オクチルおよび4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミル;
・ケイ皮酸のエステル、好ましくは4-メトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、4-メトキシケイ皮酸プロピル、4-メトキシケイ皮酸イソアミル、2-シアノ-3,3-フェニルケイ皮酸2-エチルヘキシル(Octocrylene);
・サリチル酸のエステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシル、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル;
・ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸のエステル、好ましくは4-メトキシベンザルマロン酸ジ-2-エチルヘキシル;
・トリアジンの誘導体、例えば2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジンおよびオクチルトリアゾンまたはジオクチルブタアミドトリアゾン(Uvasorb HEB);
・プロパン-1,3-ジオン、例えば1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)-プロパン-1,3-ジオン;
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体。
適する水溶性物質は、以下の通りである:
・2-フェニルベンズイミダゾール-5-スルホン酸、ならびに、そのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよびグルクアンモニウム塩;
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸およびその塩;
・3-ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)-ベンゼンスルホン酸および2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸およびその塩。
適する通常のUV-Aフィルターは、特に、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)、1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオン、およびエナミン化合物である。勿論、これらUV-AおよびUV-Bフィルターを、混合物の形態で使用することもできる。
上記した可溶性物質に加えて、不溶性の光保護顔料(即ち、微細に分散させた金属酸化物または塩)も、この目的に適する。適する金属酸化物の例は、特に、酸化亜鉛および二酸化チタン、さらに、鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、ならびにこれらの混合物である。使用しうる塩は、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛である。これらの酸化物および塩を、皮膚ケアおよび皮膚保護エマルジョンのための顔料の形態で使用する。これら粒子は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、特に15〜30nmの平均直径を有しているべきである。これらは球の形状を有していてよいが、楕円形の形状またはいずれかの他の様式で球形からずれている形状を有する粒子を使用することもできる。また、顔料を、表面処理すること、即ち親水性化または疎水性化することもできる。その代表例は、被覆した二酸化チタン、例えば、二酸化チタン T805(Degussa)およびEusolex T2000(Merck)である。適する疎水性被覆剤は、主にシリコーンであり、特にここではトリアルコキシオクチルシランまたはジメチコーンである。日焼け止め剤においては、ミクロまたはナノ顔料を使用するのが好ましい。ミクロ化した酸化亜鉛を使用するのが好ましい。
植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物は、本発明の目的に対して、UV-A放射および/またはUV-B放射による線維芽細胞および/または角化細胞への損傷に有効である。
UV-A線は真皮に貫通し、そこで酸化ストレスを導く。これが、細胞膜の脂質過酸化によって示される。過酸化脂質は、マロンジアルデヒド(MDA)に分解され、これが、多くの生物学的分子、例えばタンパク質および核塩基を架橋するであろう(酵素阻害または突然変異誘発)。本発明のアルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物は、UV-A線によって誘発されるヒト線維芽細胞中のMDAレベルを有意に低下させ、従って、皮膚における酸化ストレスの有害作用を低下させる高い能力を示す。
UV-B線は、酵素(即ち、ホスホリパーゼA2またはPLA2)の活性化によって炎症を誘発する。この炎症(紅斑、浮腫)は、ホスホリパーゼにより細胞膜中のリン脂質からアラキドン酸を除去することによって誘発される。アラキドン酸は、炎症および細胞膜損傷を引き起こすプロスタグランジンの前駆体であり、プロスタグランジンE2(=PGE2)はシクロオキシゲナーゼによって形成される。ヒト角化細胞における細胞質酵素LDH(乳酸脱水素酵素)の放出の程度は、細胞損傷のマーカーになる。
本発明の植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物は、角化細胞の数ならびに放出されたLDHの含量において、UV-B放射の作用を低下させる。従って、該抽出物は、UV-B放射によって引き起こされる細胞膜への損傷を低下させることができる。
本発明の目的のために、植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物は、酸化防止剤またはフリーラジカル捕捉剤として働くことができる。
酸化防止剤は、酸素の作用および他の酸化過程によって引き起こされる、保護すべき物質中の望ましくない変化を抑制または防止することができる。この酸化防止剤の作用は、多くの場合、これらが、自動酸化中に生じるフリーラジカルに対するフリーラジカル捕捉剤として作用することにある。
酸化防止剤としてアルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物を使用することに加えて、さらに、既知の酸化防止剤を使用することもできる。例えば化粧品および/または皮膚医薬品調製物における酸化防止剤の可能性ある使用は、二次光保護剤としての使用である。その理由は、酸化防止剤が、UV放射が皮膚に貫通したときに誘発される光化学反応連鎖を遮断することができるためである。本発明の植物抽出物に加えて、そのさらなる代表例は、アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、アルギニン、セリン、トレオニン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびその誘導体(例えば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えば、α-カロテン、β-カロテン、リコペン、ルテイン)およびその誘導体、クロロゲニン酸およびその誘導体、リポン酸およびその誘導体(例えば、ジヒドロリポン酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびに、そのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、およびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびに、スルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-およびヘプタ-チオニンスルホキシイミン)[これらは、極めて少ない許容用量(例えば、pモル〜μモル/kg)で用いる]、さらに、(金属)キレート化剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、ボルジン、ボルド(boldo)抽出物、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、およびベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシド-ジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、trans-スチルベンオキシド)、ならびに、本発明に従って適するこれら活性成分の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)である。
さらなるUV光保護因子または酸化防止剤は、本発明の組成物または化粧品調製物においてその合計量を基準に、0.01〜25重量%、好ましくは0.03〜10重量%、特に0.1〜5重量%の量で添加することができる。
植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物は、本発明の目的のために、皮膚の炎症を治癒しうるかまたは炎症を防止しうる抗炎症ケア剤として有効である。ここでの炎症は、非常に広い多様の原因を有することができる。特に、UV放射、皮膚汚染、または細菌もしくはホルモンが原因の皮膚変化(例えば座瘡)によって誘発される炎症を処置することができる。
植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物は、本発明の目的のために、抗微生物剤として、特に、あらゆる種類の細菌が原因の皮膚変化に対して有効である。この種の皮膚変化には、非常に広い多様の種類および属の細菌(例えば、ブドウ球菌、連鎖球菌、放線菌および/またはプロピオン菌)による感染が含まれる。
植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物は、本発明の目的のために、皮膚老化に対して、特に、あらゆる種類のしわ形成およびすじ形成に対して有効である。この種のケア剤の別名称は抗老化剤である。その用途には、皮膚の老化過程の遅延化が含まれる。老化現象は、非常に広い多様の原因を有することができる。特に、これらの老化現象は、アポトーシス、UV放射または皮膚内生タンパク質(例えば、コラーゲンまたはエラスチン)の破壊によって誘発される皮膚損傷が原因で引き起こされうる。
植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの本発明の抽出物は、プロテアーゼ阻害剤(MMPを除く)として、特にエラスターゼ阻害剤として、好ましくはプラスミン阻害剤として作用する。これらのプロテアーゼは、皮膚巨大分子(例えば、プロテオグリカン、コラーゲンおよびエラスチン)の断片化および破壊を触媒し、これにより、UV放射後の自然皮膚老化の作用および皮膚の老化を導く。
植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物の既に列挙した効果に加えて、メラニン形成に陽性の影響を与えることがわかった。メラニン形成とは、細胞(具体的にはメラニン細胞)におけるメラニンの天然合成を意味する。この天然の色素形成に、メラニンを与えるようにL-DOPAによりチロシン酸化の反応連鎖に介入することによって、影響を与えることができる。メラニン形成を阻害することによって皮膚美白効果が達成され、一方、メラニン形成の刺激によって色素沈着の増大が導かれる。植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの抽出物は、メラニン形成の刺激を示す。この作用は、色素沈着剤または自己日焼け(セルフタンニング)剤としての使用を可能にする。
植物アルガニア・スピノーザの果実果肉からの種々の抽出物に加えて、調製物は、さらなる自己日焼け剤またはチロシナーゼ阻害剤を含有することができる。適する自己日焼け剤はジヒドロキシアセトンである。適するチロシナーゼ阻害剤(メラニンの形成を妨げ、脱色素沈着剤において使用される)は、例えば、アルブチン、フェルラ酸、コジック酸、クマル酸およびアスコルビン酸(ビタミンC)である。
保護および回復ケア剤としての本発明の抽出物の使用は、原則的に、損傷の防止のために、または皮膚および/または毛髪の損傷の場合に、従って皮膚ケアおよび毛髪ケアにおいて使用される全ての調製物に対して可能である。この分野における別の用途は、アレルギーまたは他の原因によって損傷した敏感な皮膚の場合の適用である。皮膚の損傷は、非常に広い多様な原因を有することができる。
本発明に係る組成物および化粧品調製物を、例えば、下記の化粧品および/または皮膚薬調製物の製造に使用することができる:毛髪シャンプー、毛髪ローション、発泡浴剤、シャワー浴剤、クリーム、ゲル、ローション、アルコール性および水性/アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/油脂組成物、スティック調製物、粉末または軟膏。さらに、本発明に係る口腔適用のための調製物を、錠剤、糖衣錠、カプセル、ジュース、溶液および顆粒に導入することもできる。
また、これらの調製物は、化粧品目的に一般的な追加の助剤および添加剤として、油成分、界面活性剤、乳化剤、油脂、ワックス、真珠色化ワックス、増粘剤、濃厚剤、超脂肪化剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、レシチン、リン脂質、生物起源の活性成分、脱臭剤、抗微生物剤、発汗防止剤、ふけ防止剤、皮膜形成剤、膨潤剤、防虫剤、ヒドロトロープ剤、可溶化剤、防腐剤、芳香油、染料ならびに化粧品目的に一般的な他の助剤および添加剤を含有することもできる。
存在していてよい界面活性剤(または界面活性物質)は、陰イオン性、非イオン性、陽イオン性および/または両性または双性イオン性界面活性剤である。組成物中のこれらの含有量は、通常は約1〜70重量%、好ましくは5〜50重量%、特に10〜30重量%である。
陰イオン性界面活性剤の代表例は、石鹸、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセロールエーテルスルホネート、α-メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、グリセロールエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノおよびジアルキルスルホスクシネート、モノおよびジアルキルスルホスクシナメート、スルホトリグリセリド、アミド石鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N-アシルアミノ酸(例えば、アシルラクチレート、アシルタルトレート、アシルグルタメートおよびアシルアスパルテート)、アルキルオリゴグルコシドスルフェート、タンパク質脂肪酸縮合物(特に、コムギに基づく植物生成物)、および、アルキル(エーテル)ホスフェートである。陰イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有しているときには、これらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い同族体分布を有する。
非イオン性界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエーテル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシル化トリグリセリド、混合エーテルまたは混合ホルマール、所望により部分的に酸化したアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドまたはグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギに基づく植物生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベートおよびアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有しているときには、これらは通常の同族体分布を有していてよいが、好ましくは狭い同族体分布を有する。
陽イオン性界面活性剤の代表例は、第四アンモニウム化合物、例えばジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、およびエステルクォート(ester quat)、特に第四級化した脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。
両性または双性イオン性界面活性剤の代表例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
上記した界面活性剤は全て既知の化合物である。これら物質の構造および製造については、関連の総説を参照してよい。
特に適する穏やかな(即ち、特に皮膚に適合する)界面活性剤の代表例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノおよび/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、アンホアセタールおよび/またはタンパク質脂肪酸縮合物(好ましくは、コムギタンパク質に基づく)である。
適する油成分は、例えば、6〜18個(好ましくは8〜10個)の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6-22脂肪酸と直鎖または分岐鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖C6-13カルボン酸と直鎖または分岐鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルエルケート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネートおよびエルシルエルケートである。
また適するのは、直鎖C6-22脂肪酸と分岐鎖アルコール(特に2-エチルヘキサノール)とのエステル、C18-38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル(特にジオクチルマレエート)、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6-10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6-18脂肪酸に基づく液体のモノ/ジ/トリグリセリド混合物、C6-22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(特に安息香酸)とのエステル、C2-12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を含むポリオールとのエステル、植物油、分岐鎖の第一アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分岐鎖のC6-22脂肪アルコールカーボネート(例えば、ジカプリリルカーボネート;Cetiol CC)、6〜18個(好ましくは8〜10個)の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐鎖C6-22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv TN)、アルキル基あたりに6〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の対称または非対称のジアルキルエーテル(例えば、ジカプリリルエーテル;Cetiol OE)、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油(シクロメチコーン、特にケイ素メチコーン型)および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素(例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン)である。
適する乳化剤は、例えば、下記の群の少なくとも1つに由来する非イオン性界面活性剤である:
・8〜22個の炭素原子を含む直鎖脂肪アルコールへの、12〜22個の炭素原子を含む脂肪酸への、アルキル基に8〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノールへの、および、アルキル基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルアミンへの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
・アルキル(アルケニル)基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、ならびに、そのエトキシル化類似体;
・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド1〜15モルの付加生成物;
・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド15〜60モルの付加生成物;
・グリセロールおよび/またはソルビタンと、12〜22個の炭素原子を含む不飽和、直鎖または飽和、分岐鎖の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸との部分エステル、ならびに、エチレンオキシド1〜30モルを含むその付加生成物;
・ポリグリセロール(平均の自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、12〜22個の炭素原子を含む飽和および/または不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の脂肪酸および/または3〜18個の炭素原子を含むヒドロキシカルボン酸との部分エステル、ならびに、エチレンオキシド1〜30モルを含むその付加生成物;
・ペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステルおよび/または6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくは、グリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;
・モノ、ジおよびトリアルキルホスフェートならびにモノ、ジおよび/またはトリ-PEG-アルキルホスフェートおよびその塩;
・羊毛ワックスアルコール;
・ポリシロキサン/ポリアルキル/ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
・ブロックコポリマー、例えば、ポリエチレングリコール-30 ジポリヒドロキシステアレート;
・ポリマー乳化剤、例えば、GoodrichのPemulenグレード(TR-1、TR-2);
・ポリアルキレングリコール;および
・グリセロールカーボネート。
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノールへの、またはヒマシ油への、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、既知の市販生成物である。これらは同族体混合物であり、その平均のアルコキシル化度は、付加反応を行う基質とエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの量比に対応する。グリセロールへのエチレンオキシドの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品調製物のための再脂肪化剤として知られている。
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、その製造およびその使用は、従来技術から既知である。これらは、特に、グルコースまたはオリゴ糖と8〜18個の炭素原子を含む第一アルコールとを反応させることによって製造される。グリコシド基に関して、モノグリコシド(環状の糖基がグリコシド結合によって脂肪アルコールに結合している)ならびにオリゴマーグリコシド(好ましくは約8までのオリゴマー化度を有する)の両方が適している。このオリゴマー化度は統計学的平均値であり、この値は、上記のような工業用製品に一般的な同族体分布に基づいている。
適する部分グリセリドの代表例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、ならびに、これらの工業用混合物(これらは、製造方法に由来する副生成物として少量のトリグリセリドを含んでいることもある)である。同様に適するのは、これら部分グリセリドへのエチレンオキシド1〜30モル、好ましくは5〜10モルの付加生成物である。
適するソルビタンエステルは、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレエート、ソルビタンセスキリシノレエート、ソルビタンジリシノレエート、ソルビタントリリシノレエート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタルトレート、ソルビタンセスキタルトレート、ソルビタンジタルトレート、ソルビタントリタルトレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート、ソルビタントリマレエートならびにこれらの工業用混合物である。同様に適するのは、これらのソルビタンエステルへのエチレンオキシド1〜30モル、好ましくは5〜10モルの付加生成物である。
適するポリグリセロールエステルの代表例は、ポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls PGPH)、ポリグリセリル-3 ジイソステアレート(Lameform TGI)、ポリグリセリル-4 イソステアレート(Isolan GI 34)、ポリグリセリル-3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3 ジイソステアレート(Isolan PDI)、ポリグリセリル-3 メチルグルコース ジステアレート(Tego Care 450)、ポリグリセリル-3 蜜蝋(Cera Bellina)、ポリグリセリル-4 カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル(Chimexane NL)、ポリグリセリル-3 ジステアレート(Cremophor GS 32)、ポリグリセリル ポリリシノレエート(Admul WOL 1403)、ポリグリセリル ジメレート イソステアレートおよびこれらの混合物である。他の適するポリオールエステルの例は、トリメチロールプロパンまたはペンタエリトリトールと、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとの、モノ、ジおよびトリエステルである(これらを、所望によりエチレンオキシド1〜30モルと反応させてもよい)。
さらに、双性イオン性界面活性剤を乳化剤として使用することもできる。用語「双性イオン性界面活性剤」とは、分子中に少なくとも1つの第四アンモニウム基および少なくとも1つのカルボキシレート基および1つのスルホネート基を保持する界面活性化合物を意味する。特に適する双性イオン性界面活性剤は、ベタインであり、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えばヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(アルキル基またはアシル基にそれぞれ8〜18個の炭素原子を含む)、およびヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタイン(Cocamidopropyl Betaine)のCTFA名称のもとで既知である脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
同様に適する乳化剤は両性界面活性剤である。用語「両性界面活性剤」とは、分子中にC8/18アルキル基またはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの−COOH基または−SOH基を含有し、内部塩を形成することができる界面活性化合物を意味する。適する両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(アルキル基にそれぞれ約8〜18個の炭素原子を含む)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。
最後に、陽イオン性界面活性剤も適する乳化剤であり、エステルクォート(ester quat)型の乳化剤、好ましくはメチルで第四級化したジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
使用しうる油脂およびワックスを以下で説明する。
油脂の代表例は、グリセリド、即ち、高級脂肪酸の混合グリセロールエステルから本質的になる固体または液体の植物または動物産物である。
適するワックスは、特に天然ワックス、例えばカンデリラワックス、カルナバワックス、木蝋、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマ(guaruma)ワックス、コメ胚油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリー(ouricury)ワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛ワックス)、尾羽脂、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ペトロラタム、パラフィンワックス、微結晶ワックス;化学修飾したワックス(硬ワックス)、例えばモンタンエステルワックス、サゾール(sasol)ワックス、水素化ジョジョバワックス、ならびに、合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。
油脂に加えて、他の適する添加剤は、油脂様の物質、例えばレシチンおよびリン脂質である。用語「レシチン」とは、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって生成するグリセロリン脂質を意味するものと当業者に理解されている。従って、レシチンは、ホスファチジルコリン(PC)と称されることも多い。天然レシチンの例はケファリンであり、これは、ホスファチジン酸とも称され、1,2-ジアシル-sn-グリセロール-3-リン酸の誘導体である。対照的に、リン脂質は、リン酸とグリセロールとのモノエステル、好ましくはジエステル(グリセロホスフェート)を意味するものと通常は理解されており、これは、一般的には油脂であると考えられている。さらに、スフィンゴシンおよびスフィンゴ脂質も適している。
適する真珠色化ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の所望によりヒドロキシ置換されたカルボン酸と、6〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;合計して少なくとも24個の炭素原子を含む脂肪化合物、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;12〜22個の炭素原子を含むオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシル基を含むポリオールによる開環生成物;およびこれらの混合物である。
使用しうる増粘剤および濃厚剤を以下に記載する。
適する増粘剤は、主に、12〜22個、好ましくは16〜18個の炭素原子を含む脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、さらに部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N-メチルグルカミド(同じ鎖長)および/またはポリグリセロール ポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組合せが好ましい。
適する濃厚剤は、例えば、Aerosilグレード(親水性シリカ)、多糖、特にキサンタンゴム、グアール、寒天、アルギネートおよびチロース(tylose)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート[例えば、CarbopolおよびPemulenグレード(Goodrich);Synthalen(Sigma);Keltrolグレード(Kelco);Sepigelグレード(Seppic);Salcareグレード(Allied Colloids)]、ポリアクリルアミド、ポリマー、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤(例えば、エトキシル化脂肪酸グリセリド)、脂肪酸とポリオール(例えば、ペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭い同族体分布を有する脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、ならびに、電解質(例えば、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウム)である。
使用しうる超脂肪化剤は、例えば、ラノリンおよびレシチン、さらにポリエトキシル化またはアシル化したラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドなどの物質である。脂肪酸アルカノールアミドは、発泡安定剤としても働く。
使用しうる安定剤は、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛塩である。
使用しうるポリマーを以下に記載する。
適する陽イオン性ポリマーは、例えば、陽イオン性セルロース誘導体、例えば第四級化したヒドロキシエチルセルロース(AmercholからPolymer JR 400の名称で入手できる)、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化したビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(BASF)、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、第四級化したコラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat L、Gruenau)、第四級化したコムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリコーンポリマー、例えばアミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretins、Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(Merquat 550、Chemviron)、ポリアミノポリアミドおよびその架橋した水溶性ポリマー、陽イオン性キチン誘導体、例えば第四級化したキトサン(所望により、微結晶分散している)、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)とビス-ジアルキルアミン(例えばビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン)との縮合生成物、陽イオン性グアールゴム(例えば、CelaneseからのJaguar CBS、Jaguar C-17、Jaguar C-16)、第四級化したアンモニウム塩ポリマー(例えば、MiranolからのMirapol A-15、Mirapol AD-1、Mirapol AZ-1)である。
適する陰イオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーは、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋のポリアクリル酸およびポリオール架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマーおよび所望により誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンである。
適するシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環式シリコーン、ならびに、アミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-および/またはアルキル-修飾したシリコーン化合物である(これらは、室温で液体または樹脂形態のいずれかであることができる)。また適するのはシメチコーンである(これは、水素化シリケートおよび200〜300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンの混合物である)。
使用しうる生物起源の活性成分を以下に記載する。
本発明の範囲内で、生物起源の活性成分とは、植物アルガニア・スピノーザに起因しない活性成分を意味するものと解され、例えば、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、レチノール、ビサボロール、アラントイン、ピタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、偽セラミド、精油、他の植物抽出物ならびに他のビタミン複合体などである。
使用しうる脱臭剤および抗微生物剤を以下に記載する。
化粧品用脱臭剤は、体臭を相殺するか、遮蔽するか、または除去する。体臭は、アポクリン発汗における皮膚細菌の作用の結果として生じ、これにより不快臭を有する分解生成物が生成することになる。従って、脱臭剤は、抗微生物剤、酵素阻害剤、臭気吸収剤または臭気遮蔽剤として作用する活性成分を含有する。
基本的に、適する抗微生物剤は、グラム陽性細菌に対して有効な全ての物質であり、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸およびその塩およびエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、抗細菌芳香物質、チモール、タイム油、オイゲノール、チョウジ油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノカプレート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド(例えば、n-オクチルサリチルアミドまたはn-デシルサリチルアミド)などである。
適する酵素阻害剤は、例えばエステラーゼ阻害剤である。これらは、好ましくはクエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、特にクエン酸トリエチル(Hydagen CAT)である。これらの物質は、酵素活性を阻害し、これによって臭気の生成を減少させる。適するエステラーゼ阻害剤である他の物質は、ステロールのスルフェートまたはホスフェート、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびシトステロールのスルフェートまたはホスフェート、ジカルボン酸およびそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチル、グルタル酸ジエチル、アジピン酸、アジピン酸モノエチル、アジピン酸ジエチル、マロン酸およびマロン酸ジエチル、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチル、およびグリシン酸亜鉛である。
適する臭気吸収剤は、臭気生成化合物を吸収することができ、その大部分を保持することができる物質である。これらは、個々の成分の分圧を低下させ、こうしてその拡散速度を低下させる。この過程で芳香物質が損なわれないままであることが重要である。臭気吸収剤は、細菌に対して有効ではない。これらは、例えば主成分として、ラブダナムもしくはエゴノキの抽出物またはある種のアビエチン酸誘導体などの「保留剤」として当業者に知られている特定のほぼ臭気中性の芳香物質またはリシノール酸の錯亜鉛塩を含有する。
臭気遮蔽剤は、その臭気遮蔽剤としての機能に加えて、そのそれぞれの芳香を脱臭剤に与える芳香物質または芳香油である。挙げうる芳香油は、例えば、天然および合成の芳香物質の混合物である。天然の芳香物質は、花、茎および葉、果実、果皮、根、木、ハーブおよび草、針状葉および枝、樹脂およびバルサムの抽出物である。また、動物原料、例えばジャコウおよびビーバーも適している。通常の合成芳香化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型の芳香化合物は、例えば、酢酸ベンジル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えばベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには、例えば8〜18個の炭素原子を含む直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアルおよびボルゲオナールが含まれる。ケトンには、例えばイオノンおよびメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールが含まれる。炭化水素には、主にテルペンおよびバルサムが含まれる。
しかし、異なる芳香物質の混合物(これらは一緒になって快い芳香を生じる)を使用するのが好ましい。また、比較的低揮発性のエーテル油(これらのほとんどは芳香成分として使用される)も、芳香油として適している。これらは、例えば、セージ油、カミツレ油、チョウジ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、シナノキ花油、ビャクシン果実油、ベチベルソウ油、オリバヌム油、ガルバヌム油、ラブダナム油およびラベンジン油である。以下のものを、単独でまたは混合物で使用するのが好ましい:即ち、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアル、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アムブロキサン(ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール(cyclovertal)、ラベンジン油、サルビア油、β-ダマスコーン、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックス・ケウアー(Vertofix coeur)、イソ-E-スーパー(iso-E-super)、フィクソリド(Fixolide)NP、エベルニル(evernyl)、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット(romilat)、イロチル(irotyl)およびフロラマット(floramat)。
発汗防止剤は、エクリン汗腺の活性に影響を及ぼすことによって発汗を減少させ、こうして腋下の湿気および体臭を中和する。通常、水性または無水の発汗防止剤配合物は、1またはそれ以上の次の成分を含有する:収斂性の活性成分、油成分、非イオン性乳化剤、共乳化剤、増粘剤、助剤(例えば、濃厚剤または錯生成剤)および/または非水性溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコールおよび/またはグリセロール)。
適する収斂性の発汗防止活性成分は、主に、アルミニウム、ジルコニウムまたは亜鉛の塩である。この種の適する抗ヒドロ(antihydrotic)活性成分は、例えば、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレート、および、これらと例えば1,2-プロピレングリコールとの複合化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタルトレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、および、これらと例えばアミノ酸(グリシンなど)との複合化合物である。さらに、通常の油溶性および水溶性の助剤が、発汗防止剤中に比較的少量で存在していてもよい。このような油溶性の助剤は、例えば、抗炎症性、皮膚保護性または芳香性のエーテル油、合成の皮膚保護活性成分および/または油溶性の芳香油であってよい。
通常の水溶性の添加剤は、例えば、防腐剤、水溶性芳香物質、pH調節剤、例えば緩衝混合物、水溶性濃厚剤、例えば水溶性の天然または合成ポリマー、例えばキサンタンゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたは高分子量ポリエチレンオキシドである。
使用しうる皮膜形成剤を以下に記載する。通常の皮膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系列のポリマー、第四セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩および同様の化合物である。
適するふけ防止活性成分は、ピロクトン オラミン(pirocton olamin)[1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノン モノエタノールアミン塩]、Baypival(クリムバゾール;climbazole)、Ketoconazol(4-アセチル-1-{4-[2-(2,4-ジクロロフェニル) r-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキシラン-c-4-イルメトキシフェニル}ピペラジン、ケトコナゾール、エルビオール、セレンジスルフィド、コロイド状イオウ、イオウポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、イオウリシノールポリエトキシレート、イオウタールジスチレート、サリチル酸(または、ヘキサクロロフェンと組合せて)、ウンデシレン酸 モノエタノールアミド スルホスクシネートNa塩、Lamepon UD(タンパク質/ウンデシレン酸縮合物)、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオンおよびマグネシウムピリチオン/ジピリチオンマグネシウムスルフェートである。
水相のための膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土無機物質、ペムレン(Pemulen)およびアルキル修飾したカルボポール(Carbopol)グレード(Goodrich)であってよい。
適する防虫剤は、N,N-ジエチル-m-トルアミド、1,2-ペンタンジオールまたはブチルアセチルアミノプロピオン酸エチルである。
流れ挙動を改善するために、ヒドロトロープ剤、例えばエタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールを使用することができる。ここで適するポリオールは、好ましくは2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。これらポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含有することもでき、また、窒素で修飾することもできる。その代表例は、以下の通りである:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および、ポリエチレングリコール(100〜1000ダルトンの平均分子量を有する);
・1.5〜10の自己縮合度を有する工業用グレードのオリゴグリセロール混合物、例えば40〜50重量%のジグリセロール含量を有する工業用グレードのジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を含むもの、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含む糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を含む糖、例えばグルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2-アミノ-1,3-プロパンジオール。
適する防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、ならびに、Cosmetics Directive(化粧品指針)の付属書6のパートAおよびBに挙げられている他の群の物質である。
使用しうる芳香油は、好ましくは、天然および合成の芳香物質の混合物である。天然の芳香物質は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレイン)、果実(アニス、コエンドロ、ヒメウイキョウ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ニクズク、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、カルムス)、木(マツ、ビャクダン、ユソウボク、シーダー材、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバヌム、オポパナクス)の抽出物である。また、動物原料、例えばジャコウおよびビーバーも適している。通常の合成芳香化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型の芳香化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチルメチルフェニルグリシネート、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えばベンジルエチルエーテルが含まれ、アルデヒドには、例えば8〜18個の炭素原子を含む直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアルおよびボルゲオナールが含まれる。ケトンには、例えばイオノン、α-イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールが含まれる。炭化水素には、主にテルペンおよびバルサムが含まれる。
しかし、異なる芳香物質の混合物(これらは一緒になって快い芳香を生じる)を使用するのが好ましい。また、比較的低揮発性のエーテル油(これらのほとんどは芳香成分として使用される)も、芳香油として適している。これらは、例えば、セージ油、カミツレ油、チョウジ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、シナノキ花油、ビャクシン果実油、ベチベルソウ油、オリバヌム油、ガルバヌム油、ラブダナム油およびラベンジン油である。以下のものを、単独でまたは混合物で使用するのが好ましい:即ち、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアル、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレン・フォルテ(boisambrene forte)、アムブロキサン(ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール(cyclovertal)、ラベンジン油、サルビア油、β-ダマスコーン、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックス・ケウアー(Vertofix coeur)、イソ-E-スーパー(iso-E-super)、フィクソリド(Fixolide)NP、エベルニル(evernyl)、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット(romilat)、イロチル(irotyl)およびフロラマット(floramat)。
使用しうる染料は、化粧品目的に認められかつ適している物質である。通常、これらの染料は、混合物全体を基準に、0.001〜0.1重量%の濃度で使用される。
実験に使用した非鹸化性抽出物およびトリテルペン分画の製造
実験に使用したトリテルペン分画を、アルガニア・スピノーザ果実の粉砕した乾燥果肉からの粗ヘキサン抽出物から製造した。この親油性抽出物を、IUPAC基準番号2.401に従って鹸化した。非鹸化性抽出物を、クロマトグラフィーカラム(シリカゲル)の頂部に入れ、ヘキサン/酢酸エチル混合物で溶離した(勾配を使用した;ヘキサンと酢酸エチルとの比率は一定ではなかった)。
この溶離によって、以下の3つの分画が得られた:
分画A:活性なトリテルペン、例えば、ルペオール(分画Aの約50重量%)、α-アミリン(分画Aの約14重量%)、β-アミリン(分画Aの約23重量%)、タラキサステロールおよびψ-タラキサステロールを含有する;
分画B:δ-7-ステロール、例えばショッテノールおよびスピナステロール、ならびに、トリテルペンおよびブチンアルデヒド(butinaldehyde)を含有する;
分画C:純粋なトリテルペン エリトロジオールからなる。
分画Aを、以下の実験において、トリテルペン分画として使用した。
以下の収率が反復実験において得られた:
非鹸化性分画から分画A:20〜25重量%;
乾燥原料から非鹸化性分画:0.7〜1重量%。
実験に使用した超臨界CO 抽出物の製造(「SC-抽出物」)
植物アルガニア・スピノーザ果実の乾燥果肉(水分含量 19.2%)(「原料」)(5kg)を、超臨界流体を用いて抽出した。超臨界状態にある抽出液(二酸化炭素および共溶媒として8重量%のエタノール)が存在する容器に原料を入れた。適用した圧力は280バールであり、温度は45℃であり、超臨界流体の流速は25kg/時であった。210gの原料を抽出するために、123kgの超臨界流体が必要であった。
この抽出物の活性化合物は、1個または数個の脂肪酸でエステル化されたトリテルペン(ルペオール、エリトロジオール、α-アミリン、β-アミリン)であった。
実施例1:ヒト線維芽細胞における毒性試験および増殖試験
これらの試験の目的は、インビトロ培養したヒト線維芽細胞に対する毒性、次いで再生および活力付与活性を評価することであった。
ヒト線維芽細胞を、ウシ胎仔血清(FCS)を含む細胞培養標準培地に接種した。37℃およびCO=5%(使用した大気は5容量%の二酸化炭素を含む空気であった)において1日のインキュベート後に、増殖培地を、試験する各成分について一定範囲の濃度を有する標準培地と交換した。3日間のインキュベート後に、生存細胞の数を、細胞タンパク質レベルの評価によって決定した(Bradford法)。細胞タンパク質濃度を、Bradfordに従って測定した[Bradford M.M、「タンパク質-色素結合の原理を利用するマイクログラム量のタンパク質の定量のための迅速かつ高感度の方法」、Anal.Biochem. (1977)、Vol.72、p.248-254]。
トリテルペン分画をエリトロジオールと比較した。以下の表中の結果は、対照(成分を含まない細胞培養培地)に対する%で表した。
Figure 2007511472
これらの実験は、試験した細胞培養物において、トリテルペン分画が0.001%までの濃度で安全であり、一方、エリトロジオールが0.0003%までの濃度で安全であることを示す。0.001%の濃度のトリテルペン分画は、ヒト線維芽細胞の細胞増殖を明らかに改善した。
さらに、これらの実験は、非鹸化性抽出物が、線維芽細胞の増殖を明らかに刺激したことを示す。
実施例2:ヒト線維芽細胞における生存効果試験
この試験の目的は、インビトロ培養したヒト線維芽細胞に対する毒性、次いで再生および活力付与活性を評価することであった。
ヒト線維芽細胞を、ウシ胎仔血清(FCS)を含む細胞培養標準培地に接種した。3日間のインキュベート後に、細胞が静止期になり、次いで増殖培地を、試験する各成分について一定範囲の濃度を有する標準培地と交換した。3日間のインキュベート後に、生存細胞の数を、細胞DNA(蛍光プローブ)、ATP(酵素法)、タンパク質(Bradford法)およびGSH{これは、Hissinの方法[Hissin P.J.、Hilf R.A.、「組織中の酸化および還元グルタチオンを測定するための蛍光法」、Analytical Biochemistry (1977)、Vol.74、p.214-226]に従って評価した}のレベルおよび割合を評価することによって調べた。
ATP(またはアデノシン三リン酸)は、エネルギーに富む化合物である。これは、主にミトコンドリアによって産生される。細胞は、細胞骨格、イオンチャンネル、栄養物の取込み、および多数の他の生物学的過程を制御する多くの酵素の活性のためにATPを必要とする。
グルタチオン(GSH)は、酸化ストレスまたはある種の汚染物質(水銀または鉛など)から細胞を保護するために、細胞によって産生されるペプチドである。還元された形態のGSHに関係する3個のアミノ酸が、特異的な細胞質酵素(これがATPを使用する)によって結合される。GSHレベルの増加は、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(解毒酵素)の活性を高める。
以下の表に試験結果を示す。
Figure 2007511472
この表の最後の欄に「GSH/タンパク質」を挙げているが、これは、GSHの増加は、一般にタンパク質の増加と関連して表されるためである。
0.001%の濃度のトリテルペン分画は、DNA、ATPおよびタンパク質の量を明らかに増加させた。これと比較して、エリトロジオールは、0.00003%の濃度でのみ、インビトロ培養したヒト線維芽細胞によって合成されるGSHの量を変化させた。
SC-抽出物は、インビトロ培養したヒト線維芽細胞の細胞代謝を明らかに刺激した。
実施例3:UV-A放射に対するヒト線維芽細胞の細胞光保護
UV-A放射に対する細胞保護を、ヒト線維芽細胞における試験によって評価した。これは、UV-A放射が表皮を通って真皮まで貫通し、そこで酸化ストレスを誘発するためである[DALLE CARBONARE M、PATHAK MA;「光老化における反応性酸素種の役割および皮膚光感作剤」;JOURNAL OF PHOTOCHEMISTRY & PHOTOBIOLOGY、1992、14、1-2、p.105-124]。この酸化ストレスを、放出されたMDA(マロンジアルデヒド)および細胞内GSH(還元グルタチオン)のレベルを測定することによってインビトロで評価した[Morliere P.、Moisan A.、Santus R.、Huppe G.、Maziere J.C.、Dubertret L.、「培養ヒト線維芽細胞におけるUV-A誘発の脂質過酸化」、Biochim.Biophys.Acta、1084、3、p.261-269 (1991)]。
キーワードで表して、実験を以下のように行った:
・増殖培地[ウシ胎仔血清(FCS)を含む標準培地]にヒト線維芽細胞を接種;
・37℃、CO=5%で3日間インキュベート;
・増殖培地を平衡塩類溶液と交換;
・UV-A:20J/cm(ブラックライトTFWNランプ)による線維芽細胞の照射
(TFWNランプは、当業者周知のある種の市販の太陽灯である);
・増殖培地を、FCSを含まず試験される成分を含む標準培地と交換;
・37℃、CO=5%で3日間インキュベート;
・マロンジアルデヒド(またはMDA)の割合の分光学的測定のための上清培地の回収;
・細胞タンパク質レベルの評価による細胞数の測定(Bradford法)および細胞GSHの割合の評価(Hissin法)。
以下の表に、結果(対照に対する%)をまとめる。
Figure 2007511472
実験の結果を、次のように解釈および要約することができる:
・UV-A照射は、放出MDAレベルの強い増加および約30%の細胞内GSHレベルの減少を誘発した;
・トコフェロールは、ヒト線維芽細胞を毒性UV-A作用から強く保護した;
・0.001%の濃度のトリテルペン分画は、明らかにヒト線維芽細胞を毒性UV-A作用から保護したが、この作用は、GSH合成の刺激によって媒介されうる;
・エリトロジオールは、並程度にヒト線維芽細胞を毒性UV-A作用から保護したが、この作用は、GSH合成の刺激によって媒介されうる。
実施例4:UV-B放射に対するヒト角化細胞の細胞光保護
これらの実験の目的は、UV-B放射に対するヒト角化細胞の細胞光保護を証明することであった。
ヒト皮膚のUV-B照射(280〜320nm)は、主に、皮膚細胞の細胞膜からアラキドン酸を放出する酵素(ホスホリパーゼA2またはPLA2)の活性化によって皮膚炎症を誘発する[V.A.De Leo、D.Hanson、I.B.WeinsteinおよびL.C.Harber、「紫外線放射は、培養物において哺乳動物細胞からのアラキドン酸の放出を刺激する」、Photochemistry and Photobiology (1985)、Vol.41、No.1、p.51-56)。次いで、他の特異的酵素(いわゆるシクロオキシゲナーゼ)が、アラキドン酸をプロスタグランジン(またはPG)と称される活性成分に転換し、これが細胞から分泌される。ある種のプロスタグランジン(PGE2)が特異的な皮膚受容体に固定されると、続いて、日焼け後のように発赤および腫れが起こる。培養ヒト細胞において、細胞膜におけるこれらのUV-B作用は、細胞質酵素である乳酸脱水素酵素またはLDHの上清培地における放出と関係している[B.Bonnekoh、B.Farkas、J.GeiselおよびG.Mahrle、「培養ヒト角化細胞におけるジトラノール(dithranol)誘発膜損傷の指標としての乳酸脱水素酵素の放出」、Dermatological research (1990) Vol.282、p.325-331]。
キーワードで表して、実験を以下のように行った:
・増殖培地[ウシ胎仔血清(FCS)を含む標準培地]にヒト角化細胞を接種;
・37℃、CO=5%で3日間インキュベート;
・増殖培地を、試験される成分を含む平衡塩類溶液と交換;
・UV-B:50mJ/cm(DUKE GL40Eランプ)による角化細胞の照射
(DUKE GL40Eランプは、当業者周知のある種の市販の太陽灯である);
・37℃、CO=5%で1日間のインキュベート;
・トリプシン処理後の付着細胞の計数
(トリプシン処理は、酵素トリプシンの使用に基づく過程であり、該酵素は、支持体から細胞を回収して、この細胞をより大きなフラスコに播種し、こうして細胞培養物を拡大することを可能にするプロテアーゼである);
・LDHおよびPGE2(ELISA法による)の活性の分光学的測定のための上清培地の回収。
以下の表に、単層のヒト角化細胞の結果(対照に対する%)をまとめる。
Figure 2007511472
実験の結果を、次のように解釈および要約することができる:
・UV-B照射は、放出LDHレベルの強い増加および細胞数の74%の減少を誘発した;
・アスピリンは、生存細胞の数(細胞数および放出されたLDH)および炎症媒介物質(PGE2など)の放出において、明らかにUV毒性作用を減少させた;
・インドメタシンは、生存細胞の数(細胞数および放出されたLDH)において並程度にUV毒性作用を減少させたが、炎症媒介物質(PGE2など)の放出を劇的に減少させた;
・0.003%の濃度のトリテルペン分画は、生存細胞の割合(細胞数および放出されたLDH)において明らかにUV誘発の毒性作用を減少させ、炎症媒介物質(PGE2など)の放出を劇的に減少させた;
・エリトロジオールは、培養ヒト角化細胞におけるUV毒性作用を変化させなかった。
実施例5:プロテアーゼに対する阻害作用
背景
炎症過程中に、エラスターゼのような皮膚プロテアーゼが、多形核好中性顆粒およびマクロファージから分泌される。これらのプロテアーゼは、皮膚の極めて重要な巨大分子(例えば、プロテオグリカンおよびエラスチン)の断片化を触媒する。
実施例5a:天然基質としてのエラスチン-コンゴ・レッド
この試験は、コンゴ・レッド(Congo red)でラベルしたエラスチンに対して、膵臓由来のエラスターゼを用いて行った。インキュベート時間は室温で30分間であり、放出されたコンゴ・レッドの光学密度を、遠心後に520nmの波長で記録した。a1-抗トリプシンを、陽性の参照として使用した。
以下の表に、結果をまとめる(EC50として% w/vで表す)。
[EC50(% w/v)は、酵素活性を50%低下させる濃度(% w/v)である]
Figure 2007511472

これらの結果は、エリトロジオールが、プロテアーゼ(例えばエラスターゼ)由来の活性を阻害する良好な可能性を有することを示す。

Claims (10)

  1. アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物のトリテルペン分画。
  2. アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物の非鹸化性分画。
  3. アルガニア・スピノーザ果実果肉の抽出物。
  4. ヒトまたは動物身体において行う治療法または診断法によってヒトまたは動物身体を処置するための、請求項1に記載のトリテルペン分画、請求項2に記載の非鹸化性分画、請求項3に記載の抽出物、ならびに、以下の成分を含有する組成物:
    (a)請求項1に記載のトリテルペン分画または請求項2に記載の非鹸化性分画または請求項3に記載の抽出物、および
    (b)医薬品目的に一般的な助剤および/または添加剤、
    からなる群から選択される物質。
  5. UV-A放射またはUV-B放射によって損傷したヒト皮膚の処置のための薬剤を製造するための、請求項1に記載のトリテルペン分画、請求項2に記載の非鹸化性分画、請求項3に記載の抽出物、ならびに、以下の成分を含有する組成物:
    (a)請求項1に記載のトリテルペン分画または請求項2に記載の非鹸化性分画または請求項3に記載の抽出物、および
    (b)医薬品目的に一般的な助剤および/または添加剤、
    からなる群から選択される物質の使用。
  6. 以下の成分を含有する組成物:
    (a)請求項1に記載のトリテルペン分画、請求項2に記載の非鹸化性分画、請求項3に記載の抽出物、ルペオール、α-アミリン、β-アミリン、タラキサステロール、およびψ-タラキサステロールからなる群から選択される成分、ならびに、
    (b)化粧品目的に一般的な助剤および/または添加剤。
  7. 成分(b)が、油成分、界面活性剤、乳化剤、油脂、ワックス、真珠色化ワックス、増粘剤、濃厚剤、超脂肪化剤、安定剤、ポリマー、シリコーン化合物、レシチン、リン脂質、生物起源の活性成分、脱臭剤、抗微生物剤、発汗防止剤、皮膜形成剤、ふけ防止剤、膨潤剤、防虫剤、ヒドロトロープ剤、可溶化剤、防腐剤、芳香油および染料からなる群から選択される請求項6に記載の組成物。
  8. 請求項3に記載の抽出物の製造方法であって、以下の工程を含んでなる方法:
    ・アルガニア・スピノーザ果実の果肉を、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、1〜6個の炭素原子を含むアルコール、1〜6個の炭素原子を含むカルボン酸と1〜6個の炭素原子を含むアルコールとのエステル、1〜6個の炭素原子を含むケトンおよび超臨界流体からなる群から選択される溶媒で抽出して、抽出物と溶媒を含有する混合物を得る工程、および
    ・このようにして得た混合物から溶媒を除去する工程。
  9. 化粧品調製物の製造のための、請求項1に記載のトリテルペン分画、または請求項2に記載の非鹸化性分画、または請求項3に記載の抽出物、またはルペオール、またはα-アミリン、またはβ-アミリン、またはタラキサステロール、またはψ-タラキサステロール、または請求項6もしくは7に記載の組成物の使用。
  10. ヒト身体の化粧処置のための、請求項1に記載のトリテルペン分画、または請求項2に記載の非鹸化性分画、または請求項3に記載の抽出物、またはルペオール、またはα-アミリン、またはβ-アミリン、またはタラキサステロール、またはψ-タラキサステロール、または請求項6もしくは7に記載の組成物、または請求項9に記載の化粧品調製物の使用。
JP2006536012A 2003-10-24 2004-10-15 植物抽出物ならびに該抽出物の医薬品および化粧品における使用 Pending JP2007511472A (ja)

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