JP2007508280A - 不斉還元反応に有用なオキサザボロリジン由来キラル化合物−ボラン錯体のinsituでの製法 - Google Patents

不斉還元反応に有用なオキサザボロリジン由来キラル化合物−ボラン錯体のinsituでの製法 Download PDF

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Abstract

【課題】オキサザボロリジン由来キラル化合物−ボラン錯体をin situで製造する。
【解決手段】水素化ホウ素金属、ルイス塩基及び無機酸エステルを接触させた後、光学活性アミノアルコール及び必要に応じてハロゲン化物を添加する。得られる化合物は、不斉還元反応の触媒として有用な錯体である。その反応は、キラルアルコール又はキラルアミンを合成するために還元する基質、特にプロキラルなケトン又はエーテルオキシムを添加することにより行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、キラルアルコールを合成するためのプロキラルなケトン還元反応又はキラルアミンを合成するためのエーテルオキシム還元において触媒として使用されるオキサザボロリジン(oxazaborolidine)由来キラル化合物−ボラン錯体のin situでの新規製造方法の手段に関する。
非特許文献1では、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)及び硫酸ジメチル(MeSO)等の反応物から、アルコール製造用のアルケンヒドロホウ素化反応を実施する、ボランのin situでの生成方法が記載されている。
非特許文献2では、ボランをin situで生成するこの同じ方法に言及がされており、アミノアルコールを合成するアミノ酸誘導体の還元反応でも使用されている。
最近では、非特許文献3において、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)及びヨウ素(I)等の反応物から、ボラン−ルイス塩基錯体及びオキサザボロリジン由来キラル化合物をin situで製造することが記載されており、上記キラル化合物は、プロキラルなケトンの不斉還元に好ましい触媒である。
後者の方法が制限される要因は工業上でのヨウ素の使用であり、というのも、作業環境の観点から、ヨウ素を取り扱うのにかなりの財政投資を行う必要があるからである。
Spehar A.et al.,J.Org.Chem.,1969,34(12),pp.3923−3926 Abiko A.及びMasamune S.,Tetrahedron Letters,1992,33(38),pp. 5517−5518 Periasamy M.,ACS Symposium Series,2001,783,pp.65−78
出願人は、ヨウ素取扱いの問題を回避して、ボラン−ルイス塩基錯体及びオキサザボロリジン由来キラル化合物−ボラン錯体のin situでの工業的製法を開発した。これらオキサザボロリジン由来キラル化合物−ボラン錯体は、還元方法に使用した際の立体選択能で知られている。
したがって本発明は、光学活性なアルコール又はアミンを合成する還元反応の触媒として使用される、オキサザボロリジン由来キラル化合物−ボラン錯体をin situで製造する方法に関するものであり、以下を特徴とする。
1)以下を、式(I)で定義される水素化ホウ素金属の懸濁液に添加する:
MBH (I)
式中:
Mは特にナトリウム、カリウム、リチウム又は亜鉛イオンであり、好ましくはナトリウムイオンである:
a) 下記一般式(II)のルイス塩基:
−A−(R (II)
式中:
及びRは、同一又は異なって、水素原子、置換されていてもよい鎖状若しくは分岐状のアルキル、置換されていてもよいアリール、アルキルアリール又はC−Cシクロアルキルであるか、あるいは
及びRは、一緒に、C−Cアルキル鎖、又は、置換されていてもよいC−C炭素環を形成し;
nは1又は2に等しく;
Aは窒素、酸素、硫黄又はリン原子である。
本発明の特別な態様では、式(II)の化合物は、鎖状若しくは環状エーテル、好ましくはテトラヒドロフラン若しくはテトラヒドロピラン;第二若しくは第三アミン、好ましくはN,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、アニリン、N,N−ジエチルアニリン若しくはN−エチル−N−イソプロピルアニリン;鎖状若しくは環状チオエーテル、好ましくはジメチルスルフィド;アミノエーテル、好ましくはモルホリン;又は、ホスフィン、好ましくはトリフェニルホスフィンである。
本発明のひとつの好ましい態様では、式(II)の化合物はN,N−ジエチルアニリン(DEA)である。
b) 下記一般式(III)の無機酸エステル:
−X (III)
式中:
Xはスルフォニルオキシエステル基(−OS(O)OR)、スルフォネート(−OS(O)R)又はスルファイト(−OS(O)OR)であり;
、R及びRは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アリール、複素環、ヘテロアリール、C1−7アルコキシ基、アルキル(C1−7)−チオ基、アルキル(C1−7)−アリール基又はC−Cシクロアルキルで置換されていてもよい鎖状若しくは分岐状のC1−7アルキルであるか、あるいは
及びRは、一緒に、C−Cアルキル鎖、又は、置換されていてもよいC−C炭素環を形成する。
本発明の特別な態様では、一般式(III)の化合物は、硫酸ジアルキル、硫酸ビスアリールオキシアルキルエステル、ビスアルコキシスルフォニルオキシアルカン、又は、ジオキサチオランジオキサイドである。
本発明のひとつの好ましい態様では、一般式(III)の化合物は、硫酸ジメチル(MeSO)である。
上記製法のひとつの好適な態様では、ルイス塩基及び無機エステルの量は、水素化ホウ素金属に対して1〜2当量である。
本発明のひとつの好ましい態様では、DEA及びMeSOの選択量は、NaBHに対して1.05当量である。
使用溶媒は、通常の非プロトン性溶媒である。
好適には、上記非プロトン性溶媒は、水素化ホウ素金属(NaBH)及びボラン(BH)に不活性な非アミノ系溶媒である。非アミノ系溶媒の例としては、テトラヒドロフラン(THF)及びジオキサン等のエーテル、エチレングリコール及びジメチルエーテル(DME)等のグライム、トルエン等の芳香族化合物、又は、CHCl等の他の溶媒が挙げられる。
化合物(I)、(II)及び(III)を0℃〜75℃の温度で接触させる。
得られた反応媒体を0.5〜4時間のあいだこの温度で攪拌する。
最後に、式(I)、(II)及び(III)の化合物の添加順序は、例示として示したものであり、限定を意図したものではない。
この反応は、溶液中にボラン−ルイス塩基錯体を形成し、ここに、下記一般式(IV)の光学活性アミノアルコール、及び、所望により、後で定義する式(X)のハロゲン化物を添加する:
Figure 2007508280
式中:
は、水素原子、鎖状若しくは分岐状のC1−8低級アルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル、又は、C1−15アリールアルキル基、好ましくはベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、これらは、C1−5アルコキシ又はアルキルであってメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はペントキシ型のもので置換されていてもよい;
、R、R、R、R10、R11及びR12は、同一又は異なって、独立して、水素原子、C1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル型のもの、C6−12アリール基、特にフェニル、1−ナフチル若しくは2−ナフチル型のもの、又は、C7−12アリールアルキル基、特にベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジル型のもの、等の有機基であり、RとRが異なる場合には、前記アリール又はアリールアルキル基はC1−5アルキル又は上述したような基で置換されていてもよい;
及びR、又は、R及びR11、又は、R及びR、又は、R10及びR11は、一緒に、置換されていてもよいC3−6低級アルキレン基、好ましくはメチレン、ジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレン基を形成してもよく;
及びRは、一緒に、ベンゼン環で置換又は縮合されていてもよいアルキレン基、好ましくはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、o−フェニレンメチレン又はo−フェニレンジメチレンを形成してもよく;
nは0、1、2又は3に等しく;
及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
nがゼロに等しい場合に、式(IV)の好ましい化合物は、一般式(IVa)の光学活性ベータ−アミノアルコールである:
Figure 2007508280
式中:
は、水素原子、鎖状若しくは分岐状のC1−8低級アルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル、又は、C1−15アリールアルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、これらは、C1−5アルコキシ又はアルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はペントキシ型のもので置換されていてもよい;
、R及びR11は、同一又は異なって、独立して、水素原子、C1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル型のもの、C6−12アリール基、例えばフェニル、1−ナフチル若しくは2−ナフチル、又は、C7−12アリールアルキル基、好ましくはベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、RとRが異なる場合には、前記アリール又はアリールアルキル基は置換されていてもよい;
及びRは、一緒に、置換されていてもよいC1−6アルキレン基、例えばメチレン、ジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレンを形成してもよく;
及びR11は、一緒に、ベンゼン環で置換又は縮合されていてもよいアルキレン基、例えばトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、o−フェニレンメチレン又はo−フェニレンジメチレンを形成してもよく;
及び/又はCは不斉炭素原子である。
通常の命名法を用いて以下に列挙した式(IVa)の光学活性化合物が本発明の好ましい態様である:
ノレフェドリン(norephedrine);エフェドリン(ephedrine);2−アミノ−1−(2,5−ジメチルフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2,5−ジメトキシフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2,5−ジエトキシフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2,5−ジプロポキシフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2−メトキシフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2−エトキシフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2−プロポキシフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2−メチルフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2−メトキシ−5−メチルフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(4−メトキシ−2−メチルフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2−エトキシ−5−メチルフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(1−ナフチル)−1−プロパノール;2−アミノ−1−(2−ナフチル)−1−プロパノール;2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール;2−アミノ−1,1−ジフェニル−1−プロパノール;2−アミノ−1,1−ジフェニル−3−メチル−1−ブタノール;2−アミノ−1,1−ジフェニル−4−メチル−1−プロパノール;2−アミノ−3−メチル−1−ブタノール;2−アミノ−4−メチル−1−ペンタノール;2−アミノ−1−プロパノール;2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール;2−アミノ−2−フェニル−1−エタノール;2−ピロリジニルメタノール;α,α−ジフェニル−2−ピロリジニルメタノール;2−ピペリジンメタノール;α,α−ジフェニル−2−ピペリジニルメタノール;2−アジリジニルメタノール;α,α−ジフェニル−2−アジリジニルメタノール;2−アゼチジニルメタノール;α,α−ジフェニル−2−アゼチジニルメタノール;2−アミノシクロペンタン−1−オール;2−アミノシクロヘキサン−1−オール;1−アミノインダン−2−オール;3−アミノ−2−ヒドロキシボルナン。
光学活性体α,α−ジフェニル−2−ピロリジニルメタノールが特に好ましい。
nが1に等しい場合に、式(IV)の好ましい化合物は、一般式(IVb)の光学活性ガンマ−アミノアルコールである:
Figure 2007508280
式中:
は、水素原子、鎖状若しくは分岐状のC1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル型のもの、又は、C1−15アリールアルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、これらは、C1−5アルコキシ又はアルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はペントキシ型のもので置換されていてもよい;
、R、R、R、R10、R11及びR12は、同一又は異なって、独立して、水素原子、C1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル型のもの、C6−12アリール基、特にフェニル、1−ナフチル若しくは2−ナフチル、又は、C7−12アリールアルキル基、特にベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、RとRが異なる場合には、前記アリール又はアリールアルキル基は置換されていてもよい;
及びRは、一緒に、置換されていてもよいC3−6低級アルキレン基、好ましくはメチレン、ジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレンを形成してもよく;
、R11又はR、R又はR、R11は、ベンゼン環で置換又は縮合されていてもよいアルキレン基、特にトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、o−フェニレンメチレン又はo−フェニレンジメチレンを形成してもよく;
及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
通常の命名法を用いて以下に列挙した光学活性ガンマ−アミノアルコールが本発明の特別な態様である:
β,β−ジフェニル−2−ピロリジニルエタノール;β,β−ジ(t−ブチル)−2−ピペリジニルエタノール;2−フェニル−4−ヒドロキシ−ピペリジン。
nが2に等しい場合に、式(IV)の好ましい化合物は、式(IVc)の光学活性デルタ−アミノアルコールの誘導体である:
Figure 2007508280
式中:
は、水素原子、鎖状若しくは分岐状のC1−8アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル基、又は、C1−15アリールアルキル基、特にベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、これらは、C1−5アルコキシ又はアルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はペントキシ基で置換されていてもよい;
、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、同一又は異なって、独立して、水素原子、C1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル基、C6−12アリール基、特にフェニル、1−ナフチル若しくは2−ナフチル基、又は、C7−12アリールアルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、RとRが異なる場合には、前記アリール又はアリールアルキル基はC1−5アルキル又は上述したようなで置換されていてもよい;
及びRは、一緒に、置換されていてもよいC3−6低級アルキレン基、特にメチレン、ジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレン基を形成してもよく;
及びRは、一緒に、ベンゼン環で置換又は縮合されていてもよいアルキレン基、例えばトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、o−フェニレンメチレン又はo−フェニレンジメチレンを形成してもよく;
及び/又はC及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
式(IV)の光学活性体は、溶媒が生成物を可溶化させ反応に影響しないものである限り溶液中にあってもよいし、なくてもよい。
好適には、ホウ素−ルイス塩基錯体にまず下記式(X)のハロゲン化物を添加し、先に定義した式(IV)の光学活性アミノアルコールを続ける。
−Y (X)
式中:
Yは、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素等のハロゲン原子であり;
は、ナトリウム、カリウム又はリチウムイオン、アンモニウム基及びホスフォニウム基から選択される。
出願人は、式(X)の化合物の添加が、式(IV)の光学活性アミノアルコール化合物すべてとの反応を可能にすることを証明した。さらに、式(X)の化合物の添加は、式(IV)の光学活性アミノアルコール化合物が2%未満の量で使用され高い付加値を伴う場合にその再生利用の回避を可能にする。
その結果、式(X)の化合物の添加は、式(IV)の光学活性アミノアルコール化合物の必要量を制限することによって、相当の経済的利得をもたらす。
アンモニウム基の例としては、テトラアルキルアンモニウム、ピリジニウム、アルキルピペリジニウム、アルキルピペラジニウム、アルキルピロリジニウム及びテトラアルキルアニリニウム基が挙げられる。この場合、アルキルという用語は、鎖状又は分岐状のC1−7アルキル鎖を意味する。
ホスフォニウム基の例としては、テトラキス(ジメチルアミノ)ホスフォニウム、テトラフェニルホスフォニウム、トリフェニルホスフォニウム、及び、ベンジルトリフェニルホスフォニウム等の、アリールホスフォニウム又はアルキルアリールホスフォニウム基が挙げられる。
式(IV)の化合物及び必要に応じて式(X)の化合物の添加は、0℃〜75℃の温度で行い、反応媒体は、攪拌下0.5〜4時間のあいだ、この温度で維持する。
本製法のひとつの好適な態様では、式(IV)の光学活性ベータ−アミノアルコールに由来する化合物の量は、水素化ホウ素金属に対して0.005〜0.2当量、好ましくは0.008当量である。
本発明のひとつの好ましい態様では、式(IV)の誘導体は光学活性なα,α−ジフェニル−2−ピロリジニルメタノールであり、NaBHに対して0.008〜0.016当量の量で添加される。
本製法のひとつの好適な態様では、式(X)のハロゲン化物の量は、式(VI)の化合物に対して0.05〜1.25当量、好ましくは0.2当量である。
本発明のひとつの好ましい態様では、一般式(X)のハロゲン化物は塩化リチウム(LiCl)である。
出願人の製法では、以上のようにしてin situで作られた錯体は式(V)のキラル化合物である:
Figure 2007508280
式中:
、R、R、R、R10、R11、R12及びnは式(IV)で定義したものであり、C及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
nが0に等しい場合、好ましい化合物は式(Va)の光学活性オキサザボロリジン−ボラン錯体である:
Figure 2007508280
式中:
、R、R、R11、R12並びにC及び/又はCは式(IVa)で定義したものである。
及び/又はCは不斉炭素である。
nが1に等しい場合、好ましい化合物は式(Vb)の光学活性オキサザボリン(oxazaborine)−ボラン錯体である:
Figure 2007508280
式中:
、R、R、R、R10、R11及びR12は式(IVb)で定義したものであり、C及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
nが2に等しい場合、本発明の化合物は下記一般式(Vc)の光学活性オキサザボレピン(oxazaborepine)−ボラン錯体である:
Figure 2007508280
式中:
、R、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は式(IV)で定義したものであり、C及び/又はC及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
得られる式(V)の化合物はin situで製造され、キラルアルコール又はキラルアミンを合成する不斉還元反応で触媒として、そのまま使用される。
特に、in situで製造された式(V)の錯体は、一般式(VI)のプロキラルなケトンを、対応の一般式(VII)の光学活性アルコールに還元するのに使用される:
Figure 2007508280
式(VI)及び(VII)の化合物は以下のとおり定義される:
15及びR16は異なっており、得られる第二アルコールのキラリティーは、アルコール基を保持する炭素原子によって定義される。
15及びR16は、還元に不活性で、置換されていてもよい有機基であり、一緒に飽和又は不飽和環を形成してもよい。
好適には、R15及びR16は異なっており、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、不飽和炭化水素、アリール若しくはシクロアルキル基、アリール炭化水素又はヘテロ炭素環であり、上記基は、ハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ又はヘテロアリール基及び有機官能基によって代表される1以上の置換基を有していてもよい。
さらに好適には、R15及びR16は、一緒に、1以上のヘテロ原子を有してもよいし有しなくてもよい飽和又は不飽和ケトン炭素環を形成する。上記ケトン炭素環は、ハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ又はヘテロアリール基及び有機官能基によって代表される1以上の置換基を有していてもよい。上記ケトン炭素環は、シクロアルキル、アリール又はヘテロアリール基と縮合していてもよく、上記基は、ハロゲン原子、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ又はヘテロアリール基及び有機官能基によって代表される1以上の置換基を有していてもよい。
「アルキル」基の例としては、1〜20個の炭素原子を有する鎖状又は分岐状、飽和、非環式の炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ブチル、又は、イソブチル基等が挙げられる。
「アルケニル」基の例としては、1〜20個の炭素原子を有し、かつ1個以上の二重結合を含む鎖状又は分岐状、不飽和、非環式の炭化水素基、例えばビニル、エチリジエニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、ブタジエニル、アレニル、又は、ヘキサジエニル基等が挙げられる。
「アルキニル」基の例としては、2〜20個の炭素原子を有し、かつ1個以上の三重結合を含む鎖状又は分岐状、不飽和、非環式の炭化水素基、例えばエチリジニル及びプロピニル基等が挙げられる。
「不飽和炭化水素」基の例としては、2〜20個の炭素原子を有し、かつ同時に1個以上の二重結合及び1個以上の三重結合を含む鎖状又は分岐状、不飽和、環式又は非環式の炭化水素基、例えばヘキサジエニニル、ペンテニニル及びシクロデセニニル基等が挙げられる。
「環式炭化水素」の例としては、3〜20個の炭素原子を有し、かつ二重又は三重結合ので1個以上の不飽和単位を含む飽和又は不飽和、単環式又は多環式炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル及びシクロヘキサジエニル基等が挙げられる。
「アリール」基の例としては、6〜35個の炭素原子を有する単環式又は縮合多環式炭化水素基、例えばフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル、ピレニル、ペンタレニル、ビフェニレニル、アズレニル、アズレニル及びアセナフチレニル基等が挙げられる。
「アリール炭化水素」基の例としては、7〜35個の炭素原子を有するアリール基によって置換されたアルキル、アルケニル及びアルキニル基、例えばベンジル、ジフェニルメチル、シンナミル、トリチル及びベンジリジニル等が挙げられる。
「ヘテロ炭素環」基の例としては、4〜10個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含むヘテロアリール基、例えばトリエニル、フリル、ピロリル、ピリジル、ベンゾチエニル、カルバゾリル、フェナジニル、イソキサゾリル、イミダゾリニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフリル及びキサンテニル基等が挙げられる。「ヘテロ炭素環」基の他の例としては、4〜10個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含む不飽和複素環、例えばピラニル、クロメニル、2H−ピロリル、3H−インドリル、ピロリニル、クロマニル、インドリニル及びチアゾリル基等が挙げられる。
「ヘテロシクロアルキル」基の例としては、3〜10個の炭素原子を有し、かつ1個以上のヘテロ原子を含む飽和複素環基、例えばイミダゾリジニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、インドリニル及びモルホリニル基等が挙げられる。
「ケトン炭素環」基の例としては、5〜20個の炭素原子を有する環式基、例えばシクロペンタノン、シクロペンテノン、シクロヘキサノン、シクロヘキセノン、インダノン、3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン、3,4−ジヒドロ−1H−ナフタレン−2−オン、インデン−1−オン、アセナフチレン−1−オン、アセナフチレン−2−オン、フルオレン−9−オン、フェナレン−1−オン、フェナレン−2−オン、シクロヘキサン−1,3−ジオン、ピペリジン−3−オン、ピペリジン−4−オン、ジヒドロピラン−3−オン及びテトラヒドロピラン−4−オン基等が挙げられる。
「ハロゲン」原子の例として、塩素、臭素、フッ素及びヨウ素原子が挙げられる。
用語「アリールオキシ」は酸素原子に結合したアリール基を意味する。
用語「アルコキシ」は酸素原子に結合したアルキル基を意味する。
「ヘテロ原子」の例としては、酸素、窒素及び硫黄原子が挙げられる。
「有機官能基」の例としては、ヒドロキシル、アミノ、チオール、シアノ(−CN)、シアナート(−NC)、エーテル(−OR19)、置換アミノ(−NHR19、−NR1920、−NHOH、−NHOR19、−NHSO19)、イミノ(=NR19)、エステル(−COOR19)、アミド(−CONH、−CONHR19、−CONR1920)、ニトロ(−NO)、ニトロソ(−NO)、チオエーテル(−SR19)、スルホキシド(−SOR19)、スルホン(−SO19)、スルホニルオキシ(−OSO19)、カルボニルジオキシ(−OC(O)OR19)、カルボニルオキシ(−OCOR19)、ジオキシ(−OCHO−、−OR19O−)、シリル(−Si(R19)、シリルオキシ(−OSiR192021、−OSiR1920O−)、・・・(−PO(OR19)及びジチオエーテル(−SR19S−)基等が挙げられる。
19、R20及びR21は同一でもよいし異なっていてもよく、R16と同様に定義される。
19及びR20は、一緒になって、ヘテロ炭素環又はヘテロシクロアルキルを形成することができる。
上記ケトンは、中性又はイオン(アンモニウム)の状態で使用できる。
例示として、限定の意図はなく、本発明によってin situで形成される錯体によって還元され得るプロキラルなケトンは、通常の命名法で以下のとおりである。
アリールケトンとしては:
アセトフェノン;プロピオフェノン;ブチロフェノン;1−アセトナフトン;2−アセトナフトン;o−メトキシアセトフェノン;o−エトキシアセトフェノン;o−プロポキシアセトフェノン;o−ベンジルオキシアセトフェノン;p−tert−ブチルアセトフェノン;2−アセチルピリジン;p−シアノアセトフェノン;フェニルベンジルケトン;フェニルo−トリルメチルケトン;フェニルm−トリルメチルケトン;フェニルp−トリルメチルケトン;2−ブタノン;2−ペンタノン;2−ヘキサノン;2−ヘプタノン;2−オクタノン;シクロヘキシルメチルケトン;シクロヘキシルベンジルケトン;2−クロロアセトフェノン;2−ブロモアセトフェノン;2−ブロモ−3’−クロロアセトフェノン;2−クロロ−3’−クロロアセトフェノン;2−ブロモ−3’−ブロモアセトフェノン;2−ブロモ−3’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−3’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−3’−エチルアセトフェノン;2−ブロモ−3’−プロピルアセトフェノン;2−ブロモ−3’−プロポキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’−ブトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−クロロアセトフェノン;2−ブロモ−4’−ブロモアセトフェノン;2−ブロモ−4’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−4’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−4’−エチルアセトフェノン;2−ブロモ−4’−プロピルアセトフェノン;2−ブロモ−4’−ブチルアセトフェノン;2−ブロモ−4’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−プロポキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−ブトキシアセトフェノン;2−ブロモ−2’−クロロアセトフェノン;2−ブロモ−2’−ブロモアセトフェノン;2−ブロモ−2’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−2’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−2’−エチルアセトフェノン;2−ブロモ−2’−プロピルアセトフェノン;2−ブロモ−2’−ブチルアセトフェノン;2−ブロモ−2’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−2’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−2’−プロポキシアセトフェノン;2−ブロモ−2’−ブトキシアセトフェノン;2−ブロモ−2’−フルオロ−3’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’−メトキシ−2’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−2’,3’−ジメトキシアセトフェノン;2−ブロモ−2’−エトキシ−3’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−2’,3’−ジクロロアセトフェノン;2−ブロモ−2’−ブロモ−3’−クロロアセトフェノン;2−ブロモ−3’−クロロ−2’−フルオロアセトフェノン;シクロペンテノン;1,3−シクロペンタンジオン;シクロヘキセノン;4−シクロペンテン−1,3−ジオン;3−オキソピロリジン;3−オキソピペリジン;3−オキソキヌクリジン(oxoquinuclidine);2−ブロモ−3’−クロロ−2’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−3’−クロロ−2’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−3’−クロロ−2’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’−クロロ−2’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’−ブロモ−4’−クロロアセトフェノン;2−ブロモ−2’,4’−ジブロモアセトフェノン;2−ブロモ−2’−ブロモ−4’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−2’−ブロモ−4’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−クロロ−2’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−2’,4’−ジフルオロアセトフェノン;2−ブロモ−4’−クロロ−2’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−2’−フルオロ−4’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−2’−フルオロ−4’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−エトキシ−2’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−4’−クロロ−2’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−ブロモ−2’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−フルオロ−2’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−メチル−2’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−メトキシ−2’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−2’,4’−ジエトキシアセトフェノン;2−ブロモ−4’−クロロ−3’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’−エトキシ−4’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−3’−エトキシ−4’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’,4’−ジエトキシアセトフェノン;2−ブロモ−5’−ブロモ−3’−クロロアセトフェノン;2−ブロモ−3’,5’−ジブロモアセトフェノン;2−ブロモ−5’−ブロモ−3’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−5’−ブロモ−3’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’−クロロ−5’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’−ブロモ−5’−エトキシアセトフェノン;2−ブロモ−5’−エトキシ−3’−フルオロアセトフェノン;2−ブロモ−5’−エトキシ−3’−メチルアセトフェノン;2−ブロモ−5’−エトキシ−3’−メトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’,5’−ジメトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’,5’−ジエトキシアセトフェノン;2−ブロモ−3’,5’−ジクロロアセトフェノン;2−ブロモ−3’,5’−ジフルオロアセトフェノン;2−ブロモ−2’,6’−ジクロロアセトフェノン;2−ブロモ−2’,4’,6’−トリクロロアセトフェノン;2−ブロモ−3’,4’,5’−トリクロロアセトフェノン;4−ブロモアセチル−2−メチルチアゾール;4−ブロモアセチル−2−トリフルオロメチルチアゾール;1−ブロモフルオレノン。
ヘテロアリールケトンとしては:
アゾリルフェニルケトン;1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−オン−インダノン;1−シクロヘキシルエタン−1−オン;2−エーテル−1−アリールエタノン;2−(トリオルガノシリル)オキシアルキル;アリールエタノン;2−アシルチオフェン;2−アシルフラン;1−(2−チエニル)−3−クロロプロパノン;1−(2−フラニル)−3−クロロエタノン;1−(2−フラニル)−3−ブロモエタノン。
ヘテロアリールケトンが特に好ましく、なかでも以下の化合物が好ましい:1−(2−チエニル)−3−クロロプロパノン;1−(2−フラニル)−3−クロロエタノン;1−(2−フラニル)−3−ブロモエタノン。
置換されていてもよい飽和又は不飽和アルキルケトンも、本発明の方法による還元に適したものである。
本発明はまた、置換されていてもよい飽和又は不飽和炭素環ケトン、特にアルファ−テトラロン(tetralone)の還元を可能にする。
式(VI)の化合物の不斉還元方法は、以下の操作条件下で行う、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法:
−式(VI)の化合物を、攪拌下、0.5〜10時間かけてゆっくりと添加する;
−温度は0℃〜75℃である;
−プロキラルなケトンの量は、反応で使用される式(IV)のアミノアルコールよりも10〜1000倍多い。
本発明のひとつの好ましい態様では、使用するケトンは1−(2−チエニル)−3−クロロプロパノンであり、光学活性化合物α,α−ジフェニルピロリジンメタノールよりも50〜100倍多い量で添加され、反応は40℃で1.5時間かけて行う。
式(VII)の光学活性アルコールは、文献に記載され当業者に周知の方法に従って反応媒体を処理することによって単離する。
さらに本発明は、一般式(VIII)のエーテルオキシムを対応の一般式(IX)の光学活性アミンに還元するために、in situで製造された式(V)の錯体を使用することに関する。
Figure 2007508280
式(VIII)及び(IX)の化合物は以下のように定義される:
17及びR18は異なっており、得られる第二アミンのキラリティーは、アミン基を保持する炭素原子によって定義される。
17及びR18は還元に不活性なものであり、置換されていてもよい有機基であり、一緒に飽和又は不飽和環を形成してもよい。
19はアルコキシ、アリールオキシ又はアリールアルコキシである。
式(VIII)の化合物の不斉還元方法は上述と同じ操作条件下で行う。
式(IX)の光学活性アミンは、文献に記載され当業者に周知の方法に従って反応媒体を処理することによって単離する。
本発明の他の利点及び特徴は、以下の実施例で明らかになるが、これらは限定を意図して提示するものではない。
実施例1:
in situでのHCBS−BH 錯体の製造:LiClを使用せず
不斉還元:(R)−DPP20%
窒素下で100mLの四つ口フラスコに、NaBH0.33gを含むTHF5mlを投入する。
20℃で攪拌下、ジエチルアニリン(DEA)1.44ml及びTHF5mlを添加する。
媒体を5℃に冷却し、硫酸ジメチル(MeSO)855μl(1.05当量)を30分かけて滴下する。
反応媒体を20℃で1時間維持する。
(R)−ジフェニルプロリノール0.43gを20ー Cで添加する。
混合物を20℃で1時間維持する。
不斉還元
上記媒体を40℃に加熱する。
3−クロロ−1−(2−チエニル)プロパノン1.5gをTHF5gに溶かした溶液を、1時間30分かけてゆっくりと添加する。
導入を終えると、媒体を10℃に冷却する。
水9mLで加水分解し、20℃で1時間攪拌する。
デカンテーションをする。
有機相をリン酸(水5mL中の1.3g)で3回洗浄する。
有機相を水5mLで洗浄する。
有機相を飽和NaHCO溶液5mLで洗浄する。
最後に有機相を水5mLで洗浄する。
有機相をMgSOで乾かした後、減圧下、濃縮乾固する。
オレンジ色の油状物を得る。
収率:定量的
エナンチオマー過剰率:93.8%
化学的純度:98%
実施例2:
in situでのHCBS−BH 錯体の製造:LiClを使用せず
不斉還元:(R)−DPP5%
窒素下で500mLのジャケット付反応器に、NaBH18.9g(0.501モル)を含むTHF200mlを投入する。
20℃で攪拌下、ジエチルアニリン(DEA)85ml(0.521モル)及びTHF45mlを添加する。
媒体を40℃に加熱する。
硫酸ジメチル(MeSO)65.9g(0.521モル)を滴下する。
反応媒体を40℃で45分間維持する。
媒体を32℃に冷却する。
THF15mLに溶かした(R)−ジフェニルプロリノール5.08g(0.02モル)を添加する。
反応媒体を40℃に加熱して30分間攪拌する。
媒体を32℃に冷却する。
不斉還元
3−クロロ−1−(2−チエニル)プロパノン70g(0.401モル)を2時間15分かけてゆっくりと添加する。
反応媒体を32℃で45分間攪拌する。
媒体を15℃に冷却し、水390mL中にKCO89gを含む水溶液で加水分解を行う。
媒体を27℃に加熱して1時間30分攪拌する。
デカンテーションをし、異なる相を分離する。
生成物の相を減圧下、濃縮乾固する。
無色の透明な液状物を得る。
収率:95%
エナンチオマー過剰率:94.5%
実施例3:
in situでのHCBS−BH 錯体の製造:LiClを使用
不斉還元:(R)−DPP5%
窒素下で500mLのジャケット付反応器に、NaBH11.4g(0.301モル)を含むTHF150mlを投入する。
20℃で攪拌下、ジエチルアニリン(DEA)50.8ml(0.313モル)を添加する。
媒体を37℃に加熱した後、硫酸ジメチル(DMS)29.6mL(0.313モル)を45分かけて滴下する。
反応媒体を40℃で30分間維持する。
媒体を32℃に冷却し、LiCl1.33g(0.0313モル)を添加する。
反応媒体を30分間攪拌する。
THF55mL中の(R)−ジフェニルプロリノール3.5g(0.012モル)の溶液を添加し、混合物を30分間攪拌する。
不斉還元
3−クロロ−1−(2−チエニル)プロパノン42g(0.24モル)を上記媒体(温度:32℃)に1時間かけてゆっくりと添加する。
反応媒体を30分間攪拌する。
反応媒体を室温に冷却し、水233mL中にKCO53.2gを含む水溶液で加水分解を行う。
媒体を500mLの反応器に移す。
デカンテーションをし、水相を廃棄する。
生成物の相を減圧下、濃縮乾固する。
無色の透明な液状物を得る。
収率:94.5%
エナンチオマー過剰率:94%
実施例4:
in situでのHCBS−BH 錯体の製造:LiClを使用せず
不斉還元:(R)−DPP1%
窒素下で500mLのジャケット付反応器に、NaBH18.2g(0.481モル)を含むTHF308mlを投入する。
20℃で攪拌下、ジエチルアニリン(DEA)81.3ml(0.501モル)を添加する。
媒体を37℃に加熱した後、硫酸ジメチル(DMS)47.4mL(0.501モル)を45分かけて添加する。
反応媒体を40℃で30分間維持する。
媒体を32℃に冷却する。
反応媒体を30分間攪拌する。
THF55mL中の(R)−ジフェニルプロリノール1.02g(0.004モル)の溶液を添加し、混合物を30分間攪拌する。
不斉還元
3−クロロ−1−(2−チエニル)プロパノン70g(0.401モル)を2時間00分かけてゆっくりと添加する。
反応媒体を40℃で30分間攪拌する。
媒体を20℃に冷却し、水350mL中にKCO70gを含む水溶液を用いて15℃で加水分解を行う。
THFを70℃で大気圧下、次いで減圧下に除去する。
トルエン280mLを添加し、混合物を30℃に冷却する。
デカンテーションをし、異なる相を分離する。
有機相を水210mLで洗浄する。
デカンテーションをし、異なる相を分離する。
有機相をMgSOで乾かした後、減圧下で濃縮乾固する。
無色の透明な液状物を得る。
収率:95%
エナンチオマー過剰率:86.1%
実施例5:
in situでのHCBS−BH 錯体の製造:LiClを使用
不斉還元:(R)−DPP2%
窒素下で500mLのジャケット付反応器に、NaBH18.2g(0.481モル)を含むTHF150mlを投入する。
20℃で攪拌下、ジエチルアニリン(DEA)81.3ml(0.501モル)を添加する。
媒体を37℃に加熱した後、硫酸ジメチル(DMS)47.4mL(0.501モル)を45分かけて滴下する。
反応媒体を40℃で30分間維持する。
媒体を32℃に冷却し、LiCl3.4g(0.0802モル)を添加する。
反応媒体を30分間攪拌する。
THF55mL中の(R)−ジフェニルプロリノール2.03g(0.018モル)の溶液を添加し、混合物を30分間攪拌する。
不斉還元
3−クロロ−1−(2−チエニル)プロパノン70g(0.4モル)を上記媒体(温度:32℃)に1時間かけてゆっくりと添加する。
反応媒体を30分間攪拌する。
反応媒体を室温に冷却し、水388mL中にKCO88.7gを含む水溶液で加水分解を行う。
媒体を500mLの反応器に移す。
デカンテーションをし、水相を廃棄する。
生成物の相を減圧下、濃縮乾固する。
無色の透明な液状物を得る。
収率:97%
エナンチオマー過剰率:92.3%
実施例6:
in situでのHCBS−BH 錯体の製造:LiClを使用せず
不斉還元:(R)−DPP2%
窒素下で100mL四つ口フラスコに、NaBH1.82g(0.0481モル)を含むTHF24mlを投入する。
20℃で攪拌下、ジエチルアニリン(DEA)8.13ml(0.0501モル)を添加する。
媒体を40℃に加熱する。
硫酸ジメチル(MeSO)6.32g(0.0501モル)を滴下する。
反応媒体を40℃で45分間維持する。
媒体を32℃に冷却する。
THF4mLに溶かした(R)−ジフェニルプロリノール203.1mg(0.0008モル)を添加する。
反応媒体を40℃に加熱し、30分間攪拌する。
媒体を32℃に冷却する。
不斉還元
この反応工程では、3−クロロ−1−(2−チエニル)プロパノン7g(0.0401モル)に対して実施例4と同じ手順を用いる。
無色の透明な液状物を得る。
収率:95%
エナンチオマー過剰率:90.6%
実施例7:
in situでのHCBS−BH 錯体の製造:LiClを使用
不斉還元:(R)−DPP1%
窒素下で100mLの四つ口反応器に、NaBH1.82g(0.0481モル)を含むTHF25mlを投入する。
20℃で攪拌下、ジエチルアニリン(DEA)8.13ml(0.0501モル)を添加する。
媒体を40℃に加熱する。
硫酸ジメチル(MeSO)6.32g(0.0501モル)を滴下する。
反応媒体を40℃で45分間維持する。
LiCl339.8mg(0.008モル)を反応媒体に添加する。
THF6mLに溶かした(R)−ジフェニルプロリノール203.1mg(0.0008モル)を添加する。
反応媒体を40℃に加熱し、30分間攪拌する。
不斉還元
この還元反応は実施例5と同じ手順を用い、3−クロロ−1−(2−チエニル)プロパノン7g(0.0401モル)に対して40℃で行う。
無色の透明な液状物を得る。
収率:95%
エナンチオマー過剰率:90.9%
各実験の結果を以下の表1にまとめる。
Figure 2007508280
この結果から、(R)−DPPが少量存在する場合に、LiClが高収率及び高エナンチオマー過剰率の維持を可能にすることが分かる。

Claims (22)

  1. 以下の工程からなることを特徴とする、オキサザボロリジン(oxazaborolidine)由来キラル化合物−ボラン錯体をin situで製造する方法:
    1)以下を、式(I)で定義される水素化ホウ素金属の懸濁液に添加する:
    MBH (I)
    式中:
    Mは特にナトリウム、カリウム、リチウム又は亜鉛イオンであり、好ましくはナトリウムイオンである:
    a) 下記一般式(II)のルイス塩基:
    −A−(R (II)
    式中:
    及びRは、同一又は異なって、置換されていてもよい鎖状若しくは分岐状のアルキル、置換されていてもよいアリール、アルキルアリール又はC−Cシクロアルキルであるか、あるいは
    及びRは、一緒に、C−Cアルキル鎖、又は、置換されていてもよいC−C炭素環を形成し;
    nは1又は2に等しく;
    Aは窒素、酸素、硫黄又はリン原子である;及び
    b) 下記一般式(III)の無機酸エステル:
    −X (III)
    式中:
    Xはスルフォニルオキシエステル基(−OS(O)OR)、スルフォネート(−OS(O)R)又はスルファイト(−OS(O)OR)であり;
    、R及びRは、同一又は異なって、ハロゲン原子、アリール、複素環、ヘテロアリール、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアリール基又はC−Cシクロアルキルで置換されていてもよい鎖状若しくは分岐状のアルキルであるか、あるいは、
    及びRは、一緒に、C−Cアルキル鎖、又は、置換されていてもよいC−C炭素環を形成する:
    2) その後、工程1で得られた生成物に、下記一般式(IV)の光学活性アミノアルコールを添加する:
    Figure 2007508280
    式中:
    は、水素原子、鎖状若しくは分岐状のC1−8低級アルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル、又は、C1−15アリールアルキル基、好ましくはベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、これらは、C1−5アルコキシ又はアルキルであってメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はペントキシ型のもので置換されていてもよい;
    、R、R、R10、R11及びR12は、同一又は異なって、独立して、水素原子、C1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル型のもの、C6−12アリール基、特にフェニル、1−ナフチル若しくは2−ナフチル型のもの、又は、C7−12アリールアルキル基、特にベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジル型のもの、等の有機基であり、RとRが異なる場合には、前記アリール又はアリールアルキル基はC1−5アルキル又は上述したようなで置換されていてもよい;
    及びR、又は、R及びR11、又は、R及びR、又は、R10及びR11は、一緒に、置換されていてもよいC3−6低級アルキレン基、好ましくはメチレン、ジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレン基を形成してもよく;
    及びRは、一緒に、ベンゼン環で置換又は縮合されていてもよいアルキレン基、好ましくはトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、o−フェニレンメチレン又はo−フェニレンジメチレンを形成してもよく;
    nは0、1、2又は3に等しく;
    及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
  2. 式(II)の前記化合物が、鎖状若しくは環状エーテル、好ましくはテトラヒドロフラン若しくはテトラヒドロピラン;第二若しくは第三アミン、好ましくはN,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、アニリン、N,N−ジエチルアニリン若しくはN−エチル−N−イソプロピルアニリン;鎖状若しくは環状チオエーテル、好ましくはジメチルスルフィド;アミノエーテル、好ましくはモルホリン;又は、ホスフィン、好ましくはトリフェニルホスフィンであり、式(II)の化合物は特に好ましくはN,N−ジエチルアニリン(DEA)である、請求項1記載の方法。
  3. 一般式(III)の前記化合物は、硫酸ジアルキル、硫酸ビスアリールオキシアルキルエステル、ビスアルコキシスルフォニルオキシアルカン、ジオキサチオランジオキサイド、特に好ましくは硫酸ジメチル(MeSO)である、請求項1又は2記載の方法。
  4. ルイス塩基及び無機エステルの量は、水素化ホウ素金属に対して1〜2当量である、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程1)において化合物(I)、(II)及び(III)を順序にかかわらず0℃〜75℃の温度で接触させ、得られた反応媒体を0.5〜4時間のあいだ室温で攪拌する、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程2)において、以下を、工程1)で得られた生成物に添加する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法:
    式(X)で定義されるハロゲン化物:
    −Y (X)
    式中:
    は、ナトリウム、カリウム又はリチウムイオン、アンモニウム基及びホスフォニウム基から選択され;
    Yは、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素等のハロゲン原子である;
    及び、次いで、式(IV)の光学活性アミノアルコール。
  7. は、テトラアルキルアンモニウム、ピリジニウム、アルキルピペリジニウム、アルキルピペラジニウム、アルキルピロリジニウム及びテトラアルキルアニリニウム基から選択されるアンモニウム基である、請求項6記載の方法。
  8. は、アリールホスフォニウム及びアルキルアリールホスフォニウム基から選択されるホスフォニウム基である、請求項6記載の方法。
  9. 式(X)のハロゲン化物は塩化リウチムである、請求項6記載の方法。
  10. nがゼロに等しい場合に、式(IV)の化合物が、より好ましくは一般式(IVa)に該当するものである、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法:
    Figure 2007508280
    式中:
    は、水素原子、鎖状若しくは分岐状のC1−8低級アルキル基、好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル、又は、C1−15アリールアルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、これらは、C1−5アルコキシ又はアルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はペントキシ型のもので置換されていてもよい;
    、R及びR11は、同一又は異なって、独立して、水素原子、C1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル型のもの、C6−12アリール基、例えばフェニル、1−ナフチル若しくは2−ナフチル、又は、C7−12アリールアルキル基、好ましくはベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、RとRが異なる場合には、前記アリール又はアリールアルキル基は置換されていてもよい;
    及びRは、一緒に、置換されていてもよいC1−6アルキレン基、例えばメチレン、ジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレンを形成してもよく;
    及びR11は、一緒に、ベンゼン環で置換又は縮合されていてもよいアルキレン基、例えばトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、o−フェニレンメチレン又はo−フェニレンジメチレンを形成してもよく;
    及び/又はCは不斉炭素原子である。
  11. 式(IVa)の前記光学活性体が、(S)−又は(R)−β,β−ジフェニル−2−ピロリジニルメタノールである、請求項10記載の方法。
  12. nが1に等しい場合に、式(IV)の化合物が、より好ましくは一般式(IVb)に該当するものである、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法:
    Figure 2007508280
    式中:
    は、水素原子、鎖状若しくは分岐状のC1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル型のもの、又は、C1−15アリールアルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、これらは、C1−5アルコキシ又はアルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はペントキシ型のもので置換されていてもよい;
    、R、R、R、R10、R11及びR12は、同一又は異なって、独立して、水素原子、C1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル型のもの、C6−12アリール基、特にフェニル、1−ナフチル若しくは2−ナフチル、又は、C7−12アリールアルキル基、特にベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、RとRが異なる場合には、前記アリール又はアリールアルキル基は置換されていてもよい;
    及びRは、一緒に、置換されていてもよいC3−6低級アルキレン基、好ましくはメチレン、ジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレンを形成してもよく;
    、R11又はR、R又はR、R11は、ベンゼン環で置換又は縮合されていてもよいアルキレン基、特にトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、o−フェニレンメチレン又はo−フェニレンジメチレンを形成してもよく;
    及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
  13. 式(IVb)の前記光学活性体が、(S)−若しくは(R)−β,β−ジフェニル−2−ピロリジニルエタノール、(S)−若しくは(R)−β,β−ジ(t−ブチル)−2−ピペリジニルエタノール、又は、(S)−若しくは(R)−2−フェニル−4−ヒドロキシ−ピペリジンである、請求項12記載の方法。
  14. nが2に等しい場合に、式(V)の化合物が、より好ましくは一般式(IVc)に該当するものである、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法:
    Figure 2007508280
    式中:
    は、水素原子、鎖状若しくは分岐状のC1−8アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル基、又は、C1−15アリールアルキル基、特にベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、これらは、C1−5アルコキシ又はアルキル、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はペントキシ基で置換されていてもよい;
    、R、R、R10、R11、R12、R13及びR14は、同一又は異なって、独立して、水素原子、C1−8低級アルキル基、特にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル若しくはペンチル基、C6−12アリール基、特にフェニル、1−ナフチル若しくは2−ナフチル基、又は、C7−12アリールアルキル基、例えばベンジル、フェニルエチル若しくはメチルベンジルであり、RとRが異なる場合には、前記アリール又はアリールアルキル基はC1−5アルキル又は上述したようなで置換されていてもよい;
    及びRは、一緒に、置換されていてもよいC3−6低級アルキレン基、特にメチレン、ジメチレン、トリメチレン又はテトラメチレン基を形成してもよく;
    及びRは、一緒に、ベンゼン環で置換又は縮合されていてもよいアルキレン基、例えばトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、o−フェニレンメチレン又はo−フェニレンジメチレンを形成してもよく;
    及び/又はC及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
  15. 反応で使用される式(IV)の化合物の量は、水素化ホウ素金属に対して0.005〜0.2当量である、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  16. 式(IV)の化合物は光学活性なα,α−ジフェニルピロリジン−2−イルメタノールである、先行する請求項のうちいずれか1項に記載の方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の錯体のin situでの製造に続いて、還元するケトンの導入を含むことを特徴とする、キラルアルコールの合成方法。
  18. 前記錯体が一般式(V)のキラル化合物である、請求項17記載の方法:
    Figure 2007508280
    式中:
    、R、R、R、R10、R11、R12及びnは式(IV)で定義したものであり、C及び/又はC及び/又はCは不斉炭素原子である。
  19. 前記ケトンは下記一般式(VI)に該当するものであり、下記一般式(VII)の光学活性アルコールに還元される、請求項17又は18記載の方法:
    Figure 2007508280
    式中、R15及びR16は異なっており、還元に不活性な、置換されていてもよい有機基であり、一緒に飽和又は不飽和環を形成してもよい。
  20. 式(VI)の化合物の不斉還元は、以下の操作条件下で行う、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法:
    −式(VI)の化合物を、攪拌下、0.5〜10時間かけてゆっくりと添加する;
    −温度は0℃〜75℃である;
    −プロキラルなケトンの量は、反応で使用される式(IV)のアミノアルコールよりも10〜1000倍多い。
  21. 式(VI)の化合物は1−(2−チエニル)−3−クロロプロパノンであり、光学活性化合物α,α−ジフェニルピロリジン−2−イルメタノールよりも50〜100倍多い量で添加される、請求項20記載の方法。
  22. in situで製造された式(V)の錯体は、一般式(VIII)のエーテルオキシムを、対応の一般式(IX)の光学活性アミンに還元する際に使用される、請求項17〜21のいずれか1項に記載の方法。
    Figure 2007508280
    式中:
    17及びR18は異なっており、得られる第二アミンのキラリティーは、アミン基を保持する炭素原子によって定義され;
    17及びR18は還元に不活性なものであり、どの基で独立して置換された有機基であり、一緒に飽和又は不飽和環を形成してもよく;
    19はアルコキシ、アリールオキシ又はアリールアルコキシである。
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