JP2007507298A - 取外し可能なステント - Google Patents

Abstract

本発明は、軸方向に連続的に並び、かつ相互接続される環状セグメント３、４、５からなる管状支持フレーム２を有するステント１に関する。この支持フレーム２は、その外側を糸１１によって取巻かれる。糸端１２、１３は、偏位部１４を介して、前記支持フレーム２の外側から内側に案内され、そこで、Ｘ線で可視の材料からなるコネクタによって、連結される。前記偏位部１４は、前記環状セグメント３に設けられた糸穴の形態にある２つの偏位要素１５、１６によって、具体化される。前記偏位要素１５、１６は、前記支持フレーム２の周上に間隙をあけて互いに配置され、前記ステントの長手方向Ｌから見て、前記端側の環状セグメント３に設けられる。

Description

本発明は、縫合糸を媒介とする取外し性を特徴とするステントに関する。

ステントは、狭窄の結果として閉鎖又は収縮された体管を永久的又は一時的にのみ固定するのに用いられる。

ステントは、カテーテル技術及び同様の導入補助具によって、狭窄の領域における体管に導入され、そこで、血管の内壁を支持するための血管プロテーゼとして機能する。しかし、血管壁は、ステントの留置中及び取外し中に損傷を受けることがある。また、ステントは、その留置状態においても、その固有の運動によって、血管に損傷を負わせることがある。

従って、本発明は、血管との整合性が改良され、留置中又は取外し中に血管壁を損傷する危険が低減されるステントを開発する課題に基づいている。

本発明は、保護請求項１の特徴によるステントによって、この課題を解決する。

この請求項によれば、支持フレームは、遷移部を介して波形の形態で無端環をなすように互いに連なる支柱によって形成される少なくとも２つの環状セグメントからなる。隣接する環状セグメントは、コネクタによって連結される。ステントの長手軸の方向から見て、端側の環状セグメント上に１つ置きに設けられた最前遷移部は、拡がった頭端を有し、頭端は、軸方向において隣接する遷移部と反対側に突出し、凸状に丸められた前部と、頭端とその頭端に接続される支柱との間における凹状に丸められた喉部とを有する。

本発明によれば、頭端は、それらの非外傷性の機能を改良するために丸められることによって、最適化される。丸められた頭端は、血管壁へのステントの前端の保護的な接触を確実にする。従って、本発明によるステントは、ステントの留置中及び取外し中において、血管の壁により少ない損傷しか負わせない。

本発明によるステントの有利な実施形態及び更なる発展は、従属請求項２〜８において特徴付けられる。

頭端は、好ましくは、キノコ状に形成され、この場合、凸状の前部と凹状の喉部は、丸められた縁部によって、互いに接続される。

喉部は、好ましくは、ステントの初期状態において、隣接する支柱の端側の遷移部を少なくとも部分的に超えて延在し、その外形が該遷移部分の外形に適合するようにされている。

他の有利な実施形態において、支持フレームの外側を輪で囲む糸用の偏位要素が、ステントの長手軸の方向から見て、端側の環状セグメントに配置される。糸端は、偏位要素を介して、支持フレームの内部に偏位され、そこで、好ましくは、Ｘ線で可視の材料からなるコネクタによって、互いに緊密に接続される。ステントを取外すために、糸端は、コネクタに把持されてもよい。この糸は、引っ張ることによって絞られ、支持フレームの糸に取巻かれている環状セグメントが一緒に引込まれ、その結果、ステントは、体管から取り外されるようにすることができる。この手順は、ステントの移植除去プロセスを実質的に容易にする。本発明によって設けられる丸められた頭端は、特に、ステントの取外し中、良好な効果を有する。周囲の血管壁を損傷させる危険が、明瞭に低減される。

このステントは、非拡張状態において極めて可撓性があり、体管の曲がりくねった箇所に導入されるとき、容易にその箇所に追従することができる。狭窄部において拡張されると、ステントは、十分に安定して、その機能を果たし、かつ必要な拡張径を保持する。

前述したように、環状セグメントは、コネクタによって、互いに接続される。この場合、コネクタは、好ましくは、支柱と同じように設計され、ステントの長手軸と実質的に平行に延在する長手方向部を有し、またこの長手方向部を横切って配列され、Ｕ字状に形成される補償部を有する。

上記を実施する場合、コネクタのＵ字状の補償部が軸方向において間隔をあけて隣接する２つの環状セグメント間の領域に配置されることが、推奨される。この実施形態において、ステントは、高度の支持力を有し、外部圧迫を受けている最中であっても、その長さを安定して維持する。

コネクタの設計に関する前述の特徴によって、ステントは、拡張状態において、どのような望ましくない又は不都合な長さの変化をも受けないという事実が、もたらされる。

コネクタは、隣接する環状セグメントの２つの支柱間における環状セグメントの２つの支柱の陵領域からこれらの支柱の遷移部に延在する。この実施形態も、ステントの長手方向の安定性を支援する。

個々のコネクタは、好ましくは、環状セグメント間で軸方向に連続的に配列される。このようにして、高い戻り力を有するわずかに弾性的フレームが、ステントの拡張状態（支持状態）において生成される。

ステントは、好ましくは、金属から作製される。これに関連して、変形可能で、医学的に使用可能な金属及び金属合金は、全て、例えば、高品質鋼、コバルト合金（フィノックス（phynox))、純鉄又はニッケル−チタニウム合金が、用いられ得る。

支持フレームは、基本的に、例えば、プラスチック、例えば、ラテックスなどからなるジャケットの形態で、付加的に実施されてもよい。

以下、図面に示される例示的実施形態を参照して、本発明を詳細に説明する。本発明の更なる目的、特徴、及び利得は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明から、明らかであろう。

図１、２は、非展開時には管状の支持フレーム２の展開図で、本発明によるステント１を示している。ステント１は、金属から作製されている。

図１は、拡張されていない初期状態Ａにある支持フレーム２を示し、図２は、支持状態Ｓ、すなわち、初期状態Ａに対して拡張された状態にある支持フレーム２を示している。

支持フレーム２は、いくつかの、ここに示される例示的実施形態では総数で４つの環状セグメント３〜６からなる。これらの環状セグメントは、支柱７、８、９、及び１０によって形成され、これらの支柱７、８、９、及び１０は、波形の形態で無端環をなすように互いに並び、かつ遷移部１１、１２を介して、相互接続されている。

隣接する環状セグメント３、４；４、５、及び５、６は、ステントの長手軸Ｌの方向に延在するコネクタ１３によって、連結されている。コネクタ１３は、支柱と同じように設計され、ステントの長手軸Ｌと実質的に平行に延在する長手方向部１４を備え、また長手方向部１４を横切って配列され、Ｕ字状に形成される補償部１５を備えている。コネクタ１３のＵ字状又はＶ字状の補償部１５は、軸方向に間隔をあけて隣接する２つの環状セグメント３〜６間の領域１６に配置される。中間コネクタ１３’は、その補償部１５’の両側に、２つの等しい長さの長手方向部１４’を備えている。

コネクタ１３は、環状セグメント３〜６間で軸方向に連続的に配列されることも分かるだろう。コネクタ１３は、この場合、隣接する環状セグメントの２つの支柱７、８間における環状セグメント３〜６の２つの支柱７、８の陵領域１７からこれらの支柱７、８の遷移部１１に延在している。

ステントの長手軸Ｌの方向から見て、端側の環状セグメント３と６において、１つ置きの最前遷移部１２は、軸方向において隣接する遷移部１１’と反対側に突出する拡がった頭端１８を備えている。各頭端１８は、凸状に丸められた前部１９と、頭端１８とその頭端１８に接続される支柱９、１０との間の凹状に丸められた喉部２０、２１とを有している。頭端１８は、キノコ状に形成され、この場合、凸状の前部１９と凹状の喉部２０、２１は、丸められた縁部２２、２３によって、互いに接続されている。このようにして、喉部２０、２１は、初期状態Ａにおいて、隣接する支柱７、８の端側の遷移部１１を超える領域に少なくとも延在し、それらの遷移部１１を覆う。喉部２０、２１の外形は、遷移部１１の外形に適合するようにされ、これによって、遷移部１１は、初期状態Ａにおいて、噛み合わされている。丸められた頭端１８は、留置中、血管壁へのステント１の保護的な接触を確実にする。ステント１が取り外されるときでも、血管壁は、頭端１８が穏やかな移植除去を可能にするので、より少ない損傷しか受けない。

糸穴の形態にある偏位要素２４、２５が、ステントの長手軸Ｌの方向から見て、端側の環状セグメント３、６に設けられている。これらの糸穴は、遷移領域１１’において、環状セグメント３、６の内側に一体に連接されている。支持フレーム２の外側を取巻く糸は、偏位要素２３、２４を介して、支持フレーム２の内部に偏位され、ここで、この糸端が、Ｘ線で可視の材料からなるコネクタによって、互いに緊密に接続される。ステント１を取り外すために、糸端は、コネクタに把持されてもよい。糸は、引っ張ることによって絞られ、その間に、糸の巻き付いた環状セグメント３又は６が一緒に半径方向に引き込まれる。続いて、ステント１が、体管から取り出さ得るが、その間に、前述したように、丸められ、かつ拡げられた頭端１８が、ステント１の穏やかな取外しを確実にする。

本発明は、その精神又は本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で実施されてもよい。ここに記載した実施形態は、あらゆる点において、例示にすぎず、制限的ではないと、考えられるべきである。従って、本発明の範囲は、前述の説明よりは、むしろ添付の請求項の範囲によって示される。請求項の等価物の意味及び範囲内に含まれる変更は、全て、それらの請求項の範囲内に包含されるべきである。

非拡張状態（初期状態）にある本発明によるステントの支持フレームの展開図（拡げられた図）である。 拡張状態（支持状態）にあるステントの支持フレームを示す図である。

符号の説明

１ ステント
２ 支持フレーム
３ 環状セグメント
４ 環状セグメント
５ 環状セグメント
６ 環状セグメント
７ 支柱
８ 支柱
９ 支柱
１０ 支柱
１１ 遷移部
１１’遷移部
１２ 遷移部
１３ コネクタ
１３’コネクタ
１４ 長手方向部
１４’ 長手方向部
１５ 補償部
１５’補償部
１６ 領域
１７ 陵領域
１８ 頭端
１９ 前部
２０ 喉部
２１ 喉部
２２ 縁部
２３ 縁部
２４ 偏位要素
２５ 偏位要素
Ｌ ステントの長手軸
Ａ 初期状態
Ｓ 支持状態

Claims (8)

1. 初期状態（Ａ）から支持状態（Ｓ）に拡張され得る管状支持フレーム（２）を有するステントであって、前記支持フレーム（２）が、遷移部（１１、１２）を介して波形の形態で無端環をなすような互いに連なる支柱（７、８、９、１０）によって形成される少なくとも２つの環状セグメント（３〜６）からなり、隣接する環状セグメント（３〜６）が、コネクタ（１３）によって連結されるようなステントにおいて、前記ステントの長手軸（Ｌ）方向から見て、端側の環状セグメント（３、６）上に１つ置きに設けられた前側の遷移部（１２）は、拡がった頭端（１８）を有し、前記頭端（１８）は、軸方向において前記隣接する遷移部（１１’）と反対側に突出し、凸状に丸められた前部（１９）と、前記頭端（１８）と前記頭端（１８）に接続される前記支柱（９、１０）との間の凹状に丸められた喉部（２０、２１）とを有していることを特徴とするステント。
2. 前記頭端（１８）は、キノコ状に形成され、前記凸状の前部（１９）と前記凹状の喉部（２０、２１）は、丸められた縁部（２２、２３）によって、互いに接続されていることを特徴とする請求項１に記載のステント。
3. 前記喉部（２０、２１）は、前記初期状態（Ａ）において、前記隣接する支柱（７、８）の前記端側遷移部（１１）を超える領域に少なくとも延在していることを特徴とする請求項１あるいは２に記載のステント。
4. 前記支持フレーム（２）の外側を輪で囲む糸用の偏位要素（２４、２５）が、前記ステントの長手軸（Ｌ）方向から見て、前記端側の環状セグメント（３、６）に配置されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載のステント。
5. 各コネクタ（１３、１３’）は、支柱と同じように設計され、前記ステントの前記長手軸Ｌと実質的に平行に延在する長手方向部（１４、１４’）を有し、また前記長手方向部（１４、１４’）を横切って配置され、Ｕ又はＶ字状に形成される補償部（１５、１５’）を備えていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載のステント。
6. 前記コネクタ（１３、１３’）の前記Ｕ字状の補償部（１５、１５’）は、軸方向において隣接し、間隔をあけて配置された２つの環状セグメント（３、４、５、６）の間の領域（１６）に配置されていることを特徴とする請求項５に記載のステント。
7. 前記コネクタ（１３、１３’）は、前記隣接する環状セグメント（３、４、５、６）の２つの支柱（７、８）間における、環状セグメント（４、５）を形成する２つの支柱（７、８）の陵領域（１７）からこれらの支柱（７、８）の前記遷移部（１１）へ延在していることを特徴とする請求項１〜６のいずれか一項に記載のステント。
8. 前記コネクタ（１３、１３’）は、軸方向に連続的に配置されていることを特徴とする請求項１〜７のいずれか一項に記載のステント。
   

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