JP2007501948A - 免疫疾患、血液疾患および炎症性疾患のモニタリング - Google Patents

免疫疾患、血液疾患および炎症性疾患のモニタリング Download PDF

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Abstract

本発明は、赤血球における補体経路成分のレベルを決定することによって、炎症性疾患または炎症状態(例えば、免疫疾患または免疫学的状態、血液疾患または血液学的状態、血管疾患または血管の状態、あるいは感染疾患または感染状態)を有する患者の診断および/またはモニタリングに関する。また、本発明において、血小板における補体経路成分のレベルを決定することによって、血管疾患または血管の状態を診断する方法が開示される。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2003年6月13日に出願された米国仮特許出願番号60/478,493(これは、すべての目的のために参考として本明細書中に援用される)に関する利益を主張する。
(発明の分野)
本発明は、赤血球における補体経路成分のレベルを決定することによって、炎症性疾患または炎症状態(例えば、免疫疾患または免疫学的状態、血液疾患または血液学的状態、血管疾患または血管の状態、あるいは感染疾患または感染状態)を有する患者の診断および/またはモニタリングに関する。血小板における補体経路成分のレベルを決定することによって、血管疾患または血管の状態を診断する方法もまた、開示される。
(発明の背景)
本発明は、免疫学的状態および免疫疾患、血液学的状態および血液疾患、ならびに炎症状態および炎症性疾患を有する患者の診断および/またはモニタリングに関する。赤血球の表面上の補体リガンドC4dおよびそのレセプターCR1の測定は、全身性エリトマトーデス(SLE)または強皮症を有する患者における疾患活動の診断および測定のための、高感度かつ特異的な試験を提供する。例えば、PCT/US02/28910(これは、すべての目的のために参考として本明細書中に援用される)を参照のこと。他のヒト免疫学的状態および免疫疾患、血液学的疾患および血液疾患、ならびに炎症状態および炎症性疾患における診断および疾患活動モニタリングを容易にする、補体リガンドおよびレセプター発現のパターンは同定されていない。本発明は、この必要性および他の必要性に取り組む。
(発明の概要)
本発明は、個体において炎症性疾患または炎症状態を診断またはモニタリングする方法を提供し、ただし、その炎症性疾患または炎症状態は、全身性エリトマトーデスでも強皮症でもない。その方法は、(a)赤血球を含む個体由来の血液サンプルにおいて、そのサンプル中の赤血球の表面上の補体経路成分のレベルを決定する工程、および(b)その補体経路成分レベルを補体経路成分のコントロールレベルと比較する工程であって、その補体経路成分コントローレベルからの差が、その個体がその炎症性疾患または炎症性状態を有することを示す。一例として、その炎症性疾患または炎症状態は、C型肝炎感染またはその疾患の合併症(例えば、クリオグロブリン血症);鎌状赤血球貧血、またはその疾患の合併症(例えば、血管閉塞の危機(vasooclusive crisis));移植手順の合併症;妊娠の合併症から選択され得る。
1つの実施形態において、上記炎症性疾患または炎症状態は、C型肝炎感染またはその疾患の合併症(例えば、クリオグロブリン血症)である。C型肝炎感染またはその疾患の合併症を診断またはモニタリングするのに有用な例示的な補体経路成分としては、補体リガンドBbおよび補体経路成分C3dが挙げられる。BbおよびC3dレベルは、診断を行うために個々にまたは一緒に決定され得る。補体成分Bbまたは補体成分C3dに特異的な抗体が、これらのレベル決定するために使用され得る。その抗体は標識され得、そしてポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体が使用され得る。さらなる補体経路成分のレベルが決定され得る。
1つの実施形態において、上記炎症性疾患または炎症状態は、鎌状赤血球貧血またはその疾患の合併症(例えば、血管閉塞の危機)である。鎌状赤血球またはその疾患の合併症を診断またはモニタリングするのに有用な例示的な補体経路成分としては、補体リガンドC4dが挙げられる。補体成分C4dに特異的な抗体は、そのレベルを決定するために使用され得る。その抗体は標識され得、そしてポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体が使用され得る。さらなる補体経路成分のレベルが、同様に決定され得る。
1つの実施形態において、上記炎症性疾患または炎症状態は、移植手順の合併症である。移植手順の合併症を診断またはモニタリングするのに有用な例示的な補体経路成分としては、補体経路成分C4d、補体経路成分C3d、および補体経路成分iC3bが挙げられる。C4dレベル、C3dレベルおよびiC3bレベルは、診断を行うために、個々にまたは一緒に決定され得る。C4d、C3dおよびiC3bに特異的な抗体が、それらのレベルを決定するために使用され得る。その抗体は標識され得、そしてポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体が使用され得る。さらなる補体経路成分のレベルが決定され得る。
1つの実施形態において、上記炎症性疾患または炎症状態は、妊娠の合併症(例えば、子癇前症)である。妊娠の合併症を診断またはモニタリングするのに有用な例示的な補体経路成分としては、補体経路成分C4dおよび補体経路成分CR1が挙げられる。C4dレベルおよびCR1レベルは、診断を行うために、個々にまたは一緒に決定され得る。C4dおよびCR1に特異的な抗体が、それらのレベルを決定するために使用され得る。その抗体は標識され得、そしてポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体が使用され得る。さらなる補体経路成分のレベルが決定され得る。
本発明はまた、個体において炎症性疾患または炎症状態を診断またはモニタリングするためのキットを提供し、ただし、その炎症性疾患または炎症状態は、全身性エリトマトーデスでも強皮症でもない。そのキットは、補体経路成分に特異的な抗体およびその補体経路成分のレベルを補体経路成分のコントロールレベルと比較するための手段を備える。
本発明はまた、コンピュータ読み取り可能媒体を提供し、そのコンピュータ読み取り可能媒体は、(a)赤血球の表面上に沈着された補体経路成分の決定に対応するデータを受取るためのコード、(b)個体の赤血球の表面上に沈着されたその補体経路成分についての基準値を取り出すためのコード、(c)(a)におけるデータを(b)における基準値と比較するためのコードであって、そのデータの比較が、個体において炎症性疾患または炎症状態を診断またはモニタリングするために使用され、ただし、該炎症性疾患または炎症状態は、全身性エリトマトーデスでも強皮症でもない、コードを含む。
別の局面において、本発明は、(a)血小板を含むその個体由来の血液サンプルにおいて、そのサンプル中の血小板の表面上の補体経路成分のレベルを決定する工程、および(b)そのレベルを、その補体経路成分のコントロールレベルと比較する工程であって、その補体経路成分のそのコントロールレベルからの差が、その個体がその血管疾患または血管の状態を有することを示す、工程による、個体において血管疾患または血管の状態を診断またはモニタリングするための方法を提供する。いくつかの実施形態において、その補体経路成分は、C1、C4、C2、C3およびそれらのフラグメント(例えば、C1q、C1r、C1s、C4a、C4b、C2a、C2b、C4bC2a、C3a、C3b、C4c、C4d、iC3b、iC4b、C3d、C3i、C3dg)から選択される。また、C5、C5b、C6、C7、C8、C9m、C1inh、MASP1、MASP2、MBL、MAC、CR1、DAF、MCP、C4結合タンパク質(C4BP)、タンパク質因子H、因子B、C3bB、因子D、Bb、Ba、C3bBb、プロパージン、C3bBb、CD59、C3aR、C5aR、C1qR、CR2、CR3およびCR4も含まれる。血管疾患の診断は、健常な個体およびすでにSLEを有すると診断されている個体で行われ得る。
(発明の詳細な説明)
(序論)
本開示は、個体由来のサンプル中の補体経路成分のレベルを決定すること、およびそれをその補体経路成分のコントロールレベルと比較することによる、炎症性疾患または炎症状態の診断、モニタリング、または予測を教示する。炎症性疾患SLEは、減少したE−CR1および増加したE−C4dによって特徴付けられる一方で、他の炎症状態および炎症性疾患はまた、赤血球または他の血液産物(例えば、血小板)における補体リガンドおよびレセプター発現のパターンによって特徴付けられ得る。このようなパターンとしては、1以上の補体レセプター(CR1が挙げられるが、これに限定されない)、および以下の補体活性化の経路を通じて生成されるリガンド(古典的経路(C1、C4、C2)、代替的経路(B、D、P、C3)、または終末経路(terminal pathway)(C5、C6、C7、C8、C9))が挙げられ得る。補体リガンドおよびレセプターのレベルは、差次的に増加または減少され得る。パターンは、診断的かつ静的であり得るか、または動的で、疾患活動をモニタリングすることにおけるバイオマーカーまたはサロゲートマーカーとして使用され得る。これらの測定はまた、同様の一般的診断を用いて患者のサブセットを同定するため、および疾患経過または個体患者に対する治療に対する応答を予測するために使用され得る。
本発明の別の用途は、ヒト疾患の経過の間に補体活性化をモニタリングすることである。現在の最先端の方法は、可溶性補体C3および/またはC4の血清レベルまたは血漿レベルの測定に依存する。しかし、このアプローチに伴う公知の欠点が存在する。例えば、C3およびC4は親分子であり、これらは補体カスケードの活性化の前駆体である。C3およびC4の増加した肝合成および肝外合成は、補体カスケードの活性化の間に、増加したC3異化作用およびC4異化作用の平衡を保ち得、紛らわしい変化または欠如あるいは血清レベルにおける変化の欠如を生じる。さらに、C4の遺伝的欠損は、十分に実証されており、補体活性化中のC4消耗の増加に起因すると誤解され得る合成能の欠如に起因して、C4の異常に低い血清/血漿レベルを生じる。本明細書中に記載される発明は、補体活性化のタンパク質生成物(例えば、C3d、C4d)および循環する血液細胞(例えば、赤血球、血小板、リンパ球、網赤血球など)の表面に結合されるその他のものの測定に基づいている。これは、反応物とは対照的に、活性化生成物のレベルのモニタリングを可能にし、上記のC3およびC4の測定に内在する弱点を排除する。
(定義)
本明細書中で使用される場合、「炎症性疾患または炎症状態」とは、個体において増大した炎症を引き起こす任意の疾患または状態(例えば、免疫系障害、感染症、または癌)をいう。いくつかの実施形態において、炎症性疾患または炎症状態は、「慢性炎症性疾患または慢性炎症状態」である。慢性炎症性疾患または慢性炎症状態は、数週間、数ヶ月間またはそれ以上の期間の後も解消しない炎症状態である。慢性炎症状態は、急性炎症状態に続き得るか、またはいくらかの疾患もしくは状態は、急性炎症性疾患または急性炎症状態の非存在下で生じ得る。炎症性疾患または炎症状態としては、以下が挙げられる:自己免疫系疾患(全身性エリトマトーデス(狼瘡またはSLE)が挙げられる)、関節リウマチ、脈管炎(およびヴェーゲナー肉芽腫症のようなその特異形態)、強皮症、筋炎、血清病、移植拒絶、移植片対宿主病、鎌状赤血球貧血、痛風、妊娠の合併症(例えば、子癇前症)、多発性硬化症、心臓血管疾患、感染症(例えば、肝炎ウイスル感染(A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、およびD型肝炎が挙げられる)、HIV感染、西ナイルウイルス、ライム病)など。これらの疾患または状態の各々はまた、慢性炎症性疾患または慢性炎症状態として記載され得る。
炎症性疾患または炎症状態はまた、癌(例えば、固形腫瘍および血液学的悪性腫瘍)をいう。固形腫瘍としては、乳癌、結腸癌、および卵巣癌のような癌が挙げられる。血液学的悪性腫瘍としては、造血器悪性腫瘍(白血病、リンパ腫および骨髄腫が挙げられる)が挙げられる。
白血病は、一般的に、造血幹細胞の腫瘍性障害であり、以下が挙げられる:成人および小児の急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ヘアリーセル白血病および二次的(secondary)白血病。特定の白血病としては、以下が挙げられる:急性非リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血球血症性白血病(leukocythemic leukemia)、好塩基球性白血病(basophylic leukemia)、芽細胞白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、未分化細胞性白血病、好酸球性白血病、グロス白血病、ヘアリーセル白血病、血芽球性白血病(hemoblastic leukemia)、血球芽細胞性白血病(hemocytoblastic leukemia)、組織球白血病、幹細胞白血病、急性単球性白血病、白血球性白血病、リンパ性白血病(lymphatic leukemia)、リンパ芽球性白血病、リンパ性白血病、リンパ行性白血病、リンパ向性白血病、リンパ性白血病(lymphoid leukemia)、リンパ肉腫細胞性白血病、マスト細胞白血病;巨核球性白血病、小骨髄芽球性白血病、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄性白血病、骨髄顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ白血病、形質細胞白血病、形質細胞性白血病、前骨髄球性白血病、リーダー細胞性白血病、シリング白血病、幹細胞白血病、亜白血性白血病、および未分化細胞白血病。
リンパ腫は、一般的に、主にリンパ組織中に存在する細胞の腫瘍性形質変化である。リンパ腫には、2つの主な特徴的な群が存在する:非ホジキンリンパ腫(NHL)およびホジキン病。リンパ腫は、免疫系の腫瘍であり、一般的に、T細胞関連疾患およびB細胞関連疾患の両方として存在する。他の血液学的悪性腫瘍としては、骨髄異形成症候群(MDS)、骨髄増殖性症候群(MPS)および骨髄腫(例えば、孤立性骨髄腫および多発性骨髄腫)が挙げられる。多発性骨髄腫(形質細胞骨髄腫とも称される)は、骨格系に関与し、この系の全体に散乱する腫瘍性形質細胞の多発性腫瘍塊によって特徴付けられる。多発性骨髄腫はまた、リンパ節および他の部位(例えば、皮膚)にも広がり得る。孤立性骨髄腫は、多発性骨髄腫と同じ位置に生じる傾向のある孤立性病巣に関与する。
他の癌もまた重要であり、固形腫瘍によって特徴付けられる癌を含む。重要な他の癌の例は、皮膚癌(黒色腫、基底細胞癌、および扁平細胞癌が挙げられる)である。頭部および頚部の上皮癌もまた、本発明に包含される。本発明はまた、肺の癌を包含する。肺癌としては、扁平上皮癌もしくは類表皮癌、小細胞癌、腺癌、および大細胞癌が挙げられる。乳癌もまた、浸潤性の乳癌および非浸潤性の乳癌(例えば、非浸潤性乳管癌および小葉の新形成)の両方が含まれる。本発明はまた、消化管癌を包含する。消化管癌としては、食道癌、胃腺癌、原発性胃リンパ腫、結腸直腸癌、小腸腫瘍および肛門の癌が挙げられる。膵臓癌および肝臓に影響を及ぼす癌もまた重要であり、肝細胞癌が挙げられる。本発明はまた、膀胱癌および腎細胞癌の処置を包含する。
本発明はまた、前立腺癌および精巣癌を包含する。
婦人科悪性腫瘍もまた、本発明により包含され、卵巣癌、ファローピウス管癌、子宮癌、および子宮頚癌が挙げられる。
骨および軟部組織の肉腫の処置が、本発明に包含される。骨の肉腫としては、骨肉腫、軟骨肉腫、およびユーイング肉腫が挙げられる。
本発明はまた、甲状腺の悪性腫瘍(乳頭状癌、濾胞状癌および未分化癌が挙げられる)を包含する。
本明細書中で使用される場合、「全身性エリトマトーデス」、「SLE」、または「狼瘡」は、複数臓器の併発をもたらす原型の自己免疫疾患である。この反自己応答は、種々の核および細胞質の細胞成分に指向する自己抗体によって特徴付けられる。これらの自己抗体は、それぞれの抗原に結合し、組織中を循環し最終的には組織に沈着する免疫複合体を形成する。この免疫複合体沈着およびその結果として起こる補体系の活性化は、慢性的な炎症および組織損傷を引き起こす。
SLEは、一連の発赤または急性疾患の期間に進行し、その後寛解する。患者間および同じ患者内でさえ大幅に変化する発赤の症状としては、倦怠感、発熱、対称関節痛、および光過敏性(短時間の日光曝露後に発疹の発生)が挙げられる。SLEの他の症状としては、脱毛、粘膜の潰瘍、ならびに胸痛をもたらす心臓および肺のライニングの炎症が挙げられる。赤血球、血小板および白血球は、狼瘡に標的され得、貧血および出血の問題が生じる。より深刻なことには、血管における免疫複合体沈着および慢性的な炎症は、腎臓の関与をもたらし得、時には透析または腎臓移植を必要とする不全をもたらす。血管は、SLEにおける自己免疫応答の主要な標的であるので、早発性の脳卒中および心臓疾患は珍しいことではない。しかし、やがてこれらの発赤は、不可逆的な器官損傷をもたらし得る。
本明細書中で使用される場合、「全身性硬化症または強皮症」は、結合組織の慢性障害であり、炎症および線維性によって、ならびに血管、皮膚、胃腸管、肺、心臓および腎臓の変性変化によって特徴付けられる。強皮症は、身体に障害を引き起こし(disabling)、生命にかかわる疾患である。強皮症を有する患者の分類のために、診断基準が開発されている(Masiら、Arth Rheum;23:581−590(1980))。これらの診断基準は、調査研究における多数の一団の説明を意図するが、個々の患者の診断を意図しない。主な診断基準は、指に対して近位の任意の位置における強皮症にかかった皮膚の変化(皮膚の厚さ)である。任意の2つまたは3つの重要度の低い診断基準[強指症(指に関する皮膚肥厚)、指の点食瘢痕、両側の肺の間質性線維症]の追加に伴い、診断に対する感受性が増加する。しかし、明確な強皮症を有する個体のうちの10%近くは、これらの診断基準を満たさない(Medsger TA Jr. 強皮症診断基準共同研究についてのコメント。 :Black CM,.Myers AR編 Current Topics in Rheumatology:Systemic Sclerosis. New York:Gower Medical Publishing,1985:16−17)。
所定の時期における強皮症患者の状態またはその患者の疾患の「重篤度」は、不可逆的な変化または「損傷」と潜在的な可逆的変化または「活動」とのある組み合わせを表す。炎症は、疾患の早い段階で、線維症をもたらし、そしてその後瘢痕をもたらす。炎症活動を正確に検出することができれば、早期介入が、将来的な不可逆性損傷を防ぎ得る。しかし、多くの場合、臨床家にとって、疾患活動に由来する疾患損傷を区別するのは困難である。一部には、これは、活動の臨床的証拠が非常にわずかであり得ることが原因であり得る。さらに、炎症に関して信頼できる実験用マーカーは存在しない。疾患損傷および疾患活動の横断的評価および長軸方向の評価は、個々の患者および臨床試験の両方で、疾患の自然な経過を評価し、介入の有効性を測定するのに必須である。この障害の概説は、Medsger TA Jr. 全身性硬化症(強皮症):臨床局面 :Koopman WJ編 Arthritis and Allied Conditions. 第13版 Philadelphia:Lea and Febiger,1997:1433−1464に見出され得る。
本明細書中で使用される場合、「赤血球(erythrocyte)」とは、成熟した赤血球(red blood cell)をいう。赤血球は、通常は、個体から血液サンプルを取得することによって得られる。いくつかの実施形態において、赤血球は、その赤血球上の補体成分のレベルを決定する前に、個体の血液サンプルから単離される。
本明細書中で使用される場合、「補体経路または補体系」とは、30を超える機能的に連結したタンパク質の複合ネットワークをいい、これらのタンパク質は、高度に調節された様式で相互作用し、体液性免疫および炎症に関する多くのエフェクター機能を提供し、それによって、細菌感染および真菌感染に対する重要な防御機構としての役割を果たす。このタンパク質の系は、3つの特徴的な経路を介して、外来の生物による浸潤に作用する:古典的経路(抗体の存在下)または代替的経路(抗体の非存在下)、およびレクチン経路。一旦活性化されると、各経路内のタンパク質は、多分子性複合体への連続的自己組織化に関与するカスケードを形成し、この多分子性複合体は、応答を開始する外来抗原を根絶することが意図される種々の機能を果たす。補体経路の概説について、例えば、SimおよびTsiftsoglou、Biochem.Soc.Trans.32:21−27(2004)を参照のこと。
古典的経路は、通常は、外来粒子に結合された抗体によって誘発される。古典的経路は、その古典的経路に特異的な、C1、C4、C2と称されるいくつかの成分からなる。順番に、抗原−抗体複合体へのC1qの結合がC1rおよびC1s(いずれもセリンプロテアーゼ)の活性化を生じ、そして活性化されたC1sが、C4およびC2をそれぞれC4aとC4bおよびC2aとC2bに切断する。フラグメントC4bおよびC2aは会合してC4b2aを形成し、これがタンパク質C3をC3aとC3bとに切断し、これらが古典的経路の活性化を完結する。フラグメントC4bおよびC3bはさらに、第I因子による分解に供される。この因子は、C4bを切断してC4dを生成し、また、C3bを切断してiC3bを生成し、その後C3dを生成する。従って、補体の古典的経路の活性化は、免疫複合体または他の標的表面上に多数のフラグメント(例えば、C4d、iC3bおよびC3d)の沈着をもたらし得る。そのような標的としては、血液中を循環する細胞(例えば、リンパ球および他の白血球、赤血球および血小板)が挙げられる。
代替的補体経路の活性化は、C3b(またはC3i)が、例えば微生物の細胞壁または他の表面成分に結合するときに開始する。次いで、代替的経路タンパク質因子Bが、細胞に結合したC3bと結合してC3bB形成する。次いで、因子Dが、結合した因子BをBbとBaとに分解し、C3bBbを形成する。次いで、プロペルジンと称される血清タンパク質がBbに結合して、C3bBbPを形成し、これがC3をC3aとC3bとに溶解するC3コンバターゼとして機能する。
レクチン補体経路は、マンナン結合レクチンまたはマンナン結合タンパク質(MBP)によって媒介される。MBPは、多くの微生物炭水化物に見出されるマンノース基に結合するタンパク質である。MBPは、古典的補体経路においてC1qと機能的に等価であるようである。レクチン経路の活性化は、MBPが微生物炭水化物のマンノース基に結合するときに開始する。次いで、MASP1およびMASP2と称される2つのさらなるレクチン経路タンパク質(古典的経路のC1rおよびC1sと機能的に等価である)が、MBPに結合する。MASP1/MASP2/MBL複合体は、古典的補体経路のC1と類似の活性を有する酵素を形成し得、この酵素は、C4およびC2を切断してC4bC2aを形成し、このC4bC2aはC3をC3aとC3bとに溶解するC3コンバターゼである。C3コンバターゼは、補体経路成分を切断かつ活性化して、膜攻撃複合体(MAC)を形成し、これが細菌の細胞壁に穴を形成し、細菌細胞を溶解する。
本明細書中で使用される場合、「補体経路成分」は、古典的補体経路、代替的補体経路、およびレクチン補体経路に由来するタンパク質(例えば、C1、C4、C2、C3およびそれらのフラグメント(例えば、C1q、C1r、C1s、C4a、C4b、C2a、c2b、C4bC2a、C3a、C3b、C4c、C4d、iC3b、iC4b、C3d、C3i、C3dg))を含む。また、C5、C5b、C6、C7、C8、C9、C1inh、MASP1、MASP2、MBL、MAC、CR1、DAF、MCP、C4結合タンパク質(C4BP)、タンパク質因子H、因子B、C3bB、因子D、Bb、Ba、C3bBb、プロペルジン、C3bBb、CD59、C3aR、C5aR、C1qR、CR2、CR3およびCR4、ならびに特に本明細書中に列挙されていない他の補体経路成分、レセプターおよびリガンドも含まれる。
本明細書中で使用される場合、「補体経路成分のコントロールレベル」とは、いくつかの実施形態において、慢性炎症性疾患または慢性炎症状態に罹患していない個体に由来する細胞における補体経路成分のレベルをいう。コントロールレベルはまた、個体集団の分析によって決定され得る。いくつかの実施形態において、補体経路成分のコントロールレベルは、診断が求められるかまたはその疾患がモニタリングされている同一の個体に由来するが、そのコントロールレベルは異なる時間において得られる。補体経路成分のコントロールレベルはまた、コンピュータ読み取り可能媒体中で、補体経路成分についての基準値として使用され得る。
本明細書中で使用される場合、「コントロールレベルからの差」とは、補体経路成分のコントロールレベルと、診断または他の情報が求められる個体由来の補体経路成分のレベル(すなわち、実験レベル)との間の実質的に有意な差をいう。当業者は、差が統計的に有意であるか否かを決定するために、多くの方法が利用可能であること、そして使用される特定の方法が本発明を限定しないことを認識する。
本明細書中で使用される場合、用語「肝炎」は、一般的に、肝臓の炎症によって特徴付けられる疾患または状態に関する。用語「C型肝炎」は、より具体的には、C型肝炎ウイルス(HCV)による感染をいう。宿主へのC型肝炎ウイルスの導入は、通常は、非経口的手段により、代表的には、血液対血液の接触が顕著である。多くの場合、HCVによる感染は、慢性的であり、重篤な肝機能障害および死をもたらし得る。C型肝炎ウイスル感染の症状としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:腹痛、食欲不振、肝硬変、自己免疫性合併症、肝臓癌、クリオグロブリン血症、不安、関節炎、腹水(胃の領域の膨張)、視覚のぼけ、悪寒、暗色尿、性的欲求の低下、うつ、目まい、乾燥肌、水腫(手、足および脚の膨大)、過剰な出血、過剰なガス、眼または視力の問題(視覚のぼけまたはドライアイ)、疲労、発熱、インフルエンザに似た症状、胆石、灰色の便、黄色の便、白色もしくは薄色の便、頭痛、肝臓痛(肝臓の領域の疼痛もしくは不快感)、のぼせ、消化障害、関節の炎症、不眠、過敏性、そう痒、黄疸(眼および/または皮膚の黄変)、関節痛、腎疾患、扁平苔癬(皮膚疾患)、気分の変化もしくは変動、記憶喪失、精神錯乱、生理不順、筋肉痛、吐気、ニューロパシー、発疹/赤色斑、手掌紅斑、リウマチ様症状、熱さもしくは冷たさに対する過敏性、睡眠障害、遅い治癒および回復、日光に対する過敏性(晩発性皮膚ポルフィリン症)、唾液腺炎(唾液腺の炎症)、疾病/インフルエンザに対する感受性、発汗、眩暈、嘔吐、水分保持、脱力、体重増加、体重減少。
本明細書中で使用される場合、HCV感染の「自己免疫合併症」は、患者における自己免疫応答の活性化に関する。この応答は概して、肝臓で、疲労、低発熱および黄疸を引き起こすことに関するが、肝臓外組織に、中でも以下の症状を引き起こすことに関する:無月経(月経のない期間)、血性下痢(潰瘍性大腸炎に起因する)、腹痛、間接炎、発疹、貧血、糸球体腎炎(腎疾患の形態)、ドライアイ、乾性角結膜炎、モーレン潰瘍および口内乾燥症。
本明細書中で使用される場合、「クリオグロブリン血症」は概して、血液中の免疫グロブリン、クリオグロブリンを有する状態をいう。低温では、これらのクリオグロブリンは、ゲルに変化し、そして、血管の炎症を引き起こし得る。クリオグロブリン血症における循環する免疫複合体および補体の堆積は、全身性脈管炎を生じ得る。
本明細書中で使用される場合、C型肝炎に対する「特異療法」としては、抗ウイルス薬剤(インターフェロン、リバビリンおよびPEG−インターフェロンが挙げられる)の投与が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書中で使用される場合、「鎌状赤血球貧血」とは、ヘモグロビンタンパク質(例えば、ヘモグロビンS(鎌状のヘモグロビン)、HbC、HbDおよびHbO−Arab)における異常によって引き起こされる遺伝性の疾患をいう。用語鎌状赤血球貧血はまた、例えば、鎌状赤血球b症サラセミア、ヘモグロビンSC疾患または鎌状赤血球b症サラセミアなどの疾患を含む。鎌状赤血球貧血は、潜在的な変異について患者のDNAを配列決定することによって診断され得る。鎌状赤血球貧血における赤血球は、円盤状の形状であり、もろく、疾患の種々の症状(例えば、間接痛および他の骨痛、疲労、息切れ、頻脈、成長および思春期の遅延、感染症に対する感受性、下肢の潰瘍(青年期および成人)、黄疸、骨痛、腹痛の発作および熱)につながる。
鎌状赤血球貧血は、損傷を受けた赤血球が壊れる(溶血発作)場合、脾臓が拡大し、赤血球を捕捉する(脾臓の壊死の発症)場合、または特定の型の感染が骨髄の赤血球産生の停止を引き起こす場合(骨髄無形性クリーゼ)、生死に関わり得る。発症の繰り返しは、腎臓、肺、骨、眼および中枢神経系に損傷を引き起こし得る。遮断された血管および損傷を受けた器官はまた、急性疼痛性の発症を引き起こし得る。これらの疼痛性の発症は、生存中の特定の時点でほぼ全ての患者に生じるが、数時間から数日間持続し、背骨、長骨および胸部を冒す。
本明細書中で使用される場合、「移植手順」とは、ドナーからレシピエントへの器官(例えば、心臓、肺、腎臓、角膜もしくは肝臓)または細胞の移植をいう。好ましい実施形態において、ドナーはヒトであり、レシピエントはヒトである。いくつかの実施形態において、移植手順は、骨髄移植であり、ドナーから健康な骨髄が、機能性の骨髄を欠くか、または血球と関連する疾患(例えば、白血病)を有するレシピエントに移される。
「移植手順の合併症」としては、移植拒絶、対宿主性移植片病(GVDH)および感染が挙げられる。移植手順の合併症と関連する、赤血球の補体経路成分の変化の同定は、より効果的で標的化された治療処置をもたらし得るか、または移植手順の結果を予測するために使用され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「妊娠」は、概して体内に生まれる前の胎児を有する状態を指す。通常、妊娠は、受胎から出産へ順調に進行する。しかし、妊娠は、合併症を併発し得、この合併症としては、以下:胎児出生時欠損、異所妊娠、出血、流産、羊水の減少、妊娠糖尿病、トキソプラスマ症、B群連鎖球菌関連、RH疾患、産科胆汁うっ滞、高血圧、子宮脱、早朝嘔吐、妊娠誘導性高血圧、前置胎盤、胎児仮死、枯死卵、妊娠悪阻、難産、フィブロイドおよび子かん前症の一つ以上が挙げられるが、これらに限定されない。用語「子かん前症」または「毒素血症」または「妊娠誘導性高血圧」とは、本明細書中で使用される場合、膨張の発達、高血圧、および妊娠中の尿中のタンパク質の増加をいう。子かん前症の症状としては、以下:水腫、一週間あたり2ポンドを超える体重増加、頭痛、尿排出量の減少、悪心、嘔吐、顔面の膨張、高血圧、動揺、視力の変化および腹痛が挙げられるが、これらに限定されない。子かん前症は、全身性エリテマトーデス(「狼瘡」または「SLE」としても公知である)および抗リン脂質症候群(anti−phospholipid syndrome)(「抗リン脂質症候群(antiphospholipid syndrome)」または「APS」としても公知である)を含む特定の自己免疫疾患と関連している。本明細書中で使用される場合、用語「抗リン脂質症候群(anti−phospholipid syndrome)」または「抗リン脂質症候群(antiphospholipid syndrome)」または「APS」とは、身体がリン脂質を異質と認識し、それらに対する抗体を産生する自己免疫疾患をいう。APSは多くの場合、妊娠中の胎児の死亡と関連し、胎児の死亡を再発する女性の約5人に1人に存在する抗リン脂質抗体を有する。この原因は、不明であるが、母体の血餅の産生に起因し得る。
妊娠の間の合併症の原因は、多くの場合、診断するのが困難であり、特に自己免疫疾患と関連する合併症(例えば、狼瘡およびAPS)の場合には、それらは多くの場合、類似した症状を示すので、診断が困難である。さらに、狼瘡妊娠と関連する合併症は特に、多くの場合、疾患のあいまいさおよび患者に存在する疾患の多様な様式に起因して、妊娠合併症と区別するのが困難である。
本明細書中で使用される場合、「血管疾患または血管状態」とは、血液の異常な循環を生じる疾患または状態をいう。血管疾患または血管状態としては、アテローム硬化症、動脈壁に脂肪および他の物質が蓄積することによって引き起こされる動脈の一般的な障害(例えば、斑)が挙げられる。斑は、破裂し得、心臓発作または脳卒中を生じ得、また血管疾患または血管状態に含まれ得る。凝塊は、斑の周囲に形成することもあり、血流を妨害するか、または断絶することもあり、心臓、肺もしくは脳に損傷を与える。アテローム硬化症の合併症はまた、血管疾患または血管状態であり、それらとしては、冠状動脈疾患、心臓発作、一過性脳虚血発作もしくは脳卒中、肢への血液供給不全、器官損傷およびアテローム硬化症およびバイパス移植片の閉塞が挙げられる。血管疾患(脈間障害状態)としてはまた、動脈血栓症および静脈血栓症、血栓塞栓症、梗塞、血管痙攣、狭心症および不安定狭心症が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、「血小板」は、血管の損傷領域を認識し、そこに結合し、凝塊を形成する血液成分である。血小板は、通常、個体から血液サンプルを採取することにより得られる。いくつかの実施形態において、血小板は、血小板の補体成分のレベルを決定する前に個体の血液サンプルから単離される。
「抗体」とは、免疫グロブリン遺伝子またはそのフラグメントのフレームワーク領域を含むポリペプチドをいい、抗原に特異的に結合し、抗原を認識する。認識される免疫グロブリン遺伝子としては、κ、λ、α、γ、δ、εおよびμ定常領域遺伝子ならびに無数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。軽鎖は、κまたはλのどちらかとして分類される。重鎖は、γ、μ、α、δまたはεとして分類され、同様に、免疫グロブリンクラス、IgG、IgM、IgA、IgDおよびIgEをそれぞれ規定する。代表的に、抗体の抗原結合領域は、結合の特異性および親和性において最も決定的である。
例示的な免疫グロブリン(抗体)構造単位は、四量体を含む。各四量体は、ポリペプチド鎖の二つの同一の対からなり、各対は、一つの「軽」鎖(約25kD)および一つの「重」鎖(約50〜75kD)を有する。各鎖のN末端は、主に抗原認識を担う約100〜110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を規定する。用語可変軽鎖(V)および可変重鎖(V)とは、それぞれこれらの軽鎖および重鎖をいう。
抗体は、例えば、インタクトな免疫グロブリンとして、または種々のペプチダーゼで消化することによって産生されたよく特徴付けられた多数のフラグメントとして存在する。従って、例えば、ペプシンは、抗体を、ヒンジ領域のジスルフィド結合の下で消化し、F(ab)’を産生し、これは、それ自体V−C1にジスルフィド結合によって結合した軽鎖であるFabの二量体である。F(ab)’は、穏やかな条件下で還元され、ヒンジ領域のジスルフィド結合を切断し、それによってF(ab)’二量体をFab’単量体に変化させ得る。Fab’単量体は、本質的にヒンジ領域の一部を有するFabである(Fundamental Immunology(Paul編、第3版、1993)を参照のこと)。インタクトな抗体の消化により種々の抗体フラグメントが規定されるが、当業者は、このようなフラグメントが、化学的に、または組換えDNA方法論を用いることによってデノボで合成され得ることを理解する。従って、用語抗体はまた、本明細書中で使用される場合、抗体全体の改変によって生成されたか、または組換えDNA方法論を用いてデノボで合成された抗体フラグメント(例えば、単鎖抗体)またはファージディスプレイライブラリーを用いて同定された抗体フラグメント(例えば、McCaffertyら、Nature 348:552〜554(1990)を参照のこと)を包含する。
抗体(例えば、組換え抗体、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)の調製に関しては、当該分野で公知の多くの技術が使用され得る(例えば、KohlerおよびMilstein、Nature 256:495〜497(1975);Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss,Inc.(1985)中のKozborら、Immunology Today 4:72(1983);Coleら、77〜96;Coligan、Current Protocols in Immunology(1991);HarlowおよびLane、Antibodies、A Laboratory Manual(1988);ならびにGoding、Monoclonal Antibodies:Pronciples and Practice(第2版 1986)を参照のこと)。目的の抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子は、細胞からクローニングされ得、例えば、モノクローナル抗体をコードする遺伝子は、ハイブリドーマからクローニングされ得、そして組換えモノクローナル抗体を産生するために使用され得る。モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子ライブラリーはまた、ハイブリドーマまたはプラズマ細胞から作製され得る。重鎖遺伝子産物および軽鎖遺伝子産物の無作為な組換えは、異なる抗原特異性を有する抗体の大きなプールを生成する(例えば、Kuby、Immunology(第3版 1997)を参照のこと)。単鎖抗体または組換え抗体の作製のための技術(米国特許第4,946,778号、同第4,816,567号)が、本発明のポリペプチドに対する抗体を作製するために適用され得る。またトランスジェニックマウスもしくは他の生物(例えば、他の哺乳動物)が、ヒト化抗体もしくはヒト抗体を発現させるために使用され得る(例えば、米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、Marksら、Bio/Technology 10:779〜783(1992);Longbergら、Nature 368:856〜859(1994);Morrison、Nature 368:812〜13(1994);Fishwildら、Nature Biotechnology 14:845〜51(1996);Neuberger、Nature Biotechnology 14:826(1996);ならびにLondbergおよびHuszar、Intern.Rev.Immunol.13:65〜93(1995)を参照のこと)。あるいは、ファージディスプレイ技術は、選択した抗原に特異的に結合する抗体およびヘテロマーFabフラグメントを同定するために使用され得る(例えば、McCaffertyら、Nature 348:552〜554(1990);Marksら、Biotechnology 10:779〜783(1992)を参照のこと)。抗体はまた、二重特異性に、すなわち、二つの異なる抗原を認識し得るように作製され得る(例えば、WO 93/08829、Trauneckerら、EMBO J.10:3655〜3659(1991)およびSureshら、Methods in Enzymology 121:210(1986)を参照のこと)。抗体はまた、ヘテロ接合体(例えば、二つの共有結合した抗体)または抗毒素であり得る(例えば、米国特許第4,676,980号、WO 91/00360;WO 92/200373;およびEP 03089を参照のこと)。
一実施形態において、抗体は、「エフェクター」部分に接合される。このエフェクター部分は、任意の数の分子であってもよく、例えば、診断アッセイに使用するための放射性標識または蛍光標識などの標識部分が挙げられる。
成句抗体に「特異的に(もしくは選択的に)結合する」または「特異的に(もしくは選択的に)免疫反応性である」とは、タンパク質またはペプチドをいう場合、多くの場合、外来のタンパク質および他の生物製剤の集団の中でタンパク質の存在が確定的である結合反応をいう。従って、指定した免疫アッセイ条件下では、特定の抗体は、特定のタンパク質に、少なくともバックグラウンドの2倍結合し、より代表的には、バックグラウンドの10〜100倍より多く結合する。このような条件下での抗体への特異的結合は、特定のタンパク質に対するその特異性に関して選択される抗体を必要とする。例えば、補体経路成分または白血球のマーカーに対して惹起されたポリクローナル抗体、多形改変体、対立遺伝子、相同分子種、および保存的に改変された改変体、またはスプライシング改変体またはこれらの一部は、補体経路成分または白血球細胞のマーカーに特異的に免疫反応性であるが、他のタンパク質には免疫反応性ではないポリクローナル抗体のみを得るために選択され得る。この選択は、他の分子と交差反応する抗体を取り除くことにより達成され得る。特定のタンパク質と特異的に免疫反応性である抗体を選択するために、種々の免疫アッセイフォーマットが使用され得る。例えば、タンパク質に特異的に免疫反応性である抗体を選択するために、通常固相ELISA免疫アッセイが使用される(特定の免疫反応性を決定するために使用され得る免疫アッセイフォーマットおよび条件の記述については、例えば、HarlowおよびLane、Antibodies、A Laboratory Manual(1998)を参照のこと)。
「抗原」は、抗体により認識され、結合される分子(例えば、ペプチド、炭水化物、有機分子またはより複雑な分子(例えば、糖脂質および糖タンパク質))である。抗体の結合の標的である抗原の一部は、抗原決定因子であって、単一の抗原決定因子に対応する小さい官能基は、ハプテンと呼ばれる。
「標識」は、分光的手段、光化学的手段、生化学的手段、免疫化学的手段または化学的手段によって検出可能な組成物である。例えば、有用な標識としては、32P、125I、蛍光色素、電子密度試薬、酵素(例えば、ELISAで一般的に使用される酵素)、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはハプテン、および抗血清もしくはモノクローナル抗体が利用可能であるタンパク質が挙げられる(例えば、補体経路成分に特異的な抗体または白血球のマーカーは、例えば、抗体に放射性標識または蛍光標識を組み込むことによって検出可能にされ得、補体経路成分または標識された抗体と特異的に反応する白血球のマーカーを検出するために使用され得る)。標識された二次抗体はまた、補体経路成分または白血球のマーカーに特異的な抗体を検出するために使用され得る。
用語「接触」または「接触する」は、本明細書中では、以下:合わせる、添加する、混合する、運ぶ(passed over)、インキュベートする、あふれるなど、と相互変換可能に使用される。
用語「免疫学的検定」は、抗原に特異的に結合する抗体を使用するアッセイである。免疫学的検定は、抗原を単離、標的化および/または定量化するために、特定の抗体の特異的な結合特性を使用することによって特徴付けられる。
両方の例において、「測定(determination)または測定(determining)」および「量」という場合、物質の量(amount)または量(quantity)の両方を包含することを意味する。一種以上の補体経路成分が測定される場合、例えば、C4dおよびC3dの「測定(determination)または測定(determining)」および「量」は、さらに、またはあるいは、第一の補体経路成分の、第二の補体経路成分に対する比(例えば、C4dのC3dに対する比)を意味する。
(赤血球または血小板の補体経路成分のレベルの測定)
本発明は、血液成分の表面上の補体経路成分のレベルを測定するために、患者から得られた血液成分(例えば、赤血球または血小板)に対してアッセイを実施する工程を包含する。次いで、補体経路成分のレベルは、コントロールと比較され、個体における炎症性疾患もしくは炎症状態を診断もしくはモニタリングするため、または個体における血管疾患もしくは血管状態を診断もしくはモニタリングするために使用される。癌はまた、本明細書中に開示される方法を使用してモニタリングされ得るかまたは診断され得る。
血液のサンプルは、患者から得られ、そして、活性化を完全に阻害するためにEDTAで処理される。このサンプルは、室温または冷却条件下で維持される。アッセイは好ましくは、24時間以内に実施される。
いくつかの実施形態において、赤血球は、血液サンプルの他の成分から単離される。例えば、赤血球は、他の血液成分を除去するために遠心分離によって全血から単離され得る。血小板は、血小板に特異的な抗体(例えば、抗CD42b抗体)を使用して血液から単離され得る。CD42b抗体は、例えば、BD Immunocytometry Systems、San Jose、CAから市販されている。
血小板の単離は、血小板表面マーカーに特異的な抗体またはリガンドを、固体支持体に付着させ、次いで、血小板を含むサンプルを、結合した抗体に接触させることによりなされ得る。混入した細胞は、洗浄され、単離された血小板が回収されることを可能にする。赤血球はまた、固体支持体に対して赤血球特異的リガンドもしくは抗体を使用して単離され得る。
いくつかの実施形態において、FACSは、細胞の画分を含む赤血球または血小板を単離するために使用される。用語「FACS」とは、蛍光細胞分析分離装置、目的の特定の分子の含有量に従って細胞を分離するために使用される技術をいう。目的の分子は、細胞の型または特定の細胞状態に特異的であり得る。目的の分子は、蛍光色素に結合させることにより、または第二の分子に結合させることにより、直接蛍光標識され得、この第二の分子は、蛍光標識されていて、例えば、蛍光標識されていて目的の分子に特異的に結合する抗体、レクチンまたはアプタマーであり得る。従って、赤血球または血小板に特異的なマーカーは、血液サンプルの他の成分から赤血球または血小板を単離するために使用され得る。赤血球に関しては、血液サンプル中の他の細胞、特に未成熟の赤血球から赤血球を単離するために、RNA含有量が使用され得る。好ましい実施形態において、RNAは、蛍光色素で染色することにより検出され、網状赤血球は、蛍光に基づいて成熟赤血球から分離される。RNAを染色するための蛍光色素としては、チアゾールオレンジおよびオーラミンOが挙げられ得る。
赤血球または血小板の単離はまた、フローサイトメトリー分析の間に赤血球または血小板の特定の集団をアッセイするために使用される技術をいう。目的の集団に特異的な標識されたマーカーが、集団を分析するために使用される。次いで、目的の集団(例えば、赤血球または血小板)上の補体経路成分のレベルを測定するために、第二の標識マーカーが使用される。
補体経路成分のレベルの測定は、多数の方法によってなされ得、これらの方法としてはフローサイトメトリー、赤血球もしくは血小板の溶解物を使用するELISA、放射免疫測定および比濁法が挙げられる。本発明の一実施形態において、補体経路成分のレベルの測定は、補体経路成分に特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を使用する直接的または間接的な免疫蛍光によって測定される測定値と一緒に、フローサイトメトリー法を用いてなされる。補体経路の白血球成分に対する平均蛍光チャネル(MFC)を決定する。補体成分(例えば、C4d、CR1、および赤血球または血小板の表面上の補体成分)の測定は、WO03/022223(2003年3月20日公開)およびUSSN 60/463,447(2003年4月16日出願)に記載され、これらは両方とも本明細書中に参考として援用される。
一実施形態において、補体経路成分のレベルは、赤血球表面上で決定されて、個体または個体の下位集団における免疫性疾患もしくは免疫状態の進行を診断またはモニタリングする。赤血球は、赤血球特異的マーカー(例えば、リガンド、抗体もしくは核酸結合色素)を用いて単離または検出される。補体経路成分レベルの決定は、多くの方法(フローサイトメトリー、赤血球溶解物を用いたELISA、およびラジオイムノアッセイが挙げられる)によって行われ得る。本発明の一実施形態において、補体経路成分のレベルの決定は、フローサイトメトリー法を用いて、補体経路成分に特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を用いた直接的または間接的免疫蛍光法によって得られる測定を用いて、行われる。補体経路成分についての平均蛍光チャネル(MFC)が決定される。同じ型のアッセイが、免疫性疾患もしくは免疫状態を有することが既知である患者において、診断または疾患活動をモニタリングするために使用され得る。
別の実施形態において、補体経路成分のレベルは、血小板表面上で決定されて、個体の血管疾患または血管の状態の進行を診断またはモニタリングする。血小板は、血小板特異的マーカー(例えば、リガンド、もしくは抗CD42b抗体のような抗体)を用いて単離または検出される。補体経路成分レベルの決定は、多くの方法(フローサイトメトリー、血小板溶解物を用いたELISA、ラジオイムノアッセイおよび比濁分析が挙げられる)によって行われ得る。本発明の一実施形態において、血小板上の補体経路成分のレベルの決定は、フローサイトメトリー法を用いて、補体経路成分に特異的なポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を用いた直接的または間接的免疫蛍光法によって得られる測定を用いて、行われる。補体経路成分についての平均蛍光チャネル(MFC)が決定される。同じ型のアッセイが、血管疾患もしくは血管状態を有することが既知である患者において、診断または疾患活動をモニタリングするために使用され得る。
比濁分析技術もまた、決定のために使用され得る。
(診断法)
一実施形態において、C型肝炎患者の一群が、赤血球上の補体経路成分のレベルを決定することによって同定され得る。例えば、一部のC型肝炎患者は、赤血球上に高レベルの補体リガンドBbおよび/または補体リガンドC3dを有する。上記方法は、例えば、クリオグロブリン血症もしくは他のC型肝炎合併症を有するC型肝炎患者の一群を同定するため、または処置のための特定の治療剤に応答するC型肝炎患者を同定するために使用され得る。
別の実施形態において、鎌状赤血球貧血患者の一群は、赤血球上の補体経路成分のレベルを決定することによって同定され得る。例えば、一部の鎌状赤血球患者は、赤血球上に、異常に低いレベルか、または検出不可能なレベルの補体成分C4dを有する。他の鎌状赤血球患者は、種々のレベルの補体成分C4dを有する赤血球集団を有する(例えば、図3を参照のこと)。上記方法は、例えば、血管閉塞の発作もしくは他の鎌状赤血球合併症を有する鎌状赤血球患者の一群を同定するため、または処置のための特定の治療剤に応答する鎌状赤血球貧血を有する患者を同定するために使用され得る。
別の実施形態において、赤血球上の補体経路成分のレベルを決定することによって、移植合併症を有する患者の一群が同定され得る。例えば、一部の移植患者は、赤血球上に、高レベルの補体成分C4dおよび/もしくは補体成分C3d、ならびに/もしくは補体成分iC3bを有する(例えば、図5を参照のこと)。上記方法は、例えば、感染を有するか、または拒絶もしくは他の合併症に苦しむ移植患者の一群を同定するためか、あるいは処置のための特定の治療剤に応答する移植患者を同定するために使用され得る。
別の実施形態において、赤血球上の補体経路成分のレベルを決定することによって、妊娠合併症を有する患者の一群が同定され得る。例えば、例えば、一部の妊娠患者は、赤血球上に、高レベルの補体成分C4dおよび/もしくは低レベルの補体成分CR1を有する(例えば、図6を参照のこと)。上記方法は、例えば、子癇前症もしくは他の妊娠合併症を有する妊娠患者の一群を同定するためか、または処置のための特定の治療剤に応答する妊娠患者を同定するために使用され得る。この方法は、SLEに罹患する患者およびSLEに罹患していない患者において、子癇前症のような妊娠合併症を同定するために使用され得る。
別の実施形態において、血小板上の補体経路成分のレベルを決定することによって、血管疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症)が診断またはモニタリングされる。例えば、一群のSLE患者は、血小板上に、高レベルの補体成分C4由来のリガンドを有する。上記方法は、例えば、SLEに罹患する患者およびSLEに罹患していない患者において血管疾患を診断もしくはモニタリングするために使用され得る。上記方法はまた、特定の血管疾患を有する患者の一群を同定するため、または処置のための特定の治療剤に応答する血管疾患もしくは血管状態を有する患者を同定するために使用され得る。血小板上の補体経路成分のレベルを決定する方法はまた、梗塞(例えば、心筋梗塞、脳梗塞などが挙げられる)の危険性のある患者を同定するために使用され得る。
癌もまた、本明細書において開示される方法を用いてモニタリングまたは診断され得る。
(キット)
炎症性疾患もしくは炎症性状態の診断およびモニタリングの両方のためのアッセイを実施するためのキットは、血管疾患もしくは血管状態を診断またはモニタリングするためのキットのように、本発明の一部である。このキットは、本明細書において記載される方法を実施するために必要な種々の試薬のいずれかを使用する。例えば、免疫蛍光アッセイを用いる場合、このキットは、一般的に、補体経路成分に特異的なモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体(例えば、抗C4d抗体もしくは抗C3d抗体)と蛍光部分との結合体、そして好ましくは、赤血球もしくは血小板に対して特異的なモノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体(例えば、抗CD42b抗体などを用いた血小板)と種々の蛍光部分との結合体を含む。キットはまた、コントロールレベルの補体経路成分、またはこのようなコントロールレベルを決定するための手段を含み得る。さらに、このキットは、使用者のための使用説明用資料、およびこの型のアッセイを実行するのに必要とされ得るような他の物質(例えば、緩衝液、放射標識抗体、比色試薬など)を含み得る。
これらの方法およびキットにおける使用のための抗体は、公知である。CD42bに特異的な抗体は、Becton Dickinson Immunocytometry Systems(San Jose,CA)から入手可能である。ハイブリドーマ分泌性抗CR1抗体は、MarylandのAmerican Type Culture Collection(ATCC番号HB 8592)から入手可能である。一般的な参考文献は、米国特許第4,672,044号である。抗C4d、抗C3d抗体、抗Bb抗体、および抗iC3b抗体は、Quidel Corp(San Diego,California)から入手可能であり、以下に一般的に記載される:Rogers,J.,N.Cooperら.PNAS 89:10016−10020,(1992);Schwab,C.ら,Brain.Res.707(2):196(1996);Gemmell,C.J.Biomed.Mater.Res.37:474−480,(1997);およびStoltzner,S.E.ら,Am.J.Path.156:489−499,(2000)。
(自動化およびコンピュータソフトウェア)
上記の補体経路成分(例えば、C4d、C3d、Bb、CR1およびiC3b)の決定、ならびに診断および疾患活動モニタリング法は、手動で実行され得るが、多くの場合、自動化システムおよび/または機器を用いて簡便に実施される。このシステムおよび/または機器においては、血液サンプルは、必要な決定を行うために自動的に分析され、基準値または参照値との比較が、その目的に適切なコンピュータソフトウェアを用いて自動的に行われる。
したがって、一局面において、本発明は、個体において炎症性疾患もしくは炎症状態を診断またはモニタリングするための方法を包含する。この方法は、以下を包含する:(a)個体由来の赤血球もしくは血小板を含有する血液サンプルにおいて、このサンプル中の赤血球もしくは血小板の表面上に沈着する補体経路成分を自動的に決定する工程、および(b)赤血球もしくは血小板の表面上の同じ補体経路成分についての参照値と自動的に比較する工程。
本発明のこの方法で使用するためのコンピュータソフトウェアまたはコンピュータ読み取り可能媒体としては、以下が挙げられる:
(1)コンピュータ読み取り可能な媒体であって、以下:
赤血球もしくは血小板の表面上に沈着する補体経路成分の決定に対応するデータを受け取るための、コード;
個体の赤血球もしくは血小板の表面上に沈着する同じ補体経路成分基準値についての参照値を読み出すためのコード;および
(a)のデータと(b)の参照値とを比較するためのコード、
を含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
本発明の実施形態において、一以上の基準値がデジタルコンピュータに接続されたメモリに保存され得る。補体経路成分のレベルの決定に対応するデータが(例えば、適切な分析機器から)得られた後、上記デジタルコンピュータは、上記補体経路成分データと一以上の適切な参照値とを比較し得る。この比較が行われた後、このデジタルコンピュータは、補体経路成分の決定に対応するデータが炎症性疾患もしくは炎症状態に関連するか否か、または血管疾患もしくは血管状態に関連するか否かを、自動的に決定し得る。
当業者は、コンピュータプログラムが改変されて、炎症性疾患もしくは炎症状態、または血管疾患もしくは血管状態の診断またはモニタリングのため、赤血球もしくは血小板上の一より多くの補体経路成分のレベルを分析し得ることを認識する。
したがって、本発明のいくつかの実施形態は、デジタルコンピュータによって実行されるコンピュータコードによって具現化し得る。このデジタルコンピュータは、任意の標準的オペレーティングシステムまたは特殊なオペレーティングシステム(例えば、Windows(登録商標)ベースのオペレーティングシステム)を用いたマイクロフレーム、ミニフレーム、またはラージフレームコンピュータであり得る。上記コードは、任意の適切なコンピュータ読み取り可能媒体に保存され得る。コンピュータ読み取り可能媒体の例としては、磁気ディスク、電子ディスクもしくは光学ディスク、テープ、スティック、チップなどが挙げられる。上記コードはまた、当業者によって、任意の適切なコンピュータプログラム言語(C、C++などが挙げられる)で書かれ得る。
以下の実施例は、説明のためのみに提供され、限定のためではない。当業者は、種々の決定的でないパラメーターが変更または改変されて本質的に同様の結果を生じ得ることを、容易に認識する。
(実施例1:補体経路成分を用いたC型肝炎ウイルス感染の診断およびモニタリング)
赤血球をペレット化し、PBSBで洗浄し、抗補体成分またはコントロール抗体の染色のためにアリコートとした。二色フローサイトメトリー分析を行い、患者の赤血球上の一連の補体成分(例えば、CR1、C4d,C3b、C3d、Bb、iC3bおよびC5b−9)を測定した。モノクローナル抗体(mAb)を、10μg/mlの濃度で赤血球に添加した。RNA結合色素を添加し、赤血球から網状赤血球を区別した。この細胞を、20分間4℃でインキュベートし、冷PBSB+0.2%アジ化ナトリウムで洗浄した。Jackson Immunoresearch Laboratories(番号115−096−062)からのフルオレセインイソチオシアネート(FITC)に結合させた二次抗体(ヤギ抗マウスIgG)を、10μg/mlの濃度で細胞に添加した。細胞をインキュベートし、洗浄し、PBSB+0.2%アジ化ナトリウム中で再懸濁し、そしてFACSCalibur(Becton Dickinson Immunocytometry Systems,San Jose,CA)を用いてフローサイトメトリーで分析した。さらなる分析のため、赤血球をゲートした。細胞への免疫グロブリンの非特異的結合を、アイソタイプコントロール抗体MOPC21(ATCCから得られる)を用いるのに並行して同定アッセイを行うことによって、決定した。赤血球の表面上に、有意なレベルの補体リガンドBb(E−Bb)および/または補体リガンドC3d(E−C3d)を有する、C型肝炎ウイルス感染に罹患する患者の一群を見出した(図1)。SLEに罹患する患者と対照的に、C型肝炎ウイルス感染に罹患する患者は、正常レベルのE−CR1およびE−C4dを有する。C型肝炎ウイルスに感染する患者の中で、一群が、この疾患の自己免疫性合併症を発症し、一部は、クリオグロブリン血症を併発する疾患経過を有し、そして一部は、特定の治療に応答するが、他はそうではない。赤血球上の補体経路成分の測定(BbおよびC3dが挙げられるが、これらに限定されない)は、このような患者の一群を同定するために使用されて、より効率的かつ標的化された治療的介入をもたらす。
(実施例2:補体経路成分を用いた鎌状赤血球貧血の診断およびモニタリング)
上記のように、鎌状赤血球貧血に罹患する患者由来の赤血球で補体経路成分を測定した。自身らの赤血球の表面上に異常に低いレベル、および/または検出不可能なレベルの補体リガンドC4dを有する、鎌状赤血球貧血に罹患する患者の一群を、発見した。例えば、図2を参照のこと。鎌状赤血球貧血に罹患する一患者は、E−C4dのレベルが有意に異なる赤血球の2つの集団を有していた。例えば、図3を参照のこと。SLEに罹患する患者と対照的に、鎌状赤血球貧血に罹患する患者の観察された集団は、正常レベルのCR1を有していた。鎌状赤血球貧血に罹患する患者の一群は、血管閉塞の発作が有意に多かった。C4dを含む補体リガンド、および赤血球上のレセプターの測定は、このような患者の一群を同定するために使用されて、より効率的かつ標的化された治療的介入をもたらす。
(実施例3:補体経路成分を用いた移植合併症の診断およびモニタリング)
上記の技術を用いて、補体経路成分を、血液学的悪性腫瘍に対して幹細胞移植を受ける前および移植を受けた後の患者由来の赤血球で測定した。図4は、幹細胞移植を受けた患者の補体経路成分プロフィールを提供する。移植後、この患者は合併症に苦しんだ。図5は、移植を受けて19日後の同じ患者の補体経路成分プロフィールを提供する。この間、この患者は、移植後合併症に苦しんだ。この図は、この患者が、移植後期間において異常なレベルの赤血球上に沈着した補体リガンドC4d(増加)、C3d(増加)およびiC3b(増加)を有したことを示している。SLEに罹患する患者と対照的に、移植患者は、通常のレベルのE−CR1を維持する。このことは、循環する赤血球は、赤血球表面上の補体リガンドおよび/またはレセプターのレベルの変化を介して、移植拒絶、同時感染、または他の移植合併症の初期段階を反映することを示唆する。赤血球上の補体リガンドおよびレセプターの測定は、移植後合併症を同定するために使用されて、より効率的かつ標的化された治療的介入をもたらす。
(実施例4:補体経路成分を用いた妊娠合併症の診断およびモニタリング)
赤血球表面上の補体経路成分の測定は、妊娠合併症(例えば、子癇前症)の診断を容易にし得、そして妊娠性狼瘡の病的発赤(disease flares in lupus pregnancy)と妊娠合併症との差別化を助け得る。図6は、出産前および出産9ヶ月後の妊娠個体の赤血球上の補体経路成分プロフィールを示す。補体経路成分レベルを、上記のようにアッセイした。この図では、C4dレベルを丸で示し、CR1レベルを四角で示す。妊娠中、CR1レベルは、受胎直後(−9ヶ月)から減少し始め、分娩(0ヶ月)で最下点に達し、そして分娩後の期間に徐々に上昇して分娩9ヶ月後には正常に戻る。さらに、妊娠中、C4dレベルは、受胎直後(−9ヶ月)から上昇し始め、分娩(0ヶ月)で頂点に達し、そして分娩後の期間に減少して分娩9ヶ月後には正常に戻る。これらの結果は、SLEにおけるC4dおよびCR1のレベルを模倣するが、より明白さに欠ける。したがって、妊娠中の補体経路成分レベルの分析は、妊娠合併症を診断およびモニタリングして、これらの合併症を、SLEを有する患者の狼蒼または狼蒼性発赤と区別するために使用され得る。
他者による最近の研究は、(例えば、抗リン脂質症候群で観察されるような)妊娠中の胎児の消失が、補体活性に依存することを示した。したがって、赤血球表面上の補体リガンドおよびレセプターの測定は、妊娠のモニタリングおよびその結果の予測を容易にし得る。
(実施例5:補体経路成分を用いた血管疾患および血管状態の診断およびモニタリング)
アテローム性動脈硬化症は、炎症性疾患であり、多くの報告は、C反応性タンパク質および他の炎症性タンパク質を、疾患進行の潜在的バイオマーカーおよび予後診断指標として同定している。SLEに罹患する若い女性は、健常なコントロールと比べて、50倍高い心臓発作および脳卒中の危険性を有する。SLEに罹患する一部の患者は、血小板上に沈着した補体を有する。したがって、血小板上への補体沈着は、SLEに罹患する患者とSLEに罹患していない個体との両方において、アテローム性動脈硬化症およびその合併症を反映し得、それに関与し得る。血小板表面上の補体リガンドを、3つの実験群:141人のSLE患者、116人の他の疾患(他の自己免疫疾患、ウイルス感染、および悪性腫瘍を含む)の患者、ならびに101人の健常なコントロールにおいて、フローサイトメトリーおよび共焦点顕微鏡によって分析した。補体タンパク質C4由来リガンドを、SLE患者の27%、他の疾患の患者の2%、そして健常なコントロールの0%からの血小板上で検出した(p=0.0001)。さらに、SLE患者からの血小板上のC4由来のフラグメントの存在は、神経学的事象の病歴(p=0.006)、および抗リン脂質抗体(p=0.05)と有意に相関した。補体沈着は、免疫グロブリンに付随する沈着によっても、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)の存在によっても説明できない。血小板表面上への補体沈着のパターンが、共焦点顕微鏡によって捕捉され、これは、血小板膜上での限局性変化ではなく、拡散していることを示唆する。これらのデータは、以下の結果を支持する。第一に、C4由来リガンドは、正常な赤血球上に存在するが、正常な血小板表面上には存在しない。第二に、C4陽性血小板は、SLEに罹患する患者に対して高度に特異的かつ診断上特徴的であるようである。第三に、SLEに罹患する患者におけるC4陽性血小板の同定は、心血管性疾患および血管性事象に相関する。第四に、他の疾患に罹患する患者におけるC4陽性血小板の同定は、心血管性疾患および血管性事象の危険性のある患者を同定し得る。
本明細書に引用された全ての刊行物および特許出願は、あたかも、各々の刊行物もしくは特許出願が、参考として援用されることを特別かつ個別に示すかのように、本明細書において参考として援用される。
上記発明は、理解を明確にする目的のため、説明および例示としてある程度詳細に記載されたが、本発明の教示に関して、添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対して特定の変更および改変がなされ得ることは、当業者にとって容易に明らかである。
図1は、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染した個体由来の赤血球の、補体経路成分プロフィールを提供する。 図2は、鎌状赤血球貧血を有する個体由来の赤血球の、補体経路成分プロフィールを提供する。 図3は、鎌状赤血球貧血を有する第2の個体由来の赤血球の、補体経路成分プロフィールを提供する。 図4は、幹細胞移植前の個体由来の赤血球の、補体経路成分プロフィールを提供する。 図5は、幹細胞移植後の、図4に示された個体由来の赤血球の、補体経路成分プロフィールを提供する。 図6は、出産前および出産後の妊娠個体の赤血球におけるC4dおよびCR1のレベルを提供する。

Claims (30)

  1. 個体において炎症性疾患または炎症状態を診断またはモニタリングするための方法であって、ただし、該炎症性疾患または炎症状態は、全身性エリテマトーデス(SLE)でも強皮症でもなく、該方法は、
    (a)該個体由来の赤血球における補体経路成分のレベルを決定する工程、および
    (b)該補体経路成分レベルを補体経路成分のコントロールレベルと比較する工程であって、該補体経路成分の該コントロールレベルからの差が、該個体が該炎症性疾患または炎症状態を有することを示す、工程
    を包含する、方法。
  2. 前記炎症性疾患または炎症状態が、C型肝炎感染、鎌状赤血球貧血、移植手順の合併症、および妊娠の合併症からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記炎症性疾患または炎症状態が、C型肝炎感染である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記補体経路成分が、補体リガンドBbである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記補体経路成分Bbのレベルが、補体成分Bbに特異的な抗体を用いて決定される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記補体経路成分Bbに特異的な抗体が標識される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記補体経路成分Bbに特異的な抗体が、モノクローナル抗体である、請求項5に記載の方法。
  8. 少なくとも1つの他の補体経路成分のレベルが決定される、請求項4に記載の方法。
  9. 補体経路成分C3dのレベルが決定される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記補体経路成分が、補体リガンドC3dである、請求項3に記載の方法。
  11. 前記補体経路成分C3dのレベルが、補体成分C3dに特異的な抗体を用いて決定される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記補体経路成分C3dに特異的な抗体が標識される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記補体経路成分C3dに特異的な抗体が、モノクローナル抗体である、請求項11に記載の方法。
  14. 少なくとも1つの他の補体経路成分のレベルが決定される、請求項10に記載の方法。
  15. 前記炎症性疾患または炎症状態が、鎌状赤血球貧血である、請求項2に記載の方法。
  16. 前記補体経路成分が、補体リガンドC4dである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記補体経路成分が、補体リガンドC4dである、請求項15に記載の方法。
  18. 前記補体経路成分C4dのレベルが、補体成分C4dに特異的な抗体を用いて決定される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記補体経路成分C4dに特異的な抗体が標識される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記補体経路成分C4dに特異的な抗体が、モノクローナル抗体である、請求項18に記載の方法。
  21. 少なくとも1つの他の補体経路成分のレベルが決定される、請求項17に記載の方法。
  22. 前記炎症性疾患または炎症状態が、移植手順の合併症である、請求項2に記載の方法。
  23. 前記補体経路成分が、補体リガンドC4d、補体リガンドC3dおよび補体リガンドiC3bからなる群より選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記炎症性疾患または炎症状態が、妊娠の合併症である、請求項2に記載の方法。
  25. 前記補体経路成分が、C4dおよびCR1からなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
  26. 個体において炎症性疾患または炎症状態を診断またはモニタリングするためのキットであって、ただし、該炎症性疾患または炎症状態は、全身性エリトマトーデスでも強皮症でもなく、該キットは、補体経路成分に特異的な抗体、および該補体経路成分のレベルを補体経路成分のコントロールレベルと比較するための手段を備える、キット。
  27. コンピュータ読み取り可能媒体であって、
    (a)赤血球の表面に沈着された補体経路成分の決定に対応するデータを受け取るためのコード;
    (b)個体の赤血球の表面に沈着された該補体経路成分についての基準値を取り出すためのコード;
    (c)(a)における該データを(b)における該基準値と比較するためのコードであって、該データの比較が、個体において炎症性疾患または炎症状態を診断またはモニタリングするために使用され、ただし、該炎症性疾患または炎症状態は、全身性エリトマトーデスでも強皮症でもない、コード
    を含む、コンピュータ読み取り可能媒体。
  28. 個体において血管疾患または血管の状態を診断またはモニタリングするための方法であって、該方法は、
    (a)血小板を含む該個体由来の血液サンプルにおいて、該サンプル中の血小板の表面上の補体経路成分のレベルを決定する工程、および
    (b)該決定を、該補体経路成分のコントロールレベルと比較する工程であって、該補体経路成分の該コントロールレベルからの差が、該個体が該血管疾患または血管の状態を有することを示す、工程
    を包含する、方法。
  29. 前記補体経路成分が、C1q、C3b、iC3b、C3d、C4b、iC4b、C4d、C5b−9、Bbおよびマンノース結合レクチン(MBL)からなる群より選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記個体が、全身性エリトマトーデスを有する、請求項28に記載の方法。
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