JP2007501830A - ロシグリタゾンおよび他の抗糖尿病剤を含有する新規組成物 - Google Patents

ロシグリタゾンおよび他の抗糖尿病剤を含有する新規組成物 Download PDF

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Abstract

コアがロシグリタゾンまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有し、該コアが1またはそれ以上の開口部をもつコーティングを有し、該コーティングが所定のpH条件下で浸食性である点で特徴付けられる、浸食性コアを含む経口投与形態;かかる投与形態の調製方法およびかかる投与形態の医薬における使用。

Description

発明の詳細な説明
(技術分野)
本発明は、5−[4−[2−(N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ)エトキシ]ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン(以後「化合物A」という)またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する経口投与形態、かかる投与形態の調製方法およびかかる投与形態の医薬における使用に関する。
(背景技術)
有効剤の放出速度を制御するためのコーティングの使用は、かなりの注目を集め、そして多くの異なる装置がかかる目的のために開発されてきた。例えば、国際特許出願公開番号WO 01/05430は、pH依存の溶解性を示す薬剤物質、特に、低いpHレベル(pH2未満)において、ほぼ中性のレベル(約pH5以上)よりも溶解する化合物を送達し得るドラッグデリバリー装置を記載している。かかるデリバリー装置は、使用環境の体液に不浸透性かつ不溶解性であるコーティングの存在により特徴付けられる。
国際特許出願公開番号WO 95/30422は、アジスロマイシンの、一連の放出制御型投与形態を記載している。特に、pH依存のコーティングの使用により、高濃度アジスロマイシンへの上部GI管(例えば、胃)の曝露を減じる、一連の投与形態が記載されている。かかる投与形態は、薬剤物質の放出が生じてもよい開口部を特色としていない。
米国特許第6,099,859号は、抗高血糖剤を送達するための放出制御型錠剤を記載しており、該剤は、浸透活性のある薬剤を含有するコアおよび半透膜を含み、該半透膜は、水および体液の通過に対して浸透性であり、かつ薬剤物質の通過に対して不浸透性である。半透膜は、抗高血糖剤の放出について、少なくとも1つの通路を含む。
米国特許第5,543,155号は、拡散−浸透圧制御の薬剤放出性医薬組成物を記載しており、これは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する1または2層の錠剤コアであって、メタクリル酸アンモニウムコポリマーを含有するフィルムコートを有するコアを含む。
活性剤の放出速度を制御するためにコーティングを利用するさらなる装置が、米国特許第5,004,614号に記載されている。この特許は、周囲の体液に対して実質的に不浸透性である外側コーティングが施された錠剤のコアを記載している。この外側コーティングは、周囲の体液に不溶性であるかまたは溶解性である物質から調製されてもよい。溶解性の物質が用いられる場合には、コーティングは、望ましい、有効剤の制御された放出時間が過ぎる前に、コアが周囲の体液に曝されない程、十分に厚い。周囲の体液にコアへの到達経路を与えるように、この不浸透性の外側コーティングに、1またはそれ以上の開口部が形成される。故に、コーティングされた錠剤を摂取すると、胃腸液はその開口部へ入り、そしてコアに接触または浸透し、有効剤を放出し得る。結果として、活性剤は、その開口部からの制御された様式でのみ放出される。好ましい形状は、コーティングされた錠剤の上部および下部面に円形の穴があることである。問題となっている開口部は、コーティングされた錠剤の表面積の約10ないし60%の面積を占める。薬剤の放出速度は、開口部の径ならびにマトリックスのコアおよび有効剤の溶解性に直接関連することが見出されており、それにより、様々な薬剤放出プロフィールを0または1次放出とする可能性が考慮される。
米国特許第5,004,614号の実質的に不浸透性のコーティングは、全ての活性剤、特に医薬的に活性のある弱塩基またはその医薬上許容される塩および溶媒和物の放出制御に適当でない。かかる活性剤は著しいpH依存の溶解性を示し、すなわち、それらは、pH7前後などの、小腸のほぼ中性条件における溶解性と比べて、胃において見られる領域と関連があるpH2前後にてより溶解性がある。
国際特許出願公開番号WO 03/068195は、化合物Aなどの、医薬的に活性のある弱塩基またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する浸食性コアを含む経口投与形態を開示しており、該コアは、1またはそれ以上の、コアに至る開口部をもつコーティングを有するコアであり、そして、該コーティングは所定のpH条件下で浸食性である。このことは、有効化合物の放出が1つ以上のpH環境で生じることが望ましい場合に、コーティングがpH依存の様式で浸食性または溶解性であるためにも有益であるという知見に基づいて、化合物Aなどの、医薬的に活性のある弱塩基またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を投与するための有益な手段を提供する。
(発明の開示)
我々は、今、国際特許出願WO 03/068195に記載の経口投与形態が、化合物Aなどの1以上の活性剤またはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を送達するためのプラットホームとして効果的に用いられてもよいことを見出した。この目的のために、かかる経口投与形態は、抗糖尿病剤が狭い吸収帯を有する場合に、他の抗糖尿病剤を送達するための有益な手段を提供する。
欧州特許出願公開第0 306 228 A1は、抗高血糖性および抗高脂血症性活性を有するとして開示された特定のチアゾリジンジオン誘導体に関する。EP 0 306 228 A1にて開示された一の特定のチアゾリジンジオンは化合物Aである。国際特許出願公開番号WO 94/05659は、その実施例1のマレイン酸塩を含む、化合物Aの特定の塩を開示している。化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくはその医薬上許容される溶媒和物は、知られている方法(例えば、EP 0 306 228 およびWO 94/05659にて開示されているもの)を用いて調製されてもよい。EP 0 306 228およびWO 94/05659の開示内容は、出典明示により本明細書に組み込まれる。
化合物Aは、医薬上許容される弱塩基である。
化合物Aおよびその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、有用な医薬用途を有する。特に、化合物Aまたはその塩もしくは溶媒和物は、真性糖尿病、真性糖尿病に関連する状態およびその特定の合併症;代謝性疾患、耐糖能異常および空腹時血糖異常の処置および/または予防のために有用であることが示される。
国際特許出願公開番号WO 01/35941は、化合物Aなどのチアゾリジンジオンまたはその医薬上許容される誘導体および塩酸メトホルミンなどの他の抗糖尿病剤を含有する、特定の一定用量の組成物を開示している。
欧州特許第0 861 666号は、ピオグリタゾンなどのインスリン感受性増感剤または化合物Aおよびメトホルミンを含有する医薬組成物を記載している。
国際特許出願公開番号WO 00/28989は、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する、様々な放出修飾型の医薬組成物を記載している。
米国特許出願公開米国特許2003/0187074は、塩酸メトホルミンなどのビグアナイドを含む、経口デリバリーシステムを記載しており、これは、周囲のpHに依存しないビグアナイドの放出制御を提供する。
米国特許第6,475,521号および第6,660,300号は、塩酸メトホルミンなどの、高い水溶性を有する医薬に関する放出制御型のデリバリーシステムを記載している。
化合物Aおよびその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物、特にマレイン酸塩は、顕著なpH依存の溶解性を示すことが知られおり、すなわち、それらは、腸下部の中性付近の条件(pH7前後)よりも胃の酸性条件(pH2前後)において、より溶解する。
メトホルミンなどの特定の抗糖尿病剤は、狭い吸収帯を有することが知られている。故に、かかる剤が胃などの特定の薬理学的環境に実質的に独占的に送達されることが好ましい。
故に、本発明の目的は、他の抗糖尿病剤を胃などの特定の薬理学的環境に実質的に独占的に送達することより、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物のpH依存の溶解性を補填し、およびメトホルミンなどの特定の他の抗糖尿病剤の狭い吸収帯を補填する経口投与形を提供することである。かかる投与形態は、血糖コントロールへの有益な効果を長時間提供することが示される。かかる投与形態は一日一回の投与に適していると考えられる。
従って最も広い態様において、本発明は、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する浸食性コアを含む経口投与形態を提供し、該コアは、1またはそれ以上の開口部をもつコーティングを有し、そのコーティングが所定のpH条件下で浸食性である点で特徴付けられる。
本発明は、
(i)コアが、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する、浸食性コア;および
(ii)コーティングが、コーティングに実質的に完全に伸長するも、コアを実質的に貫通しておらず、使用環境を該コアと連絡している、1またはそれ以上の開口部を含む、コアの周りの浸食性コーティング;
を含み、浸食性コアからの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の放出が、開口部を介して、および所定のpH条件下での浸食性コーティングの浸食を介して実質的に生じる、経口投与形態をさらに提供する。
適当には、投与形態は錠剤である。
浸食性であるコアについての上記記載は、周囲の体液と接触する際に、体液を活性剤へ接触させ得るように、コアが部分的または完全に崩壊するか、または溶解するか、または多開口性になる場合を包含する。適当には、コアは部分的に崩壊する。適当には、コアは完全に崩壊する。適当には、コアは溶解する。適当には、コアは多開口性になる。
本発明はコーティングの浸透がpH−依存性であると定めているが、コアは、pHに依存しない様式での浸食により、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を放出してもよい。しかしながら、特定の要望を満たすために、コアは、コアのpH依存の浸食または崩壊を可能とし、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤をそのマトリックスから放出させる物質であってもよい。
一の実施態様において、コアは、胃および腸の両方において実質的に同じ程度で浸食されるように処方される。
浸食性コアは、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の少なくとも1つを、即時型または修飾された型で放出するように処方されてもよい。適当には、コアは、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の両方を即時型で放出するように処方される。別法では、コアは、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の両方を修飾された型で放出するように処方される。
コアのための適当な物質は、オイドラギット(登録商標)L30Dのごときオイドラギット(登録商標)シリーズなどの浸食性ポリメチルメタクリル樹脂、ラクトースおよびマルトースなどのサッカロース、ならびにメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)およびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロースエステル、ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウムおよびポリビニルピロリドンなどのポビドンを包含する。適当には、コアは主に、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトースおよびポビドンである。より適当には、コアは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、微結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ポビドンおよびステアリン酸マグネシウムから本質的に構成される。
浸食性であるコーティングについての上記記載は、周囲の体液と接触する際に、体液をコアへ接触させ得るように、コーティングが部分的または完全に崩壊するか、または溶解するか、または多開口性になる場合を包含する。適当には、コーティングは部分的に崩壊する。適当には、コーティングは完全に崩壊する。適当には、コーティングは溶解する。適当には、コーティングは多開口性になる。好ましくは、浸食性コーティングは腸溶性コーティングであり、すなわち、それは、溶解する、確定した所定のpH閾値を有する。好ましくは、コーティングは4.5より高いpHで浸食する。より好ましくは、コーティングは4.5ないし8の範囲のpHにおいて浸食する。最も好ましくは、コーティングは、5ないし7の範囲のpHにおいて浸食する。好ましくは、腸溶性コーティングは不浸透性である。
胃環境に存在する場合に迅速に浸食するコーティングの使用は、メトホルミンなどの他の抗糖尿病剤が狭い吸収帯を有する場合に、特に有益であることが見出されている。かかる状況において、胃で放出されないいずれの活性剤も、迅速に送達されて小腸へ入り、それにより、GI管を下方に向かうにつれて低下する送達と関連する吸収の損失を最小限にする。
本発明においてpH依存の浸食性コーティング物質として用いるために適当な物質およびその混合物は、様々なポリメタクリル酸ポリマー、共処理されたフタル酸ポリ酢酸ビニル、トリメリト酸酢酸セルロース、フタル酸酢酸セルロース、セラック、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートポリマーおよびそのコポリマーを包含する。適当には、コーティング物質は、トリメリト酸酢酸セルロース(CAT)、フタル酸酢酸ポリビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート50、ヒドロキシプロピルネチルセルロースフタラート55、アクリル−エゼ(Acryl−eze)(登録商標)、アクアテリック(Aquateric)(登録商標)、フタル酸酢酸セルロース、オイドラギット(登録商標)L30D、オイドラギット(登録商標)L、オイドラギット(登録商標)Sおよびセラック)から選択される。最も好ましくは、コーティング物質はオイドラギット(登録商標)L30Dである。
必要に応じて、浸食性コーティングは、可塑剤またはアンチタック(anti−tack)剤の付加により修飾されてもよい。この目的のための適当な物質は、グリセリドなどのロウ様物質(例えばモノステアリン酸グリセリル)を包含する。
コーティングに形成されるべき開口部についての典型サイズは、円形である場合に、錠剤の全サイズおよび所望の放出速度に依存して、例えば、径1、2、3、4、5または6mmなどの、径0.5mm−8mmの範囲である。開口部は任意の都合のよい形状を有してもよいが、例えば、ほぼ円形または楕円形などの丸形が一般的に好ましい。放出速度が個々の投与形態において均一であり得るならば、例えば、テキスト文字または図形などの、より複雑な形状も形成されてもよい。円形でない開口部の典型サイズは、円形の開口部について前記したサイズと面積が同等であり、従って、約0.19ないし約50.3mmの範囲にある。
本発明の目的のために、用語「開口部」は、穴、孔、オリフィス、通路、出口などと同意義である。
開口部は、米国特許第5,004,614号で開示された方法により形成されてもよい。典型的に、開口部は、ドリルによってか(例えば、機械ドリルのビットまたはレーザー光を用いて)、または切り口を除去するパンチにより形成されてもよい。開口部を形成することで、デフォルトで、曝露されるコアの小さな部分が除かれてもよい。放出速度を制御する装置のように、開口の下に腔を意図的に形成することも可能であり、その腔で、平滑な表面よりもコアの最初に曝露される表面積は大きくなる。適当には、装置が所望の使用環境に置かれた場合に、コアを周囲の体液へ即時に曝すように、開口部は、浸食性コーティングに完全に伸びている。
開口部形成剤、すなわち、胃で溶解し、コーティングに開口部を形成するだろう物質を含むコーティングを形成することにより、投与形態が投与される場合に、系内にて開口部を形成することも可能である。従って、
(i)化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する、浸食性コア;および
(ii)1ないし3の範囲のpHにおいて浸食され、コーティングを通じては実質的に完全に伸長するも、コアを実質的に貫通せず、使用環境を該コアと連絡する、1またはそれ以上の開口部を形成する開口部形成剤を含む、コアの周りの浸食性コーティング;
を含み、投与形態からの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の放出は、開口部の浸食性コアの浸食を介して、かつ所定のpH条件下での浸食性コーティングの浸食を介して生じる、経口投与形態も提供される。
米国特許第5,004,614号において、好ましくは、開口部は、錠剤の全表面積、すなわち、両凸の錠剤の上部および下部面の約10−60%を占める。本発明において、開口部は、全表面積の0.25ないし70%、例えば10−70%を占めてもよい。
或いは、コーティングされた錠剤の全表面積に対する開口部の面積を参照することにより、開口部の速度制御効果を特徴付けることが有用であってもよい。さらに、コアが開口部の下端を切除することで浸食する場合には、特に、速度制御効果は、開口部の全円周に関連していてもよい。
予期せぬ知見は、2つの開口部、例えば、両凸の錠剤の主な表面上それぞれに1つのものは、全面積が同じである1つの開口部のものよりもわずかに早い速度でコアから活性剤を放出することである。2つの開口部からの放出速度のばらつきは、対応する1つの開口部からの放出速度のばらつきよりも小さいことも示される。従って、本発明の一の実施態様において、コアのコーティングは、2またはそれ以上の開口部を備える。より好ましくは、コアの周りの浸食性コーティングは2つの開口部を備えており、これは、コーティングに実質的に完全に伸長するも、コアを実質的には貫通せず、使用環境を該コアと連絡する。
1以上の開口部が備えられる場合には、開口部は、経口投与形態の同じ面または違う面に位置されてもよい。適当には、経口投与形態は2つの開口部を有しており、それぞれは相対する面にある。適当には、経口投与形態は相対する2つの主な面を有し、各表面がコーティングに1つの開口部を有する錠剤である。
コア物質の保護として、投与前に開口部を介する汚染を防ぐために、コアまたは開口部形成後の投与形態のどちらかに対して、慣用的なシールコーティングが所望により施される。シールコートは、浸食性コーティングに対してサブコートまたはオーバーコートであってもよい。
経口投与形態が、メトホルミンなどの狭い吸収帯を有することが知られている抗糖尿病剤を含有する場合には、好ましくは、投与形態は、抗糖尿病剤を胃などの特定の薬理学的環境に実質的に独占的に送達させるように処方される。他の抗糖尿病剤を胃に実質的に独占的に送達させる必要がある場合には、経口投与形態は、適当には、長期間にわたり胃部環境に滞在するように処方される。胃部での滞留時間の増大は、例えば投与形態のサイズを増大させることおよび/または食物と一緒に投与形態を投与することにより、達成されてもよい。
本発明のさらなる態様に従い、本発明に記載の経口投与形態の調製方法が提供され、該方法は、
(a)化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する浸食性の錠剤のコアを調製し;
(b)コアをpH依存の浸食性を有する物質でコーティングし;および
(c)コーティングに1またはそれ以上の開口部を形成する:
ことを含んでなる。
さらに、本発明のさらなる態様において、本発明に記載の経口投与形態の調製方法が提供され、該方法は、
(a)化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する浸食性の錠剤コアを調製し;
(b)コアをpH依存の浸食性を有する物質でコーティングし;および
(c)コーティングに、該コーティングを通じて実質的に完全に伸長するも、実質的にコアを貫通しておらず、使用環境を該コアと連絡している、1またはそれ以上の開口部を形成する:
ことを含んでなる。
コアは、適当な成分を圧縮し、投与形態のコア(本明細書中「錠剤のコア」とも言う)を含む圧縮塊を形成することにより調製されてもよい。これは、慣用的な錠剤の賦形剤および処方の圧縮法を用いて調製されてもよい。故に、コアは、典型的に、希釈剤、結合剤および潤滑剤のごとき、十分な加工および圧縮特性を与える賦形剤に加えて、有効剤を含有する。装置のコア部分を形成してもよいさらなる賦形剤は、崩壊剤、香料、着色剤、放出修飾剤および/または界面活性剤などの可溶化剤、pH修飾剤および錯化ビヒクルを包含する。
典型的に、活性剤および賦形剤は、圧縮前に固体コアへ徹底的に混合される。装置のコアは、湿式造粒法、乾式造粒法または直接圧縮により形成されてもよい。コアは、凸2面体、半球型、ほぼ半球型、球型、卵型、概ね楕円型、長楕円型、概ね円筒型または三角柱の型などの多面角のごとき、任意の望ましい予め選択した形状に従い形成されてもよい。用語「ほぼ半球型」は、米国特許第5,004,614号に記載の様式で構築されるべきことが意図される。適当には、コアは凸2面体、例えば、2つの半球型の相対する面を有する、に処方される。加えて、コアは多層(例えば、2−または3−層)形態に形成されてもよい。例えば、コアは2層として処方されてもよく、ここで、1層は化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有し、そしてもう1層は他の抗糖尿病剤を含有する。
コアは、医薬上許容されるコーティング方法により、適当なpH依存の浸食性物質でコーティングされてもよい。例えば、米国特許第5,004,614号において開示されたコーティング方法およびフィルムコーティング、糖衣、スプレーコーティング、ディップ(dip)コーティング、圧縮コーティング、静電気コーティングを含む。典型的な方法は、回転パンコーターまたは流動層コーター中で、コーティングが所望の厚さに達するまで、錠剤コアへコーティングをスプレーすることを含む。適当には、コーティングは、錠剤表面の周りに約4ないし8mg/cmまたは5−7mg/cmの乾燥ポリマーを付加される。典型的に、これは(コアに対して)3−10重量%または5−10重量%の重量増大を生じる。適当には、コーティングは0.05ないし0.5mmの範囲の厚さを有する。
本明細書中用いるように、用語「放出修飾型」は、処方の選択により所望の薬物動態プロフィールを生じるように設計されている組成物を意味する。放出修飾型は、放出修飾型でない組成物との組み合わせの放出修飾型の組成物も含む。例えば、用語「放出修飾型」は、単独または任意の組み合わせにおいて、遅延型、パルス型および持続型の放出を含むだろう。
一の態様において、放出修飾型の組成物は、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の少なくとも1つの遅延型放出を提供する。遅延型放出は、腸溶性処方などの胃に耐性のある処方の使用により、慣用的に得られる。かかる腸溶性処方は、胃に耐性のあるポリマーでコーティングされた多粒子粒状物などの多粒子を含んでもよい。適当な、胃に耐性のあるポリマーは、メタクリル酸、フタル酸酢酸セルロース、フタル酸酢酸ポリビニルおよびフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースに由来するポリマーを含む。かかるポリマーの例は、オイドラギット L30D−55(登録商標)またはオイドラギット FS30D(登録商標)などの、オイドラギット L100−55(登録商標)(ポリ(メタクリル酸、アクリル酸エチル)1:1)、アクアテリック(登録商標)(フタル酸酢酸セルロース)、Sureteric(登録商標)(フタル酸酢酸ポリビニル)、HPMCP−HP−55S(登録商標)(フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を含む。
多粒子は、ラクトース粒状物などのコーティングされた薬剤でコーティングされたノンパレイル(non−pareil)な基質、またはラクトース粒状物を含有する薬剤などのノンパレイルな基質を含有する薬剤を含む。かかる多粒子は、必要に応じて、ポリメタクリル酸ポリマーなどの適切な腸溶性処方でコーティングされる。適当なポリメタクリル酸ポリマーの例は、オイドラギット L30D−55(登録商標)またはオイドラギット FS 30D(登録商標)などの、オイドラギット L100−55(登録商標)(ポリ(メタクリル酸、アクリル酸エチル)1:1)である。
さらなる一の態様において、放出修飾型の組成物は、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の少なくとも1つの持続型放出を提供し、例えば、最大26時間;適当には4ないし24時間の範囲;好ましくは12ないし24時間の範囲にわたる活性剤の放出を提供する。
持続型の放出は、典型的に、崩壊性、非崩壊性または浸食性のマトリックスのごとき、通常、錠剤形態である、持続型放出のマトリックスの使用により提供される。
持続型の放出は、適当には、非崩壊性マトリックスの錠剤処方の使用により得られる。適当な非崩壊性マトリックスの錠剤処方は、メタクリル酸、酢酸セルロース、カルボマーおよびフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースを錠剤へ組み込むことにより提供される。適当な物質の例は、オイドラギット RS(登録商標)(ポリ(アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、トリメチルアンモニオエチルメタクリル酸クロリド)1:2:0.1)、オイドラギット RL(登録商標)(ポリ(アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、トリメチルアンモニオエチルメタクリル酸クロリド)1:2:0.2)、Carbopol 971P(登録商標)(カルボマー)、HPMCP−HP−55S(登録商標)(フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を含む。
持続型の放出は、崩壊性マトリックスの錠剤処方を用いることにより、例えば、メタクリル酸、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースを錠剤へ組み込むことによってさらに得られる。適当な物質の例は、オイドラギット L(登録商標)(ポリ(メタクリル酸、アクリル酸エチル)1:1)およびMethocel K4M(登録商標)(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)を含む。
持続型の放出は、半透膜でコーティングされた多粒子を用いることによっても達成され得る。多粒子は、ラクトース粒状物などのコーティングされた薬剤でコーティングされたノンパレイルな物質、またはlactose/Avicel(登録商標)(微結晶セルロース)粒状物を含有する薬剤などの基質を含有する薬剤を含む。かかる多粒子は、必要に応じて、エチルセルロースポリマーなどの適切な半透膜でコーティングされる。
さらなる態様において、放出修飾型の組成物は、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の少なくとも1つのパルス型放出を提供し、例えば、24時間あたり活性剤のパルスを最大4、例えば2回提供する。
即時型放出の組成物のための適当な物質は、ラクトースおよびマルトースなどのサッカロース、ならびに微結晶セルロースなどのセルロースを含む。最も適当には、即時型放出の組成物は主に微結晶セルロースである。より適当には、即時型放出の組成物は、ラクトース、微結晶セルロースおよびステアリン酸マグネシウムから本質的に構成される。
上記したように、本発明の経口投与形態は、一日一回の投与に適していると考えられ、そして使用中は、長時間にわたって、例えば、単位用量あたり12、14、16、18、20および24時間までなどの最大24時間まで、治療効果を与えることが示される。
本発明に従い用いられる場合に、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物についての適当な用量は、最大12mgであり、例えば1ないし12mgである。故に、適当な投与形態は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12mgの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する。
特定の投与形態は、2ないし4mgの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する。
特定の投与形態は、4ないし8mgの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する。
特定の投与形態は、8ないし12mgの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する。
一の投与形態は、2mgの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する。
好ましい投与形態は、4mgの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する。
好ましい投与形態は、8mgの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物を含有する。
本発明に従う適当な他の抗糖尿病剤は、αグルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイドおよびインスリン分泌促進剤を包含する。
適当なαグルコシダーゼ阻害剤はアカルボースである。他の適当なαグルコシダーゼ阻害剤はエミグリタートおよびミグリトールである。さらに適当なαグルコシダーゼ阻害剤はボグリボースである。
適当なビグアナイドはメトホルミン、ブホルミンまたはフェンホルミン、特にメトホルミンを含む。メトホルミンの医薬上許容される好ましい塩は塩酸塩である。
適当なインスリン分泌促進剤はスルホニル尿素を含む。
適当なスルホニル尿素は、グリベンクラミド、グリピジド、グリクラジド、グリメピリド、トラザミドおよびトルブタミドを含む。さらなるスルホニル尿素は、アセトヘキサミド、カルブタミド、クロルプロパミド、グリボルヌリド、グリキドン、グリセンチド、グリソラミド、グリソキセピド、グリクロピラミドおよびグリシルアミドを含む。スルホニル尿素グリペンチドも含まれる。
さらに適当なインスリン分泌促進剤はレパグリニドを含む。さらなるインスリン分泌促進剤はナテグリニドである。
αグルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイドまたはインスリン分泌促進剤などの他の抗糖尿病剤の適当な用量、好ましくは単位用量は、the British and US Pharmacopoeias、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.)、Martindale The Extra Pharmacopoeia(London、The Pharmaceutical Press)(例えば31版341ページおよびその引用ページを参照のこと)もしくは上記した出版物などの参照テキストにおいて記載または参照されているような、これらの化合物の既知の許容用量を含む。
αグルコシダーゼ阻害剤については、アカルボースの適当量は、25ないし600mgの範囲内であり、50ないし600mgを含み、例えば100mgまたは200mgである。
ビグアナイドについては、メトホルミンの適当量は、100ないし3000mgの間であり、例えば、250、500mg、850mgもしくは1000mgであり、特に500mgおよび1000mgである。
インスリン分泌促進剤については、グリベンクラミドの適当量は、2.5ないし20mgの範囲内、例えば10mgまたは20mgであり;グリピジドの適当量は、2.5ないし40mgの範囲内であり;グリクラジドの適当量は、40ないし320mgの範囲内であり;トラザミドの適当量は、100ないし1000mgの範囲内であり;トルブタミドの適当量は、1000ないし3000mgの範囲内であり;クロルプロパミドの適当量は、100ないし500mgの範囲内であり;およびグリキドンの適当量は、15ないし180mgの範囲内である。また、グリメピリドの適当量は、1ないし6mgの範囲内であり、そしてグリペンチドの適当量は、2.5ないし20mgの範囲内である。
レパグリニドの適当量は、0.5mgないし20mgの範囲内であり、例えば16mgである。また、ナテグリニドの適当量は、90ないし360mgであり、例えば270mgである。
投与形態が化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物およびメトホルミンを含有する場合には、特に好ましい一定用量は、2mgの化合物Aおよび500mgのメトホルミン;4mgの化合物Aおよび500mgのメトホルミン;2mgの化合物Aおよび1000mgのメトホルミン;4mgの化合物Aおよび1000mgのメトホルミン;ならびに8mgの化合物Aおよび1000mgのメトホルミンである。
上記した変数および露出したコアの表面積の補正により、異なる環境条件における放出速度が調和され、異なる体内環境下で同程度の放出速度を得、そして患者に対してより一定の投与を達成し得る。
好ましくは、本発明の経口投与形態の溶解速度は、投与形態が投与の際に経験する異なるpH環境において放出速度が実質的に同様になるように、例えば浸食性コーティングおよび開口部の大きさを慣用的に調節することにより整えられる。溶解速度は、適切なpHの溶液中におけるインビトロ試験により評価されてもよい。例えば、胃および腸における溶解を比較する場合には、最初はpH1.5で試験を行い、概念として空腹および満腹状態それぞれの患者の腸へ移される前に、胃の中に存在していると想定される時間である、2ないし4時間後にpH6.8へ移行してもよい。或いは、試験は満腹時の胃環境を刺激するために初めpH4.0で行い、5時間後にpH6.8へ移行してもよい。
上記したように、本発明の経口投与形態にて投与される場合に、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、真性糖尿病、真性糖尿病に関連する状態およびその特定の合併症;代謝性疾患、耐糖能異常および空腹時血糖異常(以後、「本発明の疾患」と言う)の処置および/または予防に有用であることが示される。適当には、本発明の経口投与形態にて投与される場合に、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、真性糖尿病、真性糖尿病に関連する状態およびその特定の合併症の処置および/または予防に有用であることが示される。適当には、本発明の経口投与形態にて投与される場合に、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、代謝性疾患の処置および/または予防に有効であることが示される。適当には、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、耐糖能異常の処置および/または予防に有用であることが示される。適当には、本発明の経口投与形態にて投与される場合に、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物は、空腹時血糖異常の処置および/または予防に有用であることが示される。
好ましい実施態様において、本発明は、本発明の疾患を処置および/または予防するための方法であって、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する本発明の経口投与形態を、その必要のあるヒトもしくはヒト以外の哺乳類へ投与することを含んでなる方法を提供する。
さらに好ましい実施態様において、本発明は、本発明の疾患の処置および/または予防において用いるための、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する経口投与形態を提供する。
他の抗糖尿病剤の適当な医薬上許容される形態は、用いられる特定の剤に依存するが、選択された特定の剤の医薬上許容される既知の形態も含まれる。かかる誘導体は、the British and US Pharmacopoeias、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.)、The Extra Pharmacopoeia(London、The Pharmaceutical Press)(例えば、31版341ページおよびそこでの引用ページを参照のこと)および上記した出版物などの標準的な参照テキストにおいて見出されるかまたは参照されている。例えば、メトホルミンの特定の形態は塩酸メトホルミンであり、レパグリニドの特定の形態は安息香酸塩の形態であり、およびトルブタミドの特定の形態はナトリウム塩の形態である。
本明細書中用いられるように、用語「医薬上許容される」は、ヒトおよび獣医用途の両方のための化合物、組成物および成分を包含する。例えば、用語「医薬上許容される塩」は、獣医学的に許容される塩を包含する。特に、化合物Aの適当な医薬上許容される塩の形態は、欧州特許第0 306 228号および国際特許出願公開番号WO 94/05659に記載のものを含む。化合物Aの特に好ましい塩は、マレイン酸塩である。化合物Aの好ましい医薬上許容される溶媒和物形態は、水和物である。
本明細書中用いられるように、用語「Cmax」は、平均最大血漿レベル濃度を意味する。
本明細書中用いられるように、用語「AUC」は、定常状態での、投与間隔を通じての、時間に対しての血漿濃度曲線下の平均面積を意味する。
上記した処置において、有害な毒性効果は全く示されなかった。
本明細書に引用した特許、特許出願を含め、全ての文献は、出典明示によりその全体を本明細書の一部とする。
以下の実施例において、錠剤のコアは、慣用的な手法により、活性成分と賦形剤を一緒に混合し、ついで圧縮して、錠剤のコアを形成することにより形成した。これらの実施例は、例示を意図としたものであって、本発明を限定せず、さらに化合物Aおよびメトホルミンの組み合わせは、本発明の使用に適当な組み合わせの単なる一例として用いられる。
実施例1
コアを以下の処方:
Figure 2007501830

から形成し、圧縮により19.0mm×9.2mmの卵型錠剤(1174mg)を形成した。
錠剤のコアを、HPMCベースのサブコートおよびpH5.5で溶解するポリメタクリル酸樹脂でコーティングした(全重量1246.5mg)。
コーティングされたコアの2つの主な表面のそれぞれにあるコーティングに径3.0mmの開口部をドリルであけ、コア表面を露出させた。
実施例2
コアを以下の処方:
Figure 2007501830

から形成し、圧縮により19.0mm×9.2mmの卵型錠剤(1174mg)を形成した。
錠剤のコアを、HPMCベースのサブコートおよびpH5.5で溶解するポリメタクリル酸樹脂でコーティングした(全重量1246.5mg)。
コーティングされたコアの2つの主な表面のそれぞれにあるコーティングに径4.0mmの開口部をドリルであけ、コア表面を露出させた。
化合物Aおよびメトホルミン(「化合物B」)に関する、実施例1および2の投与形態についての溶解プロフィールを、添付の図の図1および図2にそれぞれ示す。溶解試験は初めpH4.0で行い、5時間後にpH6.8へ移行した。
AVANDAMET(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 2mg/メトホルミンHCl 500mg、1日2回投与)の市販処方、およびGlucophaget XR(メトホルミンHCl 2×500mg)とAVANDIA(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 4mg)の併用投与と比較して、AVANDAMET(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 4mg/メトホルミンHCl 1000mg)の6つの長期放出性(extended release)処方の薬物動態を評価するための研究
第一の目的
AVANDAMET(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 4mg/メトホルミンHCl 1000mg)の6つの長期放出性処方の1回投与時薬物動態を、AVANDAMET(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 2mg/メトホルミンHCl 500mg、1日2回投与)の市販処方と比較すること。
AVANDAMET(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 4mg/メトホルミンHCl 1000mg)の6つの長期放出性処方の1回投与時薬物動態を、Glucophage XR(メトホルミンHCl 2×500mg)とAVANDIA(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 4mg)の併用投与のものと比較すること。
第二の目的
AVANDAMET(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 4mg/メトホルミンHCl 1000mg)の6つの長期放出性処方それぞれの1回経口投与;AVANDAMET(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 2mg/メトホルミン 500mg、1日2回投与)の現在市販されている処方;およびGlucophage XR(塩酸メトホルミン 2×500mg)とAVANDIA(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 4mg)市販錠剤の併用投与の安全性および耐用性を評価すること。
現在市販されている処方のAVANDAMET(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 2mg/メトホルミンHCl 500mg、1日2回投与)の薬物動態を、Glucophage XR(メトホルミンHCl 2×500mg)とAVANDIA(登録商標)(マレイン酸ロシグリタゾン 4mg)の併用投与のものと比較すること。
研究計画
この研究は、健常ボランティアにて実施した、3つの並行群を用いた、ランダムで、非盲検の、4期にわたる、期間平衡の、クロスオーバー研究であった。各対象は4つの研究セッションに参加し、少なくとも7日間の洗い出し期間により分けられた。各研究セッションにおいて、対照は、AVANDAMET(登録商標)、Glucophage XRを加えたAVANDIA(登録商標)の1回経口投与か、またはAVANDAMET(登録商標)の6つの長期放出性処方の2回投与のどちらかを、満腹状態の夕方にランダムに受けた。
対象の数および性質
51人の対象が本研究に登録し、そして39人の対象が本研究を完了した。対象は、体重>50kg(110lbs)およびボディー・マス・インデックス(BMI)が19ないし30kg/mの、18歳ないし65歳(両端を含む)の健康な成人男性および女性である。
評価基準
ロシグリタゾンおよびメトホルミンの薬物動態分析のための血漿試料は、各セッションにおいて研究の薬剤を投与する前に、24時間の間隔にわたって得た。血漿濃度−時間データを、ロシグリタゾンおよびメトホルミンについて分析した。データが許容される場合に、以下の薬物動態パラメーターを決定した:観察された最大血漿濃度(Cmax)、Cmaxまでの時間(tmax)、測定可能な最終濃度までの血漿濃度時間曲線下面積(AUC(0−t))、(AUC(0−36h))および無限大までの推定値(AUC(0−∞))、ならびに半減期(t1/2)。
安全性および耐用性を、有害事象、臨床検査室の評価(血液学、臨床化学および尿検査)、バイタルサイン(半横臥位の血圧、心拍数)、12−lead ECGおよび服用中の薬により評価した。研究の薬剤を少なくとも1回用量受けた全対象を、臨床的安全性および耐用性の評価に含めた。
薬物動態結果
相乗平均(範囲)メトホルミン薬物動態パラメーター:
Figure 2007501830
長期放出性処方#3から生じた、化合物A(マレイン酸ロシグリタゾン)について観察された血漿AUCは、参照の投与計画(すなわち、AおよびB)からのロシグリタゾンAUCに相当した。同様に、長期放出性処方#3から生じた、観察された血漿メトホルミンAUCは、参照の投与計画(すなわち、AおよびB)からのメトホルミンAUCに相当した。同様な長期放出性の血漿濃度プロフィールが、両活性剤について観察された。長期放出性処方#3の投与後、観察された、ロシグリタゾンおよびメトホルミンの薬物動態パラメーターの対象間のばらつきは、参照の処置群(投与計画AおよびB)と整合性があった。
結果
化合物Aおよびメトホルミンを含有する、1日1回の放出修飾型の錠剤処方は、化合物Aおよびメトホルミン(1日2回×2用量)を含有する即時型放出の錠剤処方の投与後に観察されたAUCと比較して、同等の血漿濃度時間曲線下面積(1回投与後)を与える。さらに、ロシグリタゾンおよびglucophage XRの併用投与の1回投与と比較して、AUCの同等性が、放出修飾型の処方(ロシグリタゾンおよびメトホルミン)間で実証された。
化合物Aの溶解プロフィールを示す。 化合物Bの溶解プロフィールを示す。

Claims (9)

  1. 5−[4−[2−(N−メチル−N−(2−ピリジル)アミノ)エトキシ]ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオンまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する浸食性コアを含む経口投与形態であって、該コアがコアに至る1またはそれ以上の開口部をもつコーティングを有し、コーティングが所定のpH条件下で浸食性である点で特徴付けられるところの、経口投与形態。
  2. (i)化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する、浸食性コア;および
    (ii)コーティングを通じては実質的に完全に伸長するも、コアを実質的に貫通しておらず、使用環境を該コアと連絡している、1またはそれ以上の開口部を含む、コアの周りの浸食性コーティング;
    を含み、浸食性コアからの化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の放出が、開口部を介して、および所定のpH条件下での浸食性コーティングの浸食を介して実質的に生じる、請求項1記載の、経口投与形態。
  3. 浸食性コーティングが腸溶性コーティングである、請求項1または請求項2記載の経口投与形態。
  4. 腸溶性コーティングが不浸透性である、請求項3記載の経口投与形態。
  5. 浸食性コアが、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤の両方の即時放出を提供するように処方される、請求項1記載の経口投与形態。
  6. 他の抗糖尿病剤がメトホルミンまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項1記載の経口投与形態。
  7. 投与形態が錠剤形態である、前記請求項いずれかに記載の経口投与形態。
  8. 請求項1記載の経口投与形態の調製方法であって、
    (a)化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する浸食性の錠剤コアを調製し;
    (b)該コアをpH−依存の浸食性を有する物質でコーティングし;および
    (c)該コーティング中に1またはそれ以上の開口部を形成する:
    ことを含んでなる方法。
  9. 本発明の疾患を処置および/または予防するための方法であって、請求項1記載の、化合物Aまたはその医薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の抗糖尿病剤を含有する経口投与形態を、その必要のあるヒトもしくはヒト以外の哺乳類へ投与することを含んでなる、方法。
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