JP2007500252A - ポリエチレンオキシドフィルムおよびそれからなる薬物送達系 - Google Patents

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Abstract

本発明は、自己凝集性でない均一な異質性を示すフィルム製品およびその調製に関する。フィルムは、水中で分解し、制御された乾燥工程または必要とされるフィルムの均一性を維持する他の工程によって形成できることが望ましい。フィルムは、親水性セルロースポリマーが任意に混合されていてもよいポリエチレンオキシドを含むポリマー成分を含有する。フィルムはまた、フィルム単位区域あたりの薬剤活性物および/または化粧用活性物の変動が10%を超えずに、薬剤活性物および/または化粧用活性物を含有することが望ましい。

Description

本出願は、2003年5月28日出願の米国特許仮出願第60/473,902号の利益を主張するものであり、また2002年10月11日出願のPCT/US02/32575の一部継続出願であり、その特許は、2002年2月14日出願の米国特許出願第10/074,272号の優先権を主張し、その出願は、2001年10月12日出願の米国特許仮出願第60/328,868号および2002年6月7日出願の米国特許仮出願第60/386,937号の優先権を主張しており;さらに2002年10月11日出願のPCT/US02/32542の一部継続出願でもあり、その特許は、2002年9月27日出願の米国特許仮出願第60/414,276号、2002年2月14日出願の米国特許出願第10/074,272号の優先権を主張し、その出願は、2001年10月12日出願の米国特許仮出願第60/328,868号および2002年6月7日出願の米国特許仮出願第60/386,937号の優先権を主張しており;さらに2002年10月11日出願のPCT/US02/32542の一部継続出願でもあり、その特許は、2002年4月11日出願の米国特許仮出願第60/371,940号、2002年2月14日出願の米国特許出願第10/074,272号の優先権を主張し、その出願は、2001年10月12日出願の米国特許仮出願第60/328,868号および2002年6月7日出願の米国特許仮出願第60/386,937号の優先権を主張している。
本発明は、急速溶解性フィルムおよびその調製方法に関する。このフィルムは、セルロースポリマーが任意に混合されていてもよいポリエチレンオキシドを含むポリマー成分を含有する。フィルムは、フィルム全体に一様に分布した活性成分を含有していてもよい。1種または複数のパラメーターの制御、特に、フィルム形成の前および最中に空気ポケットを除去し、またフィルムが固体構造を形成しているときに、フィルム中の成分の凝集または塊状化を低減する乾燥方法を使用することによって、一様または均一な分布を実現する。
薬物や医薬品などの活性成分は、錠剤形態に製剤すると、正確かつ一定な投与を可能にすることができる。しかし、薬剤のこの製剤および投薬の形は、取り扱うことのできる大きさにするために多量の佐剤を加えなければならないこと、大きな薬剤形態には余計な貯蔵スペースが必要であること、さらに投薬には錠剤のカウントが伴い、それが誤りを生じがちであることを含めて、多くの欠点を有する。さらに、人口の28%程度と推定される多くの人々は、錠剤を飲み込めない。錠剤は、飲み込み難さを克服する手段としてより小さい断片に割り、さらには砕くことができるが、これは、多くの錠剤または丸剤の形態にとって適切な解決策ではない。例えば、摂取しやすくするために錠剤または丸剤の形態を単独または食品と混ぜて砕くなり割るなりすることは、制御放出特性をも破壊しかねない。
錠剤および丸剤の代替品として、薬物や医薬品などの活性成分の担体にするのにフィルムを使用することができる。しかし、歴史的にみて、フィルム、ならびにそれから薬物送達系を作製する方法は、いくつかの不都合な特性を欠点としてもっており、そのために実際に使用できなくなっていた。
薬剤として活性のある成分が組み込まれているフィルムは、Fuchsらの米国特許第4,136,145号(「Fuchs」)で開示されている。これらのフィルムは、成形してシートにし、乾燥させ、次いで個々の用量に切断することができる。Fuchsの開示は、水溶性ポリマー、界面活性剤、着香剤、甘味剤、可塑剤および薬物を合わせたものを含む均一なフィルムの製造を主張している。柔軟であるというこれらのフィルムは、経口、局所、または直腸での使用に有用であると開示されている。Fuchsによって開示された特定の用途の例として、口、直腸、膣、鼻および耳の各区域を含む体の粘膜区域へのフィルムの適用が挙げられる。
しかし、Fuchsで開示された方法に従って作られたフィルムの実験では、そのフィルムが、それを本質的に不均一にする、粒子の凝集または塊状化、すなわち、自己凝集という欠点を持つことが明らかになった。この結果は、開示されてはいないが、おそらく比較的長い乾燥時間の使用を含み、それによって分子間引力、対流力、および空気流が助長されてそのような凝塊形成が生まれるためであるとするFuchsの製造パラメータに寄与できることができる。
凝塊の形成は、フィルム成分のみならず存在する活性物をランダムに分布させる。大量の投与量が含まれるときには、フィルム寸法の小さな変化が、フィルム1枚当たりの活性物の量に大きな差をもたらすはずである。そのようなフィルムが少ない投与量の活性物を含むものであるならば、フィルムの部分が活性物を実質的に欠いてしまうことが起こり得る。フィルムシートは、通常は単位用量に切断されるので、したがって、所定の用量が活性物を含まず、または推奨される治療には不十分な量の活性物しか含まないこともある。切断フィルム中の活性成分の量に関して高い精度が実現されないことは、患者にとって有害となり得る。このため、Fuchsなどの方法によって生成された剤形は、剤形中の活性物の変動に関して、米国連邦医薬局(「FDA」)などの政府系機関または取締機関の厳しい基準を満たしにくいはずである。一般に、様々な世界の取締当局が要求するところでは、剤形は、存在する活性物量が10%を超えて変動してはならない。フィルムを主体とした投与量単位に当てはめると、事実上フィルムが均一であることを要求している。
フィルムを不均一にする自己凝集の問題は、Schmidtの米国特許第4,849,246号(「Schmidt」)の中で扱われている。Schmidtは、Fuchsによって開示された方法が均一なフィルムを提供していないことを特に指摘し、さらに不均一なフィルムが必然的に正確な投与を妨げることを承知しているが、このことは、上で論じたように製薬学の分野で特に重要である。Schmidtは、Fuchsによって記載されているものなどの単層フィルムが正確な剤形を提供し得るという考えを断念し、それよりも多層フィルムの形成によってこの問題を解決しようと試みた。さらに、彼の方法は、費用および複雑さが増す多段階工程であり、商品としての使用には実用的でない。
他の米国特許は、従来のフィルム形成技術に本来存在する粒子の自己凝集および不均一性の問題を直接扱っている。不均一性を克服する1つの試みでは、Horstmannらの米国特許第5,629,003号およびZerbeらの米国特許第5,948,430号は、フィルム中の成分の凝集を低減する取組みの中で、乾燥前にフィルムの粘度を増大させるために追加成分、すなわち、それぞれゲル形成剤および多価アルコールを取り入れている。これらの方法は、追加の成分、言い換えれば追加のコストおよび製造工程が必要となる不利点を有する。さらに、どちらの方法も、乾燥オーブン、乾燥トンネル、真空乾燥機、または他のそのような乾燥設備を使用する高温空気浴など、従来の時間のかかる乾燥法を使用している。乾燥時間が長いと、粘度改質剤を使用してもやはり、活性物および他の佐剤の凝集が促進されやすくなる。このような方法は、活性物、すなわち薬物、ビタミンC、または他の成分を、活性物を無効にし、または有害にしさえもすることがある水分および高められた温度に長期間曝すという危険をも伴う。
水分に長期間曝される間の活性物の分解に関連した懸念に加え、従来の乾燥法それ自体が、均一なフィルムを提供し得ない。従来の処理の際に熱に曝される長さは、しばしば「熱履歴」と呼ばれ、そのような熱の当て方は、得られるフィルム製品の生成および形態に直接の影響を及ぼす。均一性は、薬物活性物の組込みに十分に適合した比較的厚いフィルムが所望される従来の乾燥法では特に実現し難い。より厚みのある均一なフィルムは、フィルム表面およびフィルム内部が乾燥の際に同時に同じ外部条件下に置かれないので、得るのがより難しい。したがって、そのような従来の処理からできた比較的厚いフィルムを観察すると、対流および分子間力によって引き起こされる不均一な構造が示され、柔軟性を保つのに10%を超える水分が必要である。この自由な水分量はしばしば、時間をかけて薬物を妨害し、そのため効力が流出し、したがって、最終製品が矛盾したものになる。
従来の乾燥法は、一般に、乾燥オーブン、乾燥トンネルなどを用いての強制的熱風の使用を含む。均一なフィルムを得る難しさは、フィルム形成組成物の流動学的特性および水分蒸発の過程と直接に関係がある。フィルム形成組成物が熱いエアオーブンを通過するなど、ポリマー水溶液の表面が高温空気流と接触するとき、表面の水は直ちに蒸発して、表面にポリマーの薄膜または被膜を形成する。これが、表面より下の残りの水性フィルム形成組成物に封をしてバリアを形成するが、乾燥したフィルムを得るためには、実は残っている水がそれに抗って自身を蒸発させなければならない。フィルムの外の温度が上昇し続けるにつれて、フィルム表面下で水蒸気圧が強まり、フィルム表面をぴんと張り、最後にはフィルム表面を裂き開いて水蒸気が逃げるようにする。水蒸気が逃げてしまうとすぐに、ポリマーフィルム表面が再形成(reform)され、フィルムが完全に乾燥するまでこの過程が繰り返される。フィルム表面の破壊と再形成が繰り返された結果は、むらがあり、したがって不均一なフィルムを生じる「リップル効果」として観察される。ポリマーによっては、表面があまりに固く封をしてしまうために残っている水が移動しにくくなり、そのため乾燥時間が非常に長くなり、温度およびエネルギー費がより高くなることがたびたびある。
混合技術などの他の因子も、商品化および規制上の認可に適する薬剤フィルムの製造において役割を担う。混合工程または後のフィルム生成工程の間、組成物に空気が閉じ込められることがあり、これが、乾燥段階の際水分が蒸発するときにフィルム製品中に間隙を残す。フィルムは、たびたび間隙のあたりが落ち込んで、フィルム表面にむらが生じ、したがって最終フィルム製品が不均一になる。気泡によってもたらされるフィルム中の間隙が落ち込まないとしても、均一さに影響する。この状況は、均一に分布していない空間が、さもなければフィルム組成物が占めるはずの区域を占有しているという点でも不均一なフィルムをもたらす。上述の特許はいずれも、フィルムに導入された空気によって引き起こされる問題の解決策を扱ってもいなければ、提案してもいない。
米国特許仮出願第60/473,902号 PCT/US02/32575 米国特許出願第10/074,272号 米国特許仮出願第60/328,868号 米国特許仮出願第60/386,937号 PCT/US02/32542 米国特許仮出願第60/414,276号 米国特許出願第10/074,272号 米国特許仮出願第60/328,868号 米国特許仮出願第60/386,937号 PCT/US02/32542 米国特許仮出願第60/371,940号 米国特許出願第10/074,272号 米国特許仮出願第60/328,868号 米国特許仮出願第60/386,937号 米国特許第4,136,145号 米国特許第4,849,246号 米国特許第5,629,003号 米国特許第5,948,430号 米国特許第4,631,837号 米国特許第6,281,337号 「The American Heritage Dictionary of the English Language」(第4版、2000年)
したがって、種類を最小限に抑えた材料または成分を使用し、フィルムの区域全体に実質的に自己凝集性でない均一な異質性をもたらすフィルム製品のための方法および組成物が求められている。そのようなフィルムは、所望の粘度をもたらすポリマーまたはポリマーの組合せの選択、リバースロールコーティングなどのフィルム形成工程、ならびに前述のHorstmann特許やZerbe特許などの先行特許の製品および工程では必要と思われるゲル形成剤または多価アルコールなどを加える必要なしに自己凝集性でない成分の均一な分布を維持する働きをする、制御型の、望ましくは急速な乾燥工程によって製造されることが望ましい。フィルムは、フィルム中の空気を実質的に低減または除去し、それによって最終フィルム製品の均一さを助長する組成物および製造方法を含むことも望ましい。
本発明は、ポリエチレンオキシドを単独または親水性セルロースポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種を含有し、可塑剤が加えられていない急速溶解性フィルム製品を対象とする。
急速溶解性フィルム製品の別の実施形態は、約20重量%〜100重量%のポリエチレンオキシド、約0重量%〜80重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約0重量%〜80重量%のヒドロキシプロピルセルロースを含有する水溶性ポリマーの少なくとも1種;活性成分;スクラロース;沈降炭酸カルシウム;少なくとも1種の着香剤;シメチコン;水;および少なくとも1種の着色剤を含み、フィルム製品は、可塑剤、界面活性剤、およびポリアルコールが加えられていない。
本発明のさらに別の実施形態は、ポリエチレンオキシドを、単独またはヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択されたポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種を含有し、有機溶媒、可塑剤、界面活性剤、およびポリアルコールを本質的に含まない、フィルム組成物状の可食水溶性送達系を対象とする。
本発明はまた、成分が実質的に均一に分布しているフィルムの製造方法であって、(a)ポリエチレンオキシドを単独または親水性セルロースポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種、溶媒、および活性成分を混ぜ合わせて、成分分布が均一なマトリックスを生成する工程と、(b)マトリックスからフィルムを形成させる工程と、(c)フィルムを乾燥させる工程を含み、フィルムが可塑剤を加えられていない方法を対象とする。
本発明の目的のために、用語「自己凝集性でない均一な異質性」とは、1種または複数の成分、ならびに極性溶媒から生成された本発明のフィルムが、乾燥オーブン、乾燥トンネル、真空乾燥機、または他のそのような乾燥設備を使用する高温空気浴などの従来の乾燥法によってフィルムが形成されるときに通常経験するような、フィルム内での成分の凝集または塊状化の発生を実質的に低減する能力、すなわち、それをほとんどまたはまったくもたらさない能力を指す。用語「異質性」は、本発明中で使用される際には、ポリマーなどの単一の成分、ならびにポリマーと活性物などの成分の組合せが組み込まれるフィルムを含む。均一な異質性としては、フィルムの形成に使用される従来の混合法および熱乾燥法ではよくある凝集物または塊状物が実質的に存在しないことが挙げられる。
さらに、本発明のフィルムは、厚みが実質的に均一であるが、これも、水性ポリマー系の乾燥に使用される従来の乾燥方法の使用では実現されない。均一な厚みがないと、所与のフィルムの区域全体の成分分布の異質性に不利益な影響が及ぶ。
本発明のフィルム製品は、正しく選択されたポリマーと極性溶媒を組み合わせて製造し、任意に活性成分ならびに当業界で知られている他のフィラーを含んでもよい。これらのフィルムは、選択された流延法もしくは堆積法と制御型乾燥工程の利用によって、自己凝集性でない均一な異質性のフィルム内成分をもたらす。制御型乾燥工程の例としては、参照により本明細書に援用するMagoonの米国特許第4,631,837号(「Magoon」)で開示されている装置の使用、ならびに下部基材および下部加熱プレート全体への熱空気衝撃が挙げられるがこの限りでない。本発明のフィルムを得るための別の乾燥技術は、赤外線や高周波(すなわちマイクロ波)など、未制御空気流なしでの制御型放射乾燥である。
乾燥工程の目的は、すでに言及した「リップル」効果など、従来の乾燥法に関連した厄介な問題を回避し、最初にフィルムの上部表面を乾燥させ、内側に水分を閉じ込める、フィルムの乾燥法を提供することである。従来のオーブン乾燥法では、内側に閉じ込められた水分がその後蒸発するにつれて、上部表面が裂き開かれて変質し、次いで再形成される。これらの厄介な問題は、本発明によって回避され、フィルムの下部表面を最初に乾燥させ、または別な方法でフィルム深部の乾燥前にフィルム上部表面にポリマー薄膜(被膜)が形成されないようにすることによって、均一なフィルムが提供される。これは、実質的に上部の空気流なしでフィルムの下部表面に熱を当てることによって、あるいはここでも実質的に上部の空気流なしで、制御されたマイクロ波を導入して、フィルム内の水または他の極性溶媒を蒸発させることによって実現される。あるいは、均一なフィルムを得るために下部と上部の空気流が制御されているバランスよい空気流など、バランスよい流体の流れを使用して乾燥を実現することもできる。そのような場合では、フィルム上部に向けられた空気流は、空気の流れが発生させる力によって、湿ったフィルム中に存在する粒子の移動を引き起こす条件を与えるべきでない。さらに、フィルム下部に向けられた空気流は、空気の力によってフィルムが捲れ上がらないように望ましく制御すべきである。制御されていない空気流は、フィルムより上でも下でも、最終フィルム製品に不均一性を与え得る。上部表面を取り巻く区域の湿度レベルを適切に調整して、ポリマー表面の時期尚早の閉鎖またはスキニングを防ぐこともできる。
このようにしてフィルムを乾燥させると、いくつかの利点が得られる。とりわけ、乾燥時間がより短くなり、フィルム表面がより均一になることに加え、フィルム中の所与のどの区域でも成分の分布が均一になる。そのうえ、乾燥時間がより短くなると、フィルム内で粘性がすばやく増大するようになり、最終フィルム製品の成分の均一な分布および成分の凝集の低減がさらに促進される。フィルムの乾燥は、約10分以内で行うことが望ましく、約5分以内がより望ましい。
本発明は、構成成分の凝集の低減に注意が払われていれば、並外れて均一なフィルム製品をもたらす。粘度を制御できるようにポリマーおよび溶媒を選択して、混合工程で過剰の空気の導入を回避および解消し、フィルムを最初から急速に乾燥させることによって、そのようなフィルムが得られる。
本発明の製品および方法は、フィルム内での成分の自己凝集を実質的に低減するフィルムを提供するために、フィルム製造の種々の工程間の相互作用を利用する。具体的には、これらの工程は、フィルム形成に使用される特定の方法、配合混合物が気泡を含まないようにすること、フィルム形成組成物の粘度を制御すること、およびフィルムの乾燥法を含む。より詳細には、活性物が沈降しないようにするためには、選択された極性溶媒に活性物が溶解性でないとき、混合物中の成分の粘度が大きいことが特に有用である。しかし、粘度は、選択した流延法の邪魔または妨げになるほど大きくなってはならず、流延は、厚みがほぼ一定なフィルムを提供することができるのでリバースロールコーティングを含むことが望ましい。
フィルムまたはフィルム形成成分もしくはマトリックスの粘度に加え、本発明は、望ましいフィルム均一性を実現するために他の点も考慮に入れている。例えば、非コロイド性の適用例では、(薬物粒子などの)固体を沈降させない安定な懸濁液が得られる。本発明が提供する1つの手法は、微粒子の密度(ρp)と液相の密度(ρl)の釣合いをとり、液相の粘度(μ)を増大させることである。単離した粒子については、粘性流体中の半径(r)の剛直球状体の終末沈降速度(Vo)が、ストークスの法則によって次式
Vo=(2grr)(ρpl)/9μ
のように説明される。
しかし、高粒子濃度では、局所の粒子濃度が局所の粘度および密度に影響する。懸濁液の粘度は、固体の体積分率と強い相関関係にあり、粒子-粒子および粒子-液体の相互作用がさらに沈降速度の邪魔になる。
ストークスに関係する分析では、第三相、例えば分散した空気または窒素の取込みが、懸濁液の安定性を助長することを示している。さらに、粒子数が増えると、固体の体積分率に基づき沈降効果が邪魔される。薄い粒子懸濁液では、沈降速度vは、次式
v/Vo=1/(1+κφ)
[式中κ=定数であり、φは、分散した相の体積分率である]
で表される。液相に懸濁した粒子がより多いと、速度が弱まる。粒子寸法は、粒子-粒子の流動相互作用に影響を及ぼすので、粒子の幾何学も重要な因子である。
同様に、懸濁液の粘度は分散した固体の体積分率に依存する。非相互作用球状粒子の薄い懸濁液では、懸濁液の粘度についての式は、
μ/μo=1+2.5φ
[式中、μoは、連続相の粘度であり、φは、固体の体積分率である]で表すことができる。より高い体積分率では、分散液の粘度は、
μ/μo=1+2.5φ+C1φ2+C2φ3+.....
[式中、Cは定数である]で表すことができる。
液相の粘度はクリティカルであり、液体組成を降伏応力値の低い粘弾性の非ニュートン流体に合わせて組み直すことによって変更することが望ましい。これは、静止して高い粘度の連続相を作り出すということである。粘弾性の、または高度に構造化された液相の生成は、粒子の沈降に対する追加の抵抗力をもたらす。さらに、凝結または凝集は、粒子-粒子の相互作用を最小限に抑えながら制御することができる。網効果は、等質な分散相を保護するはずである。
懸濁液の水相に親水コロイドを加えると、粘度が増大し、また粘弾性を生み出すことができ、さらに親水コロイドの種類、その濃度、ならびに粒子の組成、幾何学、大きさ、および体積分率に応じて安定性を付与することができる。分散相の粒径分布は、高粘度媒体中の最小実粒径、すなわち<500μmを選択して制御する必要がある。低いせん断速度でわずかな降伏応力または弾性体が存在すると、みかけの粘度とは関係なく永久的な安定性を誘発することもできる。クリティカルな粒径は、降伏応力値から算出することができる。単離した球状粒子の場合では、所与の粘度の媒体中に沈降する際に生じる最大せん断応力は、次式
τmax=3Vμ/2r
で与えられる。疑似可塑性流体では、このせん断応力領域の粘度は、ニュートン平坦域でゼロせん断速度の粘度になることがよくある。
安定な懸濁液は、フィルム流延機械類に送り込まれるプレミックス組成物の製造にとって重要な特性であり、ならびに均一性が保たれるよう、湿ったフィルム段階に、十分な乾燥が行われて十分に固まった形態の中に粒子およびマトリックスが閉じ込められるまでこの安定性を維持するためにも重要な特性である。粘弾性流体系では、24時間などの長時間にわたり安定な懸濁液を生むレオロジーは、高速のフィルム流延操作の要件と釣合いがとれていなければならない。フィルムにとって望ましい性質は、せん断速度を増大させて粘度を低下させる、せん断低粘稠化または擬似可塑性である。揺変性などの時間依存的なせん断効果も有利である。構造回復性およびせん断低粘稠化挙動は、重要な性質であり、フィルムが形成時に自己水平化し得る能力も同様である。
本発明組成物およびフィルムのレオロジーの要件は、実に厳しい。これは、広いせん断速度範囲で許容される粘度値を有する粘弾性流体マトリックス中に、例えば30〜60重量%の粒子を懸濁させた安定な懸濁液を作り出す必要があるためである。混合、ポンピング、およびフィルム流延の際、10〜105-1の範囲のせん断速度下に置くことができ、擬似可塑性は、好ましい実施形態である。
フィルム流延またはコーティングでは、レオロジーは、所望の均一性を有するフィルムを形成する能力に関しても典型的な因子である。せん断粘性、伸び粘性、粘弾性、構造回復性は、フィルムの質を左右する。説明に役立つ例として、せん断低粘稠化擬似可塑性流体の水平化が、次式
α(n-1/n)o (n-1/n)-((n-1)/(2n-1))(τ/K)1/n(2π/λ)(3+n)/nh(2n+1)/nt
[式中、αは表面波振幅であり、αoは内部振幅であり、λは表面粗さの波長であり、「n」および「K」は、粘性力法則の係数である]のように導かれている。この例では、水平化挙動は、粘度と関連しており、nが減少するにつれて増加し、Kが増加するにつれて減少する。
本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、非常に急速な構造回復性を有する、すなわち、処理の際のフィルム形成時に、その構造および組成の均一さが崩れ、または途切れないことが望ましい。このような非常に急速な構造回復性は、粒子の沈下および沈降を遅らせる。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、せん断低粘稠化擬似可塑性流体であることが望ましい。粘性や弾性などの性質に配慮したこのような流体は、薄いフィルムの形成を円滑にし、均一性を助長する。
すなわち、成分の混合物の均一性は、数多くの変数に応じて変わる。本明細書に記載するように、成分の粘性、混合技術、ならびに得られる混合組成物および湿った流延フィルムの流動学的性質は、本発明の重要な態様である。加えて、粒径および粒子形状の制御が、別の考慮すべき問題となる。微粒子の大きさは、粒径150ミクロン以下、例えば100ミクロン以下のであることが望ましい。さらに、このような粒子は、球状もしくはほぼ球状でもよいし、または不規則に成形された粒子や楕円形の粒子など、非球状でもよい。楕円形の粒子または楕円体は、球状粒子と比べて沈降する傾向が弱く、フィルム形成マトリックス中で均一性を保つことができるので望ましい。
混合段階でいくつかの技術を使用すると、最終フィルム中に泡が含まれないようにすることができる。最終製品中に実質的に気泡の生成がない組成物の混合物を得るために、消泡剤または表面張力低減剤を使用する。さらに、混合物のスピードを望ましく制御して、混合物に空気が引き込まれる、混合物のキャビテーションを防ぐ。最後に、フィルム乾燥の前に、混合物を、泡が逃げるのに十分な時間放置することによって、気泡をさらに低減することができる。本発明の方法は、まず、薬物粒子などの活性成分または香味油などの揮発性材料なしで、フィルム形成成分のマスターバッチを生成することが望ましい。流延の直前に、マスターバッチのより小規模な混合物に活性物を加える。したがって、マスターバッチプレミックスは、薬物または他の成分の不安定性を懸念することなく、より長い時間放置することができる。
フィルム形成ポリマーおよび極性溶媒の他、任意の添加剤および活性成分を含むマトリックスを成形するとき、いくつかのステップで行うことができる。例えば、成分をすべてまとめて加えてもよいし、またはプレミックスを調製してもよい。プレミックスの利点は、活性物を除くすべての成分を予め合わせ、活性物をフィルム形成の直前に加えることができる点である。このことは、水、空気、または他の極性溶媒に長期間曝されて分解することのある活性物にとって特に重要である。
図6は、プレミックスの調製、活性物の追加、およびそれに続くフィルム形成に適する装置20を示す。フィルム形成ポリマー、極性溶媒、および薬物活性物を除く他の任意の添加剤を含むプレミックスもしくはマスターバッチ22を、マスターバッチ供給タンク24に加える。プレミックスもしくはマスターバッチ22の成分は、マスターバッチ供給タンク24に加える前にミキサー(非表示)中で生成することが望ましい。次いで、所定の量のマスターバッチを、第1計量ポンプ26および制御弁28をによって、第1ミキサー30および第2ミキサー30'のどちらかまたは両方に制御可能に供給する。しかし、本発明は、2台のミキサー30、30'の使用に限定しておらず、任意の数のミキサーを適切に使用してよい。さらに、本発明は、図6に示すような並列の並べ方など、特定のミキサー30、30'の並べ方に限定しておらず、直列や、並列と直列の組合せなど、他の並べ方または配置を適切に使用してよい。必要な量の薬物または着香剤などの他の成分を、ミキサー30、30'のそれぞれの開口部32、32'から所望のミキサーに加える。ミキサー30、30'でのプレミクスもしくはマスターバッチ22の滞留時間は、最小限に抑えることが望ましい。薬物がプレミックスもしくはマスターバッチ22に完全に分散することが望ましいが、滞留時間が過剰であると、特に可溶性薬物の場合では、薬物が浸出または溶解しかねない。したがって、ミキサー30、30'はしばしば、プレミックスもしくはマスターバッチ22の生成で使用される最初のミキサー(非表示)と比べて小さい、すなわち滞留時間が短い。均一なマトリックスにするのに十分な時間をかけて薬物をマスターバッチプレミックスに混合した後、次いで特定された量の均一なマトリックスを第2計量ポンプ34、34'によって受け皿36に供給する。計量ローラー38が、フィルム42の厚みを決定し、それを塗布ローラーに塗布する。最後にフィルム42が基材44上に形成され、支持ローラー46によって運び出される。
混合物の適正な粘度均一性、粒子の安定な懸濁液、および流延法が、均一性を助長するために組成物およびフィルム形成の最初の工程で重要なのではあるが、湿ったフィルムの乾燥法も重要である。これらのパラメーターおよび性質が最初に均一性の力添えになるにしても、フィルムが乾燥するまで確実に均一性を保つのは、制御された急速乾燥工程である。
そこで、制御された下部乾燥または制御されたマイクロ波乾燥を使用して、望ましくは本明細書に記載のフィルム48の上部(露出)表面上に外部空気流または熱を存在させずに湿ったフィルムを乾燥させる。制御型下部乾燥または制御型マイクロ波乾燥は、従来技術の短所なしに、フィルムから蒸気を放出させることが有利である。気化蒸気や、乾燥用熱エネルギーなどの熱流動といった、従来の上部からの対流空気乾燥は、フィルムの一番上の部分から乾燥を始め、そのため流体の流れに逆らってバリアを形成させるので、使用しない。そのような乾燥した上部部分は、すぐ下の部分が乾燥するにつれて、さらなる蒸気放出の障壁として働き、均一でないフィルムがもたらされる。すでに述べたように、若干の上部空気流を使用して、本発明のフィルムの乾燥を促進することはできるが、このことが、そのどちらもが不均一性をもたらす粒子の移動またはフィルムのリップル効果を引き起こす条件を作り出してはならない。上部空気を使用する場合、不均一性を回避し、運搬ベルト上でのフィルムの捲れ上がりを防ぐために、下部空気乾燥との釣合いを保つ。下部空気流が乾燥の主役として機能し、上部空気流が乾燥の脇役となる、上下部の空気流バランスが適切であろう。若干の上部空気流の長所は、存在する蒸気をフィルムから追い出し、それによって全体として乾燥工程を助けることである。しかし、どんな上部空気流または上部乾燥の使用も、組成物の流動学的性質および処理の機械的態様を含むがこの限りでないいくつかの因子によって釣合いが保たれなければならない。空気など、任意の上部流体はまた、フィルム形成組成物の固有の粘度に打ち勝ってはならない。換言すれば、上部空気流は、組成物の表面を破壊し、ゆがめ、または別な方法で物理的に乱してはならない。さらに、空気速度は、フィルムの降伏値を下回る、すなわち、フィルム形成組成物中の液体を動かし得るどんな力レベルをも下回ることが望ましい。薄いまたは粘度の低い組成物には、遅い空気速度を使用しなければならない。厚いまたは粘度の高い組成物には、より速い空気速度を使用することができる。なお、組成物から形成したフィルムの捲れ上がりまたは他の移動が回避されるよう、空気速度は遅いことが望ましい。
さらに、本発明のフィルムは、揮発性であるかもしれない着香剤、または分解温度が低いかもしれない薬物、タンパク質、もしくは抗原など、温度に敏感な粒子を含有してもよい。そのような場合では、乾燥温度を下げつつ、乾燥時間を延ばして、本発明の均一なフィルムを相応に乾燥させることができる。さらに、下部乾燥では、内部フィルム温度が上部乾燥と比べて低くなる傾向もある。下部乾燥では、上部乾燥と比べて、蒸発する蒸気が熱をフィルムからより容易に奪い、これが内部フィルム温度を低下させる。このように内部フィルム温度がより低いと、薬物の分解、および着香剤などのある種の揮発性物質の損失がしばしば低減される。
フィルム調製の際、フィルムを高温で乾燥させることが望ましいかもしれない。高熱乾燥は、均一なフィルムを生じ、フィルム生産の効率をよりよくする。しかし、敏感な活性成分を含有するフィルムは、高温では劣化の問題に直面することがある。分解(degradation)とは、「明確な中間体生成物を示す...化合物の変質(decomposition)」である。「The American Heritage Dictionary of the English Language」(第4版、2000年)。活性成分の分解は、活性成分の不安定性、不活性、および/または効力の低下を引き起こすことがあるので、通常は望ましくない。例えば、活性成分が薬物または生理活性物質である場合、活性成分の分解は、最終薬剤製品の安全性または効能に有害な影響を及ぼしかねない。さらに、非常に揮発性の材料は、従来の乾燥法に曝されると、そのフィルムから直ちに放出されがちになる。
活性成分の分解は、特にその活性成分に応じて、加水分解、酸化、光分解など、様々な過程で起こり得る。さらに、そのような反応の速度に対して温度がかなりの影響を及ぼす。分解速度は、通常、温度が10℃上昇するごとに2倍になる。したがって、活性成分を高温に曝すことは、望ましくない分解反応を起こし、かつ/または加速する。
タンパク質は、長時間高温に曝されると分解し、変性し、または別な形で不活性になる有用な活性成分の一部類である。酵素、構造要素、ホルモン、および免疫グロブリンなどのタンパク質は、体の様々な機能に役立つ。タンパク質の例としては、パンクレアチン、トリプシン、パンクレリパーゼ、キモトリプシン、ヒアルロニダーゼ、スチライン、ストレプトキナウ(streptokinaw)、ウロキナーゼ、アルチプラーゼ(altiplase)、パパイン、ブロメラインズジアスターゼ(bromelainsdiastase)などの酵素、コラーゲンやアルブミンなどの構造要素、チロリベリン、ゴナドリベリン、アドレノコルチコトロピン、コルチコトロピン、コシントロピン、ソメトレム(sometrem)、成長ホルモン、プロラクチン、チロトロピン、ソマトスタチン、バソプレシン、フェリプレシン、リプレッシン、インスリン、グルカゴン、ガストリン、ペンタガストリン、セクレチン、コレシストキニン-パンクレオザイミンなどのホルモン、ならびに免疫調節物質が挙げられ、免疫調節物質には、糖タンパク質、サイトカインを含む多糖体を含めることができ、腫瘍増殖などの悪性の細胞増殖の抑制および予防に有用である。一部の有用な糖タンパク質の製造に適する方法は、Cannon-Carlsonらの米国特許第6,281,337号で開示されており、その全体を参照により本明細書に援用する。
100℃に達する温度は、一般に、タンパク質ならびに核酸の分解を引き起こす。例えば、ある種の糖タンパク質は、70℃の温度に30分間曝されると分解する。ウシ抽出物由来のタンパク質も、そのような低温で分解することが知られている。DNAもこの温度で分解し始める。
しかし、出願人らは、本発明のフィルムが、本発明のフィルム調製法および生成法によって、分解、活性の損失、または過度の蒸発を案じることなく、乾燥工程中に高温に曝して差し支えないことを発見した。特に、通常は活性成分の分解、変性、または不活性をもたらすはずの温度に、そのような問題を引き起こすことなくフィルムを曝すことができる。本発明によれば、乾燥の方式を制御して、有害なレベルの熱が活性成分に到達しないようにすることができる。
本明細書で論じているように、本発明の教示によれば、中身を均一にするために流動性の混合物を調製する。流動性の塊がフィルムに成形され、乾燥させられたとき、均一性が保たれていなければならない。本発明の乾燥工程の際には、いくつかの因子が、活性成分を安全な温度、すなわちその分解温度より低い温度に保ちながら、フィルム内に均一性を与える。第1に、本発明のフィルムは、通常はわずか数分間というように熱履歴が極端に短いので、合計の温度暴露が可能な程度まで最小限に抑えられる。フィルムは、成分の凝集および移動を防止するだけでなく、熱が溜まるのを防ぐために、制御可能に乾燥させる。フィルムは下部から乾燥させることが望ましい。本明細書で述べる制御型下部乾燥は、フィルムの上部表面にポリマーの薄膜または被膜が形成されるのを防ぐ。熱がフィルム下部から上方に伝導するにつれて、液体担体、例えば水がフィルム表面に上がってくる。表面の被膜がないと、温度が上昇するにつれて液体担体が急速に蒸発し、それと同時にフィルムの気化冷却が起こるようになる。短時間しか熱に曝されず、気化冷却されるので、薬物や揮発性活性物などのフィルム成分は、高温による影響を受けないままとなる。対照的に、上部表面で被膜が形成されると、エネルギーの増大した液体担体分子がフィルム内に閉じ込められ、それによってフィルム内の温度が上昇し、活性成分が、高い、潜在的に有害な温度に曝される。
第2に、下部から加熱し、表面の被膜形成がないので、フィルム内で熱による混合が起こる。熱による混合は、フィルム中の対流によって起こる。フィルム下部に熱が当てられるにつれて、下部付近の液体は、温度が上昇し、膨張し、より低密度になる。このより熱い液体が上昇し、より冷たい液体が入れ替わる。より熱い液体は、上昇しながらより冷たい液体と混ざり、熱エネルギーを分け合う、すなわち、熱を伝える。このサイクルが繰り返されながら、熱エネルギーがフィルム全体に広がる。
本発明の制御型乾燥工程によって実現される、熱による強力な混合は、フィルム全体に均一な熱拡散を与える。このような熱による混合なしでは、「ホットスポット」が現れることがある。フィルム中の熱のポケットは、フィルム内に粒子凝集物または危険区域を作り上げ、その後不均一性をもたらす。そのような凝集物の形成または凝塊形成は、活性物がランダムに分布しているかもしれない不均一なフィルムをもたらすので望ましくない。そうした一様でない分布は、フィルムあたりの活性物の量に大きな差を生じかねないが、これは、安全性および効力の観点から問題である。
そのうえ、熱による混合は、フィルム内側の全体的な温度を低めに保つ助けとなる。フィルム表面は、活性成分が分解する温度よりも高い温度に曝されることがあるとしても、フィルムの内部はその温度に達し得ない。この温度差のため、活性物は分解しない。
例えば、本発明のフィルムは10分間以内で乾燥させることが望ましい。フィルムを80℃で10分間乾燥させると、約5℃の温度差が生じる。これは、10分間乾燥させた後、フィルム内部の温度が外側の暴露温度より5℃低いということである。しかし、多くの場合では、4〜6分間など、10分間より短い乾燥時間で十分である。4分間の乾燥には約30℃の温度差が伴い、6分間の乾燥には約25℃の温度差が伴うであろう。このような大きな温度差のために、熱に敏感な活性物を分解させることなく、効率のよい高温でフィルムを乾燥させることができる。
図8は、本発明の乾燥工程を連続的に示す図である。機械的に混合された後、フィルムは、コンベヤーに載せられて、乾燥工程中に引き続き熱による混合を受けることができる。セクションAで示す乾燥工程の出発時には、フィルム1は、コンベヤー(非表示)によって進みながら、下部10から加熱されることが好ましい。熱は、その限りでないが図7に示す乾燥機などの加熱機構によってフィルムに供給される。フィルムが加熱されると、液体担体または揮発性物質(「V」)が上向き矢印50で示すように蒸発し始める。矢印30で示すより熱い液体が上昇し、矢印40で示すより冷たい液体が入れ替わると、熱による混合も開始される。セクションBに示すように、フィルム1の上部表面20に被膜が形成されないので、揮発性の液体は蒸発し続け50、熱による混合30/40は熱エネルギーをフィルム全体に分配し続ける。十分な量の揮発性液体が蒸発してしまうと、熱による混合によって、フィルム1全域に均一な熱拡散が与えられている。セクションCに示すように、得られる乾燥したフィルム1は、粘弾性の固体である。成分は、フィルム全体の均一な分布の中に閉じ込められることが望ましい。少量の液体担体、すなわち水が、粘弾性の形成後に残ることがあるとしても、所望であれば、粒子を移動させることなくフィルムをさらに乾燥させることができる。
さらに、粒子または微粒子は、フィルム形成組成物またはマトリックスが流延されてフィルムになった後、フィルム形成組成物またはマトリックスに加えることもできる。例えば、フィルム42の乾燥前に、フィルム42に粒子を加えることができる。粒子は、フィルムに向けて制御可能に計量し、さらにフィルム表面にわずかにまたは静かに触れ、フィルム表面に制御可能に粒子を配置する装置であるドクターブレード(非表示)の使用など、適切な技術によってフィルムに配置することができる。他の適切な技術としては、追加のローラーを使用してフィルム表面に粒子を配置するもの、フィルム表面に粒子を噴霧するものなどが挙げられるがこの限りでない。粒子は、対向するフィルム表面、すなわち上部および/もしくは下部フィルム表面の両方に配置しても片方に配置してもよい。粒子は、フィルム中に埋め込むなど、フィルムにしっかりと配置することが望ましい。しかも、そのような粒子は、フィルムに完全に覆われ、または完全に埋め込まれるのではなく、粒子が部分的に埋め込まれ、または部分的に覆われている場合など、フィルム表面に露出したままであることが望ましい。
粒子は、任意の有用な感覚刺激性作用物質、美容成分、薬剤、またはこれらの組合せでよい。薬剤は、味感遮蔽型または制御放出型の薬剤であることが望ましい。有用な感覚刺激性作用物質には、着香剤および甘味料が含まれる。有用な美容成分としては、メントール結晶を含めてメントールなど、口臭清涼剤またはうっ血除去剤が挙げられる。
本発明の方法は、上述の望ましい乾燥について特定の装置に限定しないが、ある有用な乾燥装置50を図7に示す。乾燥装置50は、その限りでないが熱気などの熱流体を、基材44上に配置されているフィルム42の下部に向けるためのノズル集成装置である。熱気は、乾燥装置の入口末端52から入り、ベクトル54が示すように、空気偏向板56に向かって上方へ垂直に進む。空気偏向板56は、フィルム42に対する上向きの力を最小限に抑えるために空気の動きの方向を変える。図7に示すように、空気は、空気偏向板56の側を通過し、乾燥装置50の室部58および58'に侵入し、その中を進むとき、ベクトル60および60'が示すとおりに接線方向に向けられる。フィルム42に対してほぼ接線方向にある熱気流では、乾燥時のフィルムの捲れ上がりがそれによって最小限に抑えられる。空気偏向板56は、ローラーとして描かれているが、空気または熱流体を偏向させる他の装置および幾何学的配置も適切に使用することができる。さらに、乾燥装置50の出口末端62および62'は、下向きに張り出している。このような下向きの張出しは、ベクトル64および64'が示すような、下向きの力または下向きの速度ベクトルをもたらすが、これは、フィルム42の引張もしくは抵抗効果となって、フィルム42の捲れ上がりを防ぐ傾向がある。フィルム42の捲れ上がりは、フィルムまたはそうでないものに不均一性をもたらすことがあるだけでなく、フィルム42および/または基材44が処理設備から浮かび上がると、フィルム42の処理が制御されなくなることもある。
フィルムの厚みをモニターし、制御することも、均一な厚みのフィルムをもたらすことにより均一なフィルム生産の一助となる。フィルムの厚みは、Beta Gaugeなどの計器によってモニターすることができる。乾燥装置、すなわち乾燥オーブンもしくはトンネルの端のところで計器を別の計器に連結し、フィードバック閉回路を通して通信して、コーティング装置の開口部を制御および調整すると、均一なフィルム厚さを制御することができる。
フィルム製品は、一般に、適正に選択されたポリマーおよび極性溶媒に加え、所望であれば任意の活性成分もしくは充填剤を混ぜ合わせて生成される。その配合物の溶媒含有量は、配合物全体の少なくとも約30重量%であることが望ましい。このように混ぜ合わされてできたマトリックスは、望ましくはロールコーティングによってフィルムに成形し、次いで望ましくは急速かつ制御型の乾燥工程によって乾燥させて、フィルムの均一性、より詳細には自己凝集性でない均一な異質性を保つ。得られるフィルムは、溶媒を約10重量%未満、より望ましくは約8重量%未満、さらにより望ましくは約6重量%、最も望ましくは約2%しか含有しないことが望ましい。溶媒は、水と、エタノール、イソプロパノール、アセトン、塩化メチレンを含むがこの限りでない極性有機溶媒と、またはこれらの任意の組合せでよい。
代替実施形態では、本発明のフィルム製品は、流延法というよりも押出によって形成することができる。押出は、以下で論じるように、ポリエチレンオキシド系ポリマー成分を含有するフィルム組成物に特に有用である。例えば、本発明に従って一軸押出法を使用することができる。そのような押出法によれば、ポリマー溶融体に圧力が加わるので、それが押出型を通って押し出され、または射出成形されるようなる。
さらなる説明として、本発明の方法で使用する一軸押出機は、図37の押出機100に示すように、いくつかのゾーン200を含む筒300を含んでいてよい。これらのゾーン200は、温度および圧力がまちまちでよい。例えば、ゾーンは、組成物が押出ダイ400へと筒300を前進するときに温度を上昇させることが望ましいかもしれない。本発明によれば、いくつのゾーンが含まれていてもよい。さらに、押出の速度を制御して、所望のフィルム特性を与えることができる。例えば、押出組成物を長時間スクリュー混合室中に保持することができる。この議論は、一軸押出を対象としているが、他の形の押出も当業者に知られており、十分に本発明の範囲内であると考える。
その限りでないが流動学的性質、粘性、混合法、流延法、乾燥法など、上で論じたパラメーターへの配慮は、本発明の種々の成分のための材料選択にも強い影響を与える。さらに、このような配慮に適正な材料選択が加わると、薬剤および/もしくは化粧用活性物の単位区域ごとの変動が10%以下である薬剤および/もしくは化粧用剤形またはフィルム製品を含めた本発明組成物が提供される。換言すれば、本発明の均一性は、マトリックス全体の薬剤および/または美容成分の変動が10重量%以下であることによって決まる。変動は、5重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満であることが望ましい。
[フィルム形成ポリマー]
ポリマーは、水溶性でも、水膨潤性でも、水に不溶性でもよく、または水溶性、水膨潤性、もしくは水に不溶性のポリマーの1種または複数の組合せでもよい。ポリマーは、セルロースまたはセルロース誘導体を含んでいてよい。有用な水溶性ポリマーの具体例としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ナトリウムアルギネート、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガカントゴム、グアーガム、アカシアゴム、アラビアゴム、ポリアクリル酸、メチルメタクリラートコポリマー、カルボキシビニルコポリマー、デンプン、ゼラチン、およびこれらの組合せが挙げられるがこの限りでない。有用な水に不溶性のポリマーの具体例としては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、およびこれらの組合せが挙げられるがこの限りでない。
本明細書では、語句「水溶性ポリマー」およびその変形語は、水に少なくとも部分的に可溶性、望ましくは水に完全にもしくはほとんど可溶性であり、または水を吸収するポリマーを指す。水を吸収するポリマーはしばしば、水膨潤性ポリマーと呼ばれる。本発明で有用な材料は、室温、および室温を超える温度などの他の温度で水溶性または水膨潤性のものでよい。また、材料は、大気圧より低い圧力で水溶性または水膨潤性のものでもよい。水溶性ポリマーが水溶性または水膨潤性であり、水分取込みが少なくとも20重量パーセントであることが望ましい。水分取込みが25重量パーセント以上の水膨潤性ポリマーも有用である。水溶性ポリマーから生成された本発明のフィルムまたは剤形は、体液と接触すると溶解し得る程度に十分に水溶性であることが望ましい。
本発明のフィルムに組み込むのに有用な他のポリマーには、生分解性のポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、およびこれらの混合物が含まれる。既知の有用なポリマーまたはポリマーの部類の中で、上記の基準を満たすものは、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリジオキサノン、ポリオキサレート、ポリ(a-エステル)、ポリ無水物、ポリアセテート、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(アルキルシアノアクリレート)、ならびにこれらの混合物およびコポリマーである。追加の有用なポリマーには、L-乳酸およびD-乳酸の立体化学ポリマー、ビス(p-カルボキシフェノキシ)プロパン酸とセバシン酸のコポリマー、セバシン酸コポリマー、カプロラクトンのコポリマー、ポリ(乳酸)/ポリ(グリコール酸)/ポリエチレングリコールコポリマー、ポリウレタンとポリ(乳酸)のコポリマー、ポリウレタンとポリ(乳酸)のコポリマー、a-アミノ酸のコポリマー、a-アミノ酸とカプロン酸のコポリマー、a-ベンジルグルタメートとポリエチレングリコールのコポリマー、スクシネートとポリ(グリコール)のコポリマー、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシ-アルカノエート、およびこれらの混合物が含まれる。二元および三元の系も企図する。
詳細な他の有用なポリマーとしては、MedisorbおよびBiodelの商標で市販されているものが挙げられる。Medisorb材料は、米デラウェア州ウィルミントンのデュポン社によって市販されており、一般に、「ヒドロキシ酢酸を含むヒドロキシポリマーと共にプロパン酸、2-ヒドロキシポリマー」を含有する「ラクチド/グリコリドコポリマー」として同定される。その4種のポリマーとして、融点が338〜347°F(170〜175℃)の範囲の100%のラクチドであると考えられるラクチド/グリコリド100L;融点が437〜455°F(225〜235℃)の範囲の100%のグリコリドであると考えられるラクチド/グリコリド100L;融点が338〜347°F(170〜175℃)の範囲の85%のラクチドと15%のグリコリドであると考えられるラクチド/グリコリド85/15;および融点が338〜347°F(170〜175℃)の範囲の50%のラクチドと50%のグリコリドのコポリマーであると考えられるラクチド/グリコリド50/50が挙げられる。
Biodel材料は、化学的に異なる種々のポリ無水物からなるファミリーの代表格である。
異なる様々なポリマーを使用することができるが、乾燥前に混合物に所望の粘度が与えられるようにポリマーを選択することが望ましい。例えば、活性物または他の成分が選択した溶媒に可溶性でないなら、均一性の維持を補助するために、より強い粘度を与えるポリマーが所望される。一方、成分が溶媒に可溶性である場合、より低い粘度を与えるポリマーが好ましいこともある。
ポリマーは、フィルムの粘度に影響を与えるのに重要な役割を担う。粘度は、乳濁液、コロイド、または懸濁液中の活性物の安定性を制御する、液体の一特性である。一般に、マトリックスの粘度は、約400cps〜約100,000cps、好ましくは約800cps〜約60,000cps、最も好ましくは約1,000cps〜約40,000cpsの間で様々となる。フィルム形成マトリックスの粘度は、乾燥工程が開始されると直ちに増大することが望ましい。
粘度は、選択した活性物を基準にして、マトリックス内の他の成分に応じて調整することができる。例えば、成分が選択した溶媒内で可溶性でない場合、適正な粘度を選択して、得られるフィルムの均一性に有害な影響を及ぼすことになる成分の沈降を防ぐことができる。粘度は、種々の方法で調整することができる。フィルムマトリックスの粘度を増大させるには、分子量のより大きいポリマーを選択してもよいし、またはカルシウム、ナトリウム、およびカリウム塩などの架橋剤を加えてもよい。粘度は、温度を調節し、または粘度を増大させる成分を加えて調整することもできる。粘度を増大させ、または乳濁液/懸濁液を安定させる成分としては、分子量の大きめなポリマー、ならびに多糖類およびガム類が挙げられ、多糖類およびガム類には、この限りでないが、アルギネート、カラギーナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ローカストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、デキストラン、アラビアガム、ゲランガム、およびこれらの混合物が含まれる。
単独で使用するとき、柔軟性のあるフィルムを得るには通常は可塑剤を必要とするはずの所定のポリマー同士を、可塑剤なしで組み合わせ、柔軟性のあるフィルムが得られることも観察されている。例えば、HPMCとHPCは、組み合わせて使用すると、製造および貯蔵に適する可塑性および弾性を備えた柔軟性のある強いフィルムを提供する。柔軟性のために追加の可塑剤またはポリアルコールは必要ない。
また、ポリエチレンオキシド(PEO)は、単独で使用しても、親水性セルロースポリマーと組み合わせて使用しても、柔軟性のある強いフィルムを実現する。柔軟性のために追加の可塑剤またはポリアルコールは必要ない。PEOと組み合わせるのに適するセルロースポリマーの非限定的な例として、HPCとHPMCが挙げられる。PEOとHPCは、本質的にゲル化温度をもたないが、HPMCのゲル化温度は58〜64℃である(Methocel EF、Dow Chemical社より入手可能)。そのうえ、これらのフィルムは、有機溶媒をほとんど含まなくても十分に柔軟性があり、フィルムの特性に差し障ることなく、有機溶媒を除去することができる。このように溶媒が存在しない場合、フィルム中に可塑剤は存在しない。PEO系フィルムはまた、ポリマー成分が適切なレベルのPEOを含有しているとき、裂けに対する良好な耐性を示し、ほとんどまたはまったく丸まらず、さらに溶解速度が速い。
所望のフィルム特性を実現するために、ポリマー成分中のPEOの濃度および/または分子量を様々に変えることができる。PEO含有量の変更は、裂け耐性、溶解速度、粘着性などの性質に影響を与える。したがって、フィルム特性を制御する一つの方法は、PEO含有量を変更することである。例えば、一部の実施形態では、急速溶解性フィルムが望ましい。ポリマー成分の含有量を変更することによって、所望の溶解特性を得ることができる。
本発明によれば、PEOは、ポリマー成分中約20%〜100重量%の範囲をとることが望ましい。一部の実施形態では、PEOの量は、約1mg〜約200mgの範囲をとることが望ましい。親水性セルロースポリマーは、約0%〜約80重量%の範囲をとり、またはPEOとの比が最高で約4:1まで、望ましくは約1:1である。
一部の実施形態で、PEO濃度を変更して、所定のフィルム特性を助長することが望ましい場合がある。裂け耐性が強く、溶解速度の速いフィルムを得るには、ポリマー成分中50%以上のPEO濃度が望ましい。粘着を防ぐため、すなわち、フィルムが口蓋に粘着しないようにするには、約20%〜75%のPEO濃度が望ましい。しかし、一部の実施形態では、動物や子供に投与するためなど、口蓋への粘着が所望される場合がある。そのような場合では、より高い濃度のPEOを使用してよい。より詳細には、フィルムの構造の完全性および溶解を、目的の使用に応じて、フィルムが粘膜に粘着し容易に剥がされるように、またはよりしっかりと粘着し容易に剥がれないように制御することができる。
PEOの分子量も様々に変えることができる。フィルムの粘膜粘着性を増大させるために、約4百万などの高分子量PEOが所望される場合がある。より詳細には、分子量は、約100,000〜900,000、より望ましくは約100,000〜600,000、最も好ましくは約100,000〜300,000の範囲でよい。一部の実施形態では、ポリマー成分中に高分子量(600,000〜900,000)PEOと低分子量(100,000〜300,000)PEOが組み合わせられていることが望ましい場合もある。
例えば、少量の高分子量PEOと多量の低分子量PEOを組み合わせて、速い溶解速度や強い裂け耐性などの所定のフィルム特性を実現することができる。そのような組成物は、PEOブレンドポリマー成分中に約60%以上の濃度の低分子量PEOを含有していることが望ましい。
粘着防止、速い溶解速度、および良好な裂け耐性という各特性の釣合いを保つために、所望のフィルム組成物は、少量のより高分子量のPEOと、親水性セルロースポリマー(HPCもしくはHPMC)を含有する残りのポリマー成分を任意に組み合わせた、約50%〜75%の低分子量PEOを含んでいてよい。
[制御放出フィルム]
用語「制御放出」とは、予め選択された速度または所望される速度での活性物の放出を意味するものである。この速度は、その適用に応じて様々となる。望ましい速度として、速いまたは中程度の放出プロフィールだけでなく、遅延型、持続型、または連続の放出が挙げられる。活性物の最初の大量放出に続く低レベルの持続放出など、放出パターンの組合せを企図する。拍動による薬物放出も企図する。
本発明のフィルム用に選択されるポリマーは、活性物の崩壊が制御されるように選択することもできる。これは、時間と共にフィルムから放出される活性物が組み込まれた、実質的に水に不溶性のフィルムを提供して実現することができる。これは、異なる様々な可溶性または不溶性のポリマーを組み込むことで実現でき、生分解性ポリマーを合わせて含めてもよい。あるいは、コーティングされた制御放出活性粒子を急速溶解性フィルムマトリックスに組み込んで、摂取後に消化器系内部で活性物の制御放出特性を実現することもできる。
活性物の制御放出をもたらすフィルムは、頬側、歯肉、舌下、および膣への適用に特に有用である。本発明のフィルムは、直ちにぬれてそれらの区域に粘着することができるので、粘膜または粘液が存在する場所で特に有用である。
活性成分を長期間にわたり制御された形で放出する1回の薬剤の投与が、規則的な間隔で1回分を数回投与するのと対照的に好都合であることは、製薬業界で受け入れられるようになって久しい。薬剤血中レベルが長期間にわたり一定かつ均一であることにある、患者および臨床医にとっての長所も同様に認められている。様々な持続放出剤形の長所はよく知られている。しかし、活性物の制御放出をもたらすフィルム製剤は、制御放出錠についてよく知られているものだけでない長所を有する。例えば、薄いフィルムは、誤って吸い込みにくく、また錠剤のように飲み込む必要がないので患者の服薬遵守を高める。さらに、本発明のフィルムの所定の実施形態は、口腔および舌に粘着し、そこで制御可能に溶解するように設計されている。さらに、薄いフィルムは、オキシコンチンなど、薬物濫用をもたらす問題になっている制御放出錠のように砕くことはできない。
本発明で使用する活性物は、制御放出形態にした本発明のフィルム組成物に組み込むことができる。例えば、薬物粒子を、それぞれAquacoat ECDやEudragit E-100などのブランド名で市販されているエチルセルロースやポリメタクリラートなどのポリマーで被覆することができる。薬物の溶液をそのようなポリマー材料に吸収させ、本発明のフィルム組成物に組み込むこともできる。脂肪やろうなどの他の成分、ならびに甘味剤および/または着香剤も、このような制御放出組成物中に使用することができる。
その主題事項全体を参照により本明細書に援用する、「Uniform Films For Rapid Dissolve Dosage Form Incorporating Taste-Masking Compositions」と題した同時係属のPCT出願(2003年9月27日出願の同じ題名の米国特許仮出願番号エクスプレスメールラベル番号:EU552991605 US、整理番号1199-15Pに基づく)で述べているように、フィルム組成物に組み込む前に活性物に味感遮蔽を施すことができる。
[活性物]
活性物をフィルムに導入するとき、単位区域あたりの活性物量は、フィルムの均一な分布によって決まる。例えば、フィルムを切断して個々の剤形にするとき、その剤形中の活性物量を相当な正確さで知ることができる。これは、所与の区域中の活性物量が、フィルムの別の部分の同じ寸法の区域中の活性物量と実質的に同一であるために実現される。投与量の正確さは、活性物が薬剤、すなわち薬物であるときに特に有利である。
本発明のフィルムに組み込むことのできる活性成分には、限定するものではないが、薬剤および化粧活性物、薬物、医薬、タンパク質、ブタクサの花粉、胞子、微生物、種子などの抗原もしくはアレルゲン、洗口成分、着香剤、芳香剤、酵素、保存剤、甘味剤、着色剤、スパイス、ビタミン、およびこれらの組合せが含まれる。
本発明の剤形中には広範な種類の医薬、生理活性物質、および薬剤組成物を含めることができる。有用な薬物の例としては、ACE阻害剤、抗狭心症薬、抗不整脈薬、抗喘息薬、高コレステロール血症薬、鎮痛薬、麻酔薬、抗けいれん薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、下痢止め製剤、解毒薬、抗ヒスタミン剤、抗高血圧薬、抗炎症剤、抗脂質剤、抗躁病薬、制吐剤、抗発作薬、抗チロイド製剤、抗腫瘍薬、抗ウイルス剤、にきび薬、アルカロイド、アミノ酸製剤、咳止め薬、抗尿酸血症薬、抗ウイルス薬、蛋白同化製剤、全身および非全身性抗感染剤、抗新生物薬、抗パーキンソン症候群薬、抗リウマチ薬、食欲刺激剤、生体応答調節剤、血液調整剤、骨代謝調節剤、心臓血管薬、中枢神経系刺激剤、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、うっ血除去薬、栄養補助食品、ドーパミン受容体作動薬、子宮内膜症管理薬、酵素、勃起不全治療薬、不妊治療薬(fertility agent)、胃腸薬、ホメオパシー薬剤、ホルモン、高カルシウム血症および低カルシウム血症管理薬、免疫調節薬、免疫抑制薬、片頭痛製剤、運動疾患治療薬、筋弛緩剤、肥満管理薬、骨粗鬆症製剤、子宮収縮薬、副交感神経遮断薬、副交感神経様作動薬、プロスタグランジン、精神治療薬、呼吸器薬、鎮静剤、禁煙補助剤、交感神経抑制薬、振せん製剤、尿路薬、血管拡張剤、緩下剤、制酸薬、イオン交換樹脂、抗発熱薬、食欲抑制薬、去痰薬、抗不安薬、抗潰瘍薬、抗炎症性物質、冠状動脈拡張薬、脳血管拡張薬、末梢血管拡張薬、向精神薬、興奮薬、抗高血圧薬、血管収縮薬、片頭痛治療薬、抗生物質、精神安定剤、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝固薬、抗血栓薬、催眠薬、鎮吐剤、制吐剤、抗けいれん薬、神経筋薬、血糖上昇薬および血糖降下薬、チロイド製剤および抗チロイド製剤、利尿剤、鎮痙薬、子宮弛緩薬、抗肥満薬、赤血球生成薬、抗喘息薬、咳止め薬、粘液溶解薬、DNAおよび遺伝子改変薬、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
本発明での使用が企図される薬物療法用活性成分の例として、制酸薬、H2拮抗薬、および鎮痛剤が挙げられる。例えば、成分の炭酸カルシウムを単独または水酸化マグネシウムおよび/もしくは水酸化アルミニウムと組み合わせて使用し、制酸薬を調製することができる。さらに、制酸薬は、H2拮抗薬と組み合わせて使用することができる。
鎮痛薬としては、オキシコドン(Oxycontin(登録商標)として入手される)などの阿片剤および阿片剤誘導体、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、ならび任意にカフェインを含んでよいこれらの組合せが挙げられる。
本発明で使用する他の好ましい活性成分についての他の好ましい薬物としては、インモジウムADなどの止瀉薬、抗ヒスタミン剤、咳止め薬、うっ血除去薬、ビタミン、および口臭清涼剤が挙げられる。アセトアミノフェン、クロルフェニラミンマレアート、デキストロメトルファン、偽エフェドリンHC1、ジフェンヒドラミンなど、風邪、痛み、熱、咳、うっ血、鼻水、およびアレルギーに単独または組み合わされて使用される普通薬は、本発明のフィルム組成物中に含めることができる。
また、アルプラゾラム(Xanax(登録商標)として入手される)などの抗不安薬;クロゾピン(Clozaril(登録商標)として入手される)やハロペリドール(Haldol(登録商標)として入手される)などの抗精神病薬;ジシクロフェナク(Voltaren(登録商標)として入手される)やエトドラク(Lodine(登録商標)として入手される)などの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID);ロラタジン(Claritin(登録商標)として入手される)、アステミゾール(Hismanal(商標)として入手される)、ナブメトン(Relafen(登録商標)として入手される)、およびクレマスチン(Tavist(登録商標)として入手される)などの抗ヒスタミン剤;塩酸グラニセトロン(Kytril(登録商標)として入手される)やナビロン(Cesamet(商標)として入手される)などの鎮吐薬;Bentolin(登録商標)、硫酸アルブテロール(Proventil(登録商標)として入手される)などの気管支拡張薬;塩酸フルオキセチン(Prozac(登録商標)として入手される)、塩酸セルトラリン(Zoloft(登録商標)として入手される)、および塩酸パロキセチン(Paxil(登録商標)として入手される)などの抗うつ薬;Imigra(登録商標)などの抗片頭痛薬;エナラプリラット(Vasotec(登録商標)として入手される)、カプトプリル(Capoten(登録商標)として入手される)、およびリシノプリル(Zestril(登録商標)として入手される)などのACE阻害剤;ニセルゴリンなどの抗アルツハイマー病薬;ならびにニフェジピン(Procardia(登録商標)およびAdalat(登録商標)として入手される)や塩酸ベラパミル(Calan(登録商標)として入手される)などのCaH拮抗薬についてもここでの使用を企図する。
勃起不全治療薬としては、陰茎への血流を促進する薬物、および副交感神経(コリン作動性)の活動を増大させ、交感神経(アドレナリン作動性)の活動を低下させるなど、自律神経の活動に影響を与える薬物が含まれるがこの限りでない。非限定的な有用な薬物としては、Viagra(登録商標)などのシルデナフィル、Cialis(登録商標)などのタダラフィル、バルデナフィル、Uprima(登録商標)などのアポモルフィン、Aphrodyne(登録商標)などの塩酸ヨヒンビン、およびCaverject(登録商標)などのアルプロスタジルが挙げられる。
本発明での使用が企図される、普及しているH2拮抗薬としては、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジエン(nizatidien)、エブロチジン(ebrotidine)、ミフェンチジン、ロキサチジン、ピサチジン(pisatidine)およびアセロキサチジン(aceroxatidine)が挙げられる。
活性制酸薬成分としては、水酸化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウム炭酸ナトリウム、炭酸水素塩、アルミン酸ビスマス、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス、ビスマスサブシリシラート、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸または塩)、アミノ酢酸、アルミン酸硫酸マグネシウム水和物、マガルドラート、アルミノケイ酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、乳固形分、アルミニウムリン酸2水素カルシウムもしくはリン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、炭酸水素カリウム、酒石酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミノケイ酸マグネシウム、酒石酸および塩が挙げられるがこの限りでない。
本発明で使用される、薬学的に活性のある薬剤として、その限りでないが、草、木、もしくはブタクサの花粉;動物のフケ、すなわちネコおよび毛で覆われた他の動物の皮膚および毛から落ちる小さな鱗片;ハウスダストのダニ、ミツバチ、スズメバチなどの昆虫;ペニシリンなどの薬物といったアレルゲンまたは抗原が含まれる場合がある。
特に活性物が光感受性である場合では、活性物の分解を防ぐため、フィルムに酸化防止剤を加えてもよい。
美容成分として活性のある薬剤としては、メントール、他の着香剤もしくは芳香剤といった口臭清涼化合物、特に口腔衛生のために使用されるもの、ならびに第四級アンモニウム塩基など、歯および口の洗浄に使用される活性物を挙げることができる。酒石酸、クエン酸、バニリンなどのようなフレーバー強化剤を使用して、着香剤の効果を増強することもできる。
フィルム調製の際に着色添加剤を加えることもできる。そのような着色添加剤には、食品、薬物、および化粧品用の着色料(FD&C)、薬物および化粧品用の着色料(D&C)、または外用薬物および化粧品用の着色料(Ext.D&C)が含まれる。これらの着色料は、染料、その対応するレーキ、および所定の天然色素および派生色素である。レーキは、水酸化アルミニウムに吸収される染料である。
着色剤の他の例としては、既知のアゾ染料、有機もしくは無機顔料、または天然物由来の着色剤が挙げられる。酸化鉄、酸化チタンなどの無機顔料が好ましく、これらの酸化物は、全成分の重量の約0.001〜約10%、好ましくは約0.5〜約3%の範囲の濃度で加える。
着香剤は、天然および合成の香りのする液体から選択することができる。そのような剤の実例としては、揮発性油、合成香油;香りのする芳香族化合物、油、液体、含油樹脂;または植物、葉、花、果実、茎の抽出物、ならびにこれらの組合せが挙げられる。代表格の非限定的な例としては、ハッカ油、カカオ;レモン、オレンジ、ブドウ、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類の油;リンゴ、洋ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、アンズを含む果物エッセンス、または他の果物フレーバーが挙げられる。
着香料を含むフィルムを添加して、風味付けされた温かいまたは冷たい飲料またはスープを提供することができる。これらの着香料としては、限定するものではないが、茶およびビーフやチキンなどのスープ用着香料が挙げられる。
他の有用な着香料としては、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、シトラール、すなわちαシトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわちβシトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、アルデヒドC-8(柑橘果物)、アルデヒドC-9(柑橘果物)、アルデヒドC-12(柑橘果物)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、2,6-ジメチルオクタノール(グリーンフルーツ)、および2-ドデカナール(シトラス、マンダリン)、これらの組合せなど、アルデヒドおよびエステルが挙げられる。
甘味剤は、次の非限定的なリスト、すなわち、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、およびこれらの組合せ;サッカリン、およびナトリウム塩などのその様々な塩;アスパルテームなどのジペプチド甘味剤;ジヒドロカルコン化合物、グリシルリジン;Stevia Rebaudiana(ステビオサイド);スクラロースなどスクロースのクロロ誘導体;ソルビトール、マンニトール、キシリトールなどの糖アルコールから選択することができる。水素添加されたデンプン加水分解物、および合成甘味剤3,6-ジヒドロ-6-メチル-1-1-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシド、特にそのカリウム塩(アセサルファムK)、ナトリウム塩、カルシウム塩、および羅漢果などの天然の強力な甘味料も企図する。他の甘味剤を使用してもよい。
活性物を溶媒中でポリマーと混ぜ合わせるとき、生成される母剤のタイプは、活性物およびポリマーの溶解度に応じて決まる。活性物および/またはポリマーが選択した溶媒に可溶性である場合、溶液となり得る。しかし、成分が可溶性でない場合、マトリックスは、乳濁液、コロイド、または懸濁液として分類することができる。
[用量]
本発明のフィルム製品は、広い範囲の量の活性成分を収容することができる。フィルムは、必要な用量が多かろうがごく少なかろうが、正確な用量を提供することができる(フィルムの大きさ、およびもとのポリマー/水配合物中の活性物の濃度に応じて決まる)。したがって、フィルムに組み込まれる活性物または薬剤組成物の種類に応じて、活性物の量は、約300mgもの多い量、望ましくは約150mgまでの量、またはマイクログラムの範囲の少ない量、またはこれらの間の量でよい。
本発明のフィルム製品および方法は、効力が強く用量の少ない薬物に多分に適している。これは、フィルムの高度な均一性によって成し遂げられる。したがって、低用量薬物、特により効力のある、活性物のラセミ混合物が望ましい。
[消泡および脱泡組成物]
消泡および/もしくは脱泡成分も、本発明のフィルムと共に使用してよい。これらの成分は、閉じ込められた空気など、フィルム形成組成物からの空気の除去を助ける。上述のように、そうした閉じ込められた空気は、均一でないフィルムをもたらしかねない。シメチコンは、特に有用な消泡および/もしくは脱泡剤の1つである。しかし、本発明は、そのように限定せず、他の消泡および/もしくは脱泡剤も適切に使用してよい。
これに関連して、シメチコンおよび同類の薬剤を、密度を高める目的で使用してもよい。より詳細には、このような薬剤は、空隙、空気、水分、および同様の望ましくない成分の除去を円滑にし、それによってより高密度な、したがってより均一なフィルムをもたらし得る。この機能を果たす薬剤または成分は、密度強化もしくは高密度化剤と呼ぶことができる。上述のように、閉じ込められた空気または望ましくない成分は、不均一なフィルムをもたらしかねない。
シメチコンは、一般に、医学分野で乳児のガスまたは疝痛の治療薬として使用されている。シメチコンは、トリメチルシロキシ末端封鎖単位によって安定化されたポリジメチルシロキサンの繰返し単位を含む完全にメチル化された直鎖シロキサンポリマーと二酸化ケイ素の混合物である。通常は、90.5〜99%のポリメチルシロキサンおよび4〜7%の二酸化ケイ素を含有している。この混合物は、灰色透明の粘性のある流体であり、水に不溶性である。
シメチコンは、水に分散すると、表面張力の低い薄い被膜を形成しながら、表面全体に広がる。シメチコンは、このようにして、泡沫状の泡など、溶液中にある気泡の表面張力を低下させて、それを崩壊させる。シメチコンの機能は、水中で油とアルコールの二重の作用を模倣するものである。例えば、油性溶液中では、油性の液体は水の溶液よりも密度が低いので、閉じ込められた気泡は、表面へと上昇し、より迅速かつ容易に消失する。一方、アルコール/水の混合物は、水の密度を低下させることに加え、水の表面張力を弱めることは知られている。そのため、この混合溶液内に閉じ込められた気泡も、容易に消失する。シメチコン溶液は、これら両方の長所を提供する。シメチコン溶液は、水溶液内に閉じ込められた気泡の表面エネルギーを低下させることに加え、水溶液の表面張力も低下させる。このユニークな機能性のために、シメチコンは、生理的方法(胃のガス予防)だけでなく、製品から気泡を除去する必要のある外面的な方法に向けて使用することができる、優れた消泡特性を有する。
本発明のフィルム中で気泡の生成を防ぐために、真空中で混合ステップを行うことができる。しかし、混合ステップが完了し、フィルム溶液を通常の環境条件に戻したら直ちに、空気を混合物に導入し直し、または接触させる。多くの場合では、小さな気泡がこの粘性のポリマー溶液内に再び閉じ込められる。フィルム形成組成物にシメチコンを混ぜると、気泡の生成が実質的に低減または消失する。
シメチコンは、約0.01重量パーセント〜約5.0重量パーセント、より望ましくは約0.05重量パーセント〜約2.5重量パーセント、最も望ましくは約0.1重量パーセント〜約1.0重量パーセントの量でフィルム形成混合物に消泡剤として加えることができる。
[任意成分]
他の様々な成分およびフィラーも本発明のフィルムに加えることができる。これらには、限定するものではないが、界面活性剤;混合物内の成分の適合化を補助する可塑剤;ポリアルコール;フィルムから酸素を放出してより滑らかなフィルム表面にしやすくする、シリコーン含有化合物などの消泡剤;成分の分散の維持を助ける、ペクチン、カラギーナン、ゼラチンなどの熱硬化性ゲル;および所定の活性化合物の溶解性および/または安定性を向上させる、シクロデキストリンやかご分子などの包接化合物が含まれる。
本発明組成物に組み込むことのできる様々な添加剤は、様々な異なる機能をもたらし得る。各種添加剤の例としては、賦形剤、滑沢剤、緩衝剤、安定剤、発泡剤、顔料、着色剤、フィラー、充填剤、甘味剤、着香剤、着香料、離型変更剤、佐剤、可塑剤、流動促進剤、離型剤、ポリオール、造粒剤、希釈剤、結合剤、緩衝液、吸収剤、滑剤(glidant)、粘着剤、粘着防止剤、酸味料、軟化剤、樹脂、粘滑剤、溶媒、界面活性剤、乳化剤、エラストマー、およびこれらの混合物が挙げられる。これらの添加剤は、活性成分と共に加えることができる。
有用な添加剤としては、例えば、ゼラチン;ヒマワリタンパク質、ダイズタンパク質、綿実タンパク質、ラッカセイタンパク質、ブドウ種子タンパク質などの植物性タンパク質;ホエータンパク質、ホエータンパク質単離物、血液タンパク質、卵タンパク質、アクリル酸付加タンパク質(acrylated protein)、アルギネートなどの水溶性多糖体、カラギーナン、グアーガム、寒天、キサンタンガム、ゲランガム、アラビアガムおよび同類のガム類(ガッティガム、カラヤガム、トラガカントゴム)、ペクチン、水溶性のセルロース誘導体:アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルアルキルセルロース(メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロースなど)、セルロースエステルおよびヒドロキシアルキルセルロースエステル(セルロースアセテートフタレート(CAP)など)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);カルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル(カルボキシメチルセルロースなど)、およびそのアルカリ金属塩;ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸およびポリメタクリル酸エステル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVY/ビニルアセテートコポリマー、ポリクロトン酸などの水溶性合成ポリマーが挙げられ、フタル酸付加ゼラチン、ゼラチンスクシネート、架橋ゼラチン、シェラック、デンプンの水溶性化学誘導体、例えば、所望であれば四級化されていてもよいジエチルアミノエチル基などの第三級もしくは第四級アミノ酸を有する、カチオン性に改変されたアクリレートおよびメタクリレート、ならびに他の同様のポリマーも適する。
このような増量剤は、望ましくは全成分の重量の約80%まで、望ましくは約3%〜50%、より望ましくは3%〜20%の範囲内の所望の量を任意に加えることができる。
別の添加剤は、望ましくは全成分の重量の約0.02%〜約3重量%、望ましくは約0.02%〜約1%の濃度の、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、チタンなどの酸化物など、無機フィラーでよい。
添加剤の別の例は、可塑剤であり、これには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン-プロピレングリコールなどのポリアルキレンオキシド;グリセロール、グリセロールのモノアセテート、ジアセテート、もしくはトリアセテート、トリアセチン、ポリソルベート、セチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ジエチルスルホスクシネートナトリウム、トリエチルシトレート、トリブチルシトレートなどの低分子量の有機可塑剤が含まれ、ポリマー重量の約0.5%〜約30%の範囲、望ましくは約0.5%〜約20%の範囲の濃度で加える。
さらに、デンプン材料の流動特性を向上させるために、望ましくは水素添加された形の動物や植物の脂肪などの化合物、望ましくは室温で固体であるものを加えることができる。これらの脂肪は、融点が50℃以上であることが望ましい。好ましいものは、C12、C14、C16、C18、C20、およびC22の脂肪酸とのトリグリセリドである。これらの脂肪は、増量剤または可塑剤を加えずに単独で加えることができ、また有利なことに、単独、またはモノおよび/もしくはジグリセリドまたはホスファチド、特にレシチンと一緒に加えることができる。モノおよびジグリセリドは、上述の種類の脂肪から誘導されるもの、すなわち、C12、C14、C16、C18、C20、およびC22脂肪酸とのエステルであることが望ましい。
脂肪、モノもしくはジグリセリド、および/またはレシチンの総使用量は、組成物全体の約5%まで、好ましくは約0.5%〜約2重量%の範囲内である。
二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、または二酸化チタンを組成物全体の約0.02%〜約1重量%の濃度で加えることもまた有用である。これらの化合物は、キメ出し剤(texturizing agent)として働く。
これらの添加剤は、企図した目的を達成するのに十分な量で使用するものである。一般に、これらの添加剤の組合せによって、活性成分の全体としての放出プロフィールが変更され、これ使用して、放出を変更、すなわち遅らせ、または速めることができる。
レシチンは、本発明で使用する界面活性剤の1つである。レシチンは、供給原料中に約0.25%〜約2.00重量%の量で含めることができる。他の界面活性剤には、この限りでないが、セチルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ICI Americas,Inc.から市販されているSpan(商標)およびTween(商標)が含まれる。BASFから市販されているCremophor(登録商標)ELなどのエトキシ化ヒマシ油を含むエトキシ化油も有用である。Carbowax(商標)は、本発明で非常に有用なさらに別の改質剤である。Tween(商標)または界面活性剤の組合せを使用すると、所望の親水性-親油性バランス(「HLB」)を実現することができる。しかし、本発明は、界面活性剤の使用を必要とせず、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、本質的に界面活性剤を含まなくてよいが、それでも本発明の望ましい均一性の特色を提供する。
本発明の手順および製品を強化する追加の改質剤が確認される。出願人らは、そのようなすべての追加の改質剤を、本明細書で主張する本発明の範囲内に含めるつもりである。
他の原材料として、フィルムの生成しやすさおよび全般的な品質に寄与する結合剤が挙げられる。結合剤の非限定的な例には、デンプン、糊化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン、およびポリビニルアルコールが含まれる。
別のあり得る添加剤としては、活性成分を含む包接化合物を形成する物質など、溶解性増強剤が挙げられる。このような作用剤は、非常に不溶性かつ/または不安定な活性物の性質を改善するのに有用であるかもしれない。一般に、これらの物質は、疎水性の内部の空洞と親水性の外部を備えたドーナツ型分子である。不溶性かつ/または不安定な活性物は、疎水性の空洞内に収まり、それによって水溶性の包接複合体を作ることができる。したがって、包接化合物の生成によって、非常に不溶性かつ/または不安定な活性物の水への溶解が可能になる。このような作用剤の特に望ましい例は、デンプンから得られる環状炭化水素のシクロデキストリンである。しかし、他の類似した物質も十分に本発明の範囲内であると考える。
[フィルムの生成]
本発明のフィルムは、乾燥させる前にシートに成形しなければならない。所望の成分を合わせて、ポリマー、水、および活性物もしくは所望される他の成分を含む多成分マトリックスを生成した後、この配合物を、多成分マトリックスの押出、コーティング、塗布、流延、延伸など、当業界で知られている方法によってシートまたはフィルムに成形する。多層フィルムが所望される場合、これは、組成が同じでも異なるものでもよい2つ以上の成分配合物の同時押出によって実現される。多層フィルムは、すでに生成されたフィルム層上に配合物をコーティング、延伸、または流延して得ることもできる。
異なる様々なフィルム成形技術を使用することができるが、リバースロールコーティングなど、柔軟なフィルムが得られる方法を選択することが望ましい。フィルムが柔軟であると、フィルムシートがローラーにかけられ、輸送されて、貯蔵され、またはその前に個々の剤形に切断することが可能になる。フィルムはまた、自立性になる、換言すれば、別の支持体なしでその完全性および構造を保ち得ることが望ましい。さらに、本発明のフィルムは、食用または摂食可能な材料を選択することができる。
コーティング法または流延法は、本発明のフィルムを生成する目的では特に有用である。詳細な例としては、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、浸漬もしくはディップコーティング、計量ロッドもしくはメイヤーバーコーティング、スロットダイもしくは押出コーティング、ギャップもしくはナイフロールコーティング、エアナイフコーティング、カーテンコーティング、または特に多層フィルムが所望されるときにはこれらの組合せが挙げられる。
本発明に従ってフィルムを生成するとき、ロールコーティング、より詳細にはリバースロールコーティングが特に所望される。この手法は、優れた制御を提供し、また本発明で所望されることであるが、得られるフィルムを均一にする。この手法では、上方の計量ローラーとその下の塗布ローラーの間の隙間を正確にセットすることによって、コーティング材料を塗布ローラー上に計量する。コーティングは、塗布ローラーのすぐ近くの支持ローラーのあたりを通過するときに塗布ローラーから基材に移される。3本ロールおよび4本ロール両方の方法が一般的である。
グラビアコーティング法は、コーティング浴中を進む彫刻ローラーを利用し、コーティング浴は、ローラーに彫り込まれた点または線をコーティング材料で満たす。ローラー上の過剰なコーティングは、ドクターブレードによって拭き取られ、次いで、基材が彫刻ローラーと圧力ローラーの間を通過するときに、コーティングが基材に堆積する。
基材に移す前に中間ローラーにコーティングを堆積させるオフセットグラビアが一般的である。
浸漬もしくはディップコーティングの簡単な方法では、基材をコーティングの浴に浸すが、コーティングは、通常は、基材が現れるときにコーティングを浴に垂れ落ちさせることができる程度に粘度が低いものである。
計量ロッドコーティング法では、基材がバスローラー上を通過するときに基材に過剰のコーティングを堆積させる。時にはメイヤーバーとして知られている線巻計量ロッドが、所望の量のコーティングが基材上に残るようにする。量は、ロッドに使用したワイヤーの直径によって決まる。
スロットダイ法では、重力によってまたは圧力をかけてコーティングをスロットから基材上に押し出す。コーティングが100%固体である場合、その方法を「本押出」と呼び、この場合では、線速度が押出速度よりはるかに速いことが多い。これによって、コーティングをスロットの幅よりもかなり薄くすることができる。
PEOポリマー成分を含有するフィルム組成物を生成するには、押出法を用いることが特に望ましいかもしれない。これらの組成物は、ポリマー成分中にPEOまたはPEOブレンドを含有しており、本質的に可塑剤、および/または界面活性剤、およびポリアルコールが加えられていなくてよい。組成物は、約90℃未満の処理温度でシートとして押し出すことができる。押出は、フィルム組成物をローラーまたは押出ダイを通して押し出して行われ、均一なマトリックスを得ることができる。次いで、押し出されたフィルム組成物を、当業者に知られている機構によって冷却する。例えば、チルローラー、空気冷却床、または水冷却床を使用することができる。PEOが熱を持つ傾向があるので、冷却ステップは、これらのフィルム組成物にとって特に望ましい。
ギャップもしくはナイフロール法は、基材に塗布されているコーティングを利用し、次いでこれが「ナイフ」と支持ローラーの間の「ギャップ」を通る。コーティングおよび基材が通過するとき、過剰分が捨て去られる。
エアナイフコーティングは、コーティングが基材に塗布され、過剰分がエアナイフの強力な噴射によって「吹き飛ばされる」ものである。この手法は、水性コーティングに有用である。
カーテンコーティング法では、基部にスロットを有する浴によって、切れ目のないコーティングのカーテンが、2本のコンベヤー間の隙間に落ちるようになる。コーティングする目的物が、コンベヤーと共に制御された速度で通過し、その上面がコーティングを施される。
[フィルムの乾燥]
乾燥工程も、フィルム組成物の均一性の維持に寄与する因子である。制御された乾燥工程は、粘度を増大させる組成物、または例えばポリマーの選択によって粘度が制御されている組成物がなく、フィルム内の成分が凝集または塊状化する傾向が増大しているかもしれないときに特に重要である。制御型の乾燥工程を必要としない、正確な用量を含むフィルムを形成する代替法は、所定のウェルでフィルムの流延を行うものになるはずである。この方法では、成分が凝集することがあったとしても、各ウェルがそれ自体剤形の境界を画定しているので、活性物が隣接する剤形に移動することにならない。
制御型または急速乾燥工程が所望されるとき、様々な方法によって行うことができる。熱を当てる必要のあるものを含めて、様々な方法を使用することができる。液体担体は、湿ったフィルムで得られる均一性、より詳細には自己凝集性でない均一な異質性が保たれるようにしてフィルムから除去する。
フィルムは、フィルム下部からフィルム上部へと乾燥させることが望ましい。固体の粘弾性構造が形成される、最初の固化期間の間、フィルム上部全域に実質的に空気流が存在しないことが望ましい。これは、乾燥工程の最初の数分、例えば最初の約0.5〜約4.0分間以内に行うことができる。このようにして乾燥を制御すると、従来の乾燥法によって起こるフィルムの上部表面の破壊および再形成が予防される。これは、フィルムを形成させ、上部および下部の各側面を有する表面の上部側面にこれを載せて実現される。次いで、最初にフィルムの下部側面に熱を当てて、液体担体を蒸発させ、または別な方法で除去するのに必要なエネルギーを提供する。このようにして乾燥させたフィルムは、風乾フィルム、または従来の乾燥手段によって乾燥させたものと比べてより急速かつ一様に乾燥する。最初に上部および縁から乾燥させる風乾フィルムとは対照的に、下部に熱を当てて乾燥させるフィルムは、縁だけでなく中心も同時に乾燥する。これは、従来の方法によって乾燥させたフィルムによって起こる成分の沈降も防ぐ。
フィルムを乾燥させる温度は、約100℃以下、望ましくは約90℃以下、最も望ましくは約80℃以下である。
単独で使用しても、上述の他の制御型の方法と組み合わせて使用してもよい、乾燥工程を制御する別の方法としては、フィルムを乾燥させる乾燥装置内の湿度を制御および変更するものが挙げられる。この方式では、フィルム上部表面の速すぎる乾燥が回避される。
さらに、乾燥時間の長さを適正に制御する、すなわち、成分、特に着香油および薬物の感熱性および揮発性との釣合いを保つことができるということが発見された。エネルギー量、温度、コンベヤーの長さおよび速度の釣合いを保って、そのような活性物に配慮し、最終フィルムの損失、分解、または効果喪失を最小限に抑えることができる。
適切な乾燥法の具体例は、Magoonによって開示されたものである。Magoonは、特に果肉の乾燥法を対象としている。しかし、本発明者らは、この方法を薄いフィルムの調製に適合させた。
Magoonの方法および装置は、水の興味深い性質に基づいている。水は、その範囲内および周囲に伝導および対流によってエネルギーを伝達するが、その範囲内および水にしかエネルギーを放射しない。したがって、Magoonの装置は、赤外線を透過させる、果肉配置用の表面を含む。表面の下側は、温度制御がなされた水浴と接触している。水浴温度は、水の沸点を若干下回る温度に制御されることが望ましい。湿った果肉が装置表面に置かれると、これが「屈折の窓」を与える。これは、赤外エネルギーが、果肉が占有する表面上の区域のみに、かつ果肉が乾燥するまでに限り、表面を貫通して放射されるようになるという意味である。Magoonの装置は、フィルム成分が凝集する事例を減らしながら、効率のよい乾燥時間で本発明のフィルムを提供する。
乾燥工程を制御する別の方法は、ゾーン乾燥手法を含む。ゾーン乾燥装置は、その範囲内に1箇所または複数の乾燥ゾーンが配置されている、連続ベルト乾燥トンネルを含んでいてよい。各乾燥ゾーンの条件は様々でよく、例えば、温度および湿度を選択して決めることができる。ゾーンを連続的に配列して、段階的な乾燥効果をもたらすことが望ましいであろう。
ゾーン乾燥コンベヤーの速度は、継続するものであることが望ましい。あるいは、乾燥手法の特定の段階で速度を変更して、所望のゾーンの条件へのフィルムの曝され具合を増減してもよい。継続させるにせよ、変更するにせよ、ゾーン乾燥は、表面の被膜形成なしにフィルムを乾燥させる。
図35に示すゾーン乾燥装置100の実施形態によれば、フィルム110は、切れ目のないベルト120上に供給され、このベルトが異なる乾燥ゾーンの中を通ってフィルムを運ぶ。フィルムが進む第1の乾燥ゾーン101は、暖かく湿気のあるゾーンでよい。第2ゾーン102は、より熱くより乾燥していてよく、第3ゾーン103も熱く乾燥していてよい。これらの異なるゾーンは、途切れないものでもよいし、あるいは図36のゾーン乾燥装置200に示すように分離していてもよい。本発明によれば、ゾーン乾燥装置は、3つの乾燥ゾーンに限らない。所望であれば、本発明の制御型乾燥効果を与えるのに、熱および湿度レベルの様々なより少ないまたは追加の乾燥ゾーンの中をフィルムが進んでもよい。
温度および湿度をさらに制御するために、乾燥ゾーンは、不活性気体などの追加の周囲条件を含んでいてもよい。ゾーン乾燥装置はさらに、本発明による制御乾燥が維持される限り、ゾーン乾燥手法の間に、例えば噴霧工程や積層工程などの追加の工程を含むように適合させてもよい。
フィルムは、最初は厚みが約500μm〜約1,500μm、または約20ミル〜約60ミルでよく、乾燥時の厚みは約3μm〜約250μm、または約0.1ミル〜約10ミルでよい。乾燥フィルムの厚みは、約2ミル〜約8ミルになることが望ましく、約3ミル〜約6ミルがより望ましい。
[フィルムの均一性の試験]
フィルム製造工程の際に、本発明のフィルムの化学的および物理的な均一性を試験することが望ましいであろう。特に、フィルムのサンプルを取り出し、様々なサンプル同士を比べてフィルム成分の均一性を試験することができる。フィルムの厚みおよび全体的な概観からも均一性を確認することができる。特に薬剤活性成分を含有するフィルムでは、安全性および有効性の点から均一なフィルムが求められる。
本発明による均一性の試験法は、フィルムを製造工程に載せることを含む。それらのなかでも、この方法は、フィルムを乾燥工程にかけ、フィルムを個々の投与量単位に分割し、かつ/または投与量を包装する手法を含む。フィルムは、例えばコンベヤーベルト装置によって製造工程に載せられているとき、横方向に少なくとも一部分に切断することができる。その少なくとも一部分は、他方のフィルム部分から分離した向かい合った末端を有する。例えば、フィルムがロール状である場合、細分ロールに切り離すことができる。フィルムの切断は、ナイフ、かみそり、レーザー、またはフィルム切断に適する他の手段など、様々な方法によって行うことができる。
次いで、その部分の中央を破壊せずに、その部分の向かい合った各末端から小片を取り除いて、切断フィルムのサンプルを採取することができる。中央部を無傷にしておくことで、フィルムの符号を中断せず、サンプル採取によって引き起こされるフィルムの途切れを起こすことなく、フィルムの大部分を製造工程に流すことが可能になる。したがって、フィルムがさらに処理される、すなわち包装されるので、用量が抜ける心配が軽減する。そのうえ、切断部分または細分ロールの完全性を、工程を通して維持することは、欠陥制御の結果、例えば、数量不足を通知するための警報による停止のために更なるフィルム処理または包装が中断される可能性を低減する助けとなる。
末端小片またはサンプル切片をフィルム部分から取り除いた後、サンプル間で成分含有量が均一であるかどうかこれらを試験することができる。例えば、視覚による点検、分析器具の使用、当業界で知られている他の適切な手段など、フィルム片の検査および試験のためのどんな従来手段を使用してもよい。フィルムサンプル間の不均一性を示す試験結果が出れば、製造工程を変更することができる。全製造の運転が完了する前に工程の変更を行うことができるので、これによって時間と費用を節約することができる。例えば、乾燥条件、混合条件、組成物の成分および/またはフィルムの粘度を変えることができる。そのなかでも、乾燥条件の変更は、温度、乾燥時間、湿度レベル、および乾燥機の位置の変更を含んでよい。
さらに、製造工程全体にわたってサンプル採取と試験のステップを繰り返すことが望ましいであろう。何回も間隔を置いて試験すると、絶えず均一なフィルム剤形が確実に生産できるようになる。サンプル間の不均一性を最小限に抑えるために、どの段階で工程の変更を行ってもよい。
[薄型フィルムの使用]
本発明の薄型フィルムは、多くの用途に適する。このフィルムは、成分が高度に均一になるので、医薬品を組み込むのに特によく適するようになっている。さらに、フィルムの構築に使用するポリマーを選択して、一定範囲のフィルム崩壊時間を可能にすることができる。フィルムの崩壊にかかる時間を変動または延長させると、活性物が放出される速度の制御を実現することができ、これによって持続放出送達系が可能となり得る。また、このフィルムを使用して、いろいろな体の表面、特に、口、肛門、膣、眼、創傷面(皮膚表面上または手術の際などの体内)、および同様の表面など、粘膜を含む表面のいずれかに活性物を投与することができる。
このフィルムは、活性物の経口投与に使用することができる。これは、上述のようにフィルムを調製し、それを哺乳動物の口腔に導入することによってなされる。このフィルムを調製し、使用前、すなわち口腔への導入前にフィルムをそこから剥がす第2の層または支持層に粘着させることもできる。当業界で知られているもののいずれかでよい支持体または裏材料にフィルムを貼付するのに粘着剤を使用することができ、粘着剤は、水溶性でないことが好ましい。粘着剤を使用するなら、摂取可能であり、活性物の性質を変更しない、食品グレードの粘着剤にすることが望ましい。粘膜粘着性組成物は特に有用である。このフィルム組成物は、多くの場合それ自体が粘膜粘着剤として働く。
フィルムは、哺乳動物の舌下または舌に適用することができる。これが所望されるとき、舌の形状に対応する特別なフィルム形状が好ましいことがある。したがって、フィルムは、舌の後部に対応するフィルムの辺が、舌の前部に対応する辺よりも長くなる形状に切断されることがある。詳細には、所望の形状は、三角形または台形となろう。フィルムを口腔に粘着して、フィルムが口腔から外されないように、またフィルムが溶解するにつれて活性物がより多く口腔に導入されるようにすることが望ましい。
本発明のフィルムの別の用途は、液体に導入すると急速に溶解するフィルムの傾向を利用するものである。本発明に従ってフィルムを調製し、それを液体に導入し、溶解させることによって、活性物を液体に導入することができる。これは、活性物の液体剤形の調製にも、または飲料の香り付けにも使用することができる。
本発明のフィルムは、活性物を酸化、加水分解、揮発、および環境との相互作用にさらされることから守るために、密閉した気密性かつ耐水性の包装品に包装することが望ましい。図1を参照すると、包装された薬剤投与量単位10は、袋の中に、または箔および/もしくはプラスチック積層シート14の間に個々にくるまれた各フィルム12を含む。図2に示すように、袋10、10'は、ちぎることができまたはミシン目の入った継ぎ目16で互いにつながっている。袋10、10'は、図5に示すようにロールにして包装し、または図3に示すように積み重ね、図4に示すようなディスペンサー容器18に入れて販売することができる。ディスペンサー容器は、通常は目的の治療のために処方された薬剤の全供給量を含むことができるが、フィルムおよび容器が薄いために、錠剤、カプセルおよび液体用に使用される伝統的な瓶よりも小さく、便利である。しかも、本発明のフィルムは、唾液または粘膜区域と接触すると瞬時に溶解し、水で流し込む必要がない。
一連のそのような単位用量は、処方された投与計画または治療に従ってまとめて、例えば、特定の治療に応じて10〜90日の供給量を包装することが望ましい。個々のフィルムは、裏材料上に包装し、剥がして使用することができる。
本発明の特徴および長所を以下の実施例によってより完全に示すが、実施例は、例示する目的で示すものであり、本発明をいかようにも限定するものでないと解釈される。
(実施例)
(実施例A〜I)
本発明の水溶性の薄膜組成物は、表1に記載の量を用いて調製する。
本発明組成物A〜Iの成分を、均一な混合物が得られるまで混合することにより、合わせた。次に組成物をリバースロールコーティングによりフィルムに形成した。次に、これらのフィルムを赤外透過表面の上部側で乾燥し、この下部側は約99℃に加熱した水浴と接触させた。外部熱気流は、そのフィルムの上に存在しなかった。フィルムを、約4〜6分で水分が約6重量%未満にまで乾燥させた。フィルムは柔軟で、自立性であり、かつフィルム内部でその成分は均一に分布した。
そのフィルム中の成分の均一な分布は、肉眼もしくは少し拡大した検査により明白であった。フィルムを観察すると、実質的に凝集がないことは明らかであった。すなわち、その担体および活性物は実質的には同じ場所にとどまり、そのフィルムの1つの部分から他の部分に大幅に移動しなかった。したがって、そのフィルムの任意の部分で見いだされる活性物の含量の間に、大幅な相違はなかった。
均一性も、まずフィルムをそれぞれの剤形に切断して測定した。実質的に等しいサイズの25個の剤形を、上記本発明組成物(E)フィルム中のランダムな位置から切断した。この中から8個の剤形を任意に選択し、加算的に計量した。8個の任意に選択された剤形の加算重量を下記の表2に示す:
個々の投与量は、常に0.04gmであり、フィルム中の成分分布は一貫して均一であることを示した。これは各成分が固有の密度を持つという簡単な原理に基づいている。したがって、本発明のように異なる密度を持つ成分を、フィルムに均一な様式で合わせるとき、実質的に等しい大きさの同じフィルムからの個々の剤形は、同じ質量を含むことになる。
活性物の均一性を判定する代替法は、フィルムを個々の投与量に切断することである。次いで個々の投与量を溶解し、特定サイズのフィルム中の活性物の量を調べてもよい。これは、同じフィルムの異なる部位から切断された実質的に同サイズのフィルムが、実質的に同じ量の活性物を含むことを示している。
本発明組成物A〜Hから形成したフィルムを舌上に置くと、速やかに溶解してその活性成分を放出する。同様に、フィルムを水に入れると、フィルムは速やかに溶解し、その活性物を着香料となるようにした場合には、フレーバーのある飲物になる。
(実施例J〜L)
分解時間が調整され、水溶性および水不溶性ポリマーの組合せを含むフィルムと活性物の制御放出が可能な水溶性フィルムを、概ね表3に記載された量を用いて調製する。
本発明組成物J〜Lの成分を合わせ、上記本発明組成物A〜Iを調製する方法を用いてフィルムに形成した。これらのフィルムも柔軟で、自立性であり、かつ投薬が正確にできる活性物の均一な分布を与えた。
本発明組成物J〜Lから調製されたフィルムの均一性は、個々の投薬フィルムの重量を測定する視覚的な手段によるか、もしくは先に述べたようにフィルムを溶解して、活性物の量を調べることにより試験できる。
(実施例M〜O)
正確な投薬を提供するフィルムを調製する代替法は、本発明組成物A〜Iのいずれにも用いることができる。その方法は、まず混合してその成分を合わせることで始まる。次いで成分を合わせたものを、個々の穴または型の中に分配する。そのような方法では、乾燥中での成分の凝集は、個々の穴によって防止される。
その上記表4の成分を組み合わせ、この成分を合わせたものをガラス表面の上に流延し、ガラス下部側を加熱してフィルムに形成した。これは、本発明組成物M〜Oを提供した。
組成物Mのフィルムは、乾燥前および乾燥後の両方で、赤い染料による濃淡(shading)の変化について調べた。フィルムを太陽光と白熱球光の双方の下で調べた。色の濃淡または強度に変動は観察されなかった。
組成物Mのフィルムについてのさらに詳しい試験には、濃度に直接関連する吸収試験が含まれていた。フィルムを、それぞれ1.0インチ×0.75インチの断片に切断し、番号を連続的に割り当てた。その断片を切り抜いた元の材料の約40mgを、約10mlの蒸留水に溶解し、定量的に25ml容量のメスフラスコへ移し、容量まで調整した。この溶液を遠心分離して、3nmの間隔で203〜1200nmまで走査した。最大吸収周波数は、530nmであることが分かった。次いで、その溶液を、より高いRPM(同じ時間)で再遠心し、再度、走査した。%透過率または周波数は変化しないことが示された。
それぞれの断片を0.1mg計量し、次いで10mlの蒸留水に溶解し、定量的に25ml容量のメスフラスコへ移して、蒸留水を加えて容量に調整した。次いで、それぞれの断片溶液を上記のように遠心し、それから、最初は203〜1200nmまで、その後は500nm〜550nmのみを、1nmの走査速度で走査した。記録した数値は、最短波長での%透過率であり、530nmが最も多かった。
その吸収値を下記の表5に示す。
全体の吸収の平均値は、1.724であった。試験した15断片の、最高値と最低値間の差は、0.073単位、または平均して4%であった。吸収は、それぞれの断片中の染料濃度に正比例しているので、これは組成物中で染料が均一に非常によく調節されていることを示している。
本発明組成物Nのフィルムは、非常に柔軟なフィルムを提供した。このフィルムは、引き伸ばすことができ、非常に高い引張強度を示した。
本発明組成物Oのフィルムを形成後、フィルムを、カミソリで素早くそのガラス範囲で剥ぎ取り、ガラスから取り外した。これは、非常にきつく巻かれた「爪楊枝様の」剤形を与えた。それぞれの剤形は、常に0.02gの重さであった。これは剤形の均一性、ならびにフィルムの優れた自立性特性も示している。
(実施例P〜W)
組成物P〜Wは、本発明に関連しているので、フィルム生産の種々の条件間での相互作用を実証するために調製した。下記表6の成分を組み合わせ、下記表7にリストしたプロセスパラメータを用いてフィルムに形成し、フィルムの下部乾燥を組み込むように設計された6mの乾燥トンネル中で調製した。それぞれ実施例は、得られたフィルム製品に及ぼす異なる成分配合および処理技術の影響を示している。
表7で、それぞれのプロセスパラメータは、フィルムの異なる特性に寄与している。フィルム厚は、リバースロールコーティング装置での刃とローラー間の間隔を示している。下部速度および上部速度は、それぞれ、フィルムの下部側および上部側での気流の速度を示している。フィルム重量は、基材の円形部分および100cm2のフィルムの重さを測定したものである。
組成物P〜Rは、フィルムを形成する基材上へフィルムの組成混合物をコーティングする性能に対する粘弾性特性の影響を示している。組成物Pは、粘質弾性特性(stringy elastic property)を示した。湿ったフィルムは、平らでなく、コーティングにはむらがあり、フィルムは乾燥しなかった。組成物Qには実質的にはPと同じ配合を用いたが、キサンタンは含まなかった。この製品は、基材をコーティングはしたが、湿った泡沫の粘弾性特性の変化のために、平らな状態を保たなかった。組成物Rは、実質的にその同じ配合を用いて作製したが、組成物Pのキサンタンの半量を組み入れた。この配合は、均一にコーティングできる組成物を提供した。組成物P〜Qは、特定のコーティング技術に適合するフィルムマトリックスの性能に関して、適切な配合が重要であることを示している。
組成物Sから作製したフィルムは、フィルム中に大量の空気を含んでいた。これは、表7のように、コーティングの厚さを変えても、厚さが同じの乾燥フィルム厚によって示される。フィルムの顕微鏡検査で、フィルム中に多数の気泡が認められた。フィルム中の空気を増えなくするために、混合過程で空気の封入を防ぐ注意が必要である。
組成物Tは、水/エタノール(60/40)への溶媒の変更を含んでいた。組成物Tを、混合物から脱気するために45分の間ゆっくり攪拌した。フィルム製品T1およびT2の乾燥重量は、T1からT2への固形物の増加と一致した。フィルムは、5%未満の水分で非常に速く乾燥した。組成物T成分の特定の組合せで、水の割合をエタノールの割合と置換すると、フィルムをさらに急速に乾燥できた。ゆっくりと攪拌して、フィルムからの空気を除去することで、最終フィルム製品を均一にし、乾燥時間を短くした。
組成物Uの溶媒には、水だけを用いた。U1-U3の乾燥重量は、コーティング厚の変化に従って連続的に変化し、気泡が存在しないことを示していた。しかし、これらのフィルムは、エタノール成分を含み、完全に乾燥した組成物Tのフィルムと異なり、乾燥機から出した時点で20%の水分を含んでいた。
組成物V1とV2では、固形物の量は増加し、水の量は減少した。乾燥重量は、固形物の増加によりU1〜U3より大きかったが、フィルムは、組成物Uと同様に乾燥機から出した時点で、まだ20%の水分を含んでいた。
組成物V3では、曝されたフィルム上部表面の速すぎる乾燥を防ぐために、コーティングラインの速度を下げた。このフィルム製品を水分6%まで乾燥させた。
固形物の量が増加すると、フィルム重量は増すが、より長い乾燥時間を必要とした。これは、フィルムシーリング表面が水分の容易な除去を妨げるためであった。したがって、組成物W1〜W3に対しては、乾燥機の最初の3mの部分での温度を下げた。これにより、フィルム上部表面の速すぎる乾燥を防止した。さらにフィルムの厚さを増し、もっと速いコーティングライン速度にしても、フィルムは5%の水分にまで乾燥した。
(実施例X〜AA)
表8の組成物XおよびY、Zは、コーティングにグラットコーター(Glatt coater)およびEudragit E-100ポリメタクリレートポリマーを用いた風味マスクコーティングであった。コーティングは20%レベルでスプレーコーティングした。したがって、薬剤10mgには、最終乾燥製品12.5mgを計量しなければならない。
薬剤添加物を除外した基礎処方物を、空気を取り込まぬよう注意して混合した。最初の混合後、この処方物を30分以上、脱気するためにゆっくりと混合した。この間に薬剤を計量し、基礎混合物に添加するために用意した。
組成物Xに関しては、攪拌しながら、混合物にロラタジン(薬剤80%)をゆっくりと添加した。5分間攪拌後に、全混合物を、30ミクロンのコーティング厚で、3本ロールコーターセット(リバースロールコーター)の受け皿に添加した。
上部に熱または空気がない状態で、その工程の下部温度を90℃に設定し、下部の気流速度は40m/秒、ライン速度は1.3メートル/分に設定した。フィルムの総乾燥時間は4.6分であった。
液体を30ミクロンでコーティングし、5分間以上乾燥機中で乾燥した。このフィルムは柔軟で、1インチ×0.75インチの断片の重量は70mgであり、10mgのロラタジンを含んでいた。
実験を、組成物YおよびZとZomigおよびPaxilのそれぞれで繰り返した。どちらも70mgの目標重量で、それぞれ5mgのZomigおよび10mgのPaxilを含む柔軟なフィルムを形成した。
製品は、何ら目立つ薬の後味もなく甘かった。
組成物AAの成分を、流動マトリックスに捕えられた空気を減らすために混合した。80%の活性物レベルでコーティングした45gのロラタジンと、Eudragit E-100を用いる20%コーティングとを混合した後、この混合物を約5分間、薬剤が均一に分散するまで、混ぜ合わせながらゆっくりと添加した。次に液体を、3本ロールコーター(リバースロールコーター)に堆積し、1.3m/分のライン速度で、30ミクロンでコーティングした。乾燥機の温度を90℃に設定して空気を加え、気流速度を40m/秒に設定して、下部のみを加熱した。その乾燥フィルムを、厚さ0.005インチ(5ミル)、1インチ×0.75インチ、重さ70mg+/-0.7mgの小片に切断して、フィルム組成物の均一性を実証した。フィルムは、5%の水分を含み柔軟で、気泡がなく、フィルム小片の重量が実質的に等しいことで示されることと同様に、光学顕微鏡下でも観察される均一な薬剤分布を有していた。
(実施例BA〜BI)
消泡剤/脱泡剤(すなわちシメチコン)の混合により、フィルム製品中の気泡を実質的に減少または排除した均一なフィルムを提供するばかりでなく、また他の利点も与えるフィルムを提供した。このフィルムは、より望ましい感覚的な性状を示した。フィルムは、「紙のようでない」改善された食感を持ち、その使用者により良好な口あたりを提供した。
表9のその組成物(本発明組成物BA〜BGに、シメチコンの添加を含む)を調製し、気泡を除去するために減圧下で混合した。
本発明組成物BA〜BGで得られた未切断フィルムは、これから切断された3/4インチ×1インチ×5ミルの単位投与量と同様に、特にその不溶性活性物に関する含有量で均一性示した。また本発明組成物も、滑らかな表面を持ち、気泡が存在しないことが観察された。本発明組成物BF〜BG中に存在するシメチコンのかなり高い量でもまた、非常に均一なフィルムを提供した。しかし、本発明組成物BA〜BEのフィルムより有意には改善しなかった。
対照的に、比較実施例BH〜BIは、より粗い表面を持つことが観察され、得られたフィルム中に、成分のより均一でない食感と分布を与える気泡の封入を示した。
(実施例CA〜CC)
本発明の以下の実施例では、界面活性剤としてエトキシ化ヒマシ油を用いる、またはこれに対して界面活性剤、可塑剤および/または多価アルコールを用いないフィルムとフィルム形成組成物を記述する。本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物には、基本的に界面活性剤が存在しないことが望ましい。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、基本的に界面活性剤が存在しないように配合されることが望ましい。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、可塑剤が基本的に存在しないように配合されることが望ましい。またさらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、多価アルコールが基本的に存在しないように配合されることが望ましい。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、界面活性剤と可塑剤が基本的に存在しないように配合されることが望ましい。さらにまた、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、界面活性剤、可塑剤および多価アルコールが基本的に存在しないように配合されることが望ましい。
上記成分に、30%〜70%の水を添加し、ポリマーが完全に水和するまで攪拌した。これには45分間を要した。次いで混合物を、混入した空気を排除するために減圧下に置いた。減圧を、500mmで開始し、一定の様式で45分間かけて最高760mmまで進めた。
減圧解除後、200ミクロンのらせん形の巻棒とK Control Coater Model 101(RK Print Coat Inst.Ltd.)を用いて、液体6gを、コーティング紙に添加した。コーティングが加えられた紙基材は、シリコーンコーティング紙であった。次いでコーティングした紙を、90℃で残存水分が約5%まで乾燥させた。処方物をコーティングし、フィルム厚約60ミクロンに乾燥させた。これは口中では速やかに溶解した。
上記の成分を水に40%で、均一な懸濁液になるまで添加した。減圧を500mmHgで開始し660mmHgで終了するまで20分間にわたり、すべての空気が懸濁液から除去されるまで実施した。以前の実施例の記載と同様にフィルムを作製した。液体をシリコーン放出基材にコーティングし、均一で柔軟なフィルムに乾燥した。このフィルムは、亀裂なしで180°曲げ試験に合格し、口中で溶解した。
上記成分を水に30%〜70%添加し、ポリマーが完全に水和するまで攪拌した。これには20分を要した。次いで、混合物を混入した空気を排除するために、減圧下に置いた。減圧を一定の様式で、35分間かけて760mmに至るまで実施した。
減圧解除後、350ミクロンのスムーズバーとK Control Coater Model 101(RK Print Coat Inst.Ltd.)を用いて、液体をコーティング紙に添加した。コーティングが加えられた紙基材は、シリコーンコーティング紙であった。次いでコーティング紙を、90℃で水分が約4%残存するまで乾燥した。処方物をコーティングしてフィルムに乾燥した。フィルムは良好な風味をもち、口中で速やかに溶解した。味マスキング着香料は、味覚受容体に作用して、異なる典型的な不快な味を伝える受容体を遮蔽する成分である。このフィルムは、亀裂なしで180°曲げ試験に合格し、口中で溶解した。
(実施例CD)
本発明の以下の実施例は、着香料および味マスキング補助物をも含む、味をマスキングした、薬剤として活性な物質を用いるフィルムおよびフィルム形成組成物を記載する。味マスキング着香料は、味覚受容体に作用して、異なる典型的な不快な風味を伝える受容体を遮蔽する成分である。
薬剤として活性な物質および着香料以外の上記成分を、35gの水に添加し、ポリマーが完全に水和するまで攪拌した。これには約20分を要した。食品着色料(7滴の赤色食品着色料と1滴の黄色食品着色料)も添加した。次いで混合物を、混入した空気を排除するために減圧下に置いた。減圧を500mmで開始し、一定の様式で約10〜20分にわたり、最高760mmまで進めた。味をマスキングしたアセトアミノフェンを、混合物に約4分で、減圧下で攪拌しながら添加した。次いで着香料を、混合物に約4分で、減圧下で攪拌しながら添加した。
減圧解除後、350ミクロンのスムーズバーを用いて、溶液をコーティング紙に添加した。コーティングが加えられた紙基材は、シリコーンコーティング紙であった。次いでコーティングした紙を90℃で約11分間、残存水分が約3%になるまで乾燥した。
処方物をコーティングしてフィルムに乾燥した。フィルムは良好な風味をもち、口中で適度な速さで溶解した。このフィルムは立位でカールしなかった。フィルムは亀裂なしで180°曲げ試験に合格し、口中で溶解した。
(実施例CE〜CF)
本発明の薄膜組成物を、表14に記載した量を用いて調製した。
上記成分を、均一な混合物が得られるまで混合して合わせた。十分な水量が乾燥前にフィルム組成物中に存在した。すなわち、約200g〜約1000gの間で変動する十分な量が存在した。組成物に含まれるウシ抽出物タンパク質は熱感受性のタンパク質である。混合後に、その組成物を、250ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上のフィルムに流延した。
実施例CEでは、続いてフィルムを、ほぼ80℃で約6分間乾燥機中で乾燥した。フィルムは水分約4.3%まで乾燥した。実施例CFでは、フィルムを、ほぼ60℃で約10分間乾燥機中で乾燥した。フィルムは水分約5.06%まで乾燥した。乾燥後、フィルムに含まれるウシ抽出物由来のタンパク質を試験して、実質的に活性が残っているか否かを判定した。活性を試験するために、この実施例の1フィルム投薬単位をヒトに投与した。投薬量を経口摂取後に、ヒト血液のマイクロアレイ(microarray on the human's blood)を実施した。参考として本明細書に引用されている付録Aに記載され、図解式に図32で表された結果は、実施例CEおよびCF両方の最終乾燥フィルム製品中で、タンパク質はほぼ100%活性であったことを示している。したがって、熱感受性活性物は、乾燥工程の間に実質的に分解または変性しなかった。
(実施例CG)
本発明のフィルム組成物は、表15に記載された量を用いて調製した。
CGに関して記載した量の上記成分を混合して合わせ、次いで350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上の2枚のフィルムに流延した。続いてフィルムを、本発明の均一な乾燥工程によるのではなく、従来の乾燥法に従って乾燥した。1枚のフィルムを、ワイヤーラック上で80℃、9分間、乾燥機中で乾燥した。第2のフィルムを、ワイヤースクリーン上で80℃、9分間、乾燥機中で乾燥した。両フィルムとも、水分が約2.4%になるまで乾燥した。
得られた乾燥フィルムは乾燥後、ワイヤーラックおよびスクリーンの模様を示していた。これらの形状には、乾燥工程で通常用いられるワイヤー支持体の模様がついている。均一な熱拡散を伴わずに、ワイヤー支持体は基材との接点で熱をよりよく伝導して、この接点で蒸発増加に導いた。これはより活発な混合が生じ、そのためにより多くの粒子をその接触点に引き寄せた。その結果、その接触点で凝集として見られ粒子密度の増加が生じた。
その溶液を、350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上のさらに2枚のフィルムに流延した。これらのフィルムを、上記と同じ時間および温度条件下で、本発明の方法により乾燥した。特に、フィルムを、均一に熱を分散させるファーネスフィルタで裏張りしたトレイ上で、80℃の空気乾燥機中で9分間乾燥した。フィルムは水分約1.89%まで乾燥した。得られたフィルムには条痕がなく均一であった。フィルム全体を通じた均一な熱拡散のために、粒子凝集は生じなかった。
(実施例CH)
表15の成分を、CHに関し記載した量で、混合して合わせ、次いで350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上の3枚のフィルムに流延した。フィルムを、均一に熱を分布させるファーナスフィルタで裏張りしたトレイ上で、80℃の空気乾燥機中で9分間乾燥した。フィルムは水分約2.20%まで乾燥した。図17で示すように、乾燥フィルム200は条痕がなくて均一だった、すなわち粒子凝集は生じなかった。活性粒子は乾燥フィルム中で無傷なようであった。フィルムは十分な強度を示し、亀裂なしで180°曲げ試験に合格し、フィルムは圧力により半分に折れ曲がった。
その混合液を、350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上のさらに3枚のフィルムに流延した。これらのフィルムは、同様に80℃の空気乾燥機中で9分間、しかし上部と下部を乾燥させる通常の方法で乾燥した。フィルムのうち2枚は、ワイヤーラックで乾燥し、他方3枚目はワイヤースクリーン上で乾燥した。全3枚のフィルムを水分約2.65%まで乾燥した。実施例CGですでに説明したように、乾燥フィルムはワイヤーラックとスクリーンの模様を示した。
さらに詳しくは、乾燥フィルム100は、図9〜16に示すように、線とひし形の形状の粒子の凝集110を示した。これらの形状には、従来の上部および下部乾燥で生じる熱伝達の不均一性を示す、乾燥工程で用いたワイヤー支持体の痕跡が含まれている。上記のように、ワイヤー支持体は基材との接点でさらによく熱を伝導し、この接点で蒸発の増加に導いた。これはさらに活発な混合を引き起こし、接触点にさらに多くの粒子を引き寄せた。接触点でその結果生じた粒子密度増加が図9〜16に示されている。
さらに、この実施例のフィルム内に含まれる、脂肪被覆デキストロメソルファン粒子は、乾燥工程で破壊されなかった。図28〜31に処理前の、脂肪被覆デキストロメソルファン粒子500を示し、特にその実質的に球形状を示す。80℃、9分間の乾燥状態へ暴露後、脂肪被覆薬剤粒子500は、フィルム中で無傷のままであることが明らかになった。すなわち、図18〜25で示すように、その球形状を維持していた。活性粒子を有害な可能性のある温度に曝らしたにもかかわらず、粒子は劣化しなかった。対照的に、蒸発皿に置き、空気乾燥機で80℃で9分間加熱した脂肪被覆デキストロメソルファン粒子はかなり劣化した。図26および27で見られるように、脂肪被覆デキストロメソルファン粒子は暴露後、完全に溶解したように見える。
(実施例CI)
本発明の薄膜組成物を、表16に記載された量を用いて調製した。
上記成分を、均一な混合物が得られるまで混合して合わせ、次いで350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上の2枚のフィルムに流延した。1枚のフィルムを、80℃の空気乾燥機で10分間、3.52%の水分レベルまで乾燥した。一方、第2のフィルムを、80℃の空気乾燥機で10分間、3.95%の水分レベルまで乾燥した。乾燥フィルムは、十分な強度と耐引き裂き性があった。このフィルムは亀裂なしで180°曲げ試験に合格した。また口中で適度な速さで溶解し、良好な風味を示した。
上記のように、本発明の制御された乾燥方法により、均一な乾燥が可能となり、この方法では蒸発冷却と熱混合が、粘弾性フィルムの急速な形成、およびフィルム全体にわたる含有量の均一「閉じ込め」に寄与している。本発明のさらなる利点の1つは、組成物の成分を意図した目的の変更を生じさせるか、またはその目的には使えなくする温度に組成物の成分を曝すことなく、このフィルム組成物で粘弾性状態に、さらに完全な乾燥状態にさえも到達することである。例えば、熱感受性薬剤、タンパク質、着香料、甘味料、揮発成分、抗原、抗体などは、容易に所定の温度で分解し、不活性になったり変性して、意図した使用に効果がなくなる。本発明では、乾燥に要す短い処理と、制御されたノントップスキンニング乾燥工程(non-top-skinning drying process)の組合せにより、フィルム組成物を乾燥状態にするために、乾燥機の温度(または他の熱源)にまで加熱する必要はない。これを示すためにフィルムを本発明に従って作製し、以下に記すように乾燥させた。乾燥工程間の乾燥機環境とフィルム組成物間での温度差を測定するために、第1の熱電対をフィルム中に配置し、第2の熱電対を乾燥機中に吊着した。
温度差を測定するために、Microtherma 1温度計に接続した熱電対を、フィルム内に置き、もう1つの熱電対を乾燥機中に吊した。フィルム乾燥中の、フィルムと乾燥機の温度表示を30秒ごとに記録した。
第1のフィルムの熱電対の結果を下記の表17に示し、図33にグラフで表示した。第2のフィルムの結果を下記の表18に示し、図34にグラフで表示した。結果は10分乾燥後でさえも、フィルム温度は大幅に(少なくとも5℃)乾燥機環境より低かったことを示している。10分より短時間乾燥させたフィルムは、かなりより大きな温度差を受けている可能性がある。例えば、本発明の多くのフィルムに対して特に望ましい時間枠である4〜6分間の乾燥で、約25℃から約30℃の差が生じる。したがって、フィルム中に含まれる熱感受性の活性物を損なうことなく、フィルムを高い、潜在的に有害な温度で乾燥することができる。
(実施例CJ〜DB)
以下の実施例は、ポリエチレンオキサイド(PEO)を単独で、またはヒドロキシプロピルセルロース(HPC)もしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)と組み合わせて含有する、水溶性ポリマーを含む本発明のフィルム組成物を記載する。薄膜組成物を表19に記載したポリマー量を用いて調製した。
上記ポリマー成分と、沈降炭酸カルシウム(薬物添加を模倣)、シメチコンエマルジョン、および水を等量と合わせ、フィルム組成物を形成した。成分を均一な混合物が得られるまで混合して合わせ、次いで350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上のフィルムに流延した。それから本発明に従って、フィルムを80℃で約9分間乾燥した。フィルム組成物を種々の特性に関して試験し、結果は以下の表20に記載されている。
溶液コーティング評価および溶液レベリング(solution leveling)評価はどちらも、フィルム組成物を流延する間に実施したパネル観察に基づいた。
180°曲げ試験のため、本発明にしたがって80℃で乾燥後、乾燥フィルムを、水分分析器(Mettler ToledoのHR73水分分析器)に配置して、パーセント水分を得、フィルム中に残存するあらゆる溶媒(例えば水)を除去した。次いでフィルムに180°折り目を付け、破壊するか否かを観察した。折り目を付ける間に壊れたフィルムは、不合格品とみなした。フィルムが折り目を付ける間に壊れなかった場合、200gの錘を約8.5mmの高さから、その折り目を付けられたフィルム上に落下させた。壊れたフィルムは不合格品とみなし、壊れなかったものは合格品とみなした。しかしこの柔軟性試験は、極端な試験であることに留意するべきである。この試験で不合格になったフィルムも、本発明の範囲内に含まれ、なお使用可能であるとみなされる。さらに詳しくは、このような極端に柔軟な特性を要さない所定の用途が存在する。
また、フィルムを溶解速度に関して試験した。約20mm×100mmのフィルム小片に2.85gの錘を取り付けて、32.5℃の水浴中に約50mmの深さまで降ろした。フィルムが溶解して、2つの部分に分離するのに要した時間を測定した(秒単位)。
カール試験のためには、フィルムサンプル(約35mm×35mm)を、実験室の窓の下枠のガラスプレート上に置いた。フィルムサンプルは、2〜3日間、室内条件で、実験室の窓の下枠中に放置して、カーリングを観測した。
本発明によれば、望ましいフィルム組成物は柔軟で、速やかに溶解し、本質的にカールしにくいことである。表20の結果に示すように、組成物CQ〜CYが最高の性能を発揮し、優れた柔軟性、溶解およびカーリング特性を示した。特に組成物CQ〜CYは180°曲げ試験に合格し、適度から速い速度で溶解した。またこれらの組成物はまったくカールしないか、またはわずかなカールのみを示した。したがって組成物CQ〜CYのようなポリマー成分を使用することが望ましく、特に、ポリマー成分中に、約0%〜80%のHPCまたはHPMCを任意に組み合わせた20%〜100%のPEOに関しては使用することが望ましい。
(実施例DC〜DG)
以下の本発明の実施例は、PEOまたはPEO重合体混合物と活性成分を含むフィルムを記載する。これらの成分を持つ薄膜組成物を、表21で記載される量を用いて調製した。
組成物DCからDGのそれぞれに関する上記成分を、均一な混合物が得られるまで混合して合わせ、次いで350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上のフィルムに流延した。フィルムを、本発明の方法に従って、80℃で約9分間、様々な水分レベルに乾燥した。
乾燥後、フィルムを実施例CJ-DBで前述したように、180°曲げ試験、溶解性試験、およびカール試験を含む種々の特性に関して試験した。また引き裂き耐性に関してもフィルムを試験した。引き裂き耐性は、メンバーがフィルムの向かい合う端を引っ張り、フィルムを引き裂さくパネル試験によって測定した。完全に裂けたフィルムには、低い等級を与えた。少し引き伸ばしてちぎれ始めたフィルムには中等度の等級を与え、かつ引き伸ばしても裂け難いフィルムには高い等級を与えた。
100%のPEOフィルム基剤を含む組成物DCを、本発明の方法に従って、水分約1.30%まで乾燥した。その乾燥フィルムには優れた強度があり、180°曲げ試験に合格した。またフィルムは、優れた引き裂き耐性(高い等級)を示した。フィルムは、舌上で速い速度で溶解し、約3.5〜4秒の溶解試験速度を有した。フィルムはカーリングを示さなかった。
80%/20%のPEO/HPMCフィルム基剤含む組成物DDを、本発明の方法に従って、水分約2.30%まで乾燥した。乾燥フィルムは十分な強度を示し、180°曲げ試験に合格した。またフィルムは優れた引き裂き耐性を示した。フィルムは中等度から速い速度で舌上で溶解し、約5秒の溶解試験速度を有した。フィルムはわずかなカーリングを示した。
20%/80%のPEO/HPMCフィルム基剤を含む組成物DEを、本発明の方法に従って、水分約3.0まで乾燥した。フィルムには優れた強度があり、180°曲げ試験に合格した。フィルムは中等度の耐引き裂き性を示し、舌上で遅い速度で溶解し、16秒の溶解性試験速度を有した。フィルムは若干のカーリングを示した。
80%/20%のPEO/HPCフィルム基剤を含む組成物DFを、本発明の方法に従って、水分約2.52%まで乾燥した。フィルムは優れた強度を示し、180°曲げ試験に合格し、かつ高い耐引き裂き性を示した。またフィルムは舌の上で速い速度で溶解し、4秒の溶解性試験速度を有した。フィルムは非常に微かなカーリングを示した。
20%/80%のPEO/HPCフィルム基剤を含む組成物DGを、本発明の方法に従って、水分約2.81%まで乾燥した。フィルムは十分な強度があり、180°曲げ試験に合格し、中等度の耐引き裂き性を示した。このフィルムは速い速度で舌上で溶解し、10秒の溶解性試験速度を有した。このフィルムはカーリングを示さなかった。
先に指摘したように、組成物DC〜DGのそれぞれは、異なる濃度のHPCまたはHPMCを任意に組み合わせて、そのポリマー成分中に約20%から100%のPEOを含んでいた。この結果は種々ポリマー成分により種々のフィルム特性が得られたことを示している。
(実施例DH〜DZ)
以下の本発明の実施例は、PEOまたはPEO-HPCポリマー混合物を含むフィルムを記載する。このフィルム組成物は様々な分子量のPEOを含んでいる。これらの成分を持つ薄膜組成物を、表22(ポリマー成分の重量パーセントで記載された)で記載された量を用いて調製した。
上記のポリマー成分を、スクラロース、沈降炭酸カルシウム(薬物添加を模倣)、オレンジ濃縮物着香料、Tween 80(ICIアメリカから入手可能)、バニラ着香料、シメチコンエマルジョン、水、および黄色ならびに赤色食品着色料と共に組み合わせて、フィルム組成物を形成した。成分を均一な混合物が得られるまで混合して合わせ、次いで350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上のフィルムに流延した。溶液コーティングおよびレベリング特性を観察した。次いで本発明の方法に従って、フィルムを80℃で約9分間乾燥した。フィルム組成物を、種々の特性に関して試験して、ポリマー成分中の様々なPEOの分子量および濃度の効果を測定し、その結果を下記の表23に記載した。
フィルムを前述したように、180°曲げ試験、溶解性試験、および耐引き裂き性を含む種々の特性に関して試験した。またフィルムを粘着力すなわち、その口蓋への粘着傾向に関して試験した。粘着力は、パネル試験によって評価し、口蓋に粘着しないフィルムには低い等級を与え、多少粘着したフィルムには中等度の等級を与え、完全に粘着したフィルムには、高い等級を与えた。
先に指摘したように、ポリマー成分中のPEOの濃度および分子量を、種々のフィルム特性を得るために変更した。概して、ポリマー成分中のPEO濃度が高くなると、フィルムはより大きな粘着性および耐引き裂き性を示した。PEOを約50%以上の濃度で含むフィルム組成物は、50%未満のPEOを含むものよりも、高い耐引き裂き性の評価を得た。しかし、低濃度のPEOでの耐引き裂き性は、少量のより高分子量のPEOを低分子量のPEOと組み合わせることにより、改善することが示された(例えば組成物DTおよびDU)。
約20%〜75%のPEOを含む組成物が、粘着防止に関して最もよく機能した(口蓋へ粘着する低い傾向)。粘着力が要求される場合には、高濃度PEOを含む組成物がよく機能した。
溶解速度に関しては、約50%以上の濃度のPEOを含むポリマー成分が、最もよく機能し、より速やかに溶解するフィルム組成物を与えた。様々な分子量のPEOの組合せを含むフィルムで、PEOの組合せの中でより低分子量のPEO(100,000〜300,000)を約60%以上持つフィルムは、より速やかに溶解した。
(実施例EA)
以下の本発明の実施例は、PEOとポリビニルピロリドン(PVP)重合体混合物を含むフィルムを記載する。これらの成分を持つ薄膜組成物を、表24に記載された量を用いて調製した。特に、フィルムのポリマー成分は、約80%のPEOおよび20%のPVP、すなわち、PEO対PVPの比率4:1を含んでいた。
上記成分を均一な混合物が得られるまで混合して合わせ、次いで350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上のフィルムに流延した。本発明の方法に従って、フィルムを80℃で約9分間、約2.19%の水分レベルまで乾燥した。フィルムは優れた強度をもち、口中で中等度から速い速度で溶解することを示し、高い耐引き裂き性、約4ミルの厚さ、よい風味、口蓋に粘着する低い傾向をもち、180°曲げ試験に合格した。上記の試験によれば、フィルムは4秒の溶解速度を持っていた。さらに、フィルムは容易に放出紙から放出した。
(実施例EB〜ED)
以下の本発明の実施例は、PEO系ポリマー成分を含む押出成形フィルムを記載する。フィルム組成物を実施例ECの表25および実施例EDの表26に記載された量を用いて調製した。
実施例EB〜EDのフィルムを、下記の表27において提供される仕様に従い、一軸押出機を用いて押出成形した(温度は、F°)。
より詳しくは、実施例EBでは、約200,000の分子量を持つPEOを2ポンド計量し、ポリエチレンプラスチックバッグ中に置いた。次いでこのPEOフラッシュを表27の仕様に従い押出成形した。
実施例ECでは、表25に記載された成分の混合物を調製した。HPC、PEO、スクラロース、および沈降炭酸カルシウムを大きな電動ミキサーに入れて混合してもよい。オレンジ濃縮着香料およびTween 80溶液を、混合時にミキサーに添加し、その後シメチコンおよび食品着色料溶液を、混合中にミキサーに添加した。混合した組成物を表27の仕様に従って押出成形した。
実施例EDでは、表26に記載された成分の混合物を調製した。PEO、スクラロース、および沈降炭酸カルシウムを大きな電動ミキサーに入れて、混合してもよい。オレンジ濃縮着香料およびTween 80溶液を、混合時にミキサーに添加し、その後シメチコンおよびその食品着色料溶液を、混合中にミキサーに添加した。混合した組成物を、表27の仕様に従って押出成形した。
押出成形したフィルムは、処理の間、互いに粘着性を示さなかった。そのため,得られたフィルムを圧延して、裏当て材を必要としないでフィルム自体の上に、巻き取ることができた。
(実施例EE〜EH)
以下の本発明の実施例は、抗膨張剤を含むフィルムを記載する。PEO重合体混合物および抗膨張剤(シメチコン)を含む薄膜組成物を、表28に記載された量を用いて調製した。
この薄膜組成物の密度を測定し、結果を表29に表示する。
フィルム組成物(EEおよびEH)のうちの2つは、減圧状態下に置いた。組成物EEはシメチコン0%を含み、減圧を加えた。組成物EFは、シメチコン0%を含み、減圧を加えなかった。上記表29に示すように、減圧を加えることにより、その密度は0.969(EF)から1.123(EE)まで増加した。組成物EGは2%のシメチコンを含み、減圧を加えなかった。組成物EHは、2%のシメチコンを含み、減圧を加えた。再び、密度は1.057(EG)から1.119(EH)まで増加した。全体として、フィルムの密度は、0.969(EF:シメチコン無添加、減圧なし)から1.057(EG:シメチコン添加、減圧なし)、1.119(EH:シメチコン添加、減圧あり)まで増加した。
(実施例EI〜EW)
以下の本発明の実施例は、PEOまたはPEO重合体混合物を含むフィルムを記載する。特に、PEOに、ポリビニルピロリドン(PVP)、デンプン(プレゼラチン化加工コーンスターチ)、カルボキシルメチルセルロースナトリウム(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはポリビニルアルコール(PVA)を組み込んで、フィルムのポリマー成分を形成した。これらの成分を持つ薄膜組成物を、本発明の方法に従い、図38に記載された量を用いて調製した。
図38で記載されたポリマー成分に加えて、それぞれのフィルム組成物は、以下のものを含んでいた:約4%のスクラロース、約38.85%の炭酸カルシウム、約6%のオレンジ着香料、約0.15%のTween 80、約1%のシメチコン、および食品着色料。これら実施例のポリマー成分に含まれるPEOは、約200,000の分子量を持つ。
また図38にも、下記のこのフィルムの所定の特性を示す。溶液中のパーセント固形物;粘着性;パーセント水分;フィルムの厚さ;フィルムの強度;フィルムの耐引き裂き性;フィルムの口蓋への粘着傾向;180°曲げ試験;フィルム中にモールディング(molding)または凝集の存在の有無;フィルムの溶解時間;口中での溶解性評価;乾燥機中での乾燥時間。各フィルム特性試験は上記に詳述する。種々の試験結果は図38に示す。
(実施例EX〜FK)
以下の本発明の実施例は、PEOまたはPEO重合体の混合物(HPCと共に)および種々の活性成分を含むフィルムを記載する。これらの成分を持つ薄膜組成物を本発明の方法に従い、表30および31に記載された量を用いて調製した。
上記成分を、均一な混合物が得られるまで混合して合わせ、次いで250または350ミクロンのスムーズバーにより、K-Control Coaterを用いて、放出紙上のフィルムに流延した。本発明の方法に従い、フィルムを約9から10分間、80℃で乾燥し、適切な強度から優れた強度を持つ乾燥フィルムが得られた。
ここに本発明の好適な実施形態であると思われる事例について記述したが、本発明の思想から逸脱することなく、変更と改良をこれらに対してなしうること、またこれらの変更と改良はすべて本発明の範囲にあるものと意図していることは当業者であれば理解できよう。
本発明の単位投与量フィルムを含む包装品の側面図である。 本発明の個々の単位剤形を含み、ちぎることのできるミシン目によって隔てられた隣同士でつながった2個の包装品の平面図である。 図2の隣同士でつながった包装品を積み上げる形で配置したものの側面図である。 包装された単位剤形を供給するための、包装された単位剤形を積上げ式の配置で含むディスペンサー容器の斜視図である。 本発明のロール状のつなげられた単位用量包装品の略図である。 プレミックスの調製、活性物の追加、およびその後のフィルムの形成に適する装置の概略図である。 本発明のフィルムの乾燥に適する装置の概略図である。 本発明の乾燥過程を連続して描いた図である。 従来の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 従来の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 従来の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 従来の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 従来の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 従来の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 従来の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 従来の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 本発明の乾燥方法によって乾燥させたフィルムの写真を示す図である。 脂肪被覆粒子を含有するフィルムを本発明の乾燥方法によって乾燥させたものの顕微鏡写真を示す図である。 脂肪被覆粒子を含有するフィルムを本発明の乾燥方法によって乾燥させたものの顕微鏡写真を示す図である。 脂肪被覆粒子を含有するフィルムを本発明の乾燥方法によって乾燥させたものの顕微鏡写真を示す図である。 脂肪被覆粒子を含有するフィルムを本発明の乾燥方法によって乾燥させたものの顕微鏡写真を示す図である。 脂肪被覆粒子を含有するフィルムを本発明の乾燥方法によって乾燥させたものの顕微鏡写真を示す図である。 脂肪被覆粒子を含有するフィルムを本発明の乾燥方法によって乾燥させたものの顕微鏡写真を示す図である。 脂肪被覆粒子を含有するフィルムを本発明の乾燥方法によって乾燥させたものの顕微鏡写真を示す図である。 脂肪被覆粒子を含有するフィルムを本発明の乾燥方法によって乾燥させたものの顕微鏡写真を示す図である。 フィルム中に含まれていない脂肪被覆粒子を80℃で9分間加熱したものの顕微鏡写真を示す図である。 フィルム中に含まれていない脂肪被覆粒子を80℃で9分間加熱したものの顕微鏡写真を示す図である。 室温に置いた処理前の脂肪被覆粒子の顕微鏡写真を示す図である。 室温に置いた処理前の脂肪被覆粒子の顕微鏡写真を示す図である。 室温に置いた処理前の脂肪被覆粒子の顕微鏡写真を示す図である。 室温に置いた処理前の脂肪コーティング粒子の顕微鏡写真を示す図である。 ウシ由来タンパク質を含有する本発明のフィルムをヒトが摂取した後のヒトの血液についてのマイクロアレイを示すグラフである。 乾燥中の本発明のフィルムの内側と外側の温度差を示すグラフである。 乾燥中の本発明のフィルムの内側と外側の温度差を示すグラフである。 本発明による連続型のゾーン乾燥装置を示す概略図である。 本発明による分離型のゾーン乾燥装置を示す概略図である。 本発明のフィルムの製造に使用する押出装置を示す概略図である。 実施例EI〜EWのフィルムのポリマー成分と試験結果を示す表である。

Claims (36)

  1. ポリエチレンオキシドを単独または親水性セルロースポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種を含み、可塑剤が加えられていない、急速溶解性フィルム製品。
  2. 界面活性剤およびポリアルコールが加えられていない、請求項1に記載のフィルム製品。
  3. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、少なくとも約20重量%のポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  4. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、最高で約100重量%のポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  5. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、最高で約80重量%のポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  6. 前記親水性セルロースポリマーが、約0%〜約80%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  7. 前記親水性セルロースポリマーが、約0%〜約80%のヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  8. 前記水溶性ポリマーが、親水性セルロースポリマーとポリエチレンオキシドとを最高で約4:1の比で含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  9. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、分子量が約100,000〜約900,000のポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  10. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、分子量が約100,000〜約4百万のポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  11. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、分子量が約100,000〜約300,000のポリエチレンオキシドを分子量が約600,000〜約900,000のポリエチレンオキシドと組合わせて含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  12. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、少なくとも1mgのポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  13. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、約200mg以下のポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  14. 美容成分、薬剤、生理活性物質、およびこれらの組合せからなる群から選択される活性成分をさらに含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  15. 前記活性成分がロラタジンである、請求項14に記載のフィルム製品。
  16. 前記生理活性物質が、酵素、抗原、およびアレルゲンからなる群から選択される、請求項14に記載のフィルム製品。
  17. 高密度化剤をさらに含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  18. 前記高密度化剤がシメチコンである、請求項17に記載のフィルム製品。
  19. 溶解性増強剤をさらに含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  20. 前記フィルムが乾燥時の裂けに耐性である、請求項1に記載のフィルム製品。
  21. 前記フィルムが乾燥時に柔軟性を有する、請求項1に記載のフィルム製品。
  22. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、粘膜組織への粘着を防ぐのに十分な量でポリエチレンオキシドおよびヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  23. 少なくとも1種の水溶性ポリマーが、粘膜組織への粘着を促進するのに十分な量のポリエチレンオキシドを含む、請求項1に記載のフィルム製品。
  24. PEOを単独または第2のポリマー成分との組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種を含み、
    可塑剤が加えられていない急速溶解性フィルム製品。
  25. 約20%〜100重量%のポリエチレンオキシド、約0%〜80重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約0%〜80重量%のヒドロキシプロピルセルロースを含む水溶性ポリマーの少なくとも1種;
    活性成分;
    スクラロース;
    沈降炭酸カルシウム;
    少なくとも1種の着香剤;
    シメチコン;
    水;および
    少なくとも1種の着色剤を含み、
    可塑剤、界面活性剤、およびポリアルコールが加えられていない、急速溶解性フィルム製品。
  26. ポリエチレンオキシドを単独またはヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択されたポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種を含み、
    有機溶媒、可塑剤、界面活性剤、およびポリアルコールを実質的に含まない、フィルム組成物状の可食水溶性送達系。
  27. 美容成分、薬剤、生理活性物質、およびこれらの組合せからなる群から選択される活性成分をさらに含む、請求項26に記載の可食水溶性送達系。
  28. 成分が実質的に均一に分布しているフィルムの製造方法であって、
    (a)ポリエチレンオキシドを単独または親水性セルロースポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種、溶媒、および活性成分を混ぜ合わせて、前記成分の分布が均一なマトリックスを生成する工程と、
    (b)前記マトリックスからフィルムを形成させる工程と、
    (c)前記フィルムを乾燥させる工程
    を含み、前記フィルムは可塑剤を加えられていない方法。
  29. 前記マトリックスからフィルムを形成させる工程が、上部側面および下部側面を有する表面に前記マトリックスを流延することをさらに含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記フィルムを乾燥させる工程が、前記表面の前記下部側面に熱を当てることをさらに含む、請求項28に記載の方法。
  31. 成分が実質的に均一に分布しているフィルムの製造方法であって、
    (a)ポリエチレンオキシドを単独または親水性セルロースポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種、および活性成分を混ぜ合わせて、前記成分の分布が均一なマトリックスを生成する工程と、
    (b)前記マトリックスを押出してフィルムを形成させる工程
    を含み、前記フィルムは可塑剤を加えられていない方法。
  32. 前記押し出されたフィルムを冷却する工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. (a)ポリエチレンオキシドを単独または親水性セルロースポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種、溶媒、および活性成分を混ぜ合わせて、前記成分の分布が均一なマトリックスを生成する工程と、
    (b)前記マトリックスからフィルムを形成させる工程と、
    (c)前記フィルムを乾燥させる工程
    によって生成され、
    可塑剤が加えられていない、急速溶解性の柔軟性のあるフィルム製品。
  34. フィルムとして堆積し乾燥すると活性成分の急速溶解性送達系になる、親水性セルロースポリマーとポリエチレンオキシドが約4:1までの比であるプレミックス。
  35. ポリエチレンオキシドを単独または親水性セルロースポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種を含み、ランダムに分割することができ、分割されたいずれの部分にも約10%を超える成分組成の変動がない、最終フィルム製品。
  36. ポリエチレンオキシドを単独または親水性セルロースポリマーとの組合せとして含む水溶性ポリマーの少なくとも1種を含み、ランダムに分割することができ、分割されたいずれの部分にも約10%を超える活性成分の変動がない、最終フィルム製品。
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