JP6035369B2 - 自己凝集しない均一な異種性を有する薄膜、その生成方法、およびそれから製造した薬物送達系 - Google Patents

自己凝集しない均一な異種性を有する薄膜、その生成方法、およびそれから製造した薬物送達系 Download PDF

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Description

本発明は、迅速に溶解するフィルムおよびその調製方法に関する。フィルムはまた、フィルム全体にわたって均等に分布した有効成分を含むことができる。1つまたは複数のパラメータの制御、特にフィルム形成中およびそれ以前の空気ポケットの除去、ならびにフィルムが固体構造に形成される際に生じる、フィルム中の成分の凝集または凝塊を減少させる乾燥法を使用することによって均等または均一な分布を実現する。
薬物や薬剤などの有効成分を錠剤形に調製して正確で一貫した投薬を行うことができる。しかし、取扱い可能なサイズを得るために加えなければならないアジュバンドの比率が高いこと、投薬形が大型になるほど追加の保管スペースが必要となること、および不正確になりがちな錠剤の調合(dispensing)を含めて、この形の調製投薬法には多くの欠点がある。さらに、推定で人口の28%にものぼる多くの人々は錠剤の嚥下に困難を感じている。嚥下困難を克服する手段として錠剤を小片に分割したり、さらには砕くこともできるが、多くの錠剤形または丸剤形にとってこれは適切な解決策ではない。たとえば、錠剤形または丸剤形を粉砕または破砕し、単独でまたは食物に混ぜて摂取を容易にすると、その制御放出特性が破壊される可能性がある。
錠剤および丸剤に代わる策として薬物、薬剤などの有効成分の運搬にフィルムを使用することができる。しかし、従来のフィルムおよびフィルムから薬物送達系を製造する方法は、いくつかの好ましくない特徴を有し、そのためその実用化が不可能であった。
薬剤として活性な成分を組み込んだフィルムはFuchsらの権利期間の切れた米国特許第4,136,145号(以下、Fuchs)に開示されている。これらのフィルムはシート状に成形し乾燥し、次いで個々の用量に切り出すことができる。Fuchsは、均一なフィルムの製造を主張し、そのフィルムは水溶性ポリマー、界面活性剤、香味料、甘味料、可塑剤、および薬物の組合せを含む。その主張によれば可撓性であるこれらのフィルムは、経口、局所、または腸内での使用に有用であると開示されている。Fuchsが開示した特定の用途の例には、口、直腸、膣、鼻および耳の領域を含めた身体の粘膜領域へのフィルムの貼布が含まれる。
しかし、Fuchsの開示した方法に従って製造したフィルムを調べると、このようなフィルムがフィルムを本質的に不均一なものにする粒子の凝集または凝塊、すなわち自己凝集という欠点を伴うことが判明する。この結果はFuchsの工程パラメータに帰することができ、開示されてはいないが、比較的長い乾燥時間の利用を含み、それによって分子間引力、対流力、空気流などが促進されて、このような凝集が形成される可能性が高い。
凝集の形成によってフィルム成分、および存在するどんな活性物も無秩序に分布する。大用量を用いる場合、フィルムサイズの小さな変化によってもフィルム当たりの活性物の量に大きな相違が生じるはずである。このようなフィルムが活性物を低用量で含む場合、フィルム片には活性物が実質上含まれないこともあり得る。フィルムシートは、通常単位用量で切り出されるので、したがって、推奨される処置のための活性物がある投薬物中に含まれていなかったり、不十分な量である恐れがある。フィルム片中の有効成分の量に関して高い精度を実現できないと患者に害が及ぶ恐れがある。この理由で、Fuchsの方法などにより形成された剤形は、剤形中の活性物の変動に関連する国または米国連邦医薬品局(「FDA」)などの規制当局の厳格な基準を満たさない可能性がある。現在、世界の様々な監督官庁によって要求される通り、剤形は存在する活性物の量が10%を超えて変動してはならない。フィルムに基づく単位用量に当てはめた場合、この基準はフィルム中に均一性が存在することを事実上命じている。
フィルムの不均一性をもたらす自己凝集の問題にはSchmidtの米国特許第4,849,246号(以下、Schmidt)が取り組んでいる。SchmidtはFuchsが開示した方法では均一なフィルムが提供されないと具体的に指摘し、不均一フィルムの製造が先に述べたように薬剤の領域では特に重要な正確な投薬を必然的に妨げることを認めた。SchmidtはFuchsが記載したような単層フィルムによって正確な剤形を提供できるという考えを断念し、代わりに多層フィルムを形成することによってこの問題の解決を試みた。さらに、彼の方法も費用と複雑さが増大する多工程法であり商業用途では実用性に欠ける。
従来のフィルム形成技術に内在する粒子の自己凝集および不均一性の問題に他の米国特許も直接取り組んでいる。不均一性を克服するための1つの試みで、Horstmannらの米国特許第5,629,003号およびZerbeらの米国特許第5,948,430号は、フィルム中の成分の凝集を低減させる目的で追加の成分、すなわちそれぞれゲル形成剤および多価アルコールを組み込んで、乾燥に先立ってフィルムの粘度を上げようとした。こうした方法は、追加成分を要する、言い換えるとコストおよび製造ステップが追加されるという欠点がある。さらどちらの両方法も、乾燥炉、乾燥トンネル、真空乾燥機、または他のこのような乾燥装置などを使用する高温空気浴など、従来の時間のかかる乾燥方法の使用を利用している。粘度調節剤の使用にもかかわらず、長時間の乾燥時間は活性物および他のアジュバントの凝集の促進を助長する。このような方法は、活性物、すなわち薬物またはビタミンC、あるいは他の成分を長期に及ぶ湿気および高温に曝露する危険も冒し、この暴露によって活性物が無効にさらには有害なものになる可能性もある。
長時間の湿気への曝露中の活性物の分解に関連する問題の他に、従来の乾燥方法はそれ自体、均一なフィルムを提供することができない。しばしば「熱履歴」と称する、従来の方法での熱への曝露時間の長さおよびこのように熱を加える方式が、得られたフィルム生成物の形成および形態に直接影響する。薬剤活性物の取り込みに非常によく適した比較的厚めのフィルムが望まれる従来の乾燥方法によって均一性を実現することは特に困難である。均一なフィルムは厚くなるほど実現が難しくなる。というのは、乾燥中、フィルム表面およびフィルム内部は同時に同じ外部条件を経験しない。したがって、このような従来の方法から製造された比較的厚めのフィルムを観察すると、対流力および分子間力によって生じる不均一な構造が見られ、可撓性を保つには10%を超える水分が必要となる。自由水分の量は、しばしば時間の経過につれて薬物に干渉することがあり、力価の問題、したがって最終製品の一貫性の欠如を招く。
一般に、従来の乾燥方法は、乾燥炉、乾燥トンネルなどを使用する強制熱風の利用を含む。均一なフィルムを実現する困難さは、レオロジー特性およびフィルム形成組成物中の水分の蒸発方法に直接関係する。フィルム形成組成物が熱風炉を通過するなど、水性重合液の表面が高温の熱風に接触する場合、表面水分は直ちに蒸発し表面上にポリマーフィルムまたはスキンを形成する。このフィルムが水性フィルム形成組成物の残り部分を表面の下に封じ込め、障壁を形成し、乾燥フィルムを得るため蒸発する際、残存水分はその障壁を強制的に通過しなければならない。フィルムの外面温度が上昇し続けるにつれて、フィルム表面下で水蒸気圧は増大し、フィルム表面を延伸し、最終的にフィルム表面を裂開させて、水蒸気の蒸発を可能にする。水蒸気が蒸発するやいなやポリマーフィルム表面が再形成され、フィルムが完全に乾燥するまでこの工程が繰り返される。繰り返されるフィルム表面の破壊と再形成の結果は、一様でない従って不均一なフィルムを生成する「波及効果」として観察される。しばしば、ポリマーによっては、表面が非常に緊密に封止されて、残存水分の除去が困難になり、非常に長時間の乾燥時間、より高い温度、より高い燃料費をもたらすことになる。
混合技術などの他の要因も、商品化および規制認可に適した薬剤フィルムの製造である役割を果たす。組成物中に、フィルムの製造工程における混合工程中またはその後に空気が閉じ込められることがあり、その結果、乾燥段階中に水分が蒸発するとき、フィルム生成物に空隙を残すことがある。しばしば、フィルムは空隙の周囲で陥没して、一様でないフィルム表面を、したがって不均一な最終フィルム生成物をもたらす。気泡により生じたフィルム中の空隙が陥没しない場合でも均一性は影響を受ける。均一に分布していない空(space)の領域が、普通ならフィルム組成物が占有するはずの領域を占有するので、この状況も不均一なフィルムをもたらす。上記の特許のどれもフィルムに導入された空気によって生じる問題に対処し、またはその解決策を提案していない。
米国特許第4,136,145号 米国特許第4,849,246号 米国特許第5,629,003号 米国特許第5,948,430号 米国特許第4,631,837号
したがって、最小数の材料または成分を使用し、フィルム領域全体にわたって実質上、自己凝集しない均一な異種性を提供する、フィルム生成物の方法および組成物が必要である。所望の粘度を提供するポリマーまたはポリマーの組合せの選択、およびリバースロールコーティングなどのフィルム形成法および制御された望ましくは迅速な乾燥工程によってこのようなフィルムを生成することが望ましい。この乾燥工程は、前述のHorstmannやZerbeの特許など、以前の特許の生成物および方法では必要と思われるゲル形成剤や多価アルコールなどを添加しなくとも、自己凝集しない成分の均一な分布を維持する働きをする。フィルムは実質上、フィルム中の空気を低減または除去し、それによって最終フィルム生成物の均一性を促進する、組成物および製造方法を取り込むことが望ましい。
本発明の一態様では、各組成成分が実質上等量存在する、均等なサイズの単位用量に分割することができるフィルム、およびそれを形成する方法が提供される。この長所は特に有用である。というのは、初めに広い領域のフィルムを形成し、続いて各ユニットが組成的に等しいかどうか懸念せずに個々の単位用量に切断できるようになるからである。たとえば、本発明のフィルムは薬剤送達系として特に適用可能である。というのは、各単位用量、たとえば個々のフィルム投薬単位が適切な量の薬物を含むからである。この成果を実現できないので、現在まで薬剤フィルム剤形は大規模に市販されていない。
本発明の別の態様では、ポリマーおよび極性溶媒を組み合わせ、組み合わせたものをフィルムに成形し、自己凝集しない均一な異種性を維持するために、望ましくは初めにフィルムの底面だけを加熱することにより制御された方式でフィルムを乾燥することによって形成されるフィルム生成物を提供する。初期の底部乾燥段階中、実質上いかなる対流、すなわち熱気流もフィルムの上面を移動させないことが望ましい。フィルムの粘弾性特性が、フィルム成分を元の場所に「閉じ込め」、不均一性を引き起こす移動をさせないようなものであれば、他の加熱方法を利用することもできる。極性溶媒は水、極性有機溶媒、またはそれらの組合せでよい。有効成分は、乾燥ステップの前にポリマーと水の組合せに添加することができる。フィルムの乾燥を制御する代わりに、またはそれに加えて、自己凝集しない均一な異種性を維持する粘度が得られるようにポリマーを選択することができる。さらに、混合物中への空気の取り込みを最小限に抑えるような方式で組成物を混合することが望ましく、室温でのコンディショニング、減圧処理などによって脱気して乾燥工程の前に閉じ込められた空気を放出させることが望ましい。こうすると、最終フィルム生成物中の気泡およびボイド形成がなくなり、それによってさらに均一性の改善が図られる。リバースロールは特に有用なコーティング技術の1つであり、これを使ってフィルムを形成することもできる。
本発明の別の態様では、実質上均一に成分が分布するフィルムを調製する方法がある。この方法は、ポリマー成分と水を組み合わせて、均一に分布したマトリックスを形成するステップを含んでいる。次いで、このマトリックスをフィルムに形成し、上面および底面を有する基材表面の上面上に供給する。基材表面の底面を加熱してフィルムを乾燥させる。フィルム形成の元となるマトリックスに有効成分を含めることもできる。さらに、フィルムを乾燥するために使用される特定の方法の代わりに、またはそれに加えて、自己凝集しない均一な異種性を維持する粘度が得られるようにポリマーを選択することができる。リバースロールコーティング技術を使用してフィルムを形成することもできる。
本発明の別の態様は、
(a)(i)ポリマー、有効成分、および水を組み合わせて、自己凝集しない均一な異種性を有する材料を形成するステップ、
(ii)前記材料をフィルムに形成するステップ、および
(iii)自己凝集しない均一な異種性を維持するように制御された方式でフィルムを乾燥するステップによってフィルムを調製するステップと、
(b)哺乳動物の口腔にフィルムを導入するステップとを含む、活性物を経口投与する方法である。
さらに本発明の別の態様は、
(a)(i)ポリマー、有効成分、および水を組み合わせて、自己凝集しない均一な異種性を有する材料を形成するステップ、
(ii)前記材料をフィルムに形成するステップ、および
(iii)自己凝集しない均一な異種性を維持するように制御された方式でフィルムを乾燥するステップ
によってフィルムを調製するステップと、
(b)液体にフィルムを入れるステップと、
(c)フィルムを溶解させるステップとを含む、液体に有効成分を導入する方法である。
さらに本発明の別の態様は、
(a)(i)ポリマー、有効成分、および水を組み合わせて、自己凝集しない均一な異種性を有する材料を形成するステップ、
(ii)前記材料をフィルムに成形するステップ、および
(iii)前記の自己凝集しない均一な異種性を維持するように制御された方式で前記フィルムを乾燥するステップ
によって形成されたフィルムを含む第1の層と、
(b)実質上非水溶性な第2の層とを含む、活性物を投与するための剤形を提供する。
本発明の別の態様は、
(a)ポリマー、有効成分、および水を組み合わせて、自己凝集しない均一な異種性を有する材料を形成するステップと、
(b)前記材料をフィルムに形成するステップと、
(c)フィルムを実質上非水溶性支持体に貼付するステップと、
(d)自己凝集しない均一な異種性を維持するように制御された方式でフィルムを乾燥するステップとを含む、活性物を投与するための剤形の調製方法を提供する。
さらに本発明の別の態様では、
(a)(i)ポリマー、有効成分、および水を組み合わせて、自己凝集しない均一な異種性を有する材料を形成するステップ、
(ii)前記材料をフィルムに形成するステップ、
(iii)フィルムを実質上非水溶性支持体に貼付するステップ、および
(iv)自己凝集しない均一な異種性を維持するように制御された方式でフィルムを乾燥するステップ
によって剤形を調製するステップと、
(b)前記支持体からフィルムを取り外すステップと、
(c)哺乳動物の口腔にフィルムを付けるステップとを含む、活性物を投与する別の方法を提供する。
本発明の別の態様は、
(a)ポリマーと液体担体を組み合わせて、自己凝集しない均一な異種性を有する材料を形成するステップ、
(b)前記材料をフィルムに成形するステップ、および
(c)前記の自己凝集しない均一な異種性を維持する方式で、たとえば蒸発法によって、または選択した温度で気化を生じさせることによって、前記フィルムから前記液体担体を除去するステップによって形成されるフィルム生成物を提供する。
また、
(a)ポリマー成分と液体担体を組み合わせて、前記成分が均一に分布するマトリックスを形成するステップと、
(b)前記マトリックスからフィルムを形成するステップと、
(c)たとえば蒸発法によって、または選択した温度で気化を生じさせることによって、前記均一な分布を維持する方式で前記フィルムから前記液体担体を除去するステップとを含む実質上均一に成分が分布するフィルムを製造する方法が提供される。
さらに本発明の別の態様は、
(a)ポリマー成分と極性溶媒を組み合わせて前記成分が均一に分布するマトリックスを形成するステップであって、前記均一な分布を維持するのに十分な粘度を得るように前記ポリマーを選択するステップと、
(b)前記マトリックスからフィルムを形成するステップとを含む、実質上均一に成分が分布するフィルムを製造する方法を提供する。
本発明は、実質上均一に成分が分布するフィルム、およびそのフィルムを調製する方法を含む。この方法は、ポリマー成分と水を組み合わせて均一に分布したマトリックスを形成するステップを含む。次いで、このマトリックスをフィルムに形成し、上面および底面を有する基材表面上に供給する。その際、底面は、フィルムを乾燥するのに十分な温度に制御した湯浴または加熱空気空間などの底面乾燥媒体に実質上均一に接触する。乾燥工程中、フィルム構造が十分に固化して流動、移動、および分子間引力が凝集または凝塊の発生を防止するようになるまで、いかなる外部空気流または熱も露出しているフィルム上面に直接に当たらないことが望ましい。基材表面からフィルム熱を制御可能に伝導させて乾燥を実施することが望ましい。フィルム形成の元となるマトリックスに、有効成分を含めることもできる。さらに、急速にフィルムを乾燥させるステップの代わりに、またはそれに加えて、自己凝集しない均一な異種性を維持する粘度が得られるようにポリマーを選択することもできる。
ポリマー、薬剤および/または美容活性物ならびに溶媒を含み、組成物が均一に分散しているフィルムを含む、薬剤および/または美容剤形も提供される。前記フィルムは、前記組成物の湿潤フィルムを基材表面上に被着させるステップ、および基材に接する面から湿潤フィルムを制御可能に乾燥させて、自己凝集を防止し組成の均一性を実現するステップによって形成される。
さらに、本発明の別の態様は、単位面積当たりの薬剤および/または美容活性物の分散がわずか10%に過ぎない重合性フィルムを含む、薬剤および/または美容剤形を含む。
また、本発明はポリマー、極性溶媒、および薬剤活性物の均一に分布した組合せを含む、外用または局所投与用のフィルムの形の薬剤組成物であって、フィルムの底面制御乾燥の利用によって乾燥フィルムの形で成分の均一な分布を維持する組成物を提供する。
本発明の薬剤組成物およびフィルムの、個々の単位剤形を含む薬剤ディスペンサも提供される。剤形は、場合によってはディスペンサに詰め、またはロール状とすることもできる。
本発明のさらに別の態様は、水溶性ポリマー、ならびにポリメチルシロキサンと二酸化ケイ素の組合せを含むシメチコンなどの抗起泡剤もしくは消泡剤を含む、フィルム組成物の形の摂取可能な水溶性送達系を提供する。シメチコンは、抗起泡剤または消泡剤あるいは両方の役割をすることができ、フィルム組成物から空気を低減または排除する。消泡剤は、組成物中への空気の導入を防止するのに役立ち、消泡剤は組成物から空気を除去するのに役立つ。組成物に薬剤および/または美容有効成分、香味料、甘味料、可塑剤、界面活性剤、または他の成分を含めて、フィルム特性を変化させて所望の生成物を生成することもできる。
本発明の単位投与フィルムを含む包装の側面図である。 本発明の個々の単位剤形を含み、ミシン目(tearable perforation)によって分離された2つの隣接して結合された包装の上面図である。 積み重ねた図2の隣接して結合された包装の側面図である。 積み重ねた包装済み単位剤形を含んでいる、包装済み単位剤形を分配するためのディスペンサの斜視図である。 本発明の結合された単位用量包装のロールの略図である。 プレミックスの調製、活性物の添加、およびその後のフィルム形成に適した装置の略図である。 本発明のフィルムの乾燥に適した装置の略図である。
本発明において、自己凝集しない均一な異種性という語は、極性溶媒に加えて1種または複数の成分から形成される本発明のフィルムの、高温空気浴など従来の乾燥方法により乾燥炉、乾燥トンネル、真空乾燥機、または他のこのような乾燥装置を使用してフィルムが形成されたときに、通常見られるようなフィルム内での成分の凝集または凝塊の発生を、実質上低減させ、すなわちほとんどまたは全く発生させない能力を指す。本発明で使用する異種性の語は、ポリマーなどの単一成分、およびポリマーと活性物など成分の組合せを組み込むフィルムを含む。均一な異種性は、フィルム形成に使用される従来の混合および加熱乾燥方法で普通に見られる凝集または凝塊が実質的にないことを含む。
さらに、本発明のフィルムは実質上均一な厚みを有するか、これも水性ポリマー系を乾燥するために使用される従来の乾燥方法の使用によっては提供されない。均一な厚みがないと、所与のフィルムの領域全体にわたる成分分布の均一性に有害な影響を与える。
本発明のフィルム生成物は、適切に選択されたポリマーと極性溶媒を組み合わせ、場合によっては有効成分、および当技術分野で知られている他の充填剤を含めることによって生成される。これらのフィルムは、選択されたキャスト法または堆積法、ならびに制御された乾燥工程を利用することによりフィルム内で成分の自己凝集しない均一な異種性を提供する。制御された乾燥方法の例には、参照により本明細書に組み込むMagoonの米国特許第4,631,837号(以下、Magoon)に開示されている装置の使用、ならびに底部基材および底部加熱プレートへの熱風衝撃が含まれるが、それだけには限らない。本発明のフィルムを得るための別の乾燥技術は、赤外線放射や高周波放射(すなわちマイクロ波)など、制御されない空気流が存在しない制御された幅射乾燥である。
乾燥工程の目的は、従来の乾燥方法に伴う、最初にフィルムの上面を乾燥して水分を内部に閉じ込める、顕著な「波紋」効果などの弊害が無い、フィルムの乾燥方法を提供することである。従来のオーブン乾燥法では、内部に閉じ込められた水分は続いて蒸発するので、上面は裂開し、次いで再形成されることによって変化する。これらの弊害は本発明によって回避され、まずフィルムの底面を乾燥し、または他の方法によって、フィルムの深部が乾燥する前にフィルム上面でポリマーフィルム形成(スキン)が形成されるのを防止することにより均一なフィルムが提供される。これは、上面に実質上気流を発生させないでフィルム底面を加熱することによって、あるいはやはり上面に実質上気流を発生させないで制御されたマイクロ波を導入してフィルム内の水または他の極性溶媒を蒸発させることによって、実現することができる。あるいは、乾燥は、均衡のとれた空気流など、均衡のとれた流体流を使用することによって実現することができ、その際底面および上面の気流を制御して均一なフィルムを得る。その場合、フィルム上面に向けられた空気流は、気流によって発生した力によって湿潤フィルム中に存在する粒子の移動を引き起こすことになる条件を作り出してはならない。加えて、フィルム底面に向けられた気流は空気の力によってフィルムが持ち上げられることのないように制御することが望ましい。フィルムの上または下の制御されない気流は、最終フィルム生成物に不均一性をもたらし得る。上面を囲む領域の湿度レベルを適切に調節してポリマー表面の早すぎる閉鎖またはスキン化を防止することもできる。
このフィルム乾燥方式でいくつかの利点が得られる。たとえば、乾燥時間が短いこと、フィルム表面がより均一なこと、およびフィルム中の所与の領域のどこでも均一に成分が分布していることである。さらに、乾燥時間が短いほどフィルム内で迅速に粘度を上昇させ、それによってさらに成分の均一な分布および最終フィルム生成物中の成分の凝集の低減が促進される。フィルムの乾燥は約10分間以内に行うことが望ましく、約5分間以内がより望ましい。
組成成分の凝集を低減させることに注意を払うと、本発明は格段に均一なフィルム生成物を提供する。混合工程中の過剰な空気の導入を防止し除去し、制御可能な粘度が得られるようにポリマーおよび溶媒を選択して、下方から迅速にフィルムを乾燥することによって、このようなフィルムが得られる。
本発明の生成物および方法は、フィルム内での成分の自己凝集を実質上低減させるフィルムを提供するために、様々なフィルム生成ステップ間の相互作用を利用している。具体的には、これらのステップは、フィルムを形成するために使用する特定の方法、気泡の封入を防止するように組成混合物を製造すること、フィルム形成組成物の粘度を制御すること、およびフィルムの乾燥方法を含む。さらに詳しくは、活性物の沈降を防止するためには、選択した極性溶媒に活性物が可溶性でないとき、混合物中の成分の粘度が高いことは特に有用である。しかし、選択したキャスト法を遅延させまたは妨げるほど粘度は高過ぎてはならず、キャスト法は実質上一貫した膜厚のフィルムを提供できる理由でリバースロールコーティングを含むことが望ましい。
フィルム、フィルム形成成分またはマトリックスの粘度の他に、望ましいフィルムの均一性を実現する目的で、本発明は別の問題も考慮に入れる。たとえば、非コロイドの適用例における固体(薬物粒子など)の沈殿を防止する安定した懸濁液が実現される。本発明によって提供される1つの手法は、微粒子(ρp)と液相(ρl)の均衡の調和を図り、液相の粘度(μ)を上昇させることである。単離した粒子について、ストークスの法則は、粘性流体中の半径(r)の剛性球体の終末沈降速度(Vo)を以下のように関係付けられる。
Vo=(2grI)(ρpl)/9μ
しかし、高濃度の粒子では、局所的粒子濃度が局所的粘度および密度に影響する。懸濁液の粘度は固形分体積比の影響を大きく受け、粒子-粒子間および粒子-液体間の相互作用が沈降速度をさらに遅らせる。
ストークスの分析から、第3相、たとえば分散させた空気または窒素の取り込みが懸濁液の安定性を促進することが分かった。さらに、粒子数の増加が固形分体積比に基づく沈降作用の阻害を招く。希薄な粒子懸濁液では、沈降速度vは以下のように表すことができる。
v/Vo=1/(l+κψ)
式中、κ=定数、ψは分散相の体積比である。液相に懸濁している粒子の数が多いほど速度が減少する。粒子の大きさが粒子-粒子間の流れの相互作用に影響するので、粒子の形状も重要な要因である。
同様に、懸濁液の粘度は分散固形分の体積比に依存する。相互作用しない球形粒子の希懸濁液については、懸濁液粘度は以下のように表すことができる。
μ/μO=1+2.5φ
式中、μOは連続相粘度、φは固形分体積比である。体積比が高いとき、分散体の粘度は以下のように表すことができる。
μ/μO=1+2.5ψ+C1ψ2+C2ψ3+...
式中、Cは定数である。
液相の粘度は決定的に重要であり、粘弾性で低い降伏応力値を有する非ニュートン的流体になるように液体組成物を調整することによって粘度を変更することが望ましい。これは、静止時高粘度連続相を生成することに相当する。粘弾性を有する、または高度構造をもつ流体相を形成すると、粒子沈降に対するさらなる抵抗力が得られる。さらに、フロキュレーションまたは凝集を制御して、粒子-粒子間相互作用を最小限に抑えることができる。その正味の効果は、均一な分散相が保存されることであろう。
懸濁液の水相に親水コロイドを添加すると、粘度が増大し粘弾性をもたらすことができ、親水コロイドの型、その濃度および粒子組成、形状、サイズ、および体積比に応じて安定性を付与することができる。分散相の粒子の粒径分布は、高粘度の媒体中で現実的な最小粒径、すなわち<500μmを選択することによって制御する必要がある。低剪断速度での軽微な降伏応力または弾性体の存在も、見かけの粘度にかかわらず永久的な安定性を誘発することができる。クリティカルな粒径は、降伏応力値から計算することができる。分離した球形粒子の場合、所与の粘度媒体を通過する沈降の際に生じる最大剪断応力は以下のように表すことができる。
τmax=3Vμ/2r
偽塑性流動体では、この剪断応力状態の粘度はニュートニアンプラトーでゼロ剪断速度粘度であろう。
乾燥が十分に行われて粒子を封じ込め、マトリックスが均一性の維持に十分な固形形態になるまで、安定懸濁液は、フィルムキャスト機器フィルムに供給されるプレミックス組成物の製造、および湿潤フィルム段階におけるフィルムの安定性の維持に対して重要な特徴である。粘弾性流体系では、24時間などの長時間安定懸濁液を提供するレオロジーは、高速フィルムキャスト操作の要件と均衡が取れていなければならない。フィルムの望ましい特性は、剪断薄層性(shear thinning)または偽塑性であり、それによって剪断速度の上昇につれて粘性は減少する。揺変性などの時間依存性剪断効果も有利である。構造自己支持性および剪断薄層化の挙動も形成された際のフィルムの自己水平化能であるので重要な特性である。
本発明の組成物およびフィルムのレオロジー要件は極めて厳格である。これは、粒子安定懸濁液を生成するために必要なためで、たとえば粘弾性流体マトリックスの許容粘度値は広範な剪断速度範囲全体にわたって30〜60wt%である。混合、ポンプ輸送、およびフィルムキャスト中、10〜105/secの範囲の剪断速度を経験してもよく、偽塑性は好ましい実施形態である。
フィルムキャストまたはコーティングでも、レオロジーは所望の均一性を有するフィルムが形成できるかどうかに関する決定的要因である。剪断粘度、伸張粘度、粘弾性、構造自己支持性はフィルムの質に作用する。例としては、剪断薄層化偽塑性流動体のレベリングは次式に由来する。
α(n-1/n)0 (n-1/n)-((n-1)/(2n-1))(τ/K)1/n(2π/λ)(3+n)/nh(2n+1)/nt
式中、αは表面波振幅、αoは初期振幅、λは粗面(surface roughness)の波長、「n」および「K」は粘性指数法則の指標である。この例では、レベリング挙動は粘性と関連付けられ、nが減少するにつれて上昇し、Kが上昇するにつれて減少する。
本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、非常に迅速な構造自己支持性を有すること、すなわち加工中、フィルムが形成するにつれて、崩壊したり、またはその構造および組成の均一性が不連続なものにならないことが望ましい。このような非常に迅速な構造自己支持性が粒子の沈降および沈殿を遅らせる。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、剪断薄層化偽塑性流動体であることが望ましい。粘性や弾性などの考察の特性を有する、このような流動体が薄膜形成および均一性を促進する。
したがって、成分混合物の均一性は多数の変数に依存する。本明細書に記載した通り、成分の粘性、混合技術、得られた混合組成物および湿潤キャストフィルムのレオロジー特性は本発明の重要な態様である。加えて、粒径および粒形の制御をさらに配慮する。微粒子のサイズは粒径150ミクロン以下、たとえば100ミクロン以下が望ましい。さらに、このような粒子は球形、実質上球形、あるいは不定形成形した粒子や楕円に成形した粒子など非球形でよい。楕円に成形した粒子または楕円体は、球形粒子に比べて低程度で沈降する傾向があるので、フィルム形成マトリックス中で均一性を維持できるので望ましい。
混合段階中にいくつかの技術を利用して最終フィルム中の気泡の封入を防止することができる。最終生成物中に実質上全く気泡の形成がない組成混合物を得るために、抗起泡剤または表面張力減少剤を利用する。加えて、混合物に空気を引き込むような方式で、混合速度を制御して混合物の空洞化を防止することが望ましい。最後に、フィルム乾燥前に混合物を十分な時間寝かせて気泡を逃がしてやることによって、気泡の減少をさらに実現することができる。本発明の方法は、最初に薬物粒子などの有効成分、または香味油などの揮発性材料なしにフィルム形成成分の主バッチを形成することが望ましい。キャスト直前に活性物を主バッチの少量混合物に添加する。それによって、薬物または他の成分の不安定さを心配せずに主バッチのプレミックスを長時間放置してねかすことができる。
任意の添加剤および有効成分に加えてフィルム形成ポリマーおよび極性溶媒を含めたマトリックスを形成する場合、これはいくつかのステップで行うことができる。たとえば、成分を全て一緒に添加することもできるし、またプレミックスを調製することもできる。プレミックスの利点は、活性物を除く全ての成分を事前に組み合わせ、活性物はフィルム形成の直前に添加できることである。これは、水、空気または別の極性溶媒への長期に及ぶ曝露によって分解する可能性のある活性物にとって特に重要である。
図6は、プレミックスの調製、活性物の添加、およびその後のフィルム形成に適切な装置20を示す。フィルム形成ポリマー、極性溶媒、および薬剤活性物を除く他の添加剤を含むプレミックスまたは主バッチ22を、主バッチ供給タンク24に加える。プレミックスまたは主バッチ22の成分は、主バッチ供給タンク24に添加する前にミキサー(図示せず)中で形成することが望ましい。次いで、事前に定量した量の主バッチを第1の定量ポンプ26および制御バルブ28を経由して、第1および第2のミキサー30、30'の一方または両方に制御して供給する。しかし、本発明は、2つのミキサー30、30'の使用に限定されず、どんな数のミキサーも適切に使用することができる。さらに、本発明は図6に示すような並列配列など特定のどんな配列のミキサー30、30'にも限定されず、直列、または並列と直列の組合せなどの他のミキサー配列または整列も適切に利用することができる。必要な量の薬物または香味料などの他の成分は、個々のミキサー30、30'の開口部32、32'を通して所望のミキサーに添加する。プレミックスまたは主バッチ22の滞留時間はミキサー30、30'中で最小限に抑えることが望ましい。プレミックスまたは主バッチ22中へ薬物を完全に分散させることが望ましいが、過剰な滞留時間は特に可溶性薬物の場合、薬物の浸出または溶解をもたらし得る。したがって、プレミックスまたは主バッチ22を形成する際に使用される主ミキサー(図示せず)に比べ、ミキサー30、30'はしばしば小型であり、すなわち滞留時間が短い。薬物を主バッチのプレミックスと十分な時間混合して均一なマトリックスを得た後、次いで特定の量の均一なマトリックスを第2の定量ポンプ34、34'を通してパン36に供給する。計量ローラー38が膜厚42を計量し貼付ローラーに適用する。最後にフィルム42が基材44上に形成され、支持ローラー46によって運搬される。
均一性を促進するために混合物の適切な粘度均一性、粒子の安定な懸濁液、およびキャスト法は、組成物およびフィルム形成の初期ステップにおいて重要であるが、湿潤フィルムの乾燥方法も重要である。これらのパラメータおよび特性は初期に均一性を促進するが、フィルムが乾燥されるまでは制御された迅速な乾燥工程が均一性の維持を保証する。
次いで、望ましくは本明細書に記載の通りフィルムの上面48(露出した)には外部空気流または熱が存在しない状態で、制御した底部乾燥または制御したマイクロ波乾燥を使用して湿潤フィルムを乾燥する。従来技術の短所もなしに、制御した底部乾燥または制御したマイクロ波乾燥はフィルムから蒸気を有利に放出させる。従来の上面からの対流空気乾燥を利用しない。というのは、フィルムの最上部面から乾燥が開始し、それによって蒸気などの流体の流れ、および乾燥のための熱エネルギーなどの熱の流れに対して障壁を形成するからである。下部は乾燥しているので、このような乾燥した上部はさらなる蒸発に対して障壁として働き、これにより不均一なフィルムがもたらされる。既に述べた通り一部の上面空気流を使用して、本発明のフィルムの乾燥に役立てることもできるが、その両方が不均一性をもたらす、粒子移動または波紋効果をフィルム中に引き起こす条件を作り出してはならない。上面空気を利用する場合、底部空気乾燥と均衡をとって不均一性を回避し運搬ベルト上でのフィルムの持ち上がりを防止する。底部空気流は主要な乾燥源として機能し、上面空気流は副次的な乾燥源である場合、調和のとれた頂部および底部空気流は適当であるかもしれない。一部の上面空気流の利点は排出される蒸気をフィルムから追い出すことであり、それによって全体の乾燥工程を促進する。しかし、どんな上面空気流または上面乾燥の利用も、それだけには限らないが、組成物のレオロジー特性および加工の力学的側面を含むいくつかの要因によって均衡のとれたものでなければならない。空気など、どんな上面流体の流れも、フィルム形成組成物の固有粘度を打ち負かしてはならない。すなわち、上面空気流は組成物表面を破壊、変形させ、そうでない場合は物理的にかき乱してもならない。さらに気流速度は、フィルムの降伏値未満で、すなわちフィルム形成組成物中の液体を移動させることができるどんな力のレベルよりも低いことが望ましい。希薄なまたは低粘度の組成物では、遅い気流速度を使用しなければならない。濃いまたは高粘度組成物では、より速い気流速度を使用することができる。さらに、気流速度は組成物から形成されたフィルムをどんな持ち上げ、または他の動きも防止するように低いことが望ましい。
さらに本発明のフィルムは、揮発性でもよい香味料などの感温性粒子、または分解温度が低くてもよい薬物を含むことができる。このような場合、乾燥時間を延長しながら乾燥温度を下げて本発明の均一なフィルムを適切に乾燥することができる。さらに、上面乾燥に比較すると底部乾燥は内部フィルム温度が低くなる傾向がある。内部フィルム温度を低下させる上面乾燥に比べて、底部乾燥では蒸発する蒸気はフィルムからより容易に熱を奪い去る。このような低い内部フィルム温度は、しばしば薬物分解を減少させ、香味料などのある種の揮発性材料の損失をも減少させる結果となる。
さらに、組成物またはマトリックスをフィルムに成型した後、フィルム形成組成物またはマトリックスに粒子または微粒子を添加することができる。たとえば、粒子をフィルム42に添加してからフィルム42を乾燥することができる。粒子をフィルムに対して制御して計測し、少しだけまたは優しくフィルム表面に接触し、制御してフィルム表面に粒子を配置する器具であるドクターブレード(図示せず)を用いるなど、適当な技術によってフィルム上に粒子を配置することもできる。他の適当な技術には、それだけには限らないが、追加のローラーを使用して粒子をフィルム表面に置くこと、フィルム表面に粒子を噴霧することなどが含まれる。粒子は対向するフィルム表面の一面または両面、すなわち上面および/またはフィルム底面に置くことができる。粒子はフィルム中に包埋させるなど確実にフィルム上に配置することが望ましい。さらに、このような粒子をフィルム中に完全に包み込み、または完全に包埋させることなく、粒子が部分的に包埋され、または部分的に包まれている状況など、依然としてフィルム表面に露出していることが望ましい。
粒子はどんな有用な感覚刺激剤、美容剤、薬剤、またはそれらの組合せでもよい。薬剤は味を隠したものまたは制御放出薬剤が望ましい。使用可能な感覚刺激剤には香味料および甘味料が含まれる。使用可能な美容剤には、メントール結晶を含むメントールなど、口臭清涼剤または充血除去剤が含まれる。
本発明の方法は、上記の望ましい乾燥用の装置のどの特定の装置にも限らないが、1つの特定の有用な乾燥装置50を図7に示す。乾燥装置50は、熱風などの、ただしそれだけには限らないが、熱流体を基材44上に配したフィルム底部42へ送るためのノズルの配置である。熱風は乾燥装置の入口末端52から進入し、進路54によって示すように垂直に上昇し空気デフレクタ56に向かう。空気デフレクタ56は空気の動きを再方向付けしてフィルム42上の上向力を最小限に抑える。図7に示すように、空気は、進路60および60'によって示されるように、空気は空気デフレクタ56を通り過ぎ、進入し、乾燥装置50のチャンバ部58および58'を通り抜けるように接しながら(tangentially)に進行する。熱気流は実質上フィルム42に接しており、乾燥するにつれてフィルムは持ち上げられ、それによって最小限に抑えられる。空気デフレクタ56はローラーとして示されているが、空気または熱流体を反らすための他の器具および外形も適切に使用することができる。さらに、乾燥装置50の出口末端62および62'は下向朝顔型になっている。このような下向朝顔型は、進路64および64'によって示されるように下向力または下向進行速度を提供し、この力がフィルム42に引張またはドラグ効果を与え、フィルム42の持ち上がりを防止する傾向がある。フィルム42の持ち上がりは、フィルムに不均一性をもたらすだけでなく、そうでない場合は、加工装置からフィルム42および/または基材44が持ち上げ離されるので、フィルム42に制御されない加工がもたらされ得る。
モニタリングおよび膜厚の制御もまた、均一な厚みのフィルムを提供することにより均一なフィルムの生成に役立つ。膜厚は、ベータ計測器などの計測器を用いてモニターすることができる。計測器は、乾燥装置、すなわち乾燥炉または乾燥トンネルの最後で別の計測器に結合し、フィードバックループを介して通過しコーティング装置の開口部を制御、調整すると、均一な膜厚を制御することができる。
一般に、フィルム生成物は、適切に選択したポリマーおよび極性溶媒、ならびにどんな有効成分または充填材も自由に組み合わせることによって形成される。この組合せの溶媒含有量は、組合せ全体の少なくとも約30重量%が望ましい。この組合せによって形成されたマトリックスを望ましくはロールコーティングによってフィルムに形成し、次いで望ましくは、フィルムの均一性、より詳しくは自己凝集しない均一な異種性を維持するために迅速で制御された乾燥工程によって乾燥する。得られたフィルムは、約10重量%未満の溶媒、より望ましくは約8重量%未満の溶媒、さらに望ましくは約6重量%未満の溶媒、最も望ましくは約2%未満の溶媒を含むことが望ましい。溶媒は水、ならびにエタノール、イソプロパノール、アセトン、塩化メチレン、またはどんなそれらの組合せをも含むがそれだけには限らない極性有機溶媒でよい。
レオロジー特性、粘度、混合法、キャスト法および乾燥法など、ただしそれだけには限らない上記のパラメータの考察も本発明の異なる成分の材料選択に影響を与える。さらに、適切な材料選択に伴うこのような考察が、単位面積当たりの薬剤および/または美容活性物の変動がわずか10%に過ぎない、薬剤および/または美容剤形、あるいはフィルム生成物を含む本発明の組成物を提供する。すなわち、本発明の均一性は、マトリックス全体にわたって薬剤および/または美容剤のわずか10重量%に過ぎない変動の存在によって決定される。変動は5重量%未満,2重量%未満,1重量%未満、または0.5重量%未満が望ましい。
フィルム形成ポリマー
ポリマーは水溶性、水膨張性、非水溶性、あるいは1つまたは複数の水溶性、水膨張性または非水溶性ポリマーの組合せでよい。ポリマーは、セルロースまたはセルロース誘導体を含むことができる。使用可能な水溶性ポリマーの具体例は、それだけには限らないが、プルラン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ナトリウムアジナート、ポリエチレングリコール、キサンタンガム、トラガンカントガム、グアールガム、アカシアガム、アラビアガム、ポリアクリル酸、メチルメタクリラートコポリマー、カルボキシビニルコポリマー、デンプン、ゼラチン、およびそれらの組合せを含む。使用可能な非水溶性ポリマーの具体例は、それだけには限らないが、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、セルロースアセタートフタラート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラートおよびそれらの組合せを含む。
本明細書では用語「水溶性ポリマー」およびその変異体は、少なくとも部分的に水に可溶な、望ましくは完全にまたは大部分が水に可溶な、または水を吸収するポリマーをさす。水を吸収するポリマーは、しばしば水膨張性ポリマーと称される。本発明で使用可能な材料は、室温、および室温を超える温度などの他の温度で水溶性または水膨張性であってよい。さらに、材料は、大気圧未満の圧力で水溶性または水膨張性であってよい。水溶性ポリマーは水溶性、または少なくとも20重量%の水を取り込む水膨張性であることが望ましい。25重量%以上の水を取り込む水膨張性ポリマーもまた使用可能である。このような水溶性ポリマーから形成された本発明のフィルムまたは剤形は、望ましくは十分に水溶性であって体液に接触すると溶解することができる。
本発明のフィルムへの取り込みに使用可能なポリマーは他に、生分解性ポリマー、コポリマー、ブロックポリマーおよびそれらの組合せを含む。上記の判定基準を満たす知られている使用可能なポリマーまたはポリマークラスには、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリジオキサン、ポリオキサレート、ポリ(α-エステル)、ポリアンハイドライド、ポリアセラート、ポリカプロラクトン、ポリ(オルソエステル)、ポリアミノ酸、ポリアミノカーボネート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリ(アルキルシアノアクリラート)、ならびにその混合物およびコポリマーがある。追加の使用可能なポリマーには、L-およびD-乳酸の典型的なポリマー(立体ポリマー)、ビス(p-カルボキシフェノキシ)プロパン酸およびセバシン酸のコポリマー、セバシン酸コポリマー、カプロラクトンのコポリマー、ポリ乳酸/ポリグリコール酸/ポリエチレングリコールコポリマー、ポリウレタンと(ポリ乳酸のコポリマー、ポリウレタンとポリ乳酸のコポリマー、α-アミノ酸のコポリマー、α-アミノ酸とカプロン酸のコポリマー、α-ベンジルグルタミナートとポリエチレングリコールのコポリマー、スクシナートとポリグリコールのコポリマー、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシアルカン酸およびそれらの混合物が含まれる。二成分および三成分系が企図される。
使用可能な他の特定のポリマーには商標名MedisorbおよびBiodelで市販されているものが含まれる。Medisorbの材料は米国デラウェア州ウィルミントンのデュポン社から市販され、概ね「2-ヒドロキシプロパン酸ポリマーと、ヒドロキシ酢酸のヒドロキシポリマー」を含む「ラクチド/グリコリドコポリマー」と同定される。4つのこのようなポリマーには、338〜347Fo(170〜175℃)の範囲の融点を持つ100%ラクチドであると考えられるラクチド/グリコリド100L、437〜455Fo(225〜235℃)の範囲融点を持つ100%グリコリドと考えられるラクチド/グリコリド100L、338〜347Fo(170〜175℃)の範囲の融点を持つ85%ラクチドおよび15%グリコリドであると考えられるラクチド/グリコリド85/15、および338〜347Fo(170〜175℃)の範囲の融点を持つ50%ラクチドおよび50%グリコリドのコポリマーであると考えられるラクチド/グリコリド50/50が含まれる。
Biodelの材料は化学的に異なる様々なポリ無水物ファミリを示している。
様々な異なるポリマーを使用することができるが、ポリマーを選択して所望の粘度の混合物を得てから乾燥することが望まれる。たとえば、活性物または他の成分が選択した溶媒に不溶な場合、高い粘度が得られるポリマーが均一性の維持を促進するために望ましい。他方で、成分が溶媒に可溶な場合、低い粘度が得られるポリマーが好ましいであろう。
ポリマーは、フィルムの粘度に作用することにおいて重要な役割を果たす。粘性は、エマルジョン、コロイドまたは懸濁液中の活性物の安定性を制御する液体の特性の1つである。一般に、マトリックスの粘度は約400cps〜約100,000cpsで変化し、約800cps〜約60,000cpsが好ましく、約1,000cps〜約40,000cpsが最も好ましい。フィルム形成マトリックスの粘度は乾燥工程の開始と共に急上昇することが望ましい。
粘度は、選択した活性物に基づきマトリックス内の他の成分に応じて調整することができる。たとえば、成分が選択した溶媒中で不溶性な場合、適当な粘度を選択して得られたフィルムの均一性に悪影響を与えるはずである成分の沈降を防止することができる。粘度は異なる方式で調整することができる。フィルムマトリックスの粘度を上昇させるためには、高い分子量のポリマーを選択することができ、またはカルシウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩などの架橋剤を添加することができる。粘度は、温度を調整することによって、または粘度増加成分を添加することによって調整することができる。粘度を上昇させ、またはエマルジョン/懸濁液を安定させる成分には高い分子量ポリマー、多糖類、およびガムが含まれ、それだけには限らないが、アルギン酸塩、カラギナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ローカストビーンガム、グアールガム、キサンタンガム、デキストラン、アラビアガム、ジェランガム、およびそれらの組合せが含まれる。
単独で使用した場合、通常、可撓性フィルムを実現するために可塑剤を必要とする一定のポリマーを、可塑剤を用いないで組み合わせ、しかも可撓性フィルムを実現することができることも観察されている。たとえば、HPMCおよびHPCを組合せに使用すると、製造および保存に適当な可塑性および弾性を有する可撓性で強靭なフィルムが得られる。柔軟性には追加の可塑剤またはポリアルコールは必要とされない。
制御放出フィルム
「制御放出」の語は、予め選択したまたは所望の速度での活性物の放出を意味するものとする。この速度は適用例に応じて変化する。望ましい速度は迅速または即時放出プロフィール、および遅延、持続または逐次放出を含む。活性物の初期急激な放出とそれに続く低いレベルの持続放出などの放出パターンの組合せが企図されている。緩急(pulsed)な薬物放出も企図されている。
本発明のフィルム用に選択したポリマーを選択して活性物の制御された分解を行うこともできる。これは、時間の経過につれてフィルムから放出される活性物を組み込む実質上非水溶性フィルムを準備することによって実現することができる。これは、様々な異なる可溶性または不溶性ポリマーを組み込むことによって実現することができ、組合せ物に生分解性ポリマーを含めることもできる。あるいは、コートした制御放出活性物粒子を溶け易いフィルムマトリックス中に組み込み、消費と同時に消化系内で活性物の制御放出特性を得ることもできる。
活性物の制御放出を提供するフィルムは、特に頬腔、歯肉、舌下および膣投与に有用である。本発明のフィルムは、特に粘膜または粘膜液体が存在する場所で有用であり、それは容易に湿潤になりそこの部位に付着できるからである。
一定間隔での数度の単一用量の投与とは対照的に、長期に渡って制御された方式で有効成分を放出する1回投与薬剤の投与の簡便性は、薬剤業界で久しく以前から認識されていた。長期に渡って一貫したおよび均一な薬物の血中濃度を得ることの患者および臨床医にとっての利点も同様に認識されている。様々の持続放出剤形の利点は良く知られている。しかし、活性物の制御放出を提供するフィルムの調製は、制御放出錠剤でよく知られている利点の他にも利点を有する。たとえば、薄膜は不注意で吸引し難く患者のコンプライアンスも向上する。というのは、フィルムは錠剤のように嚥下する必要がないからである。さらに、本発明のフィルムの一定の実施形態は頬腔および舌に付着するように設計され、そこでフィルムは制御されて溶解する。さらに、オキシコンチンなどの薬物乱用を招く問題である、制御放出錠剤の方式で薄膜を粉砕することはできない。
本発明で使用した活性物は、本発明のフィルム組成物に制御放出形で組み込むことができる。たとえば、薬物の粒子をそれぞれAquacoat ECDおよびEudragitE-100などの商標名で市販されているエチルセルロースまたはポリメタクリラートなどのポリマーを用いてコートすることができる。薬物の溶液をこのような高分子材料に吸収させ、本発明のフィルム組成物中に組み込むこともできる。脂肪およびワックス、ならびに甘味料および/または香味料など他の成分もこのような制御放出組成物中に使用することができる。
PCT同時係属出願、名称「味を隠した組成物を組み込む迅速溶解剤形用均一フィルム(Uniform Films For Rapid Dissolve Dosage Form Incorporating Taste-Masking Compositions)」(同じ名称の米国仮出願番号、速達ラベル番号:EU552991605US号、出願2003年9月27日、整理番号第1199-15P号に基づく)に記載される通り、活性物は味を隠してからフィルム組成物中に取り込むことができ、その内容全体を参照により本明細書に組み込む。
活性物
活性物をフィルムに導入する場合、単位面積当たりの活性物の量は、フィルムの均一な分布によって決定する。たとえば、フィルムを個々の剤形に切り分ける場合、剤形中の活性物の量は顕著な精度で知ることができる。これは、所与の領域中の活性物の量は、フィルムの別の部位の同じ大きさ領域中の活性物の量と実質上同一なので実現される。用量の精度は活性物が薬剤、すなわち薬物の場合特に有利である。
本発明のフィルム中に組み込むことができる有効成分には、それだけには限らないが、薬剤および美容活性物、薬物、薬剤、抗原またはブタクサの花粉などのアレルゲン、胞子、微生物、種子、口腔洗浄成分、香味料、香料、酵素、保存料、甘味剤、着色料、スパイス、ビタミンおよびそれらの組合わせが含まれる。
広範な薬剤、生理活性作用材料および薬剤組成物を本発明の剤形中に含めてもよい。使用可能な薬物の例には、ace-阻害剤、抗狭心症薬、抗不整脈剤、抗喘息剤、抗コレステロール血症剤、鎮痛剤、麻酔剤、抗痙攣剤、抗うつ剤、抗糖尿病剤、抗下痢調剤、解毒剤、抗ヒスタミン剤、抗高血圧薬、抗炎症剤、抗脂質剤、抗躁病剤、抗悪心薬、抗脳梗塞剤、抗甲状腺調剤、抗腫瘍剤、抗ウイルス剤、ざ瘡薬物、アルカロイド剤、アミノ酸調剤、咳止め薬、抗尿酸血症薬、抗ウイルス薬、同化作用調剤、全身性および非全身性抗感染症薬、抗新生物薬、抗パーキンソン剤、抗リウマチ薬、食欲増進剤、生体応答調整剤、血液調整剤、骨代謝調節剤、心血管薬、中枢神経系刺激剤、コリンエステラーゼ阻害剤、避妊薬、鬱血除去剤、栄養補助食品、ドーパミン受容体作用薬、子宮内膜症薬、酵素、勃起機能障害治療剤、妊娠薬、胃腸薬、ホメオパシー療法剤、ホルモン、高カルシウム血症剤および低カルシウム剤、免疫調節剤、免疫抑制剤、片頭痛調剤、乗り物酔予防薬、筋肉弛緩剤、肥満治療剤、骨粗鬆症調剤、子宮収縮剤、副交感神経遮断薬、副交感神経作用薬、プロスタグランジン、精神治療薬、呼吸薬、鎮静薬、禁煙補助剤、交感神経遮断剤、振戦薬、尿路薬、血管拡張剤、緩下薬、制酸剤、イオン交換樹脂、抗発熱薬、食欲抑制剤、去痰薬、抗不安薬、抗腫瘍薬、抗炎症材料、冠血管拡張剤、大脳拡張剤、末梢血管拡張剤、向精神薬、興奮剤、抗高血圧薬、血管収縮神経薬、片頭痛治療剤、抗生材料、精神安定剤、抗精神病薬、抗腫瘍薬、抗凝血剤、抗血栓薬、催眠薬、抗吐薬、抗悪心薬、抗痙攣薬、神経筋薬、高および低血糖薬、甲状腺および抗甲状腺調剤、利尿薬、抗痙攣、子宮(terine)弛緩薬、高肥満薬、赤血球生成薬物、抗喘息、咳抑制剤、粘液溶解薬、DNAおよび遺伝子調整薬、およびそれらの組合せが含まれる。
本発明での使用に企図される薬剤有効成分の例には制酸剤、H2-拮抗材料、および鎮痛薬が含まれる。たとえば、制酸剤薬は炭酸カルシウム単独、または水酸化マグネシウム、および/または水酸化アルミニウムと組み合わせた成分を使用し調製することができる。さらに制酸剤をH2-拮抗材料と組み合わせて使用することもできる。
鎮痛薬には、場合によってはカフェインを含むことができる、オキシコドン(Oxycontin(登録商標)として市販)、イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェン、およびそれらの組合せなどのアヘン剤およびアヘン剤誘導体が含まれる。
本発明での使用に好ましい他の有効成分、それに好ましい他の薬物にはイモジウム(immodium)ADなどの抗下痢剤、抗ヒスタミン剤、咳止め薬、鬱血除去剤、ビタミン、および口内清涼剤などが含まれる。風邪、痛み、発熱、咳、充血、鼻みず、およびアレルギーに対してアセトアミノフェン、マレイン酸クロルフェニラミン、デキストロメトルファン、プソイドエフェドリンHClおよびジフェンヒドラミンなどの通常使用される薬物を単独でまたは組み合わせて本発明のフィルム組成物に含めてもよい。
また本明細書で使用することが企図された薬物は、アルプラゾラム(Xanax(登録商標)として市販)などの抗不安薬;クロゾピン(clozopin)(Clozaril(登録商標)として市販)およびハロペリドール(Haldol(登録商標)として市販)などの抗精神病薬;ジシクロフェナク(dicyclofenacs)(Voltaren(登録商標)として市販)およびエトドラク(Lodine(登録商標)として市販)などの非ステロイド性抗炎症剤(NSAID's)、ロラタジン(Claritin(登録商標)として市販)、アステミゾール(Hismanal(商標)として市販)、ナブメトン(Relafen(登録商標)として市販)、およびクレマスチン(Tavist(登録商標)として市販)などの抗ヒスタミン剤;塩酸グラニセトロン(Kytril(登録商標)として市販)およびナビロン(Cesamet(商標)として市販)などの抗吐薬;Benotlin(登録商標)、アルブテロール硫酸塩(Proventil(登録商標)として市販)などの気管支拡張薬;フルオキセチン塩酸塩(Prozac(登録商標)として市販)、塩酸セルトラリン(Zoloft(登録商標)として市販)、およびパロクスチン(paroxtine)塩酸塩(Paxil(登録商標)として市販)などの抗うつ剤;Imigra(登録商標)などの抗偏頭痛薬、エナラプリラト(Vasotec(登録商標)として市販)、カプトプリル(Capoten(登録商標)として市販)およびリシノプリル(Zestril(登録商標)として市販)などのACE-阻害剤;ニセルゴリンなどの抗アルツハイマー剤;およびニフェジピン(Procardia(登録商標)およびAdalat(登録商標)として市販)などのCaH-拮抗材料、およびベラパミル塩酸塩(Calan(登録商標)として市販)である。
勃起機能障害治療には、それだけには限らないが、ペニスへの血流を促進するための薬物、および副交感(コリン作動性)活性を増大させ、交感(アドレナリン作動性)活性を減少させる自律神経の神経活性をもたらす薬物が含まれる。使用可能な、それだけには限らない薬物にはViagra(登録商標)などのシルデナフィル、Cialis(登録商標)などのタダラフィル、バルデナフィル、Uprima(登録商標)などのアポモルフィン、Aphrodyne(登録商標)などの塩酸ヨヒンビン、およびCaverject(登録商標)などのアルプロスタジルが含まれる。
本発明での使用に企図される好評なH2-拮抗材料には、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジエン(nizatidien)、エブロチジン(ebrotidine)、ミフェンチジン(mifentidine)、ロキサチジン、ピサチジン(pisatidine)およびアセロキサチジン(aceroxatidine)が含まれる。
活性制酸成分には、それだけには限らないが以下のものが含まれる:水酸化アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノ酢酸塩、アミノ酢酸、リン酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムナトリウムカルボナート、炭酸水素塩、ビスマスアルミン酸塩、炭酸ビスマス、次炭酸ビスマス、次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス、ビスマスサブシリシラート(subsilysilate)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、クエン酸イオン(酸または塩)、アミノ酢酸、マグネシウムアルミン酸塩硫酸塩水和物、マガルドラート(magaldrate)、マグネシウムアルミノケイ酸塩、炭酸マグネシウム、マグネシウムグリシン、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、乳固形分、アルミニウムモノ-オリジバシック(ordibasic)カルシウムリン酸塩、リン酸トリカルシウム、カリウム炭酸水素塩、ナトリウム酒石酸塩、炭酸水素ナトリウム、マグネシウムアルミノケイ酸塩、酒石酸および塩。
本発明で使用する薬剤活性物は、草、樹木、またはブタクサに由来する植物花粉;ネコおよび他の毛皮動物の皮膚および毛から振り落ちる微小な鱗屑である動物のフケ;イエダニ、ミツバチ、およびスズメバチなどの昆虫類;およびペニシリンなどの薬物などを含むがそれだけには限らないアレルゲンまたは抗原を含むことができる。
抗酸化剤をフィルムに加えて活性物、特に感光性である活性物の分解を防止することもできる。
美容活性剤にはメントールなどの口臭爽快化合物、他の香味料または香料、特に口腔衛生用に使用される活性剤、および第4級アンモニウム系などの歯科および口腔洗浄で使用される活性物を含めることができる。酒石酸、クエン酸、バニリンなどの風味強化剤を使用して香味料の効果を高めることができる。
フィルムを調製するステップで色素添加剤も使用することができる。このような色素添加剤には食物、薬物および美容色素(FD&C)、薬物および美容色素(D&C)、または外用薬および美容色素(Ext.D&C)が含まれる。これらの色素は染料、その対応するレーキ(lakes)、ならびにある種の天然および誘導着色料である。レーキは水酸化アルミニウムに吸収させた染料である。
着色剤の例は他に、知られているアゾ染料、有機または無機顔料、または天然産着色料を含む。酸化物、鉄またはチタンなどの無機顔料が好ましく、これらの酸化物は成分総重量に対して約0.001〜約10%の範囲の濃度で、好ましくは約0.5〜約3%で添加する。
天然および合成香味液から香味料を選択することができる。このような剤の例を掲げると揮発性油、合成香味油、香味料芳香剤、油、液体、含油樹脂または植物由来の抽出物、葉、花、果物、茎およびそれらの組合せが含まれる。それだけには限らないが例を掲げるとミント油、ココア、およびレモン、オレンジ、ブドウ、ライム、グレープフルーツなどの柑橘油、およびリンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、チェリー、プラム、パイナップル、アプリコットを含む果物エキスまたは他のフルーツ香味料が含まれる。
香味料を含むフィルムを添加して、ホットまたはアイス風味飲料またはスープを得ることができる。これらの香味料には、それだけには限らないが茶およびビーフおよびチキンなどのスープ香味料が含まれる。
他の使用可能な香味料には、ベンズアルデヒド(チェリー、アーモンド)などのアルデヒドおよびエステル、シトラールすなわちαシトラール(レモン、ライム)、ネラールすなわちベータ-シトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、アルデヒドC-8(柑橘果物)、アルデヒドC-9(柑橘果物)、アルデヒドC-12(柑橘果物)、トリルアルデヒド(チェリー、アーモンド)、2,6-ジメチルオクタノール(緑フルーツ)、および2ドデカナール(柑橘類、マンダリン)、それらの組合せなどが含まれる。
甘味料を以下のそれだけには限らないリストから選択することができる:グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、およびそれらの組合せ;サッカリンおよびナトリウム塩などその様々な塩;アスパルテームなどのジペプチド甘味料;ジヒドロカルコン化合物、グリチルリチン;Stevia Rebandiana(ステビオシド);スクラロースなどのショ糖のクロロ誘導体;ソルビトール、マンニトール、キシリトールなどの糖アルコール。さらに企図されるものには、水素添加デンプン加水分解物、および合成甘味料3,6-ジヒドロ-6-メチル-1-1-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシド、特にそのカリウム塩(アセスルファム-K)、ナトリウム塩およびカルシウム塩、ならびに羅漢果などの天然強化甘味料がある。他の甘味料も使用してもよい。
活性物を溶媒中のポリマーと組み合わせる場合、形成されるマトリックスの型は活性物およびポリマーの溶解性に依存する。活性物および/またはポリマーが選択した溶媒に可溶性ならば、溶液が形成され得る。しかし、その成分が可溶性でない場合、マトリックスはエマルジョン、コロイド、または懸濁液として分類することができる。
用量
本発明のフィルム生成物は、広範囲の量の有効成分を受け入れることができる。フィルムは、必要な用量が多量または極めて少量であるかに関わらず、正確な用量提供することができる(フィルムのサイズおよび元のポリマー/水の組合せ中の活性物濃度によって決定する)。したがって、フィルムに組み込まれている活性物または薬剤組成物の型に応じて、活性物の量は約300mgほどと多く、望ましく約150mgまで、またはマイクログラム範囲程度と少なく、あるいはその間のいかなる量でよい。
本発明のフィルム生成物および方法は強力な低用量薬物にも同様にふさわしい。これは、高い程度のフィルムの均一性によって実現される。したがって、低用量薬物、特により強力な活性物のラセミ混合物が望ましい。
抗起泡剤および消泡組成物
抗起泡成分および/または消泡成分も本発明のフィルムに使用することができる。これらの成分はフィルム形成組成物から捕捉した空気などの空気の除去に役立つ。先に述べたように、このような捕捉した空気は不均一フィルムをもたらし得る。シメチコンは、1つの特に有用な抗起泡剤および/または消泡剤である。しかし本発明は、それだけに限定されず、他の抗起泡剤および/または消泡剤を適切に使用することができる。
一般に、シメチコンは、医療分野において乳児のガスまたは疝痛の処置として使用される。シメチコンは、トリメチルシロキシ末端ブロック単位(unites)で安定化させたポリジメチルシロキサン繰り返し単位を含む完全メチル化線状シロキサンポリマー、および二酸化ケイ素の混合物である。通常,90.5〜99%のポリメチルシロキサンおよび4〜7%二酸化ケイ素を含む。混合物は、水に不溶性の灰色半透明の粘性液体である。
水に分散させた場合、シメチコンは表面に広がり、低表面張力の薄膜を形成する。このようにシメチコンは、溶液中に存在する泡など空気である気泡の表面張力を低減し、その崩壊を引き起こす。シメチコンの作用は、水中の油およびアルコールの2つの作用を模倣している。たとえば、油性溶液中に捕捉されたどんな気泡も表面へ上昇し速やかに容易に消散する。というのは、油性液体は水溶液に比べて密度が低いからである。他方で、アルコール/水の混合物は水の密度を低下させ、水の表面張力も同様に低下させることがが知られている。それで、この混合溶液の内部に閉じ込められたどんな気泡も容易に消散する。シメチコン溶液はこれらの両方の利点を提供する。この溶液は水溶液内部に閉じ込められたどんな気泡の表面エネルギーも低下させ、水溶液の表面張力を低下させる。この独特の作用性の結果として、シメチコンは、生理学的方法(胃中の抗ガス)、および生成物から気泡を除去する必要があるどんな外部の方法にも使用することができる優れた抗起泡特性を有している。
本発明のフィルム中の気泡の形成を防止するために、混合ステップを減圧して実施することができる。しかし、混合ステップが完了し、フィルム溶液が通常雰囲気状態に戻ると同時に、空気が混合物中に再導入しまたは接することになる。多くの場合、微小な気泡が再度この重合性粘性溶液内部に閉じ込められるであろう。フィルム形成組成物中にシメチコンを取り込むことで、実質上気泡の形成が低減または除去される。
シメチコンを抗気泡剤として約0.01重量%〜約5.0重量%、より望ましくは約0.05重量%〜約2.5重量%、および最も望ましくは約0.1重量%〜約1.0重量%の量でフィルム形成混合物に添加することができる。
任意の成分
本発明のフィルムには様々な他の成分および充填剤を加えることもできる。これらには、それだけには限らないが、界面活性剤;混合物内の成分の相溶性を高める可塑剤;ポリアルコール;フィルムから酸素を放出させることによってフィルム表面のなめらかさを高める、シリコーン含有化合物などの消泡剤;および成分の分散の維持を補助する、ペクチン、カラギナン、ゼラチンなどの熱硬化性ゲルを含めることができる。
本発明の組成物中に取り込むことができる多様な添加剤によって様々な異なる機能を得ることができる。添加剤に分類される例には賦形剤、滑沢剤、緩衝剤、安定剤、膨張剤、顔料、着色剤、充填剤、増量剤、甘味剤、香味料、香料、放出調整剤、アジュバンド、可塑剤、流動促進剤、離型剤、ポリオール、粒状化剤、希釈液、結合剤、緩衝液、吸収剤、流動性改善剤、接着剤、抗接着剤、酸味料、柔軟剤、樹脂、緩和剤、溶媒、界面活性剤、乳化剤、エラストマーおよびそれらの混合物が含まれる。これらの添加剤を有効成分と共に添加してよい。
使用可能な添加剤には、たとえば、ゼラチン、ヒマワリ蛋白質、大豆蛋白質、綿実蛋白質、ピーナッツ蛋白質、ブドウ種蛋白質などの植物性蛋白質、乳清蛋白質、乳清蛋白質単離物、血液蛋白質、卵蛋白質、アクリル酸化蛋白質、アルギン酸塩などの水溶性多糖類、カラギナン、グアールガム、寒天-寒天、キサンタンガム、ジェランガム、アラビアガムおよび関連するガム(ガティガム、カラヤガム、トラガンカントガム)、ペクチン、セルロースの水溶性誘導体:メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロースなどのアルキルセルロースヒドロキシアルキルセルロースおよびヒドロキシアルキルアルキルセルロース;酢酸セルロースフタラート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロースエステルおよびヒドロキシアルキルセルロースエステル;カルボキシメチルセルロースおよびそれらのアルカリ金属塩などのカルボキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロースエステル;ポリアクリル酸およびポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸およびポリメタクリル酸エステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタートフタラート(PVAP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、PVY/ビニルアセタートコポリマー、およびポリクロトン酸などの水溶性合成ポリマーが含まれ;さらに適当なものは、フタル化ゼラチン、ゼラチンスクシナート、架橋ゼラチン、セラック、デンプンの水溶性化学的誘導体、望むならば第四級化(quaternized)することができるジエチルアミノエチル基などのたとえば第3級または第4級アミノ基の陽イオン的に改変したアクリラートおよびメタクリラート保有物(possessing);および他の同様のポリマーである。
このような特性強化剤は、場合によってはどんな所望の量でも添加することができ、望ましくは成分総重量に対して約80%まで、望ましくは約3%〜50%、より望ましくは3%〜20%の範囲で添加することができる。
さらに添加剤は、マグネシウムアルミニウム、ケイ素、チタンなどの酸化物などの無機充填剤でよい。成分総重量に対して約0.02%〜約3重量%、望ましくは約0.02%〜約1%の濃度範囲が望ましい。
さらに添加剤の例は可塑剤であり、これにはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンプロピレングリコールなどのポリアルキレンオキシド;、グリセロール、グリセロールモノアセタート、ジアセタートまたはトリアセタート、トリアセチン、ポリソルビナート、セチルアルコール、プロピレングリコール、ソルビトール、ナトリウムジエチルスルホサクシナート、トリエチルスクシナート、トリブチルスクシナート、などの低分子量有機可塑剤が含まれ、ポリマー重量に対して約0.5%〜約30%、、望ましくは約0.5%〜約20%の濃度範囲で含まれる。
デンプン質流動の特性を改善させるためにさらに化合物を添加することができ、動物または植物脂肪など、その水素添加した形が望ましく、特に室温で固体のもことが望ましい。これらの脂肪は融点が50℃以上であることが望ましい。好ましいものは、C12-、C14-、C16-、C18-、C20-およびC22-脂肪酸のトリグリセリドである。これらの脂肪は、特性強化剤または可塑剤を加えずに単独で添加ことができ、単独でまたはモノ-および/またはジ-グリセリドまたはリン脂質、特にレシチンと共に有利に加えることができる。モノ-およびジ-グリセリドは望ましくは上記の脂肪型、すなわちC12-、C14-、C16-、C18-、C20-およびC22-脂肪酸を有する脂肪型に由来する。
使用する脂肪、モノ-、ジ-グリセリドおよび/またはレシチンの合計量は、総組成物の約5%まで、約0.5%〜約2重量%の範囲が好ましい。
さらに、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、または二酸化チタンを総組成物の約0.02%〜約1重量%の濃度で加えることも有用である。これらの化合物はテクスチャの改善剤として作用する。
これらの添加剤は、その所期の目的を実現するために十分な量で使用される。一般に、これらの添加剤の幾つかの組合せは有効成分の全体的な放出プロフィールを変化させ、改変、すなわち放出を妨害または促進するために使用することができる。
レシチンは、本発明で1つの表面活性剤として使用される。レシチンを供給原料中に約0.25%〜約2.00重量%の量で含めることができる。他の表面活性剤、すなわち界面活性剤には、それだけには限らないが、、セチルアルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ICI Americas,Inc.社から市販されているSpans(商標)およびTweens(商標)が含まれる。BASF社から市販されているCremophor(商標)ELなど、エトキシル化ひまし油を含むエトキシル化油も有用である。Carbowax(商標)は、本発明で非常に有用なさらに別の調整剤である。Tweens(商標)または表面活性剤の組合せを使用して所望の親水性-親油性バランス(「HLB」)を実現することができる。しかし、本発明は、界面活性剤の使用を必要とせず、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は本質的に界面活性剤を含まなくても依然として本発明の望ましい均一性特徴を提供することができる。
本発明の手順および生成物を向上させる追加の調節剤は同定されているので、本出願人はこのような追加の調節剤の全てを本明細書で特許請求する本発明の範囲内に含めるものとする。
他の成分にはフィルムの形成の緩和および全体的な質に貢献する結合剤が含まれる。限定はしないが結合剤の例には澱粉類、ゼラチン化前の澱粉類、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオクソアゾリドン(oxoazolidone)、およびポリビニルアルコールが含まれる。
フィルムの形成
本発明のフィルムは乾燥の前にシートに形成されなければならない。ポリマー、水、活性物、または適宜他の成分を含む所望成分を組み合わせて多成分マトリックスを形成した後、多成分マトリックスを押出し、コーティング、延伸、キャストまたは塗布などの当技術分野で知られている任意の方法によって組合せ物をシートまたはフィルムに形成する。多層フィルムが望ましい場合は、これは成分が同じでもまたは異なってもよい組成物の1つを超える組合せ物を共押出しすることによって実現することができる。多層フィルムは、組合せ物を既に形成されたフィルム層の上にコーティング、延伸(spreading)、またはキャストすることによって実現することもできる。
様々な異なるフィルム形成技術を使用することができるが、リバースロールコーティングなど可撓性フィルムを提供する方法を選択することが望ましい。。フィルムの柔軟性によってフィルムシートをロールにし、保存のために移動させることが可能になり、またはその後個々の剤形に切り分ける。フィルムは、自己支持性(self-supporting)があり、すなわち分離した支持体がなくても一体性および構造を維持できることが望ましい。さらに、本発明のフィルムは食用または摂取可能な材料を選択することができる。
コーティング法またはキャスト法は本発明のフィルムを形成する目的に特に有用である。具体例にはリバースロールコーティング、グラビアコーティング、浸漬すなわちディップコーティング、計測ロッドすなわちマイヤーバーコーティング、スロットダイすなわち押出しコーティング、ギャップすなわちナイフオーバーロールコーティング、空気ナイフコーティング、カーテンコーティング、またはそれらの組合せが含まれ、特に多層フィルムが望ましい。
ロールコーティング、またはより詳細には、リバースロールコーティングが、本発明によってフィルムを形成する場合特に望ましい。この手順によって、本発明で望ましい得られたフィルムに優れた制御性および均一性がもたらされる。この手順では、上部計測ローラーとその下の塗布用ローラー間の差を精度設定することによってコーティング材料をアプリケータローラー上で測定する。塗布用ローラーに隣接する支持ローラーの周囲を通過させながらコーティング材料を塗布用ローラーから基材に移動させる。3本ロール工程および4本ロール工程が一般的である。
グラビアコーティング法は、コーティングバス中で作動する彫りのあるローラーに依存し、ローラーに彫られた点または線にコーティング材料を充填する。ローラー上の過剰なコーティング材料は、ドクターブレードによってこすり落とされ、次いでコーティング材料は彫りのあるローラーおよび圧力ローラー間を通り抜けながら基材上に置かれる。
オフセットグラビアは一般的であり、コーティングは中間ローラー上に置かれた後基材上へ移動する。
単純な方法の浸漬またはディップコーティングでは、基材はコーティングバス中に浸漬され、基材が液から出現するときにコーティング材料がバスへ戻ることができるように通常コーティング材料は低粘度である。
計測ロッドコーティング法では、バスローラー上を通過する際に過剰なコーティング材料は基材上に被着する。時にはマイヤーバーとして知られるワイヤーを巻いた計測ロッドを用いると、所望の量のコーティング材料を基材上に残すことが可能になる。その量はロッドに使用されているワイヤーの直径によって決まる。
スロットダイ法では、コーティング材料は重力またはスロットの圧力によって基材上に絞り出される。コーティング材料が100%固形分の場合、この方法は「押出し」と呼ばれその場合ラインスピードは、押出しのスピードよりもしばしば非常に速い。これによってコーティング材料をスロット幅よりも極めて薄くすることができる。
ギャップすなわちナイフオーバーロール法は基材に塗布されているコーティング材料に依存し、次いで、コーティング材料は「ナイフ」および支持ローラー間の「ギャップ」を通過する。コーティング材料および基材が通過する際に、過剰分がこすり落とされる。
空気ナイフコーティングは、コーティング材料を基材に塗布し、過剰分を空気ナイフからの強力なジェットによって「吹き飛ばす」ものである。この手順は水性塗料に有用である。
カーテンコーティング法では、底にスロットを備えたバスによってコーティング材料の連続カーテンは2つのコンベア間の間隙に落下することができる。塗布する目的物は制御したスピードでコンベヤに沿って通り、そのようにしてその上部面にコーティング材料を受ける。
フィルムの乾燥
乾燥ステップもフィルム組成物の均一性の維持に関して1つの要因である。制御された乾燥工程が特に重要である粘度高い組成物、または粘度がたとえばポリマーの選択によって制御されているような組成物が存在しない場合、フィルム内の成分は凝集または凝塊する傾向が高くなり得る。正確な用量を有するフィルム形成の代替方法は、制御された乾燥工程を必要とせず、所定のウェルにフィルムをキャストするものである。この方法によって、成分は凝集するかもしれないが、各ウェルはそれ自体が単位用量を限定することができるので隣接する剤形への活性物の移動は生じない。
制御したまたは迅速な乾燥工程が望ましい場合、これには様々な方法がある。加熱を要するも方法を含め様々の方法を使用することができる。均一性、より詳しくは湿潤フィルムで得られた自己凝集しない均一な異種性が維持されるような方式で液体担体をフィルムから除去する。
フィルムは、フィルム底部からフィルム上面へ乾燥することが望ましい。その初期硬化期間中、実質上いかなる空気流もフィルム上面を渡って存在しないことが望ましく、その硬化期間中に固体の粘弾性構造が形成される。これは、初めの数分以内に、たとえば乾燥工程の最初の約0.5〜約4.0分間に生じ得る。この方式で乾燥を制御することで、従来の乾燥法から生じるフィルム上面の崩壊および再形成を防止する。上面および底面を有する表面の上面上にフィルム形成し置くことによってこれは達成される。次いで、初めにフィルムの底面を加熱して、蒸発に必要なエネルギーを得、そうでない場合は液体担体を除去する。この方式で乾燥したフィルムは、空気乾燥フィルムまたは従来の乾燥手段によって乾燥されたフィルムに比べてより迅速に均等に乾燥する。最初に上面および端部を乾燥させる空気乾燥フィルムとは対照的に、底部を加熱することによって乾燥したフィルムは中央部および端部も同時に乾燥する。これもまた、従来の手段によって乾燥したフィルムで生じる成分の沈降を防止する。
フィルムを乾燥する温度は約100℃以下、望ましくは約90℃以下、最も望ましくは約80℃以下である。
単独でまたは先に開示したような他の制御方法と組み合わせて使用することができる、乾燥工程を制御する別の方法には、フィルムを乾燥する乾燥装置中の湿度を制御および変更することが含まれる。この方式で、フィルム上面の早すぎる乾燥を防止する。
加えて、乾燥時間の長さを適切に制御する、すなわち成分の感温性および揮発性、特に香味油および薬物との均衡を図ることができることが発見されている。このような活性物を受け入れるためにエネルギー量、温度、コンベヤの長さおよびスピードの均衡を図って、最終フィルムの損失、分解または無効性を最小限に抑えることができる。
適切な乾燥方法の特定の実施例は、Magoonによって開示されている例である。Magoonは、特に、フルーツパルプの乾燥方法を目的としている。しかし、本発明者らはこの方法を薄膜の調製に向けて適合させた。
Magoonの方法および装置は、水の興味深い特性に基づいている。水は、その周囲環境内および環境への誘導および対流によってエネルギーを伝達するが、水は水の内部および水にしかエネルギーを放射しない。したがって、Magoonの装置は、フルーツパルプを置く、赤外線放射をするために透明な表面を備える。表面の下面は温度を制御した湯浴に接触する。湯浴の温度は水の沸点よりわずかに低い温度に制御することが望ましい。湿ったフルーツパルプを装置の表面に置くと、これによって「屈折窓」が生じる。赤外線エネルギーは表面を通り抜けてフルーツパルプが占有する表面の領域のみ、かつフルーツパルプが乾燥するまでのみ放射されることをこれは意味している。Magoonの装置は、本発明のフィルムにフィルム成分の凝集の時期を減少させる効率的乾燥時間を提供する。
フィルムの初期の厚みは約500μm〜約1,500μm、または約20ミル〜約60ミルであり、乾燥すると厚みは約3μm〜約250μm、または約0.1ミル〜約10ミルである。乾燥フィルムの厚みは約2ミル〜約8ミルが望ましく、約3ミル〜約6ミルがより望ましい。
薄膜の使用
本発明の薄膜は多くの用途に非常に適している。フィルム成分の高度の均一性によって、フィルムは薬剤の組み込みに極めて相応しいものになっている。さらに、フィルムの構築に使用するポリマーを選択して、フィルムの分解時間の範囲を考慮することができる。フィルムが分解する時間を変更または延長することによって、活性物が放出される速度の制御が達成でき、これによって持続放出送達系が可能になる。さらに、数種の体表面、特に、口腔、肛門、膣、眼、創傷表面などの粘膜、皮膚表面または手術中など体内、および同様の表面を含む体表面の幾箇所にでも活性物の投与にフィルムを使用することができる。
フィルムを使用して経口的に活性物を投与することができる。これは、先に述べたようなフィルムを調製するステップ、およびそれらを哺乳動物の口腔に導入するステップによって実現される。このフィルムを調製し、第2の層または支持層に接着し、その層から取り外してから使用し、すなわち口腔に導入することができる。接着剤を使用して、当技術分野で知られているどんな支持体または基材にもフィルムを装着することができるが水溶性でないものが好ましい。接着剤を使用する場合、摂取可能で活性物の特性を変化させない食品等級の接着剤が好ましい。粘膜付着性組成物が特に有用である。多くの場合、フィルム組成物はそれ自体粘膜付着剤として働く。
フィルムは哺乳動物の舌下または舌に貼ってよい。それが望まれ場合、特定のフィルム形、舌の形に対応することが好ましい。したがって、舌の裏に対応するフィルムの側は、舌の前部に対応する側より長くなるような形にフィルムを切り出すことができる。具体的には、所望の形は、三角形または台形の形であろう。フィルムを口腔に接着させ口腔からの突出を防止し、フィルムが溶解するにつれより多くの活性物が口腔に導入されるようにすることが望ましい。
本発明のフィルムの別の用途は、液体に導入した場合、迅速に溶解するフィルムの傾向を利用する。本発明にしたがってフィルムを調製し、これを液体に導入し、およびこれを溶解させることによって活性物を液体に導入することができる。これは、活性物の液体剤形の調製、または飲料に風味をつけるために使用することができる。
本発明のフィルムは、密封、耐空気および耐湿包装に包装して活性物を酸化、加水分解、気化、および環境との相互作用への曝露から保護することが望ましい。図1について、包装した薬剤単位用量10は、別個にポウチに包まれた、またはホイルおよび/またはプラスチックラミネートシート14で挟まれた各フィルム12を含む。図2に示すように、ポウチ10,10'は引き裂き可能なまたはミシン目16で結合されていてよい。ポウチ10,10'は図5に示すようにロール状に、または図3に示す通り積層して包装することができ、図4に示す通りディスペンサ18に入れて販売することもできる。ディスペンサには所望する療法のために通常処方される投薬の完全な供給を含めることができるが、フィルムおよび包装の薄さから、錠剤、カプセル剤および液体に使用される従来のボトルよりも小型で好都合である。さらに本発明のフィルムは唾液または粘膜領域に接触すると同時に瞬時に溶解し、水を用いて用量を漱ぎ嚥下する必要性を除去した。
個々の療法に応じて、一連のこのような単位用量を処方されたレジメンまたは治療にしたがって、たとえば10〜90日分を一緒に包装することが望ましい。個々のフィルムを支持体上に包装し、はがして使用することもできる。
本発明の特徴および利点は以下の実施例によってより完全に示され、これらの実施例は例示の目的で提供され、決して本発明を限定しないものと解釈される。
(実施例A〜I)
本発明の水溶性薄膜組成物を表1に記載した量を使用し調製する。
Figure 0006035369
本発明の組成物A〜Iの成分を均一な混合物が得られるまで混合することによって組み合わせた。次いで組成物をリバースロールコーティングによってフィルムに成形した。次いで、これらのフィルムを赤外線透明表面の上面で乾燥した。赤外線透明表面の底面は約99℃の加温水槽と接触させている。フィルム上には、いかなる外部熱気流も存在しなかった。フィルムを乾燥すると約4〜6分間で水分は約6重量%未満になった。フィルムは可撓性、自己支持性(self-supporting)があり、フィルム内で成分は均一に分布されていた。
フィルム内での成分の均一な分布は、裸眼、または低倍率拡大下による検査でも明らかであった。フィルムを観察することによって、フィルムには実質上、凝集は皆無であり、すなわち担体および活性物は実質上本来の所に残りフィルムの一部から別の部分へほとんど移動していないことは明らかであった。したがって、フィルムのどの部分に見出される活性物の量にも差異はほとんどなかった。
最初にフィルムを個々の剤形にカットすることによって均一性も測定した。本発明の組成物(E)フィルムからフィルム全体にわたって無作為の場所より実質上同一寸法の25枚の剤形を切り出した。次いでこれらの剤形から8枚を無作為に選択し追加で重量を測った。8枚の無作為に選択した剤形の追加の重量は下表2に示す通りである。
Figure 0006035369
個々の用量は一貫して0.04gmであった。これは、フィルム内の成分の分布が一貫して均一であったことを示す。これは、各成分は独自の密度を有するという簡単な原理に基づく。したがって、本発明のように異なる密度の成分がフィルム中で均一な方式で組み合わされた場合、実質上等しい大きさの同じフィルムから得た個々の用量形は同じ質量を持つはずである。
活性物の均一性を決定する代替の方法は、フィルムを個々の用量に切り分けることである。次いで、個々の用量を溶解し、特定のサイズのフィルム中の活性物の量を試験することができる。これは、同じフィルムの異なる場所から切り出した実質上同じサイズのフィルムには、実質上同じ量の活性物が含まれることを実証する。
本発明の組成物A〜Hから形成されたフィルムを舌に置くと、急速に溶解し有効成分を放出する。同様に、それを水に入れるとフィルムは急速に溶解し活性物に香味料を選択した場合、このフィルムは風味飲料を提供する。
(実施例J〜L)
分解時間を制御し、水溶性および非水溶性ポリマーの組合せを含む薄膜、および活性物の制御放出を可能にする水溶性フィルムをおよそ表3に記載した量を使用して調製する。
Figure 0006035369
本発明の組成物J〜L成分を組み合わせ、先の本発明の組成物A〜Iを調製するための方法を使用してフィルムを形成した。これらのフィルムも可撓性、自己支持性があり、投薬を正確なものにする活性物の均一な分布が得られた。
本発明の組成物J〜Lから調製したフィルムの均一性も、個々の用量フィルムの重量を測定する目視手段によって、またはフィルムを溶解し先に述べたように活性物の量を検査することによって試験することができる。
(実施例M〜O)
正確な投薬を提供するフィルムを調製する代替の方法は、本発明の組成物A〜Iのどの方法を使用してもよい。方法は、最初に混合しながら成分を組み合わせることから始まる。次いで、成分の組合せ物を個々のウェルまたは型に分割する。そのような方法では、乾燥中の成分の凝集は個々のウェルによって防止される。
Figure 0006035369
上記の表4の成分を組み合わせ、ガラス表面上に成分の組合せ物をキャストすることによってフィルムを形成しガラス底面を加熱した。これにより本発明の組成物M〜Oが得られた。
組成物Mのフィルムで、赤い染料による濃淡の変動を乾燥の前後で検査した。フィルムを日光下および白熱球光によって検査した。濃淡または色強度で変動は観察されなかった。
さらに、組成物Mのフィルムの試験に、直接濃度に関連付けられる吸光度試験を含めた。フィルムを各1.0インチ×0.75インチの切片に切り分け、連続的な印番号を付した。切片を切り出した屑材料から約40mgを切り取り約10mlの蒸留水に溶解し、次いで重量を計って25mlの容量フラスコに移し水を加えて25mlにした。溶液を遠心分離機にかけ、203〜1200nmを3nm間隔でスキャンした。最大吸光度の周波数は530nmであることが判明した。次いで、溶液をより高い回転数(同じ時間)で再度遠心分離機にかけ再度スキャンした。これによって透過度%または周波数にいかなる変化もないことが明らかになった。
個々の切片を0.lmg計量し、次いで10mlの蒸留水に溶解し、質量を計って25ml容量フラスコに移し蒸留水を加えて25mlにした。次いで、各切片の溶液を上記のように遠心分離機にかけ、次いで最初に203〜1200nm、後に500nm〜550nmをlnmのスキャン速度でスキャンした。記録した値は最短波長の透過度%であり、これは大抵の場合には530nmであった。
吸光度の値を下表5に示す。
Figure 0006035369
全体の平均吸光度は1.724である。試験した15個の切片のうち、最高値と最低値間の差は0.073単位であり、または平均に基づくと4%であった。これは、組成物内の染料の均一性が優れて制御されたことを示す。というのは、吸光度は各切片内の染料の濃度に直接比例するからである。
本発明のフィルムの組成物Nから非常に可撓性なフィルムが得られた。このフィルムは延伸することができ非常に高い引張強度が示された。
本発明の組成物Oのフィルムを形成した後、剃刀でフィルムをガラスの長さだけ極めて素早く剥離することによってガラスから取り外した。これにより非常に緊密に巻き込まれた「爪楊枝様」の剤形が得られた。各剤形は一貫して重さ0.02gであった。これにより剤形の均一性およびフィルムの優れた自己支持性(self-supporting)特性が実証される。
(実施例P〜W)
組成物P〜Wを調製して、本発明に関係付けられるようなフィルムの生成における様々な条件間の相互作用を実証した。下表6の成分を組み合わせ、下表7に示す工程パラメータを使用してフィルムを形成し、フィルムの底部乾燥を組み入れるように設計した6mの乾燥トンネル中で調製した。個々の実施例は、異なる成分処方および加工技術が、得られたフィルム生成物に与えた影響を示す。
Figure 0006035369
Figure 0006035369
Figure 0006035369
表7において、個々の工程パラメータは異なる特性のフィルムの一因となる。フィルム厚は、リバースロールコーティング装置のブレードとローラー間の距離をさす。底部速度および上部速度はフィルムの底部および上面のそれぞれ空気流の速度をさす。フィルム重量は100cm2の基材およびフィルムの環状部の重量の測定である。
組成物P〜Rは、フィルム形成用基材上のフィルム組成混合物をコートする能力にかかる粘弾性特性の影響を示す。組成物Pは糸を引くような弾性特性を示した。湿潤フィルムはコーティングが一様でないので水平であるはずはなく、フィルムは乾燥しなかった。組成物Qでは、実質上Pと同じ製剤を使用したが、キサンタンは含めなかった。この生成物は基材をコートしたが、湿潤な泡の粘弾性特性の変化のために水平でなかったはずである。実質上同じ製剤を使用したが、組成物Pのキサンタンの量の2分の1しか組み込まないで組成物Rを調製した。この製剤は均一にコートされる組成物を提供した。組成物P〜Qは特定のコーティング技術に順応するフィルムマトリックスの能力に対して適切な製剤の重要性を示している。
組成物Sから生成したフィルムは、フィルム中に大量の空気を含んでいた。これは、表7に示すように、コートの膜厚の変動に関わらず同じだった乾燥フィルムの膜厚によって示される。顕微鏡によるフィルム検査によってフィルム中の多数の気泡が明らかになった。フィルム中の空気の混入を修正するために、混合工程では注意を払って空気の封入を防止しなければならない。
組成物Tには溶媒を60/40の水エタノールに変更すること含めた。組成物Tを静かに45分間攪拌して混合物を脱気した。T1およびT2のフィルム生成物の乾燥重量は、T1からT2での固形分の増加と一致した。フィルムは湿度5%未満で極めて速やかに乾燥した。組成物Tの成分のある組合せを用いて、部分エタノールを部分水に置換するとフィルムの乾燥がより迅速になった。緩徐な攪拌によって生じたフィルムからの空気の除去も、最終フィルム生成物の均一性および迅速な乾燥時間に貢献した。
組成物Uに溶媒として水だけを使用した。コーティングの膜厚の変化にしたがってU1〜U3の乾燥重量も一貫して変化し、気泡が存在しないことを示していた。しかし、これらのフィルムにはオーブンから取り出した時20%の湿度が含まれ一部エタノールを含んで、完全に乾燥していた組成物Tのフィルムとは異なっていた。
組成物V1およびV2では固形分の量は増加し水分量は減少した。固形分が増加したので乾燥重量はU1〜U3より重かったが、組成物Uに似てオーブンから取り出した時フィルムには依然として20%の湿度が含まれていた。
組成物V3に対してはコーティングのライン速度を減少させて、露出したフィルム表面の上面の早過ぎる乾燥を防止した。このフィルム生成物は湿度6%まで乾燥させた。
固形分の量を増加させればフィルムの重量は改善されるが、長い乾燥時間が必要になった。これはフィルム表面の封着によるもので水分の除去を困難にした。したがって、組成物W1〜W3については乾燥機の最初の3m部分の温度を減少させた。これによってフィルム上面の早過ぎる乾燥を防止した。より厚い膜厚であっても、コーターのライン速度が速くてもフィルムを乾燥して湿度を5%にした。
(実施例X〜AA)
Figure 0006035369
表8の組成物X、YおよびZをGlattコーター、およびコーティングとしてEudragitE-100ポリメタクリラートポリマーを使用して味を隠してコートした。コーティングは20%濃度のスプレーコートであった。したがって、12.5mgの最終乾燥生成物に10mgの薬物が計量されるはずである。
薬物添加剤を除外した基本処方を空気が混入しないように注意して混合した。最初の混合の後、処方物を30分間に渡って静かに混合して脱気した。この時間中、薬物を計量し基本混合物に添加するために準備した。
組成物Xに対しては、ロラタジン(80%薬物)を攪拌しながら混合物に静かに加えた。5分間の攪拌の後、全混合物をコーティング膜厚30ミクロンの3本ロールコーター装置(リバースロールコーター)のパンに加えた。
上面にはいかなる熱も空気もない状態で加工底部温度を90℃に設定し、底部の気流速度を40m/secに設定し、ラインスピードを1.3m/分に設定した。フィルムの全乾燥時間は4.6分間であった。
液体を30ミクロンでコートしオーブンで5分間未満乾燥した。フィルムは可撓性の、1インチ×0.75インチのピースで重さは70mg、10mgのロラタジンを含めた。
組成物YおよびZに対して実験をそれぞれZomigおよびPaxilで繰り返した。どちらもの可撓性フィルムを生成しそれぞれ目標重量70mgに5mgのZomig、および70mgに10mgのPaxil含むフィルムであった。
生成物には薬物のいかなる顕著な後味もなく甘かった。
組成物AAの成分を混合して流体マトリックス中に捕捉された空気を低減させた。混合後、45gのロラタジンを活性物濃度80%で、およびEudragitE-100を使用する20%のコーティングでコートし、薬物が均等に分散されるまでの約5分間この混合物を混合しながら静かに加えた。次いで、液体を3本ロールコーター(リバースロールコーター)に置き,30ミクロン、ライン速度1.3m/分間でコートした。オーブン温度は90℃に設定して空気および熱を底部だけに当て、気流速度は40m/secに設定した。乾燥フィルムは0.005インチ厚(5ミル)、1インチ×0.75インチピースで秤量すると70mg+/-0.7mgであり、フィルム組成物の均一性を実証した。フィルムは可撓性であり、湿度5%、光学顕微鏡下で見る限り気泡は皆無で、均一な薬物分布が見られ、示されるようにフィルムのピースの実質上同一の重量測定によっても示された。
(実施例BA〜BI)
抗起泡剤/消泡剤(すなわち、シメチコン)の取り込みによってフィルムに均一なフィルムが得られただけでなく、実質上フィルム生成物中の気泡が低減され、または除去され、さらに他の利益も提供された。フィルムにはより感覚刺激特性があることが望ましい。フィルムのテクスチャは改善され「紙の様」でなくなり消費者に良好な口当たりが提供された。
表9の組成物を調製し(本発明の組成物BA〜BG中にシメチコンの添加を含む)、減圧して混合して気泡を除去した。
得られた未切断の本発明のフィルムの組成物BA〜BGは成分の均一性が示され、特に不溶性活性物、およびその3/4インチ×1インチ×5ミルカットの単位用量に関して示された。本発明の組成物は気泡の無い平滑表面を有することが観察された。本発明の組成物BF〜BG中に存在する著しく多い量のシメチコンによって非常に均一なフィルムが提供されたが、本発明の組成物BA〜BEのフィルムではそれほどの改善はなかった。
それとは対照的に、比較例BH〜BIは粗い表面を有することが観察され、均一でないテクスチャおよび成分分布を提供する得られたフィルム中には気泡の封入も示された。
Figure 0006035369
(実施例CA〜CC)
本発明の以下の実施例は、界面活性剤としてエトキシル化ヒマシ油を使用するフィルムおよびフィルム形成組成物、あるいは、界面活性剤、可塑剤および/またはポリアルコールを全く含まないものを記載する。本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は本質的に界面活性剤を含まないことが望ましい。さらに本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、本質的に界面活性剤を含まないように製剤することが好ましい。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、本質的に可塑剤を含まない製剤にすることが望ましい。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、本質的にポリアルコールを含まない製剤にすることが望ましい。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、本質的に界面活性剤および可塑剤を含まない製剤にすることが望ましい。さらに、本発明のフィルムまたはフィルム形成組成物は、本質的に界面活性剤、可塑剤およびポリアルコールを含まない製剤にすることが望ましい。
Figure 0006035369
上記の成分に水を30%〜70%加えポリマーが完全に水和するまで45分間攪拌した。次いで、混合物を減圧下に置いて捕捉した空気を除去した。安定した方式で500mmで減圧を開始し45分間かけて760mmまでにした。
減圧を解放後、200ミクロンのスパイラル型巻線ロッド(spiral wound rod)およびKコントロールコーターモデル101(RK Print Coat Inst.Ltd.)を使用し6グラムの液体をコーティング紙に加えた。コーティングを加えた紙の基材はシリコーンコート紙であった。次いで、コート紙を90℃で湿度約5%が残るまで乾燥した。処方物をコートし乾燥してフィルム厚約60ミクロンすると口内で迅速に溶解した。
Figure 0006035369
上記の成分に均一な懸濁液になるまで水に加えて40%にした。減圧を20分間に渡って500mmHg.で開始し660mmHg.で終了するまでかけ、懸濁液から全ての空気を除去させた。先の実験で述べた通りフィルムを製造した。液体をコートしたシリコーン放出基材を乾燥して均一な可撓性フィルムにした。フィルムを180°曲げ試験にかけたが亀裂なく口内で溶解した。
Figure 0006035369
上記の成分を水に加えて30%〜70%にし攪拌してポリマーを20分間かけて完全に水和させた。次いで、混合物を減圧下において捕捉した空気を除去した。安定した方式で760mmまで35分間減圧した。
減圧を解放後、350ミクロンスムーズバーおよびKコントロールコーターモデル101(RK Print Coat Inst.Ltd.)を使用して液体をコーティング紙に加えた。コーティングを加えた紙の基材はシリコーンコート紙であった。次いで、コート紙を湿度約4%が残るまで90℃で乾燥した。処方物をコートし乾燥してフィルムにした。フィルムは許容できる味であり口内で迅速に溶解した。味を隠す香味料は、味覚受容体に作用し受容体が異なる通常の望ましくない味を記録するのを隠してくれる成分である。フィルムは180°曲げ試験を行い亀裂もなく口内で溶解した。
(実施例CD)
本発明の以下の実施例は香味料および味を隠す補助剤も含む、味を隠した薬剤活性物を使用するフィルムおよびフィルム形成組成物を記載する。味を隠す香味料は、味覚受容体に作用して受容体が異なる通常望ましくない味を記録しないように隠す成分である。
Figure 0006035369
薬剤活性物および香味料を除く上記の成分に35グラムの水を加え、攪拌して約20分間ポリマーを完全に水和させた。食品着色剤(7滴の赤色食品着色剤および1滴の黄色食品着色剤)も加えた。次いで、混合物減圧下に置き捕捉した空気を除去した。安定した方式で500mmで開始し760mmまで約10〜20分間減圧した。味を隠したアセトアミノフェンを混合物に加え約4分間減圧攪拌した。次いで、香味料を混合物に加え約4分間減圧攪拌した。
減圧を解放後、350ミクロンスムーズバーを使用して溶液をコーティング紙に加えた。コーティングを加えた紙の基材はシリコーンコート紙であった。次いで、コート紙を90℃で湿度約3%が残るまで約11分間乾燥した。
処方物をコートし乾燥してフィルムにした。フィルムは許容される味を有し口内でやや迅速に溶解した。フィルムを放置してもカールしなかった。フィルムに180°曲げ試験を行ったが亀裂はなく口内で溶解した。
現在、本発明の好ましい実施形態と考えられるものを記載したが、当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなしに、これらに変更および修正を加えることができることは理解され、このような変更および修正は全て真の本発明の範囲内に属するものとして含むものとする。
10、10' ポウチ
12 フィルム
14 プラスチックラミネートシート
16 ミシン目
18 ディスペンサ
20 装置

Claims (4)

  1. 有効成分を液体へ導入する方法であって、
    (a)(i)ポリマー、有効成分、および極性溶媒を組み合わせて、自己凝集しない均一な異種性を有する材料を形成するステップ、
    (ii)前記材料をフィルムに成形するステップ、および
    (iii)前記の自己凝集しない均一な異種性を維持するように制御された方式で前記フィルムを乾燥するステップであって、フィルムの深部が乾燥する前にフィルムの上面でポリマーフィルム形成(スキン)が形成されるのを防止しつつ、上面気流により湿潤フィルム中に存在する粒子の移動を引き起こすことがないように、フィルムを下方から迅速に乾燥するステップ
    によってフィルムを調製するステップと、
    (b)前記フィルムを液体に入れるステップと、
    (c)前記フィルムを溶解させるステップとを含む方法。
  2. 前記有効成分が香味料である請求項1に記載の方法。
  3. 前記香味料がホットおよびアイス飲料用香味料、ならびにスープ香味料からなる群から選択される請求項2に記載に記載の方法。
  4. 前記液体が摂取可能である請求項1に記載の方法。
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