JP2007335332A - 燃料電池システム - Google Patents

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Junya Koda
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Abstract

【課題】水張り完了後に続けて発電試験を行う場合は待ち時間を短縮し、続けて発電試験を行わない場合はエネルギーロスを防ぐ燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】原料燃料m1と水w1とを導入し改質して水素を主成分とする改質ガスgを生成する、予熱手段28を有する改質器20と、酸素を含有する加湿された酸化剤ガスtと改質ガスgとを導入し水素と酸素との電気化学的反応により発電し発熱する燃料電池30と、改質器20に導入する水w1及び酸化剤ガスを加湿する水w4を保有する水保有手段83、84と、水保有手段83、84に水w1、w4がない状態から、水保有手段83、84に水w1、w4を注入している間に改質器20の予熱をする制御と、予熱をしない制御とを選択的に行う制御装置91とを備える燃料電池システム。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システムに関し、特に設置後発電試験の開始までに適切な準備をすることができる燃料電池システムに関するものである。
水素と酸素とを使用して、これらの電気化学的反応により発電する燃料電池は、環境に優しい発電装置として注目されている。燃料電池は発電の際に発熱を伴う。また、燃料電池に供給する水素は、水素自体を供給するインフラが普及していないことから、都市ガスや灯油等の原料燃料を改質して得られる改質ガスに含まれる水素が用いられることが多い。このような事情により、燃料電池は、原料燃料を改質して改質ガスを生成する改質器と、発電に伴って発生した熱を蓄える貯湯槽と共に燃料電池システムを構築して利用されるのが一般的であり、燃料電池システムは改質器における原料燃料の改質に必要な水、蓄熱槽への蓄熱媒体として用いる水等の水を使用する(例えば、特許文献1参照。)。
上述のように、燃料電池システムは各所で水を使用するが、燃料電池システムの使用場所では、燃料電池システムを搬入し据え付け(必要な場合は組み立ても含む)た後に、貯湯槽や水の流路となる配管に水を充填する水張りを行う。そして、水張りが完了した後に、設置した燃料電池システムの作動状況を確認する発電試験を行う。燃料電池システムの稼働前に水張りを行うことで、水を使用する部材に必要なときに遅滞なく水を供給することが可能となる。他方、改質器で改質ガスを生成するためには改質器を改質に適した温度に昇温する必要があり、常温(周囲環境温度)から改質に適した温度に昇温するまでには相当の時間(例えば1時間程度)を必要とする。
特開2005−276757号公報(図1等)
上述のような事情から、水張り完了後に改質器の昇温を開始すると、水張り完了後から発電試験を開始するまでに相当の時間を要することとなる。他方、水張りの開始と同時に改質器の昇温を開始すると、発電試験に至らなかった場合に改質器の昇温に要したエネルギーが無駄になる。
本発明は上述の課題に鑑み、水張り完了後に続けて発電試験を行う場合は待ち時間を短縮し、続けて発電試験を行わない場合はエネルギーロスを防ぐ燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、原料燃料m1と水w1とを導入し加熱することにより原料燃料m1を改質して水素を主成分とする改質ガスgを生成する、予熱手段28を有する改質器20と;酸素を含有する加湿された酸化剤ガスtと改質ガスgとを導入し、改質ガスg中の水素と酸化剤ガスt中の酸素との電気化学的反応により発電し発熱する燃料電池30と;改質器20に導入する水w1及び酸化剤ガスを加湿する水w4を保有する水保有手段83、84と;水保有手段83、84に水w1、w4がない状態から、水保有手段83、84に水w1、w4を注入している間に予熱手段28で改質器20の予熱をする制御と、水保有手段83、84に水w1、w4を注入している間に改質器20の予熱をしない制御とを選択的に行う制御装置91とを備える。
このように構成すると、水保有手段に水がない状態から水保有手段に水を注入している間に改質器の予熱をする制御と予熱をしない制御とを選択的に行うので、水保有手段への水の注入完了後に発電試験を行う場合は待ち時間を短縮することができ、水の注入完了後に発電試験を行わない場合は不要な予熱を行わないので無駄なエネルギーを消費しなくて済む。
また、例えば図1に示すように、請求項1に記載の燃料電池システム10において、制御装置91に予熱を行うか否かの指令を与える指令入力手段92を備えていてもよい。
このように構成すると、指令入力手段に入力する者が、水保有手段に水を注入している間に改質器の予熱をする制御と予熱をしない制御とのいずれを行うかを決定することが可能となる。
また、例えば図1を参照して示すと、前2段落に記載の燃料電池システム10において、制御装置91が、時計を有すると共に水保有手段83、84に水w1、w4を注入後初めて燃料電池30を作動する際に燃料電池30の作動が許可される初動可能時刻が予め設定されており、水保有手段83、84に水w1、w4を注入している間に予熱手段28で改質器20の予熱をする制御が選択された時刻から見て燃料電池30の作動する時刻が前記初動可能時刻外になると予想されるときに、再考促進信号を発信するように構成されていてもよい。ここで「再考促進信号」は、例えば制御を選択した者に再考を促す信号であって、典型的には、該制御を選択することができない旨の信号、あるいは燃料電池の作動が初動可能時刻外となる旨の警報を発報する信号である。
このように構成すると、初動可能時刻内に発電試験を行うことができないにもかかわらず水保有手段に水を注入している間に予熱手段で改質器の予熱をする制御が誤って選択されること、を防ぐことができる。
また、請求項2に記載の発明に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、請求項1に記載の燃料電池システム10において、改質器20に水w1を導く改質水流路83と;燃料電池30で発生した熱を、水w2、w3を媒体として蓄える貯湯槽81と;燃料電池30から貯湯槽81に発生した熱を導く媒体としての水w2、w3を流す蓄熱水流路85、86とを備え;水保有手段が、改質水流路83、貯湯槽81及び蓄熱水流路85、86を含んで構成されている。
このように構成すると、燃料電池で発生した熱を蓄える貯湯槽を備えるので、燃料電池で発生した熱を任意の時間に利用することができ、燃料電池における発電に伴って発生する熱を有効に利用することができる。
また、請求項3に記載の発明に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム10において、予熱手段が電気ヒータ28で構成されている。
このように構成すると、予熱の制御が容易になる。
また、請求項4に記載の発明に係る燃料電池システムは、例えば図1に示すように、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム10において、予熱手段が、燃焼用の空気aを供給する燃焼空気供給管21と、燃料m2を燃焼させるバーナー22とを含んで構成されている。
このように構成すると、予熱のために電気よりも安価な燃料を用いることが可能となり、ランニングコストを低減することができる。また、改質器における原料燃料の改質に必要な改質熱の生成をバーナーによる燃焼で行う場合はバーナーを兼用することができ、装置構成を簡略化することができる。
また、請求項5に記載の発明に係る燃料電池システムは、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、燃料電池30(例えば図1参照)が固体高分子型燃料電池である。
このように構成すると、比較的低い温度で燃料電池を作動させることができる。
本発明に係る燃料電池システムによれば、水保有手段に水がない状態から水保有手段に水を注入している間に改質器の予熱をする制御と予熱をしない制御とを選択的に行う制御装置を備えるので、水保有手段への水の注入完了後に発電試験を行う場合は待ち時間を短縮することができ、水の注入完了後に発電試験を行わない場合は不要な予熱を行わないので無駄なエネルギーを消費しなくて済む。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る燃料電池システム10を説明する。図1は、燃料電池システム10を説明する系統図である。燃料電池システム10は、水素を主成分とする改質ガスgを生成する改質器20と、水素と酸素との電気化学的反応により発電する燃料電池30と、燃料電池30に供給する酸化剤ガスtを加湿する加湿器38と、燃料電池30での発電に伴って発生する熱を蓄える貯湯槽81と、燃料電池システム10で使用される水の一部を蓄える水タンク82と、燃料電池システム10を制御する制御装置91と、制御装置91に指令を与える指令入力手段92とを備えている。
改質器20は、原料燃料m1と水としての改質水w1とを導入し水蒸気改質反応により、水素を主成分とする、水素に富む改質ガスgを生成する改質部25と、原料燃料m1の水蒸気改質反応に必要な改質熱を発生する燃焼部23とを備えている。原料燃料m1は、典型的には、メタン、エタン等の鎖式炭化水素(天然ガスも含む)、あるいはメタノール、石油製品(灯油、ガソリン、ナフサ、LPG等)等の炭化水素を主成分とする混合物等の炭化水素系の燃料であり、加熱用の燃焼に適するものが用いられる。また、水素に富む改質ガスgとは、水素を40体積%以上、典型的には70〜80体積%程度含んだ、後述する燃料電池30に供給するガスである。改質ガスg中の水素濃度は80体積%以上でもよく、すなわち燃料電池30に供給したときに酸化剤ガスt中の酸素との電気化学的反応により発電可能な濃度であればよい。
改質部25には、改質触媒が充填されており、水蒸気改質反応を促進させるように構成されている。改質触媒としては、典型的には、ニッケル系改質触媒やルテニウム系改質触媒が用いられる。改質触媒の作用により原料燃料m1が改質されて生成された水素に富むガスに所定量以上の一酸化炭素が含まれていると、燃料電池30の電極触媒が被毒する。そのため、改質部25は、変成触媒が充填された変成部(不図示)、及び選択酸化触媒が充填された一酸化炭素低減部(不図示)を有し、改質器20から導出される改質ガスg中の一酸化炭素濃度が約10体積ppm以下、好適には1体積ppm程度となるようにするのが好ましい。変成触媒には、典型的には、鉄−クロム系変成触媒、銅−亜鉛系変成触媒、白金系変成触媒等が用いられる。選択酸化触媒には、典型的には、白金系選択酸化触媒、ルテニウム系選択酸化触媒、白金−ルテニウム系選択酸化触媒等が用いられる。なお、改質触媒における反応は吸熱反応であるが、変成触媒を有する変成部及び選択酸化触媒を有する一酸化炭素低減部における反応は発熱反応となる。改質部25には、原料燃料m1を導入するための改質燃料管44と、改質水w1を導入するための改質水流路を形成する改質水管83が接続されている。改質水管83は、水保有手段の一部材である。改質水管83には、改質水w1を改質部25に圧送する改質水ポンプ63が配設されている。また、改質器20の直近上流の改質水管83には改質水開閉弁73が配設されている。改質水開閉弁73は、制御装置91と信号ケーブルで接続されており、制御装置91からの開閉信号を受信して弁の開閉が行われるように構成されている。また、改質部25(改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減させる部位を有する場合は当該部位)には改質ガスgを導出する改質ガス管51が接続されている。さらに、改質部25には、温度を検出する温度検出器26が設けられている。
改質部25に隣接するように、予熱手段としての電気ヒータ28が改質器20内に配設されている。電気ヒータ28は、改質部25における改質反応に先立って改質部25を温め、改質反応時は改質熱の一部を賄うために用いられる。電気ヒータ28はケーブル(不図示)を介して電源に接続されている。電気ヒータ28は、制御装置91により、通電の有無が制御されて発熱の有無が制御される。
燃焼部23は、改質部25の改質触媒が設けられている位置に隣接するように、改質器20内に配設されている。場合によっては、電気ヒータ28を挟んで改質部25に隣接配置される。燃焼部23は、炭化水素系燃料である燃焼用燃料m2、あるいは水素含有ガスである燃料極オフガス(不図示)を導入し、バーナー22でこれらを燃焼させて改質熱を得ることができるように構成されている。燃焼用燃料m2は、本実施の形態では、原料燃料m1と同じものが使用される。すなわち、原料燃料m1及び燃焼用燃料m2は、燃料管43を流れる燃料mが分流したものを用途に応じて呼称を変えたものであり、成分は同じものである。燃焼部23には、改質熱を発生するためのバーナー22と、燃焼空気aを導入するための燃焼空気供給管21とが設けられている。また、燃焼部23には、燃焼用燃料m2を導入する燃焼燃料管45が接続されており、燃焼空気供給管21には燃焼空気aを導入する燃焼空気管46が接続されている。なお、燃焼空気供給管21は、典型的には長さを有する管であるが、燃焼空気管46を接続するタッピング(フランジも含む)のみの場合も燃焼空気供給管21の概念に含まれることとする。
また、燃焼部23には、バーナー22で燃焼した後の排ガスGeを排出する排ガス管47が接続されている。排ガス管47には、排ガス熱交換器39が配設されており、燃焼部23から排出された排ガスGeが排ガス熱交換器39内を通過するように構成されている。排ガス熱交換器39には、加湿器38に供給する排熱回収加湿水w4を流す排熱回収加湿管84がさらに接続されており、排熱回収加湿水w4が排ガス熱交換器39内を通過するように構成されている。すなわち、排ガス熱交換器39は、排ガスGeと排熱回収加湿水w4との間で熱交換を行わせる機器であり、排ガスGeから熱を回収して排熱回収加湿水w4の温度を上昇させることができるように構成されている。排熱回収加湿水w4は酸化剤ガスtを加湿する水であり、排熱回収加湿管84は水保有手段の一部材である。排ガス熱交換器39より上流側の排熱回収加湿管84には、排熱回収加湿水w4を圧送する排熱回収ポンプ64が配設されている。排熱回収加湿管84は、排ガス熱交換器39より下流側で加湿器38に接続されている。加湿器38の直近上流の排熱回収加湿管84には加湿水開閉弁74が配設されている。加湿水開閉弁74は、制御装置91と信号ケーブルで接続されており、制御装置91からの開閉信号を受信して弁の開閉が行われるように構成されている。
燃料電池30は、典型的には固体高分子型燃料電池である。燃料電池30は、改質ガスgを導入する燃料極31と、酸化剤ガスtを導入する空気極32と、電気化学的反応により発生した熱を奪う冷却部33とを含んで構成されている。燃料電池30は、図では簡易的に示されているが、実際には、固体高分子膜を燃料極と空気極とで挟んで単一のセルが形成され、このセルを冷却部を介し複数枚積層して構成されている。燃料電池30では、燃料極31に供給された改質ガスg中の水素が水素イオンと電子とに分解し(下記(1)式参照)、水素イオンが固体高分子膜を通過して空気極32に移動すると共に電子が燃料極31と空気極32とを結ぶ導線を通って空気極32に移動して、空気極32に供給された酸化剤ガスt中の酸素と反応して水を生成し(下記(2)式参照)、この反応の際に発熱する。
2 → 2H+ + 2e- ・・・(1)
(1/2)O2 + 2H+ + 2e- → H2O ・・・(2)
上記の反応における、電子が導線を通ることにより、直流の電力を取り出すことができる。燃料電池30には、必要に応じて、直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナー(不図示)が接続される。燃料電池30で発電された電力は、電力需要に向けて送電される。なお、空気極32に供給される酸化剤ガスtは、固体高分子膜(プロトン交換膜)の導電率を高く維持するために加湿器38で加湿されている。
燃料極31と改質部25とは、改質ガス管51を介して接続されている。空気極32には、酸化剤ガスtを導入する酸化剤ガス管54が接続されている。酸化剤ガス管54には酸化剤ガスtを加湿する加湿器38と、加湿された酸化剤ガスtを空気極32に圧送する酸化剤ガスブロワ68とが配設されている。加湿器38は、排ガスGeから熱回収して温度が上昇した排熱回収加湿水w4と酸化剤ガスtとを導入し、排熱回収加湿水w4を酸化剤ガスtに散布して酸化剤ガスtを加湿する。このとき、酸化剤ガスtの温度は上昇する。このように排熱回収加湿水w4で酸化剤ガスtを加湿すると、酸化剤ガスtの温度を燃料電池30の作動温度(典型的には60〜100℃程度)に近づけることができると共に、本来棄てられる排熱を有効利用することができ好適である。なお、加湿器38は、排熱回収加湿水w4と酸化剤ガスtとを対向流で接触させて加湿するものに限らず、中空糸膜加湿器やその他の構成の加湿器を用いてもよい。
燃料電池30の冷却部33には、水(熱媒体)としての冷却水w2を流す冷却水管85が接続されている。冷却水管85は水保有手段の一部材である。冷却水管85が冷却部33の冷却水入口33a及び冷却水出口33bに接続されることにより、冷却水w2を循環させる循環流路が形成されている。冷却水出口33bより下流の冷却水管85には冷却水w2を循環させる冷却水ポンプ65が配設されており、冷却水ポンプ65より下流の冷却水管85には温熱回収熱交換器36が配設されている。冷却水ポンプ65が起動することにより冷却水w2が冷却水管85及び冷却部33を循環する。さらに、冷却水管85は、温熱回収熱交換器36の下流で分岐して、排熱回収ポンプ64と排ガス熱交換器39との間の排熱回収加湿管84に接続されており、これにより、冷却水管85と冷却部33とで形成される循環流路に水張り時に冷却水w2を導入することができるように構成されている。循環流路を構成する冷却水管85には、エア抜き弁(不図示)が配設されている。
冷却水w2と、排熱回収加湿水w4と、改質水w1とは、水タンク82に貯留されている。水タンク82は、水保有手段の一部材である。改質水w1、冷却水w2、排熱回収加湿水w4は、元は水質が異なるものではなく、同じ水を用途によって呼称を変えたものである。水タンク82には、加湿器38で散布されて酸化剤ガスtに乗らなかった排熱回収加湿水w4が流入するように構成されている。水タンク82には、外部から市水等の源水を導入する水導入管42が接続されている。水導入管42には水タンク導入水開閉弁72が配設されている。水タンク導入水開閉弁72は制御装置91と信号ケーブルで接続されており、制御装置91からの開閉信号を受信して弁の開閉が行われるように構成されている。また、水タンク82には、水位を検出する水位検出器95が設けられている。水位検出器95は電極棒やフロートスイッチ等の水位を検出することができるセンサーであり、制御装置91と信号ケーブルで接続され、水タンク導入水開閉弁72を制御する満水、減水信号、及びポンプ63、64をインターロックするインターロック信号を送信することができるように構成されている。なお、水タンク82は、加湿器38と一体に形成されていてもよい。すなわち、加湿器38の下部に酸化剤ガスtに乗らなかった排熱回収加湿水w4を受ける貯水部を形成し、この貯水部に改質水管83や排熱回収加湿管84や水導入管42を接続して、貯留部が水タンク82を兼ねるようにしてもよい。このようにすると部材数が少なくなり、設置面積を小さくすることができる。
冷却水管85に配設される温熱回収熱交換器36は、貯湯槽81に流入する温熱回収水w3を流す温熱回収管86がさらに接続されており、温熱回収水w3が温熱回収熱交換器36内を通過するように構成されている。すなわち、温熱回収熱交換器36は、冷却水w2と温熱回収水w3との間で熱交換を行わせる機器であり、冷却水w3の温度を低下させ、温熱回収水w3の温度を上昇させることができるように構成されている。温熱回収水w3は燃料電池30で発生した熱を貯湯槽81に導く水(熱媒体)であり、温熱回収管86は水保有手段の一部材である。温熱回収管86は貯湯槽81の上部及び下部に接続されており、これによって温熱回収水w3を温熱回収熱交換器36と貯湯槽81との間で温熱回収水w3を循環させる循環流路が形成されている。温熱回収管86には、貯湯槽81内の温熱回収水w3を温熱回収熱交換器36に圧送する温熱回収ポンプ66が配設されている。なお、温熱回収熱交換器36を設けずに冷却水w2(温熱回収水w3)を冷却部33と貯湯槽81との間で直接循環させることも可能であるが、温熱回収熱交換器36を設けて冷却水w2と温熱回収水w3との縁を切るようにすると双方の水質管理が容易となり好適である。
貯湯槽81は、温熱回収水w3を媒体として、燃料電池30で発生した熱を蓄えるタンクである。貯湯槽81は、水保有手段の一部材である。貯湯槽81は、温熱回収水w3の導入口を上部(好ましくは頂部)に、温熱回収水w3の導出口を下部(好ましくは底部)に設け、温度の高い温熱回収水w3を上部から導入し、温度の低い温熱回収水w3を下部から導出するようにして温度成層が形成されるようにするのが好ましい。貯湯槽81には内部の水位(十分な保有水量があるか否か)を検出する水位検出器(不図示)が設けられている。貯湯槽81には、蓄えた熱を利用する給湯や暖房等の熱需要へその熱の媒体となる温水を搬送する温水管(不図示)が接続されている。また、貯湯槽81には、外部から市水等の源水を導入する水導入管41が接続されている。水導入管41には貯湯槽導入水開閉弁71が配設されている。貯湯槽導入水開閉弁71は制御装置91と信号ケーブルで接続されており、制御装置91からの開閉信号を受信して弁の開閉が行われるように構成されている。
制御装置91は、燃料電池システム10の運転を制御する装置である。制御装置91は、改質器20内の電気ヒータ28への送電を調整して、そのオン・オフを制御することができるように構成されている。また、制御装置91は、改質部25の温度検出器26と、及び水タンク82の水位検出器95とそれぞれ信号ケーブル(不図示)で接続されており、改質部25の温度及び水タンク82の水位を信号として受信することができるように構成されている。また、制御装置91は、各開閉弁71〜74とそれぞれ信号ケーブル(不図示)で接続されており、開閉信号を送信して弁の開閉動作をさせることができるように構成されている。また、制御装置91は、各ポンプ63〜66、及びブロワ68への送電を調整して、それらの発停を制御することができるように構成されている。また、制御装置91は、原料燃料m1、燃焼用燃料m2、燃焼空気aの流量を、弁等の流量調整手段(不図示)により、調整することができるように構成されている。
制御装置91には、指令入力手段92が接続されている。指令入力手段92は、燃料電池システム10を設置後最初に起動する際に、各種水w1〜w4を必要とする場所への水張り完了後に直ちに燃料電池30の発電試験を行うか、あるいは水張りのみ行い発電試験は後日行うかの選択を受け付けるボタンが設けられており、選択された指令を制御装置91に与えることができるように構成されている。選択を受け付けるボタンは、タッチパネルや機械的構造を有するボタンで構成されている。なお、指令入力手段92は、ハード的には制御装置91と一体に構成されていてもよい。
また、制御装置91は時計機能を有しており、現在の時刻と水張り及び発電試験の作業を止めたい任意の時刻(例えば18時半)とを参照して、指令入力手段92から水張り完了後に直ちに燃料電池30の発電試験を行う選択が入力されたときに、現在の時刻から見て作業を止めたい任意の時刻前に発電試験まで行うことができないと判断した場合は、「水張り完了後に直ちに燃料電池30の発電試験を行う」ことを選択することができないように、あるいは「設定時間内(作業を止めたい任意の時刻まで)に発電試験に至らない」旨の警報を発するように構成してもよい。このとき、水張り及び発電試験の作業を行い得る時刻(例えば9時〜18時半)が初動可能時刻として予め制御装置91に設定されている。また、水張り開始から発電試験に至るまでの所要時間が予め制御装置91に記憶されている。
上述のような構成を有する燃料電池システム10を使用場所に据え付け、稼働させる前には、貯湯槽81、水タンク82、各種水w1〜w4を流す配管83〜86に水張りを行った上で試験運転(発電試験)を行う。発電試験は、現場の事情により、燃料電池システム10の据え付け後直ちに行われる場合と、後日改めて行われる場合とがある。燃料電池30で発電をするには改質ガスgを供給する必要があり、改質ガスgを生成するには改質器20を改質に適した温度(約600〜700℃)に昇温する必要があるが、改質器20を常温(周囲環境温度)から改質に適した温度に昇温するまでには相当の時間(約1時間程度)を必要とする。そこで、燃料電池システム10では、据え付け後の初期起動時に、以下に説明するような制御を行う。
図2を参照して、以下に燃料電池システム10への水張り工程を説明する。なお、以下の説明における各部材への言及については適宜図1を参照することとする。燃料電池システム10の据え付け後、最初に起動する際には、現場の状況やその他の事情により、水張り後直ちに発電試験を行うか、水張りのみを行い発電試験は改めて行うかの運転方式の決定を行い、選択した運転方式を指令入力手段92に入力する(S11)。指令入力手段92への運転方式の入力は、典型的には人間が行う。入力を受け付けた指令入力手段92は制御装置91に選択結果を送信し、結果を受信した制御装置91は水張り後連続して(直ちに)発電試験を行うか否かの判断をする(S12)。
以下にまず、水張り後連続して発電試験を行う場合のフローを説明する。水張り後連続して発電を行う旨の信号が制御装置91に送られると、制御装置91は予め設定された初動可能時刻内に発電試験を行うことができるか否かを判断する(S13)。制御装置91は、初動可能時刻内に発電試験を行うことができないと判断した場合は、水張り後連続して発電を行うことができない旨の信号や燃料電池30の作動が初動可能時刻外となる旨の警報を発報する信号等の再考促進信号を指令入力手段92へ送信して注意を喚起する(S14)。そして、運転方式の再入力が行われる(S11)。
初動可能時刻内に発電試験を行うことができるか否かを判断する工程(S13)において、初動可能時刻内に発電試験を行うことができると判断した場合、制御装置91は、貯湯槽導入水開閉弁71及び水タンク導入水開閉弁72を開にして貯湯槽81及び水タンク82から燃料電池システム10に水張りを開始すると共に、改質器20の電気ヒータ28をオンにする(S21)。水張り開始後所定時間が経過したら、制御装置91は水張りが不調か否かを判断する(S22)。この判断においては、典型的には貯湯槽81の水位検出器(不図示)や水タンク82の水位検出器95が所定時間経過後も水位を検出しない場合に不調と判断する。所定時間は、典型的には、水張りの不調がない場合に水張り開始から水位検出器が水位を検出するまでの時間であり、これに余裕時間を加えた時間を所定時間としてもよい。水張りが不調の場合は貯湯槽導入水開閉弁71及び水タンク導入水開閉弁72を閉じると共に電気ヒータ28をオフにして水張りを中止し(S58)、警報を発報して(S59)燃料電池システム10に異常があることを知らせる。水張りが不調でなければ水張りを続ける。
水張りは各配管83〜86にも行われる。すなわち、貯湯槽81に温熱回収水w3が溜まったら温熱回収ポンプ66を起動して温熱回収管86に水を張り、水タンク82の水位が所定の水位になったら改質水ポンプ63を起動して改質水管83に水を張り並びに排熱回収ポンプ64を起動して排熱回収加湿管84及び冷却水管85に水を張る。このとき、改質水開閉弁73及び加湿水開閉弁74は閉となっており、したがって改質水w1は改質水開閉弁73までの改質水管83に、排熱回収加湿水w4は加湿水開閉弁74までの排熱回収加湿管84に張られることとなる。なお、水タンク82が所定の水位に満たない場合は、改質水ポンプ63及び排熱回収ポンプ64が起動しないようにインターロックされる。また、各配管83〜86に水張りを開始した後に水張りが不調か否かを判断(S22)してもよい。この場合は、例えば改質水ポンプ63や排熱回収ポンプ64の作動状態を検出してポンプの故障等があったときに水張りを中止する(S58)ようにしてもよい。例えば、改質水管83内の圧力が所定の圧力に到達しない場合に改質水ポンプ63が故障していると推定し、排熱回収加湿管84内の圧力が所定の圧力に到達しない場合に排熱回収ポンプ64が故障していると推定してもよい。
水張りが不調でなく水張りを続けたときに、制御装置91は、水張りが完了したか否かを判断する(S23)。水張りが完了したか否かの判断は、水タンク82内の水位検出器95、貯湯槽81内の水位検出器(不図示)、改質水ポンプ63及び排熱回収ポンプ64の作動状態によって行う。例えば、改質水ポンプ63は改質水管83内の圧力が所定の圧力に到達したら、及び排熱回収ポンプ64は排熱回収加湿管84内の圧力が所定の圧力に到達したら停止する。水張りが完了していない場合は水張りを継続し、水張りが完了するまで水張りが完了したか否かの判断(S23)を随時行う。水張りが完了した場合は、一旦電気ヒータ28をオフにする(S24)。
電気ヒータ28をオフにしたら、制御装置91は、水張り完了後連続して発電試験を行うか否かを確認する(S25)。水張りが完了するまでの間に、水張りのみを行い発電試験は改めて行うように変更する旨の指令を指令入力手段92を介して制御装置91が受信した場合は発電試験を行わないこととし、燃料電池システム10への水張り工程を終了する。このようにすると、水張りの状況に拘わらず発電試験を行わないように変更する旨の指令を入力しておくことで、水張りを中断することなく完了させることができ、改めて発電試験を行いたいときに速やかに発電試験の工程に移行することができる。なお、発電試験を行わないように変更する旨の指令が入力された際に電気ヒータ28をオフにすることとしてもよい。このようにすると、無駄な電力(エネルギー)を消費しなくて済む。
水張り完了後連続して発電試験を行うか否かを確認する工程(S25)において、予定通り発電試験を行う場合は、改質器20の燃焼部23に燃焼用燃料m2を供給する(S26)。その後電気ヒータ28をオンにする(S27)。電気ヒータ28をオンにしたらバーナー22を点火する(S28)。このとき、燃焼部23に燃焼空気aが導入される。バーナー22を点火したら、温度検出器26により検出した温度から、改質器20が所定の温度以上か否かを判断する(S29)。所定の温度は、改質器20での改質に適した温度(約600〜700℃)である。改質器20が所定の温度以上でなければ、所定の温度以上となるまで改質器20が所定の温度以上か否かを判断する工程(S29)を随時行う。改質器20が所定の温度以上であれば、改質部25に、原料燃料m1を供給すると共に改質水開閉弁73を開にして改質水w1を供給し、改質動作を開始する(S30)。改質動作により改質ガスgが生成されたらこれを燃料電池30の燃料極31に供給し、空気極32には加湿器38で加湿及び加熱された酸化剤ガスtを供給して、発電を試みる(S31)。
以上のように、水張り後連続して発電試験を行うことを選択した場合は、制御装置91が水張りの開始とほぼ同時に改質器20の予熱を開始(電気ヒータ28をオン)するので、水張り完了(S24)から改質動作開始(S30)までの時間を短縮することができる。
次に、水張り後連続して発電試験を行わない場合のフローを説明する。水張り後連続して発電試験を行うか否かの判断をする工程(S12)において、連続して発電試験を行わない場合、連続して発電を行わない旨の信号が制御装置91に送られると、制御装置91は予め設定された初動可能時刻内に発電試験を行うことができるか否かを判断する(S15)。制御装置91は、初動可能時刻内に発電試験を行うことができると判断した場合は、初動可能時刻内で水張り後連続して発電試験を行うことができる旨の信号を指令入力手段92へ送信し、運転方式の入力者に対して運転方式の変更を受け付ける(S16)。ここで運転方式の変更があった場合、制御装置91は、貯湯槽導入水開閉弁71及び水タンク導入水開閉弁72を開にして貯湯槽81及び水タンク82から燃料電池システム10に水張りを開始すると共に、改質器20の電気ヒータ28をオンにする工程(S21)に進む。以降は、上述の水張り後連続して発電試験を行う場合のフローに示した制御(S22〜S31等)を行う。
初動可能時刻内に発電試験を行うことができるか否かを判断する工程(S15)において行うことができないと判断した場合、又は運転方式の変更を受け付ける工程(S16)において運転方式の変更がない場合、制御装置91は、貯湯槽導入水開閉弁71及び水タンク導入水開閉弁72を開にして貯湯槽81及び水タンク82から燃料電池システム10に水張りを開始する(S41)。このとき、制御装置91は、改質器20の電気ヒータ28をオンにせず、オフのままとする。水張り開始後所定時間が経過したら、上記の連続して発電試験を行う場合と同様の要領で、制御装置91は水張りが不調か否かを判断する(S42)。水張りが不調の場合は貯湯槽導入水開閉弁71及び水タンク導入水開閉弁72を閉じて水張りを中止し(S58)、警報を発報して(S59)燃料電池システム10に異常があることを知らせる。水張りが不調でなければ水張りを続ける。水張りは、上記の連続して発電試験を行う場合と同様の要領で、各配管83〜86にも行われる。同様に、各配管83〜86に水張りを開始した後に水張りが不調か否かを判断(S42)してもよく、この場合は、例えば改質水ポンプ63や排熱回収ポンプ64の作動状態を検出してポンプの故障等があったときに水張りを中止する(S58)ようにしてもよい。
水張りが不調でなく水張りを続けたときに、制御装置91は、上記の連続して発電試験を行う場合と同様の要領で、水張りが完了したか否かを判断する(S43)。水張りが完了していない場合は水張りを継続し、水張りが完了するまで水張りが完了したか否かの判断(S43)を随時行う。水張りが完了した場合は、制御装置91は、水張り完了後連続して発電試験を行わないか否かを確認する(S44)。予定通り発電試験を行わない場合は燃料電池システム10への水張り工程が終了となる。他方、水張り完了後連続して発電試験を行わないか否かを確認する工程(S44)において、水張りが完了するまでの間に、水張り完了後連続して発電試験を行うように変更する旨の指令を指令入力手段92を介して制御装置91が受信した場合は、制御装置91は発電試験の完了予定時刻が初動可能時刻内か否かを判断する(S69)。発電試験の完了予定時刻が初動可能時刻内でない場合は、燃料電池システム10への水張り工程が終了となる。他方、発電試験の完了予定時刻が初動可能時刻内である場合、制御装置91は、改質器20の燃焼部23に燃焼用燃料m2を供給し(S26)、以降発電試験の準備工程(S27〜S30)を経て、発電を試みる(S31)。このようにすると、水張りの状況に拘わらず発電試験を行うように変更する旨の指令を入力しておくことで、水張り完了後に速やかに発電試験の工程に移行することができる。なお、発電試験を行うように変更する旨の指令が入力された際に電気ヒータ28をオンにすることとしてもよい。このようにすると、水張り完了(S24)から改質動作開始(S30)までの時間を短縮することができる。
以上のように、水張り後連続して発電試験を行わないことを選択した場合は、制御装置91が水張りの制御のみを行い改質器20の予熱を行わないので、無駄な電力を消費しなくて済む。なお、水張り後連続して発電試験を行わない場合で改めて発電試験を行う場合は、すでに燃料電池システム10の必要な部分には水張りが行われているので、上記の連続して発電試験を行う場合のフローにおける、改質器20の燃焼部23に燃焼用燃料m2を供給する工程(S26)から開始されることとなる。このとき、燃焼部23に燃焼用燃料m2を供給してから改質動作が開始するまでには相当の時間(約1時間程度)を必要とすることとなる。
水張り完了後、燃料電池システム10の運転(試験運転及び通常運転)は、できるだけ使用する水を燃料電池システム10内で循環させる水自立運転を行うことが好ましい。上述の(2)式からも分かるように燃料電池30の発電に伴って水が発生し、改質器20から排出される排ガスGeにも水が含まれる。これらの水を気液分離器(不図示)等を用いて分離して水タンク82に戻すとよい。貯湯槽81から給湯等の熱需要に向けて送水されて消費された分や、キャリーオーバーによって失われた分の水は、水導入管41、42を介して外部から補充される。また、燃料電池システム10を循環する水自立運転を行うと、循環流路内にイオン交換樹脂等を設けることにより各種水w1、w2、w4を純水にすることができる。
以上の説明では、予熱手段が電気ヒータ28であるとしたが、バーナー22による燃焼用燃料m2の燃焼により得た熱で改質器20を予熱してもよい。この場合、バーナー22及び燃焼空気供給管21が予熱手段の構成要素となり、電気ヒータ28を省略することができる。電気ヒータ28を省略すると装置を簡略化することができる。
以上の説明では、排熱回収加湿管84に排ガス熱交換器39を設けることとしたが、排ガス熱交換器39を設けずに、排ガスGeをそのままの温度で系外に排出し、酸化剤ガスtの加湿を常温の水で行ってもよい。また、燃料電池システム10が貯湯槽81を備えることとしたが、燃料電池30で発生した熱の用途がない場合は、貯湯槽81を設けなくてもよい。これらの場合、システム構成を簡略化することができる。
以上の説明では、燃料電池30は固体高分子型燃料電池として説明したが、固体高分子型燃料電池の他、りん酸型燃料電池、固体酸化物形燃料電池等、他の種類の燃料電池も用いることができる。しかしながら、固体高分子型燃料電池とすると、比較的低温で運転でき、また装置が小型化できるので、家庭用、小規模集合住宅あるいは小規模事業所用に用いるのに好適である。
以上の説明では、水張りを行っている間に改質器20の予熱をする制御としない制御との選択を、水張り後連続して発電試験を行うか否かを指令入力手段92を介して選択するという形で人間が行うこととして説明した。しかしながら、予め設定された初動可能時刻内に発電試験を行うことができる場合は水張りを行っている間に改質器20の予熱をする制御を行い、初動可能時刻内に発電試験を行うことができない場合は水張りを行っている間に改質器20の予熱をしない制御を行うように、制御装置91が自動で選択するようにしてもよい。この場合は、図2のフローチャートにおける工程S11、S13、S14、S15、S16を省略することができる。なお、予め設定された初動可能時刻内に発電試験を行うことができるか否かの判断(S13、S15)においては、制御装置91は、水タンク82に導入される源水の温度や燃料電池システム10が設置される周囲の気温を考慮するようにするとよい。すなわち、予め制御装置91に記憶されている水張り開始から発電試験に至るまでの所要時間(段落0036参照)を源水の温度や気温に応じて補正するようにするとよい。改質器20が改質ガスgを生成するのに適した温度(例えば600〜700℃程度)に昇温し、燃料電池30が発電を行うのに適した温度(例えば60〜100℃程度)に昇温する際に、水温や気温の影響を受け得るからである。制御装置91が水温や気温を考慮する場合は、典型的には、水導入管42あるいは水タンク82に水温検出器(不図示)を設け、燃料電池システム10の周囲環境温度を検出できる場所に温度検出器(不図示)を設ける。
以上の説明では、制御装置91に初動可能時刻が予め設定されており、初動可能時刻内に発電試験を行うことができない場合は水張り後連続して発電試験を行う制御を選択することができないこととして説明したが、初動可能時刻を事後的に任意に設定可能に構成してもよく、制御装置91に初動可能時刻が予め設定されていない構成として指令入力手段92からの入力の通りの制御を行うこととしてもよい。このようにすると、発電試験を行うことについて、燃料電池システム10の設置者の都合に応じて柔軟に対応することが可能となる。
以上の説明では、図2で説明する制御で、水張り後連続して発電試験を行う制御において水張り完了後にヒータ28をオフにする工程(S24)の後、及び水張り後連続して発電試験を行わない制御において水張り完了後(工程S43でYes)に発電試験を実施するか否かを確認しているが(S25、S44)、この確認は省略してもよい。
本発明の実施の形態に係る燃料電池システムの系統図である。 本発明の実施の形態に係る燃料電池システムへの水張り工程を説明するフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池システム
20 改質器
21 燃焼空気供給管
22 バーナー
28 電気ヒータ
30 燃料電池
81 貯湯槽
83 改質水流路
84 排熱回収加湿管
85 冷却水管
86 温熱回収管
91 制御装置
92 指令入力手段
a 燃焼空気
g 改質ガス
t 酸化剤ガス
m1 原料燃料
m2 燃焼用燃料
w1 改質水
w2 冷却水
w3 温熱回収水
w4 排熱回収加湿水

Claims (5)

  1. 原料燃料と水とを導入し加熱することにより前記原料燃料を改質して水素を主成分とする改質ガスを生成する、予熱手段を有する改質器と;
    酸素を含有する加湿された酸化剤ガスと前記改質ガスとを導入し、前記改質ガス中の水素と前記酸化剤ガス中の酸素との電気化学的反応により発電し発熱する燃料電池と;
    前記改質器に導入する水及び前記酸化剤ガスを加湿する水を保有する水保有手段と;
    前記水保有手段に前記水がない状態から、前記水保有手段に前記水を注入している間に前記予熱手段で前記改質器の予熱をする制御と、前記水保有手段に前記水を注入している間に前記改質器の予熱をしない制御とを選択的に行う制御装置とを備える;
    燃料電池システム。
  2. 前記改質器に前記水を導く改質水流路と;
    前記燃料電池で発生した熱を、水を媒体として蓄える貯湯槽と;
    前記燃料電池から前記貯湯槽に前記発生した熱を導く前記媒体としての水を流す蓄熱水流路とを備え;
    前記水保有手段が、前記改質水流路、前記貯湯槽及び前記蓄熱水流路を含んで構成された;
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記予熱手段が電気ヒータで構成された;
    請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記予熱手段が、燃焼用の空気を供給する燃焼空気供給管と、燃料を燃焼させるバーナーとを含んで構成された;
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池が固体高分子型燃料電池である;
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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