JP2007333930A - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気光学装置の信頼性を損なうことなく、コストを低減する。
【解決手段】電気光学装置Dは、電気光学素子の階調を指定する画像データがシリアル形式で入力される入力端子300aが端部に形成された電気光学基板10と、電気光学基板10上に配置されて画像データにより指定された階調に応じて電気光学素子を駆動するデータ線駆動回路200と、電気光学基板10に実装されて入力端子300aから供給されるシリアル形式の画像データをパラレル形式に変換してデータ線駆動回路200に与える制御回路300とを具備する。入力端子300aから制御回路300までの距離は、入力端子300aからデータ線駆動回路200までの距離より短くなるように配置される。
【選択図】図1
【解決手段】電気光学装置Dは、電気光学素子の階調を指定する画像データがシリアル形式で入力される入力端子300aが端部に形成された電気光学基板10と、電気光学基板10上に配置されて画像データにより指定された階調に応じて電気光学素子を駆動するデータ線駆動回路200と、電気光学基板10に実装されて入力端子300aから供給されるシリアル形式の画像データをパラレル形式に変換してデータ線駆動回路200に与える制御回路300とを具備する。入力端子300aから制御回路300までの距離は、入力端子300aからデータ線駆動回路200までの距離より短くなるように配置される。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機発光ダイオード素子などの電気光学素子を利用した電気光学装置に関し、特に、電気光学素子を駆動する駆動信号を供給する回路の配置に関する。
画像形成装置や表示装置等の電子機器には、有機発光ダイオード素子などの電気光学素子が配列された電気光学装置が広く利用されている。例えば特許文献1には、電気光学素子が配列される基板(以下、「電気光学基板」という)の面上に走査線駆動回路とデータ線駆動回路が配置された電気光学装置が開示されている。電気光学基板にはクロック信号などの制御信号や画像データを各走査線駆動回路およびデータ線駆動回路に供給する制御回路が接続される。
特開2001−194645号公報
ところで、制御回路はICチップ化されて電気光学基板とは別のプリント基板(例えば、PCB)上に実装されるのが一般的である。この場合、プリント基板は屈曲可能なフレキシブル基板と接続され、フレキシブル基板がさらに電気光学基板と接続される。このように、制御回路を電気光学基板に電気的に接続するにはプリント基板とフレキシブル基板などの部品が必要であることに加え、プリント基板とフレキシブル基板との間およびフレキシブル基板と電気光学基板との間の2ヶ所で接続が必要となるので工程数も多く、装置の低コスト化の妨げとなっていた。
さらに、外部から供給される画像データは、シリアル形式で制御回路に入力される。このシリアル形式の画像データは電気光学基板に到達する前に制御回路内でパラレル形式の信号に変換される。よって、プリント基板と電気光学基板との間にはパラレル形式の信号数に応じた本数の配線(ひいては、配線の本数に相当する数の接続端子)が必要となり、製造に関わるコストが嵩む。また、接続端子の個数が多いと基板間の接続端子の位置合わせに高精度が要求されるため工程も煩雑であった。このような事情に鑑みて、本発明は、電気光学装置の信頼性を損なうことなく、製造に関わるコストや手間を低減するという課題の解決を目的としている。
以上の課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、電気光学素子の階調を指定する画像データ(例えば、図1における入力画像データDin)がシリアル形式で入力される入力端子(例えば、入力端子300a)が端部に形成された第1基板(例えば、電気光学基板10)と、第1基板上に配置されて画像データにより指定された階調に応じて電気光学素子を駆動する駆動回路(例えば、データ線駆動回路200)と、第1基板上に実装されて入力端子から供給されるシリアル形式の画像データをパラレル形式に変換して駆動回路に供給する制御IC(例えば、制御回路300)と、前記入力端子と前記制御ICとを接続する入力配線とを具備し、前記入力配線の長さ(例えば、図5における距離d1)は、入力端子から駆動回路までの距離(例えば、距離d2)より短い。上記電気光学装置においては、制御ICが電気光学基板上に直接実装されるので、従来からの構成において制御ICが実装されていたプリント基板が不要となり、コストが低減される。また、従来の構成ではプリント基板と電気光学基板との間に中継フレキシブル基板が介在するので、これら3つの基板間を2箇所で接続する必要があったが、上記電気光学装置では、画像データを電気光学基板側の入力端子まで伝送する配線が配設される中継フレキシブル基板と電気光学基板とを接合すればよいだけなので、部品点数も減少し、工程がより簡易となる。よって、装置の製造に関わるコストと手間が低減される。
また、従来の方式では、シリアル形式で供給される画像データをシリアル/パラレル変換した後に電気光学基板側に入力するのでパラレル形式の画像データを入力するための入力端子を電気光学基板に複数形成することが必要となる。これに対し、本発明の電気光学装置においては、画像データはシリアル形式で電気光学基板側に入力されるから、電気光学基板側の入力端子(例えば、入力端子300a)はひとつのみでよい。したがって、制御ICをプリント基板に実装する場合と比較して、電気光学基板の入力端子と接合先の端子との位置合わせに高精度が要求されない。よって、接合工程がより簡易となる。その一方で、電気光学基板にシリアル形式の画像データが入力されると、制御ICに到達するまでの区間において、浮遊容量と配線抵抗が大きい電気光学基板上で伝送される。浮遊容量と配線抵抗が大きいと、画像データの高周波成分が除去されてしまい信号波形が鈍化し、画像データが制御ICに正確に到達しない場合が起こり得る。しかしながら、上記電気光学装置においてはシリアル形式の画像データが電気光学基板上で伝送される距離(d1)は短いので、その伝送途中において正確な信号の伝達が損なわれる程度にまで波形が劣化することなく制御ICに到達する。よって、本発明の電気光学装置によれば、装置の低コスト化を実現しつつ、電気光学素子を所期の階調で確実に発光させることが可能となる。
本発明の好適な態様において、上記電気光学装置の駆動回路は、カスケード接続された複数のドライバICを備え、この複数のドライバICはパラレル形式の画像データを制御ICから受信する第1ドライバIC(例えば、図4におけるドライバDr1)を含む。この態様においては、複数のドライバICが駆動回路として実装される場合に、制御ICからパラレル形式の画像データを受信する第1ドライバICと制御ICとの各々が、シリアル形式の画像データが入力される電気光学基板の入力端子に対して適正な位置に配置される。
本発明の好適な態様において、制御ICは第1ドライバICと一体的に形成された制御駆動ICとして第1基板に実装され、駆動回路は複数のドライバICから第1ドライバICを除いて構成される。この態様においては、制御ICと駆動回路の初段の第1ドライバICとが単体のICチップ(例えば、図8における制御駆動回路700)として一体的に形成されて電気光学基板上に実装されるので、制御ICと第1ドライバICを別々のICチップとして実装する場合と比較して、部品点数が減少する。接合するチップの数が少ないと工程も簡素化される。よって、製造に関わるコストと手間がさらに低減され、装置の低コスト化が可能となる。
本発明の好適な態様においては、駆動回路はパラレル形式の画像データを制御駆動ICから受信する第2ドライバIC(例えば、図8におけるドライバDr2)をさらに含み、制御駆動ICと第2ドライバICとを結ぶ配線(例えば、図8における配線W)は、第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板(例えば、フレキシブル基板F)の表面に配設される部分を含む。また、パラレル形式の画像データは第2ドライバICから後段の第3ドライバIC、第4ドライバIC、…、最終段のドライバICへと順次伝送される。この場合に、相隣接するドライバICを結ぶ配線(配線W)が上記第2基板を経由するようにしてもよい。
本発明の別の好適な態様において、制御ICと第1ドライバICと第2ドライバICを各々別体のICチップとして構成する場合に、パラレル形式の画像データは、第1配線(例えば、図4における配線Sp)を介して制御ICから第1ドライバICに伝送されるとともに、第2配線(例えば、配線W)を介して第1ドライバICから第2ドライバICに伝送され、第2配線は、第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板の表面に配設される部分を含む。さらに、好ましくは、第1配線は、第2基板の表面に配設される部分を含む。
制御ICと第1ドライバICとの間の配線、制御駆動ICと第2ドライバICとの間の配線および相隣接するドライバIC間の配線がフレキシブル基板を経由する構成においては、フレキシブル基板の単位面積当たりの配線抵抗は電気光学基板よりも小さいから、フレキシブル基板を経由しない場合と比較して配線の浮遊容量および配線抵抗を原因とする信号波形の鈍りを抑制することが可能となる。特に第1ドライバICと第2ドライバICの後段にさらに複数のドライバICがカスケード接続される構成においては、後段のドライバICへと信号が進むにつれて配線の浮遊容量および配線抵抗が加重され信号波形の劣化が増大するので、配線の一部をフレキシブル基板に配設することによって得られる効果は一層顕著となる。
本発明の好適な態様において、上記電気光学装置は、制御駆動ICと第2ドライバICとを結ぶ配線のうち、第2基板(例えば、フレキシブル基板F)の表面に配設される配線の部分に電極部分(例えば、図10におけるランドM)が形成される。また、制御ICと第1ドライバICとの間の第1配線と第1ドライバICと第2ドライバIC間の第2配線の少なくとも何れかのうち、第2基板の表面に配設される部分に電極部分が形成される。このように配線の一部がフレキシブル基板を経由する構成においては、フレキシブル基板に配設される配線部分に電極部分を形成することにより、この電極部分に検査用器具を接触させて信号状態を確認したり、電源用バイパスコンデンサを配置することができる。また、電源配線やグランド配線に電極部分を形成すれば、電源強化用パイパス配線を接触させることにより、電源供給が安定化される。電極部分は、絶縁体によって被覆されない部分であれば、配線(配線W)を一部拡幅した非被覆部分でもよいし、配線と同一幅の非被覆部分であってもよい。
本発明に係る電気光学装置は各種の電子機器に利用される。電子機器の典型例は、電気光学装置を感光体ドラムなどの像担持体の露光に利用した画像形成装置である。また、電気光学素子がマトリクス状に配列された電気光学装置は、パーソナルコンピュータや携帯電話機など各種の電子機器の表示装置として利用される。さらに、スキャナなどの画像読取装置においては、本発明に係る電気光学装置を原稿の照明に利用することが可能である。この画像読取装置は、本発明の電気光学装置と、電気光学装置から出射して読取対象(原稿)で反射した光を電気信号に変換する受光装置(例えばCCD(Charge Coupled Device)素子などの受光素子)とを具備する。
<A:第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置Dの概略構成を示す平面図である。図1に示されるように、電気光学装置Dの基板(以下、「電気光学基板」という)10の表面には、マトリクス状に配列する複数の画素回路400を含む画像領域Aが形成される。画像領域Aには、X方向に沿ってm本の走査線101およびm本の発光制御線102、これらと直交するn本のデータ線103とが形成される。画素回路400は、走査線101とデータ線103との交差に対応して配置される。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置Dの概略構成を示す平面図である。図1に示されるように、電気光学装置Dの基板(以下、「電気光学基板」という)10の表面には、マトリクス状に配列する複数の画素回路400を含む画像領域Aが形成される。画像領域Aには、X方向に沿ってm本の走査線101およびm本の発光制御線102、これらと直交するn本のデータ線103とが形成される。画素回路400は、走査線101とデータ線103との交差に対応して配置される。
図2は、画素回路400の構成を示す回路図である。図2に示されるように、各画素回路400は、電気光学素子Eと、トランジスタ401〜404と、容量素子Cとを含む。各電気光学素子Eは、電気的な作用に応じて階調が変化する要素である。本実施形態の電気光学素子Eは、有機EL(Electroluminescence)材料から形成された発光層とこの発光層を挟む陽極および陰極とを有する有機発光ダイオード素子であり、発光層に供給される電流に応じた輝度で発光する。各画素回路400には、電源電圧Vddが電源配線Lを介して供給される。電源配線Lには電気光学基板10の電源入力端子500aを介して電源回路500からの電源電圧Vddが伝達される。
トランジスタ401はpチャネルのTFT(薄膜トランジスタ)であり、駆動トランジスタとして機能する。トランジスタ402〜404はnチャネルのTFTであり、スイッチングトランジスタとして機能する。トランジスタ401のソース電極は電源配線Lに接続される一方、そのドレイン電極はトランジスタ403のドレイン電極とトランジスタ404のドレイン電極とトランジスタ402のソース電極とに各々接続される。
容量素子Cの一端はトランジスタ401のソース電極に接続される一方、その他端はトランジスタ401のゲート電極とトランジスタ402のドレイン電極とに各々接続される。トランジスタ403のゲート電極は走査線101に接続され、ソース電極はデータ線103に接続される。トランジスタ402のゲート電極は走査線101に接続される。トランジスタ404のゲート電極は発光制御線102に接続され、ソース電極は電気光学素子Eの陽極に接続される。電気光学素子Eの陰極は、画素回路400のすべてに対して共通の電極であり、電源における低位の電位(基準電位)である。
図3に走査信号Y(Y1〜Ym)と発光制御信号Vg(Vg1〜Vgm)のタイミングチャートの一例を示す。走査信号Y1は、1垂直走査期間(1F)の最初のタイミングから、1水平走査期間(1H)に相当する幅のパルスであって、1行目の走査線101に供給される。以降、このパルスを順次シフトして、2,3,…,q(qは、1≦q≦mを満たす整数)行目の走査線101の各々に走査信号Y2,Y3,…,Ymとして供給する。一般的にq行目の走査線101に供給される走査信号YqがHレベルになると、当該走査線101が選択されたことを示す。発光制御信号Vg1,Vg2,…,Vgmとしては、例えば、走査信号Y1,Y2,…,Ymの論理レベルを反転した信号を用いる。
走査信号YqがHレベルになると、nチャネル型トランジスタ402がオン状態となるので、トランジスタ401は、ゲート電極とドレイン電極とが互いに接続されたダイオードとして機能する。走査信号YqがHレベルになると、nチャネル型トランジスタ403も、トランジスタ402と同様にオン状態となる。この結果、データ線103に供給される電流信号X(X1,X2,…,Xn)に対応する電流Idataが、電源配線L→トランジスタ401→トランジスタ403→データ線103という経路で流れるとともに、そのときに、トランジスタ401のゲート電極の電位に応じた電荷が容量素子Cに蓄積される。
走査信号YqがLレベルになると、トランジスタ402、403はともにオフ状態となる。このとき、トランジスタ401のゲート電極における入力インピーダンスは極めて高いので、容量素子Cにおける電荷の蓄積状態は変化しない。トランジスタ401のゲート・ソース間電圧は、電流Idataが流れたときの電圧に保持される。また、走査信号YqがLレベルになると、発光制御信号VgqがHレベルとなる。この結果、トランジスタ404がオンし、トランジスタ401のソース・ドレイン間には、そのゲート電圧に応じた注入電流Ioledが流れる。この電流は、電源配線L→トランジスタ401→トランジスタ404→電気光学素子Eという経路で流れる。
ここで、電気光学素子Eに流れる注入電流Ioledは、トランジスタ401のゲート・ソース間電圧で定まるが、その電圧は、Hレベルの走査信号Yqによって電流Idataがデータ線103に流れたときに、容量素子Cによって保持された電圧である。このため、発光制御信号VgqがHレベルになったときに、電気光学素子Eに流れる注入電流Ioledは、直前に流れた電流Idataに略一致する。このように画素回路400は、電流Idataによって発光輝度を規定することから、アクティブ電流プログラム方式の回路である。
図1に示されるように、電気光学装置Dは、走査線駆動回路100と、データ線駆動回路200と、制御回路300とをさらに含む。走査線駆動回路100は、電気光学基板10の左辺縁10aに沿う領域にY方向に沿って配置され、データ線駆動回路200は下辺縁10bに沿う領域にX方向に沿って配置される。制御回路300は、下辺縁10bに沿う領域のうちデータ線駆動回路200の図中左側(左辺縁10aに沿う領域のうち走査線駆動回路100の図中下側)の領域に配置される。制御回路300はICチップ化され、電気光学基板10の表面にCOG(Chip On Glass)実装される。
図4は、図1に示す電気光学装置Dのうち、特に制御回路300とデータ線駆動回路200周辺の具体的な構成を示すブロック図である。図4に示されるように、データ線駆動回路200は、画像領域Aの幅(X方向の長さ)に相当する領域にわたってX方向一列に多段接続(カスケード接続)されて配置されたk個のドライバDr(Dr1,Dr2,…,Drk)を含む(kは自然数)。各ドライバDrはX方向を長手とする長方形の形状を有し、電気光学基板10の表面にCOG実装される。各ドライバDrは、n本のデータ線103のうち、自らが接続されるデータ線103を流れる電流Idataを制御することにより、駆動対象の各電気光学素子E(すなわち、接続されるデータ線103を介して駆動信号を供給する対象である電気光学素子E)を所期の輝度で発光させる。
図5は、図4に示す電気光学装置Dにおける領域Bを詳細に示す平面図である。図1・図4・図5に示されるように、電気光学基板10の左辺縁10aには、外部から供給される入力画像データDinが入力される入力端子300aが形成される。入力端子300aは、中継フレキシブル基板600上に配設された配線Sinが電気光学基板10に至る部分の端部である。制御回路300のうち、電気光学基板10の左辺縁10a側の辺縁に沿う領域には入力端子300inが形成される。入力端子300inは、配線Ssを介して入力端子300aと接続される。配線Sinと配線Ssは入力画像データDinをシリアル形式で伝送する。配線Ssは電気光学基板10の表面に配設されてX方向に延在する。
入力画像データDinは、各電気光学素子Eの階調を指定するシリアル形式のデジタルデータである。本実施形態においては「0」から「255」までの256段階の階調値の何れかが電気光学素子Eに対して外部から指定される。制御回路300は、この入力画像データDinにガンマ補正等の画像処理を施すとともに、シリアル/パラレル変換を施して出力画像データDoutを生成する。出力画像データDoutは、画像領域Aにおける電気光学素子Eの総数に対応した数の階調成分D0〜D7を構成要素とするパラレル形式のデジタルデータである。階調成分D0〜D7の各々は、各電気光学素子Eの階調を指定する情報を含むようにビット単位の信号を所定の配列で並べた、例えば8ビットの信号である。制御回路300は、Xクロック信号XCLKと、Yクロック信号YCLKと、X転送開始パルスDXと、Y転送開始パルスDYとをさらに生成する。
ところで、電気光学基板10上の配線は超薄膜で形成されるためその浮遊容量および配線抵抗が大きく、シリアル形式のデータのような高周波データの伝送には不向きである。詳細には、浮遊容量と配線抵抗によって、ローパスフィルタが等価的に構成される。このため、高い周波数成分を有する信号を伝送しようとすると、信号波形の立ち上がりや立下がりが緩やかになる。この結果、信号波形が十分立ち上がる前に立ち下がるため、電気光学素子Eが所期の輝度で発光しない場合があり得る。このため、本実施形態では、入力画像データDinが電気光学基板10上においてシリアル形式で伝送される距離(配線Ssの長さ;入力端子300aと制御回路300の入力端子300inとの距離d1)を短くしている。具体的には、シリアル形式のデータが外部から入力される入力端子300aとデータ線駆動回路200との間に制御回路300を配置する。言い換えれば、入力端子300aから制御回路300までの距離d1が、入力端子300aからデータ線駆動回路200までの距離d2よりも短くなるように制御回路300を配置する。このように配置することで、電気光学基板10上の配線を介して高周波のシリアル形式のデータが伝送される距離が抑制されるので、制御回路300を電気光学基板10の表面に実装する構成においても画像の品質を所期の程度に維持することが可能となる。その一方で、入力画像データDinが制御回路300に至るまではシリアル形式でデータが伝送されるから、高速なデータ伝送が可能である上、信号線(配線Sin)の本数が1本で足りる。このため、電気光学基板10の入力端子300aを複数設ける必要がない。中継フレキシブル基板600側の出力端子(図示略)と入力端子300aとは、例えば、ACF(異方性伝導膜)を用いて接合されることにより電気的に接続される。本実施形態では入力端子300aが1個のみで足りるので端子間の位置合わせが簡易となり、接合が簡易に行える。
制御回路300でパラレル形式に変換された出力画像データDoutは、Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXとともに出力端子300outから出力されて、配線Spを介してドライバDr1の入力端子200Drinに入力される。図5に示されるように、出力端子300outは、制御回路300のドライバDr1側の辺(ドライバDr1に対向する辺)縁に沿う領域に複数形成される。配線Spの本数は、パラレル形式の出力画像データDoutを送信する必要な信号線の本数と、Xクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXを送信するための信号線や電源配線などを含む信号線の本数との総計に対応する。各配線Spは、電気光学基板10上に配設されてX方向に延在する。各配線Spのうち、ドライバDr1に至る部分の端部には入力端子200Drinが形成される。入力端子200Drinは、ドライバDr1の制御回路300側の短辺縁に沿う領域に複数形成される。Yクロック信号YCLKおよびY転送開始パルスDYは出力端子300sを介して走査線駆動回路100に対して供給される。
走査線駆動回路100は、複数の走査線101を順次選択するための走査信号Y1,Y2…,Ymを生成すると共に発光制御信号Vg1,Vg2,…,Vgmを生成する。走査信号Y1,Y2…,Ymおよび発光制御信号Vg1,Vg2,…,Vgmは、制御回路300から供給されたY転送開始パルスDYをYクロック信号YCLKに同期して順次転送することにより生成される。上述したように、走査信号Y1,Y2,…,Ymは、各走査線101を介して各画素回路400に供給される。発光制御信号Vg1,Vg2,…,Vgmは、各発光制御線102を介して各画素回路400に供給される。
図4に示されるように、電気光学基板10の下辺縁10bには、隣り合うドライバDrの間隙に対応する位置においてk−1個のフレキシブル基板F(F1,F2,…,Fk-1)が実装される。図6は、図4に示す電気光学装置Dにおける領域Gの詳細を示す平面図である。図6に示されるように、ドライバDri(iは2≦i≦kを満たす整数)と後段のドライバDri+1との間には、フレキシブル基板Fiを経由する複数の配線Wが形成される。各配線Wのうち、ドライバDriの長辺(下辺縁10b側の長辺)に接続する部分の端部には出力端子200Droutが形成され、ドライバDri+1の長辺に接続する部分の端部には入力端子200Drinが形成される。また、各配線Wのうち、電気光学基板10とフレキシブル基板Fiとの接続部分には接続端子200Finと200Foutとが形成される。すなわち、配線Wはこれらの接続端子に挟まれる区間においてフレキシブル基板Fi上に配設される。このように、配線Wは、ドライバDriの出力端子200Droutと接続端子200Finとの間の第1区間において電気光学基板10上を通り、接続端子200Finと200Foutとの間の第2区間においてフレキシブル基板Fi上を通る。そして、接続端子200FoutとドライバDri+1の入力端子200Drinとの間の第3区間において電気光学基板10上を通る。図5に示されるように、初段のドライバDr1と2段目のドライバDr2とを接続する配線Wも同様にしてフレキシブル基板F1を経由する。
図5および図6に示されるように、各ドライバDrにおいて、入力端子200Drinから延びる配線Rは内部回路200Aに至る。一方、配線Rは内部回路200Aに至る前に分岐して出力端子200Droutへと至る。
以上の構成において、出力画像データDoutとXクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXとは、制御回路300からドライバDr1の各入力端子200Drinに入力されるか、あるいは、ドライバDri-1からドライバDriの各入力端子200Drinに入力される。入力された各信号は、配線Rを介してドライバDriの内部回路200Aへと伝達される。内部回路200Aでは、出力画像データDoutに含まれる階調成分D0〜D7に基づいて階調信号を生成し、選択された走査線101に位置する画素回路400の各々に対して階調信号に応じた電流信号X1,X2,…,XnをXクロック信号XCLKに同期させて供給する。一方、出力画像データDoutとXクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXは、配線Rと出力端子200Droutを介して後段のドライバDr2またはドライバDri+1に対して出力される。これらの信号は、まず、配線Wの第1区間を経由して電気光学基板10上を伝送される。そして、接続端子200Finに至ると、フレキシブル基板F1,Fi上の第2区間を通って接続端子200Foutから電気光学基板10の第3区間へと進み、再び電気光学基板10上を通ってドライバDr2またはドライバDri+1の入力端子200Drinに入力される。
ところで、本実施形態では、パラレル形式の出力画像データDoutを各ドライバDrに供給する。そして、各ドライバDrにおいて所定のタイミングで出力画像データDoutを取り込んで、電流信号X1,X2,…,Xnを生成する。ここで、出力画像データDoutは8ビット信号D0〜D7として与えられる。しかし、配線を介してk個のドライバDrを多段接続する構成においては、ドライバDrが制御回路300から離れるにつれて配線の浮遊容量と配線抵抗が加重される。このため、より後段に位置するドライバDrほど信号波形の鈍りが顕著となり、信号D0〜D7を正確に取り込むことが困難となる。この結果、ドライバDrが誤動作して電気光学素子Eの発光輝度が所期の階調で発光しないといったことが起こり得る。電気光学基板10上の配線は超薄膜で形成されるからその配線抵抗は大きく、信号D0〜D7の劣化は特に顕著となる。一方、フレキシブル基板Fの配線は電気光学基板10上の配線に比べて厚いので、電気光学基板10上の配線と比べて単位面積当たりの配線抵抗は小さい。このため、本実施形態では、配線Wのうち、接続端子200Finと200Foutとに挟まれる第2区間をフレキシブル基板F上に形成することで、当該区間における配線抵抗を低減し、ドライバDr1よりも後段のドライバに順次伝達される信号D0〜D7の劣化を抑制している。
以上説明したように、本実施形態の電気光学装置Dにおいては、制御回路300が電気光学基板10上に実装されるので、別個のプリント基板に制御回路300を実装する場合と比較して制御回路300と電気光学基板10との接続に必要な部品点数が減少し、装置の低コスト化が実現される。
また、制御回路300をプリント基板に実装して入力画像データDinをシリアル/パラレル変換した後に電気光学基板10側に入力するという従来型の構成においては、パラレル形式のデータを入力するために複数の入力端子300aが必要となる。これに対し、本実施形態の電気光学装置Dにおいては、入力画像データDinはシリアル形式で電気光学基板10側に入力されるから、入力端子300aはひとつのみでよい。よって、制御回路300をプリント基板に実装する場合と比較して、電気光学基板10の入力端子300aと接合先の端子とを位置合わせする作業がより簡易に行える。さらに、シリアル形式のデータが電気光学基板10上で伝送される距離(d1)を抑制することにより、駆動信号の劣化が抑制される。
さらに、上記電気光学装置においては、ドライバDr1〜ドライバDrkのうち隣り合うドライバ間を接続する配線Wは電気光学基板10の下辺縁10bに実装されるフレキシブル基板Fを経由する。フレキシブル基板Fの単位面積当たりの配線抵抗は電気光学基板10よりも小さいから、フレキシブル基板Fを経由しない場合と比較して信号波形の鈍りを抑制することが可能となる。その結果、最終段のドライバDrkに至っても、信号D0〜D7の正確な伝達が阻害される程度にまで信号波形が劣化することなく電気光学素子Eを所期の輝度で発光させることが可能となる。特に、多数のドライバDrが多段接続される構成においてはその効果が顕著となるので、ひいては、装置の信頼性を損なうことなく高解像度化が実現可能となる。また、ドライバDrをカスケード接続する代わりに電気光学基板上に共通バスを設けて各ドライバDrに駆動信号を供給する場合と比較しても、配線の浮遊容量および配線抵抗を原因とする信号波形の鈍化を抑制しつつ、装置を小型化することが可能となる。
<B:第2実施形態>
第1実施形態では、制御回路300とドライバDr1とを結ぶ配線Spは電気光学基板10上に配設され、ドライバDr1よりも後段のドライバDrに対して信号を伝送する配線Wは部分的にフレキシブル基板Fに配設される場合について説明した。本実施形態では、配線Wと同様に、配線Spも、その中途部分においてフレキシブル基板Fを経由する。なお、この点を除いては、本実施形態は第1実施形態と同一であるので、その説明を適宜に省略する。
第1実施形態では、制御回路300とドライバDr1とを結ぶ配線Spは電気光学基板10上に配設され、ドライバDr1よりも後段のドライバDrに対して信号を伝送する配線Wは部分的にフレキシブル基板Fに配設される場合について説明した。本実施形態では、配線Wと同様に、配線Spも、その中途部分においてフレキシブル基板Fを経由する。なお、この点を除いては、本実施形態は第1実施形態と同一であるので、その説明を適宜に省略する。
図7は、第2実施形態に係る電気光学装置Dの構成を示すブロック図である。図7に示されるように、配線Spは、ドライバDr同士を結ぶ配線Wと同様に、フレキシブル基板Fを介してドライバDr1に至るように配設される。この場合、制御回路300のうち、電気光学基板10の下辺縁10b側の辺縁に沿う領域には出力端子300out(配線Spの制御回路300側の端部)が設けられる。一方、ドライバDr1のうち、電気光学基板10の下辺縁10b側の長辺に沿う領域にはドライバDr1の入力端子200Drin(配線SpのドライバDr1側の端部)が設けられる。配線Spは、フレキシブル基板Fの接続端子200Finと200Foutとを経由する。すなわち、第2区間においてフレキシブル基板Fを経由する。
以上の構成において、制御回路300から出力される出力画像データDoutとXクロック信号XCLKおよびX転送開始パルスDXは、フレキシブル基板Fを経由してドライバDr1に到達する。この構成によれば、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。また、カスケード接続されたk個のドライバ間のみならず、制御回路300と初段のドライバDr1との間における波形の鈍りも抑制される。
<C:第3実施形態>
第1および第2実施形態においては、制御回路300とドライバDr1を別個のICチップとして電気光学基板10上に実装する構成としていたが、本実施形態では、制御回路300とドライバDr1(カスケード接続されるドライバDrのうち初段のドライバ)とを一体的にチップとして形成して実装する。なお、この点を除いては、本実施形態は第1実施形態と同一であるので、その説明を適宜に省略する。
第1および第2実施形態においては、制御回路300とドライバDr1を別個のICチップとして電気光学基板10上に実装する構成としていたが、本実施形態では、制御回路300とドライバDr1(カスケード接続されるドライバDrのうち初段のドライバ)とを一体的にチップとして形成して実装する。なお、この点を除いては、本実施形態は第1実施形態と同一であるので、その説明を適宜に省略する。
図8は、本実施形態における電気光学装置Dの構成を示すブロック図であり、図9は、制御駆動回路700の詳細な構成を示す平面図である。図8および図9に示されるように、電気光学装置Dには、制御駆動回路700がICチップ化されてCOG実装される。データ線駆動回路200は、COG実装されたk−1個のドライバDr(ドライバDr2,Dr3,…,Drk)を含む。制御駆動回路700は、電気光学基板10のうち、データ線駆動回路200よりも図中左側の領域に沿ってX方向に延在する。制御駆動回路700は、上述した実施形態における制御回路300と初段のドライバDr1が一体的に構成されてなる。制御駆動回路700は制御回路部300Aを有し、外部から供給される入力画像データDinにシリアル/パラレル変換を施してパラレル形式の出力画像データDoutを生成するとともに、Xクロック信号XCLKと、Yクロック信号YCLKと、X転送開始パルスDXと、Y転送開始パルスDYとを生成する。出力画像データDoutと、Xクロック信号XCLKと、X転送開始パルスDXとは、制御回路部300Aから配線RAを介して内部回路200Aに伝送される。内部回路200Aは、出力画像データDoutに基づいて各電気光学素子の発光を制御する電流信号X1,X2,…,XnをXクロック信号XCLKに同期させてデータ線103に供給する。配線RAは、内部回路200Aに至る前に分岐して出力端子700outに接続する。出力画像データDoutと、Xクロック信号XCLKと、X転送開始パルスDXとは出力端子700outから出力されてフレキシブル基板Fを経由し、後段のドライバDr2に伝送される。一方、Yクロック信号YCLKとY転送開始パルスDYとは出力端子300sを介して、走査線駆動回路100に供給される。
以上の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、制御回路300と初段のドライバDr1とを一体化されたICチップとして構成するので、これらを別々に構成する場合と比較して、実装するICチップの数が削減される。ICチップの数が削減されると、部品数が減少してコストが節減されるばかりでなく、ICチップを電気光学基板10上に実装する工程が少なくて済む。よって、第1および第2実施形態における構成と比較しても、装置のさらなる低コスト化が実現される。
<D:変形例>
以上の形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
以上の形態には様々な変形を加えることができる。具体的な変形の態様を例示すれば以下の通りである。なお、以下の各態様を適宜に組み合わせてもよい。
(1)変形例1
第1〜第3実施形態では、複数の配線Wすべてが第2区間においてフレキシブル基板F上に配設されると構成としたが、必ずしもそうである必要はなく、複数の配線Wのうち数本のみをフレキシブル基板F上に配設する構成としてもよい。例えば、配線抵抗は配線距離が長いほど増大するので、配線距離の短い配線Wを電気光学基板10に配設し、他の配線Wをするフレキシブル基板F上に配設する構成とすれば、第2区間における配線抵抗の配線間のバラツキが吸収される(配線抵抗が配線間で均一化される)ので、より高品位な画像を得ることが可能となる。
第1〜第3実施形態では、複数の配線Wすべてが第2区間においてフレキシブル基板F上に配設されると構成としたが、必ずしもそうである必要はなく、複数の配線Wのうち数本のみをフレキシブル基板F上に配設する構成としてもよい。例えば、配線抵抗は配線距離が長いほど増大するので、配線距離の短い配線Wを電気光学基板10に配設し、他の配線Wをするフレキシブル基板F上に配設する構成とすれば、第2区間における配線抵抗の配線間のバラツキが吸収される(配線抵抗が配線間で均一化される)ので、より高品位な画像を得ることが可能となる。
(2)変形例2
第1〜第3実施形態では、フレキシブル基板F上に配線Wと接続端子200Finと200Foutを配設する構成としていたが、これらに加えて、各配線Wへの接触可能領域としてランドMを設ける構成としてもよい。
図10〜図12は、本変形例に係る配線Wの例を示す図である。図10に示されるように、ランドMは、各配線Wの中途部分における拡幅された電極部分である。このような構成とすれば、ランドMに補助電源配線やコンデンサなどを容易に接触させることが可能となる。例えば、ランドMに検査用器具(プローバ)を接触させて信号状態を確認することができる。その結果、電気光学装置Dの機能評価を迅速かつ正確に行えるようになるため、開発や設計に関わる時間の短縮、ひいてはコストの低減が実現可能となる。
第1〜第3実施形態では、フレキシブル基板F上に配線Wと接続端子200Finと200Foutを配設する構成としていたが、これらに加えて、各配線Wへの接触可能領域としてランドMを設ける構成としてもよい。
図10〜図12は、本変形例に係る配線Wの例を示す図である。図10に示されるように、ランドMは、各配線Wの中途部分における拡幅された電極部分である。このような構成とすれば、ランドMに補助電源配線やコンデンサなどを容易に接触させることが可能となる。例えば、ランドMに検査用器具(プローバ)を接触させて信号状態を確認することができる。その結果、電気光学装置Dの機能評価を迅速かつ正確に行えるようになるため、開発や設計に関わる時間の短縮、ひいてはコストの低減が実現可能となる。
また、図11に示されるように、配線基板Fに設けられた配線Wのうちの各駆動回路Dr1〜Drkへ電源を供給するための電源配線である各電源配線VCCおよびグラウンド配線VSSの中途部分に各ランドM1およびM2を形成する構成において、ランドM1に電源強化用配線であるVCC強化用バイパス配線V1を接続し、ランドM2にVSS強化用バイパス配線V2を接続するようにしてもよい。VCC強化用バイパス配線V1は電源(図示略)の正極に接続され、VSS強化用バイパス配線V2は電源の負極に接続される。この構成において、ランドM1を介して電源配線VCCに正の電圧が印加されると共に、グラウンド配線VSSに負の電圧が印加される。よって、電源配線VCCとグラウンド配線VSSとの間の電圧降下が低減されて各ドライバDrへの電源供給能力が安定化し、信号伝送回路およびその信号伝送回路を用いた電気光学装置の信頼性や動作マージンを向上させることができる。
なお、VCC強化用バイパス配線V1およびVSS強化用バイパス配線V2に接続される電源は、制御回路300の電源配線でもよいし、外部の電源であってもよい。また、各VCC強化用バイパス配線V1およびVSS強化用バイパス配線V2を各電源配線VCCとグラウンド配線VSSに接触させるに際して、配線Wの幅を拡幅せずとも簡単に位置合わせができるような場合には、ランドM1およびM2を必ずしも設ける必要はない。よって、各電源配線VCCおよびグラウンド配線VSSの各中途部分に電極部分(絶縁体で被覆されない部分)を形成して、VCC強化用バイパス配線V1とVSS強化用バイパス配線V2とを各電極部分に各々接続する構成も採用される。
さらに、図12に示されるように、配線Wのうち、電源配線VCCにランドM1を設け、グラウンド配線VSSにランドM2を設け、ランドM1とM2との両方に電源用バイパスコンデンサC1を一括的に接触して配置してもよい。このように電源用バイパスコンデンサC1を設けることにより、ドライバDr1からDrkへの電源供給が安定化(平滑化)され、信号伝送回路およびその信号伝送回路を用いた電気光学装置Dの信頼性を向上させることができる。特に、第2実施形態においては、制御回路300と初段のドライバDr1に至る配線Spもフレキシブル基板Fを経由することから、両者間に電源用バイパスコンデンサC1を配置することも可能となる。このため、第1実施形態に本変形例を適用させる場合と比較して、制御回路300とドライバDr1との間の電源供給も安定化し、ひいては、電気光学装置Dの信頼性がさらに向上する。なお、図11の場合と同様に、必ずしもランドM1およびM2を設ける必要はなく、各電源配線VCCおよびグラウンド配線VSSの各電極部分に電源用バイパスコンデンサC1を接続するようにしてもよい。
(3)変形例3
上記実施形態では、電気光学素子Eがマトリクス状に配列する構成について説明したが、それに限られない。例えば、電気光学素子Eが直線状(例えば、2列千鳥格子状)に配列する構成においても、制御回路300を電気光学基板10上に実装し、入力画像データDinがシリアル形式で電気光学基板10の入力端子に入力される構成とすることができる。この場合においても、入力画像データDinは制御回路300に入力された後にシリアル/パラレル変換され、パラレル形式の出力画像データDoutが電気光学素子の駆動回路に対して与えられる。本変形例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
上記実施形態では、電気光学素子Eがマトリクス状に配列する構成について説明したが、それに限られない。例えば、電気光学素子Eが直線状(例えば、2列千鳥格子状)に配列する構成においても、制御回路300を電気光学基板10上に実装し、入力画像データDinがシリアル形式で電気光学基板10の入力端子に入力される構成とすることができる。この場合においても、入力画像データDinは制御回路300に入力された後にシリアル/パラレル変換され、パラレル形式の出力画像データDoutが電気光学素子の駆動回路に対して与えられる。本変形例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
(4)変形例4
上記第1実施形態においては、データ線駆動回路200の各ドライバDrが電気光学基板10の表面にCOG実装される構成について説明したが、データ線駆動回路が電気光学基板10上に直接作り込まれる構成も採用される。
上記第1実施形態においては、データ線駆動回路200の各ドライバDrが電気光学基板10の表面にCOG実装される構成について説明したが、データ線駆動回路が電気光学基板10上に直接作り込まれる構成も採用される。
<E:応用例>
次に、本発明に係る電気光学装置Dを利用した電子機器について説明する。図13から図15には、以上の何れかの形態に係る電気光学装置を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
次に、本発明に係る電気光学装置Dを利用した電子機器について説明する。図13から図15には、以上の何れかの形態に係る電気光学装置を表示装置として採用した電子機器の形態が図示されている。
図13は、電気光学装置Dを採用したモバイル型のパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。パーソナルコンピュータ2000は、各種の画像を表示する電気光学装置Dと、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。電気光学装置Dは有機発光ダイオード素子を電気光学素子Eとして使用しているので、視野角が広く見易い画面を表示できる。
図14は、電気光学装置を適用した携帯電話機の構成を示す斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置Dとを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置Dに表示される画面がスクロールされる。
図15は、電気光学装置を適用した携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants)の構成を示す斜視図である。情報携帯端末4000は、複数の操作ボタン4001および電源スイッチ4002と、各種の画像を表示する電気光学装置Dとを備える。複数の操作ボタン4001を操作すると、住所録やスケジュール帳といった様々な情報が電気光学装置Dに表示される。
なお、本発明に係る電気光学装置が適用される電子機器としては、図13から図15に示した機器のほか、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、プリンタ、スキャナ、複写機、ビデオプレーヤ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。また、本発明に係る電気光学装置の用途は画像の表示に限定されない。例えば、光書込型のプリンタや電子複写機といった画像形成装置においては、用紙に形成されるべき画像に応じて感光体を露光する光ヘッド(書込ヘッド)が使用されるが、この種の光ヘッドとしても本発明の電気光学装置は利用される。
10…基板、10a…左辺縁、10b…下辺縁、100…走査線駆動回路、101…走査線、102…発光制御線、103…データ線、200…データ線駆動回路、200A…内部回路、300…制御回路、300A…制御回路部、400…画素回路、401〜404…トランジスタ、500…電源回路、600…中継フレキシブル基板、700…制御駆動回路、200Drin,300a,300in,700in…入力端子、200Drout,300out,300s,700out…出力端子、200Fin,200Fout…接続端子、500a…電源入力端子、A…画像領域、B,G…領域、Sin,Sp,Ss,R,RA,W…配線、C…容量素子、C1…電源用バイパスコンデンサ、D…電気光学装置、Din…入力画像データ、Dout…出力画像データ、Dr…ドライバ、E…電気光学素子、F…フレキシブル基板、L…電源配線、M,M1,M2…ランド、X…電流信号、Y…走査信号、V1…VCC強化用バイパス配線、V2…VSS強化用バイパス配線、Vg…発光制御信号。
Claims (9)
- 電気光学素子の階調を指定する画像データがシリアル形式で入力される入力端子が端部に形成された第1基板と、
前記第1基板上に配置されて前記画像データにより指定された階調に応じて前記電気光学素子を駆動する駆動回路と、
前記第1基板上に実装されて前記入力端子から供給されるシリアル形式の画像データをパラレル形式に変換して前記駆動回路に供給する制御ICと、
前記入力端子と前記制御ICとを接続する入力配線とを具備し、
前記入力配線の長さは、前記入力端子から前記駆動回路までの距離より短い
電気光学装置。 - 前記駆動回路は、カスケード接続された複数のドライバICを備え、前記複数のドライバICは、前記パラレル形式の画像データを前記制御ICから受信する第1ドライバICを含む
請求項1に記載の電気光学装置。 - 前記制御ICは、前記第1ドライバICと一体的に形成された制御駆動ICとして前記第1基板に実装され、
前記駆動回路は、前記複数のドライバICから前記第1ドライバICを除いて構成される
請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記駆動回路は、前記パラレル形式の画像データを前記制御駆動ICから受信する第2ドライバICを含み、
前記制御駆動ICと前記第2ドライバICとを結ぶ配線は、前記第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板の表面に配設される部分を含む
請求項3に記載の電気光学装置。 - 前記第2基板の表面に配設される前記配線の部分に電極部分が形成される
請求項4に記載の電気光学装置。 - 前記複数のドライバICは第2ドライバICを含み、
前記パラレル形式の画像データは、第1配線を介して前記制御ICから前記第1ドライバICに伝送されるとともに、第2配線を介して前記第1ドライバICから前記第2ドライバICに伝送され、
前記第2配線は、前記第1基板よりも単位面積当たりの配線抵抗が小さい第2基板の表面に配設される部分を含む
請求項2に記載の電気光学装置。 - 前記第1配線は、前記第2基板の表面に配設される部分を含む
請求項6に記載の電気光学装置。 - 前記第1配線および前記第2配線の少なくとも何れかのうち、前記第2基板の表面に配設される部分に電極部分が形成される
請求項6または請求項7に記載の電気光学装置。 - 請求項1から請求項8の何れかに記載の電気光学装置を具備する電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013148888A (ja) * | 2011-12-23 | 2013-08-01 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 表示装置 |
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2006
- 2006-06-14 JP JP2006164370A patent/JP2007333930A/ja not_active Withdrawn
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