JP2007332108A - 2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶媒中でtrans−2−メトキシシクロヘキサノールを次亜塩素酸ナトリウムと反応させて2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに際して、有機溶媒を特に必要とせず、工業的に実用可能な製造方法を提供する。
【解決手段】trans−2−メトキシシクロヘキサノール、鉱酸、および水の混合溶液の中に次亜塩素酸ナトリウムを添加して反応させることにより2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに際し、混合溶液の中に予め鉱酸塩を添加しておくことを特徴とする2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬や農薬の原料として重要な2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法に関するものであり、更に詳しくはtrans−2−メトキシシクロヘキサノール、鉱酸、および水の混合溶液の中に次亜塩素酸ナトリウムを添加して反応させることにより2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに際し、混合溶液の中に予め鉱酸塩を添加しておくことを特徴とする2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法である。
水溶媒中でtrans−2−メトキシシクロヘキサノールを次亜ハロゲン酸で酸化して2−メトキシシクロヘキサノンを得る方法としては、例えば水と混和しない有機溶媒、具体的には脂肪族ハロゲン化合物等の共存下にtrans−2−メトキシシクロヘキサノールを次亜塩素酸ナトリウムと反応させて2−メトキシシクロヘキサノンを得る方法(特許文献1)が知られている。
しかしながら、この方法は高い収率でtrans−2−メトキシシクロヘキサノールから2−メトキシシクロヘキサノンを得る方法としては優れているが、ジクロロエタンなどの脂肪族化合物を溶媒として相当量使用するものであり、溶媒処理の観点から工業的に2−メトキシシクロヘキサノンを製造する方法としては好ましくない。
特開平10−168022号公報
本発明の目的は、水溶媒中でtrans−2−メトキシシクロヘキサノールを次亜塩素酸ナトリウムと反応させて2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに際して、有機溶媒を特に必要とせず、工業的に実用可能な製造方法を提供することである。
本発明者らは2−メトキシシクロヘキサノンの製造法を鋭意検討した結果、驚くべき事にtrans−2−メトキシシクロヘキサノール、鉱酸、および水の混合溶液の中に次亜塩素酸ナトリウムを添加して反応させる際に、予め混合溶液の中に鉱酸塩を添加しておくことによって高収率で2−メトキシシクロヘキサノンが製造できることを見いだした。この方法は、光学活性trans−2−メトキシシクロヘキサノールを出発原料に使用することもできる。
すなわち、本発明はtrans−2−メトキシシクロヘキサノール、鉱酸、および水の混合溶液の中に次亜塩素酸ナトリウムを添加して反応させることにより2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに際し、混合溶液の中に予め鉱酸塩を添加しておくことを特徴とする2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法である。この、アルコール、鉱酸、および水の混合溶液の中に次亜塩素酸ナトリウムを添加して反応させる際に、予め混合溶液の中に鉱酸塩を添加しておくケトンの製造方法は、trans−2−メトキシシクロヘキサノールから2−メトキシシクロヘキサノンを製造する際に特異的に有効である。
本発明によれば、反応に際して特に有機溶媒を使用する必要が無く、水溶媒中で、高収率で2−メトキシシクロヘキサノンが製造できる。このことによって、生成した2−メトキシシクロヘキサノンを反応液から容易に分離することができ、更に2−メトキシシクロヘキサノンを分離したあとの廃液の処理に煩雑な操作を必要としない工業的な方法で2−メトキシシクロヘキサノンが製造できる。
本発明を具体的に述べる。原料のtrans−2−メトキシシクロヘキサノールはいかなる方法で製造したものでも使用できるが、たとえば触媒の存在下にシクロヘキセンオキシドとメタノールを反応させることによって製造することができる。また、原料として光学活性trans−2−メトキシシクロヘキサノールを用いることもでき、このような光学活性trans−2−メトキシシクロヘキサノールは、特開平10−072388号公報記載の方法により製造することができる。
もう一方の原料である次亜塩素酸ナトリウムは通常市販されている水溶液を使用することができ、その濃度に特に制限はないが、10〜14重量%の水溶液が2−メトキシシクロヘキサノンの生産性に優れる点で好ましく使用できる。次亜塩素酸ナトリウムの水溶液には水酸化ナトリウムも含まれるが、水酸化ナトリウムの濃度は1重量%以下が好ましい。また、市販の10〜14重量%の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液には通常塩化ナトリウムが10%程度含まれるが、特殊なものとして塩化ナトリウムの濃度が低い低塩品も市販されている。このような塩化ナトリウムの濃度が低いものであっても、本発明において問題なく使用できる。
次亜塩素酸ナトリウムの使用量は、反応条件によって変わるが、通常は原料のtrans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.0〜1.5当量程度であり、好ましくは1.0〜1.3当量である。1.0当量より少ないと反応液中に未反応のtrans−2−メトキシシクロヘキサノールが残存して製品の品質を低下させる傾向にある。また、1.5当量より多いと原料費が高くなるばかりでなく、副反応を引き起こして収率が低下する傾向にある。尚、本発明の方法で反応が良好に進行している場合には、次亜塩素酸ナトリウムの使用量は1.0〜1.2当量とすることが好ましい。
本発明で用いる鉱酸としては、硫酸、塩酸、燐酸が好ましく、その使用量は反応の際の反応液のpHを1.0以下に保つのに必要な量である。本発明の方法で反応が良好に進行している場合には、鉱酸の使用量は原料のtrans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して0.2〜0.6当量である。使用する次亜塩素酸ナトリウムの水溶液に塩基性物質が多く含まれる場合には、塩基性物質を中和する分の酸を反応初期に添加しておくか、あるいは反応途中で逐次添加するとよい。ここで、酸の当量とは、trans−2−メトキシシクロヘキサノール1モルに対して硫酸を使用する場合は1モルが2当量、塩酸であれば1モルが1当量、また燐酸であれば1モルが3当量を意味する。
本発明で用いる混合溶液に予め添加する水の量は、鉱酸の濃度が2〜25重量%になるように調整するのが好ましく、さらに好ましくは4〜15重量%になるように調整するのが好ましい。水の量が多いと生成物の濃度が低下して生産効率が悪くなり、また少ないと反応初期における操作性が悪く、また反応温度の制御も難しいので好ましくない。
反応に際して混合溶液に予め添加する鉱酸塩としては、硫酸、塩酸、あるいは燐酸のアルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩が好ましく使用でき、具体的には硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、燐酸二水素ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、塩化カルシウム等が好ましく挙げられるが、塩化ナトリウムが特に好ましく使用できる。予め添加する鉱酸塩の量は予め添加する水の0.05重量倍以上であることが好ましく、0.1重量倍以上がより好ましい。予め添加する鉱酸塩の添加量の上限に特に制限はないが、反応終了後の反応液からの2−メトキシシクロヘキサノンの分離操作を良好におこなうためには1重量倍以下であることが好ましい。添加する鉱酸塩の量は、反応に使用する次亜塩素酸塩水溶液中に含まれる鉱酸塩の濃度によって適宜変更される。例えば、一般的に入手することができる10〜14重量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液は塩化ナトリウムを10重量%程度含有しているが、このような水溶液を用いる場合には、混合溶液に添加する鉱酸塩の量は予め添加する水の0.05重量倍以上であればよい。低食塩品として入手することができる10〜14重量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の塩化ナトリウムの濃度は5重量%よりも低いが、このような水溶液を用いる場合には、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に鉱酸塩を添加しておくか、あるいは混合溶液に予め添加する鉱酸塩を増量すればよい。この添加または増量する塩化ナトリウムの程度は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液中の塩化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムの総量が20〜30重量%程度になるような量である。
本発明の製造方法において、有機溶媒の使用は特に必要ではないが、この反応系で安定な有機溶媒であればtrans−2−メトキシシクロヘキサノール、鉱酸、および水の混合溶液の中に少量存在しても問題は無い。しかしながら、2−メトキシシクロヘキサノンの精製方法や反応液から生成物を分離した後の廃液の処理方法が煩雑になるので、できれば有機溶媒は共存させない方が好ましい。
反応の方法としては、trans−2−メトキシシクロヘキサノール、鉱酸、水、および鉱酸塩を一括して仕込み、その混合溶液の中に次亜塩素酸ナトリウムの水溶液を滴下する方法が好ましく採用できるが、trans−2−メトキシシクロヘキサノール、鉱酸、水、あるいは鉱酸塩の一部を反応途中で追加添加する方法も採用できる。
反応温度は0℃〜30℃が好ましく、更に好ましくは10〜25℃である。10℃より低いと反応速度が遅くなる傾向にあり、30℃ より高いと次亜塩素酸ナトリウムが分解する傾向にある。特に、光学活性trans−2−メトキシシクロヘキサノールを原料として使用する場合には、ラセミ化反応を抑制する為にも30℃以下で反応させる事が好ましい。添加された次亜塩素酸ナトリウムは鉱酸と接触して次亜塩素酸となり、次いでtrans−2−メトキシシクロヘキサノールと接触すると瞬時に反応する。従って、反応時間は実質的には次亜塩素酸ナトリウム水溶液の添加時間であり、好ましくは3〜10時間である。
反応が終了したことを確認した後、過剰の次亜塩素酸ナトリウムを分解する。例えば、ヨウ化カリウム澱粉試験紙が青紫色に変色しなくなるまで亜硫酸水素ナトリウムまたは亜硫酸ナトリウムなどを添加すればよい。かくして得られた2−メトキシシクロヘキサノンは通常の方法で反応液から単離する。例えば、反応混合物から2−メトキシシクロヘキサノンを有機溶媒で抽出した後、抽出液を蒸留する方法等が採用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、反応液の組成と生成した2−メトキシシクロヘキサノンの光学純度はガスクロマトグラフィーで分析した。
<反応液の組成分析(GC)>
カラム:CP−Sil 5CB(CHROMPACK)
50m−0.32mmI.D. 5μm
カラムオーブン温度 :120℃(15分)−6℃/分→260℃(15分)
注入口:200℃
検出器:260℃
キャリヤーガス:ヘリウム 全流量37ml/分
スプリット比:19
<2−メトキシシクロヘキサノンの光学純度分析(GC)>
カラム:Chiraldex β−TA(ASTEC)
30m−0.25mmI.D. 0.125μm
カラムオーブン温度 :100℃
注入口:150℃
検出器:150℃
キャリヤーガス:ヘリウム 全流量25ml/分
スプリット比:30。
比較例1
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、14.3%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率12重量%、NaOH含有率0.8重量%)85.9g(0.165mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応途中において、反応液のpHを1.0以下に保つために50%硫酸水溶液1.2g(0.006mol)を添加した。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、trans−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は7%、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は90mol%であった。
比較例2
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、14.3重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率12重量%、NaOH含有率0.8重量%)85.9g(0.165mol;(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応途中において、反応液のpHを1.0以下に保つために50%硫酸水溶液5.9g(0.030mol)を添加した。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は16%、(S)−2−メトキシシクロヘキサノンの収率は80mol%であった。
比較例3
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、12.8重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率3.5重量%、NaOH含有率0.8重量%)96.0g(0.165mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応液のpHを1.0以下に保つために50%硫酸水溶液6.5g(0.033mol)を添加した。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、trans−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は20%、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は75mol%であった。
比較例4
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール13.02g(0.100モル)、水31.42g、95%硫酸1.44g(0.014mol)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、13.0重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率13重量%、NaOH含有率0.8重量%)63.18(0.110mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を8時間かけて添加した。反応途中において、反応液のpHを1.0以下に保つために50%硫酸水溶液9.32g(0.090mol)を添加した。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、tarans−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は26%、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は70mol%であった。
比較例5
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量100mlのフラスコに、trans−2−n−プロポキシシクロヘキサノール15.8g(0.10モル)、水15.7g、95%硫酸1.4g(0.014mol)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、13.0%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率13重量%、NaOH含有率0.8重量%)63.2g(0.11mol;trans−2−n−プロポキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を7時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、trans−2−n−プロポキシシクロヘキサノールの残存率は9%、2−n−プロポキシシクロヘキサノンの収率は90mol%であった。
比較例6
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量100mlのフラスコに、trans−2−n−プロポキシシクロヘキサノール15.8g(0.10モル)、水15.7g、95%硫酸1.4g(0.014mol)、塩化ナトリウム4.1g(水に対して0.26重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、13.0%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率13重量%、NaOH含有率0.8重量%)63.2g(0.11mol;trans−2−n−プロポキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を5時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、trans−2−n−プロポキシシクロヘキサノールの残存率は14%、2−n−プロポキシシクロヘキサノンの収率は85mol%であった。
比較例7
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量100mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール13.0g(0.10モル)、水15.7g、35%塩酸2.9g(0.028mol)、塩化カルシウム8.2gを仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、16.2%次亜塩素酸カルシウム水溶液48.5g(0.055mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍当量)を5時間かけて添加した。反応途中において、反応液のpHを1.0以下に保つために50%硫酸水溶液6.7g(0.034mol)を添加した。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、trans−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は31%、2−n−プロポキシシクロヘキサノンの収率は68mol%であった。
実施例1
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)、塩化ナトリウム6.2g(水に対して0.26重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、14.3重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率12重量%、NaOH含有率0.8重量%)85.9g(0.165mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、tarans−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は1%以下、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は98mol%であった。
実施例2
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)、塩化ナトリウム2.3g(水に対して0.10重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、14.3重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率12重量%、NaOH含有率0.8重量%)85.9g(0.165mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、trans−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は2%、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は97mol%であった。
実施例3
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)、塩化ナトリウム6.2g(水に対して0.26重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、14.3重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率12重量%、NaOH含有率0.8重量%)85.9g(0.165mol;(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は1%、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は94mol%であった。
実施例4
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)、塩化ナトリウム12.3g(水に対して0.52重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、14.3重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率12重量%、NaOH含有率0.8重量%)85.9g(0.165mol;(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は1%、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は94mol%であった。
実施例5
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)、塩化ナトリウム15.4g(水に対して0.65重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、12.8重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率3.5重量%、NaOH含有率0.8重量%)96.0g(0.165mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、trans−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は1%、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は95mol%であった。
実施例6
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量10Lのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール784.9g(6.02モル)、水931.4g、95%硫酸87.4g(0.85mol)、塩化ナトリウム250.2g(水に対して0.27重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、14.1重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率12重量%、NaOH0.7重量%)3491.3g(6.60mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を7時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は1%以下、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は97mol%であった。
反応液に20%亜硫酸ナトリウム水溶液478.5gを添加した。添加後のpHは7.6であった。更に48%水酸化ナトリウム水溶液16.5gを添加して1時間熟成した。反応液に酢酸エチル3456gを添加して生成した2−メトキシシクロヘキサノンを抽出した。酢酸エチル層を理論段数約4段の精留塔を装着した蒸留装置を用いて蒸留し、2−メトキシシクロヘキサノン712.8gを得た(化学純度98.5%)。収率は91mol%であった。
実施例7
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量10Lのフラスコに、光学純度が99.6%e.e.の(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキサノール531.4g(4.08モル)、水642.5g、95%硫酸59.1g(0.57mol)、塩化ナトリウム373.2g(水に対して0.58重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を15〜20℃に保ちながら、14.3重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率重量12%、NaOH含有率0.8重量%)2525.8g(4.85mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.19倍モル)を7時間かけて添加した。反応途中において、反応液のpHを1.0以下に保つために50%硫酸水溶液92.85g(0.47mol)を添加した。反応終了後、15〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は1%以下、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は93mol%であった。
反応液に20%亜硫酸ナトリウム水溶液217.42gを添加した。添加後のpHは7.5であった。更に48%水酸化ナトリウム水溶液12.2gを添加して1時間熟成した。反応液にトルエン4291gを添加して生成した2−メトキシシクロヘキサノンを抽出した。トルエン層を理論段数約4段の精留塔を装着した蒸留装置を用いて蒸留し、2−メトキシシクロヘキサノン452.1gを得た(化学純度98.3%、光学純度99.3%e.e.)。収率は85mol%であった。
実施例8
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール19.5g(0.150モル)、水23.6g、95%硫酸2.2g(0.021mol)、硫酸ナトリウム水和物2.32g(水に対して0.26重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、14.3重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率12重量%、NaOH含有率0.8重量%)85.9g(0.165mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を6時間かけて添加した。反応途中における反応液のpHは1.0以下であったので50%硫酸水溶液は添加しなかった。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、tarans−2−メトキシシクロヘキサノールの転化率は99%以上、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は98mol%であった。
実施例9
撹拌機、温度計、pHメーターを装着した容量200mlのフラスコに、trans−2−メトキシシクロヘキサノール13.02g(0.100モル)、水31.42g、95%硫酸1.44g(0.014mol)、塩化ナトリウム16.34g(水に対して0.52重量倍)を仕込んだ。反応液の温度を13〜20℃に保ちながら、13.0重量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaCl含有率13重量%、NaOH含有率0.8重量%)63.18(0.110mol;trans−2−メトキシシクロヘキサノールに対して1.10倍モル)を8時間かけて添加した。反応途中において、反応液のpHを1.0以下に保つために50%硫酸水溶液2.5g(0.013mol)を添加した。反応終了後、13〜20℃で30分間熟成した。反応液を分析したところ、tarans−2−メトキシシクロヘキサノールの残存率は2%、2−メトキシシクロヘキサノンの収率は96mol%であった。

Claims (4)

  1. trans−2−メトキシシクロヘキサノール、鉱酸、および水の混合溶液の中に次亜塩素酸ナトリウムを添加して反応させることにより2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに際し、混合溶液の中に予め鉱酸塩を添加しておくことを特徴とする2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法。
  2. 予め添加する鉱酸塩の量が混合溶液の中の水に対して0.05重量倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法。
  3. 鉱酸塩が硫酸、塩酸、あるいは燐酸のアルカリ金属塩、またはアルカリ土類金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法。
  4. trans−2−メトキシシクロヘキサノールが光学活性trans−2−メトキシシクロヘキサノールであり、2−メトキシシクロヘキサノンが光学活性2−メトキシシクロヘキサノンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の2−メトキシシクロヘキサノンの製造方法。
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JPH10204018A (ja) * 1996-11-22 1998-08-04 Toray Ind Inc 光学活性脂環式ケトンの製造法

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