JP2007331850A - 用紙搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】用紙搬送装置は、用紙が搬送される搬送路と、用紙を搬送路へ搬出する搬送ローラと、用紙が重なって搬送路へ搬出された際に用紙の重送を検知する重送検知センサとを備え、搬送ローラは搬出された用紙が搬送路に接しながら搬送路に沿って搬送されるように用紙を搬出し、重送検知センサは用紙が搬送路に接しながら搬送されている領域で用紙の重送を検知するように配置されている。
【選択図】図3
Description
このため、画像形成装置に搭載される用紙搬送装置にも原稿や記録用紙などの用紙を高速で搬送することが求められている。
しかしながら、用紙を高速で搬送しようとすると、用紙が収納または積載された給紙部から用紙搬送路へ送り出す際に、用紙が重なった重送状態で送り出される恐れが高くなる。
また、仮にジャムが引き起こされなかったとしても、重送状態のままでは画像読取部において読み取られるべき画像と異なる画像が読み取られたり、画像形成部において1枚の用紙に形成されるべき画像が重なった複数の用紙にわたって形成されるなどの不具合が生じる。
したがって、用紙を高速で搬送するためには、単に給紙ローラ、搬送ローラなどの搬送手段の駆動速度を上げるだけでは不十分であり、用紙が重なって用紙搬送路へ送り出された際に確実に用紙の重送を検知する機能が求められる。
超音波センサは超音波を発信する送波器と、送波器から発信された超音波を受信して電気エネルギーに変換する受波器とから構成される。
送波器から発信された超音波が用紙を透過する際に減衰することを利用し、受波器に受信された超音波の減衰度を所定の閾値と比較することにより、用紙が重送されているか否かを検知することができる。
しかしながら、超音波は空気を媒体として伝わるため、用紙搬送路における用紙の振幅、すなわち用紙のばたつきが大きいと受波器出力が変動し、正確な重送の検知が困難になる。
しかし、給紙ローラから用紙を送り出した後、一旦、レジストローラで用紙の搬送を止めることにより給紙ローラとレジストローラの両ローラで用紙を挟持するため、用紙搬送の高速化を図るうえでは限度がある。
また、給紙ローラとレジストローラの配置間隔を最小サイズの用紙の長さよりも短く設定しなければならず、超音波センサの配置についても給紙ローラとレジストローラの間でなければならないという設計上の制約を伴う。
また、この発明による用紙搬送装置において、搬送ローラとは、基本的に用紙に対して用紙搬送方向に摩擦力を付与することにより用紙を搬送するローラを意味するが、用紙の重送を検知した場合には重送を解消すべく逆回転して搬送方向と逆方向の摩擦力を用紙に付与する機能を備えていてもよいし、所定の搬送タイミングで用紙を搬送するために用紙を一旦チャックして静止させる機能を備えていてもよい。
したがって、搬送ローラは、給紙ローラやピックアップローラであってもよいし、用紙搬送路中に設けられたレジストローラ、或いはその他のローラであってもよい。
また、搬送ローラは、搬送ローラと対向する位置に設けられ搬送ローラと用紙との間の摩擦力を増大させる、例えば、分離パッド、リブなどの押圧部材を備えていてもよいし、搬送ローラと共に用紙を挟持する押圧ローラ又は従動ローラと対をなしていてもよいし、或いは、重送を積極的に解消すべく用紙搬送方向と逆方向の摩擦力を付与するさばきローラと対をなしていてもよい。
したがって、重送検知センサは、超音波センサや光センサであってもよいし、或いは、搬送される用紙の表面に摺接し用紙の厚さによって変位する機械的な変位検出センサであってもよい。
また、用紙のうち搬送路に接しながら搬送されている領域とは、実質的に搬送路に接しながら搬送されている振幅の抑制された領域を意味し、必ずしも、搬送路に密着している必要はない。
このような構成によれば、搬送ローラおよび従動ローラと用紙との接触点を通る搬送ローラおよび従動ローラの接線が搬送路に対して所定の角度をもって交差するので、前記接線の方向に用紙を搬出、すなわち用紙を搬送路に対して所定の搬出角度をもって搬出することが可能となり、用紙を搬送路へ押さえ付けるように搬出して用紙を搬送路により確実に接触させることが可能となる。
このような構成によれば、搬送ローラと従動ローラの硬度差により、硬度の低いローラが硬度の高いローラの周面に沿って窪むこととなり、用紙が硬度の高いローラの周面に沿って強制的にカールし、搬出方向が所定の方向に方向づけられ、搬送路に対して所定の搬出角度で搬出することが可能となる。これにより用紙を搬送路へ押さえ付けるように搬出して用紙を搬送路により確実に接触させることが可能となる。
というのは、搬出された用紙の先端と搬送路との接触点は用紙が搬送路に接触しはじめた領域であって確実に搬送路に接しているので、振幅が他の領域よりも効果的に抑制されており、この接触点の近傍で用紙の重送を検知すれば重送の検知精度をより一層向上させることができるからである。
このような構成によれば、厚紙、普通紙、薄紙といった用紙の剛性(コシの強さ)に係わりなく精度よく重送検知できるようになる。
というのは、次のような理由による。
すなわち、剛性の強い用紙はたわみ難く振動しずらいので、用紙の剛性が強いほど用紙の振幅は小さくなり、用紙と搬送路との接触点は搬送ローラよりも遠くなる。
一方、剛性の弱い用紙はたわみ易く振動し易いので、用紙の剛性が弱いほど用紙の振幅は大きくなり、用紙と搬送路との接触点は搬送ローラに近くなる。
このような観点からすると、重送の検知ポイントは、普通紙や薄紙のように剛性の比較的弱いものを対象として設定することが好ましく、搬送ローラと用紙との接触点を通る搬送ローラの接線と搬送路との交点よりも搬送方向の上流側で用紙の重送を検知するようにすれば、剛性が弱いために搬送路との接触点が搬送ローラの近くになる普通紙や薄紙であっても精度よく重送の検知が行なわれるようになる。
具体的には、普通紙の接触点と薄紙の接触点との中間あたりが、重送の検知ポイントとして適しているといえる。
このような構成によれば、搬送路の上流側で重送の検知を行うことができるので、例えば、重送が検知された場合には即座に用紙の搬送を止めるなどの手段を講ずることにより、重送の解消を図り易くなる。
図1〜9に基づいて、この発明の実施例による自動原稿送り装置(用紙搬送装置)(以下、「ADF」と略称する)が搭載された画像形成装置について説明する。図1は、実施例による画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
図1に示されるように、この発明の実施例によるADF(用紙搬送装置)1が搭載された画像形成装置100は、ADF1によって搬送された原稿をスキャンして得られた画像データ、或いは、外部から伝達された画像データに応じて、所定の記録用紙(シート)に対してモノクロ画像を形成するものである。
画像形成装置100は、ADF1、画像読取部2、光書込ユニット3、現像器4、感光体5、帯電器6、クリーナユニット7、転写ユニット8、定着ユニット9、用紙搬送路10、給紙トレイ11および排紙トレイ12とから主に構成されている。
ADF1から送られてくる原稿をスキャンする場合、光源ホルダー13およびミラー群14は静止した状態で、原稿の画像をスキャンする。
ADF1から原稿が搬送されてくると、光源ホルダー13の光源から原稿に光が照射され、原稿から反射された光がミラー群14を介して光路変換されCCD15に結像され、電子的な画像データに変換される。
なお、ADF1の具体的な構造と動作については後の項で詳述する。
また、この実施例では光書込ユニット3として、レーザ照射部16a,16bおよびミラー群17a,17bを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を用いているが、発光素子をアレイ状に並べたEL書き込みヘッドやLED書き込みヘッドを用いることもできる。
そして、入力された画像データに応じてレーザ照射部16a,16bからレーザ光を照射し、ミラー群17a,17bを介して、帯電器6によって均一に帯電された感光体5を露光することにより、感光体5の表面に画像データに応じた静電潜像が形成される。
また、感光体5の周囲に配されたクリーナユニット7は、現像・画像転写後に感光体5の表面に残留したトナーを除去・回収するものである。
制御部は、CPU、CPUが実行する制御プログラムを格納するROM、CPUにワークエリアを提供するRAM、制御データを保持する不揮発性メモリ、画像形成装置100の各部検知手段からの信号が入力される入力回路、画像形成装置100の各部駆動機構を作動させるアクチュエータやモータを駆動させるドライバ回路、レーザ照射部16a,16bを駆動する出力回路などから構成される。
例えば、静電像が(−)極性の電荷を有している場合、転写ユニット8の印加極性は(+)極性となる。
転写ユニット8の転写ベルト19は、駆動ローラ20、従動ローラ21および他のローラで張架され、所定の抵抗値(例えば、1×109〜1×1013Ω・cmの範囲)を有している。
感光体5と転写ベルト19との接触部には導電性を有し転写電界を印加することが可能な弾性導電性ローラ22が配置されている。
定着ユニット9は、加熱ローラ23,加圧ローラ24を備えており、加熱ローラ23の内周部には加熱ローラ23の表面を所定温度(定着温度:概ね160〜200℃)とする熱源が内蔵されている。
他方、加圧ローラ24は、加熱ローラ23に対して所定圧で圧接するようにその両端に図示しない加圧部材が配置されている。
これにより加熱ローラ23と加圧ローラ24との圧接部(定着ニップ部と呼ばれる)において、搬送されてくる記録用紙上の未定着トナーを加熱ローラ23で加熱して溶融させ、圧接部でトナーを記録用紙に押して記録用紙上に定着させる。
実施例の画像形成装置100は高速印字処理を目的としているため、各給紙トレイ11には定型サイズの記録用紙を500〜1500枚収納可能な容積が確保されている。
また、画像形成装置100の側面には複数種の記録用紙を多量に収納可能な大容量給紙カセット(LCC)25と、主として不定型サイズの印字等に用いる手差しトレイ26が設けられている。
上述の画像形成装置100に搭載されたADF1について図2〜図9に基づいて説明する。図2は実施例によるADF(用紙搬送装置)の概略的な構成を示す概略図、図3は図2に示されるADFの要部拡大図、図4は図2に示されるADFの要部拡大図であり原稿が重なって搬送される重送状態を示している。
図5は原稿の重送によって超音波が減衰し受波器で変換された電気エネルギーが変動することを示す概念的なグラフ図、図6は図2に示されるADFの要部拡大図であり、用紙の剛性(コシの強さ)によって原稿と原稿搬送路との接触点が変化することを示している。図7および図8は搬送ローラおよび従動ローラの変形例を示す説明図、図9は変形例に係るADFの概略的な構成を示す概略図である。
図2に示されるように、ADF1は、原稿束が載置される原稿トレイ27と、原稿束から原稿D(図3参照)を原稿搬送路S1へ送り出すピックアップローラ28と、原稿搬送路S1へ送り出された原稿を1枚ずつ分離させながら原稿搬送路S1の下流側へ搬送する給紙ローラ29およびさばきローラ30と、原稿を原稿搬送路S1に沿って搬送するための複数対の搬送ローラ31および従動ローラ32と、読取部34に所定のタイミングで原稿を送り出すレジストローラ33と、画像の読取を終えた原稿Dを排紙トレイ36へ排出する排紙ローラ35とから主に構成されている。
通常は、仮に原稿Dが重なった状態で原稿搬送路S1へ送り出された場合であっても、さばきローラ30によって重送状態が解消され、上述のように給紙ローラ29によって原稿搬送路S1の下流側へ1枚ずつ搬送される。
そこで、実施例のADF1は、給紙ローラ29およびさばきローラ30の下流側に配置された搬送ローラ31と従動ローラ32の近傍に重送検知センサ37を設けている。重送検知センサ37は、超音波を発信する送波器38と、送波器38から発信された超音波を受信する受波器39とから構成されている。
そして、重送検知センサ37は、原稿Dが原稿搬送路S1に接しながら原稿搬送路S1に沿って搬送される振幅(ばたつき)の抑制された領域、具体的には、搬送ローラ31と従動ローラ32から搬出された原稿Dの先端と原稿搬送路S1との接触点Cの近傍で原稿Dの重送を検知するように配置されている。
仮に、図4に示されるように原稿Daと原稿Dbが互いに重なった重送状態で搬送されている場合、送波器38から発信された超音波は原稿Da,Dbどうしが重なった僅かな空気層で大きく減衰し、受波器39に受信され電気エネルギーに変換される。
したがって、図5に示されるように、受波器39で変換された電気エネルギーのレベルを所定の閾値と比較することにより、原稿Dが正常に1枚ずつ搬送されているか、或いは重送状態で搬送されているかを検知することができる。
図6に示されるように、厚紙原稿D1、普通紙原稿D2、薄紙原稿D3といった原稿の剛性(コシの強さ)によって前記原稿D1,D2,D3の先端と原稿搬送路S1との接触点C1,C2,C3は変化する。
具体的には、厚紙原稿D1のように剛性の強い原稿はたわみ難いので、この場合、厚紙原稿D1の先端と原稿搬送路S1との接触点C1は搬送ローラ31および従動ローラ32から遠い位置となる。
一方、薄紙原稿D3のように剛性の弱い原稿はたわみ易いので、この場合、薄紙原稿D3の先端と原稿搬送路S1との接触点C3は搬送ローラ31および従動ローラ32に近い位置となる。
普通紙原稿D2は、厚紙原稿D1と薄紙原稿D3との中間となる剛性を有しているので、普通紙原稿D2の先端と原稿搬送路S1との接触点C2は、上記接触点C1,C3の中間あたりの位置となる。
しかし、薄紙原稿D3のように剛性が弱くたわみ易い原稿は、振幅(ばたつき)が大きいので、上述のように原稿搬送路S1に接しながら原稿搬送路S1に沿って搬送される振幅の抑制された領域で重送の検知が行われなければならない。
具体的には、図6に示されるように、搬送ローラ31と前記原稿D1,D2,D3との接触点を通る搬送ローラ31の接線Tと原稿搬送路S1との交点よりも搬送方向Fの上流側で前記原稿D1,D2,D3の重送を検知するように重送検知センサ37を配置するとよい。
このため、ADF1内の限られたスペースを有効に利用することができ、ADF1に重送検知機能を付与するにあたってADF1が大型化してしまうこともなく、ADF1内の様々なローラの近傍に重送検知センサ37を設けることが可能となる。
以下、この発明の変形例に係るADFについて図9に基づいて説明する。図9は変形例に係るADFの概略的な構成を示す概略図である。なお、上述の実施例と同一の部材については同一の符号を用いて説明する。
図9に示されるように変形例に係るADF200は、原稿搬送路S1の最も上流側に配置された1対の給紙ローラ29およびさばきローラ30の近傍に重送検知センサ37が配されている。重送検知センサ37は、上述の実施例と同様に、1対の送波器38と受波器39とから構成されている。
重送検知センサ37は、原稿搬送路S1に接しながら搬送される振幅(ばたつき)の抑制された領域で原稿の重送を検知するように配置されており、上述の実施例と同様に原稿の振幅(ばたつき)に影響されることなく精度よく重送の検知が行われる。その他の構成は上述の実施例に係るADF1と同様である。
なお、上述の実施例では、ADF1の原稿搬送路S1にのみ重送検知センサ37を設けたが、勿論、記録用紙が搬送される画像形成装置100の用紙搬送路10にも、同様の手法によって重送検知センサ37を設けることが可能である。
2・・・画像読取部
3・・・光書込ユニット
4・・・現像器
5・・・感光体
6・・・帯電器
7・・・クリーナユニット
8・・・転写ユニット
9・・・定着ユニット
10・・・用紙搬送路
11・・・給紙トレイ
12,36・・・排紙トレイ
13・・・光源ホルダー
14,17a,17b・・・ミラー群
15・・・CCD
16a,16b・・・レーザ照射部
19・・・転写ベルト
20・・・駆動ローラ
21,32・・・従動ローラ
22・・・弾性導電性ローラ
23・・・加熱ローラ
24・・・加圧ローラ
25・・・大容量給紙カセット
26・・・手差しトレイ
27・・・原稿トレイ
28・・・ピックアップローラ
29・・・給紙ローラ
30・・・さばきローラ
31・・・搬送ローラ
33・・・レジストローラ
34・・・読取部
35・・・排紙ローラ
37・・・重送検知センサ
38・・・送波器
39・・・受波器
100・・・画像形成装置
C,C1,C2,C3・・・接触点
D,Da,Db・・・原稿
D1・・・厚紙原稿
D2・・・普通紙原稿
D3・・・薄紙原稿
F・・・搬送方向
S1・・・原稿搬送路
T・・・接線
Claims (6)
- 用紙が搬送される搬送路と、用紙を搬送路へ搬出する搬送ローラと、用紙が重なって搬送路へ搬出された際に用紙の重送を検知する重送検知センサとを備え、搬送ローラは搬出された用紙が搬送路に接しながら搬送路に沿って搬送されるように用紙を搬出し、重送検知センサは用紙が搬送路に接しながら搬送されている領域で用紙の重送を検知するように配置されていることを特徴とする用紙搬送装置。
- 搬送ローラに従動し搬送ローラとの間で用紙を挟持する従動ローラをさらに備え、搬送ローラと従動ローラは搬送方向の上流側と下流側に互いにずれて配置され搬送路に対して所定の搬出角度で用紙を搬出することを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送装置。
- 搬送ローラに従動し搬送ローラとの間で用紙を挟持する従動ローラをさらに備え、搬送ローラおよび従動ローラはそれらの硬度が互いに異なり搬送路に対して所定の搬出角度で用紙を搬出することを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送装置。
- 重送検知センサは、搬出された用紙の先端と搬送路との接触点の近傍で用紙の重送を検知するように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
- 重送検知センサは、搬送ローラと用紙との接触点を通る搬送ローラの接線と搬送路との交点よりも搬送方向の上流側で用紙の重送を検知するように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の用紙搬送装置。
- 搬送ローラが搬送路の上流に配置された給紙ローラであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の用紙搬送装置。
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