JP2007330203A - 複合チョコレート及びその製造方法。 - Google Patents

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Abstract

【課題】今までにない意外性のある内相と食感を有する複合チョコレート、及びその製造方法を提供すること
【解決手段】2種以上の異なる比重のチョコレートが混在していることを特徴とする複合チョコレート、及び下記(A)、(B)及び(C)の複合チョコレートの製造方法
(A)溶解したチョコレート生地に、該チョコレート生地と異なる比重のチョコレート及び/又は該チョコレート生地と異なる比重のチョコレート生地を混合し、これらを固化させる方法。
(B)溶解したチョコレート生地に、固化済みのチョコレートを添加し、該溶解したチョコレート生地を含気泡させ、これらを固化させる方法。
(C)固化したチョコレート部分及び溶解したチョコレート部分を含む不均一な状態のチョコレート生地における、該溶解したチョコレート部分を含気泡させ、これらを固化させる方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な内相及び食感を有する複合チョコレートに関する。
チョコレートの内相や食感に変化を持たせ、今までにない意外性のあるチョコレートを提供しようという試みは数多くなされてきており、使用する油脂の融点を調整したり、また異なった融点の油脂を使用したチョコレートを組み合わせたり、含水させたり、含気させたり、米パフや乾果を分散させたりすることが知られている。
その中で、チョコレート類に含気泡させた、一般にエアインチョコレート、ホイップチョコレート等と言われる含気泡チョコレートは、その微細な気泡が存在することにより、気泡を含まない一般的なチョコレートと比較すると、喫食した際に組織が崩れやすく、軽くあっさりした後口になる特徴を有している。そのため、気泡を含まない一般的なチョコレートを、その重い後口から敬遠していた消費者にも受け入れられる新しいジャンルとなりつつある。
しかし、上記含気泡チョコレートは、その脆い物性から、どうしても保存中に損壊しやすい問題があった。
そこで、その脆い物性を改良した、新規な食感の含気泡チョコレートとして、液状成分を含有する含気泡含水チョコレートも考案された(例えば特許文献1参照)。しかし、この含気泡含水チョコレートもまた、均質な内相組織であるため食感に意外性はなく、また製法としても、チョコレート生地を起泡して、含気泡された該チョコレート生地に液状成分を添加して乳化させる方法しか記載されておらず、その製法で製造した場合、水相が粗く分散し、食感も悪く、また乳化安定性が悪いという問題があった。
そのため、上記問題点を改良した製造方法として、水分又は含水チョコレートを含気泡チョコレートと混合するか、含水チョコレートを起泡することで含気泡含水チョコレートを得る方法(例えば特許文献2参照)や、起泡した水中油型乳化物と含水チョコレート生地を混合する方法(例えば特許文献3参照)などが提案された。しかし、特許文献2の方法で得られる含気泡含水チョコレートは、単なる水分を含有するエアインチョコレートであるため、食感は特許文献1に記載のチョコレートと同一である。また、特許文献3の方法で得られた含気泡含水チョコレートは、生地混合時に、その気泡をつぶさないように水中油型乳化物の気泡を増粘剤を使用して安定なものに保つ必要があり、それが粘性のある食感を呈するという問題があった。
また、上述の各種チョコレートもまた、均質な内相を有するものであるため、単純で単一な食感であり、意外性のある内相と食感を要望する昨今の消費者の要求に合致したものではなかった。
特開平01−47345号公報 特開2002−218910号公報 特開2000−116331号公報
従って、本発明の目的は、今までにない意外性のある内相と食感を有する複合チョコレートを提供することにある。
本発明者らは、種々検討した結果、含気チョコレートに比重の異なるチョコレートを混在させると、今までにない独特の内相と複雑な口溶けのチョコレートとなることを偶然見出し、これをさらに改良することで本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、2種以上の異なる比重のチョコレートが混在していることを特徴とする複合チョコレート及びその製造方法を提供するものである。
本発明の複合チョコレートは、2種以上の比重のチョコレートがマーブル状の状態で存在するか、該複合チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散しているという、意外性のある内相を有し、且つ、単一ではない複雑な口溶けを呈するという意外性のある食感を有する。
以下、本発明の複合チョコレートについて詳細に述べる。
本発明の複合チョコレートは、2種以上の異なる比重のチョコレートが混在していることを特徴とする。
本発明でいうチョコレートとは、油脂類と糖類を必須成分とし、必要に応じてカカオマスやココアパウダー、粉乳等の各種粉末食品、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料を任意の割合で混合し、定法によりロール掛け、コンチング処理して得たチョコレート生地を固化したものであり、代表的なものとしては、ミルクチョコレート、スイートチョコレート、ホワイトチョコレートなどがあげられる。
上記油脂類としては、カカオバター、その他の動植物性油脂及びこれらの分別油、硬化油、エステル交換油等を単独で、もしくは混合して使用するもので、ノンテンパリング型、テンパリング型いずれでもかまわない。
チョコレートの口溶けや型はがれをより良好にするためには、テンパリング型であることが好ましく、特に1,3ジ飽和−2不飽和型トリグリセリド(以下SUSという)含量が80質量%以上である油脂を使用することが好ましく、特に型はがれ及び風味が良好であること、さらには含気泡により比重を変化させた際に口溶けの差が大きいことからカカオ分別硬部脂を使用することがより好ましい。
上記油脂類の使用量は、好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。
上記糖類としては、砂糖、果糖、ブドウ糖等の各種糖類及び各種糖アルコール等、通常食用に使用される糖類であれば何れでもよく、それらを単独でもしくは併用して使用する。上記糖類の使用量は、好ましくは10〜60質量%、さらに好ましくは20〜50質量%である。
上記各種粉末食品としては、例えば、カカオマス、ココアパウダー、粉乳、果実粉末、果汁粉末、生クリーム粉末、チーズ粉末、コーヒー粉末、ヨーグルト粉末等が挙げられる。上記各種粉末食品の使用量は、好ましくは0.5〜60質量%、さらに好ましくは1〜50質量%である。
上記乳化剤としては、特に限定されないが、必要に応じて粘度上昇を抑制する目的でレシチン、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等を添加することができる。上記乳化剤の使用量は、好ましくは0.01〜10質量%、さらに好ましくは0.1〜5質量%である。
チョコレートの比重を変えるには該チョコレート成分中で、比重が大きい副原料や、比重が小さい副原料を添加してもよいが、チョコレートに使用する副原料では、極度に比重の小さいものや極度に比重の大きいものは存在しないため、好ましくは気泡を含有させる(含気泡)ことによって得る。また、含気泡することで、チョコレートの色調が淡化し、複合チョコレート中で比重の異なるチョコレートを視認することが容易となる点でも好ましい。
含気泡の方法は特に制限はなく、連続ホイッパーを使用する方法や、ビーターやワイヤーホイッパーを使用してホイップさせる方法などの一般的な方法を使用することができる。また、含気泡させた後、減圧操作などによって気泡粒径を大きくする操作を加えてもよい。
本発明の複合チョコレートを構成する異なる比重のチョコレートの数の上限は特に制限はないが、食した際に異なる食感として認識するためには、5種以内であることが好ましく、より好ましくは3種以内、最も好ましくは2種である。
本発明の複合チョコレートにおける「混在する」とは、複合チョコレートにおいて、2種以上の比重のチョコレートがマーブル状の状態で存在するか、チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散する状態を指す。
即ち、複合チョコレートにおいて、チョコレート中に異なる比重のチョコレートが、視認できない状態で均質なコロイド化したいわゆるホモの形態や、どちらか一方が包餡されているシェルチョコレート、また層状のチョコレートは含まない。
具体的には、マーブル状である場合は、上記2種以上の比重の異なるチョコレートが別個に視認できればよいが、複合チョコレート中に厚さの最大部分が好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.5mm以上で異なる比重のチョコレートがあれば混在すると判断する。なお、その上限は特に制限されるものではないが50mm以内であることが好ましい。
また、小片状である場合は、上記2種以上の異なる比重のチョコレートが別個に視認できればよいが、複合チョコレート中に粒径が好ましくは0.2mm以上、より好ましくは0.5mm以上で異なる比重のチョコレートがあれば混在すると判断する。なお、その上限は特に制限されるものではないが、20mm以内であることが好ましい。
また、食した際に、特に意外性のある食感として認識するためには、比重が最小であるチョコレートと比重が最大であるチョコレートの比重の差は、0.1以上であることが好ましく、0.12〜0.5であることがより好ましい。
なお、本発明の複合チョコレートにおいては、比重が最小であるチョコレートの含有量が50質量%以上であることが、口溶けが良好で軽い食感の複合チョコレートを得ることができる点で好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
また、本発明の複合チョコレートにおいては、意外性のある食感の複合チョコレートを得る上で比重が最大であるチョコレートの含有量は、0.1〜50質量%が好ましく、0.1〜30質量%がより好ましい。
更に、比重が最小であるチョコレートの含有量と比重が最大であるチョコレートの含有量との合計は、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。
尚、3種以上の異なる比重のチョコレートを使用する場合には、比重が最小であるチョコレートと比重が最大であるチョコレートを除くチョコレートの含有量は50質量%以下が好ましい。
本発明の複合チョコレートでは、少なくとも1種が水性成分を含有する含水チョコレートであることが好ましい。含水チョコレートを使用することで、滑らかな、口溶けのよい食感とすることができる。特に、比重の小さいチョコレート、その中でも気泡を含有させた含気泡チョコレートは、脆い食感となってしまうため、食感を改良するために含水チョコレートを使用することは特に有効である。
また、含水チョコレートを使用すると、含気泡チョコレート製造の際に急激な固化が起こりにくく、含気泡操作が容易となるので好ましい。
即ち、本発明の複合チョコレートでは、比重が最小であるチョコレートが含水チョコレートであることが好ましく、全てのチョコレートが含水チョコレートであることがより好ましい。
上記水性成分としては、果汁、濃縮果汁、各種フルーツ類及びそのペースト、ジャム、天然のクリーム類及び牛乳等のほかに、動植物性油脂などを使用したクリーム類、濃縮乳、練乳、各種液糖等が挙げられる。これらの水性成分は1種又は2種以上で用いられる。
上記含水チョコレート中に含まれる水分は、純粋な水分として好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜40質量%である。
本発明の複合チョコレートは、喫食した際にソフトで軽い食感が得られることから、比重が最小である上記チョコレートが連続相として存在することが好ましい。
なお、本発明の複合チョコレートでは、口溶けに違和感がないこと及びミグレーションによるブルームの心配がないことから、2種以上の異なる比重の上記チョコレートそれぞれの組成が略同一であり、比重のみが異なることが好ましい。
次に、本発明の複合チョコレートの好ましい製造方法について述べる。
本発明の複合チョコレートは、好ましくは、本発明の製造方法の何れかにより得ることができる。
(A)溶解したチョコレート生地に、該チョコレート生地と異なる比重のチョコレート及び/又は該チョコレート生地と異なる比重のチョコレート生地を混合し、これらを固化させる方法。
(B)溶解したチョコレート生地に、固化済みのチョコレートを添加し、該溶解したチョコレート生地を含気泡させ、これらを固化させる方法。
(C)固化したチョコレート部分及び溶解したチョコレート部分を含む不均一な状態のチョコレート生地における、該溶解したチョコレート部分を含気泡させ、これらを固化させる方法。
以下に、上記(A)の製造方法について詳しく述べる。
先ず、溶解したチョコレート生地に、該チョコレート生地と異なる比重のチョコレートを添加する場合、チョコレート原料を常法に従って混合し、ロール掛け、コンチング処理して得たチョコレート生地を溶解し、必要に応じテンパリング処理した後、ここに異なる比重のチョコレート、好ましくは小片状としたチョコレートを添加、混合し、固化させる。
ここで、チョコレート生地の比重と添加するチョコレートの比重はどちらが小であってもよいが、得られる複合チョコレートがソフトで軽い食感になることから、チョコレート生地の比重の方が小であることが好ましい。
比重が小である上記チョコレート生地を使用した場合、本発明の複合チョコレートは次のようにして製造される。
この場合、含気泡により比重を小とした含気泡チョコレート生地や含気泡含水チョコレート生地等の、含気泡したチョコレート生地を使用することが好ましい。
添加するチョコレートとしては、上記含気泡チョコレート生地よりも比重が大であるチョコレートを使用すればよい。
また、上記チョコレート生地として水性成分を含有する含水チョコレート生地を使用する場合、含水操作はチョコレートを添加する前に行なうことが好ましい。また、テンパリング操作を行なう場合は、含水操作前であることが好ましい。
更に、上記チョコレート生地として含気泡含水チョコレート生地を使用する場合は、含気泡操作と含水操作は、どちらが先であってもどよく、また含気泡含水組成物と混合するなど同時であってもよいが、含水操作後に含気泡操作を行なうことが好ましい。
添加するチョコレートは、無水チョコレートであっても、含気泡チョコレートであっても、含水チョコレートであっても、含気泡含水チョコレートであってもよいが、比重差を大きくとることができる点で、気泡を含有しない無水チョコレートか含水チョコレートを使用することが好ましい。
なお3種以上の比重の複合チョコレートとするには、添加するチョコレートとして2種以上の比重のものを添加すればよい。
また、添加するチョコレートの比重が小である場合には次のようにして製造される。
この場合、添加するチョコレートとして、含気泡により比重を小とした含気泡チョコレートや含気泡含水チョコレート等の含気泡したチョコレートを使用することが好ましい。
そして、チョコレート生地として、該含気泡チョコレートよりも比重が大であるチョコレート生地を使用すればよい。
次に、溶解したチョコレート生地に、該チョコレート生地と異なる比重のチョコレート生地を添加する場合について述べる。
この場合、チョコレート原料を常法に従って混合し、ロール掛け、コンチング処理して得たチョコレート生地を溶解し、必要に応じテンパリング処理した後、同様の方法で得られた異なる比重のチョコレート生地を添加し、軽く混合し、固化させる。
ここで、片方、又は両方のチョコレート生地は、無水生地、含水生地、含気泡生地、含気泡含水生地の何れの生地であってもよい。
なお3種以上の比重の複合チョコレートとするには、混合するチョコレート生地として3種以上の比重のものを使用すればよい。
また、異なる比重のチョコレート生地を混合する方法と、異なる比重のチョコレートを混合する方法を併用してもよい。
以下に、前記(B)の製造方法について詳しく述べる。
この製造方法では、チョコレート原料を常法に従って混合し、ロール掛け、コンチング処理して得たチョコレート生地を溶解し、必要に応じテンパリング処理した後、ここに異なる比重のチョコレート、好ましくは小片状としたチョコレートを添加、混合した後、含気泡する。
この製造方法は、前記(A)の方法と異なり、チョコレート生地と、添加するチョコレートの比重が必ずしも異なる必要がない点が異なる。
また、チョコレート生地とチョコレートを混合後に含気泡操作を行なうことから、添加するチョコレートとしては、気泡を含有しない無水チョコレートか、含水チョコレートを使用することが好ましい。
以下に、前記(C)の製造方法について詳しく述べる。
この製造方法では、チョコレート原料を常法に従って混合し、ロール掛け、コンチング処理して得たチョコレート生地を溶解し、必要に応じテンパリング処理した後、部分的にこのチョコレート生地を固化させた後、含気泡させ、これらを固化させる。
この方法は、前記(B)の小片状のチョコレートを添加する方法と異なり、あらかじめチョコレートを製造しておく必要がない点が異なる。
即ち、通常のチョコレート生地を含気泡操作する際には、ある一定の油脂結晶量となるような温度に調温しながら含気泡するが、本発明では、チョコレート生地の一部を、例えばチョコレート生地を入れた容器の表面や底部を冷却するなどの方法で冷却して一部を固化させ、これを強制的に含気泡させると、部分的に冷却され固化した部分は含気泡されず、破砕されながら未固化部分に分散し、未固化部分のみが含気泡されるものである。
この方法の場合、上記チョコレート生地としては、無水チョコレート生地、含水チョコレート生地、含気チョコレート生地、含気泡含水チョコレート生地のいずれでも使用することが可能であるが、冷却した際に急激な固化がおこりにくく、含気泡操作が容易である点で、チョコレート生地として含水チョコレート生地を使用することが好ましい。
また、一部を固化させた後、含気泡操作に加え含水操作を行ってもよい。その場合、含気泡操作と含水操作は、どちらが先であってもよく、また含気泡含水組成物と混合するなど同時であってもよい。
なお、前記(A)、(B)、(C)の製造方法の中でも、比重が小であるチョコレートが連続相となり、ソフトで軽い食感の複合チョコレートが得られる点、及び添加したチョコレートがその後の混合や含気泡操作の際に破砕されて適度に小片状となるため製造が容易である点において(B)又は(C)の製造方法が好ましく、特に、あらかじめ固化したチョコレートを製造しておく必要がなく、また2種の異なる比重のチョコレートそれぞれの組成が略同一であり、比重のみが異なる複合チョコレートを容易に製造できる点で、(C)の製造方法が特に好ましい。
なお、前記(A)、(B)、(C)の方法を必要に応じ、適宜組合せて製造してもよい。
このようにして得られた本発明の複合チョコレートは、2種以上の比重のチョコレートがマーブル状の状態で存在するか、該複合チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散しているという意外性のある内相を有し、且つ、単一ではない複雑な口溶けを呈するという意外性のある食感を有するものである。
なお、食する際には0〜10℃程度の冷蔵状態で食することが、より食感の差が感じられるため好ましい。
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(I)無水チョコレート生地の製造
砂糖45部、カカオマス25部、カカオ分別硬部脂30部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1部、レシチン0.3部からなる配合にて常法に従い比重1.20の無水チョコレート生地を得た。
(II)含水チョコレート生地の製造
砂糖45部、カカオマス25部、カカオ分別硬部脂30部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1部、レシチン0.3部からなる配合にて常法に従いチョコレート生地を得た。また、加糖全脂練乳70部、生クリーム30部を混合し水性成分を得た。上記のチョコレート生地をテンパリング処理して得たチョコレート生地70部に対し、水性成分30部を添加混合し、比重1.10の含水チョコレート生地を得た。
(III)含気泡含水チョコレート生地の製造
砂糖45部、カカオマス25部、カカオ分別硬部脂30部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1部、レシチン0.3部からなる配合にて常法に従いチョコレート生地を得た。また、加糖全脂練乳70部、生クリーム30部を混合し水性成分を得た。上記のチョコレート生地をテンパリング処理して得たチョコレート生地70部に対し、水性成分30部を添加混合した後、卓上ミキサーでビーターを使用して、比重0.95まで起泡し、含気泡含水チョコレート生地を得た。
(IV)無水チョコレート(チョコレートチップ)の製造
砂糖45部、カカオマス25部、カカオ分別硬部脂30部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1部、レシチン0.3部からなる配合にて常法に従いチョコレート生地を得、これをテンパリング処理した後、固化させて、0.1g/個のチョコレートチップの形態である、比重1.20の無水チョコレートを得た。
(V)含水チョコレート(チョコレートチップ)の製造
砂糖45部、カカオマス25部、カカオ分別硬部脂30部、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.1部、レシチン0.3部からなる配合にて常法に従いチョコレート生地を得た。また、加糖全脂練乳70部、生クリーム30部を混合し水性成分を得た。上記のチョコレート生地をテンパリング処理して得たチョコレート生地70部に対し、水性成分30部を添加混合し、これをテンパリング処理した後、固化させて、0.1g/個のチョコレートチップの形態である、比重1.10の含水チョコレートを得た。
〔実施例1〕
上記(III)の含気泡含水チョコレート生地70質量部を28℃に保ちながら、上記(IV)の無水チョコレートチップ30質量部を添加し、軽く混合した後、冷却固化し、2種のチョコレートの比重差が0.25で、比重が最小であるチョコレートが連続相として存在する、本発明の複合チョコレートを得た。
得られた複合チョコレートは、該複合チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散しているという、意外性のある内相を有し、且つソフトで軽い食感でありながら、瑞々しく軽い口溶けと厚みのある口溶けとが混在し、意外性のある食感を有するものであった。
〔実施例2〕
実施例1で使用した上記(IV)の無水チョコレートチップに代えて、上記(V)の含水チョコレートチップを使用した以外は、実施例1の配合・製造方法で、2種のチョコレートの比重差が0.15で、比重が最小であるチョコレートが連続相として存在するものであり、2種のチョコレートそれぞれの組成が同一であり比重のみが異なる、本発明の複合チョコレートを得た。
得られた複合チョコレートは、該複合チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散しているという、意外性のある内相を有し、且つソフトで軽い食感でありながら、瑞々しく軽い口溶けと瑞々しく厚みのある口溶けとが混在し、意外性のある食感を有するものであった。
〔実施例3〕
上記(III)の含気泡含水チョコレート生地70質量部を28℃に保ちながら、28℃に調温した上記(II)の含水チョコレート生地30質量部を添加し、軽く混合した後、冷却固化し、2種のチョコレートの比重差が0.15で、比重が最小であるチョコレートが連続相として存在するものであり、2種のチョコレートそれぞれの組成が同一であり比重のみが異なる、本発明の複合チョコレートを得た。
得られた複合チョコレートは、2種の比重のチョコレートがマーブル状の状態で存在しているという、意外性のある内相を有し、且つ瑞々しく軽い口溶けと瑞々しく厚みのある口溶けとが混在し、意外性のある食感を有するものであった。
〔実施例4〕
上記(II)の含水チョコレート生地70質量部を28℃に保ちながら、上記(V)の含水チョコレートチップ30質量部を添加し、軽く混合した後、卓上ミキサーでビーターを使用して、比重1.02まで起泡させ、2種のチョコレートの比重差が0.15で、比重が最小であるチョコレートが連続相として存在するものであり、2種のチョコレートそれぞれの組成が同一であり比重のみが異なる、本発明の複合チョコレートを得た。
得られた複合チョコレートは、該複合チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散しているという、意外性のある内相を有し、且つソフトで軽い食感でありながら、瑞々しく軽い口溶けと瑞々しく厚みのある口溶けとが混在し、意外性のある食感を有するものであった。
〔実施例5〕
上記(II)の含水チョコレート生地500gをミキサーボウルに投入し、これを0℃の氷水を張ったボウルに浸け、30秒静置し、底部のみを固化させた。ここで、その固化した部分を掻きとって含水チョコレート生地中に分散させた後、卓上ミキサーでビーターを使用して、比重0.98まで起泡し、2種のチョコレートの比重差が0.12で、比重が最小であるチョコレートが連続相として存在するものであり、2種のチョコレートそれぞれの組成が同一であり比重のみが異なる、本発明の複合チョコレートを得た。
得られた複合チョコレートは、該複合チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散しているという、意外性のある内相を有し、且つソフトで軽い食感でありながら、瑞々しく軽い口溶けと瑞々しく厚みのある口溶けとが混在し、意外性のある食感を有するものであった。
〔実施例6〕
上記(I)の無水チョコレート生地500gをミキサーボウルに投入し、これを0℃の氷水を張ったボウルに浸け、30秒静置し、底部のみを固化させた。ここで、その固化した部分を掻きとって無水チョコレート生地中に分散させた後、卓上ミキサーでビーターを使用して比重1.03まで起泡し、2種のチョコレートの比重差が0.17で、比重が最小であるチョコレートが連続相として存在するものであり、2種のチョコレートそれぞれの組成が同一であり比重のみが異なる、本発明の複合チョコレートを得た。
得られた複合チョコレートは、該複合チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散しているという、意外性のある内相を有し、且つソフトで軽い食感でありながら、軽い口溶けと厚みのある口溶けとが混在し、意外性のある食感を有するものであった。
〔実施例7〕
上記(I)の無水チョコレート生地70質量部をミキサーボウルに投入し、これを0℃の氷水を張ったボウルに浸け、30秒静置し、底部のみを固化させた。ここで、その固化した部分を掻きとってチョコレート生地中に分散させた後、加糖全脂練乳70部、生クリーム30部からなる水性分を30質量部を添加混合し、さらに、卓上ミキサーでビーターを使用して、比重1.01まで起泡し、2種のチョコレートの比重差が0.19で、比重が最小であるチョコレートが連続相として存在するものである、本発明の複合チョコレートを得た。
得られた複合チョコレートは、該複合チョコレート中に異なる比重のチョコレートが視認できる状態で小片状に分散しているという、意外性のある内相を有し、且つソフトで軽い食感でありながら、瑞々しく軽い口溶けと厚みのある口溶けとが混在し、意外性のある食感を有するものであった。
〔比較例1〕
上記(III)の含気泡含水チョコレート生地を定法により、冷却固化し、均一な内相をもつ、比較例の含気泡含水チョコレートを得た。
得られたチョコレートは、ソフトで軽く、瑞々しい口溶けではあるが、均一な内相と食感を有するものであり意外性はまったくないものであった。

Claims (11)

  1. 2種以上の異なる比重のチョコレートが混在していることを特徴とする複合チョコレート。
  2. 2種以上の異なる比重の上記チョコレートの比重の差が含気泡によるものである請求項1記載の複合チョコレート。
  3. 2種以上の異なる比重の上記チョコレートの内、比重が最小であるチョコレートと、比重が最大であるチョコレートとの比重の差が0.1以上である請求項1又は2記載の複合チョコレート。
  4. 2種以上の異なる比重の上記チョコレートの内、少なくとも1種が含水チョコレートである請求項1〜3の何れかに記載の複合チョコレート。
  5. 比重が最小である上記チョコレートが、連続相として存在する請求項1〜4の何れかに記載の複合チョコレート。
  6. 2種以上の異なる比重の上記チョコレートそれぞれの組成が、略同一である請求項1〜5の何れかに記載の複合チョコレート。
  7. 比重が最小である上記チョコレートの含有量が50質量%以上である請求項1〜6の何れかに記載の複合チョコレート。
  8. 比重が最大である上記チョコレートの含有量が0.1〜50質量%である請求項1〜7の何れかに記載の複合チョコレート。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の複合チョコレートの製造方法であって、
    溶解したチョコレート生地に、該チョコレート生地と異なる比重のチョコレート及び/又は該チョコレート生地と異なる比重のチョコレート生地を混合し、これらを固化させることを特徴とする複合チョコレートの製造方法。
  10. 請求項1〜8の何れかに記載の複合チョコレートの製造方法であって、
    溶解したチョコレート生地に、固化済みのチョコレートを添加し、該溶解したチョコレート生地を含気泡させ、これらを固化させることを特徴とする複合チョコレートの製造方法。
  11. 請求項1〜8の何れかに記載の複合チョコレートの製造方法であって、
    固化したチョコレート部分及び溶解したチョコレート部分を含む不均一な状態のチョコレート生地における、該溶解したチョコレート部分を含気泡させ、これらを固化させることを特徴とする複合チョコレートの製造方法。
JP2006168095A 2006-06-16 2006-06-16 複合チョコレート及びその製造方法。 Expired - Fee Related JP4711898B2 (ja)

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