JP2007328958A - 接点機構 - Google Patents

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博之 田中
Masanori Nakamura
正則 中村
Yojiro Saruwatari
庸二郎 猿渡
Tatsuo Shinoura
達生 篠浦
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Abstract

【課題】優れた高周波特性を有する接点機構を提供することにある。
【解決手段】一対の並設した固定接点21a、22aと、前記固定接点の上端面に下面両側縁部をそれぞれ架け渡すように配置された可動接点45とからなり、前記可動接点を前記固定接点の軸心方向に沿って往復移動させて接離する接点機構である。そして、前記可動接点の上面両側縁部に切り欠き部45cを設けた(図A、図B)。この為、可動接点5に切り欠き部を設けていない従来例(図C)よりも、伝送路の断面積の変化を少なくでき、インピーダンスの変化が少ない接点機構を形成できる。この結果、高調波信号の反射や放射が少なくなり、高周波特性が向上する。
【選択図】図24

Description

本発明は接点機構、例えば、放送機器や計測機器などに使用される高周波リレーに適用される接点機構に関するものである。
従来、高周波リレーに適用される接点機構としては、例えば、特許文献1の図1および図4に示すように、複数本の並設した固定接点である中心導体7と、隣り合う前記中心導体7の上端面に下面両側縁部をそれぞれ架け渡すように配置された可動接点であるコンタクト5とからなる接点機構がある(特許文献1参照)。
そして、前記コンタクト5を前記中心導体7の軸心方向に沿って往復移動させることにより、前記コンタクト5の下面両側縁部を前記中心導体7の上端面に接離させる。
特開2000−306481号公報
しかしながら、前記接点機構では、本願の図24Cに示すように、前記コンタクト5の上面両側縁部が角張っているので、インピーダンスの変化が少ない伝送路を形成しにくい。このため、前記コンタクト5の上面両側縁部において高周波信号の反射や放射が生じやすく、高周波特性が低い。
また、前記接点機構では、グランドに接続されている隣り合うコンタクト5,5間の距離Mが短いため、高周波特性が低下するという問題点がある。
本発明は、前記問題点に鑑み、優れた高周波特性を有する接点機構を提供することを課題とする。
本発明にかかる接点機構は、前記課題を解決すべく、一対の並設した固定接点と、前記固定接点の上端面に下面両側縁部をそれぞれ架け渡すように配置された可動接点とからなり、前記可動接点を前記固定接点の軸心方向に沿って往復移動させて接離する接点機構において、前記可動接点の上面両側縁部に切り欠き部を設けた構成としてある。
本発明によれば、可動接点の上面両側縁部に切り欠き部を設けてあるので、伝送路の断面積の変化を少なくでき、インピーダンスの変化が少ない伝送路を形成できる。このため、前記可動接点の上面両側縁部において高周波信号の反射や放射が生じにくくなり、優れた高周波特性を有する接点機構が得られる。
また、可動接点の上面両側縁部に切り欠き部を設けてあるので、可動接点の上面縁部と、これに隣り合う他の可動接点の下面縁部との距離が長くなり、高周波特性がより一層向上するという接点機構が得られる。
本発明にかかる他の接点機構は、複数本の並設した固定接点と、隣り合う前記固定接点の上端面に下面両側縁部をそれぞれ架け渡すように配置された複数本の可動接点とからなり、前記可動接点を前記固定接点の軸心方向に沿って往復移動させて接離する接点機構において、前記可動接点の上面両側縁部に切り欠き部を設けておいてもよい。
本発明によれば、前述の効果に加え、複数の接点回路を同時に開閉できる接点機構が得られ、汎用性を有する接点機構が得られる。
本発明にかかる実施形態としては、前記切り欠き部が、階段面、テーパ面、または、アール面を有していてもよい。
本実施形態によれば、切り欠き部に種々の形状を必要に応じて適宜選択でき、設計時における選択範囲が広がり、設計が容易になるという効果がある。
本発明を適用した実施形態である同軸リレーを図1ないし図25の添付図面に従って説明する。
本実施形態にかかる前記同軸リレーは、大略、接点ユニット10と、可動鉄片50と、電磁石ユニット60と、制御ユニット80と、カバー90とで構成されている。
前記接点ユニット10は、ベースブロック11と、銅製シート24と、接点ブロック30とで構成されている。前記ベースブロック11は、図6に示すように、直方体であり、その上面中央に逃がし溝12が形成されている。さらに、前記ベースブロック11の逃がし溝12の周囲には、点対称となるように一対のネジ孔17a,17bが形成されている。また、前記逃がし溝12には同軸コネクタ用貫通孔13,14,15が均等のピッチで形成されている。前記貫通孔13,14,15の底面側の内周面には同軸コネクタ用雌ネジ部が設けられている。このため、前記同軸コネクタ用貫通孔13,14,15に同軸コネクタ21,22,23をそれぞれ螺合して固定することにより、前記同軸コネクタ21,22,23の先端からそれぞれ突出する固定接点21a,22a,23aが前記逃がし溝12内に突出する。さらに、前記ベースブロック11の側面には、前記ベースブロック11自身を他の場所に固定するための取付用貫通孔18,19が設けられている。
接点ブロック30は、図7に示すように、接点ベース31の上面中央に一対の操作孔31a,31bを設けてある。そして、前記操作孔31a,31bの上方開口縁部には、後述するコイルバネ41,42をそれぞれ位置決めするための環状段部が設けられている。また、図8に示すように、前記操作孔31a,31bの近傍には位置決め孔38a,38bを設けてあるとともに、固定孔39a,39bを設けてある。さらに、前記接点ベース31は、その上面隅部に支柱32,33,34,35をそれぞれ突設する一方、前記支柱32および34の間に支持壁36を突設するとともに、前記支柱33および35の間に支持壁37を突設してある。そして、前記支持壁36,37は、その上端面に位置決め用突起36a,36b,36cおよび37a,37b,37cをそれぞれ突設してある。さらに、前記支持壁36,37は、対向面隅部に位置規制用突部36d,37dをそれぞれ設けてあるとともに、同一水平軸心上で連通する位置に軸孔36e,37eをそれぞれ設けてある。なお、支持壁36の外側面のうち、前記軸孔36eの開口縁部に、組立の際の目印となるとともに、押し込み代を確保するための環状段部を設けてある。
そして、前記接点ベース31には、前記操作孔31a,31bの環状段部にそれぞれ位置決めされる略円錐台状のコイルバネ41,42と、前記コイルバネ41,42の中心に軸部43a,44aをそれぞれ挿入される断面略T字形状のプランジャ43,44とが、組み付けられる。そして、前記操作孔31a,31bから突出するプランジャ43,44の下端部が、可動接点45,46の平面略方形のカシメ孔45a,46aにそれぞれ嵌合し、カシメ固定されている。これにより、前記プランジャ43,44が上方に付勢され、かつ、上下動可能に前記接点ベース31に支持される。
図22に示すように、前記可動接点45のカシメ孔45aの下方開口縁部に、係止用凹部45bを十文字(図22B,22E,22H)、あるいは、直線状(図示せず)にプレス加工で形成しておいてもよい。熱カシメで固化した樹脂を係止することにより、可動接点45の空回りを防止するためである。
さらに、前記可動接点45は、図22A〜22Cに示すように、その上面両側縁部に階段面を備えた切り欠き部45cを設けてある。また、前記可動接点45は、図22D〜図22Fに示すように、その上面両側縁部にテーパ面を備えた切り欠き部45cを設けてもよく、また、図22G〜図22Iに示すように、その上面両側縁部にアール面からなる切り欠き部45cを設けておいてもよい。前述のように可動接点45の上面両側縁部に切り欠き部45cを設けることにより、伝送路の断面積の変化を少なくできる。このため、例えば、図24A,24Bに示すように、インピーダンスの変化が少ない接点機構を形成でき、高周波特性を向上させることができるという利点がある。
また、例えば、図23に示すように、プランジャ43の軸部43aの先端面に断面楕円形の先端部43cを突設するとともに、前記先端部43cの両側に一対の係止爪43d,43dを突設する。そして、前記先端部43cに可動接点45のカシメ孔45aを嵌合し、熱カシメして前記可動接点45を固定し、空回りを防止してもよい。さらに、可動接点45,46はプランジャ43,44に接着剤あるいはインサート成形で固定してもよい。
可動鉄片50は、図9で示すように、平面略長方形の板材であり、その下面中央に突設した一対の突き出し突起51,51に、曲げ加工が施された板バネ53のカシメ孔54,54を嵌合してカシメ固定することにより、前記可動鉄片50の片面と前記板バネ53の軸受け部55とで軸孔55aが形成される。前記板バネ53は、支軸58を支持する前記軸受け部55を中心として左右対称に形成されている。このため、板バネ53をカシメ固定した前記可動鉄片50を支持壁36,37間に位置決めし、接点ブロック30の軸孔36e,37e、および、前記可動鉄片50と板バネ53とで形成された軸孔55aに支軸58を挿入することにより、前記可動鉄片50が回動自在に支持される。この結果、前記板バネ53の弾性腕部56,57が接点ブロック30の前記第1,第2プランジャ43,44に交互に当接可能となる。
本実施形態によれば、前記軸孔55aを形成する軸受け部55の円弧面の半径は、支軸58の半径よりも大きい。このため、支軸58が板バネ53の軸受け部55に線接触し、摩擦が小さいので、優れた動作特性を有するリレーが得られる。なお、前記板バネ53の軸受け部55は断面円弧に限らず、例えば、断面三角形、あるいは、断面方形とすることにより、線接触させてもよい。
電磁石ユニット60は、コイル71,73をそれぞれ巻回した自己復帰用第1,第2スプール61,66と、ヨーク75と、第1,第2鉄芯76,77と、永久磁石79とで構成されている。
前記自己復帰用第1スプール61は、図10A,10Bおよび図14Aに示すように、筒状胴部61aの両端に一体成形した鍔部62,63のうち、一方の鍔部62に挿入した一対の略L字形コイル端子72a,72bの水平端部に、前記胴部61aに巻回したコイル71の引出線をからげてハンダ付けしてある。また、前記鍔部62の内向側縁部から側方に永久磁石79を挟持する位置決め用舌片62aが突出しているとともに、前記鍔部62の上面両側縁部から位置決め壁64,64が上方にそれぞれ突出している。さらに、前記鍔部63の内向側縁部に永久磁石79を位置規制する切り欠き部63aが設けられている。
前記自己復帰用第2スプール65は、図10C,10Dおよび図14Bに示すように、筒状胴部65aの両端に一体成形した鍔部66,67のうち、一方の鍔部66に挿入した一対の略L字形コイル端子74a,74bの水平端部に、前記胴部65aに巻回したコイル73の引出線をからげてハンダ付けしてある。また、前記鍔部66の内向側縁部から側方に永久磁石79を挟持する位置決め用舌片66aが突出しているとともに、前記鍔部66の上面両側縁部から位置決め壁68,68が上方にそれぞれ突出している。さらに、前記鍔部67の内向側縁部に永久磁石79を位置規制する切り欠き部67aが設けられている。
前記第1,第2スプール61,65の鍔部62,66を左右対称の形状としないのは、後述する永久磁石79を中央で支持せず、偏心した位置で支持することにより、磁気バランスを崩し、自己復帰型リレーを構成するためである。
なお、自己保持型リレーを構成する場合には、例えば、図10E,10Dに示すような自己保持型用スプール69の胴部69aにコイルを巻回して使用してもよい。前記スプール69の位置決め用舌片62b,切り欠き部63bは中央で永久磁石79を支持する外形形状を有している。
ヨーク75は、図15に示すように、断面略コ字形状であり、両側腕部75a,75bを前記第1,第2スプール61,65の貫通孔61b,65bにそれぞれ圧入することにより、前記第1スプール61および第2スプール65を連結一体化するとともに、後述する第1,第2鉄芯76,77とで磁気回路を構成する。
第1,第2鉄芯76,77は、図13に示すように、断面略L字形状であり、前記接点ベース31の支柱32,33および34,35の上端面に、ネジ78a,78bおよび78c,78dでそれぞれ直接固定される。このため、接点ベース31に対して第1,第2鉄芯76,77が高い組立精度で組み付けられる。そして、第1,第2鉄芯76,77の垂直部76a,77aを、前記第1,第2スプール61,66の筒状胴部61a,65aの貫通孔61b,65bにそれぞれ挿入し、前記ヨーク75の両腕部75a,75bと面接触させることにより、磁気回路を構成する。
制御ユニット80は、図19に示すように、プリント基板81に端子台82および電子部品88を実装して構成されている。
前記端子台82は、図18に示すように、その端子孔82a〜82eに入出力端子83〜87を上方側からそれぞれ圧入して下方側に突出させるとともに、シール材を注入,固化して固定してある。そして、前記端子台82の下方側から突出する入出力端子83〜87の端子部を前記プリント基板にそれぞれ電気接続してある(図20)。
前記電子部品88としては、例えば、モニター出力用小型リレーが挙げられる。
カバー90は、図21に示すように、電磁石ユニット80を搭載した接点ユニット10のベースブロック11に嵌合可能な箱形状を有し、その天井面に2本の入出力端子用長孔91,92が並設されている。
前述の構成部品の組立方法について説明する。
まず、図11に示すように、ベースブロック11の同軸コネクタ用貫通孔13,14,15に同軸コネクタ21,22,23をそれぞれ螺合して一体化する。
一方、接点ベース31に設けた操作孔31a,31bの環状段部にコイルバネ41,42をそれぞれ位置決めし、断面略T字形状のプランジ43,44の軸部43a,44aを挿入し、突出する下端部を可動接点45,46のカシメ孔45a,46aに嵌合してカシメ固定する。
本実施形態によれば、プランジャ43,44の腕部43b,44bが、接点ベース31の支持壁36,37の対向面隅部に設けた位置規制用突部36d,37dにそれぞれ当接し、位置規制される(図8A参照)。このため、プランジャ43,44および可動接点44,45は回転することがなく、可動接点44,45は固定接点21a,22a,23aに正確に接触するので、接触信頼性が高いという利点がある。なお、プランジャ43,44の位置規制手段は接点ベース31の他の部分に突設してもよい。
ついで、前記ベースブロック11と前記接点ベース31とを図示しない治具を介して位置決めするとともに、両者で銅製シート24を挟持する。前記銅製シート24は磁気シールドを行い、高周波特性を高めることができるものである。そして、前記接点ベース31の固定孔39a,39bからネジ47a,47bをベースブロック11のネジ孔17a,17bにそれぞれ螺合することにより、接点ユニット10が完成する。
そして、図12に示すように、前記接点ベース31の支持壁36,37の間に可動鉄片50を配置し、前記支持壁36,37の軸孔36e,37eおよび前記可動鉄片50の軸孔55aに支軸58を挿入することにより、前記可動鉄片50が回動可能に支持される。
次に、図13に示すように、前記接点ベース31の支柱32,33の上端面に遮磁板48を介して第1鉄芯76を位置決めし、ネジ78a,78bで固定する。同様に、前記接点ベース31の支柱34,35の上端面に第2鉄芯77を位置決めし、ネジ78c,78dで固定する。前記第1,第2鉄芯76,77の位置決めは図示しない治具を介して行ってもよい。また、必要に応じて接点ベース31の両側に遮磁板を配置しておいてもよい。
一方、図14Aに示すように、第1スプール61の鍔部62にコイル端子72a,72bを側方から挿入した後、胴部61aに巻回したコイル71の引出線を前記コイル端子72a,72bの突出する水平端部にからげてハンダ付けする。同様に、図14Bに示すように、第2スプール65の鍔部66にコイル端子74a,74bを側方から挿入した後、胴部65aに巻回したコイル73の引出線を前記コイル端子74a,74bの突出する水平端部にからげてハンダ付けする。
そして、図15に示すように、前記第1,第2スプール61,65を位置決めし、前記筒状胴部61a,65aの貫通孔61b,65bにヨーク75の腕部75a,75bをそれぞれ圧入して一体化する。ついで、図16に示すように、前記前記第1,第2スプール61,65の位置決め用舌片62a,66aの間、および、鍔部63,67の切り欠き部63a,67aの間に、永久磁石79を挿入することにより、永久磁石79の上端面がヨーク75の下面に吸着する。
さらに、図17に示すように、接点ユニット10に組み付けた第1,第2鉄芯76,77の垂直部76a,77aを、第1,第2スプール61,65の筒状胴部61a,65aの貫通孔61b,65bにそれぞれ挿入することにより、ヨーク75の腕部75a,75bと第1,第2鉄芯76,77の垂直部76a,77aとをそれぞれ面接触させる(図2および図3参照)。このため、永久磁石79の下端面に可動鉄片50が回動可能に吸着する。そして、前記貫通孔61b,65b内にシール材を注入,固化することにより、前記腕部75a,75bと垂直部76a,77aとを接着一体化し、接点ユニット10に電磁石ブロック60を固定する。
本実施形態によれば、可動鉄片50が永久磁石79の下端面に回動可能に吸着しているとともに、板バネ53の弾性腕部56,57がプランジャ43,44を下方側に付勢しているため、可動鉄片50が上方に押し上げられた状態となる。一方、支軸58は支持壁36,37の軸孔36e,37eに挿入され、支持されている。このため、支軸58は可動鉄片50に接触せず、支軸58の下面が板バネ53の軸受け部55の内周面に常時、線接触することになり、その接触部分を支点として可動鉄片50が回動可能に支持される。この結果、板バネ53が支軸58に線接触するので、摩擦が小さく、寿命が長いとともに、回動軸心のブレが少なく、動作特性の良いリレーが得られるという利点がある。
また、本実施形態によれば、軸孔36e,37eを有し、かつ、上下面が基準面となる接点ベース31を、ベースブロック11と電磁石ブロック60とで挟持する。このため、高い組立精度を確保でき、優れた動作特性を有するリレーが得られるという利点がある。
そして、前記接点ベース31の支柱32,33,34,35と支持壁36,37との空隙から前記板バネ53の腕部56,57を曲げることにより、動作特性の調整を行う。
したがって、本実施形態によれば、前記空隙から板バネ53の弾性腕部56,57を曲げて動作特性を調整できるので、作業性が高く、歩留まりの良いリレーが得られるという利点がある。
その後、図20に示すように、端子台82および電子部品88を実装した制御ユニット80のプリント基板81を、鍔部62,66の位置決め壁64,68に載置するとともに、電磁石ユニット60のコイル端子72a,72bおよび74a,74bの垂直上端部に電気接続し、一体化する(図21)。
前記電磁石ユニット60を搭載した接点ユニット10にカバー90を嵌合することにより、長孔91,92から入出力端子83〜88が突出する。そして、前記カバー90の開口縁部に設けた切り欠き部にシール材を注入固化するとともに、前記カバー90の長孔91,92にシール材を注入,固化してシールする。
次に、前記同軸リレーの動作について説明する。
まず、図3に示すように、コイル71,73に電圧が印加されていない場合、永久磁石79が中央になく、かつ、遮磁板48を片側だけに配置して磁気バランスを崩してあるので、可動鉄片50の他端部50bが第2鉄芯77に吸着している。このため、前記板バネ53の弾性腕部56がプランジャ43をコイルバネ41のバネ力に抗して下方側に押し下げている。この結果、可動接点45の両端部が固定接点21a,22aにそれぞれ圧接し、電気回路を閉成している。
すなわち、図24Aに示すように、固定接点21a,22aの上端面に可動接点45の下面両側縁部が接触している。しかし、前記可動接点45の上面両側縁部に切り欠き部45cを設けてある。このため、可動接点5に切り欠き部を設けていない従来例(図24C)よりも、伝送路の断面積の変化を少なくでき、インピーダンスの変化が少ない接点機構を形成できる。この結果、高周波信号の反射や放射が少なくなり、高周波特性が向上する。
また、可動接点5に隣り合う可動接点6との距離Lが大きいので、距離M(図24C)である従来例よりも高周波特性がより一層向上するという利点がある。図24Bに示すように、可動接点45,46の上面両側縁部にテーパ面(図24B)、あるいは、アール面を備えた切り欠き部45cを設けた場合も同様な効果が得られる。
そして、前記可動鉄片50の一端部50aを吸引するように前記コイル71,73に電圧を印加すると、可動鉄片50の他端部50bが第2鉄芯77に反発するとともに、一端部50aが第1鉄芯76に吸引される。このため、可動鉄片50に組み付けた支軸58の下端面と軸孔55の内周面とが線接触する部分を支点として可動鉄片50が回動する。この結果、板バネ53の弾性腕部56がプランジャ43から開離した後、弾性腕部57がコイルバネ42のバネ力に抗してプランジャ44を押し下げる。このため、可動接点45の両端部が固定接点21a,22aから開離した後、可動接点46の両端部が固定接点22a,23aに吸着する。
そして、前記コイル71,73に対する電圧を遮断すると、可動鉄片50の左右の磁気バランスが崩れ、コイルバネ42および板バネ53のバネ力の合力が永久磁石79の磁力よりも相対的に大きくなる。このため、可動鉄片50の他端部50bが第2鉄芯77に吸引され、可動鉄片50が支軸58の下端面を支点として回動する。この結果、板バネ53の弾性腕部57がプランジャ44から開離するとともに、弾性腕部56がプランジャ43を押し下げる。そして、可動接点46が固定接点22a,23aから開離した後、可動接点45の両端部が固定接点21a,22aに圧接し、元の状態に復帰する。
本実施形態では、自己復帰型リレーについて説明したが、例えば、図10E,10Fに示した一組の自己保持型用スプール69を使用し、永久磁石79を中央で保持することにより、自己保持型リレーを構成してもよい。
図24A,24Bに示すように、階段面またはテーパ面を備えた切り欠き部45Cを有する実施例について電圧定在波比(V.SWR)の理論解析を行った。比較例として、図24Cに示す従来例のように可動接点5に切り欠き部を設けない場合についても理論解析を行った。
また、テーパ面を備えた切り欠き部を有する実施例および比較例については、可動接点が片側のみに存在する場合についても理論解析を行った。解析結果を図25に示す。
図25から明らかなように、階段面またはテーパ面を備えた実施例は、いずれも比較例よりも下回っており、高周波特性が優れていることを確認できた。
また、片側のみに可動接点を配置した場合にも、テーパ面を備えた実施例が比較例を下回り、高周波特性がより一層優れていることを確認できた。
本発明にかかる接点機構は、前述の同軸リレーに限らず、他の電子部品にも適用できるものである。
本発明に係る接点機構の実施形態を示す同軸リレーの斜視図である。 図1で示した同軸リレーからカバーを外した状態を示す斜視図である。 図1で示した同軸リレーの動作前の断面図である。 図1で示した同軸リレーの動作後の断面図である。 図1で示した同軸リレーの分解斜視図である。 図5で示した斜視図の部分拡大斜視図である。 図5で示した斜視図の異なる部分拡大斜視図である。 図8A、8B、8Cおよび8Dは接点ブロック30の平面図、正面図、底面図および斜視図である。 図9A、9Bおよび9Cは可動鉄片の斜視図、正面図および底面図である。 図10A、10Bは自己復帰用第1スプールを示す平面図および正面図であり、図10C、10Dは自己復帰用第2スプールを示す平面図および正面図であり、図10E,10Fは自己保持用スプールを示す平面図および正面図である。 接点ユニットの組立方法を説明するための斜視図である。 接点ユニットに可動鉄片を組み付ける方法を説明するための斜視図である。 接点ユニットに第1,第2鉄芯を組み付ける方法を説明するための斜視図である。 図14A,14Bは第1,第2スプールの組立方法を説明するための斜視図である。 第1,第2スプールにヨークを組み付ける方法を説明するための斜視図である。 第1,第2スプールに永久磁石を組み付ける方法を説明するための斜視図である。 接点ユニットに電磁石ユニットを組み付ける方法を説明するための斜視図である。 図18A,18Bは制御ユニットの組立方法を説明するための斜視図である。 図19はプリント基板に端子台および電子部品を組み付ける方法を説明するための斜視図である。 電磁石ユニットに制御ユニットを組み付ける方法を説明するための斜視図である。 接点ユニットおよび電磁石ユニットにカバーを組み付ける方法を説明するための斜視図である。 図22A,22Bおよび22Cは可動接点に階段面を有する切り欠き部を設けた場合を示す上方斜視図、底面図および下方斜視図であり、図22D,22Eおよび22Fは可動接点にテーパ面を有する切り欠き部を設けた場合を示す上方斜視図、底面図および下方斜視図であり、図22G,22Hおよび22Iは可動接点にアール面を有する切り欠き部を設けた場合を示す上方斜視図、底面図および下方斜視図である。 図23A,23Bおよび23Cはプランジャに可動接点を取り付ける別の方法を説明するための斜視図および底面図である。 図24Aおよび24Bは本願発明の実施例を示す概略説明図であり、図24Cは比較例(従来例)を示す概略説明図である。 本願発明および比較例に係る接点機構の高周波特性の解析結果を示すグラフ図である。
符号の説明
10:接点ユニット
11:ベースブロック
12:逃がし溝
13,14,15:同軸コネクタ用貫通孔
18,19:取付用貫通孔
21,22,23:同軸コネクタ
21a,22a,23a:固定接点
24:銅製シート
30:接点ブロック
31:接点ベース
31a,31b:操作孔
32,33,34,35:支柱
36,37:支持壁
36a,36b,36c,37a,37b,37c:位置決め用突起
36d,37d:位置規制用突部
36e,37e:軸孔
41,42:コイルバネ
43,44:プランジャ
45,46:可動接点
45a,46a:カシメ孔
45b:係止用凹部
45c:切り欠き部
50:可動鉄片
53:板バネ
55:軸受け部
55a:軸孔
56,57:弾性腕部
58:支軸
60:電磁石ユニット
61,65:自己復帰型用第1,第2スプール
61a,65a:胴部
61b,65b:貫通孔
62,63,66,67:鍔部
62a,66a:位置決め用舌片
64,68:位置決め壁
69:自己保持型用スプール
71,73:コイル
72a,72b,74a,74b:コイル端子
75:ヨーク
75a,75b:腕部
76,77:第1,第2鉄芯
76a,77a:垂直部
79:永久磁石
80:制御ユニット
81:プリント基板
82:端子台
83〜87:入出力端子
88:電子部品
90:カバー
91,92:長孔

Claims (5)

  1. 一対の並設した固定接点と、前記固定接点の上端面に下面両側縁部をそれぞれ架け渡すように配置された可動接点とからなり、前記可動接点を前記固定接点の軸心方向に沿って往復移動させて接離する接点機構において、
    前記可動接点の上面両側縁部に切り欠き部を設けたことを特徴とする接点機構。
  2. 複数本の並設した固定接点と、隣り合う前記固定接点の上端面に下面両側縁部をそれぞれ架け渡すように配置された複数本の可動接点とからなり、前記可動接点を前記固定接点の軸心方向に沿って往復移動させて接離する接点機構において、
    前記可動接点の上面両側縁部に切り欠き部を設けたことを特徴とする接点機構。
  3. 切り欠き部が、階段面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の接点機構。
  4. 切り欠き部が、テーパ面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の接点機構。
  5. 切り欠き部が、アール面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の接点機構。
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