JP2007327098A - 高強度熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】孔拡げ率が均一な引張強度480MPa以上の熱延鋼板とその製造方法を提供する。
【解決手段】
C:0.02〜0.20%、Si:2.0%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.005〜1.0%、N:0.01%以下、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、板厚方向の1/4t位置におけるフェライト面積率α(1/4t)と1/2t位置におけるフェライト面積率α(1/2t)とをともに50%以上とし、かつこれらの面積率比α(1/4t)/α(1/2t)を0.95以上とし、さらに鋼帯の幅方向位置1/8w〜7/8wの範囲の最大長さ5mm以上の島状スケール疵の面積率を10%以下とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、高強度熱延鋼板およびその製造方法に関する。特に本発明は、自動車等各種産業機械に用いられる構造用部材の素材、例えば自動車の足廻り部品やバンパー等の補強材、あるいは孔拡げ加工性が重要なホイール用の素材として好適な、特に孔拡げ性の均一性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法に関する。
近年、特に自動車用部材において、燃費の向上を目的として高強度鋼板に対する需要が高まっている。特に地球環境の保護という観点から、自動車の各種部材を薄肉化して車体質量を軽減し、燃費向上による排出ガスの削減が図られており、自動車の各種部材の中でも大型部材であるフレームや足廻り部品、バンパー等の補強材等を軽量化することによって、車体質量の軽減が極めて有効に行える。このフレームや足廻り部品またはホイールリムなどに求められる鋼板の機械特性には、強度、延性、曲げ加工性、孔拡げ性などがある。
このうち強度、延性については、熱間圧延段階での仕上げ温度、巻き取り温度の調整によって、比較的均一なものが得られるが、特に孔拡げ率については、上記の温度を均一にしても、バラツキが大きく、加工歩留まり低下の原因となっていた。
このバラツキの問題に対して、特許文献1は、粗圧延前に鋳片を幅方向に圧延(サイジング)することで孔拡げ率の均一性を確保している。しかしながら、この技術の対象としている鋼板はSi≦0.1%の鋼板についてであり、Si>0.1%の鋼板については記述がない。
一方、孔拡げ性の向上を図る従来技術として、特許文献2にあるような、フェライト粒を十分成長させて穴拡げ性を低下させずに延性を改善し、その後に析出物を生成させて強度を確保するものが提示されている。しかし、孔拡げ率のバラツキについては記述がない。
強度と延性を確保する場合、複合組織鋼(Dual−Phase鋼;以下「DP鋼」ともいう。)を用いることが多い。その際に主相と、第2相の強度差を強度や硬度の差を減少させることで孔拡げ率が向上できることが特許文献3に開示されているが、やはり孔拡げ率のバラツキについては記述されていない。
特開平08−302426号公報 特開2002−180188号公報 特開平11−189842号公報
本発明は、前述のような従来技術のもつ問題点を解決する、機械特性、特に孔拡げ率が均一な高強度熱延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、熱延鋼板における孔拡げ率の不均一性について鋭意研究を進めた結果、高強度熱延鋼板では、素材である鋳片のミクロ偏析により局在した溶質元素によって、相変態の感受性が変化し、厚み方向の組織が不均一になることによって、孔拡げの不安定さを生じていることを新たに知見した。
すなわち、[C]≦0.40%の溶鋼を、連続鋳造機を用いて鋳造した鋳片の断面をエッチングして観察すると、その凝固組織はデンドライト組織になっており、凝固時にデンドライト樹間でミクロな成分偏析が生じる。しかし、これまで圧延後鋼板品質に影響を与える因子として問題視されていたのは、鋳片断面の最終凝固位置に生じるマクロ偏析であった。本発明者らは、孔拡げ率の均一性が得られない鋼板は、鋼板厚み方向にフェライト面積率の変動があることを見出した。そしてこの面積率の変動は鋳片のミクロ偏析に起因していると推定し、鋳込み条件を変えた鋳片から同一条件で鋼板を製造し、その違いを調査した。その結果、鋳片厚みが1/4t位置での平均冷却速度があるしきい値以上になると、デンドライトの一次アーム間隔が0.1mm以下となってミクロ偏析が軽減され、その鋳片を用いて製造した鋼板では、厚み方向フェライト面積率が均一化され、孔拡げ性の均一性が確保可能となることを新たに知見したのである。
本発明は上記新知見に基づくものであり、本発明の要旨は以下の熱延鋼板とその製造方法に係るものである。
(1)質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:2.0%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.005〜1.0%、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、板厚方向の1/4t位置におけるフェライト面積率α(1/4t)と1/2t位置におけるフェライト面積率α(1/2t)とがともに50%以上であり、かつこれらの面積率比α(1/4t)/α(1/2t)が95%以上であり、さらに鋼帯の幅方向位置1/8w〜7/8wの範囲における最大長さ5mm以上の島状スケール疵の面積率が10%以下であることを特徴とする引張強度480MPa以上の高強度熱延鋼板。
(2)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下およびW:0.5%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)に記載の高強度熱延鋼板。
(3)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)または(2)に記載の高強度熱延鋼板。
(4)前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
(5)上記(1) 〜(4) のいずれかに記載の化学組成の溶鋼を、鋳片厚みの1/4t位置での冷却速度を下記式1で求められる最小冷却速度V以上として連続鋳造法により鋳片となし、前記鋳片を1100℃〜1300℃として粗熱間圧延を施して粗バーとなし、前記粗バーを下記式2で求められる限界温度T以上としてデスケーリングした後にAr点〜Ar+150℃で圧延を完了する仕上熱間圧延を施して熱延鋼板とし、前記仕上熱間圧延の完了後3秒以内に冷却を開始して平均冷却速度20〜150℃/秒で760〜600℃の温度域の所定温度まで冷却する1次冷却と、前記1次冷却後2〜20秒間空冷する中間空冷と、前記中間空冷後10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する2次冷却とを前記熱延鋼板に施して、250℃以下で巻き取ることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
最小冷却速度V(℃/秒)=
{(溶鋼温度−凝固開始温度)×([C]+0.03[Si]+0.05[Mn]
+0.07[S]+0.01[P]+0.02[A群元素の合計]
+0.02[B群元素の合計]+0.01[C群元素の合計])}0.2
×0.1・・・・・(式1)
ここで、
(A群)Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下、W:0.5%以下
(B群)Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、B:0.01%以下
(C群)REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下
である。
限界温度T(℃)=
168.15×{(5×P+Al)/Si}−245.12
×(5×P+Al)/Si+1170・・・・・(式2)
本発明によれば、引張強度が480MPa以上で孔拡げ率のバラツキが抑制された熱延鋼板が得られる。
本発明における上述のような化学組成の成分範囲の限定理由について説明する。なお、本明細書において、化学組成の「%」表示はすべて「質量%」である。
C:0.02%〜0.20%
Cは鋼の強度を確保するのに必要な元素であり、480MPa以上の引張強度を確保するためには重要な元素である。C含有量が0.02%未満であると、十分な第2相の析出ができなくなるため、480MPa以上の引張強度を確保できなくなる。そのため下限は0.02%とする。一方0.20%を超えると製品の溶接性が低下する。したがってCの含有量を0.02〜0.20%とした。
なお、容易に590MPa以上の高強度を得るには0.03%以上、780MPa以上の高強度を得るには0.04%以上とするのが望ましい。
Si:2.0%以下
Siは固溶強化によってフェライト相を強化できるだけでなく、フェライトの生成を促進し、未変態オーステナイト中にCを濃縮させ、第2相をマルテンサイトとすることを容易にする。そのため、Siの含有は、高強度で高延性であるDP鋼をつくる場合には重要であり、その場合は、Si含有量を0.2%以上とする。特に、高強度で高延性型のDP鋼とするにはSiの含有量を0.4%以上とすることが望ましい。
Si含有量が2.0%超の場合は、熱間圧延に供する前の高温状態にある段階で鋼材表面に液体のスケールが生成し、地鉄内部へクサビ状に生成する。熱間圧延前のデスケーリングにおいて、このクサビ状スケールが固化して剥離性の悪い、いわゆる「Siスケール」が発生する。このようなSiスケールが生成すると、完全にはデスケーリングされないまま熱間圧延が行われるので、酸洗前の熱延板表面には島状スケールが顕著に発生し、圧延後の鋼板または酸洗後の表面には島状スケール疵が残り美観が損なわれる。そのため、Si含有量を2.0%以下とする。
Mn0.5〜3.0%
Mnは、鋼の焼入性を高め強度を上昇させるのに有効な元素であるが、その含有量が0.5%未満では、必要量の第2相を生成させることができず、十分な強度と延性を得ることができない。一方3.0%を超えて、Mnを含有させてもその効果は飽和してしまうため、コストの増大をもたらす。容易に高強度の第2相を生成させるための焼き入れ性を確保するには、Mnを1.0%以上含有させることが望ましい。
P:0.05%以下
Pは固溶強化に働く元素であり、高強度化のために有効である。しかし、Pは凝固時に偏析し易い元素であるため多量に添加した場合には、鋳片でのマクロおよびミクロ偏析が不均一となり、目的とする孔拡げ均一性を得ることができない。このため、P含有量は0.05%以下とする。偏析防止の観点からは0.025%以下とすることが望ましい。
一方、Pは溶鋼の不純物として不可避的に含有され、過度に除去する場合には製造コストの増加が著しくなる。製造コストの観点からP含有量を0.005%以上とすることが望ましい。
S:0.02%以下
Sは、各元素と硫化物を生成し、鋼板の加工性を悪化させるため、可能な限り低減する必要のある不純物である。またPと同様に凝固時に偏析し易い元素であるため多量に含有する場合には、鋳片でのマクロおよびミクロ偏析が不均一となり、目的とする孔拡げ均一性を得ることができない。そのため、含有量の上限を0.02%とした。望ましい上限は、0.01%である。
Al:0.005〜1.0%
Alは、鋼の脱酸に有用な元素である。その効果を得るには、少なくとも0.005%の含有量が必要である。一方、その含有量が1.0%を超えると、粗大なアルミナ系介在物が増加して、加工性が著しく低下する。したがって、Al含有量を0.005〜1.0%とする。Alを0.1%超含有させることにより、フェライト生成が促進し、孔拡げ特性の更なる向上が図れ、さらに、FeO/FeSiOの共晶温度が低下するため、脱スケール性が向上し、島状スケール疵が減少する。
N:0.01%以下
Nは、各元素と結合して窒化物を形成する。窒化物は延性を劣化させる傾向を有するため、できるだけ低減するのが望ましいが、含有量が0.01%以下であれば、無害化できる。そのため、上限を0.01%とした。製鋼段階でのN低減コストと材料特性とのバランスから、N含有量は0.0005%〜0.0050%とするのが好ましい。
(A群)Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下およびW:0.5%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上
Ti、Nb、V、Wは析出強化によって強度を高める元素であり、強度を一層高める作用を有し、2種以上含有させても、それぞれの作用効果は失われない。但し、その作用効果は、Ti:0.5%、Nb:0.5%、V:0.5%およびW:0.5%をそれぞれ超えて含有させても飽和する。このためコストの観点から各元素の含有量をTi:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下およびW:0.5%以下として、これらの群から選ばれる1種または2種以上を含有させることが好ましい。またその作用効果は、Tiについては0.01%以上、Nbについては0.005%以上、Vについては0.01%以上、Wについては0.01%以上を含有させることにより確実に得られることから、それらを含有量の下限とすることが好ましい。
(B群)Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下から選ばれる1種または2種以上
Cr、Mo、Cu、NiおよびBは固溶強化によって強度を高める元素であり、強度を一層高める作用を有し、2種以上含有させても、それぞれの作用効果は失われない。但し、その作用効果は、Cr:1.0%、Mo:1.0%、Cu:1.0%、Ni:1.0%およびB:0.01%をそれぞれ超えて含有させても飽和する。このためコストの観点から各元素の含有量をCr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下として、これらの群から選ばれる1種または2種以上を含有させることが好ましい。またその作用効果は、Crについては0.05%以上、Moについては0.05%以上、Cuについては0.05%以上、Niについては0.05%以上、Bについては0.0002%以上含有させることにより確実に得られることから、それらを含有量の下限とすることが好ましい。
(C群)REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%からなる群から選ばれる1種または2種以上
REM、MgおよびCaは硫化物、酸化物などの介在物を球状化し無害化させることができ、2種以上含有させても、それぞれの作用効果は失われない。但し、その作用効果は、REM:0.1%、Mg:0.01%およびCa:0.01%をそれぞれ超えて含有させても飽和する。このためコストの観点から、各元素の含有量をREM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下として、これらの群から選ばれる1種または2種以上を含有させることが好ましい。またその作用効果は、REMについては0.005%以上、Mgについては0.0005%以上およびCaについては0.0005%以上含有させることにより確実に得られることから、それらを下限とするのが好ましい。
ここで、REMとは、Sc、Y及びランタノイドの合計17元素を指し、ランタノイドの場合、工業的にはミッシュメタルの形で添加される。なお、本発明では、REMの含有量はこれらの元素の合計含有量を指す。
本発明にかかる鋼板の組成としては、その他、不純物およびFeからなるが、不純物としては、Co、As、Se、Sb、Sn、Te、Ta等が例示され、合計0.03%以下程度は許容される。 次に、本発明にかかる高強度熱延鋼板の組織は、以下のように規定される。なお、本明細書において組織割合を示す「%」は「面積%」を意味する。
引張強度が480MPa以上の領域で、孔拡げ率の均一性を得るためには、金属組織において、板厚方向1/4tと1/2tの位置(t:板厚)におけるフェライトの面積率が均一であることが必要である。そのための指標としては、板厚方向1/4tと1/2tにおけるフェライトの面積率をそれぞれα(1/4t)とα(1/2t)とすると、その面積率比R=α(1/4t)/α(1/2t)を0.95以上とする。
ここで、α(1/4t)とα(1/2t)とはともに50%以上とする。双方のフェライト面積率が50%未満の場合、孔拡げに必要な延性を確保できず、孔拡げ率が低下し、孔拡げ率のバラツキも大きくなる。それぞれの位置におけるフェライト面積率の上限は特に限定しないが95%とすることが好ましい。フェライト面積率が95%超となると、強度確保に必要な第2相の面積率が低下し、所定の引張り強度を得ることが困難になるからである。
フェライト以外の第2相は、所定の強度を得られるならば、マルテンサイト、ベイナイト等、特に限定する必要はない。
したがって、本発明にかかる熱延鋼板の組織は一般にはフェライトを第1相としたDP鋼組織にあるが、実質上すべてがフェライト組織であってもよい。
板厚方向のフェライト面積比を均一にすることで、孔拡げ率のバラツキが抑制される理由は十分に解明されていないが、孔拡げ加工は局所的な加工を板厚方向と板幅、板圧延方向に連鎖的に行うため、延性をもつフェライト組織が板厚方向で不均一となった場合に、孔拡げ加工時に破断を生じ易くなり、孔拡げ率が不均一になるものと推定される。
なお、上記フェライト面積率の条件は、板幅方向に亘って満足されていることが好ましい。例えば、幅方向に150mm間隔で測定したフェライト面積率(幅方向端部を除く)が総て上記条件を満足することが好ましい。
本発明にかかる熱延鋼板の表面性状は次の通り規定される。
鋼板の幅方向位置1/8w〜7/8wの範囲における最大長さ5mm以上の島状スケール疵を面積率で10%以下とする。ここに「島状スケール疵」とは、酸洗前の熱延鋼板においては、熱間圧延に供する前の高温状態にある段階で鋼材表面に生成するいわゆる一次スケールが、熱間圧延前の高圧水等によるデスケーラで除去しきれずに残存し、後続の熱間圧延時に鋼板表面に押込まれ伸ばされて島状となった赤スケールと称される部分を云い、酸洗後の熱延鋼板においては、前記赤スケールの部分が酸洗後において他の正常部に比して粗い表面状態を呈し疵部として認識される部分を云う。鋼板の幅方向位置1/8w〜7/8wの範囲における最大長さ5mm以上の島状スケール疵が面積率で10%超の場合、外観が美麗でないばかりか、鋼板表面の粗さの不均一性に起因して孔拡げ性の均一性の確保が困難になる。最大長さが5mm未満の島状スケール疵だけであれば、また最大長さ5mm以上の島状スケール疵の面積率が10%未満であればその悪影響が小さい。島状スケールの評価領域を鋼板の幅方向位置1/8w〜7/8wの範囲に規定するのは、端部を除く趣旨である。
つまり、本発明が目的とする孔拡げ率の均一性の確保は需要家の使用段階におけるものであるから、上記鋼板には熱間圧延直後の状態における先端部や後端部における非定常部等は含まれない。
ここで、本発明にかかる上述のような高強度熱延鋼板の製造方法について説明すると次の通りである。
(製鋼工程)
精錬段階では、特別な方法で成分調整を実施する必要はなく、現状技術で本発明において規定するような成分に調整すればよい。
連続鋳造段階では、溶鋼成分と溶鋼過熱度(溶鋼温度−凝固開始温度)に応じて鋳片冷却速度を調整する。すなわち、鋳片厚1/4t位置での冷却速度を、下記式1で計算される最小冷却速度V以上とする。
最小冷却速度V(℃/s)=
{(溶鋼温度−凝固開始温度)×([C]+0.03[Si]+0.05[Mn]
+0.07[S]+0.01[P]+0.02[A群元素の合計]
+0.02[B群元素の合計]+0.01[C群元素の合計])}0.2
×0.1・・・・・(式1)
ここで、
(A群)Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下、W:0.5%以下
(B群)Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、B:0.01%以下
(C群)REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下
である。
冷却速度の変更方法については、以下のような方法が挙げられる。
(1)鋳片の冷却は通常、水冷銅鋳型を通して行われる一次冷却と、鋳型を出た鋳片に直接冷却水をかけて冷却する二次冷却とに分けられる。これらの冷却水量を調整することで冷却速度を変化させることができる。
(2)鋳片厚みの変更によって、同じ水量であっても、1/4tの位置(t:鋳片厚さ)での冷却速度を変化させることができる。
(3)電磁攪拌装置等により、凝固中の溶鋼に駆動力を与えることで冷却速度を変化させることができる。
もちろん、上記の他の手法により冷却速度を変更しても構わない。このときの冷却速度は実際に測定してもあるいは計算により求めることもできる。
以上のような方法を使って最小冷却速度(V)以上で凝固させた鋳片の、鋳片厚1/4tの位置におけるデンドライト一次アーム間隔は0.1mm以下となっており、デンドライト樹間に発生するミクロ偏析は極めて小さくなっている。
そのため、圧延後の組織についても、ミクロ偏析による相変態の不均一さを生じることを抑制し、孔拡げ率のバラツキを減少することが可能となる。
(熱間圧延)
本発明にかかる鋼板を得るためには、上記連続鋳造により得られた鋳片を1100℃〜1300℃として粗熱間圧延を施して粗バーとなし、前記粗バーを下記式2で求められる限界温度T以上としてデスケーリングした後にAr点〜Ar+150℃で圧延を完了する仕上熱間圧延を施して熱延鋼板とし、前記仕上熱間圧延の完了後3秒以内に冷却を開始して平均冷却速度20〜150℃/秒で760〜600℃の温度域の所定温度まで冷却する1次冷却と、前記1次冷却後2〜20秒間の空冷と、前記空冷後10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する2次冷却とを前記熱延鋼板に施して、250℃以下で巻き取る。
限界温度T(℃)=
168.15×{(5×P+Al)/Si}−245.12
×(5×P+Al)/Si+1170(℃)・・・・・(式2)
(1)粗熱間圧延に供する連続鋳造鋳片温度
粗熱間圧延に供する連続鋳造鋳片温度は、1100℃以上である。前記温度が、1100℃未満であると、鋳片中にわずかに残存しているミクロ偏析が拡散できず、そのミクロ偏析から変態組織のバラツキが発生し、孔拡げ性が不均一となる。また、鋳片中に存在する粗大な析出物や硫化物、窒化物が再固溶せず、熱間圧延後の鋼板に残存し、著しく、延性と孔拡げ率を劣化させる。
前記温度の上限は1300℃とする。1300℃超であると、鋳片が自重で変形し、圧延トラブルの原因となることがある。
なお、本発明においては、熱間圧延に供する連続鋳造鋳片温度が上記温度域にあればよく、1100℃未満の温度となった連続鋳造鋳片を加熱する場合のみならず、連続鋳造鋳片を1100℃未満の温度に低下させることなく熱間圧延に供する場合も含まれる。
(2)仕上熱間圧延前の粗バー温度
粗熱間圧延により得られた粗バーを粗バーの表面に生成するFeO/FeSiOの共晶温度以上、具体的には、T(℃)=168.15×{(5×P+Al)/Si}−245.12×(5×P+Al)/Si+1170(℃)として規定される限界温度T(℃)以上とした後、デスケーリングを実施する。
スケールは、その生成量が多くなるほど、スケールの内部に圧縮応力が発生し、粗バーとスケールとの界面に生成するボイドの生成量も増加する。粗熱間圧延完了からデスケーリング開始までにスケール生成が進行するほど、発生した圧縮応力及び生成したボイドの相互作用により、粗バーの表面に生成するスケールは剥離し易いものとなる。デスケーリング前の粗バーの温度が上記限界温度T(℃)未満であると、粗バー表面に生成するスケール量が少ない。そのため粗バーへのデスケーリング性が悪化し、島状スケール疵が発生する。
Si含有量が0.2%以上であるSi含有鋼は、高温かつ長時間のスラブ加熱によってSi酸化物(FeSiO)が母材及びスケールの界面に濃化することによってスケール(FeO)の生成が抑制される。ここで、一般的に、スケールの生成量を増加するには鋼板温度を高く設定すればよいが、Si含有鋼ではこの酸化抑制効果がかなり大きいために、鋼板温度を多少高めた程度ではスケールの生成量はあまり増加しない。
FeO/FeSiOの共晶温度である約1177℃以上に維持されておれば、Si含有鋼のSi量が高くとも、あるいはSiが界面に濃化していようとも、FeSiOが溶融することで、スケール生成の抑制効果はなくなり、スケールの生成が進行する。
FeO/FeSiOの共晶温度は粗バーの組成、特にP、Alを含有するとこの共晶温度は低下し、T(℃)=168.15×{(5×P+Al)/Si}−245.12×(5×P+Al)/Si+1170(℃)以上の温度であれば、FeO/FeSiOの共晶温度以上となり、その温度加熱後にデスケーリングを実施すれば、鋼板表面のスケール疵は減少する。
本発明においては、粗バーが上記限界温度T以上であればよいので、粗熱間圧延機と仕上熱間圧延機の間に誘導加熱等による粗バー加熱装置を配して、前記粗バー加熱装置により限界温度T以上とする場合のみならず、粗圧延完了温度をT以上としてもよい。一般的には、粗圧延完了温度を限界温度T以上とするには粗熱間圧延に供する鋳片の温度を高温とする必要が生じてコスト的に不利となることから、上述したように粗バー加熱装置を配して加熱することが好ましい。
デスケーリング
デスケーリング装置は、公知のデスケーリング装置であればよい。例えば、粗バーの幅方向へ粗バーの表面へ高圧水を、高圧水吐出圧:10MPa以上100MPa以下及び粗バー単位幅当たり流量:0.01(m/s/m)以上0.4(m/s/m)以下の条件で噴射するための噴射用ノズルを複数個配置されたデスケーリング装置を用いることができる。また、スケール除去時の粗バーの移動速度は0.1(m/s)以上2.5(m/s)以下とすることができる。なお、仕上げ圧延前にデスケーリングを行う際の粗バーの温度も特に限定を要さない。
熱間圧延完了温度
熱間圧延は、Ar点〜Ar点+150℃の温度範囲で完了する。
熱間圧延完了温度がAr点未満では、フェライト域圧延となり加工フェライトが生成するため、相変態で生じるフェライトとの間に強度のバラツキが生じて、孔拡げ性の均一性が劣化する。あるいは、圧延時体積膨張が起こり、圧延トラブルが発生することが考えられる。
一方、熱間圧延完了温度がAr点+150℃超では、後述する熱間圧延後の急冷によってフェライトの生成が抑制され、フェライトの面積率が50%未満となり、板厚方向の面積率にもバラツキを生じ、孔拡げ率のバラツキが大きくなる。
熱間圧延完了後の冷却工程
熱間圧延完了後、3秒以内に1次冷却を開始して平均冷却速度20〜150℃/秒で760〜600℃の温度域の所定温度まで1次冷却し、1次冷却後2〜20秒間空冷を行い、その後平均冷却速度10℃/秒以上で2次冷却して250℃以下の温度で巻き取りを実施することにより、所望の金属組織を得ることができる。
熱間圧延完了後から1次冷却開始までの時間が3秒超の場合、または、1次冷却開始までの時間が3秒以内であっても1次冷却の平均冷却速度が、20℃/秒未満であると、α(1/2t)がα(1/4t)よりも過大となって面積率にバラツキが生じ、孔拡げ率の均一性が損なわれる。
一方、1次冷却の平均冷却速度が150℃/秒超の場合、フェライト粒が成長せず、α(1/2t)とα(1/4t)がともに50%未満となる場合がある。
1次冷却完了温度が600℃未満であると、冷却が過大であるためフェライトの生成が抑制され、α(1/2t)とα(1/4t)がともに50%未満となる。一方、1次冷却停止温度が760℃超の場合、α(1/2t)がα(1/4t)よりも粗大化することによって面積率にバラツキが生じ、穴拡げ率の均一性が損なわれ、かつ、第2相の面積率減少によって所定の強度が得られない。
1次冷却完了後、さらに2〜20秒間の中間空冷を施すことで、フェライト面積率比R=α(1/4t)/α(1/2t)を安定して0.95以上確保することができる。
中間空冷時間が2秒未満であるとフェライトからオーステナイトへのカーボンの拡散が不十分であり、フェライト粒の周辺に多くの第2相が生成し、板厚方向におけるフェライトの面積率が変動しやすくなる。逆に、中間空冷時間が20秒超になると、カーボンの拡散が過剰になり、フェライト粒が粗大化して、板厚方向でのフェライトの面積率が変動しやすくなる。
中間空冷後、10℃/秒以上で冷却後、250℃以下で巻き取ることにより、穴拡げ性の均一性と十分な強度を有する第2相とを確保することができる。
中間空冷後の2次冷却における平均冷却速度が10℃/秒未満では、フェライト以外の第2相の板厚方向における生成が不安定となり、板厚方向におけるフェライト面積率が変動しやすい。
また、巻取温度が250℃超では、板厚方向の冷却が不十分であるため、フェライト以外の第2相の板厚方向における生成が不安定となり、板厚方向におけるフェライト面積率が変動しやすいうえに、十分な強度を確保することが困難となる。
表1に示す化学組成を有する鋼を転炉で溶製し、試験連続鋳造機にて連続鋳造を実施し、巾1000mmで厚み250mmのスラブとした。その際の鋳片冷却速度は表2に示す速度であった。冷却速度は冷却水量の増減で調整した。試験圧延装置を用いて、得られた鋳片を表2に示す条件にて加熱した後、粗圧延を実施し、厚み35mmの粗バーとし、誘導加熱装置で粗バーを加熱した。その後、デスケーリングを行い、仕上げ圧延、鋼板冷却を実施した。その後、酸洗を実施した。
[評価方法]
<スラブ厚1/4tでの実平均冷却速度>
得られたスラブの断面をピクリン酸にてエッチングし、鋳片厚1/4tの位置において、0.5mmピッチでデンドライト2次アーム間隔λ(μm)を測定し、次式に基づいて、実平均冷却速度A(℃/秒)を算出した。
λ=710×A−0.39
<金属組織の評価>
鋼板の圧延方向に平行な断面について、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡を用いて、JISG0552に準拠して処理し、倍率500倍の画像から画像処理にてフェライト面積率をもとめた。
各供試材について、幅方向に150mm離れた5点を選び、その点での板厚方向1/4tと1/2tにおけるフェライト面積率α(1/4t)、α(1/2t)およびその比率R=α(1/4t)/α(1/2t)を測定した。
これらの値の最小値を供試材の代表値とした。
<鋼板の表面性状の評価>
鋼板表面における島状スケール疵の面積率は、得られた鋼板の外観写真を撮影し、画像処理にて鋼板の幅方向位置1/8w〜7/8wの範囲内における最大長さ5mm以上の島状スケール疵の面積率を算出した。
<引張試験>
各鋼板の圧延直角方向からJIS5号引張試験片を採取した。試験方法はJIS Z2241に準じたものであった。これにより降伏点YP、引張強さTS、伸びElを測定した。
<孔拡げ試験>
孔拡げ試験は、各供試材について、幅方向に150mm離れた5点を選び、初期孔径(d:10mm)の打抜き孔を、60°円錐ポンチにて押し拡げ、クラックが板厚を貫通した時点での孔径(d)から孔拡げ率P(%)=(d−d)/d×100を求めて評価した。
5点の孔拡げ率(P)のうち、最大値と最小値の差を各供試材の孔拡げ率のバラツキΔPとした。
鋼板の特性結果を表3に示す。
[評価結果]
本発明例である供試材No.1〜15は強度が480MPa以上で、板厚方向1/4tと1/2tにおけるフェライト面積率α(1/4t)、α(1/2t)の最小値がともに50%以上であり、測定点におけるそれらの比率Rの最小値が95%であるため、孔拡げ率のバラツキΔP≦15%なっており、孔拡げ率の均一な鋼板となっている。
また表面性状についても、島状スケール疵面積率が2%以内であり優れていた。
これらに対して、供試材No.16〜17は鋳片の冷却速度が、最小冷却速度を下回っており、鋳片内部にミクロ偏析があったため、熱延条件を本発明範囲内で実施してもミクロ偏析に起因すると考えられるフェライト面積率および板厚方向での比率のバラツキが生じ、結果としてΔPが20%以上の孔拡げ率の不均一な鋼板となった。
供試材No.18は鋳型の加熱温度が1075℃と本発明範囲外であった。フェライトの生成はあったものの、僅かに残存している鋳片内のミクロ偏析が拡散されず、ミクロ偏析に起因すると考えられるフェライト面積率および板厚方向での比率のバラツキが生じ、結果として粗圧延以降の熱延条件を本発明内で実施してもΔPが18%以上の孔拡げ率の不均一な鋼板となった。
供試材No.19は、粗バー加熱温度が1090℃と粗バー加熱限界温度を下回っており、本発明範囲外であった。そのため、島状スケール疵面積率が15%となり、表面状況の悪化とともに孔拡げ率のバラツキも大きくなった。
供試材No.20は、熱間圧延時の仕上げ温度が870℃と材質EのAr点を下回り、本発明範囲外となった。そのため圧延時にフェライト生成による体積変動が起こり、正常な圧延ができず、鋼板表面の品質、機械特性が悪くて鋼板の評価ができなかった。
供試材No.21は、熱間圧延時の仕上げ温度が950℃と材質CのAr点+150℃を上回り、本発明外となった。そのためフェライトの生成が抑制されて、フェライトの面積率の最小値が50%以下となり、板厚方向でのバラツキも大きく、それに伴って孔拡げ率のバラツキも大きくなった。
供試材No.22は、仕上げ圧延終了から一次冷却開始までの時間が3.8秒と本発明外であった。そのため、フェライト粒の粗大化による板厚方向のバラツキが大きく、Rの最小値が81%となった。そのため孔拡げ性が均一ならずΔPが23%となった。
供試材No.23は一次冷却の冷却速度が15℃/sと本発明範囲外であった。そのため、フェライト粒の粗大化による板厚方向のバラツキが大きく、Rの最小値が83%となった。そのため孔拡げ性が均一にならずΔPが28%となった。
供試材No.24は一次冷却の冷却速度が160℃/sと本発明範囲外であった。そのため、フェライトの粒成長は抑制されて、板厚方向にバラツキが大きく、Rの最小値が82%となった。そのため孔拡げ性が均一にならずΔPが26%となった。
供試材N0.25は一次冷却後の停止温度が590℃と本発明範囲外であった。そのためフェライトの生成が抑制され、フェライト面積率の最小値が44%となり、Rの最小値が88%となった。そのため孔拡げ性が均に一ならずΔPが18%となった。
供試材No.26は一次冷却後の停止温度が780℃と本発明範囲外であった。そのためフェライトの生成が促進されたが、板厚方向にバラツキが大きく、Rの最小値が84%となった。そのため孔拡げ性が均一にならずΔPが23%となった。
供試材No.27は一次冷却停止後の中間空冷時間が1秒と本発明範囲外であった。そのためフェライト以外の第2相が厚み方向に安定して生成せず、フェライト面積が変動した。板厚方向にバラツキが大きく、Rの最小値が81%となった。そのため孔拡げ性が均一にならずΔPが24%となった。
供試材No.28は、一次冷却停止後の中間空冷時間が22秒と本発明範囲外であった。そのためフェライト以外の第2相が厚み方向に安定して生成せず、フェライト面積が変動した。板厚方向にバラツキが大きく、Rの最小値が85%となった。そのため孔拡げ性が均一にならずΔPが20%となった。
供試材No.29は、二次冷却の冷却速度が8℃/sと本発明範囲外であった。そのため、フェライト以外の第2相が厚み方向に安定して生成せず、フェライト面積が変動した。板厚方向にバラツキが大きく、Rの最小値が87%となった。そのため孔拡げ率が均一にならずΔPが23%となった。
供試材No.30は、巻き取り温度が280℃と本発明範囲外であった。そのため巻き取り後冷却の不均一から、第2相が厚み方向に安定して生成せず、フェライト面積が変動した。板厚方向にバラツキが大きく、Rの最小値が85%となった。そのため孔拡げ率が均一にならずΔPが19%となった。更に引張り強度も458(MPa)と所定の強度を満たさなかった。
Figure 2007327098
Figure 2007327098
Figure 2007327098

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.20%、Si:2.0%以下、Mn:0.5〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、sol.Al:0.005〜1.0%、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、板厚方向の1/4t位置におけるフェライト面積率α(1/4t)と1/2t位置におけるフェライト面積率α(1/2t)とがともに50%以上であり、かつこれらの面積率比α(1/4t)/α(1/2t)が95%以上であり、さらに鋼帯の幅方向位置1/8w〜7/8wの範囲における最大長さ5mm以上の島状スケール疵の面積率が10%以下であることを特徴とする引張強度480MPa以上の高強度熱延鋼板。
  2. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下およびW:0.5%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度熱延鋼板。
  3. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高強度熱延鋼板。
  4. 前記化学組成が、Feの一部に代えて、質量%で、REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下およびCa:0.01%以下からなる群から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高強度熱延鋼板。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の化学組成の溶鋼を、鋳片厚みの1/4t位置での冷却速度を下記式1で求められる最小冷却速度V以上として連続鋳造法により鋳片となし、前記鋳片を1100℃〜1300℃として粗熱間圧延を施して粗バーとなし、前記粗バーを下記式2で求められる限界温度T以上としてデスケーリングした後にAr点〜Ar+150℃で圧延を完了する仕上熱間圧延を施して熱延鋼板とし、前記仕上熱間圧延の完了後3秒以内に冷却を開始して平均冷却速度20〜150℃/秒で760〜600℃の温度域の所定温度まで冷却する1次冷却と、前記1次冷却後2〜20秒間空冷する中間空冷と、前記中間空冷後10℃/秒以上の平均冷却速度で冷却する2次冷却とを前記熱延鋼板に施して、250℃以下で巻き取ることを特徴とする高強度熱延鋼板の製造方法。
    最小冷却速度V(℃/秒)=
    {(溶鋼温度−凝固開始温度)×([C]+0.03[Si]+0.05[Mn]
    +0.07[S]+0.01[P]+0.02[A群元素の合計]
    +0.02[B群元素の合計]+0.01[C群元素の合計])}0.2
    ×0.1・・・・・(式1)
    ここで、
    (A群)Ti:0.5%以下、Nb:0.5%以下、V:0.5%以下、W:0.5%以下
    (B群)Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下、B:0.01%以下
    (C群)REM:0.1%以下、Mg:0.01%以下、Ca:0.01%以下
    である。
    限界温度T(℃)=
    168.15×{(5×P+Al)/Si}−245.12
    ×(5×P+Al)/Si+1170・・・・・(式2)
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