JP4539484B2 - 高強度熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、超微細な結晶粒を有する熱延鋼板及びその製造方法に関する。詳しくは、自動車用、家電用、機械構造用、建築用等の用途に用いられる素材として好適な、加工性及び熱的安定性に優れた高強度熱延鋼板及びその製造方法に関する。
自動車をはじめとする輸送用機械や各種産業機械の構造用部材等の素材として供される鋼板には、強度、加工性、靱性などに優れた機械的特性のみならず、部品組み立て時の溶接性や、使用時の耐食性が求められる場合がある。鋼板の機械特性を総合的に高めるには、鋼板の組織を微細化することが有効である。そのため、鋼板の組織を微細するための方法が数多く提案されてきている。
従来技術における組織微細化の手段を総括すると、(i)大圧下圧延法、(ii)制御圧延法、(iii)合金元素添加法、もしくはこれらの組み合わせである。
(i)大圧下圧延法は、圧下率を50%程度以上と大きくして、1パスの圧延で大きな歪みを蓄積させ、その後オーステナイトから微細フェライトへと変態させるか、もしくは大歪みを利用して比較的粗大なフェライトを微細フェライトへ再結晶させる手法である。これによって、600℃近傍の低温域の圧延では粗大粒化し易い単純組成の低炭素鋼についても、1μm近傍の超微細フェライト組織が得られる。しかし、600℃近傍の温度の大圧下は、工業的には困難である。一方、工業的に容易な800℃近辺より高い温度における圧延では、フェライト粒径は一般に3μm程度以上となってしまうという問題がある。
(ii)制御圧延法は、一般的に800℃近傍以上の温度で、圧延1パス当たりの圧下率を20〜40%以下として、多パスの圧延を施した後、冷却する方法である。圧延温度をAr3点近傍の狭い温度域にする方法、圧延のパス間の時間を短縮する方法、また、歪み速度と温度を制御してオーステナイトを動的再結晶させる方法などの多くの方法が開示されている。しかし、圧延後の冷却に関する検討は十分には行われていない。圧延の直後から水冷するほうが好ましいとされているが、直後冷却といっても圧延後0.2秒以上経過してからの冷却開始であり、冷却速度もせいぜい250℃/秒程度である。このような方法では、単純組成の低炭素鋼のフェライト結晶粒径は5μm程度にしかならない。したがって、機械特性を十分に高めることができない。
(iii)合金元素添加法は、オーステナイトの再結晶化や回復を抑制する合金元素の微量の添加によってフェライト結晶粒の微細化を促進するものである。Nb、Ti等の合金元素は、炭化物を形成したり、粒界に偏析したりして、オーステナイトの回復と再結晶を抑制するため、熱間圧延後のオーステナイト粒が微細化して、オーステナイトからの変態で得られるフェライト結晶粒も微細化する。この(iii)の合金元素添加法は、上記の(i)の大圧下圧延法や(ii)の制御圧延法と組み合わせて用いる場合が多い。しかし、この場合でも、フェライト粒径の下限は2μmにすぎない。また、この(iii)の合金元素添加法は、添加する合金元素の分だけ、原料コストが嵩むという問題がある。
これらの(i)大圧下圧延法、(ii)制御圧延法及び(iii)合金元素を添加する方法に言及した先行文献として、特許文献1がある。ここでは、Ar1+50℃からAr3+100℃の温度域で1秒以内に一回もしくは二回以上の合計圧下率が50%以上の加工を加え、加工終了後の600℃以上の温度域で20℃/秒以上の冷却速度の強制冷却を行う方法が開示されている。
また、特許文献2には、動的再結晶温度域での圧下を5スタンド以上の圧下パスにて行い、かつ、この動的再結晶温度域で圧下を加える最初のスタンド入り側と最後のスタンド出側の温度差を60℃以下にする方法が開示されている。
特開昭59−205447号公報 特開平11−152544号公報
このように、結晶粒の微細な鋼板を得るための熱延方法に関して多くの提案がなされているが、未だ、工業的に容易な800℃近辺より高い温度における熱間圧延によって、単純組成鋼のフェライト結晶粒径を十分にかつ安定して微細化し、安価で高強度の鋼板を実現する方法は見いだされていない。また、上記の従来技術によって微細な結晶組織の鋼板を得ても、その組織の熱的安定性は低く、その後に鋼板を溶接したり溶融メッキを施したりすると、結晶粒が容易に粗大化してしまい、その機械特性が極端に損なわれてしまうという問題があった。
本発明は、超微細な結晶粒を有し、溶接や溶融めっき工程の熱に耐えることができる、熱的安定性と機械特性に優れた高強度熱延鋼板を提供することを目的とする。また、工業的に容易な800℃近辺より高い温度での熱間圧延によって、Nb、Ti等の合金元素の有無にかかわらず、超微細な結晶粒を持ち、加工性及び熱的安定性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、微細フェライト結晶粒組織の機械特性と熱的安定性に対して種々の検討と実験を行った結果、機械特性と熱的安定性がともに優れたものとするためには、(a)フェライトの平均結晶粒径を一定の範囲にとどめることと、(b)A1点直下の700℃近傍の温度におけるフェライトの平均結晶粒径D(μm)の増加速度X(μm/min)と、この平均結晶粒径D(μm)の積D・X(μm2/min)に上限を設けることが、最も重要であることを見出した。また、より良好な熱的安定性を得るためには、(c)フェライトの結晶粒径の分布を一定の範囲にとどめることや、フェライト結晶粒内に圧延による歪みを残さないようにすることが好ましいことを見出した。
以下、(a)〜(c)において、本発明に係る知見を詳述する。
(a)フェライトの平均結晶粒径を一定の範囲にとどめることについて
フェライトの結晶粒径は小さくなるほど強度が増加するが、結晶粒径が小さくなりすぎると粒界エネルギーによる粒成長の駆動力が増加するため、高温における粒成長が促進されてしまうことが分かった。具体的には、平均結晶粒径が1.2μmを下回るようになると、高温での粒成長を抑止することが困難になり、逆に、平均結晶粒径が2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)2μm及び7μmのいずれかの値を上回ると微細化による機械特性の向上が十分に期待できなくなることが、判明した。したがって、機械特性と熱的安定性を両立するためには、フェライトの平均結晶粒径の下限として1.2μmを採用し、そして、上限として、2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)2μm及び7μmのうちの小さい方の値を採用する必要がある。なお、フェライトの平均結晶粒径の下限としては1.5μmが好ましく、そして、上限としては、2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)2μm及び4μmのうちの小さい方の値とするのが好ましい。
(b)A1点直下の700℃近傍の温度におけるフェライトの平均結晶粒径Dの増加速度Xと平均結晶粒径Dの積D・Xの上限規定について
高温におけるフェライト結晶粒の粒成長速度は、温度の上昇と共に増加する。一般に、溶接や溶融めっき工程でフェライトの粒成長という問題が生じる温度域はA1点(730℃近傍)直下からA3点近傍までの温度域であり、この温度範囲でフェライトの粒成長速度は大きく変化する。しかし、フェライトの平均結晶粒径が上記(a)の範囲内にある鋼板の粒成長速度の温度特性は700℃近傍の温度におけるフェライトの粒成長速度によって決定されることが分かったので、700℃近傍の温度におけるフェライトの粒成長速度、すなわち、フェライトの平均結晶粒径の増加速度X(μm/min)と平均結晶粒径D(μm)の積D・X(μm2/min)に、上限を設ければ、溶接や溶融めっき工程でより高い温度に加熱された場合においても、問題が発生しないことを見出した。そして、実験の結果、積D・Xを0.1μm2/min以下に設定することが必要であることも判明した。なお、積D・Xは0.07μm2/min以下が好ましく、0.05μm2/min以下がさらに好ましい。
(c)フェライトの結晶粒径の分布を一定の範囲にとどめることとフェライト結晶粒内に圧延による歪みを残さないようにすることについて
フェライトの結晶粒径の分布とフェライト結晶粒内の歪みは高温での粒成長に密接に関係する。高温での粒成長は粒界のエネルギーと粒内の歪みを駆動力として生じる。したがって、微細なフェライト組織の中に比較的大きなフェライト結晶粒が混在していると、大きなフェライト結晶粒が粒界を駆動力として周囲の微細なフェライト結晶粒と容易に一体化する。また、フェライト結晶粒内に歪みが存在していると、粒内の歪みを駆動力として隣接するフェライト結晶粒同士が容易に一体化する。このようにして、粒成長が急速に進展する。このため、粒成長の急速の進展を防止するためには、フェライト結晶粒の微細化に加えて、フェライトの結晶粒径分布として平均結晶粒径の1/3から3倍の範囲に80%以上の粒が収まるようにすることが好ましい。また、フェライト結晶粒内の歪みを示す粒内転位密度を109/cm2以下とすることが好ましく、108/cm2以下とすることがより好ましい。
本発明は、このような知見に基づいて完成したものである。本発明の要旨とするところは、次の(1)〜(3)の高強度熱延鋼板及び(4)〜(5)の高強度熱延鋼板の製造方法である。以下、それぞれ、本発明(1)〜本発明(5)という。本発明(1)〜本発明(5)を総称して、本発明ということがある。
(1)質量%で、C:0.02〜0.2%、Si:2%以下、Mn:0.5〜3%、Cr:1.5%以下、Mo:1%以下、Al:2%以下、P:0.2%以下、S:0.05%以下、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ下記の(1)式で定義されるマンガン当量Mneqが1.6%以上を満足する化学組成を有するとともに、体積率で、50%以上のフェライトと10%以上のマルテンサイトを含有する組織を有する熱延鋼板であって、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径D(μm)が下記の(2)式及び(3)式を満足するとともに、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径の700℃における増加速度X(μm/min)と前記平均結晶粒径D(μm)が下記の(4)式を満足し、さらに、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置において、結晶粒径d(μm)が下記の(5)式を満足するフェライト結晶粒の上記位置におけるフェライトに占める面積割合が80%以上であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
Mneq=Mn+0.5・Si+0.9・Al+1.1・Cr+2.7・Mo・・(1)式
1.2≦D≦7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)式
D≦2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)・・・(3)式
D・X≦0.1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)式
D/3≦d≦3D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)式
ここで、Mn、Si、Al、Cr、Mo及びCは鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
)Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.1%以下及びTi:0.2%以下からなる群から選ばれる1種または2種含有することを特徴とする、上記(1)の高強度熱延鋼板。
)Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.010%以下含有することを特徴とする、上記(1)又は(2)の高強度熱延鋼板。
)熱間仕上圧延をAr点以上の温度で終了し、0.4秒以内にAr 点を下回りかつ720℃以下の温度まで冷却した後、620〜720℃の温度域から1〜10秒間空冷した後、30℃/秒以上の冷却速度で350℃以下まで冷却し、巻き取ることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかの高強度熱延鋼板の製造方法。
)熱間仕上圧延をAr点以上の温度で終了し、400℃/秒以上の冷却速度で0.2秒以内にAr 点を下回りかつ720℃以下の温度まで冷却した後、620〜720℃の温度域から1〜10秒間空冷した後、30℃/秒以上の冷却速度で350℃以下まで冷却し、巻き取ることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかの高強度熱延鋼板の製造方法。
本発明によれば、超微細な結晶粒を有し、溶接や溶融めっき工程の熱に耐えることができる熱的安定性と機械特性に優れた高強度熱延鋼板を提供することができる。そして、工業的に容易な800℃近辺より高い温度での熱間圧延によって、Nb、Ti等の合金元素の有無にかかわらず、超微細な結晶粒を持ち、加工性及び熱的安定性に優れた高強度熱延鋼板を製造することができる。
以下に、本発明に係る超微細な結晶粒を有する高強度熱延鋼板について説明する。以下、各化学成分の含有量の「%」表示は、「質量%」を意味する。
(A)化学組成について
C:
Cは、オーステナイトからフェライトへの変態温度を低下させて、熱延の仕上げ温度を低下させることができるので、フェライト結晶粒の微細化を促進するのに有用な元素である。また、強度を確保するための元素である。このため、0.02%以上含有させる。ただし、過度に含有させると、熱延後のフェライト変態が遅延し、フェライトの体積率が低下するため、また溶接性が劣化するため0.2%以下とする。なお、Cの含有量は、好ましくは、0.04〜0.15%である。
Si:
Siは、不可避的に含有される不純物であり、本発明において添加する必要はないが、延性の劣化を抑制しつつ強度を高めることが可能な有用な元素であり、また、焼入れ性向上によりマルテンサイト生成を促進する作用も有するので、これらの作用効果を目的として含有させることもできる。ただし、過度に含有させると、逆に延性が低下したり、熱延時の表面酸化の問題が生じるので、含有量を2%以下とする。好ましくは1%以下であり、より好ましくは0.5%以下である。
Mn:
Mnは、固溶強化による強度増加と、フェライト変態後の未変態オーステナイトの焼入れ性向上によるマルテンサイトの生成促進の作用を有する。また、オーステナイトからフェライトへの変態温度を低下させて、熱延の仕上げ温度を低下させることができるので、フェライト結晶粒の微細化を促進する。これらの効果を得るためには、0.5%以上の含有が必要である。一方、過度に含有させると、熱延後のフェライト変態が遅延し、フェライトの体積率が低下するため、3%以下とする。なお、Mnの含有量は、好ましくは、0.8%〜2.7%である。
Cr:
Crは、不可避的に含有される不純物であり、本発明において添加する必要はないが、フェライト変態後の未変態オーステナイトの焼き入れ性を増加させ、マルテンサイトの生成を促進する作用も有するので、これらの作用効果を目的として含有させることもできる。含有させる場合は、0.1%以上とするのが好ましい。ただし、過度に含有させるとフェライトの生成が抑制されるため、含有量は1.5%以下とする。なお、Crの含有量は、好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは、0.5%以下である。
Mo:
Moは、不可避的に含有される不純物であり、本発明において添加する必要はないが、フェライト変態後の未変態オーステナイトの焼き入れ性を増加させ、マルテンサイトの生成を促進する作用も有するので、これらの作用効果を目的として含有させることもできる。含有させる場合は、0.1%以上とするのが好ましい。ただし、過度に含有させるとフェライトの生成が抑制されるため、含有量は1%以下とする。なお、Moの含有量は、好ましくは0.5%以下である。さらに好ましくは0.3%以下である。
Al:
Alは、フェライト変態後の未変態オーステナイトの焼入れ性を向上しマルテンサイトの生成を促進するとともに、フェライト体積率の増加を促進し、加工性をより一層向上させる効果を有するので、この効果を得るために2%まで含有させてもよい。Alは脱酸を目的として添加してもよい。脱酸を目的として添加する場合は、0.001%以上含有させるが、0.10%以上添加しても脱酸効果が飽和して経済性を損ねるので、その含有量は0.10%以下とすることが好ましい。
P:
Pは、不可避的に含有される不純物であり、本発明において添加する必要はないが、強度を増加させるため、添加しても良い。しかし、過度に添加すると粒界偏析による脆化が生じるので、添加する場合には、その含有量を0.2%以下とするのが好ましい。より好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.06%以下である。下限は不純物レベルでもよいが、通常、製鋼段階で0.01%前後混入してくる。
S:
Sは、硫化物系介在物を形成して加工性を低下させる不純物元素であるため、その含有量は0.05%以下に抑える。そして、一段と優れた加工性を確保したい場合には、0.008%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.003%以下である。
N:
Nは加工性を低下させる不純物元素であり、その含有量は0.01%以下に抑えることが望ましい。より好ましくは、0.006%以下である。
Mneq
Si、Al、Mn、Cr及びMoの含有量は、フェライト変態後の未変態オーステナイトの焼入れ性を向上させる。したがって、所望のマルテンサイト体積率を確保するためには、下記の(1)式で定義されるマンガン当量Mneqを1.6%以上とする。好ましくは1.9%以上であり、より好ましくは2.3%以上である。
Mneq=Mn+0.5・Si+0.9・Al+1.1・Cr+2.7・Mo・・(1)式
ここで、Mn、Si、Al、Cr、Mo及びCは鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
本願発明に係る高強度熱延鋼板は、上述した化学成分に加え、Nb、Ti及びVの1種又は2種以上と、Ca、Zr及び希土類元素の1種又は2種以上の、いずれか一方又は両方を含有してもよい。以下、これらの任意含有元素について説明する。
Nb:
Nbは、炭化物又は窒化物として析出し強度を増加させるため、また、この析出物がオーステナイトやフェライトの粗大化を抑制して、結晶粒の微細化を促進するため、添加しても良い。ただし、過度に含有させると、熱延以前の加熱時に粗大なNb窒化物又は炭化物が多量に発生して、延性や加工性を阻害するので、その含有量を0.1%以下とする。好ましくは0.06%以下である。なお、含有させる場合の下限は、0.005%が好ましい。
Ti:
Tiは、Tiは、炭化物又は窒化物として析出し強度を増加させるため、また、この析出物がオーステナイトやフェライトの粗大化を抑制して、結晶粒の微細化を促進するため、添加しても良い。ただし、過度に含有させると、熱延以前の加熱時に粗大なTi窒化物又は炭化物が多量に発生して、延性や加工性を阻害するので、その含有量を0.2%とする。好ましくは0.1%以下である。なお、含有させる場合の下限は、0.005%が好ましい。
Ca:
Caは介在物の形状を調整して冷間加工性を改善する作用を有するので、これらの作用を目的として添加することができる。しかし、Caは0.010%を超えて含有させると鋼中の介在物が多くなりすぎて却って加工性が劣化する。したがって、その含有量0.010%以下とするのが好ましい。なお、上記作用を確実に得るためには0.0002%以上含有させるのが好ましい。
(B)本発明に係る高強度熱延鋼板の組織について
本発明に係る高強度熱延鋼板は、特に延性を向上させるために、体積率で50%以上のフェライトと10%以上のマルテンサイトを含む組織からなるものである。フェライトの体積率を50%以上とし、さらにマルテンサイトの体積率を10%以上とすることによって、降伏比を低下させることができ、フェライトの加工硬化が促進されることによって鋼板の歪み分布が一様化されるので一層延性が向上する。ここで、フェライトの体積率は、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。そして、マルテンサイトの体積率は、より好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上である。第2相は、マルテンサイト以外に、パーライト、セメンタイト、ベイナイト、残留オーステナイトのうちの1種以上を含んでも良い。
フェライトの結晶粒径(直径)は、高強度熱延鋼板の機械特性と熱的安定性、さらには加工性に大きく影響する。したがって、本発明に係る高強度熱延鋼板に十分な強度と延性や熱的安定性さらには加工性を確保するために、鋼板表面から板厚の1/4の深さにおけるフェライトの平均結晶粒径D(μm)を、下記の(2)式及び(3)式を満足する一定の範囲にとどめる必要がある。
1.2≦D≦7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)式
D≦2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)2・・・(3)式
すなわち、その一定の範囲とは、1.2μmを下限とし、そして、2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)2μm及び7μmのうちの小さい方の値を上限とする範囲のことである。
ここで、フェライトの平均結晶粒径Dの下限を1.2μmとするのは、1.2μm未満では、加工硬化係数が極端に減少して延性や加工性が劣化するだけでなく、微細フェライト組織の熱的安定性も劣化して、高温下で容易に粒成長するからである。より優れた延性や加工性や熱的安定性を得るためには、フェライトの平均結晶粒径Dの下限を1.5μmとするのが好ましい。フェライトの平均結晶粒径Dの下限を2μmとすると、より好ましい。一方、フェライトの平均結晶粒径Dの上限を2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)2μm及び7μmのうちの小さい方の値とするのは、これらのいずれかの値を超えると、十分な強度が得られなくなるからである。より優れた強度を得るためには、フェライトの平均結晶粒径Dの上限を、2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)2μm及び4μmのうちの小さい方の値を上限とするのが好ましい。フェライトの平均結晶粒径Dの上限を、2.4+5000/(5+350・C+40・Mn)2μm及び3.5μmのうちの小さい方の値を上限とすると、より好ましい。なお、ここでは、15°以上の結晶方位差を持つ大角の粒界で囲まれた領域を1つの結晶粒と定義し、15°未満の小角の粒界は無視する。
さらに鋼板の熱的安定性を高めるためには、フェライトの結晶粒径の分布を一定の範囲にとどめるのが好ましい。高温での粒成長が生じる一因は、粒界のエネルギーに基づく駆動力であり、微細なフェライト組織の中に比較的大きなフェライト結晶粒が混在していると、大きなフェライト結晶粒が粒界を駆動力として周囲の微細なフェライト結晶粒と容易に一体化し、粒成長が急速に進展する。このため、高温でのフェライト結晶粒の粒成長速度を抑制するためには、フェライト結晶粒を微細化してその平均結晶粒径D(μm)を上記の(2)式及び(3)式を満足する一定の範囲にとどめることに加えて、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトのうち、結晶粒径d(μm)が下記の(5)式を満足する結晶粒の占める面積割合が80%以上であることが好ましい。
D/3≦d≦3D・・・・・・・・・・・・・・・・(5)式
すなわち、面積割合でフェライト結晶粒の80%以上が、平均結晶粒径D(μm)の1/3から3倍の範囲に収まるような粒径分布となることが好ましい。好ましくは85%以上のフェライト結晶粒が平均結晶粒径D(μm)の1/3から3倍の範囲に収まるような粒径分布となることであり、より好ましくは90%以上のフェライト結晶粒が平均結晶粒径D(μm)の1/3から3倍の範囲に収まるような粒径分布となることである。
フェライトの結晶粒径とその分布を表面から板厚の1/4の深さで定義する理由は、高強度熱延鋼板のフェライト結晶粒径は一般に板厚方向に変化するためである。本発明に係る鋼板は、この深さのフェライト結晶粒組織を上記の範囲にすることで、所望の機械特性と熱的安定性を確保することができる。特に粒径の熱的安定性は、板の表面から内部に渡る広い範囲で統計を取ったときの粒径分布で決まるのではなく、特定の深さで統計を取ったときの粒径分布で決まる。従って、板厚の1/4の深さで表面に平行な断面で組織観察を行うか、もしくは、表面に垂直な断面で観察するのであれば、板厚の1/4の深さから100μm以内の領域で観察を行い、統計を取る。
本発明に係る高強度鋼板は、その引張強度が680MPa以上のものである。好ましくは730MPa以上のものである。さらに好ましくは780MPa以上のものである。また、降伏比を低下させ、フェライトの加工硬化の促進によって鋼板の歪み分布が一様化させて一層延性が向上させる観点から、降伏比は70%以下が好ましく、より好ましくは65%以下である。
本発明に係る高強度鋼板に、溶融亜鉛めっき、合金化溶融亜鉛めっき、電気めっき等の表面処理を施した場合には、さらに優れた表面性状と延性を備えた表面処理鋼板を得ることができる。
(C)高温での粒成長速度について
フェライトの平均結晶粒径が上記の(2)式及び(3)式を満足する一定の範囲内にある鋼板の粒成長速度の温度特性は、700℃近傍の温度におけるフェライトの粒成長速度によって決定される。したがって、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径の700℃における増加速度X(μm/min)と前記平均結晶粒径D(μm)が下記の(4)式を満足することが必要となる。
D・X≦0.1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)式
すなわち、フェライトの平均結晶粒径の増加速度X(μm/min)と平均結晶粒径D(μm)の積D・X(μm2/min)を、0.1μm2/min以下に保つことで、溶接や溶融めっき工程における主要な熱履歴に対して安定となり、良好な熱的安定性が得られる。より優れた熱安定性を得るためには、積D・Xを0.07μm2/min以下にするのが好ましく、0.05μm2/min以下にするのがさらに好ましい。
また、さらに粒成長速度を低下させるため、フェライト結晶粒内の転位密度を109/cm2以下とするのが好ましい。108/cm2以下とするのがより好ましい。
(D)圧延条件について
圧延は、レバースミルもしくはタンデムミルを用いて、オーステナイト温度域で行う。工業的生産性の観点からは、少なくとも最終の数段はタンデムミルを用いるのが好ましい。
連続鋳造や鋳造・分塊により得たスラブ、ストリップキャスティングにより得た鋼板などや、必要によってはそれらに一度、熱間又は冷間加工を加えたものを用い、それらが冷片であればAc3点以上の温度に再加熱して圧延する。加熱温度はAc3点以上の温度であれば特に制限はない。一般的には900〜1350℃の温度域に加熱する。TiCやNbCなどの析出物をオーステナイト中に十分に固溶させる必要がない鋼種の場合、この温度域の中でも比較的低い温度(1100℃以下)に再加熱することが好ましい。初期のオーステナイト結晶粒が微細化し、最終のフェライト粒も微細化し易くなるためである。
圧延仕上げ温度は、圧延後にオーステナイトからフェライトへと変態させるためにAr3点以上の温度とする。圧延を終了する温度は、Ar3点に近いほどよい。これは、圧延によってオーステナイトに導入された加工歪みの蓄積効果が大きくなり、結晶粒の微細化が促進されるためである。本発明で用いる鋼種のAr3点は、概ね780から950℃である。
圧下量は、Ar3点から「Ar3点+100℃」までの温度範囲における板厚減少率で40%以上とすることが好ましい。より好ましくは、Ar3点から「Ar3点+80℃」までの温度範囲における板厚減少率で60%以上である。圧延は、1パスで行う必要はなく、連続した複数パスの圧延であっても良い。1パス当たりの圧下量は、好ましくは15〜60%である。1パス当たりの圧下量を大きく取る方がオーステナイトへの歪みを蓄積させ、変態によって生成するフェライトの粒径を微細化する意味から好ましいが、圧延荷重の増大が必要となるので、圧延設備が大型化するだけでなく、板形状の制御も困難になる。本発明の方法では、1パス当たりの圧下量を40%以下とした複数パスの圧延でも微細なフェライト結晶粒を得ることができる。したがって、特に板形状の制御を容易にしたいときには、最終の2パスの圧下率を40%/パス以下とすることが好ましい。
(E)圧延後の冷却について
圧延を終了後、オーステナイトに導入された加工歪みを解放することなく、これを駆動力としてオーステナイトからフェライトへと変態させ、微細なフェライト結晶粒組織を生成させるために、圧延終了から0.4秒以内に720℃以下の温度まで、好ましくは700℃以下の温度まで、冷却する。好ましくは、圧延終了から0.2秒以内に720℃以下の温度まで冷却する。さらに好ましくは圧延終了から0.2秒以内に700℃以下の温度まで冷却する。冷却は、水冷を用いるのが望ましく、そして、その冷却速度は、空冷期間を除外し強制冷却を行っている期間の平均冷却速度として、400℃/秒以上とするのが、好ましい。なお、この圧延終了後の冷却はフェライトを生成させるためのものであるから、Ar 点を下回る温度まで冷却する必要があることは、言うまでもない。
ここで、Ar 点を下回りかつ720℃以下の温度に冷却されるまでの時間を規定する理由は、Ar 点以上又は720℃を超える温度で、冷却を停止もしくは鈍化させると、微細なフェライトが生成する以前に、加工によって導入された歪みが解放されて、又は、歪みの存在形態が変化して、フェライトの核生成に有効ではなくなり、フェライト結晶粒が顕著に粗大化するためである。
Ar 点を下回りかつ720℃以下の温度に達すると、フェライト変態が活発化する変態温度域に入る。上記のフェライト組織が得られるフェライト変態温度域は、この温度から620℃までの間の温度域である。したがって、Ar 点を下回りかつ720℃以下の温度に達した後、冷却を一次停止、もしくは空冷にしてその速度を鈍化させ、この温度域から1〜10秒間空冷させることによって、上記の熱的に安定なフェライト結晶粒組織の形成を確実にすることができる。なお、空冷時間は、2〜10秒間とするのが好ましい。このときの温度域が620℃を下回ったり、空冷時間が1秒を下回ったりすると、フェライト体積率が低下するため、加工性が低下する。一方、空冷時間が10秒を上回ると、パーライトまたはベイナイトが過度に増加して所望のマルテンサイト体積率が得られない。ここで、「空冷」には大気放冷も含まれる。

この空冷終了後は、30℃/s以上の冷却速度で冷却する必要がある。冷却速度が30℃/sを下回るとパーライトまたはベイナイトが過度に増加して所望のマルテンサイト体積率が得られない場合がある。好ましく50℃/s以上である。また、冷却は350℃以下の温度まで冷却する。350℃を上回った状態で巻き取ると、マルテンサイト変態が抑制されて、所望のマルテンサイト体積率が得られないからである。好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
(F)冷却設備について
本発明において、上記の冷却を行う設備は限定されない。工業的には、水量密度の高い水スプレー装置を用いることが好適である。例えば、圧延板搬送ローラーの間に水スプレーヘッダーを配置し、板の上下から十分な水量密度の高圧水を噴射することで冷却することができる。
以下、実施例により、本発明を更に詳しく説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼種A〜Mの鋼を溶製し、熱間鍛造によって30mm厚さにした。その後、1100〜1200℃の温度に再加熱した後、Ar3点よりも高い温度で5パスの圧延を行い、2mmの板厚に仕上げた。最終の2パスの圧延は、35%/パス以下の軽圧下圧延とした。圧延後、表2に示す条件で、制御冷却し、巻取りシミュレーションした。
Figure 0004539484
Figure 0004539484
このようにして得られた高強度熱延鋼板の組織について、走査電子顕微鏡(SEM)を用いることによって鋼板板厚の断面を観察した。
フェライトの平均結晶粒径およびその粒径分布については、板表面から板厚の1/4の深さにて、EBSP(Electron Back Scattering Pattern)法を用いて結晶方位解析を行うことで求めた。各相の体積率の測定は、板表面から板厚の1/4の深さにて、ナイタール又はピクリン酸で腐食した組織を走査電子顕微鏡を用いて観察することで行った。フェライト体積率、マルテンサイト体積率については、フェライト粒径測定位置と同位置をいわゆるメッシュ法にて測定し、これらの算術平均値で示した。
機械的性質については、引張試験をJIS5号引張試験片にて行い、降伏強度YS(MPa)、引張強度TS(MPa)、降伏比YR及び全伸びEl(%)を評価した。
熱的安定性については、700℃の塩浴に10、30又は60分間浸した後、急冷し、上記したのと同じ方法で粒径を測定し、焼鈍前粒径d0(μm)と焼鈍後粒径d1(μm)の差を、焼鈍時間(min)で割り算をすることによって、平均結晶粒径の増加速度X(μm/min)を算出した。
フェライト粒内の転位密度ρ(cm-2)は、透過電子顕微鏡観察により明視野像において、任意の線分の長さL(cm)と転位線との交切点の数Nを測定し、膜厚t(cm)として、次の(9)式にしたがって求めた。
ρ=2N/Lt・・・・・・・・・・・・・・・(9)式
表2に、このようにして得られた高強度熱延鋼板の組織とその性質および引張試験結果を示す。
ここで、試験番号13は、720℃までの冷却時間が0.79秒と長いため、フェライトの平均結晶粒径が4.76μmと粗大であるため、機械特性に劣る。試験番号14及び16は、空冷時間が短い又は空冷開始温度が低いために、フェライトの体積率が小さく、フェライト組織が熱的に不安定であるばかりでなく、機械特性にも劣る。試験番号15は空冷後の冷却速度が低いため、マルテンサイトの体積率が不足し、強度が低下し、降伏比が高い。そして、試験番号17〜18は、鋼の化学組成が本発明で規定する範囲から外れているため、マルテンサイトの体積率が不足し、強度が低下し、降伏比が高い。
これらの比較例に対して、本発明例に係る試験番号1〜12は、軽圧下圧延としたにもかかわらず、2.5μm前後の微細なフェライト平均結晶粒径が得られるとともに、50%以上のフェライト体積率と10%以上のマルテンサイト体積率が得られている。これらのフェライト組織は熱的に安定であり、またマルテンサイトを適量含むフェライト組織となっているため、680MPa以上の高強度、YRが70%以下の低降伏比かつTS×ELが14000MPa・%以上の良好な強度−伸びバランスが得られる。
本発明の高強度熱延鋼板は、超微細な結晶粒を有し、溶接や溶融めっき工程の熱に耐えることができる熱的安定性と機械特性に優れる。また、本発明方法によれば、工業的に容易な800℃近辺より高い温度での熱間圧延によって、Nb、Ti等の合金元素の有無にかかわらず、超微細な結晶粒を持ち、加工性及び熱的安定性に優れた高強度熱延鋼板を製造することができる。

Claims (5)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.2%、Si:2%以下、Mn:0.5〜3%、Cr:1.5%以下、Mo:1%以下、Al:2%以下、P:0.2%以下、S:0.05%以下、N:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ下記の(1)式で定義されるマンガン当量Mneqが1.6%以上を満足する化学組成を有するとともに、体積率で、50%以上のフェライトと10%以上のマルテンサイトを含有する組織を有する熱延鋼板であって、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径D(μm)が下記の(2)式及び(3)式を満足するとともに、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置におけるフェライトの平均結晶粒径の700℃における増加速度X(μm/min)と前記平均結晶粒径D(μm)が下記の(4)式を満足し、さらに、鋼板表面から板厚の1/4の深さ位置において、結晶粒径d(μm)が下記の(5)式を満足するフェライト結晶粒の上記位置におけるフェライトに占める面積割合が80%以上であることを特徴とする高強度熱延鋼板。
    Mneq=Mn+0.5・Si+0.9・Al+1.1・Cr+2.7・Mo・・(1)式
    1.2≦D≦7・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)式
    D≦2.7+5000/(5+350・C+40・Mn)・・・(3)式
    D・X≦0.1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(4)式
    D/3≦d≦3D・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(5)式
    ここで、Mn、Si、Al、Cr、Mo及びCは鋼中の各元素の含有量(単位:質量%)を示す。
  2. Feの一部に代えて、質量%で、Nb:0.1%以下及びTi:0.2%以下からなる群から選ばれる1種または2種含有することを特徴とする、請求項1記載の高強度熱延鋼板。
  3. Feの一部に代えて、質量%で、Ca:0.010%以下含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の高強度熱延鋼板。
  4. 熱間仕上圧延をAr点以上の温度で終了し、0.4秒以内にAr 点を下回りかつ720℃以下の温度まで冷却した後、620〜720℃の温度域から1〜10秒間空冷した後、30℃/秒以上の冷却速度で350℃以下まで冷却し、巻き取ることを特徴とする、請求項1からまでのいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
  5. 熱間仕上圧延をAr点以上の温度で終了し、400℃/秒以上の冷却速度で0.2秒以内にAr 点を下回りかつ720℃以下の温度まで冷却した後、620〜720の温度域から1〜10秒間空冷した後、30℃/秒以上の冷却速度で350℃以下まで冷却し、巻き取ることを特徴とする、請求項1からまでのいずれかに記載の高強度熱延鋼板の製造方法。
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