JP2007326459A - ステアバイワイヤ式操舵装置 - Google Patents

ステアバイワイヤ式操舵装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モータに負荷される慣性モーメントを低減するとともに空間占有率をも低くし、そして組立性の高いステアバイワイヤ式操舵装置を提供する。
【解決手段】操舵入力装置と、当該操舵入力装置と機械的に分離された操舵リンク機構と、当該操舵入力装置の操作に応じて当該操舵リンク機構を駆動する転舵アクチュエータとを備えるステアバイワイヤ式操舵装置において、ねじ軸およびナット軸を備えるボールねじ機構を備えるとともに、前記操舵リンク機構は前記ナット軸により回転自在に支承されており、前記ねじ軸が前記転舵アクチュエータにより回転駆動されることによって、前記操舵リンク機構が前記ナット軸を介して駆動されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の操舵装置に関し、特に、ステアバイワイヤ式操舵装置に関する。
近年、車両の操舵リンク機構を駆動する操舵装置として、操舵入力装置と操舵リンク機構を機械的に分離して配するステアバイワイヤ式の操舵装置が知られている(例えば、特許文献1、2、3および4参照)。
図9に示すステアバイワイヤ式操舵装置101では、特許文献1に係る操舵装置に適用されるものと同様、中空構造を有した2つのモータ10a,10bを用いて図示しない車両の左右の前輪を個別に操舵する。ボールねじ機構111a,111bが左右の前輪に各々設けられており、当該ボールねじ機構111a,111bのねじ軸113a,113bがそれぞれタイロッド12a,12bに連結して操舵リンク機構(ステアリングリンク)を構成するとともに、回り止めとしても機能するスライド機構116a,116bによって摺動されている。また、当該ねじ軸113a,113bは前記モータ10a,10bに各々貫通配置されるとともに、当該ボールねじ機構111a,111bのナット軸114a,114bは前記モータ10a,10bのロータに連結されている。また、当該ナット軸114a,114bは支持軸受15,15にて回転自在に支持されている。これにより、前記モータ10a,10bの回転とともに前記ナット軸114a,114bが一体的に回転して、操舵リンク機構が軸方向に各々移動して、左右の前輪が独立に駆動制御される。
また、図9に示したステアバイワイヤ式操舵装置101と異なる構成としては、特許文献2に示されたステアバイワイヤ式操舵装置がある。当該ステアバイワイヤ式操舵装置では、軸方向に同心に離間配置され、且つモータ軸同士が連結された2つのモータが、両端で左右の前輪に連結された操舵リンク機構を構成するボールねじ機構のねじ軸の外側に平行に配置されている。そして、前記モータの回転を、歯車減速機構を介して前記ボールねじ機構のナット軸に伝達して、操舵リンク機構を軸方向に移動する。またモータ軸同士が連結された2つのモータを用いて、前記歯車減速機構を介してナット軸が回転されるので、片方のモータが故障して駆動不能になった場合でも、もう一つのモータが駆動して操舵続行可能なようにフォールトトレラントシステムが実現されている。
さらに、特許文献3および4に示されたステアバイワイヤ式操舵装置では、中空構造を有した2つのモータが、軸方向に離間配置されている。そして、これらモータの内部に左右の前輪ともに連結された操舵リンク機構を構成するボールねじ機構のねじ軸が貫通配置される。また、当該ボールねじ機構のナット軸は、前記2つのモータに連結されている。これにより、特許文献1のステアバイワイヤ式操舵装置と同様に、これらモータの回転とともに前記ナット軸が回転して、ねじ軸が回転駆動され、操舵リンク機構は軸方向に移動することができる。また、前記ねじ軸への駆動伝達を2つのモータで行うことにより、フォールトトレラントシステムが実現されている。なお、特許文献3では、モータに遊星歯車装置などの減速機構が装着される構成も示されている。
さらに、操舵リンク機構の軸回りの回転を、当該軸の軸長方向の移動を阻害することなく抑制するステアバイワイヤ式操舵装置としては、前記軸の周面に設けた平坦面に転接するローラ(回転抑制部材)を用いてステアリンクリンクの移動を抑制するものがある(例えば、特許文献5参照)。
特開2001−310751号公報 特開平4−38270号公報 特開2004−529483号公報 特開2001−80530号公報 特開2004−189038号公報
しかしながら、上述の特許文献1〜5のステアバイワイヤ式操舵装置では、いずれもボールねじ機構のナット軸をモータにより直接回転駆動することにより、操舵リンク機構を移動しているので、以下に示す問題が懸念される。
特許文献2のステアバイワイヤ式操舵装置では、モータが操舵リンク機構を構成するねじ軸の外側に配設されるので、空間占有率が高くなってしまい、スペース効率が悪くなってしまうという問題がある。
また、特許文献1、3および4のステアバイワイヤ式操舵装置では、操舵リンク機構を構成するねじ軸と略同心にモータが配設されるので、空間占有率を小さくすることができるが、モータが中空構造であるため、モータのロータ直径およびボールねじ機構のナット軸が大きくなってしまい、モータに回転駆動される部分の径方向寸法が大きいため、慣性モーメントが増加してしまうという問題がある。
さらに、モータの回転を検出する、例えばレゾルバなどの回転センサも中空である必要があり大型となってしまうので、コストが高くなる。また、モータがボールねじ装置などと一体的に形成されているので、ステアバイワイヤ式操舵装置の組立てが難しくコストがかかってしまう。そして、特許文献3で示された、減速機が装着されたモータは、空間占有率をさらに小さくでき、かつ操舵リンク機構移動のための推力も大きくとれるが、部品点数が増えコストが高くなってしまうという問題がある。
また、特許文献1から4に示されたような、ナット軸をモータにより回転駆動するステアバイワイヤ式操舵装置では、特許文献5のようにスライド機構および回り止め機構をねじ軸に設ける必要があるため、軸方向寸法が長くなってしまい、空間を大きく占有してしまうという問題がある。特に特許文献1のような左右の前輪を個別に操舵するステアバイワイヤ式操舵装置では左右の前輪それぞれに必要となってしまうので、さらに空間を占有してしまうという問題がある。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、モータに負荷される慣性モーメントを低減するとともに空間占有率をも低くし、そして組立性の高いステアバイワイヤ式操舵装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成によって達成される。
(1) 操舵入力装置と、当該操舵入力装置と機械的に分離された操舵リンク機構と、当該操舵入力装置の操作に応じて当該操舵リンク機構を駆動する転舵アクチュエータとを備えるステアバイワイヤ式操舵装置において、
ねじ軸およびナット軸を備えるボールねじ機構を備えるとともに、
前記操舵リンク機構は前記ナット軸により回転自在に支承されており、
前記ねじ軸が前記転舵アクチュエータにより回転駆動されることによって、前記操舵リンク機構が前記ナット軸を介して駆動されることを特徴とするステアバイワイヤ式操舵装置。
(2) (1)に記載のステアバイワイヤ式操舵装置において、
転舵アクチュエータを2つ備えることを特徴とするステアバイワイヤ式操舵装置。
(3) (2)に記載のステアバイワイヤ式操舵装置において、
左右の前輪に前記ボールねじ機構が各々設けられ、
前記ボールねじ機構のねじ軸は前記2つの転舵アクチュエータで各々回転駆動され、且つ、
前記転舵アクチュエータの軸同士もしくは前記ねじ軸同士を係脱する機構を備えることを特徴とするステアバイワイヤ式操舵装置。
本発明の(1)の構成によれば、回転駆動される部分の径方向寸法を小さくすることができるので、転舵アクチュエータに負荷される慣性モーメントを抑制することができる。
また、回り止め機構をねじ軸に設ける必要がなくなるため、軸方向寸法を小さくすることができ、空間占有率を小さくすることができる。
さらに、モータに、中空構造を有した中空モータを用いる必要がないので、モータ単体で組み立てることが可能となり、組立性を向上することができる。
また、減速機が装着されたギアードモータを用いることも容易であり、またねじ軸と同心に配置することもできるので、空間占有率をさらに低くすることができ、且つ操舵リンク機構の移動のための推力を大きくすることができる。
本発明の(2)の構成によれば、1つのボールねじ機構に対し2つのモータを用いる構成とした際に、一方のモータが故障で動作できない場合に、他方のモータで動作補助して操舵続行可能なようなフォールトトレラントシステムが実現できる。
本発明の(3)の構成によれば、車両の左右の前輪を個別に操舵するステアバイワイヤ式操舵装置において、例えば一方のモータが故障で稼動できない場合に、駆動軸同士を係脱する機構を用いて他方の転舵アクチュエータから動力を伝達して操舵を続行することができるので、フォールトトレラントシステムを実現することができる。
以下、本発明の一実施形態に係るステアバイワイヤ式操舵装置について図面を参照して詳細に説明する。なお、前述の図9に示した従来構造と同様な部分の構成については図9と同符号で示す。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である車両のステアバイワイヤ式操舵装置を説明するための概略図である。
本実施形態である当該ステアバイワイヤ式操舵装置100は、左右の前輪23a,23bと、ボールねじ機構11a,11bと、前記左右の前輪23a,23bを転舵するための操舵リンク機構20a,20bと、転舵アクチュエータであるモータ21a,21bとを左右個別に備えている。これにより、当該ステアバイワイヤ式操舵装置100では、前記左右の前輪23a,23bが個別の2つモータ21a,21bでそれぞれ操舵される。
前記ボールねじ機構11a,11bは、ナット軸14a,14bと、当該ナット軸14a,14bを回転駆動するねじ軸13a,13bと、ボール33(図2参照)とを備えている。前記ナット軸14a,14bは後述する回り止め機構16a,16bを有している。また、当該ねじ軸13a,13bは両端部を支持軸受15,15にて回転自在に支持されている。
前記操舵リンク機構20a,20bは、左右の前輪23a,23bを転舵するナックルアーム22a,22bと、一端に設けられるジョイント部で当該ナックルアーム22a,22bに連結されるタイロッドアーム12a,12bとを備えている。また、当該タイロッドアーム12a,12bは、他端でナット軸14a,14bにボールジョイントを介して回動自在に支承されている。
また、前記2つモータ21a,21bは車幅方向において略対称に離間配置され、且つ、前記ボールねじ機構11a,11bに対して操舵リンク機構20a,20bの反対側、即ち車両の内側で前記ねじ軸13a,13bと同心となるように各々配設される。そして、当該モータ21a,21bのモータ軸24,24は、ねじ軸13a,13bに各々連結されている。
この構成により、操舵制御駆動装置(不図示)は、操舵者による、例えばステアリングホイールあるいはジョイスティックなどの操舵入力装置(不図示)の操作に応じて当該モータ21a,21bを左右個別に制御して、前記ねじ軸13a,13bをそれぞれ回転駆動して、前記ナット軸14a,14bを移動させることができ、そして、前記操舵リンク機構20a,20bは前記ナット軸14a,14bに連結されているので、左右の前輪23a,23bは操舵リンク機構20a,20bを介して操舵される。
ここで、図2にしたがって、モータ21aに連結されたボールねじ機構11aとタイロッドアーム12aとの構成についてさらに詳細に説明する。なお、図2はステアバイワイヤ式操舵装置100の片側一方(図面では左部)の構成図であるが、他方(図面では右部)も対称にして同じ構造である。
図2に示すように、左の前輪23aに配されたボールねじ機構11aは、一端がモータ21aのモータ軸24に接続されており、且つ外周面に螺旋状の雄ねじ溝35を有するねじ軸13aと、当該ねじ軸13aに螺合されるように中間部内周面に螺旋状の雌ねじ溝36が形成され、且つタイロッドアーム12aを回動自在に支承可能なようにボールジョイント31が設けられたナット軸14aと、両ねじ溝間35,36に介装された多数のボール33と、両ねじ溝間35,36で軸方向前方に進んだボール33を後方に戻すためのボール戻し管(不図示)とを備えている。また、当該ボールねじ機構11aのねじ軸13aは、軸方向寸法を小さくするため、両端で支持軸受である4点接触玉軸受15´で回転自在に支持されている。
また、前記回り止め機構16として、回り止めピン34を前記ねじ軸13aに平行で、且つ前記ナット軸14aの外周上に複数並設するとともに、当該回り止めピン34を遊嵌するリニアブッシュ37を前記回り止めピン34に対応して前記ナット軸14aに設ける。これにより、前記ナット軸14a移動の直進性を向上させることができ、また前記ナット軸14aの軸回りの回転を抑制することができる。さらに、前記タイロッドアーム12aの力点が前記ボールネジ機構11aの軸心からずれていることによって発生するモーメントを前記リニアブッシュ37にて負担することができる。
さらに、両ねじ溝35,36に粉塵などが付着するのを防止するため、ねじ軸13aが外部に露出しないように前記ナット軸14aを挟んで軸方向両側にジャバラ32,32を設け、当該ジャバラ32,32で前記ボールねじ機構11aを外包する。これにより、前記ナット軸14aの移動に対応してジャバラ32が伸縮可能であるので、前記ねじ軸13aが外部に露出することはない。
したがって、本実施形態によれば、モータ21a,21bでねじ軸13a,13bを回転駆動させて操舵を行っているので、モータ21a,21bにより回転駆動される部分の径方向寸法を小さくすることができ、また従来のステアバイワイヤ式操舵装置と比較して、モータ21a,21bに負荷される慣性モーメントを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、回り止め機構16をねじ軸13a,13bに設ける必要がなくなるため、ステアバイワイヤ式操舵装置100の軸方向寸法を小さくすることができ、空間占有率を小さくすることができる。
さらに、本実施形態よれば、モータ21a,21bに中空モータを用いる必要がないので、モータ単体で組み立てることが可能となり、組立性を向上することができる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係る車両のステアバイワイヤ式操舵装置102を説明するための概略図である。本実施形態は、前述した第1実施形態の構成に、クラッチユニット30を設けた構成である。
本実施形態では、モータ21a,21bに、減速機が装着され且つ両端(図面では左右両方)にモータ軸を有したギアードモータをそれぞれ用いている。当該モータ21a,21bは各々同心となるように配置されるとともに、ねじ軸13a,13bに接続されたモータ軸24とは反対側にモータ軸24´,24´(反対軸)が延出し、これらモータ軸24´,24´同士が対向している。そして、これら反対軸24´,24´の先端部には円板形状部51a,51bが設けられている。さらに、当該円板形状部51a,51bとの間に、当該円板形状部51a,51b同士を係脱させるクラッチユニット30が設けられている。
当該クラッチユニット30は、例えば電磁クラッチが用いられ、モータ21a,21bのどちらかが故障により駆動不能になった場合、例えば図示しない操舵制御駆動装置にて作動させられ、前記円板形状部51a,51b同士を係合する。
これ以外の構成については、第1実施形態と同じ態様である。
したがって、本実施形態によれば、モータ21a,21bのどちらかが故障により駆動不能になった場合でも、クラッチユニット30が作動させられることにより、もう一つのモータから駆動伝達を行って操舵続行可能とするフォールトトレラントシステムを実現することができる。
さらに、ギアードモータを用いているので、操舵リンク機構20a,20bの操舵のための推力を大きくすることができる。さらに、モータ21a,21bの反対軸24´,24´間にクラッチユニット30を設けているので、トルクが小さく、クラッチユニット30を小型化できる。
なお、本実施形態では、前記クラッチユニット30は前記反対軸24´,24´同士を係脱するように設けられているが、これに限らず、回転駆動される軸同士を係脱できればよく、例えば、ねじ軸13a,13b同士を係脱するように設けてもよい。
また、クラッチユニット30を設ける代わりに、図4(b),(c)に示すように、前記円板形状部51a,51bの外周面に突起部52a,52bを形成する構成にしてもよい。前記突起部52a,52bを形成する際には、図4(a)に示すように片方の円板形状部51bの突起部52bにはモータの軸方向に突出したピン53を形成し、また図4(b)に示すように他方の円板形状部51aの突起部52aには当該ピン53に倣った形状を形成する。これにより、モータ21a,21bのどちらかが故障により駆動不能になった場合、モータ同士21a,21bを係合させるとともに、前記モータ同士21a,21bの回転差が一回転以上生じないようにすることができ、その影響を操舵に支障がない程度まで抑制することができる。
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態に係る車両のステアバイワイヤ式操舵装置103を説明するための概略図である。本実施形態は、1つのボールねじ機構11で左右の前輪23a,23bの操舵を行う構成である。
すなわち、当該ボールねじ機構11のナット軸14は、操舵リンク機構20a,20b両方を、ボールジョイントを介して回転自在に支承している。また、当該ボールねじ機構11のねじ軸13は、両端を支持軸受15で回転自在に支持されている。さらに、当該ねじ軸13は、一端を減速機が装着されたギアードモータであるモータ21a、他端を高速モータであるモータ21bに接続されて回転駆動される。
したがって、本実施形態によれば、モータ21a,21bでねじ軸13を回転駆動させて操舵を行っているので、回転駆動される部分の径方向寸法を小さくすることができ、またモータ21a,21bに負荷される慣性モーメントを抑制できる上、ギアードモータの使用により低速域におけるステアリング操舵のための推力を確保するとともに、高速モータの使用で高速に推力を出力することができるので、幅広い出力特性を実現することができる。
また、前記ナット軸14に左右の前輪23a,23bの操舵リンク機構20a,20bを各々連結しているので、部品点数を少なくすることができ、コストを抑制することができる。
さらに、本実施形態によれば、モータ21a,21bのいずれかが故障して駆動不能になった場合でも、もう片方のモータが駆動して操舵が続行可能なようなフォールトトレラントシステムを実現することができる。
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態に係る車両のステアバイワイヤ式操舵装置104を説明するための概略図である。本実施形態は、1つのボールねじ機構11で左右の前輪23a,23bの操舵を行う構成であるが、モータの駆動力を、駆動伝達機構である歯車減速機構25a,25bを介して伝達する構成である。
当該ボールねじ機構11のねじ軸13の両端部の外周面にのみ螺旋状の雄ねじ溝35が形成され、そして中間部で歯車減速機構25aがねじ軸13に嵌合されている。なお、当該ねじ軸13の両端は支持軸受15で回転自在に支持されている。
前記ねじ軸13の前記雄ねじ溝35が形成された両端部にそれぞれナット軸14a,14bが配設されており、当該ナット軸14a,14bはジョイントを介して各々操舵リンク機構20a,20bを回動自在に支承している。また、モータ21は前記ボールねじ機構11の外側で並設されるとともに、前記歯車減速機構25aに噛合する歯車減速機構25bがモータ軸24に嵌合されている。これにより、前記モータ21は、前記歯車減速機構25a,25bを介してねじ軸13を回転駆動させることができる。
したがって、本実施形態によれば、モータ21近傍に外径の大きなナット軸が配されないので、ねじ軸13の外周面とモータ軸24との寸法Aを小さくすることができるので、モータ21をねじ軸13の近傍に配設可能である。これにより、空間占有率を抑制することができ、従来のステアバイワイヤ式操舵装置と比較して、前記歯車減速機構25a,25bを小型化することができる。
(第5実施形態)
図7は、第5実施形態に係る車両のステアバイワイヤ式操舵装置105を説明するための概略図である。本実施形態は、前述した第4実施形態の構成に、中空モータであるモータ21bを設けた構成である。
当該モータ21bは、ねじ軸13の中間部にねじ軸13が貫通配置されるように設けられ、また当該モータ21bのロータ(不図示)はねじ軸13と一体的に形成される。これにより当該モータ21bは、前記ねじ軸13と一体的に回転駆動される。それ以外の構成については、第4実施形態と同じ態様である。
したがって、本実施形態によれば、モータ21a,21bのいずれかが故障して駆動不能になった場合でも、もう片方のモータが駆動して操舵が続行可能なようなフォールトトレラントシステムを実現することができる。
さらに、歯車減速機構25a,25bにがたつきがある場合や、左右の前輪23a,23bからの振動が発生する場合には、これら2つのモータ21a,21bを制御して、歯車減速機構25a,25b内部に内力を発生させることにより剛性を高め、その影響を抑制することができる。
(第6実施形態)
図8は、第1実施形態および第2実施形態のように左右の前輪23a,23bを個別のモータ21a,21bで各々操舵するステアバイワイヤ式操舵装置において、モータ21aに連結されたボールねじ機構11aとタイロッドアーム12aとの構成に係る別の変形例を示す図である。
本実施形態では、図8に示すようにねじ軸13aに平行で、且つナット軸14aに連結するように軸方向に向けてスライドピン38を円周方向に複数並設する。そして、タイロッドアーム12aを、ジョイント39を介して当該スライドピン38の端部に連結する。さらに、タイロッドアーム12aとナット軸14a間で4点接触玉軸受15´を外嵌する支持部材40に前記スライドピン38を遊嵌するリニアブッシュ37を前記スライドピン38に応じて設ける。なお、ボールねじ機構11aは、粉塵が付着しないように、カバー36とジャバラ32で外包される。
この構成によれば、従来のステアバイワイヤ式操舵装置と比較して径方向寸法を小さくすることができ、また前記スライドピン38が回り止めの役割を果たすことができる。また、図2に示した構成と比較して、モータ21aに負荷される慣性モーメントをさらに抑制でき、且つ従来のステアバイワイヤ式操舵装置との互換性も確保できる。なお、図8はステアバイワイヤ式操舵装置100,103の片側一方(図面では左部)の構成図であるが、他方(図面では右部)も対称にして同じ構造である
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の様態はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜、変形、改良などが可能である。
第1実施形態に係るステアバイワイヤ式操舵装置を説明するための概略図である。 モータに連結されたボールねじ機構、タイロッドアームおよびナックルアームとの構成を説明するための図であり、(a)はその縦断面図、(b)はその上視図である。 第2実施形態に係るステアバイワイヤ式操舵装置を説明するための概略図である。 (a)は本発明に係る円板形状部を説明するための縦断面図、(b)は片方の円板形状部の正面図、(c)はもう片方の円板形状部の正面図である。 第3実施形態に係るステアバイワイヤ式操舵装置を説明するための概略図である。 第4実施形態に係るステアバイワイヤ式操舵装置を説明するための概略図である。 第5実施形態に係るステアバイワイヤ式操舵装置を説明するための概略図である。 モータに連結されたボールねじ機構、タイロッドアームおよびナックルアームとの構成の別の例を説明するための詳細図である。 従来のステアバイワイヤ式操舵装置を説明するための概略図である。
符号の説明
11,11a,11b ボールねじ機構
13,13a,13b ねじ軸
14,14a,14b ナット軸
16,16a,16b 回り止め機構
21,21a,21b モータ
24,24´ モータ軸
25a,25b 歯車減速機構
30 クラッチユニット
33 ボール
34 回り止めピン
35 雄ねじ溝
36 雌ねじ溝
37 リニアブッシュ
38 スライドピン
39 ジョイント
40 支持部材
51a,51b 円板形状部
52a,52b 突起部
53 ピン

Claims (3)

  1. 操舵入力装置と、当該操舵入力装置と機械的に分離された操舵リンク機構と、当該操舵入力装置の操作に応じて当該操舵リンク機構を駆動する転舵アクチュエータとを備えるステアバイワイヤ式操舵装置において、
    ねじ軸およびナット軸を備えるボールねじ機構を備えるとともに、
    前記操舵リンク機構は前記ナット軸により回動自在に支承されており、
    前記ねじ軸が前記転舵アクチュエータにより回転駆動されることによって、前記操舵リンク機構が前記ナット軸を介して駆動されることを特徴とするステアバイワイヤ式操舵装置。
  2. 請求項1に記載のステアバイワイヤ式操舵装置において、
    前記転舵アクチュエータを2つ備えることを特徴とするステアバイワイヤ式操舵装置。
  3. 請求項2に記載のステアバイワイヤ式操舵装置において、
    左右の前輪に前記ボールねじ機構が各々設けられ、
    前記ボールねじ機構のねじ軸は前記2つの転舵アクチュエータで各々回転駆動され、且つ、
    前記転舵アクチュエータの軸同士もしくは前記ねじ軸同士を係脱する機構を備えることを特徴とするステアバイワイヤ式操舵装置。
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