JP5636944B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウォーム軸と、ウォームホイールとを有する減速機構を備えるとともに、減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結され、該ステアリングシャフトにアシスト力を付与するモータを備える電動パワーステアリング装置に関する。
電動パワーステアリング装置(EPS)には、モータの回転を減速機構によって減速してステアリングシャフトに伝達することにより、モータトルクをアシスト力として操舵系に付与する構成のものがある。このEPSにおける減速機構は、モータにより回転されるウォーム軸及びステアリングシャフトに連結されるウォームホイールを噛合してなる。
ところで、EPSにおいては、操舵開始時において、モータからのアシスト力が付与されるまでの不感帯ではウォーム軸は回転していない。このため、操舵に伴いウォームホイールが回転すると、その回転トルクは、ウォーム軸にとってはウォーム軸を回転させようとする力(トルク)として作用する。すなわち、ウォーム軸には逆入力が印加される。このため、不感帯では、ウォーム軸とウォームホイールとの間に大きな摩擦抵抗が発生し、この摩擦抵抗が引っ掛かり感となって操舵フィーリングの低下を招く虞がある。そこで、操舵開始時に、ラック軸をその軸方向に移動させ、操舵開始時に生じる引っ掛かり感を低減して良好な操舵フィーリングを実現するようにしたEPSがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の電動式パワーステアリング装置においては、回転軸(ウォーム軸)は、軸受によって回転可能に支持されている。また、軸受における内輪の内周面と、回転軸における支持部の外周面との間には、筒状のブッシュが介装されている。このブッシュのフランジ部と、支持部のフランジ部との間には、Oリング(弾性部材)が介装されている。このOリングは、ある程度撓んだ状態で、両フランジ部の間に配置され、このOリングの原形状への復帰力により、軸受には軸方向に所定の予圧が付与されている。
そして、特許文献1の電動式パワーステアリング装置では、操舵開始時にウォームホイールが回転軸のウォームに接触すると、Oリングを撓ませてブッシュを介して回転軸を軸方向に移動させる。その結果、ウォームホイールとウォームの接触に伴う衝撃(摩擦抵抗)が緩和され、操舵開始時に生じる引っ掛かり感が低減されて良好な操舵フィーリングが実現されるとされている。
特開平11−171027号公報
ところで、特許文献1の電動式パワーステアリング装置では、ウォームホイールが回転軸のウォームに接触した後にOリングを撓ませて回転軸を軸方向に移動させている。すなわち、特許文献1では、操舵開始時において、Oリングが撓む前に、ウォームホイールはウォームに接触しており、この接触によってウォームには逆入力が印加されて引っ掛かり感が生じて操舵フィーリングが低下してしまう。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、操舵開始時に生じる引っ掛かり感を低減して良好な操舵フィーリングを実現することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、軸受を介してハウジングに回転可能に支持されるウォーム軸と、該ウォーム軸に噛合するウォームホイールとを有する減速機構を備えるとともに、前記減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結され、該ステアリングシャフトにアシスト力を付与するモータを備える電動パワーステアリング装置であって、前記軸受の外輪及び内輪のうちの少なくとも一方の軸方向外側に、前記軸受を軸方向へ移動させるアクチュエータを配置するとともに、前記アシスト力が付与されない不感帯では、前記ウォーム軸がその原点位置から移動するように、前記アクチュエータの駆動を制御する制御部を備えることを要旨とする。
上記問題点を解決するために、請求項2に記載の発明は、軸受を介してハウジングに回転可能に支持されるウォーム軸と、該ウォーム軸に噛合するウォームホイールとを有する減速機構を備えるとともに、前記減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結され、該ステアリングシャフトにアシスト力を付与するモータを備える電動パワーステアリング装置であって、前記軸受の外輪及び内輪のうちの少なくとも一方の軸方向外側に、前記軸受を軸方向へ移動させるアクチュエータを配置するとともに、前記アシスト力が付与されない不感帯で前記アクチュエータの駆動を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記アシスト力が付与されていて、かつ前記ウォーム軸がその原点位置から移動している場合には、前記ウォーム軸がその原点位置に向かって移動するように、前記アクチュエータの駆動を制御することを要旨とする。
上記発明によれば、不感帯では、制御部によりアクチュエータを伸縮させることにより、ウォームホイールの回転に合わせてウォーム軸を軸方向に移動させる。このため、ウォームホイールの回転トルクが、ウォーム軸を回転させようとする力(トルク)として作用することがない(逆入力が印加されない)。よって、不感帯であっても、ウォーム軸とウォームホイールとの間に大きな摩擦抵抗が発生することが回避され、操舵開始時の引っ掛かり感が低減されて良好な操舵フィーリングを実現することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、前記軸受の軸方向両側のうちの一方に前記アクチュエータが設けられることを要旨とする。
上記発明によれば、制御部は、各軸受に対し1つのアクチュエータの駆動を制御するだけで各軸受を移動させることができ、小さな制御部の負荷でウォーム軸を軸方向へ移動させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記軸方向両側のうちの他方に弾性部材が設けられることを要旨とする。
上記発明によれば、弾性部材の弾性力により、軸受の移動を補助することができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記ウォーム軸は軸方向両側が前記軸受によって支持され、両軸受それぞれに前記アクチュエータが設けられることを要旨とする。
上記発明によれば、2つのアクチュエータによって、ウォーム軸を軸方向に移動させることができ、例えば、1つのアクチュエータのみで、ウォーム軸を軸方向に移動させる場合と比べると、ウォーム軸の移動速度を速めることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリングにおいて、前記外輪の軸方向外側に前記アクチュエータが設けられることを要旨とする。
上記発明によれば、外輪は、内輪のようにウォーム軸と一体に回転しないため、アクチュエータがウォーム軸の回転の影響を受けることがない。
請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置において、前記アクチュエータは圧電素子であることを要旨とする。
請求項8に記載の発明は、請求項2に記載の電動パワーステアリング装置において、前記アクチュエータは圧電素子であり、前記制御部は、前記圧電素子からの出力電圧に基づいて前記ウォーム軸がその原点位置から移動しているか否かを判断することを要旨とする。
上記発明によれば、圧電素子といった簡単な構成でウォーム軸を軸方向に移動させることができる。
本発明によれば、操舵開始時に生じる引っ掛かり感を低減して良好な操舵フィーリングを実現することができる。
実施形態の電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 実施形態の減速機構の概略構成を示す断面図。 ウォーム軸の支持構造を示す部分拡大断面図。 ECUが行う制御を示すフローチャート。 (a)はウォーム軸を左に移動させた状態を示す部分拡大断面図、(b)はウォーム軸を右に移動させた状態を示す部分拡大断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。
まず、電動パワーステアリング装置(EPS)11の概略構成について説明する。図1に示すように、EPS11において、ラックハウジングHには、ラック軸15が往復動自在に収容されるとともに、ラック軸15の両端にはタイロッド21が連結されている。そして、タイロッド21の先端は、転舵輪22を支承するナックル(図示略)に連結されている。
また、ラックハウジングH内には、ステアリングシャフト13の基端側を構成するピニオン軸20がラック軸15と交差する状態で回転自在に支持されている。ステアリングシャフト13は、ピニオン軸20、及び一端にステアリング12が設けられたコラムシャフト18、並びにピニオン軸20とコラムシャフト18を接続するインターミディエイトシャフト19により構成されている。そして、ラック軸15の周面に形成されたラック歯15aは、ピニオン軸20のピニオン歯20aと噛合されるとともに、ラック軸15は、ピニオン軸20の回転に伴って、ラック軸15の軸方向に往復動するように構成されている。
すなわち、ラック軸15は、周知のラックアンドピニオン機構14を介してステアリングシャフト13と連結されるとともに、ステアリング12の操作(操舵)に伴うステアリングシャフト13の回転は、このラックアンドピニオン機構14によりラック軸15の往復動に変換される。そして、ラック軸15の軸方向への移動により、転舵輪22の舵角が変更される。
また、EPS11のEPSアクチュエータ24は、モータ23を駆動源として操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与する。本実施形態のEPSアクチュエータ24は、所謂コラム型のEPSアクチュエータとして構成されている。
このEPS11において、制御部としてのECU25には、トルクセンサ26及び車速センサ(図示せず)が信号接続されるとともに、トルクセンサ26は操舵トルクを検出し、車速センサは車速を検出する。また、ECU25には、モータ23が信号接続されている。そして、ECU25は、これら各センサの出力信号に基づいて目標アシスト力を演算し、この目標アシスト力をEPSアクチュエータ24に発生させるべく、その駆動源であるモータ23に駆動電力を供給する。すなわち、ECU25は、モータ23への電力供給により、EPSアクチュエータ24の作動、すなわち操舵系に付与するアシスト力を制御するようになっている。なお、操舵開始(ステアリング12の切り始め)からモータ23によるアシストが始まるまでを、不感帯とする。
図2に示すように、EPSアクチュエータ24のハウジング36には、筒状のウォーム軸収容部36a(図2の上部に図示)が形成されるとともに、筒状のウォームホイール収容部36b(図2ではウォーム軸収容部36aの下側)が形成されている。さらに、ハウジング36には、筒状のモータ収容部36cがウォーム軸収容部36aに連設されている。そして、モータ収容部36cには、モータ23が収容されるとともに、ウォーム軸収容部36aには、ウォーム軸35が収容されている。ウォーム軸35の周面には螺旋状をなす一条のウォーム歯35aが形成されている。ウォーム軸35は、ウォーム軸収容部36aの内周面(ハウジング36)に設けられた第1軸受41及び第2軸受42を介してハウジング36に回転可能に支持されている。
また、モータ23の出力軸23aは、軸継手37を介してウォーム軸35に接続されている。ウォームホイール収容部36bには、コラムシャフト18に連結されたウォームホイール34が収容されるとともに、ウォームホイール34の胴体部34aには、複数のホイール歯34bがその外周面全周に亘って形成されている。そして、ウォーム歯35aとホイール歯34bとが噛合することにより、モータ23の回転が、ウォーム軸35及びウォームホイール34により減速されてコラムシャフト18に伝達され、そのモータトルクがアシスト力として操舵系に付与される。そして、本実施形態では、減速機構30は、ウォームホイール34と、ウォーム軸35とから構成されている。
次に、ウォーム軸35の支持構造について説明する。
図3に示すように、ウォーム軸収容部36aの一端側(図3では左端側)の内周面には、第1装着部51がウォーム軸収容部36aの周方向全体に延びるように形成されるとともに、ウォーム軸収容部36aの他端側(図3では右端側)の内面には、第2装着部52がウォーム軸収容部36aの周方向全体に延びるように形成されている。そして、第1装着部51に、第1軸受41の外輪41aが装着されるとともに、第2装着部52に第2軸受42の外輪42aが装着されている。また、第1軸受41の内輪41b、及び第2軸受42の内輪42bがウォーム軸35に固着されている。
ウォーム軸収容部36aの中心軸Lの延びる方向を、ウォーム軸収容部36aの軸方向とするとともに、第1及び第2軸受41,42の中心軸(図示せず)の延びる方向を、第1及び第2軸受41,42の軸方向とする。ウォーム軸収容部36aの軸方向に沿った第1装着部51の開口幅W1は、第1軸受41の軸方向への長さL1より長く、第2装着部52の開口幅W2は、第2軸受42の軸方向への長さL2より長くなっている。
第1装着部51内において、第1軸受41の軸方向における外輪41aの両端面のうちの一端面(図3では左端面)と、この一端面に対向する第1装着部51内面との間に形成される隙間(一方の隙間)には、アクチュエータとしての第1圧電素子61が配置されている。一方、外輪41aの他端面(図3では右端面)と、この他端面に対向する第1装着部51内面との間に形成される隙間(他方の隙間)には、ゴム製の第1弾性部材62が若干押し潰される状態で介装されている。そして、この第1弾性部材62の原形状への復帰力により、第1軸受41(外輪41a)は、第1圧電素子61に押し付けられている(付勢されている)。さらに、第1弾性部材62の弾性力により、第1軸受41は、ウォーム軸収容部36aの軸方向に沿って摺動可能に第1装着部51内に保持されている。
また、第2装着部52内において、第2軸受42の軸方向における外輪42aの両端面のうち一端面(図2では右端面)と、この一端面に対向する第2装着部52内面との間に形成される隙間(一方の隙間)には、アクチュエータとしての第2圧電素子63が配置されている。一方、外輪42aの他端面(図3では左端面)と、この他端面に対向する第2装着部52内面との間に形成される隙間(他方の隙間)には、ゴム製の第2弾性部材64が若干押し潰される状態で介装されている。そして、この第2弾性部材の原形状への復帰力により、第2軸受42(外輪42a)は第2圧電素子63に押し付けられている(付勢されている)。さらに、第2弾性部材64の弾性力により、第2軸受42は、ウォーム軸収容部36aの軸方向に沿って摺動可能に第2装着部52内に保持されている。
第1及び第2圧電素子61,63は、圧力などの力が加わると電圧を発生するとともに、電圧が加えられると伸縮(変形)する素子のことである。なお、第1及び第2圧電素子61,63は、第1及び第2弾性部材62,64によって第1及び第2軸受41,42が押し付けられた状態では、電圧は発生しない。
そして、第1軸受41は、第1圧電素子61の伸縮及び第1弾性部材62の弾性変形により、ウォーム軸収容部36aの軸方向へ移動可能になっている。また、第2軸受42は、第2圧電素子63の伸縮、及び第2弾性部材64の弾性変形により、ウォーム軸収容部36aの軸方向へ移動可能になっている。なお、第1及び第2圧電素子61,63に電圧が印加されず、伸縮していないときは、ウォーム軸35は、ウォーム軸収容部36aの軸方向中央に位置し、この位置をウォーム軸35の原点位置とする。
第1及び第2圧電素子61,63それぞれは、ECU25に信号接続されている。そして、第1及び第2圧電素子61,63が加圧されることで発生した電圧は、ECU25に検出される。また、ECU25は、トルクセンサ26で操舵トルクが検出されると(ステアリング12の操作量が不感帯にある場合)、第1及び第2圧電素子61,63を伸縮させるために電圧を印加する制御を行う。第1及び第2圧電素子61,63は、プラスの電圧が印加されると伸長し、マイナスの電圧が印加されると収縮する。
次に、ECU25が行う制御について図4にしたがって説明する。
さて、例えば、直進からの操舵開始時において、ECU25は、トルクセンサ26での操舵トルクの検出に基づいて、操舵トルクが不感帯にあるか否かを判定する(ステップS1)。この判定結果が肯定判定である場合(ステップS1でYES)、ECU25は、操舵トルクに応じて第1及び第2圧電素子61,63に電圧を加えて伸縮させ、ウォーム軸35を軸方向に沿って原点位置から移動させる(ステップS2)。その後、ECU25は処理を終了させる。
一方、ステップS1の判定結果が否定判定である場合(ステップS1でNO)、すなわち、操舵範囲が不感帯を超え、モータ23のモータトルクによるアシスト力が付与されている状態では、ECU25は、ウォーム軸35が原点位置から移動している(軸方向へ変位している)か否かを判定する(ステップS3)。ウォーム軸35が原点位置から移動しているか否かの判定は、ウォーム軸35の移動により、第1及び第2圧電素子61,63が加圧されることで発生した電圧がECU25によって検出されているか否かによって行われる。
そして、ステップS3の判定が否定判定の場合(ステップS3でNO)、ECU25は、ステップS2で移動させた方向とは逆方向へウォーム軸35が移動するように第1及び第2圧電素子61,63に電圧を印加して伸縮させ、ウォーム軸35を原点位置に復帰させる(ステップS4)。すなわち、第1及び第2圧電素子61,63により、ウォーム軸35の位置を原点位置に戻す。一方、ステップS3の判定結果が肯定判定の場合(ステップS3でYES)、ウォーム軸35は、軸方向に移動していない状態であることから、ECU25は処理を終了させる。
次に、EPS11の作用について、ステアリング12を左に回転させた場合を例に挙げて説明する。
図5(a)に示すように、操舵が開始され、トルクセンサ26が操舵トルクを検出すると(操舵トルクが不感帯にあると判断すると)、ECU25は、第1圧電素子61を収縮させるとともに、第2圧電素子63を伸長させる制御を行う。すると、第1圧電素子61の収縮に伴い、第1弾性部材62は原形状への復帰に伴い伸長すると同時、第2圧電素子63の伸長に伴い第2弾性部材64が収縮する。その結果、第1軸受41及び第2軸受42が、左に向けて軸方向に移動するとともに、第1軸受41及び第2軸受42が固着されたウォーム軸35も左に向けて軸方向に移動する。
このため、不感帯であっても、ウォームホイール34の回転トルクが、ウォーム軸35を回転させようとする力(トルク)として作用することがない(逆入力が印加されない)。そして、ウォーム軸35が軸方向に移動するため、ウォームホイール34がウォーム軸35に衝突することが防止されるとともに、ウォームホイール34とウォーム軸35の間に大きな摩擦抵抗が発生することが防止される。
その後、ECU25は、トルクセンサ26の検出に基づき、操舵範囲が不感帯を超えたと判断すると、ウォーム軸35が原点位置から移動している場合は、ウォーム軸35を原点位置に復帰させる制御を行う。すなわち、ECU25は、第1及び第2圧電素子61,63への電圧の印加を停止すると、第1弾性部材62は収縮して原形状に復帰すると同時に、第2弾性部材64が伸長して原形状に復帰する。その結果、第1軸受41及び第2軸受42は、右に向けて移動するとともに、ウォーム軸35も右に向けて軸方向に移動し、ウォーム軸35が原点位置に復帰する。
なお、図5(b)に示すように、ステアリング12を右に回転させた場合は、ECU25がトルクセンサ26の検出結果に基づき不感帯にあると判断すると、第1圧電素子61を伸長させるとともに、第2圧電素子63を収縮させる制御を行い、ウォーム軸35を右に向けて軸方向に移動させる。このため、不感帯で、ウォームホイール34がウォーム軸35に衝突することが防止されるとともに、ウォームホイール34とウォーム軸35の間に大きな摩擦抵抗が発生することが防止される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ウォーム軸35を支持する第1軸受41を第1装着部51内に摺動可能に設けるとともに、第2軸受42を第2装着部52内に摺動可能に設けた。また、第1軸受41において、外輪41aと第1装着部51との間に第1圧電素子61を配置するとともに、第2軸受42において、外輪42aと第2装着部52との間に第2圧電素子63を配置した。そして、操舵開始時において、ステアリング12が不感帯にあるときは、ECU25により第1及び第2圧電素子61,63を伸縮させることにより、ウォームホイール34の回転に合わせてウォーム軸35を軸方向に移動させる。このため、不感帯であっても、ウォームホイール34とウォーム軸35との間に大きな摩擦抵抗が発生せず、操舵開始時の引っ掛かり感が低減されて良好な操舵フィーリングを実現することができる。
(2)第1軸受41の軸方向両側に形成される隙間のうち一方に第1圧電素子61を介装するとともに他方に第1弾性部材62を介装した。また、第2軸受42の軸方向両側に形成される隙間のうち一方に第2圧電素子63を介装するとともに他方に第2弾性部材64を介装した。このため、各軸受41,42に対し、1つの圧電素子61,63の駆動を制御するだけで各軸受41,42を移動させることができ、ECU25の負荷を小さくしながらもウォーム軸35を軸方向へ移動させることができる。
(3)第1軸受41の軸方向両側に形成される隙間のうち一方に第1圧電素子61を配置するとともに、他方に第1弾性部材62を介装した。また、第2軸受42の軸方向両側に形成される隙間のうち一方に第2圧電素子63を配置するとともに他方に第2弾性部材64を介装した。このため、第1及び第2弾性部材62,64により、第1及び第2軸受41,42を第1及び第2装着部51,52内に摺動可能に保持することができる。また、第1及び第2圧電素子61,63が伸縮した際は、第1及び第2弾性部材62,64の原形状への復帰力により、第1及び第2軸受41,42の移動を補助することができる。
(4)第1軸受41を第1圧電素子61の伸縮によって摺動可能にするとともに、第2軸受42を第2圧電素子63の伸縮によって摺動可能にした。すなわち、2つの圧電素子61,63の伸縮によって、ウォーム軸35を軸方向に移動可能にした。このため、例えば、1つの圧電素子の伸縮のみで、ウォーム軸35を軸方向に移動させる場合と比べると、ウォーム軸35の移動速度を速めることができる。
(5)各軸受41,42の外輪41a,42aを各圧電素子61,63で移動させる構成とした。外輪41a,42aは、内輪41b,42bのようにウォーム軸35と一体に回転しないため、各圧電素子61,63がウォーム軸35の回転の影響を受けることがない。よって、各圧電素子61,63により、ウォーム軸35を円滑に移動させることができる。
(6)アクチュエータとして圧電素子を採用した。よって、簡単な構成でウォーム軸35を移動させることができる。
(7)操舵開始時において、ステアリング12が不感帯にあるときは、第1及び第2圧電素子61,62の伸縮により、ウォームホイール34の回転に合わせてウォーム軸35を軸方向に移動させる。このため、ウォームホイール34とウォーム軸35との衝撃を緩和させることができ、ホイール歯34bとウォーム歯35aとの歯打ち音を低減させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、トルクセンサ26で検出された操舵トルクに基づいて、ECU25は第1及び第2圧電素子61,63を制御するようにしたが、操舵トルクの変化率に基づいて第1及び第2圧電素子61,63を制御するようにしてもよい。
○ 実施形態では、トルクセンサ26で検出された操舵トルクに基づいて、ECU25は第1及び第2圧電素子61,63を制御するようにしたが、操舵速度が所定値を超えた際に、第1及び第2圧電素子61,63を制御するようにしてもよい。
○ 第1及び第2圧電素子61,63を伸縮させるために印加される電圧値は、車速センサで検出される車速に応じて変化させてもよい。
○ 実施形態では、第1及び第2軸受41,42それぞれの軸方向外側に、圧電素子61,63を配置した構成としたが、第1及び第2軸受41,42のうちのいずれか一方の軸方向外側に、圧電素子を配置した構成としてもよい。
○ 実施形態では、第1及び第2軸受41,42それぞれの軸方向外側に形成される隙間のうち一方に圧電素子61,63を配置する構成としたが、以下のように変更してもよい。すなわち、第1及び第2軸受41,42の軸方向外側に形成される隙間それぞれに圧電素子を配置してもよい。
○ 実施形態では、各軸受41,42における各外輪41a,42aの軸方向外側に各圧電素子61,63を配置する構成としたが、各軸受41,42における各内輪41b,42bの軸方向外側に圧電素子を配置してもよい。
○ 実施形態では、アクチュエータとして第1及び第2圧電素子61,63に具体化した、アクチュエータとして電磁石やエアスピンドル等の他の形式のものに具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記軸受の軸方向両側の端面と、該端面に対向する前記装着部の内面との隙間それぞれに前記アクチュエータが介装されている請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
11…電動パワーステアリング装置(EPS)、13…ステアリングシャフト、23…モータ、25…制御部としてのECU、30…減速機構、34…ウォームホイール、35…ウォーム軸、36…ハウジング、41…第1軸受、42…第2軸受、41a,42a…外輪、41b,42b…内輪、61…アクチュエータとしての第1圧電素子、62…第1弾性部材、63…アクチュエータとしての第2圧電素子、64…第2弾性部材。

Claims (8)

  1. 軸受を介してハウジングに回転可能に支持されるウォーム軸と、該ウォーム軸に噛合するウォームホイールとを有する減速機構を備えるとともに、
    前記減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結され、該ステアリングシャフトにアシスト力を付与するモータを備える電動パワーステアリング装置であって、
    前記軸受の外輪及び内輪のうちの少なくとも一方の軸方向外側に、前記軸受を軸方向へ移動させるアクチュエータを配置するとともに、
    前記アシスト力が付与されない不感帯では、前記ウォーム軸がその原点位置から移動するように、前記アクチュエータの駆動を制御する制御部を備える電動パワーステアリング装置。
  2. 軸受を介してハウジングに回転可能に支持されるウォーム軸と、該ウォーム軸に噛合するウォームホイールとを有する減速機構を備えるとともに、
    前記減速機構を介してステアリングシャフトに駆動連結され、該ステアリングシャフトにアシスト力を付与するモータを備える電動パワーステアリング装置であって、
    前記軸受の外輪及び内輪のうちの少なくとも一方の軸方向外側に、前記軸受を軸方向へ移動させるアクチュエータを配置するとともに、
    前記アシスト力が付与されない不感帯で前記アクチュエータの駆動を制御する制御部を備え
    前記制御部は、前記アシスト力が付与されていて、かつ前記ウォーム軸がその原点位置から移動している場合には、前記ウォーム軸がその原点位置に向かって移動するように、前記アクチュエータの駆動を制御する電動パワーステアリング装置。
  3. 前記軸受の軸方向両側のうちの一方に前記アクチュエータが設けられる請求項1又は請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記軸方向両側のうちの他方に弾性部材が設けられる請求項に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記ウォーム軸は軸方向両側が前記軸受によって支持され、両軸受それぞれに前記アクチュエータが設けられる請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記外輪の軸方向外側に前記アクチュエータが設けられる請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記アクチュエータは圧電素子である請求項1〜請求項のうちいずれか一項に記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 前記アクチュエータは圧電素子であり、
    前記制御部は、前記圧電素子からの出力電圧に基づいて前記ウォーム軸がその原点位置から移動しているか否かを判断する請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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