JP2007325917A - マウスピース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】上顎歯列と下顎歯列との奥咬合間に噛み込む左右の噛み込み部と左右の噛み込み部を連結した連結部とからなり、噛み込み部は弾力性を有していることを特徴とする。
噛み込み部は上顎奥歯当たり面と下顎奥歯当たり面との少なくとも一方が凸形状になっているとよい。
【選択図】 図1
Description
この種の症状を改善する方法の1つとして従来から、スリープスプリントと称する歯科装具あるいは各種マウスピース等が提案されている。
しかし、スリープスプリントは専門医等による歯形取り及び技工士等による製作等が必要であり、多くの手順と作業を要し、高価であった。
また、特開2004−73473号公開公報には上顎ピースと下顎ピースとの2ピースからなるマウスピースを開示するが、上顎ピースと下顎ピースとはそれぞれ歯列の咬合面に沿って被せるための馬蹄形になっているので歯形取りが必要である。
さらには、噛み込むことで歯形取りする1ピースタイプのマウスピースも提案されている。
しかし、これまでに提案された1ピースタイプのマウスピースにあっては、咬合面を歯形に合わせるために下顎が動かぬように固定するものばかりである。
これでは、睡眠中に下顎を動かすことができず苦痛を感じるものであった。
歯の当たり面に凸部が形成される形状としては円筒状のチューブや断面ひし形、断面楕円型の弾性材であってよい。
歯の当たり面に形成する凸部は上顎歯列と下顎歯列との少なくともどとらか一方に形成されていれば本発明の効果が生じる。
従ってマウスピースの下側は下顎歯列に装着しやすいように奥歯の側部に位置する垂下部を設けてもよい。
また、噛み込み部は弾力性を有する限り、断面中空、断面中実を問わず、材質も口の中に入れることができる限り限定されない。
この熱硬化ゴム部を有する噛み込み部は、連結部から外した状態で噛み込んで歯列に合わせた形状にして硬化させたものを、後付けで連結部に取り付けるものとすると、熱硬化ゴム部を硬化させるための噛み込み部の噛み込み作業において、口腔内に含む部分を減らして噛む負担を減らすことができる。
マウスピース10は、左右の噛み込み部11a、11bとこの左右の噛み込み部11a、11bを連結した連結部12からなる1ピースタイプとなっている。
噛み込み部11a、11bは、上顎歯列1と下顎歯列2との奥歯咬合面で噛むようにして口腔内に装着する。
マウスピースの噛み込み部11aを歯で噛んだ状態を図4に示す。
図4に示した例は、噛み込み部11aが断面チューブ状になっている場合を示す。
噛み込み部は、チューブ状に限定する必要はなく、上下方向の弾力性があり、噛み込み部11aの上面の上顎歯列当たり面に凸部13a、又は下面の下顎歯列当たり面に凸部14aが形成されていれば中空部15を有する円筒状に限る必要がなく、中空部のない棒状であってもよく、また断面形状もひし形、楕円等であってもよい。
例えば図6にひし形断面例を示す。
これらに示したマウスピースの噛み込み部の形状例は、奥歯のくぼみに納まる凸部と奥歯の左右の動きを許容する形状例を示したものである。
材質的には口腔内に装着する際に衛生的であり、弾力性の高い軟質樹脂やゴム系の樹脂がよい。
このように歯当たり面が凸形状になっていると図4に示すように、奥歯のくぼみに凸部がフィットし、図4(b)(c)に示すように奥歯の上下が左右に少しずれてもマウスピースが歯列から外れるのを防止するだけでなく、歯を左右にある程度動かすことができるので下顎が固定されないのでマウスピース装着時の苦痛が和らぐ。
図2(a)に示すように通常は上顎の前歯が下顎の前歯より少し前に出ていて、その時の奥歯の噛み合せは図2(b)に示すように歯のくぼみが少し左右にずれている。
これに対して図3(a)、(b)に示すようにマウスピースの噛み込み部を噛むことで若干、下顎が前に出るようになる。
これにより、下顎が下がるのを抑え、舌根が気道を狭めたり塞ぐのを防止する。
また、無呼吸状態になるのを抑え、いびき症が改善し、ストレス等が緩和する。
本発明に係るマウスピースは噛み込む動作にて気道を確保しつつ、上顎及び下顎がマウスピースにて固定されることがなく、睡眠時の自然な顎の動きを可能にしたことにより、患者のマウスピース装着から生じる不必要な苦痛、ストレスを解消できる。
従って、噛み込み部の断面方向の大きさは奥歯のくぼみにフィットし、強く噛み込む必要のない10mm×10mm以下がよい。
なお、図5、図6において(a)は平面図で(b)は正面図を示す。
また、本発明に係るマウスピースは、専門医等に依頼して歯型をとる必要がなく、安価である。
マウスピースの噛み込み部11a、11bから奥歯の側部に位置する垂下部16a、16bを形成することでマウスピースを奥歯に装着するのが容易になる。
なお、垂下部は奥歯の外側でも内側でもよく、また垂下部の代りに上顎歯列に向けた立ち上げ部でもよい。
図8(a)は噛み込み部17の上面が凸形状になっていて、図8(b)はその裏面の形状を示す。
凸部を半円状にし、裏面に補強リブ17aを形成してある。
図9は噛み込み部18、19を円柱状にした例を示し、弾力性を大きくするために切り込み部18a、18b、19aを形成してある。
なお、図9(b)に示したように横方向に切り込んだ場合には噛み込む際に頬を挟まないように切り込み先を内側に丸くしてある。
図10は噛み込み部を数珠状にした例を示し、図10(a)のように弾力性のある玉20を軸21で連結して曲げスペース21aを設けてもよく、図10(b)のように玉22を直接連結し曲げスペース22aを設けてもよい。
熱硬化ゴム部30は加熱により硬化するシリコーン系ゴム材で形成してあり、初期状態において塑性変形可能に柔らかく、体温程度の36〜37℃付近に加熱することで、ある程度の弾性を有した状態に硬化する。
熱硬化ゴム部30には奥歯に合わせた歯当たり面を、噛み込みにより塑性変形させて形成する。
噛み込み部23は、上下に別個に噛み込み上部25と噛み込み下部26とを設けてある。
噛み込み上部25には上顎歯列奥を噛み込みさせて、噛み込み下部26には下顎歯列奥を噛み込みさせる。
噛み込み上部25と噛み込み下部26は、連結部36の両端に設けてある連結ベース36aに、それぞれ連結アーム36bで連結してある。
図12に、熱硬化ゴム部30を奥歯に合わせた形状に塑性変形させる状態の説明図を示す。
噛み込み上部25と噛み込み下部26には、金属製等のベースフレーム23aがそれぞれ一対ずつ設けてある。
それぞれのベースフレーム23aは、熱硬化ゴム部30の歯当たり面30aとは反対側の両側面部分に設けてある。
熱硬化ゴム部30は、ベースフレーム23aの間から、それぞれの歯列に向かう方向の断面凸形の、歯列に沿う方向に形成してある。
噛み込み上部25と噛み込み下部26は、それぞれ連結部ベース36a側のベースフレーム23aを連結部ベース36aに弾性アーム36bで連結してある。
噛み込み上部25と噛み込み下部26は、弾性アーム36bを撓ませることで、互いの境界面30bをずらすような横方向の相対移動や、上下方向の相対移動をできるようにしてある。
これにより、マウスピース装着時に上顎と下顎をある程度別々に動かせるようにしてある。
噛み込み上部25と噛み込み下部26のそれぞれの境界面30bには芯受け凹部33が、長手方向に互いに対向して設けてある。
この芯受け凹部33同士の間には、両芯受け凹部33に係り、芯受け凹部33に沿う方向にチューブ状の芯部35が配設してある。
芯部35は弾力性があり、噛み込み上部25と噛み込み下部26同士の上下方向及び左右方向の動きを所定の範囲で許容しつつ、奥歯からマウスピースが外れるのを防止している。
この芯部35は、噛み込み上部25と噛み込み下部26のいずれかに連結してあればよい。
マウスピースを初めて使用する際には、図12(a)に示すように口腔内に噛み込み部23をいれて上顎歯列1と下顎歯列2との奥咬合間に挟んだ状態で、図12(b)に示すように噛み込む。
熱硬化ゴム部30は熱硬化前で柔らかく、噛み込みによる塑性変形により上下の奥歯に合わせた噛み込み凸部31が形成されて、体温で硬化する。
熱硬化ゴム部30が、ベースフレーム23aと歯当たり面30aとの間からはみ出した、はみ出し部31aは切除する。
噛み込み凸部31は、上下の奥歯の歯のくぼみに嵌るように形成される。
これにより、噛み込み上部25や噛み込み下部26は奥歯に対して横ズレして外れるのを防止する。
図13(a)は別のマウスピースの実施例で、図13(b)に噛み込み部23部分の縦断面図を示す。
噛み込み上部25aと噛み込み下部26aには、それぞれベースフレーム23bが、歯列側に開口する断面略U形に設けてある。
熱硬化ゴム部30はベースフレーム23bの凹部23c内に設けてある。
ベースフレーム23bは、それぞれ弾性アーム36bで連結ベース36aに連結してある。
図14(b)に、連結部37から噛み込み部24を取り外した状態を示す。
連結部37の両端部は切り込み部37cで上下に分岐して連結上ベース37aと連結下ベース37bとを設けてある。
連結上ベース37aと連結下ベース37bは別々に撓ませることができる。
噛み込み上部27は連結上ベース37aに連結してあり、噛み込み下部28は連結下ベース37bにそれぞれ連結してある。
図15は噛み込み部24の説明図を示す。
図15(a)は噛み込み下部28の平面図を示し、図15(b)は噛み込み下部28の熱硬化ゴム部30を下歯列に合わせた形状に硬化させる状態の説明図を示し、図15(c)は噛み込み部24の縦断面図を示す。
熱硬化ゴム部30は、奥歯の幅より大きい歯列向きの断面凸形で、歯列に沿う方向に形成してある。
図15(b)に示すように、熱硬化ゴム部30は、歯列2に被せるように押しつけることで、内外両側から奥歯を保持する形状に噛み込み凹部32を形成して、体温で硬化させる。
噛み込み下部28の噛み込み上部との境界面30bには、予め芯受け凹部33が形成してあり、この芯受け凹部33にチューブ状の芯部35を配設してある。
この芯部35の作用は、図12に示した芯部35と同様である。
そして、境界面30bと噛み込み凹部32との間には、歯列を横切る方向に貫通するピン34孔が設けてある。
このピン孔34は熱硬化ゴム部30を硬化させた後に設けるとよい。
また、図15(c)に示すように、芯部にも連結ピンが挿通するピン孔を設けるとよい。
噛み込み上部27は熱硬化ゴム部30を上顎歯列に合わせて硬化させ、噛み込み下部28と同じ手順で形成する。
連結上ベース37a、連結下ベース37bには、ピン孔34に嵌着させる連結ピン38が設けてある。
噛み込み上部27と噛み込み下部28の、連結上ベース37a、連結下ベース37bそれぞれとの連結は、ピン孔34を連結ピン38に嵌着させて行う。
連結上ベース37aと連結下ベース37bは、それぞれ別々に撓ませることができるので、噛み込み上部27と噛み込み下部28は上下左右に相対移動できる。
連結部37は、途中を分断して一方の分断端部39に長孔41を設け、他方の分断端部40にはボルト42を設けてある。
そして、ボルト42を長孔41を通してナット43で締結して両分断端部同士を連結してある。
連結部37は、埋め込みボルト42の長孔41に対する位置や角度を変えて、分断端部同士の連結位置と連結角度を調整できるようにしてある。
11a、11b 噛み込み部
12、12a、12b 連結部
13a 上面側の凸部
14a 下面側の凸部
15 中空部
Claims (10)
- 上顎歯列と下顎歯列との奥咬合間に噛み込む左右の噛み込み部と左右の噛み込み部を連結した連結部とからなり、噛み込み部は弾力性を有していることを特徴とする無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 噛み込み部は上顎奥歯当たり面と下顎奥歯当たり面との少なくとも一方が凸形状になっていることを特徴とする請求項1記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 噛み込み部は、チューブ状、切り込み部を有する円柱状、数珠状、あるいは断面半円状であることを特徴とする請求項1又は2記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 噛み込み部から奥歯の側部に位置する垂下部を形成してあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 連結部は蛇腹状、あるいはスライド式であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 噛み込み部は、上側奥歯を噛み込みさせる噛み込み上部と、下側奥歯を噛み込みさせる噛み込み下部とを有し、噛み込み上部と噛み込み下部とは互いに相対移動可能に連結部に弾性連結してあることを特徴とする請求項1記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 噛み込み上部と噛み込み下部は熱硬化ゴム部を有し、熱硬化ゴム部は奥歯の噛み込みにより奥歯に合わせて塑性変形して歯当たり面を形成して体温により硬化することを特徴とする請求項6記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 噛み込み上部と噛み込み下部はそれぞれ後付けで連結部に連結させることを特徴とする請求項6又は7記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 連結部は途中で分断して、一方の分断端部には長孔を設けて、他方の分断端部には係止手段を設けて、係止手段は長孔を通して長孔範囲で調整可能に分断端部同士を連結することを特徴とする請求項6〜8記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
- 上噛み込み部と下噛み込み部のそれぞれの対向面には、互いに対向する長手方向の芯受け凹部を設けてあり、
芯受け凹部同士の間には芯受け凹部に沿う方向の芯部が配設してあり、
芯部は、噛み込み上部と噛み込み下部同士が横ズレしたときに両芯受け凹部の縁に係って横ズレ幅を規制することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の無呼吸症候群又はいびき症等を改善するためのマウスピース。
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