JP2007324259A - 有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法 - Google Patents

有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機薄膜太陽電池デバイスの短絡欠陥を除去し、光電変換効率を向上させることができる有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法では、素子基板101上に、陽極電極102と陰極電極105との間に有機光電変換層110を挟持した有機太陽電池素子111を形成する素子形成工程と、有機光電変換層110を加熱し、陽極電極102と陰極電極105とを介して、有機光電変換層110に逆バイアス電圧を印加するエージング工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法に関し、特に、有機薄膜太陽電池デバイスの製造工程におけるエージング方法に関する。
従来から、太陽電池デバイスの光電変換層の材料として、単結晶、多結晶あるいはアモルファス状のシリコンが広く用いられている。しかし、このような無機太陽電池デバイスは、極めて高純度のシリコンを用いることが必要であることから、製造工程が複雑で、コストが高くなるという問題がある。
そこで、光電変換層の材料として有機材料を用いた有機太陽電池デバイスの研究が盛んになってきている。この有機太陽電池デバイスは、簡単なプロセスで短時間に多量に製造することができ、且つ低コスト化・大面積化が可能であるという利点を有している。特許文献1には、p型有機半導体層としてフタロシアニンを用い、n型有機半導体層としてフラーレンを用いたpn接合型の有機太陽電池デバイスが開示されている。
特開平09−074216号公報
有機太陽電池デバイスに用いられる有機材料は、シリコン等の無機材料とは異なり、光励起により生成した電子−正孔対の解離度やキャリア移動度が低く、光電変換効率が低いという問題がある。また、有機太陽電池デバイスの製造時に、陽極電極と陰極電極との間に配置されている有機光電変換層に異物が混入したり、陽極電極に突起が生じて突起が有機光電変換層に侵入したりすることにより、欠陥部が生じることがある。有機光電変換層は極めて薄いため、有機光電変換層の欠陥部において、陽極電極と陰極電極との間に局所的な短絡が発生し、光電変換効率が低下するという問題がある。
さらに、有機太陽電池デバイスは、長期的寿命に大きな問題を有している。この寿命が短い原因としては、有機光電変換層への水分等の吸着などによる化学的劣化が大きな影響を及ぼすものと考えられる。
本発明は上記のような事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的は、有機薄膜太陽電池デバイスの短絡欠陥を除去し、光電変換効率を向上させることができる有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法を提供することである。
本発明の第1の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、基板上に、第1の電極と第2の電極との間に有機光電変換層を挟持した有機薄膜太陽電池素子を形成する素子形成工程と、前記有機光電変換層を加熱し、前記第1の電極と前記第2の電極とを介して、前記有機光電変換層に逆バイアス電圧を印加するエージング工程とを含む。これにより、局所的な短絡欠陥部分を除去することができる。また、有機光電変換層を加熱することにより、有機光電変換層と電極との界面が安定化し、光電変換効率を向上させることができる。
本発明の第2の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記エージング工程において、前記有機光電変換層を60度以上転移温度以下に加熱する。これにより、有機光電変換層の状態が変化し、有機光電変換層の特性が劣化するのを防止することができる。
本発明の第3の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記逆バイアス電圧は、絶対値が50V以下である。これにより、逆バイアス電圧の印加による有機薄膜太陽電池デバイスの破壊を防止することができる。
本発明の第4の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記エージング工程において、前記有機光電変換層に逆バイアス電圧と順バイアス電圧とを交互に印加する。これにより、逆バイアス電圧の印加により有機光電変換層に蓄積される電荷を逃がすことができ、有機光電変換層の特性劣化を防止することができる。
本発明の第5の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記順バイアス電圧は、絶対値が50V以下である。これにより、順バイアス電圧の印加による有機薄膜太陽電池デバイスの破壊を防止することができる。
本発明の第6の態様に係る有機薄膜態様電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記順バイアス電圧のデューティ比が1/5〜1/20である。これにより、有機薄膜太陽電池デバイスの特性を効果的に改善することができる。
本発明の第7の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記逆バイアス電圧と前記順バイアス電圧の周波数は、1〜1000KHzである。これにより、有機薄膜太陽電池デバイスの特性を効果的に改善することができる。
本発明の第8の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記エージング工程にかかる時間は、1分間以上5時間以下である。これにより、有機薄膜太陽電池デバイスの特性の経時変化を小さくすることができる。
本発明の第9の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、封止基板を前記基板の前記有機太陽電池素子形成面に対向配置してシール材により貼り合わせ、前記有機薄膜太陽電池素子を封止する封止工程の後に、前記エージング工程を行う。これにより、有機光電変換層の水分等による特性劣化を抑制することができる。
本発明の第10の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記基板と前記封止基板とで形成され、前記有機太陽電池素子が封止された空間内に支燃性ガスを封入し、前記エージング工程を行う。これにより、局所的な短絡欠陥部分を効果的に除去することができる。
本発明の第11の態様に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法は、上記の製造方法において、前記封止基板上において、前記有機太陽電池素子に対向する面に捕水材を設ける。これにより、有機光電変換層の水分等による特性劣化を更に効果的に抑制することができる。
本発明によれば、有機薄膜太陽電池デバイスの短絡欠陥を除去し、光電変換効率を向上させることができる有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法について、図を参照して説明する。まず、図1を参照して本実施の形態に係る有機薄膜太陽電池デバイスの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る有機薄膜太陽電池デバイス(以下、有機太陽電池とする)100の構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る有機太陽電池100は、素子基板101、陽極電極102、p型有機半導体層103、n型有機半導体層104、陰極電極105、封止基板106、捕水材107、陽極補助配線108、陰極補助配線109を有している。p型有機半導体層103及びn型有機半導体層104が有機光電変換層110である。また、有機太陽電池素子111は、陽極電極102と、陰極電極105と、これら両電極に挟持された有機光電変換層110とからなる。
この有機太陽電池100は、素子基板101の下側から光を照射すると、p型有機半導体層103及びn型有機半導体層104では、充満帯から導電体に電子が飛び移り、電子・正孔対が形成される。p型有機半導体層103とn型有機半導体層104の境界にある空乏層中で形成された電子・正孔対は、空乏層中の電界により、正孔はp型有機半導体層103へ、電子はn型有機半導体層104へ移動する。このため、p型有機半導体層103は正電位に、n型有機半導体層104は負電位になる。このように発生した起電力により、陽極補助配線108及び陰極補助配線109を介して電流を取り出すことができる。
図1に示すように、素子基板101上には、陽極電極102及び陽極補助配線108が形成されている。素子基板101としては、光透過性を有するガラス、エポキシ樹脂等の透明絶縁性基板を用いることができる。また、陽極電極102及び陽極補助配線108としては、ITOなどの透明導電材料を用いる。陽極電極102は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法などにより形成することができる。素子基板101側から入射する光が陽極電極102を透過して有機光電変換層110に到達するように、陽極電極102は任意の光透過率とする。
陽極電極102上には、p型有機半導体層103が形成されている。本実施の形態においては、p型有機半導体層103として(1)に示される銅フタロシアニン(CuPc)を用いた。
Figure 2007324259
(1)
なお、p型有機半導体層103の材料としては、上記のものに限定されない。例えば、(2)に示されるペンタセンや、(3)に示されるP3HT(poly(3-hexylthiophene-2,5-diyl))、(4)に示されるF8T2(poly(9-9'dioctyfiuorene-co-bithiophene))、(5)に示されるペンタセン前駆体などを用いることができる。これらの材料は、結晶になりやすいため、有機半導体層として好適に用いることができる。p型有機半導体層103を結晶化することにより、キャリア移動度を向上させることができる。
Figure 2007324259
(2)
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(3)
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(4)
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(5)
p型有機半導体層103の形成方法としては、銅フタロシアニンやペンタセンなどのように低分子系材料の場合には真空蒸着法などの気相プロセスを用いることができる。本実施の形態においては、CuPcを真空蒸着した。また、P3HTやF8T2などのような高分子系材料の場合には、スピンコート法やインクジェット法などの液相プロセスを用いることができる。また、ペンタセン前駆体は、低分子系材料ではあるものの、その構造の一部に官能基をつけることにより溶媒に可溶となるため、液相プロセスを適用することができる。
また、上記の化合物以外にも、p型有機半導体層103として、以下(6)〜(37)に示すp型の有機半導体材料を用いてもよい。
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(6)
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(8)
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(37)
p型有機半導体層103の上には、n型有機半導体層104が形成されている。本実施の形態においては、フラーレンを用いた。なお、n型有機半導体層104としては、フラーレン以外にも、(38)〜(70)に示すn型の有機半導体材料を用いてもよい。
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(38)
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(39)
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(70)
そして、n型有機半導体層104の上には、陰極電極105が形成されている。陰極電極105から素子基板101上に陰極補助配線109が延設されている。本実施の形態においては、陰極電極105及び陰極補助配線109としてアルミニウムを用いた。なお、このような陰極電極105の材料としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金などを例示することができる。
また、陰極電極105としてITOなどの透明導電材料を用い、陰極電極105側からも光を入射させる構成としてもよい。陰極電極105は、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法等の方法により、n型有機半導体層104の上に形成することができる。
なお、有機太陽電池素子111の層構成は上記以外にも従来から公知のものを用いることができ、例えば、陰極電極105を素子基板101の表面に形成しても良い。また、陽極電極102と陰極電極105とが両方とも透明性を有するものであっても良いし、あるいは陽極電極102と陰極電極105のうちいずれか一方のみが透明性を有するものであっても良い。
なお、p型有機半導体層103及びn型有機半導体層104の形成前処理として、被形成面に対してプラズマ処理を行ったり、密着性や界面状態を向上させるための配向膜等を形成してもよい。
また、図1に示すように、素子基板101の有機太陽電池素子111形成面に対向するように、封止基板106が配置されている。封止基板106は、有機太陽電池素子111中に水分等が入らないように設けられる。封止基板106としては、ステンレス、アルミニウム又はその合金などの金属類のほか、ガラス、アクリル系樹脂などの1種類又は、2種類以上からなるものを使用することができる。また、封止基板106の有機太陽電池素子111に対向する面上には、捕水材107を配置するための凹部が形成されている。
素子基板101と封止基板106とは、図示しないシール材により接着されている。従って、素子基板101と封止基板106とで形成される気密空間内に、陽極電極102、p型有機半導体層103、n型有機半導体層104、陰極電極105からなる有機太陽電池素子111が配置される。
封止基板106の凹部には、捕水材107が配置されている。すなわち、捕水材107は、素子基板101と封止基板106とで形成される気密空間内に配置される。捕水材107は、有機光電変換層110への水分等の影響を抑制し、安定した光電変換特性を維持するための捕水材107が設けられている。捕水材107は、封止基板106上の、有機太陽電池素子111と対向する面に形成された凹部に設けられている。捕水材107としては、無機系の乾燥剤や、水分と反応性の高い有機金属化合物を膜状にしたもの、フッ素系オイルからなる不活性液体中に固体の吸湿剤を混合したものなどを用いることができる。また、素子基板101と封止基板106とで形成される気密空間内には、N等の不活性ガス、O、空気等の支燃性ガスが封入されている。
上記のような有機太陽電池100は、素子基板101及び陽極電極102を通して有機光電変換層110に光が照射されると、正孔と電子の電荷が生じる。この正孔と電子を陽極電極102と陰極電極105からそれぞれ取り出すようにして光エネルギーを電気エネルギーに変換するものである。本発明に係る有機太陽電池素子111は、素子基板101と封止基板106で形成される気密空間内に配置され、また、気密空間内には捕水材107が配置されている。このため、有機光電変換層110に水分等が到達するのを防止することができる。従って、有機光電変換層110の劣化を抑制することができ、長期にわたって安定した光電変換特性を維持することができる。
ここで、図2を参照して、本実施の形態に係る有機太陽電池100の製造方法について説明する。図2は、本実施の形態に係る有機太陽電池100の製造方法を説明するためのフロー図である。
まず、図2に示すように、図1に示す素子基板101上に、陽極電極102、p型有機半導体層103、n型有機半導体層104、陰極電極105からなる有機太陽電池素子111を形成する(ステップS1)。そして、シール材により、凹部内に捕水材107を配置した封止基板106と素子基板101とを貼り合せる(ステップS2)。
その後、形成した有機光電変換層110にエージング処理を行う(ステップS3)。具体的には、有機光電変換層110を加熱しながら、逆バイアス電圧を印加する。このとき、有機光電変換層110の加熱温度は、60度以上の高温であることが好ましい。有機光電変換層110を高温に加熱することにより、より効果的に有機太陽電池の特性改善を行うことができる。
また、加熱温度は、有機光電変換層110を形成するp型有機半導体層103又はn型有機半導体層104のうち最も低いほうの転移温度以下であることが好ましい。ここで、転移温度とは、有機光電変換層110が状態変化する温度のことを言う。例えば、ガラス転移温度、融点、昇華点をいう。本実施の形態においては、p型有機半導体層103としてCuPcを用いている。また、n型有機半導体層としてフラーレンを用いている。CuPcの融点は617℃であり、一方、フラーレンの融点は280℃である。従って、この場合、フラーレンの融点である280度以下とする。
また、加熱温度は、特に好ましくは、有機光電変換層110を形成するp型有機半導体層103又はn型有機半導体層104のうち最も低いほうの転移温度よりも10度以上低く設定する。これにより、有機太陽電池100の特性の劣化を防止することができる。更に好ましくは、有機光電変換層110の結晶粒界が成長しない温度とする。これにより、結晶粒界等によって駆動中に有機太陽電池100の特性が変化し、駆動が不安定となるのを防止することができる。
そして、有機光電変換層110を60度以上転移温度以下に加熱した状態で、有機光電変換層110に逆バイアス電圧を印加する。すなわち、陽極電極102に負極性、陰極電極105に正極性の電圧を印加する。つまり、陰極電極105の電位が陽極電極102の電位より高い条件で発光層に通電する。
従来、有機太陽電池デバイスの製造時に、陽極電極と陰極電極との間に配置されている有機光電変換層に異物が混入したり、陽極電極に突起が生じて突起が有機光電変換層に侵入したりすることにより、欠陥部が生じることがあった。有機光電変換層は極めて薄いため、有機光電変換層の欠陥部において、陽極電極と陰極電極との間に局所的な短絡が発生し、光電変換効率が低下していた。
本発明においては、有機光電変換層110に逆バイアス電圧を印加すると、その有機光電変換層110の正常な領域では逆バイアス電圧に基づく電流は流れないが、局所的に短絡している欠陥部が存在すれば、それらの欠陥部分に集中して短絡電流が流れる。すなわち、局所的な欠陥部で集中してジュール熱が発生し、その欠陥部の半導体材料や導電体材料が熱酸化して絶縁体材料にすることができる。あるいは、欠陥部及びその近傍の半導体材料や導電体材料がジュール熱で飛散させられることによって、局所的な欠陥部分を除去することが可能である。
また、このとき、素子基板101と封止基板106により形成される封止空間内に、N等の不活性ガス、O等の支燃性ガスが封入されている。このため、エージング工程(S203)および第2エージング工程の際に、陽極電極102、陰極電極105間の異物を効率よく除去することができる。
また、有機光電変換層110を加熱しながら、逆バイアス電圧を印加することにより、有機光電変換層110と陽極電極102、陰極電極105との界面を安定化させることができ、キャリア移動度を向上させ、有機太陽電池100の光電変換効率を向上させることができる。
また、逆バイアス電圧の絶対値は、50V以下であることが好ましい。50V以上の電圧を有機光電変換層110に印加すると、破壊してしまうおそれがある。また、逆バイアス電圧の絶対値は、10Vより大きいことが好ましく、特に15V以上であることが好ましい。これにより、効率よく有機太陽電池100の特性改善を行うことができる。
また、逆バイアス電圧と順バイアス電圧を交互に印加してもよい。すなわち、陽極電極102に負極性、陰極電極105に正極性の電圧を印加した後、陽極電極102に正極性、陰極電極105に負極性の電圧を印加する。つまり、陰極電極105の電位が陽極電極102の電位より高い条件で発光層に通電した後、陰極電極105の電位が陽極電極102の電位より低い条件で発光層に通電する。これにより、逆バイアス電圧を有機光電変換層110に印加し続けることによる電荷の蓄積に伴って生じる光電変換特性の低下を抑制することができる。
また、順バイアス電圧の絶対値もまた、50V以下であることが好ましい。上述したように、50V以上の電圧を有機光電変換層110に印加すると、破壊してしまうおそれがあるためである。また、逆バイアス電圧の絶対値は、10Vより大きいことが好ましく、特に15V以上であることが好ましい。これにより、効率よく有機太陽電池100の特性改善を行うことができる。
順バイアス電圧と逆バイアス電圧を交互に繰り返す駆動の周波数は、1〜1000KHzであることが好ましい。また、順バイアス電圧のデューティ比は1/5〜1/20であることが好ましい。すなわち、順バイアス電圧を印加する時間と逆バイアス電圧を印加する時間の比が1:5〜1:20である。また、エージング処理時間は、1分間〜5時間とする。このように、有機太陽電池100を形成した後に、高温環境下で有機光電変換層110に交流電圧を印加するエージング処理を行うことによって、有機光電変換層110の劣化が抑制されるとともに、p型有機半導体層103と陽極電極102、n型有機半導体層104と陰極電極105との界面の状態を安定化させることができる。これにより、光電変換効率の高い有機太陽電池100を製造することができる。
実施例1.
以下、本発明の実施例について説明する。発明者は、実際に本発明に係る製造方法にて有機薄膜太陽電池デバイスを製造し、飽和電流密度、開放光電圧、フィルファクタなどの有機太陽電池100の特性について試験を行った。まず、ガラス基板上に、陽極電極102としてITO電極を真空蒸着した。そして、その上に、p型有機半導体層103としてCuPc、n型有機半導体層104としてフラーレンを順次積層形成した。
p型有機半導体層103及びn型有機半導体層104の蒸着は、基板温度25℃、6.67×10−4Paの環境下で、蒸着基板から10cm離した昇華金属ボードから蒸着速度0.5nm/sで形成した。CuPcの膜厚は15nm、フラーレンの膜厚は35nmとした。そして、フラーレンの上に、膜厚0.5nmのLiFを形成し、陰極電極105として膜厚80nmのAl電極を形成した。
有機太陽電池素子111の形成後、素子基板101上の有機太陽電池素子111を囲むように、封止基板106を接着するためのシール材を2mm幅で塗布し、封止基板106を押し付けてシール材を硬化させ、封止基板106と素子基板101とを接着することにより、有機太陽電池100を作製した。
その後、有機光電変換層110に150℃にて、−15/5Vの交流電圧を、100KHz、デューティ比1/10で2時間印加し、エージング処理を行った。比較例として、エージング処理を行わずに、上記と同様な方法で有機太陽電池を作製した。
そして、100mW/cmの擬似太陽光AM1.5を素子基板101側から照射して特性を測定した。このときの、飽和電流密度、開放光電圧、フィルファクタ、エネルギー変換効率について評価を行った結果を以下の表に示す。
Figure 2007324259
このように、本発明によれば、有機太陽電池100の特性が向上することが確認できた。
また、上記のようなにエージング処理を行った有機太陽電池100とエージング処理を行わないものをそれぞれ50個ずつ作製し、100時間連続駆動した。エージング処理を行わなかった50個の有機太陽電池100のうち、8個の特性が極端に劣化し、15個が陽極電極102と陰極電極105との短絡により駆動できなくなった。しかしながら、エージング処理を行った50個の有機太陽電池では、50個全てが初期の特性を維持することができた。
本発明に係る有機薄膜太陽電池デバイスの構成を示す断面図である。 本発明に係る有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法の工程を示すフロー図である。
100 有機薄膜太陽電池デバイス
101 素子基板
102 陽極電極
103 p型有機半導体層
104 n型有機半導体層
105 陰極電極
106 封止基板
107 捕水材
108 陽極補助配線
109 陰極補助配線
110 有機光電変換層
111 有機太陽電池素子

Claims (11)

  1. 基板上に、第1の電極と第2の電極との間に有機光電変換層を挟持した有機薄膜太陽電池素子を形成する素子形成工程と、
    前記有機光電変換層を加熱し、前記第1の電極と前記第2の電極とを介して、前記有機光電変換層に逆バイアス電圧を印加するエージング工程とを含む有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  2. 前記エージング工程において、前記有機光電変換層を60度以上転移温度以下に加熱する請求項1に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  3. 前記逆バイアス電圧は、絶対値が50V以下である請求項1又は2に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  4. 前記エージング工程において、前記有機光電変換層に逆バイアス電圧と順バイアス電圧とを交互に印加する請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  5. 前記順バイアス電圧は、絶対値が50V以下である請求項4に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  6. 前記順バイアス電圧のデューティ比が1/5〜1/20である請求項4又は5に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  7. 前記逆バイアス電圧と前記順バイアス電圧の周波数は、1〜1000KHzである請求項4〜6のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  8. 前記エージング工程にかかる時間は、1分間以上5時間以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  9. 封止基板を前記基板の前記有機太陽電池素子形成面に対向配置してシール材により貼り合わせ、前記有機薄膜太陽電池素子を封止する封止工程の後に、前記エージング工程を行う請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  10. 前記基板と前記封止基板とで形成され、前記有機太陽電池素子が封止された空間内に支燃性ガスを封入し、前記エージング工程を行う請求項9に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
  11. 前記封止基板上において、前記有機太陽電池素子に対向する面に捕水材を設ける請求項9又は10に記載の有機薄膜太陽電池デバイスの製造方法。
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