JP2007324252A - 電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウム箔を厚くした分、直流エッチング工程での電気量を増やした場合に、箔強度を極端に低下させず、高い静電容量を得ることのできる電解コンデンサ用電極箔の製造方法を提供する。
【解決手段】中高圧用の電解コンデンサ用電極箔を製造するにあたって、150〜200μmのアルミニウム原箔をエッチング液中で直流電解する電解エッチング工程では、通電初期の期間Aと、最高電流密度で通電する第2の期間Bと、最高電流密度から最終電流密度まで電流密度を低下させる第3の期間Cと、最終電流密度で通電する第4のエッチング期間Dとを含んでいる。電解エッチング工程での全電気量の5〜10%を第1の期間Aで通電し、全電気量の10〜15%を第2の期間Bで通電し、全電気量の15〜20%を第4の期間Dで通電する。
【選択図】図1

Description

本発明は、中高圧用の電解コンデンサへの使用に適した電解コンデンサ用電極箔の製造方法に関するものである。
一般的な電解コンデンサは、アルミニウム箔をエッチングによって実効表面積を拡大させた表面に陽極酸化により誘電体酸化皮膜を形成した陽極箔と、アルミニウム箔をエッチングによって実効表面積を拡大させた陰極箔とをセパレータを介して巻回することによりコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素子に駆動用電解液を含浸した後、コンデンサ素子を金属ケース内に封止することにより構成されている。
この種の電解コンデンサにおいて、その静電容量を高め、また小形化を図ることを目的に、陽極箔の実効表面積を拡大させるエッチング技術の開発が盛んに行われている。
一方、中高圧用の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔を製造する方法においては、拡面倍率を増大して高い静電容量を得るために、高密度の立方組織を有する電解コンデンサ用アルミニウム原箔を、塩素イオンを含む電解液中で直流エッチングして、トンネル状のピットを形成する電解エッチング工程(トンネル状ピット形成工程)と、この工程によって形成されたピットを電解または化学エッチングにより拡径するピット拡径工程とが行われている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
これらの工程のうち、前段の電解エッチング工程において、腐食開始点のピット数とその分布は印加する電流密度の大きさに関係し、箔の溶解量は電気量にほぼ比例する。従って、アルミニウム電極箔の静電容量を大きくするためには、通常、電流密度を大きく設定して高密度のトンネル状ピットを形成し、かつ、印加する電気量を増大することにより箔の有効拡大倍率の向上が図られている。
ここで、電解エッチング工程では、高密度のピットが箔の全面にわたって同時に形成されるのではなく、当初はピットが箔に粗く発生して成長し、その成長が停止すると、次のピットの形成が始まり、次第に箔の全面に密にトンネル状ピットの形成がなされる。
従って、エッチングの進行にともない、ピット密度は順次増加し、箔表面の未だ腐食されていない未エッチング部が徐々に減少することになる。
特開平7−249550号公報 永田伊佐也、「電解液陰極アルミニウム電解コンデンサ」、日本蓄電器工業株式会社、平成9年2月24日、第2版第1刷、p.229−236
近年、電子機器の小形化、高信頼性化に伴い、電解コンデンサに対するユーザーからのニーズも小形化が強く要望されており、そのために電解コンデンサに用いられる電極箔も従来以上に単位面積当たりの静電容量を高める必要が生じている。そこで、アルミニウム原箔については厚箔化される傾向にある。
しかしながら、従来のエッチング工程では厚箔になった分、電気量を増やしても、静電容量が格段に増大しないという問題点がある。かかる問題点について、本願発明者が検討した結果、電気量を増やしても箔表面での目減りが多く、かつ、ピット長も不均一であるため、静電容量が増大しないという知見を得た。
すなわち、従来は、ピット形成工程において、箔に対する直流電流が印加時間に対して一定の条件下でなされていたので、エッチングの進行にともない、減少する未エッチング部に対する電流密度が徐々に過大となると共に、形成されたトンネル状のピットは過度に腐食され、その腐食量も増大して箔表面で脱落が生じるのである。
しかも、厚箔になった分、電気量を増やすほど、かかる脱落が顕著に現れる。その結果、腐食量の増大にもかかわらず有効表面積が増大せず、かえって箔の物理的強度が低下するという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、アルミニウム箔を厚くした分、電解エッチング工程での電気量を増やした場合でも、箔強度を極端に低下させず、高い静電容量を得ることのできる電解コンデンサ用電極箔の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、アルミニウム箔にエッチング液中で直流および/または脈流を印加して電解する電解エッチング工程を有する電解コンデンサ用電極箔の製造方法において、前記電解エッチング工程は、通電初期の第1のエッチング期間と、当該電解エッチング工程での最高電流密度で通電する第2のエッチング期間と、前記最高電流密度から最終電流密度まで電流密度を低下させながら通電する第3のエッチング期間と、前記最終電流密度で通電する第4のエッチング期間とを含むことを特徴とする。
すなわち、高い立方組織を有するアルミニウム原箔をエッチング液中で直流および/または脈流にて電解する電解エッチング工程では、ピット形成過程にて印加する電流の電流密度を電解開始から急速に最大値まで到達させた後、しばらくはこの条件を保持し、次に電流密度を随時減少させていき、最後、保持時間を設けてエッチングを行う。
従って、アルミニウム箔を厚箔にして電気量を増大させても、腐食表面の脱落を防止でき、かつ、均一なピットを形成することができる。それ故、箔強度を極端に低下させず、高い静電容量を得ることができる。
ここで、前記電解エッチング工程での全電気量の5〜10%を前記第1のエッチング期間で通電し、前記全電気量の10〜15%を前記第2のエッチング期間で通電し、前記全電気量の15〜20%を前記第4のエッチング期間で通電し、前記全電気量の残部を前記第3のエッチング期間で通電することが好ましい。
本発明において、前記電解エッチング工程の後、前記アルミニウム箔を電解エッチングまたは化学エッチングによりピットの拡径を行うピット拡径工程を設けることが好ましい。
本発明において、前記電解エッチング工程を行う前の前記アルミニウム箔の厚さが150〜200μmであることが好ましい。
本発明において、前記エッチング液は、配合された酸の主成分が硫酸であり、さらに、塩酸、硝酸およびリン酸の少なくとも1種が配合されていることが好ましい。
本発明において、前記最高電流密度は、200〜250mA/cm2、前記最終電流密度は、例えば、50〜100mA/cm2とすることが好ましい。
本発明によれば、ピット形成過程にて印加する直流および/または脈流を印加して、電流の電流密度を電解開始から急速に最大値まで到達させた後、しばらくはこの条件を保持し、次に電流密度を減少させていき、しかる後に、最後の保持時間を設けるので、腐食表面の脱落防止、および均一なピットの形成が可能である。それ故、折曲強度等の箔強度を極端に低下させず、高い静電容量を得ることができる。
図1を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1(a)、(b)は、本形態で中高圧用の電解コンデンサ用電極箔を製造する際に行う電解エッチング工程の条件を示す説明図である。
本形態では、中高圧用の電解コンデンサ用電極箔を製造するにあたって、アルミニウム原箔をエッチング液中で直流および/または脈流を印加して電解する電解エッチング工程を行った後、アルミニウム箔を電解エッチングまたは化学エッチングによりピットの拡径を行うピット拡径工程を行い、しかる後に化成工程を行う。
本形態において、電解エッチング工程では、エッチング液として、配合された酸の主成分が硫酸であり、さらに、塩酸、硝酸およびリン酸の少なくとも1種が配合されている。
本形態において、アルミニウム箔の電解エッチング工程を行う前の厚さ(アルミニウム原箔の厚さ)は150〜200μmであることが好ましい。箔厚が150μm未満では、電気量が少ないため、本願発明を適用した効果が小さく、200μmを超えるとアルミニウム原箔に結晶粒が発生してしまう。
また、本形態において、電解エッチング工程では、図1(a)、(b)に示すように、通電初期の第1のエッチング期間Aと、電解エッチング工程での最高電流密度で通電する第2のエッチング期間Bと、最高電流密度から最終電流密度まで電流密度を低下させながら通電する第3のエッチング期間Cと、最終電流密度で通電する第4のエッチング期間Dとを含んでいる。
すなわち、本形態では、高い立方組織を有するアルミニウム原箔を塩化物を含む電解液中で直流および/または脈流にてエッチングしてピットを形成する電解エッチング工程と、この電解エッチング工程により形成されたピットを電解または化学エッチングにより拡径するピット拡径工程とを設けるとともに、電解エッチング工程では、ピット形成過程にて印加する直流電流の電流密度を電解開始から急速に最大値とし、しばらくはこの状態を保持した後、随時減少させていき、最後に、保持時間を設けてエッチングを行う。
ここで、第1のエッチング期間Aおよび第3のエッチング期間Cでは、図1(a)に示すように、電流密度を直線的に変化させた条件、および図1(b)に示すように、段階的に電流密度を変化させた条件のいずれを採用してもよい。
本形態では、電解エッチング工程での全電気量の5〜10%を第1のエッチング期間Aで通電し、全電気量の10〜15%を第2のエッチング期間Bで通電し、全電気量の15〜20%を第4のエッチング期間Dで通電し、全電気量の残部を第3のエッチング期間Cで通電する。
ここで、最高電流密度(第2のエッチング期間Bでの電流密度)は200〜250mA/cm2であり、最終電流密度(第4のエッチング期間Dでの電流密度)は50〜100mA/cm2であることが好ましい。
通電開始からの最高電流密度に導くまでの時間(第1のエッチング期間A)が全電気量の5%に満たないとピットの発生数が少なく、箔表面が残り過ぎて折曲強度が低下し、全電気量の10%を超えた場合もピット発生が少なくなる。
また、第2のエッチング期間Bにおいて、最高電流密度が200mA/cm2に満たないとピットの発生数が少なく、250mA/cm2を超えるとピットが高密度で発生しすぎる。
また、最高電流密度での保持時間が全電気量の10%に満たないとピットの発生数が少なく、全電気量の15%を超えると表面欠落が起こる。また、最後の第4のエッチング期間Dの時間が全電気量の15%に満たないとピットの発生が少なく、全電気量の20%を越えるとピットが高密度で発生するため、表面欠落が起こる。また、第4のエッチング期間Dでの電流密度が50mA/cm2に満たないとピットの発生数が少なく、100mA/cm2を超えると減少した未エッチング部に対する電流密度が過大になるため、静電容量低下が起こる。
よって、好ましい範囲として通電開始から必要電気量の5〜10%までに電流密度200〜250mA/cm2まで導き、この電流密度を必要電気量の10〜15%の期間、保持した後、随時減少させ、必要電気量の最後の15〜20%は電流密度50〜100mA/cm2で保持するのが望ましい。
このような電解コンデンサ用電極箔の製造方法によれば、経時的に未エッチング部に対する電流密度をほぼ一定に保つことができるので、電気量の増加に対する著しい箔表面の目減りを抑えることができ、かつ、ピット長も均一にできる。
それ故、本形態によれば、折曲強度が強くて、容量の高い電解コンデンサ用電極箔を生産することができる。
次に、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
純度99.98%、厚さ150、200μmのアルミニウム原箔を用い、電解エッチング工程では、エッチング液の温度を65℃、60℃とする。エッチング液としては、硫酸を主成分として塩酸、硝酸、リン酸の少なくとも1種を含有する水溶液を用いる。
この電解エッチング工程では、エッチング液中にアルミニウム箔を浸漬し、初めの第1のエッチング期間Aでは、電流密度100mA/cm2の条件で直流電流を印加してエッチングを開始し、そこから全電気量の5%の時間までに電流密度200mA/cm2に導き、第2のエッチング期間Bでは全電気量の10%に相当する時間、保持する。次に、第3のエッチング期間Cでは、徐々に電流密度を減少させていき、全電気量の最後の15%は、第4のエッチング期間Dにおいて電流密度が50mA/cm2で行う。
全電気量は、アルミニウム原箔の厚さが150μmの場合、40〜45C/cm2とし、アルミニウム原箔の厚さが200μmの場合、60〜65C/cm2とする。
次に、ピット拡径工程として、温度85℃の塩酸水溶液中に上記処理後のアルミニウム箔を15分浸漬し、エッチングピットの径の拡大を行い、エッチング箔を作製した。
(実施例2)
上記実施例1において、電解エッチング工程で使用した原箔の箔厚を130μmとし、電解エッチング工程での全電気量を35C/cm2、液温を68℃に変えた以外は実施例1と同様にしてエッチング箔(陽極箔)を作製した。
(実施例3)
上記実施例1において、電解エッチング工程で最高電流密度に導くまでの時間(第1のエッチング期間Aの時間)を全電気量の2、5、10、15%のそれぞれに変えた以外は実施例1と同様にしてエッチングされた陽極箔を作製した。
(実施例4)
上記実施例1において、電解エッチング工程で最高電流密度の保持時間(第2のエッチング期間Bの時間)を全電気量の5、10、15、20%のそれぞれに変えた以外は実施例1と同様にしてエッチングされた陽極箔を作製した。
(実施例5)
上記実施例1において、電解エッチング工程で最後の保持時間(第4のエッチング期間Dの時間)を全電気量の10、15、20、25%のそれぞれに変えた以外は実施例1と同様にしてエッチングされた陽極箔を作製した。
(実施例6)
上記実施例1において、電解エッチング工程で印加した最高電流密度(第2のエッチング期間Bでの電流密度)を180、200、250、270mA/cm2のそれぞれに変えた以外は実施例1と同様にしてエッチングされた陽極箔を作製した。
(実施例7)
上記実施例1において、電解エッチング工程で印加した最後の電流密度(第4のエッチング期間Dでの電流密度)を30、50、100、120mA/cm2のそれぞれに変えた以外は実施例1と同様にしてエッチングされた陽極箔を作製した。
(従来例)
厚さ110、130、150、200μm、O材、(100)面占有率90%のアルミニウム箔を実施例1の電解エッチング工程と同じエッチング液で電流密度110mA/cm2でエッチングを行う。
その際、厚さ110、130、150、200μmのそれぞれに対して、全電気量を22、35、40、60C/cm2に設定する。
また、厚さ110、130、150、200μmのアルミニウム箔のそれぞれに対して、液温75、68、66、60℃に設定する。
このような条件で直流エッチングを行った後、実施例1のピット拡径工程と同じ化学エッチングを行った。
上記した本発明の実施例1〜7、および比較例のエッチングされた陽極箔について、液温90℃、濃度8%のホウ酸水溶液中で250V化成を行い、それらの各試料について静電容量と折曲げ強度(φ1.0mm、50g荷重、折曲げ角度90度の条件下で1往復を1回とする)を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007324252
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜7に係る陽極箔は、経時的に未エッチング部に対する電流密度をほぼ一定に保つことで、箔表面が脱落するのを防ぎ、かつ、均一なトンネル状のピットを形成するので、従来例と比較して折曲強度に優れ、かつ、静電容量の高い陽極箔が製造できており、本発明の効果が実証されている。
通電開始からの最高電流密度に導くまでの時間(第1のエッチング期間A)が全電気量の5%に満たないとピットの発生数が少なく、箔表面が残り過ぎて折曲強度が低下し、静電容量も低下する。また、全電気量の10%を超えた場合もピット発生が少なくなり、ピットが過度に腐食され、腐食表面の脱落が起こり、静電容量が低下し、折曲強度が低下する(実施例3)。よって、第1のエッチング期間Aでの電気量は、全電気量の5〜10%とするのが好ましい。
また、第2のエッチング期間Bにおいて、最高電流密度が200mA/cm2に満たないとピットの発生数が少なくなり、箔表面が残り過ぎて折曲強度が低下し、静電容量も低下する。また、250mA/cm2を超えるとピットが高密度で発生し過ぎ、表面欠落が起こり、静電容量が低下する(実施例6)。よって、第2のエッチング期間Bでの最高電流密度は、200〜250mA/cm2とするのが好ましい。
さらに、第2のエッチング期間Bにおいて、最高電流密度での保持時間が全電気量の10%に満たないとピットの発生数が少なくなり、箔表面が残り過ぎて折曲強度が低下し、静電容量も低下する。また、全電気量の15%を超えるとピットが高密度で発生するため、表面欠落が起こり、静電容量が低下し、折曲強度も低下する(実施例4)。よって、第2のエッチング期間Bでの電気量は、全電気量の10〜15%とするのが好ましい。
そして、最後の第4のエッチング期間Dの時間が全電気量の15%に満たないとピットの発生が少なくなり、箔表面が残り過ぎて折曲強度が低下し、静電容量も低下する。また、全電気量の20%を超えるとピットが高密度で発生するため、表面欠落が起こり、静電容量が低下し、折曲強度が低下する(実施例5)。よって、第4のエッチング期間Dでの電気量は、全電気量の15〜20%とするのが好ましい。
また、第4のエッチング期間Dでの電流密度が50mA/cm2に満たないとピットの発生数が少なくなり、箔表面が残り過ぎて折曲強度が低下し、静電容量も低下する。また、100mA/cm2を超えると減少した未エッチング部に対する電流密度が過大になるため、表面欠落が起こり、静電容量が低下する(実施例7)。よって、最終電流密度(第4のエッチング期間Dでの電流密度)は50〜100mA/cm2であることが好ましい。
なお、実施例では、電解エッチング工程で直流を用いたが、直流に交流を重畳した脈流や、直流と脈流をエッチング期間で組合せて用いてもよい。
また、本発明は実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。
本発明を適用した電解コンデンサ用電極箔の製造方法で行う電解エッチング工程の条件を示す説明図である。
符号の説明
A 第1のエッチング期間
B 第2のエッチング期間
C 第3のエッチング期間
D 第4のエッチング期間

Claims (6)

  1. アルミニウム箔にエッチング液中で直流および/または脈流を印加して電解する電解エッチング工程を有する電解コンデンサ用電極箔の製造方法において、
    前記電解エッチング工程は、通電初期の第1のエッチング期間と、当該電解エッチング工程での最高電流密度で通電する第2のエッチング期間と、前記最高電流密度から最終電流密度まで電流密度を低下させながら通電する第3のエッチング期間と、前記最終電流密度で通電する第4のエッチング期間とを含んでいることを特徴とする電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  2. 請求項1において、前記電解エッチング工程での全電気量の5〜10%を前記第1のエッチング期間で通電し、前記全電気量の10〜15%を前記第2のエッチング期間で通電し、前記全電気量の15〜20%を前記第4のエッチング期間で通電し、前記全電気量の残部を前記第3のエッチング期間で通電することを特徴とする電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  3. 請求項1または2において、前記電解エッチング工程の後、前記アルミニウム箔を電解エッチングまたは化学エッチングによりピットの拡径を行うピット拡径工程を設けたことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記電解エッチング工程前の前記アルミニウム箔の厚さが150〜200μmであることを特徴とする電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記エッチング液は、配合された酸の主成分が硫酸であり、さらに、塩酸、硝酸およびリン酸の少なくとも1種が配合されていることを特徴とする電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記最高電流密度は200〜250mA/cm2であり、前記最終電流密度は50〜100mA/cm2であることを特徴とする電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
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