JP2007320581A - 液体通過孔を形成可能な蓋材及びそれを用いた容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造が容易で美観に優れ、液体通過孔を確実に形成可能でき、液体通過孔形成時の剥離抵抗の調整が容易である液体通過孔を形成可能な蓋材及びそれを用いた容器を提供する。
【解決手段】表面層1と、ポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーとを所定の比率で配合した混合樹脂層3と接して積層されたポリエステル系フィルム層2と、最下部に位置するシーラント層5とを有し、ポリエステル系フィルム層2と混合樹脂層3との界面が剥離面となる積層体で構成され、開封用のタブ50qと開口形成用のタブ50rとを周縁部に備え、液体通過孔を形成するための閉ループ状の裏ハーフカット30aと、開孔形成用タブの両脇の周縁部を結ぶ裏ハーフカット30bと、空気孔を形成するための裏ハーフカット30cとが、各々シーラント層5から設けられ、裏ハーフカット30a、30b及び30cが到達する各層は、非吸水性材料で形成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体を収容する容器の開口部を塞ぐための蓋材に関し、特に、液体を通過させるための開孔を形成可能な蓋材及びこれを用いた容器に関する。
調理済み食品や加工済み食品の中には、具材や食材を液体に漬けたものがある。例を挙げると、調理済み食品としては葛きりや蜜豆などがあり、加工済み食品としては果物のシロップ漬けや加熱済み野菜のスープ漬けなどがある。
このような食品は、具材や食材のみを食用とすることが一般的である。
よって、液体に漬けた具材や食材を収容する容器の蓋材は、容器内部に充填された液体が漏れ出さないための密封性と、開封後は不要となる液体を排出する機能とを備えていることが好ましい。
液体を排出するための開孔を形成可能な蓋材に関する従来技術としては、特許文献1に開示される「包装体用二重構造シート」がある。
特許文献1に開示される発明は、外層材と内層材とを容易に分離できるように、剥離開始部の外層材−内層材の接着強度を他の部分よりも弱くするための加工を施したり、少なくとも一方に二軸延伸ナイロンフィルムを使用することで熱が加わった時(ボイル・レトルト処理など)に外層材が収縮し、剥離開始部が二枚に分かれて使用者が剥離開始部を容易に識別できるようにしたものである。
登録特許第2909139号公報
しかし、特許文献1に開示される発明は、剥離開始部の接着強度を弱めるために特別な加工(易剥離剤の塗工、その他領域との接着剤の区別)が必要となるため、製造工程が煩雑となってしまう。また、易剥離領域の強度や、他の領域との見当精度など管理が難しい。しかも、熱によって外層材が収縮するため、容器としての美観にかけるという問題があった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、製造が容易で美観に優れ、液体通過孔を確実に形成でき、液体通過孔形成時の剥離抵抗の調整が容易である液体通過孔を形成可能な蓋材及びそれを用いた容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、第1の態様として、少なくとも液体が充填された容器本体の開口の周縁部にヒートシールされて該開口を塞ぐ蓋材であって、表面層と、ポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーとを所定の比率で配合した混合樹脂で形成された混合樹脂層に接して積層されたポリエステル系フィルム層と、最下部に位置するシーラント層とを有し、ポリエステル系フィルム層と混合樹脂層との界面が剥離面となる積層体で構成され、開封用タブと開孔形成用タブとを周縁部に備え、液体通過孔を少なくとも一つ形成するための裏ハーフカットと、開孔形成用タブの両脇の周縁部を結ぶ裏ハーフカットと、空気孔を少なくとも一つ形成するための裏ハーフカットとが、各々シーラント層から設けられ、裏ハーフカットが到達する各層は、非吸水性材料で形成されていることを特徴とする液体通過孔を形成可能な蓋材を提供するものである。
本発明の第1の態様においては、積層体を、開孔形成用タブ、液体通過孔を形成するための裏ハーフカット及び空気孔を形成するための裏ハーフカットを含む領域と、これらを含まない領域とに分割する表ハーフカットが形成されていることが好ましい。また、液体通過孔を形成するための裏ハーフカットは、開封用タブとほぼ対向する位置に設けられていることが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明は、第2の態様として、本発明の第1の態様の上記のいずれかの構成にかかる蓋材によって開口が塞がれたことを特徴とする容器を提供するものである。
本発明によれば、製造が容易で美観に優れ、液体通過孔を確実に形成でき、液体通過孔形成時の剥離抵抗の調整が容易である液体通過孔を形成可能な蓋材及びそれを用いた容器を提供できる。
〔積層構造材料の構成〕
図1(a)に、本発明において蓋材の材料として用いる積層構造材料の構成を示す。
蓋材は、表層側(容器外側)から順に、表面層1、ポリエステル系フィルム層2、混合樹脂層3、中間層4及びシーラント層5が積層された積層材料を用いて構成される。なお、以下の説明においては、容器外側となる方向を上、容器内側となる方向を下と定義する。なお、図1(b)に示すようにポリエステル系フィルム層2と混合樹脂層3とを入れ替えた層構成であっても同様の効果が得られるが、以下の説明は図1(a)に示す層構成に基づいて行う。ポリエステル系フィルム層2及び混合樹脂層3のどちらが上であるかに関わらず、混合樹脂層3のポリエステル系フィルム層2とは反対側には、必要に応じて接着層6が設けられる。
表面層1としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート等のプラスチックフィルム又はシート、アルミニウム、鉄、銅、これらを主成分とする合金等の金属箔又は金属板、セロファン、紙、織布、不織布等が用いることができ、これらを単層、もしくは一種又は複数を選択して積層してもよい。また、寸法安定性、耐熱性、機械的強度、印刷適正などを考慮した場合、ポリエチレンテレフタレート(PET)、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ナイロン(Ny)を使用するのが好ましい。ただし、後述する裏ハーフカット30が表面層1にまで達する場合には、裏ハーフカット30が形成される層には紙や織布、不織布などの吸水性のある素材を適用しないことが好ましい。すなわち、吸水性のある材料は、裏ハーフカット30が到達しない層にのみ使用することが好ましい。
ポリエステル系フィルム層2は、公知のポリエステル系フィルムを用いることができるが、PETフィルムを材料として形成することが好ましい。ポリエステル系フィルム層2は、表面濡れ張力が3.5×10-2N/m(35dyn/cm)以上6.0×10-2N/m(60dyn/cm)以下であることが好ましく、表面濡れ張力が4.0×10-2N/m(40dyn/cm)以上5.0×10-2N/m(50dyn/cm)以下であることが特に望ましい。この理由は、表面濡れ張力が3.5N/m未満であると接着力が低下してしまい、また、6.0N/mを超えると接着力が向上してしまうので、混合樹脂層3との剥離強度調整が難しくなるためである。
なお、必要に応じて混合樹脂層3との界面となる側に表面粗さを変化させる表面処理(例えばコロナ処理)を施すことによって、混合樹脂層3との界面剥離強度を調整可能である。
混合樹脂層3は、表面層1及びポリエステル系フィルム層2と、中間層4とを押出しサンドラミネートする際に、これらの間に流し込まれる樹脂である。混合樹脂層3の厚さは、安定したピール性を得るために10μm〜30μmが好ましい。
本実施形態において混合樹脂層3は、ポリオレフィンに環状オレフィンコポリマー(COC)を所定の比率で混合した樹脂である。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等が挙げられるが、低密度ポリエチレン(LDPE)を用いるのが好ましい。ここで、COCとは、α−オレフィンと環状オレフィンとを、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒中、いわゆるチーグラー触媒やメタロセン触媒等の触媒を調合することにより得ることができる共重合体であり、このような共重合体としては、三井化学社製の商品名「アペル」などがある。また、LDPEとしては旭化成ケミカルズ株式会社製の商品名「サンテック」などがある。
なお、ポリオレフィンのMFR(Melt Flow Rate)は、1〜50[g/min]のものが好ましく、さらに好ましくは、1〜10[g/min]のものがよい。また、ポリオレフィンの密度は、0.89〜0.940[g/cm3]のものが好ましい。また、環状オレフィンコポリマー(COC)のMFRは、1〜40[g/min]のものが好ましく、さらに好ましくは、5〜25[g/min]のものがよい。
混合樹脂層3は、低密度ポリエチレン(LDPE)と環状オレフィンコポリマー(COC)との混合比率を変えることによりポリエステル系フィルム層2との界面剥離強度をコントロールできるので、界面剥離強度を所望の値に調整することが可能である。
なお、環状オレフィンコポリマー(COC)の含有量は、1〜24重量%が好ましく、特に好ましくは、5〜20重量%である。この理由は、含有量が1%未満であると、界面剥離強度が強くなってしまい、また、24%より多いと、剥離強度のコントロールができなくなるためである。
中間層4は、蓋材の強度を向上させることを目的として設けられる層であり、PETやPEなどを単層又は複層で用いることが可能である。なお、中間層4がなくとも蓋材50の強度を所望の強度とすることができるのであれば、中間層4は設けなくても良い。
シーラント層5は、蓋材を容器本体に接着(ヒートシール)するための層であり、従来の蓋材と同じ材質のものを適用できる。なお、シーラント材の種類は、中間層4の最下層の材料と容器本体90の材料とに応じて選択する。
接着層6は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、EMAA(エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂)等のポリオレフィンを材料とし、混合樹脂層3と接着層6とを強固に接着して、意図しない層間での剥離を防止するための層である。なお、材料としては、混合樹脂層3の原料である押出しサンドラミネート用樹脂との接着強度を確保するため、押出しサンドラミネートに使用する樹脂と同じ系統のものがよい。具体的には押出しサンドラミネート用樹脂として環状オレフィンコポリマーとポリエチレン系樹脂を混合する場合は、ポリエチレン系樹脂を用い、押出しサンドラミネート用樹脂として環状オレフィンコポリマーとポリプロピレン系樹脂とを混合する場合は、ポリプロピレン系樹脂を用いるとよい。また、接着層6の役割としては、前述したことに加え、混合樹脂層3に含まれる環状オレフィンコポリマーが有する縦裂き性を低減して、混合樹脂層3から剥離する際の縦裂きを防止する役割を有する。
接着層6は、フィルム状のものを中間層4(又は表面層1)とラミネート(ウェットラミネート、ノンソルベントラミネート、ドライラミネート、押出ラミネート等)しても良いし、押し出しなどの方法で中間層4(又は表面層1)の一方の面に形成しても良い。フィルム状のものを用いる場合は、LDPE、LLDPE、CPP、EMAA、(混合樹脂層3側にアンカーコート処理を施した)PETなどを適用できる。押し出し樹脂の場合は、LDPE、LLDPE、PP、EMAAなどを適用できる。なお、中間層4の最上層(又は表面層1の最下層)がこれらの材料で形成され、その層自体が接着層としての機能を有する場合には、接着層6は実質的には不要となる。
次に、上記積層構造材料に形成するハーフカットについて説明する。本発明において、蓋材を構成する積層構造材料に形成するハーフカットには、「表ハーフカット」及び「裏ハーフカット」の二種類が存在する。これらのハーフカットは、ポリエステル系フィルム層2と混合樹脂層3との界面まで切り込まれることが理想ではあるが、ハーフカットの精度を考慮し、蓋材しての機能が低下しないように原反にあわせて適宜施せば良い。
図1(a)に示すようにポリエステル系フィルム層2が上となる場合は、表ハーフカット20は、最上層である表面層1の側から設けられ少なくともポリエステル系フィルム層2を貫通する。ただし、表ハーフカット20は、中間層4の略中央にまで達していても構わない。また、裏ハーフカット30は、最下層であるシーラント層5の側から設けられ少なくとも接着層6を貫通する。ただし、裏ハーフカット30はポリエステル系フィルム層2の略中央部にまで達していても構わない。
図1(b)に示すように混合樹脂層3が上となる場合は、表ハーフカット20は、最上層である表面層1の側から設けられ少なくとも接着層6を貫通する。ただし、表ハーフカット20は、中間層4の略中央にまで達していても構わない。また、裏ハーフカット30は、最下層であるシーラント層5の側から設けられ少なくともポリエステル系フィルム層2を貫通する。ただし、裏ハーフカット30は混合樹脂層3の略中央部にまで達していても構わない。
以下、図1(a)に示す積層構造材料を用いた本発明の好適な実施の形態について説明する。
本発明を好適に実施した液体通過穴を形成可能な蓋材について説明する。
図2に本実施形態において蓋材50の材料となる積層構造体100の構造を示す。本実施形態においては、表面層1が二層構造の積層構造材料を使用して蓋材を形成する。図2に示す各層の厚さは構成の一例であってこの数値に限定されることはない。
表面層1は、最上層からPET層11及びナイロン層12の順に積層された構造である。PET層11は模様や柄を印刷するため及び表面層1の強度を向上させるための層である。ナイロン層12は表面層1の機械的な強度を向上させるために設けた層である。
ポリエステル系フィルム層2はPETフィルムを材料として形成されており、上記のように必要に応じてコロナ処理によって表面粗さが所望の粗さに調整されている。
混合樹脂層3は、LDPEと環状オレフィンコポリマーとを原料として形成されており、これらの比率はLDPEが85%、環状オレフィンコポリマーが15%である。
中間層4は、PEフィルムを用いて形成されており、接着層6としての機能も兼ねている。
積層構造体100の製造方法について説明する。
まず、PET層11となるPETフィルムとナイロン層12となるナイロンフィルムとポリエステル系フィルム層2となるPETフィルムとをドライラミネートする。また、中間層4となるPEフィルムとシーラント層5となるシーラントフィルムとをドライラミネートする。
その後、ポリエステル系フィルム層2と中間層4との間にLDPEと環状オレフィンコポリマーとの混合樹脂(LDPE85%+環状オレフィンコポリマー15%)を押し出しながらこれらをラミネートして積層構造体100が完成する。
以下、最初に例示した構成の積層構造体100を材料として用いるものとして、本実施形態にかかる蓋材について詳細に説明する。
図3に、本実施形態にかかる食品用容器の蓋材50を示す。また、図4に、蓋材50により開口が封止された容器本体90を示す。蓋材50は、その周縁部が容器本体90にヒートシールされている。蓋材50の周縁部には、開封用タブ50qが設けられている。また、開封用タブ50qが設けられた位置とは反対側には、開孔形成用タブ50rが設けられている。開孔形成用タブ50rの近傍には、容器本体90の開口内に位置するように液体通過孔を形成するための裏ハーフカット30aが少なくとも一つ形成されている。なお、裏ハーフカット30aの形状は任意であるが、閉じたループ状であると液体通過孔の面積が大きくなり、液体が澱むことなく通過できるようになって好ましいため、ここでは裏ハーフカット30aがループ状に形成されているものとする。また、開孔形成用タブ50rの付け根の部分には、裏ハーフカット30bが形成されている。さらに、裏ハーフカット30aと対向する側(この場合には、開封用タブ50qの近傍)には、空気孔を形成するための裏ハーフカット30cが少なくとも一つ形成されている。
蓋材50の使用方法について説明する。
液体通過孔を形成する際には、開孔形成用タブ50rを保持し、蓋材50を容器本体90から遠ざける方向に力を加える。すると、図5に示すように裏ハーフカット30bによって、剥離面は混合樹脂層3とポリエステル系フィルム層2との界面に移る。
混合樹脂層3とポリエステル系フィルム層2との界面を剥離面として蓋材50をさらに剥離させていき、剥離が裏ハーフカット30aまで到達すると、図6に示すように裏ハーフカット30aで囲まれた領域内では混合樹脂層3、中間層4及びシーラント層5が表面層1及びポリエステル系フィルム層2とともに取り去られて開孔(液体通過孔)が形成される。
蓋材50をさらに剥離させ、剥離が裏ハーフカット30cに到達すると、図7に示すように裏ハーフカット30cで囲まれた領域内では混合樹脂層3、中間層4及びシーラント層5が表面層1及びポリエステル系フィルム層2とともに取り去られて開孔(空気孔)が形成される。
このようにして蓋材50に液体排出用の開孔(液体通過孔)と換気用の開孔(空気孔)とを形成することにより、図8に示すように液体排出時には容器内の液体が速やかに容器外の空気に置き換わり、脈動を生じさせることなく液体を容器外へ排出できる。
容器内の液体を排出した後に、容器内の食材などを取り出す際には、開封用タブ50qを保持し容器本体90から遠ざける方向に力を加えると、図9に示すように蓋材50が容器本体90から剥がれ、容器本体90の開口が完全に露出する。
本実施形態にかかる蓋材50に液体通過孔を形成する際には、ポリエステル系フィルム層2と混合樹脂層3との界面が剥離面となる。このとき露出するのは樹脂面であるから、液体通過孔を形成しても食品用の容器(蓋材)としての美観を損なうことはない。また、上記のように、LDPE85%+環状オレフィンコポリマー15%の混合樹脂を混合樹脂層3とすることによって、開孔形成時の剥離抵抗が適度な値となる。これにより、蓋材50に予期せず開孔が形成されてしまったり、剥離抵抗が大きすぎて開孔を形成しにくくなってしまうことがなくなる。
裏ハーフカット30bを境にして剥離面を変化させるためには、ポリエステル系フィルム層2と混合樹脂層3との剥離強度を、シーラント層5と容器本体90のフランジ部との剥離強度よりも小さく調整する必要がある。上記説明したように、蓋材50の材料として用いる積層構造体は、LDPEと環状オレフィンコポリマーとの混合比率を変化させることでポリエステル系フィルム層2と混合樹脂層3との剥離強度を容易に調整可能であるため、蓋材50の材料として好適である。
〔第2の実施形態〕
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。蓋材の材料となる積層構造体の構成は第1の実施形態と同様であるため、重複する説明は省略する。図10に、本実施形態にかかる蓋材50を示す。本実施形態にかかる蓋材50は、第1の実施形態の蓋材50とほぼ同様の構成であるが、開孔形成用タブ50r、裏ハーフカット30a及び裏ハーフカット30cを含む領域と、これらを含まない領域とに分割する表ハーフカット20bをさらに有する点が相違する。
蓋材50の使用方法は、第1の実施形態と同様であるが、液体通過孔及び空気孔を形成する際には、裏ハーフカット30a及び30cが形成されている領域のみ表面層1及び混合樹脂層2が容器本体から脱落する。
本実施形態にかかる蓋材50は、開孔形成時の剥離抵抗が第1の実施形態の蓋材よりも小さいため、使用者が開孔を形成しやすくなる。
なお、開孔形成用タブ50r、裏ハーフカット30a及び裏ハーフカット30cを含む領域と、これらを含まない領域とに分割することができれば表ハーフカット20bの形状は任意であり、例えば、図11に示すように、表ハーフカット20bが一本であっても良い。
上記各実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明はこれらに限定されることはない。
例えば、上記各実施形態においては、裏ハーフカット30cが一つの構成を例としたが、裏ハーフカット30cが複数形成されていても良いことは言うまでもない。
また、蓋材となる積層構造体を積層させる工程は、上記実施形態において示した例に限定されることはない。
また、上記各実施形態では、開孔形成方向と開封方向とが向かい合う(すなわち、開孔形成用タブと開封用タブとが対向して配置される)場合を例としたが、図12に示すように、開孔形成方向と開封方向とが交差する構成であっても良い。
また、裏ハーフカット30aは、任意の位置に設けることが可能ではあるが、開封用タブ50qに近接して形成すると、容器内に充填されていた液体が開封用タブ50qに付着する可能性があるため、裏ハーフカット30aは開封用タブ50qとは離れた位置に設けることが好ましい。
また、上記各実施形態においては、裏ハーフカット30aや裏ハーフカット30cで囲まれた部分がくり抜かれて液体通過孔や空気孔が形成される場合を例としたが、液体や空気が通るのであれば裏ハーフカット30aや裏ハーフカット30cで囲まれた部分がくり抜かれる必要はなく、裏ハーフカット30aや裏ハーフカット30cが直線状や馬蹄形状などであっても(すなわち、一本の切れ目でも)良い。
また、容器本体の開口周縁のフランジにLLDPE層が設けられており、これを介して蓋材がヒートシールされる場合、ヒートシール時の温度が高いと(例えば、容器本体がポリプロピレン製の場合)、混合樹脂層とポリエステル系フィルム層との剥離強度が容器本体とLLDPE層との接着強度よりも高くなってしまうことがある。このような場合には、図13に示すように混合樹脂層とポリエステル系フィルム層との間に部分的に(周縁部のみに)剥離剤を塗布するようにしても良い。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
本発明にかかる蓋材の材料となる積層構造体の層構成を示す図である。 本発明を好適に実施した第1の実施形態にかかる蓋材の材料となる積層構造体の層構成を示す図である。 第1の実施形態にかかる蓋材の形状を示す図である。 第1の実施形態にかかる蓋材によって開口がふさがれた容器本体を示す図である。 裏ハーフカットを境に剥離面が変化した状態を示す図である。 閉ループ状の裏ハーフカットで囲まれた領域が表面層とともに脱落し、開孔が形成された状態を示す図である。 閉ループ状の裏ハーフカットで囲まれた領域が表面層とともに脱落し、開孔が形成された状態を示す図である。 容器内の液体が空気に置換され、液体が容器外へ排出される状態を示す図である。 容器を開封する途中の蓋材の状態を示す図である。 本発明を好適に実施した第2の実施形態にかかる蓋材の形状を示す図である。 第2の実施形態にかかる蓋材別の一例を示す図である。 開封方向と開孔形成方向とが対向しない場合の蓋材の構成例を示す図である。 混合樹脂層とポリエステル系フィルム層との間に部分的に剥離剤を塗布した構成の蓋材を示す図である。
符号の説明
1 表面層
2 ポリエステル系フィルム層
3 混合樹脂層
4 中間層
5 シーラント層
6 接着層
11 PET層
12 ナイロン層
20、20b 表ハーフカット
30、30a、30b、30c 裏ハーフカット
50 蓋材
50q 開封用タブ
50r 開孔形成用タブ
90 容器本体

Claims (5)

  1. 少なくとも液体が充填された容器本体の開口の周縁部にヒートシールされて該開口を塞ぐ蓋材であって、
    表面層と、ポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーとを所定の比率で配合した混合樹脂で形成された混合樹脂層に接して積層されたポリエステル系フィルム層と、最下部に位置するシーラント層とを有し、前記ポリエステル系フィルム層と前記混合樹脂層との界面が剥離面となる積層体で構成され、
    開封用タブと開孔形成用タブとを周縁部に備え、
    液体通過孔を少なくとも一つ形成するための裏ハーフカットと、前記開孔形成用タブの両脇の周縁部を結ぶ裏ハーフカットと、空気孔を少なくとも一つ形成するための裏ハーフカットとが、前記シーラント層から設けられ、
    前記裏ハーフカットが到達する各層は、非吸水性材料で形成されていることを特徴とする液体通過孔を形成可能な蓋材。
  2. 前記積層体を、前記開孔形成用タブ、前記液体通過孔を形成するための裏ハーフカット及び前記空気孔を形成するための裏ハーフカットを含む領域と、これらを含まない領域とに分割する表ハーフカットが形成されていることを特徴とする請求項1記載の液体通過孔を形成可能な蓋材。
  3. 前記液体通過孔を形成するための裏ハーフカットは、前記開封用タブとほぼ対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体通過孔を形成可能な蓋材。
  4. 前記ポリエステル系フィルム層がPETフィルムを用いて形成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の液体通過孔を形成可能な蓋材。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の蓋材によって開口が塞がれたことを特徴とする容器。
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