JP2007320389A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の前部衝突時において、座席に着座している乗員の下肢に対する保護性能を向上させることができる乗員保護装置を提供する。
【解決手段】車両用シート11の座部12内には、エアバッグ装置23が設けられている。このエアバッグ装置23は、前側膨張部29及び後側膨張部30を有するエアバッグ25と、インフレータ27とを備えている。そして、車両前部に対する衝撃が検知された場合、エアバッグ25内にはインフレータ27から高圧ガスが供給され、前側膨張部29は、座部12の車両進行方向における前側から座部12よりも上方に向けて膨張展開する一方、後側膨張部30は、座部12内にて膨張展開する。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両前部に対して車両進行方向前側から後側へ向けて衝撃が加わった場合に該車両内の座席に着座している乗員の下肢を保護する乗員保護装置に関するものである。
従来、この種の乗員保護装置として、例えば特許文献1に記載の乗員保護装置が提案されている。この特許文献1に記載の乗員保護装置は、車両内の座席よりも前方斜め下となる床部内にエアバッグを収容してなり、車両前部に対して衝撃が加わった場合には、前記エアバッグが座席に着座している乗員の下肢において足首から足先にかかる部位(以下、「足首部分」という。)と対応する位置にて膨張展開するように構成されている。
すなわち、この特許文献1に記載の乗員保護装置では、車両前部への衝撃が検知された場合、エアバッグが床部内から車室内を車両進行方向における後方に向けて膨張展開し、座席に着座している乗員の足首部分を後方側に押動するようになっている。そして、こうしたエアバッグの膨張展開によって乗員の下肢を車両進行方向における後方側に移動させることにより、車両前部の衝突に基づいて車体の前部が変形してしまったとしても、乗員の下肢の保護が図られるようにしている。
特表2000−515457号公報(図1、図2)
ところで、特許文献1に記載の乗員保護装置では、車両前部に対して衝撃が加わった場合、急激に膨張展開するエアバックにより、乗員の足首部分は車両進行方向における後方側に向けて大きな押圧力を受けることになる。その一方、人間の足首部分というものは、個人差はあるものの、上下左右方向における可動範囲が限られている。そのため、エアバッグの膨張展開時には、乗員の足首部分に対して無理な方向への負荷がかかる場合もあり、特許文献1に記載の乗員保護装置には、乗員の下肢の保護を図るという点において改善の余地があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の前部衝突時において、座席に着座している乗員の下肢に対する保護性能を向上させることができる乗員保護装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、未展開時においては車両の座席の座部内に収容されるエアバッグを備える乗員保護装置において、前記エアバッグは、車両前部に対して衝撃が加わった場合、その少なくとも一部が前記座部の車両進行方向における前側から前記座部よりも上方に向けて膨張展開するように構成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、車両前部に対して衝撃が加わった場合、座部の車両進行方向における前側からは、該座部内に収容されるエアバッグの少なくとも一部が座部よりも上方に向けて膨張展開する。そのため、このエアバッグの膨張展開により、座席に着座していた乗員の膝が上方へ押し上げられ、その結果、乗員の下肢(特に足首部分)が車両進行方向における後方側に移動する。しかも、この場合、急激なエアバッグの膨張展開に基づく押圧力が乗員の足首部分に加わることもないため、該足首部分にかかる負荷が低減することになる。したがって、車両の前部衝突時において、座席に着座している乗員の下肢に対する保護性能を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗員保護装置において、前記エアバッグは、車両前部に対して衝撃が加わった場合に前記座部の車両進行方向における前側から前記座部よりも上方に向けて膨張展開する前側膨張部と、該前側膨張部よりも車両進行方向における後方に配置されると共に、車両前部に対して衝撃が加わった場合に前記座部内にて該座部の座面を上方へ押し上げるように膨張展開する後側膨張部とを有していることを要旨とする。
上記構成によれば、車両前部に対して衝撃が加わった場合、座部の車両進行方向における前側からは、前側膨張部が座部よりも上方に向けて膨張展開すると共に、後側膨張部が座部内で膨張展開することにより、座部の座面が上方に押し上げられる。そのため、座面の押し上げにより、乗員の腰部が上方に押し上げられることにより、シートベルトによる乗員の移動抑制性能が向上する。したがって、車両前部に対して衝撃が加わった場合に、乗員の体がシートベルトの下をくぐり抜けるように前滑りしてしまう現象(いわゆるサブマリン現象)が抑制される。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の乗員保護装置において、前記エアバッグは、前記前側膨張部の容量のほうが前記後側膨張部の容量よりも大きくなるように構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、エアバッグが膨張展開した場合には、前側膨張部のほうが後側膨張部よりも大きくなる。そのため、前側膨張部の膨張展開により、座席に着座している乗員の膝を確実に上方に押し上げることができ、その結果、乗員の下肢を確実に車両進行方向における後方側に移動させることが可能になる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載に記載の乗員保護装置において、前記エアバッグは、前記前側膨張部内と前記後側膨張部内とが互いに連通するように構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、前側膨張部と後側膨張部とを同時に膨張展開させることが可能になる。そのため、乗員の下肢の保護及びサブマリン現象の規制を速やかに行うことが可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の乗員保護装置において、前記座席の座部内には、車両進行方向における前後方向に沿うように配置された複数のエアバッグが収容されており、該各エアバッグのうち車両進行方向において最も前側に配置された前側エアバッグは、その少なくとも一部が前記座部の車両進行方向における前側から前記座部よりも上方に向けて膨張展開するように構成されると共に、前記各エアバッグのうち車両進行方向において最も後側に配置された後側エアバッグは、前記座部内にて該座部の座面を上方へ押し上げるように膨張展開するように構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、車両前部に対して衝撃が加わった場合、座部の車両進行方向における前側からは、前側エアバッグが座部よりも上方に向けて膨張展開すると共に、後側エアバッグが座部内で膨張展開することにより、座部の座面が上方に押し上げられる。そのため、座面の押し上げにより、乗員の腰部が上方に押し上げられることにより、シートベルトによる乗員の移動抑制性能が向上する。したがって、車両前部に対して衝撃が加わった場合に、乗員の体がシートベルトの下をくぐり抜けるように前滑りしてしまう現象(いわゆるサブマリン現象)が抑制される。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の乗員保護装置において、前記エアバッグは、その膨張展開時において、前記座部の車両進行方向における前側から前記座部よりも上方に向けて膨張展開する部位の車両幅方向における幅が、前記座席の車両幅方向における幅以下となるように形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、膨張展開したエアバッグのうち座部よりも上方に向けて膨張展開した部位の車両幅方向における幅が、座席の車両幅方向における幅以下となる。そのため、本発明では、膨張展開したエアバッグのうち座部よりも上方に向けて膨張展開した部位の車両幅方向における幅が座席の車両幅方向における幅よりも広くなる場合とは異なり、エアバッグの挙動制御が困難になるおそれが回避される。すなわち、速やかにエアバッグの膨張展開を完了させることができると共に、速やかな乗員の下肢の保護が図られる。
本発明によれば、車両の前部衝突時において、座席に着座している乗員の下肢に対する保護性能を向上させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方(車両前方)として説明する。また、特に説明がない限り、以下の記載における上下方向及び左右方向は、車両進行方向における上下方向及び左右方向と一致するものとする。
図1(a)に示すように、本実施形態の車両用シート(座席)11は、図示しない車両の室内に配置された助手席用のシートであって、乗員Pの臀部から大腿部を支える座部12と、リクライニング可能に構成された背もたれ部13と、乗員Pの頭部を支えるヘッドレスト14と、シートベルト15とを備えている。このシートベルト15は、車両用シート11に着座した乗員Pを拘束するために設けられた3点固定式シートベルトである。シートベルト15には、着座した乗員Pの腰部Kの一側方から水平方向に腰部Kの前を経由して他側方に架け渡されるラップベルト部15aと、着座した乗員Pの肩から斜めに胸の前を経由して腰部Kの側方に架け渡されるショルダベルト部15bとが設けられている。
座部12は、フレーム16と、該フレーム16上に配置されるクッション体17とを備えている。フレーム16には、図2に示すように、前後方向に延設された左右一対の支持プレート18が設けられている。これら両支持プレート18間には、それらの前端側にフロントロッド19が架設されると共に、それらの後端側にバックロッド20が架設されている。そして、フロントロッド19とバックロッド20との間には、クッション体17を支えるS字型バネ21が複数張設されている。
また、両支持プレート18の前部同士の間には、図1(a)に示すように、シートパン22が架設されている。このシートパン22には、該シートパン22を下方に向けて凹ませることにより、車両幅方向に沿う収納凹部22aが形成されると共に、該収納凹部22aには、乗員保護装置としてのエアバッグ装置23が収納されている。なお、座部12は、クロス製あるいはレザー製のカバー24によって被覆されている。
次に、本実施形態のエアバッグ装置23について以下説明する。
エアバッグ装置23は、図1(b)に示すように、袋状のエアバッグ25を備えると共に、該エアバッグ25内には、断面が六角形状をなす収容筒26が車両幅方向に沿うように収容されている。この収容筒26内には、略円柱形状をなすインフレータ(ガス発生源)27が収容筒26の延設方向(車両幅方向)に沿うように配設されると共に、このインフレータ27には、該インフレータ27から下方に向けて延びるねじ部28が突出形成されている。このねじ部28は、収容筒26の側壁及びシートパン22の底部を貫通しており、このねじ部28及び該ねじ部28に対してナット28aが螺合されることによって、インフレータ27(エアバッグ装置23)は、シートパン22の底部に固定されている。
エアバッグ25には、図3に示すように、膨張展開した際に、複数(本実施形態では2つ)の膨張部29,30が形成されるようになっている。すなわち、エアバッグ25内には、車両幅方向に沿う縫着部位からなるシーム部31が形成され、該シーム部31がエアバッグ25内に複数(本実施形態では2つ)の空間を区画形成している。そして、シーム部31よりも車両進行方向前側には、前側膨張部29が形成されると共に、シーム部31よりも車両進行方向後側には、後側膨張部30が形成されるようになっている。また、シーム部31は、前側膨張部29の容積の方が後側膨張部30の容積よりも大きくなるような位置取りで、各膨張部29,30を互いに連通させるように形成されている。
エアバッグ25において、前側膨張部29は、インフレータ27から高圧ガスが供給された場合、該高圧ガスの流動に基づいて収納凹部22a内からシートパン22とクッション体17との間を車両進行方向前側に向けて移動するようになっている。そして、前側膨張部29は、カバー24の図示しない縫合部を突き破るようにして座部12の車両進行方向における前側から該座部12外に膨出し、その後、座部12よりも上方に向けて膨張展開するようになっている。
図4に示すように、エアバッグ25は、膨張展開した場合に、前側膨張部29の車両幅方向における幅が座部12の車両幅方向における幅よりも狭くなるように形成されている。また、本実施形態のエアバッグ25は、前側膨張部29が膨張展開することにより、車両用シート11に着座している乗員Pの下肢(特に膝)を「30mm」〜「80mm」(本実施形態では、「50mm」程度)だけ上方に押し上げるようになっている。なお、座部12を被覆するカバー24には、複数箇所に縫合部が形成されているが、膨張展開する前側膨張部29に突き破られる縫合部は、他の縫合部よりも縫い目が粗くなっている。
また、エアバッグ25において、後側膨張部30は、インフレータ27からガスが供給された場合、収納凹部22aからクッション体17とフレーム16(より詳しくは、S字型バネ21)との間で膨張展開するようになっている。すなわち、後側膨張部30は、収納凹部22aから車両の後方側へ広がるようになっている。そして、後側膨張部30は、膨張展開することにより、座部12の座面(図3では上面)12aのうち、乗員Pの膝裏よりも後側の大腿部から臀部までの部分と接する着座領域Dを上方に押し上げるようになっている。
次に、本実施形態のエアバッグ装置23の作用について以下説明する。
さて、図示しない衝撃検出手段(例えば、異常加速度検出手段)が車両前部に対する車両進行方向前側から後側へ向けての衝撃を検出すると、図示しない制御手段がインフレータ27を作動させることにより、該インフレータ27から高圧ガスがエアバッグ25内に供給される。すると、エアバッグ25における前側膨張部29及び後側膨張部30がほぼ同時に膨張展開し始める。
すなわち、後側膨張部30は、収納凹部22aからクッション体17とフレーム16(より詳しくは、S字型バネ21)との間で膨張展開する。そのため、座部12を構成するクッション体17が上方に押し上げられる結果、座部12の座面(図3では上面)12aの着座領域Dが上方に押し上げられる。すると、車両用シート11に着座している乗員Pの腰部Kが上方に押し上げられるため、乗員Pがラップベルト部15aに押し付けられ、該ラップベルト部15aによる乗員Pに対する拘束力が高まる。したがって、車両前部の衝突により、乗員Pの体がシートベルト15の下をくぐり抜けるように前滑りしてしまう現象(いわゆるサブマリン現象)が抑制される。
また、前側膨張部29は、収納凹部22a内からシートパン22とクッション体17との間を通過し、カバー24の図示しない縫合部を突き破るようにして座部12の車両進行方向における前側から該座部12外に膨出する。そして、エアバッグ25の前側膨張部29は、座部12よりも上方に向けて膨張展開する。すると、膨張展開する前側膨張部29が乗員Pの膝裏付近に圧接することにより、乗員Pの膝が上方に押し上げられる。このように乗員Pの膝が上方に押し上げられると、乗員Pの下肢が膝を中心に折り曲がった状態になる結果、乗員Pの下肢の足首部分(足首から足先にかかる部位)Aが車両進行方向における後方に移動する。すなわち、乗員Pの下肢が車両進行方向における後方に移動する。
そのため、車両前部の衝突に基づいて車体の前部が変形してしまったとしても、乗員Pの下肢の保護が良好に図られる。また、本実施形態では、乗員Pの膝を曲げさせることにより、乗員Pの下肢を車両進行方向における後方側に移動させている。この場合、上下左右方向における可動範囲が限られている足首部分Aには、エアバッグからの押圧力が加わらないため、エアバッグの急激な膨張展開による無理な方向への負荷がかかる可能性がない。すなわち、乗員Pの足首部分Aの保護が良好に図られる。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)車両前部に対して衝撃が加わった場合、座部12の車両進行方向における前側からは、該座部12内に収容されるエアバッグ25の前側膨張部(少なくとも一部)29が座部12よりも上方に向けて膨張展開する。そのため、このエアバッグ25の膨張展開により、車両用シート(座席)11に着座していた乗員Pの膝が上方へ押し上げられ、その結果、乗員Pの下肢(特に足首部分A)が車両進行方向における後方側に移動する。しかも、この場合、急激なエアバッグ25の膨張展開に基づく押圧力が乗員Pの足首部分Aに加わることもないため、該足首部分Aにかかる負荷が低減することになる。したがって、車両の前部衝突時において、車両用シート11に着座している乗員Pの下肢に対する保護性能を向上させることができる。
(2)車両前部に対して衝撃が加わった場合、座部12の車両進行方向における前側からは、エアバッグ25の前側膨張部29が座部12よりも上方に向けて膨張展開すると共に、エアバッグ25の後側膨張部30が座部12内で膨張展開することにより、座部12の座面12aが上方に押し上げられる。そのため、座面12aの押し上げにより、乗員Pの腰部Kが上方に押し上げられることにより、シートベルト15による乗員Pの移動抑制性能が向上する。したがって、車両前部に対して衝撃が加わった場合に、乗員Pの体がシートベルト15の下をくぐり抜けるように前滑りしてしまう現象(いわゆるサブマリン現象)を抑制できる。
(3)エアバッグ25が膨張展開した場合には、前側膨張部29のほうが後側膨張部30よりも大きくなる。そのため、前側膨張部29の膨張展開により、車両用シート(座席)11に着座している乗員Pの膝を確実に上方に押し上げることができ、その結果、乗員Pの下肢を確実に車両進行方向における後方側に移動させることができる。
(4)エアバッグ25は、前側膨張部29と後側膨張部30とが連通するように構成されているため、前側膨張部29と後側膨張部30とを同時に膨張展開させることができる。そのため、乗員Pの下肢の保護及びサブマリン現象の規制を速やかに行うことができる。
(5)膨張展開したエアバッグ25のうち座部12よりも上方に向けて膨張展開した前側膨張部29の車両幅方向における幅は、車両用シート(座席)11の車両幅方向における幅以下となる。そのため、本実施形態では、前側膨張部29の車両幅方向における幅が車両用シート11の車両幅方向における幅よりも広くなる場合とは異なり、エアバッグ25の挙動制御が困難になるおそれが回避される。すなわち、速やかにエアバッグ25の膨張展開を完了させることができると共に、速やかな乗員Pの下肢の保護を図ることができる。
(6)もし仮にエアバッグ25の膨張展開に基づいて乗員Pの膝が押し上げられる高さが「30mm」未満である場合、乗員Pの下肢の車両進行方向における後方への移動量が少なくなってしまうおそれがある。一方、もし仮にエアバッグ25の膨張展開に基づいて乗員Pの膝が押し上げられる高さが「80mm」よりも高い場合、本実施形態のエアバッグ25に比して前側膨張部29の容積が大きくなるため、膨張展開時におけるエアバッグ25の挙動制御が困難になるおそれがある。しかし、本実施形態では、エアバッグ25が膨張展開した場合、乗員Pの膝が「50mm」程度押し上げられるようになっている。したがって、乗員Pの下肢の車両進行方向における後方側への移動量を十分に確保できると共に、膨張展開時におけるエアバッグ25の挙動を好適に制御できる。
(7)エアバッグ25は、各膨張部29,30が互いに連通しているため、一つのインフレータ27にて各膨張部29,30を膨張展開させることができる。そのため、膨張部29,30毎にインフレータ27を設ける場合に比して、エアバッグ装置23を小型化することできる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態(別例)に変更してもよい。
・実施形態において、エアバッグ25の前側膨張部29は、該エアバッグ25の膨張展開に基づいて乗員Pの膝が押し上げられる高さが「30mm」〜「80mm」の範囲内であれば、任意の高さ(例えば「40mm」)となるように構成されたものであってもよい。
・実施形態において、エアバッグ25は、膨張展開時における前側膨張部29の車両幅方向における幅が車両用シート11の車両幅方向における幅以上となるように構成されたものであってもよい。
・実施形態において、エアバッグ装置23は、図5に示すように、座部12内に複数(図5では2つ)のエアバッグ40,41を備えた構成であってもよい。すなわち、車両進行方向における前側には、前側エアバッグ40と該前側エアバッグ40内に高圧ガスを供給するためのインフレータ27を設ける一方、車両進行方向における後側には、後側エアバッグ41と該後側エアバッグ41内に高圧ガスを供給するためのインフレータ27を設ける。そして、車両前部に対して衝撃が加わった場合、各インフレータ27から各エアバッグ40,41内に高圧ガスが各別に供給されることにより、前側エアバッグ40は、座部12よりも上方に向けて膨張展開する一方、後側エアバッグ41は、座部12内にて膨張展開し、座部12の座面12aを上方に押し上げている。このように構成した場合、車両前部に対して衝撃が加わった場合に、サブマリン現象を良好に抑制できる。
・実施形態において、エアバッグ25は、各膨張部29,30が互いに非連通状態となるように構成されたものであってもよい。この場合、エアバッグ装置23には、膨張部29,30毎にインフレータ27を個別に設ける必要がある。このように構成した場合、制御態様を変更させることで、前側膨張部29を後側膨張部30よりも先に膨張展開を開始させることが可能になる一方で、後側膨張部30を前側膨張部29よりも先に膨張展開を開始させることも可能になる。
・実施形態において、エアバッグ25は、前側膨張部29を少なくとも含む2つ以外の複数(例えば4つ)の膨張部が設けられた構成であってもよい。この場合、各膨張部のうち最も前側の膨張部は、その内部にインフレータ27から高圧ガスが供給された場合に、その少なくとも一部が座部12の車両進行方向における前側から座部12よりも上方に向けて膨張展開するように構成されることが望ましい。また、各膨張部のうち最も後側の膨張部は、その内部にインフレータ27から高圧ガスが供給された場合に、座部12内にて該座部12の座面12aを上方へ押し上げるように膨張展開するように構成されることが望ましい。さらに、車両進行方向に沿って各膨張部が形成された場合では、各膨張部のシートパン22からの展開膨張時における高さは、車両進行方向前側から後側に向けて次第に低くなるように設定されることが望ましい。
・実施形態において、エアバッグ25には、座部12内にて膨張展開する部位(上記実施形態における後側膨張部30に対応する部位)が設けられていない構成であってもよい。このように構成しても、エアバッグ25の一部が座部12よりも上方に膨張展開することにより、車両用シート11に着座している乗員Pの膝を上方に確実に押し上げることができる。
・実施形態において、車両用シート11を、運転席用のシートや後部座席用のシートに具体化してもよい。
(a)は本実施形態における車両用シートの側断面図、(b)はエアバッグ装置の拡大側断面図。 本実施形態におけるフレームの斜視図。 エアバッグが膨張展開したときにおける車両用シートの側断面図。 エアバッグが膨張展開したときにおける車両用シートの概略平面図。 別例のエアバッグ装置において各エアバッグが膨張展開したときにおける車両用シートの側断面図。
符号の説明
11…車両用シート(座席)、12…座部、12a…座面、23…エアバッグ装置(乗員保護装置)、25…エアバッグ、29…前側膨張部、30…後側膨張部、40…前側エアバッグ、41…後側エアバッグ。

Claims (6)

  1. 未展開時においては車両の座席の座部内に収容されるエアバッグを備える乗員保護装置において、
    前記エアバッグは、車両前部に対して衝撃が加わった場合、その少なくとも一部が前記座部の車両進行方向における前側から前記座部よりも上方に向けて膨張展開するように構成された乗員保護装置。
  2. 前記エアバッグは、車両前部に対して衝撃が加わった場合に前記座部の車両進行方向における前側から前記座部よりも上方に向けて膨張展開する前側膨張部と、該前側膨張部よりも車両進行方向における後方に配置されると共に、車両前部に対して衝撃が加わった場合に前記座部内にて該座部の座面を上方へ押し上げるように膨張展開する後側膨張部とを有している請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記エアバッグは、前記前側膨張部の容量のほうが前記後側膨張部の容量よりも大きくなるように構成されている請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記エアバッグは、前記前側膨張部内と前記後側膨張部内とが互いに連通するように構成されている請求項2又は請求項3に記載に記載の乗員保護装置。
  5. 前記座席の前記座部内には、車両進行方向における前後方向に沿うように配置された複数のエアバッグが収容されており、
    該各エアバッグのうち車両進行方向において最も前側に配置された前側エアバッグは、その少なくとも一部が前記座部の車両進行方向における前側から前記座部よりも上方に向けて膨張展開するように構成されると共に、
    前記各エアバッグのうち車両進行方向において最も後側に配置された後側エアバッグは、前記座部内にて該座部の座面を上方へ押し上げるように膨張展開するように構成されている請求項1に記載の乗員保護装置。
  6. 前記エアバッグは、その膨張展開時において、前記座部の車両進行方向における前側から前記座部よりも上方に向けて膨張展開する部位の車両幅方向における幅が、前記座席の車両幅方向における幅以下となるように形成されている請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の乗員保護装置。
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