JP2007319968A - 総形フライス - Google Patents
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Abstract
【課題】粗加工用の総形フライスの上記テーパ部、凸円弧部及び逆テーパ部について、波状切れ刃を設け、且つ、位相を設けても、その部位により、刃径が変化することから切削速度も変化し、更に、切削負荷も変化するが、耐摩耗性も、耐チッピング性も不十分ならない総形フライスを提供する。
【解決手段】タービンブレード取り付け部加工用総形フライスにおいて、該総形フライスは、そのフォームが、径がテーパ角一定で拡がるテーパ部1、テーパ部から凸円弧部2を経て、径が小さくなる逆テーパ部3、とを有し、前記テーパ部、凸円弧部は、略一定の波形状とし、逆テーパ部は、凸円弧部からの波状切れ刃の頂点より、略直線状に、総形のフォ−ムの傾斜角Aよりさらに小さい傾斜角Bで、ピッチ長さの0.55〜0.80倍の最下点まで設け、該最下点から次の頂点までを波状に設けたことを特徴とする総形フライス。
【選択図】図1
【解決手段】タービンブレード取り付け部加工用総形フライスにおいて、該総形フライスは、そのフォームが、径がテーパ角一定で拡がるテーパ部1、テーパ部から凸円弧部2を経て、径が小さくなる逆テーパ部3、とを有し、前記テーパ部、凸円弧部は、略一定の波形状とし、逆テーパ部は、凸円弧部からの波状切れ刃の頂点より、略直線状に、総形のフォ−ムの傾斜角Aよりさらに小さい傾斜角Bで、ピッチ長さの0.55〜0.80倍の最下点まで設け、該最下点から次の頂点までを波状に設けたことを特徴とする総形フライス。
【選択図】図1
Description
本願発明は、タービンブレードの翼根又は該タービンブレードを取り付けるタービンディスク側の取り付け部の加工に用いるタービンブレード取り付け部加工用の総形フライスに関する。
タービンブレードの翼根又は該タービンブレードを取り付けるタービンディスク側の取り付け部のフォームの粗加工には、波形切れ刃を備えた総形フライスが用いられているが、テーパを含むラフィングエンドミルの波状切れ刃は、切れ刃に垂直方向に刻み込まれているが、総形フライスでは、フォ−ムが複雑であるため、波状切れ刃を傾斜面、円弧部に設ける事態が生じる。
特許文献1は、連結部を含む凹所の長さ寸法と基準形状部の長さ寸法Lとを加算したピッチPは、例えば外周切れ刃の全長に亘って一定とされるが、径寸法の変化などに応じて変化させることも可能とし、該外周切れ刃の刃数をnとした時、P/nずつ位相がずれるように設けられており、特許文献2は、総形フライスを構成する材料が超硬合金で、該総形フライスは回転軌跡で凹又は凸状曲線である総形のフォームを設けた例が、特許文献3は、複数の外周切れ刃には、それぞれ径寸法が周期的に滑らかに変化する波形のラフィング切れ刃が設けられているとともに、該ラフィング切れ刃の位相は該複数の外周切れ刃の相互間で軸方向にずらした例が、記載されている。
特開2005−131728号公報
特開2003−165016号公報
特開平11−267916号公報
特許文献1は、連結部を含む凹所の長さ寸法と基準形状部の長さ寸法Lとを加算したピッチPは、例えば外周切れ刃の全長に亘って一定とされるが、径寸法の変化などに応じて変化させることも可能とし、該外周切れ刃の刃数をnとした時、P/nずつ位相がずれるように設けられており、特許文献2は、総形フライスを構成する材料が超硬合金で、該総形フライスは回転軌跡で凹又は凸状曲線である総形のフォームを設けた例が、特許文献3は、複数の外周切れ刃には、それぞれ径寸法が周期的に滑らかに変化する波形のラフィング切れ刃が設けられているとともに、該ラフィング切れ刃の位相は該複数の外周切れ刃の相互間で軸方向にずらした例が、記載されている。
波形状のラフィング切れ刃は、通常、2刃〜6刃でセットとなり、1枚刃となるように設計される、特に、タービンブレード取り付け部のフォームは凹凸がある特殊な輪郭であり、その具体的な態様について説明する。
第1に、径がテーパ角一定で拡がるテーパ部は、切れ刃のフォ−ムが該フライスの回転軸と直交する平面に対して小さな角度である場合は、切れ刃の斜面が切削するように作用し、切屑厚みが薄くなって擦過現象が増し、波状切れ刃を刻み込む方向が切削方向とは一致しなくなるため、その効果が希薄になって切削抵抗が増加する。切れ刃のフォ−ムが30゜以下の角度で傾斜するときは、該角度より小さい角度で傾斜する直線部分を凸略円弧と凹略円弧の間に設けることによって波状切れ刃凸部頂点の間隔を大きくして本来の波状切れ刃の効果を得ることができる。
第2に、テーパ部から、円弧部を経て、径が小さくなる様な円弧部は、凸状の円弧部であり(以下、単に凸円弧部と記す。)、特に凸円弧部が、隣接する波状切れ刃間で60度以上湾曲するようになると、両波状切れ刃のいずれかは上述の傾斜面に位置することになり、且つ、湾曲部分が短いからこの切れ刃を1部分ずつオフセットして1刃と次刃とで出入りさせ、波状切れ刃の効果を得て切削性を高めている。この凸円弧部は、刃径も大きくなり、切削速度の影響により、高速度鋼を用いた場合には、最も、摩耗が進む箇所となる。
第3に、凸円弧部から、径が小さくなるテーパ部(以下、単に逆テーパ部と記す。)は、径が大きくなるテーパ部に比べ、切り込み量が一定ではなくなり、切削負荷が変動する。特に、傾斜面が急角度の場合は側面で擦過現象が大きいので切れ刃の一部を間引くことで緩和でき、切れ刃の直径差が大きい場合には小径部分で1刃と次刃の間隔が狭まり、切れ味が低下するので間引くことで、切削負荷が適切なものとなる。
本発明は以上のような背景のもとになされたものであり、粗加工用の総形フライスの上記テーパ部、凸円弧部及び逆テーパ部について、波状切れ刃を設け、且つ、位相を設けても、その部位により、刃径が変化することから切削速度も変化し、更に、切削負荷も変化するため、耐摩耗性も、耐チッピング性も不十分であった。
第1に、径がテーパ角一定で拡がるテーパ部は、切れ刃のフォ−ムが該フライスの回転軸と直交する平面に対して小さな角度である場合は、切れ刃の斜面が切削するように作用し、切屑厚みが薄くなって擦過現象が増し、波状切れ刃を刻み込む方向が切削方向とは一致しなくなるため、その効果が希薄になって切削抵抗が増加する。切れ刃のフォ−ムが30゜以下の角度で傾斜するときは、該角度より小さい角度で傾斜する直線部分を凸略円弧と凹略円弧の間に設けることによって波状切れ刃凸部頂点の間隔を大きくして本来の波状切れ刃の効果を得ることができる。
第2に、テーパ部から、円弧部を経て、径が小さくなる様な円弧部は、凸状の円弧部であり(以下、単に凸円弧部と記す。)、特に凸円弧部が、隣接する波状切れ刃間で60度以上湾曲するようになると、両波状切れ刃のいずれかは上述の傾斜面に位置することになり、且つ、湾曲部分が短いからこの切れ刃を1部分ずつオフセットして1刃と次刃とで出入りさせ、波状切れ刃の効果を得て切削性を高めている。この凸円弧部は、刃径も大きくなり、切削速度の影響により、高速度鋼を用いた場合には、最も、摩耗が進む箇所となる。
第3に、凸円弧部から、径が小さくなるテーパ部(以下、単に逆テーパ部と記す。)は、径が大きくなるテーパ部に比べ、切り込み量が一定ではなくなり、切削負荷が変動する。特に、傾斜面が急角度の場合は側面で擦過現象が大きいので切れ刃の一部を間引くことで緩和でき、切れ刃の直径差が大きい場合には小径部分で1刃と次刃の間隔が狭まり、切れ味が低下するので間引くことで、切削負荷が適切なものとなる。
本発明は以上のような背景のもとになされたものであり、粗加工用の総形フライスの上記テーパ部、凸円弧部及び逆テーパ部について、波状切れ刃を設け、且つ、位相を設けても、その部位により、刃径が変化することから切削速度も変化し、更に、切削負荷も変化するため、耐摩耗性も、耐チッピング性も不十分であった。
本願発明は、タービンブレード取り付け部加工用総形フライスにおいて、該総形フライスは、そのフォームが、径がテーパ角一定で拡がるテーパ部、テーパ部から凸円弧部を経て、径が小さくなる逆テーパ部、とを有し、前記テーパ部、凸円弧部は、略一定の波形状とし、逆テーパ部は、凸円弧部からの波状切れ刃の頂点より、略直線状に、総形のフォ−ムの傾斜角Aよりさらに小さい傾斜角Bで、ピッチ長さの0.55〜0.80倍の最下点まで設け、該最下点から次の頂点までを波状に設けたことを特徴とする総形フライスであり、本願発明を適用することにより、逆テーパ部は、適切な切削負荷が加わり、テーパ部、凸円弧部の波状切れ刃と併せ、振動、ビビリが減少し、且つ、切れ刃の輪郭がタービンブレード取り付け部のフォ−ムの狂いを抑えることができた。更に、前記傾斜角Bは、総形のフォ−ムの傾斜角Aより1〜10度小さく設け、前記逆テーパ部の頂点から最下点までの深さは、前記テーパ部、凸円弧部の波形状の深さと略同じに設けたことを特徴とする総形フライスである。
以上のように本願発明によれば、タービンブレード取り付け部加工用総形フライスにおいて、複雑なフォ−ムに適した波状切れ刃と逆テーパ部に一部直線状の切れ刃を設けることにより、高能率、長寿命の総形フライスを提供することが可能となった。
本願発明は、上記の目的を達成するために、タービンブレード取り付け部加工用総形フライスにおいて、該総形フライスのテーパ部は、波形切れ刃を凸略円弧と凹略円弧の連続した略一定の波形状とし、成形したフォーム上に波状切れ刃が起因する食い込み傷やバリ等の発生が無く、滑らかな加工面を得ることができる。
次に、前記逆テーパ部は、刃径が小さくなること、テーパ角が、140〜160度と大きいため、上記テーパ部の様に波状切れ刃を設けた場合には、切り込み量が変動し、切れ刃と被削材とがこすれあい、振動・ビビリ等の原因となり、甚だしい場合には、欠損に至る。
本願発明では、径が小さくなり、且つ、テーパ角が大きな箇所では、凸円弧部からの波状切れ刃から続いて、波状切れ刃の頂点から、略直線状に、総形のフォ−ムの傾斜角Aよりさらに小さい傾斜角Bで設け、更に、前記波状切れ刃に相当するピッチ長さを1.8〜2.6mmと長くし、そのピッチ長さの0.55〜0.80倍の位置の最下点まで略直線状の切れ刃を設けることにより、切れ刃と被削材が接触しないように設けている。
次に、ピッチ長さの0.55〜0.80倍の位置の最下点から、次の頂点までは、波状に設けて、切り込みの負荷が頂点付近に集中しないように配置する。
次に、前記逆テーパ部は、刃径が小さくなること、テーパ角が、140〜160度と大きいため、上記テーパ部の様に波状切れ刃を設けた場合には、切り込み量が変動し、切れ刃と被削材とがこすれあい、振動・ビビリ等の原因となり、甚だしい場合には、欠損に至る。
本願発明では、径が小さくなり、且つ、テーパ角が大きな箇所では、凸円弧部からの波状切れ刃から続いて、波状切れ刃の頂点から、略直線状に、総形のフォ−ムの傾斜角Aよりさらに小さい傾斜角Bで設け、更に、前記波状切れ刃に相当するピッチ長さを1.8〜2.6mmと長くし、そのピッチ長さの0.55〜0.80倍の位置の最下点まで略直線状の切れ刃を設けることにより、切れ刃と被削材が接触しないように設けている。
次に、ピッチ長さの0.55〜0.80倍の位置の最下点から、次の頂点までは、波状に設けて、切り込みの負荷が頂点付近に集中しないように配置する。
更に、傾斜角Bは、総形のフォ−ムの傾斜角Aより1〜10度小さくしたのは、切れ刃と被削材の接触を無くすには、前記逆テーパ角との関係で、1度未満では接触を防ぎきれず、10度を超えると、総形のフォ−ムとの狂いが大きくなるため、1〜10度の範囲に限定した。また、前記逆テーパ部の頂点から最下点までの深さは、前記凸円弧部の波形状の深さと略同じに設けると、総形のフォ−ムとの狂いが同程度となるため、好ましい。
テーパ部、凸円弧部では、波状切れ刃は凸略円弧と凹略円弧の連続した波状とし、波状切れ刃の凹凸の差である波高さは隣接する波状切れ刃凸部頂点とのピッチの0.01倍〜0.8倍が望ましく、0.01倍未満では切り屑を十分に分断することができず、0.8倍を越えると滑らかに結びづらくなるためである。
波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径は、波状切れ刃の隣り合う凸部の頂点の間隔であるピッチ長さの0.2倍〜5倍としても良く、0.2倍未満ではアールが小さすぎて設ける意味が無く、5倍を越えた大きな値で設けると切れ刃として長くなり過ぎるため、切れ刃に連なる凸部の頂点のアール半径は、該ピッチ長さの0.2倍〜5倍とした。波状切れ刃の凸部の頂点は、切削応力が集中しやすく、波状切れ刃の凸部の頂点のチッピングが生じやすいが、波状切れ刃の波高さを小さくし、波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径を大きく設定することにより、切削応力を分散することができ、耐チッピング性を向上することができるため、好ましくは、波状切れ刃の隣り合う凸部の頂点の間隔であるピッチ長さに対して、波高さは0.01倍〜0.5倍が望ましく、凸部の頂点のアール半径は0.5倍〜5倍、更に好ましくは1倍から5倍が望ましい。
テーパ部、凸円弧部では、波状切れ刃は凸略円弧と凹略円弧の連続した波状とし、波状切れ刃の凹凸の差である波高さは隣接する波状切れ刃凸部頂点とのピッチの0.01倍〜0.8倍が望ましく、0.01倍未満では切り屑を十分に分断することができず、0.8倍を越えると滑らかに結びづらくなるためである。
波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径は、波状切れ刃の隣り合う凸部の頂点の間隔であるピッチ長さの0.2倍〜5倍としても良く、0.2倍未満ではアールが小さすぎて設ける意味が無く、5倍を越えた大きな値で設けると切れ刃として長くなり過ぎるため、切れ刃に連なる凸部の頂点のアール半径は、該ピッチ長さの0.2倍〜5倍とした。波状切れ刃の凸部の頂点は、切削応力が集中しやすく、波状切れ刃の凸部の頂点のチッピングが生じやすいが、波状切れ刃の波高さを小さくし、波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径を大きく設定することにより、切削応力を分散することができ、耐チッピング性を向上することができるため、好ましくは、波状切れ刃の隣り合う凸部の頂点の間隔であるピッチ長さに対して、波高さは0.01倍〜0.5倍が望ましく、凸部の頂点のアール半径は0.5倍〜5倍、更に好ましくは1倍から5倍が望ましい。
次に、総形フライスの刃長間における刃径の変化に拘わらず外周二番面の落ち量をほぼ一定としても良い。ここで外周二番面の落ち量とは、外周切れ刃の外周二番面が回転軸を中心として切れ刃からの回転角が等しい位置における切れ刃回転軌道と外周二番面とのピッチであり、再研削による性能低下がなく、且つ再研削による加工形状の維持および再研削自体が容易となり、廃却までのトータル的な工具寿命が向上する。次に、外周二番面の回転方向後方に外周三番面を有しても良い。切れ刃強度及び再研削回数の面から外周二番面幅を大きく設定することが考えられる。しかしながら外周二番面は外周すくい面と共に切れ刃稜線を形成し、面粗さ等の精度が要求される部位であるため、工数が増え、製造コストが高くなる。そのため、外周二番面の幅を必要最小限に設定し、外周二番面の回転方向後方に外周三番面を設けた。これにより、外周逃げ面幅を一層大きく設定することも可能となり、切れ刃強度が得られ、且つ、外周三番面は切れ刃稜線に関与しないため、精度もさほど必要とせず、粗い砥石で高能率に加工ができ、製造コストを下げることができる。ここで、外周二番面の幅は、総形フライスの刃径の5%〜15%が望ましく、5%未満であると、再研削回数が大幅に減少し、また、実際15%を超えて再研削を行うと、形状精度は維持できているが、寸法精度が外れ、必要でない外周二番面を有することになり、製造コストのみ高くなるからであり、15%以下とした。また、同様の目的で超硬合金製造過程において、仮焼結時に刃溝や外周三番面、総形フォームの荒加工等を行っても良く、刃溝、外周三番面はさほど精度を必要としないため、最終研磨工程を削減することが可能であり、総形フォームの荒加工は最終研磨工程を軽減でき、製造コストを軽減できる。
更に、本願発明の総形フライスに被覆を施す場合には、被覆は周期率表第4a族、第5a族、第6a族の遷移金属、低融点金属、希土類金属、またはAlの炭化物、窒化物、酸化物、硼化物、硬質窒化硼素、硬質炭素さらにこれらの固容体または混合体からなる群のうちから選ばれた1種または2種以上の硬質性膜及び/又はMoS等の潤滑性膜を1層または2層以上の多層で0.2〜20μの厚みで被覆すると、耐摩耗性が向上でき、更に寿命を長くすることができる。以下、本願発明を実施例に基づいて説明する。
(実施例1)
図1〜図3は、本発明例1、クリスマスツリー形のフォームを有するタービンブレードの翼根部の荒加工に用いる総形フライスである。
図1の総形フライスは、外周切れ刃、それに続く外周逃げ面に波状を付与した2番取り刃形の総形フライスであり、フォームを形成する外周切れ刃は、テーパ状に刃径が大きくなるテーパ部1、それに続く凸円弧部2、テーパ状に刃径が小さくなる逆テーパ部3、それに続く凹円弧部を経て、次のテーパ状に刃径が大きくなるテーパ部1へと複数回連なる総形フライスである。
テーパ部、凸円弧部の波状切れ刃は、3刃でセットとなるよう、1刃、2刃、3刃で各々1/3づつピッチをずらし、図2に示す、テーパ部1では、テーパ切れ刃に沿って波深さ4を0.2mm、ピッチ長さ5を1mm、波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径6を0.4mmに設けている。図3に示す、凸円弧部での波状切れ刃は、テーパ部1より、波深さ4、波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径6は、そのままとし、ピッチを2.0mmと拡げている。図4に示す、逆テーパ部3では、凸円弧部からの波状切れ刃の頂点より、略直線状に、総形のフォ−ムの傾斜角Aよりさらに小さい傾斜角B=8度で、ピッチ長さの0.70倍の最下点まで設け、該最下点から次の頂点までを波状に設けている。該外周逃げ面の落ち量はクリスマスツリー形のフォームの各部位において一定としたものである。更に、逃げ面の落ち量が該フォームの各部位において一定であるため、切削条件を高くできるだけでなく再研磨後も維持でき、さらに、再研磨後はフォームの変化がなく、再研磨自体もすくい面側から行えるため、容易となった。
図1〜図3は、本発明例1、クリスマスツリー形のフォームを有するタービンブレードの翼根部の荒加工に用いる総形フライスである。
図1の総形フライスは、外周切れ刃、それに続く外周逃げ面に波状を付与した2番取り刃形の総形フライスであり、フォームを形成する外周切れ刃は、テーパ状に刃径が大きくなるテーパ部1、それに続く凸円弧部2、テーパ状に刃径が小さくなる逆テーパ部3、それに続く凹円弧部を経て、次のテーパ状に刃径が大きくなるテーパ部1へと複数回連なる総形フライスである。
テーパ部、凸円弧部の波状切れ刃は、3刃でセットとなるよう、1刃、2刃、3刃で各々1/3づつピッチをずらし、図2に示す、テーパ部1では、テーパ切れ刃に沿って波深さ4を0.2mm、ピッチ長さ5を1mm、波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径6を0.4mmに設けている。図3に示す、凸円弧部での波状切れ刃は、テーパ部1より、波深さ4、波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径6は、そのままとし、ピッチを2.0mmと拡げている。図4に示す、逆テーパ部3では、凸円弧部からの波状切れ刃の頂点より、略直線状に、総形のフォ−ムの傾斜角Aよりさらに小さい傾斜角B=8度で、ピッチ長さの0.70倍の最下点まで設け、該最下点から次の頂点までを波状に設けている。該外周逃げ面の落ち量はクリスマスツリー形のフォームの各部位において一定としたものである。更に、逃げ面の落ち量が該フォームの各部位において一定であるため、切削条件を高くできるだけでなく再研磨後も維持でき、さらに、再研磨後はフォームの変化がなく、再研磨自体もすくい面側から行えるため、容易となった。
(実施例2)
本発明例1を用いて、切削諸元で、工具回転数を360min−1とし、送り速度を可変として溝切削加工を行った。評価は、機械全体の振動の大きさ、ビビリ音の程度、で行った。
本発明例1は、送り速度が15mm/min、30mm/minであっても、切り屑が細かに分断され、溝削りにおいても、振動、ビビリとも小さく、充分に使用可能であった。
本発明例1を用いて、切削諸元で、工具回転数を360min−1とし、送り速度を可変として溝切削加工を行った。評価は、機械全体の振動の大きさ、ビビリ音の程度、で行った。
本発明例1は、送り速度が15mm/min、30mm/minであっても、切り屑が細かに分断され、溝削りにおいても、振動、ビビリとも小さく、充分に使用可能であった。
(実施例3)
本発明例1と同仕様で、逆テーパ部の切れ刃を、比較例2として、頂点から最下点までの長さを0.5倍、本発明例3として、同0.6倍、本発明例4として、同0.8倍、比較例5として、同0.9倍、比較例6として凸円弧部より波状切れ刃のまま、設けた例を製作し、実施例1と同様に試験を行った。
その結果、送り速度が15mm/minでは、本発明例3、4では、切れ刃と被削材のこすりもなく、切削音に異常もなかったが、比較例2では、切れ刃と被削材のこすりから、ビビリ音を生じ、比較例5では、最下点から次の頂点迄の長さが十分でないため、次の頂点付近の切れ刃に切削負荷が集中し、摩耗が大となり、比較例6は、切れ刃と被削材のこすりから、ビビリ音を生じた。
送り速度が30mm/minでは、本発明例3、4は、同様に切削できたが、比較例2、6では、ビビリ音がおおきくなり、更に、比較例5では、切れ刃の頂点付近にチッピングを生じた。
本発明例1と同仕様で、逆テーパ部の切れ刃を、比較例2として、頂点から最下点までの長さを0.5倍、本発明例3として、同0.6倍、本発明例4として、同0.8倍、比較例5として、同0.9倍、比較例6として凸円弧部より波状切れ刃のまま、設けた例を製作し、実施例1と同様に試験を行った。
その結果、送り速度が15mm/minでは、本発明例3、4では、切れ刃と被削材のこすりもなく、切削音に異常もなかったが、比較例2では、切れ刃と被削材のこすりから、ビビリ音を生じ、比較例5では、最下点から次の頂点迄の長さが十分でないため、次の頂点付近の切れ刃に切削負荷が集中し、摩耗が大となり、比較例6は、切れ刃と被削材のこすりから、ビビリ音を生じた。
送り速度が30mm/minでは、本発明例3、4は、同様に切削できたが、比較例2、6では、ビビリ音がおおきくなり、更に、比較例5では、切れ刃の頂点付近にチッピングを生じた。
1 テーパ部
2 凸円弧部
3 逆テーパ部
4 波深さ
5 ピッチ長さ
6 波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径
7 フォーム
A 総形のフォ−ムの傾斜角
B 切れ刃の傾斜角
2 凸円弧部
3 逆テーパ部
4 波深さ
5 ピッチ長さ
6 波状切れ刃の凸部の頂点のアール半径
7 フォーム
A 総形のフォ−ムの傾斜角
B 切れ刃の傾斜角
Claims (3)
- タービンブレード取り付け部加工用総形フライスにおいて、該総形フライスは、そのフォームが、径がテーパ角一定で拡がるテーパ部、テーパ部から凸円弧部を経て、径が小さくなる逆テーパ部、とを有し、前記テーパ部、凸円弧部は、略一定の波形状とし、逆テーパ部は、凸円弧部からの波状切れ刃の頂点より、略直線状に、総形のフォ−ムの傾斜角Aよりさらに小さい傾斜角Bで、ピッチ長さの0.55〜0.80倍の最下点まで設け、該最下点から次の頂点までを波状に設けたことを特徴とする総形フライス。
- 請求項1記載の総形フライスにおいて、前記傾斜角Bは、総形のフォ−ムの傾斜角Aより1〜10度小さく設けたことを特徴とする総形フライス。
- 請求項1又は2記載の総形フライスにおいて、前記逆テーパ部の頂点から最下点までの深さは、前記テーパ部、凸円弧部の波形状の深さと略同じに設けたことを特徴とする総形フライス。
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2006
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