JP6626853B2 - 回転切削工具 - Google Patents

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この発明は、回転切削工具に関する。
従来、回転切削工具は、たとえば、特許文献1(特開2011−62790号公報)、特許文献2(特開2001−113413号公報)および特許文献3(実開平6−31919号公報)に開示されている。
特開2011−62790号公報 特開2001−113413号公報 実開平6−31919号公報
従来の回転切削工具では、真円度および円筒度の要求が厳しくなり、要求値を満たすことが困難であるという問題があった。
そこで、この発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、真円度および円筒度の要求値を満たすことが可能な回転切削工具を提供することを目的とするものである。
この発明に従った回転切削工具は、軸方向第一の位置に配置された第一の切刃群と、第一の位置よりも軸方向根元側の第二の位置に配置された第二切刃群とを備える。第一切刃群は、第一の回転直径で配置された5以上の第一切刃を有し、第二切刃群は第一の回転直径よりも大きい第二の回転直径で配置された4以上の第二切刃を有する。第一切刃および第二切刃は直線形状で回転軸に平行であり、かつ、超硬質材料で構成されている。第一切刃群での5以上の第一切刃は第一の配列パターンで円周方向に配列され、第二切刃群での4以上の第二切刃は第一の配列パターンと異なる第二の配列パターンで円周方向に配列され、第一の配列パターンにおいて隣接する第一切刃間の角度は2種類以上存在し、第二の配列パターンにおいて隣接する第二切刃間の角度は2種類以上存在する。
実施の形態1に従ったリーマの正面図である。 図1中のII−II線に沿った断面図である。 図1中のIII−III線に沿った断面図である。 下孔が形成されたワークの断面図である。 実施例1のリーマにおける第一切刃群を構成する第一切刃の配置を示す図である。 実施例1のリーマにおける第二切刃群を構成する第二切刃の配置を示す図である。 リーマで加工されたワークの断面図である。 実施例2のリーマにおける第一切刃群を構成する第一切刃の配置を示す図である。 実施例2のリーマにおける第二切刃群を構成する第二切刃の配置を示す図である。 比較例1のリーマにおける第一切刃群を構成する第一切刃の配置を示す図である。 比較例1のリーマにおける第二切刃群を構成する第二切刃の配置を示す図である。 比較例2のリーマにおける第一切刃群を構成する第一切刃の配置を示す図である。 比較例2のリーマにおける第二切刃群を構成する第二切刃の配置を示す図である。
[本発明の実施形態の説明]
(1)構成
回転切削工具は、軸方向第一の位置に配置された第一の切刃群と、第一の位置よりも軸方向根元側の第二の位置に配置された第二切刃群とを備える。第一切刃群は、第一の回転直径で配置された5以上の第一切刃を有し、第二切刃群は第一の回転直径よりも大きい第二の回転直径で配置された4以上の第二切刃を有する。第一切刃および第二切刃は直線形状で回転軸に平行であり、かつ、超硬質材料で構成されている。第一切刃群での5以上の第一切刃は第一の配列パターンで円周方向に配列され、第二切刃群での4以上の第二切刃は第一の配列パターンと異なる第二の配列パターンで円周方向に配列され、第一の配列パターンにおいて隣接する第一切刃間の角度は2種類以上存在し、第二の配列パターンにおいて隣接する第二切刃間の角度は2種類以上存在する。
このように構成された回転切削工具では、第一切刃群と第二切刃群との配列パターンが異なるため、第一切刃群で発生する振動と第二切刃群で発生する振動とが共振しない。その結果、真円度および円筒度の要求値を満たすことができる。
好ましくは、第二切刃が設けられる複数のチップをさらに備え、複数のチップは、回転軸にほぼ直角な面内で延在して第二切刃に連なる前切刃を含む。この場合、第二切刃と異なる加工を前切刃において実行できる。
好ましくは、隣接する前切刃間の角度は50°以上95°以下である。前切刃がワークのスラスト面に接触すると、前切刃はワークのスラスト面から軸方向の力を受ける。大径の第二切刃群の複数の前切刃がワークに接触するときには、隣接する前切刃の間の角度は50°以上95°以下であれば、スラスト面から第二切刃群がほぼ均等に力を受けることができる。その結果、真円度および円筒度を悪化させない。より好ましくは、隣接する前切刃間の角度は、85°以上95°以下の範囲である。
好ましくは、隣接する第一切刃間の角度および隣接する第二切刃間の角度は50°以上95°以下である。角度が50°未満であれば、隣接する切刃間の角度が小さくなり、抵抗が大きくなるおそれがある。角度が95°を超えると、角度が大きくなりすぎて回転切削工具の位置決め精度が低下するおそれがある。なお、「おそれがある」とは、僅かながらそのようになる可能性があることを示し、高い確率でそのようになることを意味するものではない。
好ましくは、隣接する第一切刃間の角度および隣接する第二切刃間の角度は60°以上95°以下である。
好ましくは、隣接する複数の第二切刃間の角度は85°以上95°以下である。根元側の第二切刃間の角度が85°以上95°以下であるため、根元側での第二切刃間での角度のばらつきが小さくなる。その結果、工作物により第二切刃がほぼ均等に保持されることで、回転軸のブレを防止できる。
好ましくは、第一切刃および第二切刃はダイヤモンドにより構成される。ダイヤモンドにより第一切刃および第二切刃が構成される場合には、鉄系金属以外のワークの切削に特に好ましい性能を発揮する。
好ましくは、ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンドおよびバインダレス多結晶ダイヤモンドからなる群より選ばれた一種である。
(2)作用、効果
穴仕上げ加工用工具に代表されるPCD(多結晶ダイヤモンド)回転切削工具は、たとえば、自動車向けアルミニウム合金製の基幹部品(シリンダーヘッド/ブロック/ステアリング/油圧コントロールバルブ)および焼結金属などの穴仕上げ加工に用いられる。ワークにキー溝などが設けられて断続切削となる場合、および、肉厚が薄い場合などでも高精度な加工を行うことができる。
従来、穴仕上げ加工用PCD回転工具の刃具径(切刃の回転直径)は、ワーク径公差の上限値から数μm小さい直径を上限とし、製造限界および要求値などから公差範囲を定めて設定する事が一般的である。これは、加工後にワークが収縮して穴の直径が変化するためである。
また、ワークの肉厚および加工径によって収縮量が異なるため、アプリケーション毎に刃具径の設定値を変更して対応することが通例である。
特に、キー溝などを有して断続切削になる場合、および、ワークの肉厚が薄い場合は、著しい真円度不良となる。
その対策として、(1)下穴径および加工条件など刃具以外の要素の変更をしたり、(2)切削抵抗を下げて振動による切刃のワークへの食い込みおよび幾何精度の悪化の防止を狙いに半径方向掬い角を設けたり、(3)4枚刃の場合、対向する2つの刃間の角度を180°とし、隣接する刃の間隔を不等配置に設定する(疑似不等配)など、刃具設計の工夫で対応している。
最近のワーク形状は、高機能化に伴い複雑な形状になったり、軽量化のために肉厚が薄い場合があり、かつ高能率化に伴い工具の送り速度を高くして加工するため、従来より弾性回復量が大きく、上記のような疑似不等配の刃具設計等では内径はもとより、真円度・円筒度などの幾何精度を満足する事が出来なくなった。弾性回復による穴径変化を抑制する刃具設計の1つの手段として1枚刃を選択することがある。
この場合、穴径変化は抑制することができるものの、切刃が1つであるため工具の送り速度を高くすることができず高速化が実現出来ない。送り速度fは0.08〜0.15mm/revとなる。
また、切刃以外の部分は超硬ガイドパッドの構造になるため、ガイドパッド先端部にアルミニウムなどの溶着が発生し易く、加工後の穴径が大きくなったり、加工面が曇るなど不具合が生じやすい。
もう1つの手段として、刃数を増やす事が考えられるが、刃数が増えるほどサイズの制約があり、かつコスト高となる。
このような中で、5枚刃で切刃間隔は不等配とした工具は合理的であるが、ワーク形状が多段穴でかつ工具の送り速度が高いと、工具自体の自励振動(ビビリ)による精度低下(下記(A)(B))が課題として残っていた。
(A)加工面のビビリマーク、曇りなどを招く。
(B)ワークの厚みが薄かったり、キー溝が形成された穴は径方向の収縮が起こりやすく真円度が崩れやすいため、これらのワークを加工する工具の対策には制約が多い。
特に加工深さが僅か3mm以下と極端に浅い場合、振動の影響で真円度や円筒度などの幾何精度を満足しない場合がある。
本発明者は、回転切削工具が、軸方向第一の位置に配置された第一の切刃群と、第一の位置よりも軸方向根元側の第二の位置に配置された第二切刃群とを備え、第一切刃群は、第一の回転直径で配置された5以上の第一切刃を有し、第二切刃群は第一の回転直径よりも大きい第二の回転直径で配置された4以上の第二切刃を有し、第一切刃および第二切刃は直線形状で回転軸に平行であり、かつ、超硬質材料で構成されており、第一切刃群での5以上の第一切刃は第一の配列パターンで円周方向に配列され、第二切刃群での4以上の第二切刃は第一の配列パターンと異なる第二の配列パターンで円周方向に配列され、第一の配列パターンにおいて隣接する第一切刃間の角度は2種類以上存在し、第二の配列パターンにおいて隣接する第二切刃間の角度は2種類以上存在する構成を採用することで、上記の課題を解決できることを見出した。
すなわち、1段目の先行刃を5枚刃以上、2段目の切刃を4枚刃以上としている。第一の配列パターンにおいて隣接する第一切刃間の角度は2種類以上存在し、第二の配列パターンにおいて隣接する第二切刃間の角度は2種類以上存在するため、これらの切刃間隔を不等配としている。
しかも、第二切刃群での4以上の第二切刃は第一の配列パターンと異なる第二の配列パターンで円周方向に配列されるため、第二切刃群の第二切刃のうち少なくとも1つ以上の切刃の周方向における位置は、第一切刃群の第一切刃の周方向における位置に対してずれている構造とする。
加工後のワークの穴径が収縮するのを抑え、真円度・円筒度などの精度が向上できる。従来の多刃設計に比べて工具コストが抑えられ、サイズによる制約が小さく広範囲に適用できる。
第一切刃群には先行刃として5枚以上の第一切刃があるため、工具の送り速度を高くして高能率の加工ができるものと考えられる。
切刃間隔を不等配としているため、ワークに接触した場合に振動の発生を抑制することができ、これにより真円度を向上させることができるものと考えられる。しかも、第一切刃群の先行刃での加工が進み第二切刃群の切刃がワークの加工を開始した場合に、切刃の位置が周方向においてずれているものがあるため、各加工穴における切削時の振動を同じ位置で受けにくく、ビビリが発生しにくいため、加工穴径が安定し、真円度と円筒度を向上させることができる。
溶着低減に関しては、切刃数が多いため、大きなガイドパッドを設けなくても振動の発生を抑制することができるので、切屑の溶着が生じにくく、ワーク加工面の表面粗さが向上するとともに、切屑も小さくなり、排出性も良好となると考えられる。
(3)先行技術との相違
特許文献1(特開2011−62790号公報)の工具では、各段の切刃位置が同じであり、各段で切刃の配列パターンを異なるように配置することは開示されていない。先端側の配列パターンと後端側の配列パターンとが同じ部分が存在し、たとえば図2,4,5,7の断面での配列パターンが同じである。図3,6,8における配列パターンが同じである。ただし、図3,6,8の配列パターンでは2つの切刃が設けられているのみであり、多刃の配列パターンではない。2枚刃は上述の1枚刃と同様、高速送りに対応することができず、高速送りの加工においては加工に十分に作用しない。図2,4,5,7の5枚刃の配列パターンは全て同じ配列パターンである。そのため、リーマの先端側および後端側で同じ周期の振動が発生する。この振動がリーマの回転軸を振動させるため、円筒度および真円度が要求値を満たさない。
特許文献2(特開2001−113413号公報)は、仕上げ刃が一枚刃である工具を開示しているが、複数の切刃を有する第一および第二切刃群は開示されていない。1枚刃であるから上記の高速送りに対応できないという問題がある。
特許文献3(実開平6−31919号公報)は、先端に複数の荒削り刃、後端寄りに複数の仕上げ刃を設け、仕上げ刃は不等分割していて左ねじれ刃としている。左ねじれ刃であるため、切り屑は先端方向に排出されるので貫通孔の仕上げには最適であるが、段付きの孔または止まり孔を加工する場合には切り屑を排出することが困難となる。さらに、連続した左ねじれ刃であるため切削時に切り屑が流れようとする方向(右ねじれ方向)に対して、実際に切り屑が流れる方向が逆になる。そのため、ねじれ溝内で切り屑の抵抗が高くなり、振動が発生しやすくなるとともに、ワークとリーマとの間に切り屑が入り込む。これにより円筒度や表面粗さが悪化し、加工品質を損なう。また、ダイヤモンドなど超硬質材料のねじれ刃は容易に製作できない。
ねじれ刃は、切削抵抗を下げるため刃物角(すくい面と逃げ面とのなす角度)が小さくされる。そのため、刃先強度が弱くなって欠けやすく、加工した穴の面粗さは悪化する。また、ねじれ刃では芯厚(外径−溝深さ=芯厚)が小さくなり強度が弱くなるため、振動が発生しやすくなり、芯厚が小さくなるほど真円度および円筒度が悪化する。一方、刃物角を大きくすれば、芯厚は大きくでき強度を上げられるが、切削抵抗が大きくなる。その結果、高速切削が困難となる。
(4)具体例
図1は、実施の形態に従ったリーマの正面図である。図2は、図1中のII−II線に沿った断面図である。図3は、図1中のIII−III線に沿った断面図である。
図1から図3で示すように、実施の形態に従った回転切削工具としてのリーマ90は、台金80と、台金80の先端に設けられた第一切刃群10と、第一切刃群10よりも回転軸82方向の根元側に設けられた第二切刃群20とを有する。第一切刃群10は5つの第一切刃11−15で構成される。第二切刃群20は4つの第二切刃21−24で構成される。回転切削工具は、ドリルであってもよい。回転方向が矢印70で示される。
台金80は超硬合金により構成される。第一切刃11−15と第二切刃21−24は、超硬質材料により構成される第一チップ19および第二チップ29の1つの辺である。第一切刃11−15と第二切刃21−24とは互いに距離を隔てて、不連続に配置されている。第一チップ19および第二チップ29は、ダイヤモンドまたは立方晶窒化ホウ素(CBN)により構成される。ダイヤモンドは多結晶または単結晶のいずれであってもよい。
第一切刃11−15および第二切刃21−24はともに直線形状である。第一切刃11−15および第二切刃21−24は回転軸82に平行に配置されている。台金80には穴81が設けられて、第一切刃11−15および第二切刃21−24近傍に潤滑剤を供給することができる。
第一切刃群10を構成する第一切刃11−15において、各々の切刃間の角度は図2で示すように60°または90°である。
第二切刃群20を構成する第二切刃21−24において、各々の切刃間の角度は図3で示すように85°または95°である。
第一切刃群10の第一の回転直径はD1である。第二切刃群20の第二の回転直径はD2である。第一切刃群10と第二切刃群20との間の回転軸82に沿った距離はLである。
各々の第一チップ19には第一前切刃が設けられている。図1では、第一前切刃111,141のみが図示されている。各々の第二チップ29には第二前切刃が設けられている。図1では、第二前切刃211,231のみが図示されている。前切刃はワークのスラスト面(回転軸に対してほぼ直角に位置する面)を切削加工するために用いられる。第一前切刃および第二前切刃は、回転軸に対してほぼ直角に位置する面内で延在する。
前切刃はワークのスラスト面に接触してワークから軸方向の力を受ける。大径の第二切刃群20の複数の前切刃がワークに接触するときには、複数の前切刃が均等にワークに接触することが好ましい。しかしながら、均等な角度で前切刃を円周上で配置した場合(たとえば、90°間隔で4つのチップを円周上には位置した場合)には、リーマ90の共振の問題が発生する。そのため、隣接するチップの間の角度は50°以上95°以下が好ましく、85°以上95°以下の範囲であることが最も好ましい。
複数の第二チップ29は、回転軸82にほぼ直角な面内で延在して第二切刃に連なる第二前切刃を含む。隣接する第二前切刃間の角度は、隣接する第二切刃間の角度と同じである。
リーマ90は、台金80と、台金80の外周面に設けられた第一チップ19および第二チップ29とを備える。リーマ90は、所定の回転軸82を中心に回転する。リーマ90し、外周面は非点対称形状であり、台金80先端部の第一チップ19が設けられた部分の非点対称形状と台金80軸方向後端寄りの第二チップ29が設けられた部分の非点対称形状は異なる形状である。台金80の先端部の第一チップ19と台金80の軸方向後端寄りの第二チップ29の回転直径は異なる直径であり、台金80先端部の第一チップ19は5以上であるとともに台金80の軸方向後端寄りの第二チップ29は4以上である。リーマ90は、内径の異なる複数の穴を加工することが可能な多段回転切削工具である。
第一チップ19および第二チップ29の位置は、それぞれ同一円周上に不等間隔で配置されている。第一チップ19と第二チップ29の数が異なる。
第一チップ19のうち2つの第一チップ19は、工具の回転軸82を挟んで対向する位置に設けられる。すなわち2つの第一チップ19の間隔は180°であり、2つの第一チップ19の間には別の第一チップ19が設けられる。
第一チップ19は奇数個であり、工具の回転軸82を挟んで対向する位置に設けられた2つの第一チップ19の間に設けられるチップは、2つの第一チップ19の間において等間隔に設けられる。
第二チップ29は偶数個であり、このうち2つの第二チップ29は工具の回転軸82を挟んで対向する位置に設けられ、工具の回転軸82を挟んで対向する位置に設けられた2つの第二チップ29の間に設けられる第二チップ29は不等間隔で設けられる。
第一切刃群10での5以上の第一切刃11−15は第一の配列パターンで円周方向に配列され、第二切刃群での4以上の第二切刃21−24は第一の配列パターンと異なる第二の配列パターンで円周方向に配列される。第一の配列パターンにおいて隣接する第一切刃11−15間の角度は2種類以上存在し、第二の配列パターンにおいて隣接する第二切刃21−24間の角度は2種類以上存在する。
好ましくは、隣接する第一切刃11−15間の角度および隣接する第二切刃21−24間の角度は4種類以上存在する。この場合、内周側に設けられた溝周辺部分を1つの切刃で切削加工した後隣接する切刃で切削加工を行うまでの時間が4種類以上存在するため、リーマ90が特定の周期で振動することを抑制できる。
配列パターンとは、円周上における切刃の配置角度(位相)をいう。第一切刃群10および第二切刃群20において切刃の数が異なるか、または、第一切刃群10および第二切刃群20における少なくとも1つの切刃の配置角度が異なれば、第一切刃群10および第二切刃群20における切刃の配列パターンが異なるといえる。
[本発明の実施形態の詳細]
(実施例1)
図4は、下孔が形成されたワークの断面図である。ワーク60のガイド部61、シート部63および中間部62に下孔が形成されている。各部分の寸法を図4において示している。ガイド部61にはステムガイドが圧入される。シート部63にはバルブシートが圧入される。ワーク60はハイシリコンアルミニウム合金(ADC12)により構成される。
図5は、実施例1のリーマにおける第一切刃群を構成する第一切刃の配置を示す図である。図6は、実施例1のリーマにおける第二切刃群を構成する第二切刃の配置を示す図である。図5および図6で示すように、実施例1に従った第一切刃群10および第二切刃群20は、図1から3で示す実施の形態の回転切削工具と同様に配置される。切刃間の角度を表1に示す。
Figure 0006626853
リーマの第一の回転直径D1を10mmとし、第二の回転直径D2を36mmとし、切刃間距離Lを54mmとした。
このようなリーマを用いて、図4で示すワークを以下の条件で加工した。
Figure 0006626853
図7は、リーマで加工されたワークの断面図である。切削の結果、図7で示す形状のワークが得られた。このような加工を図4で示す形状の8つの孔に対して行った。
シート部63およびガイド部61の真円度および円筒度を測定した。真円度と円筒度は、真円度・円筒度測定機を使い、JIS B0621(1984)で規定されている内容に従い、測定した。なお、測定データは、MZC最小領域中心法により測定した数値である。それらの結果を表3および表4に示す。
Figure 0006626853
Figure 0006626853
表3および表4から、シート部63およびガイド部61のいずれであっても、真円度および円筒度の要求値(5μm)を満たしているといえる。
(実施例2)
図8は、実施例2のリーマにおける第一切刃群を構成する第一切刃の配置を示す図である。図9は、実施例2のリーマにおける第二切刃群を構成する第二切刃の配置を示す図である。切刃間の角度を表5に示す。
Figure 0006626853
リーマの第一の回転直径D1を10mmとし、第二の回転直径D2を36mmとし、切刃間距離Lを54mmとした。
このようなリーマを用いて、図4で示すワークを表2の条件で加工した。
切削の結果、図7で示す形状のワークが得られた。このような加工を図4で示す形状の8つの孔に対して行った。
シート部63およびガイド部61の真円度および円筒度を測定した。それらの結果を表6および表7に示す。
Figure 0006626853
Figure 0006626853
表6および表7から、シート部63およびガイド部61のいずれであっても、真円度および円筒度の要求値(5μm)を満たしているといえる。
(比較例1)
図10は、比較例1のリーマにおける第一切刃群を構成する第一切刃の配置を示す図である。図11は、比較例1のリーマにおける第二切刃群を構成する第二切刃の配置を示す図である。切刃間の角度を表8に示す。
Figure 0006626853
リーマの第一の回転直径D1を10mmとし、第二の回転直径D2を36mmとし、切刃間距離Lを54mmとした。
このようなリーマを用いて、図4で示すワークを表2の条件で加工した。
切削の結果、図7で示す形状のワークが得られた。このような加工を図4で示す形状の8つの孔に対して行った。
シート部63およびガイド部61の真円度および円筒度を測定した。それらの結果を表9および表10に示す。
Figure 0006626853
Figure 0006626853
表9および表10から、シート部63およびガイド部61のいずれであっても、真円度および円筒度の要求値(5μm)を満たしていないものがあることが分かった。
(比較例2)
図12は、比較例2のリーマにおける第一切刃群を構成する第一切刃の配置を示す図である。図13は、比較例2のリーマにおける第二切刃群を構成する第二切刃の配置を示す図である。切刃間の角度を表11に示す。
Figure 0006626853
リーマの第一の回転直径D1を10mmとし、第二の回転直径D2を36mmとし、切刃間距離Lを54mmとした。
このようなリーマを用いて、図4で示すワークを表2の条件で加工した。
切削の結果、図7で示す形状のワークが得られた。このような加工を図4で示す形状の8つの孔に対して行った。
シート部63およびガイド部61の真円度および円筒度を測定した。それらの結果を表12および表13に示す。
Figure 0006626853
Figure 0006626853
表12および表13から、シート部63およびガイド部61のいずれであっても、真円度および円筒度の要求値(5μm)を満たしていないことが分かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 第一切刃群、11−15 第一切刃、19 第一チップ、20 第二切刃群、21−25 第二切刃、29 第二チップ、60 ワーク、61 ガイド部、63 シート部、80 台金、81 孔、82 回転軸、90 リーマ、111,141 第一前切刃、211,231 第二前切刃。

Claims (8)

  1. 軸方向第一の位置に配置された第一切刃群と、前記第一の位置よりも軸方向根元側の第二の位置に配置された第二切刃群とを備え、
    前記第一切刃群は、第一の回転直径で配置された5以上の第一切刃を有し、前記第二切刃群は前記第一の回転直径よりも大きい第二の回転直径で配置された4以上の第二切刃を有し、
    前記第一切刃および前記第二切刃は直線形状で回転軸に平行であり、かつ、ダイヤモンドまたは立方晶窒化ホウ素により構成されており、
    前記第一切刃群での5以上の前記第一切刃は第一の配列パターンで円周方向に配列され、前記第二切刃群での4以上の前記第二切刃は前記第一の配列パターンと異なる第二の配列パターンで円周方向に配列され、
    前記第一の配列パターンにおいて隣接する前記第一切刃間の角度は2種類以上存在し、
    前記第二の配列パターンにおいて隣接する前記第二切刃間の角度は2種類以上存在し、
    前記第一切刃群の前記第一切刃数と前記第二切刃群の前記第二切刃数とが異なる、回転切削工具。
  2. 前記第二切刃が設けられる複数のチップをさらに備え、複数の前記チップは、前記回転軸にほぼ直角な面内で延在して前記第二切刃に連なる前切刃を含む、請求項1に記載の回転切削工具。
  3. 隣接する前記前切刃間の角度は50°以上95°以下である、請求項2に記載の回転切削工具。
  4. 隣接する前記前切刃間の角度は85°以上95°以下である、請求項3に記載の回転切削工具。
  5. 隣接する前記第一切刃間の角度および隣接する前記第二切刃間の角度は50°以上95°以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の回転切削工具。
  6. 隣接する前記第一切刃間の角度および隣接する前記第二切刃間の角度は60°以上95°以下である、請求項5に記載の回転切削工具。
  7. 前記第一切刃および前記第二切刃はダイヤモンドにより構成される、請求項1から6のいずれか1項に記載の回転切削工具。
  8. 前記ダイヤモンドは、単結晶ダイヤモンド、多結晶ダイヤモンドおよびバインダレス多結晶ダイヤモンドからなる群より選ばれた一種である、請求項7に記載の回転切削工具。
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