JP2007318893A - 無停電電源装置、双方向電力転送回路および電源供給装置 - Google Patents

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正二 羽田
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英博 高草
Minoru Okada
實 岡田
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Abstract

【課題】無瞬断で入力交流電圧と切り替えられ、逆潮流を阻止できかつ誘導性負荷または容量性負荷の接続に対応できる無停電電源装置および電源供給装置を提供する。
【解決手段】無停電電源装置または電源供給装置が、入力交流電圧の入力端子と出力端子の間の電流路および逆潮流防止手段としての第1、第2スイッチング素子および第1、第2整流素子と、入力交流電圧の低下時に入力交流電圧の全波整流波形と相似な波形の電圧を出力する電源出力手段と、電源出力手段の出力電圧により流れる電流の波形を入力交流電圧の波形に変換するべくオンオフ制御される第3〜第6のスイッチング素子と、誘導性負荷等の接続時における負荷電圧上昇時に順バイアスされて導通することにより負荷電圧上昇を抑制する第9スイッチング素子とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電源の低下時に無瞬断で別の電源から負荷に電源供給可能である無停電電源装置、双方に電力を送り込むことが可能な双方向電力転送回路、および交流電源とは別の電源から優先的に負荷に電源供給可能である電源供給装置に関し、さらに誘導性負荷または容量性負荷の接続に対応可能であるこれらの装置に関する。
従来の一般的な無停電電源装置は、正常時に使用する交流電源(系統電源等)とは別個の予備電源(例えば、バッテリー、またはバッテリーとインバータ回路の組合せ)と、交流電源の電圧低下(停止を含む)を検出する交流電圧監視手段と、交流電圧監視手段が異常を検出することにより本来の交流電源から予備電源へと切り替える切り替え手段(リレーまたは半導体素子)とを有する。尚、復電時には、予備電源から本来の交流電源への切り替えが行われる。
従来技術の一例として、特許文献1は、交流電源の正常時にはその出力電圧を負荷に与え、この交流電源の低下時には予備電源出力を負荷に与える無停電電源装置であって、基準電圧と交流電源電圧を比較することにより交流電源の電圧低下を検出した場合に、交流電源から予備電源への切り替え指令信号を出力する電源異常監視手段を備えた無停電電源装置を開示する。
また、近年、省エネルギーおよび環境保護の観点から太陽光発電や風力発電等のクリーンエネルギーによる分散型発電がますます普及し、重要視されるようになっている。これらの分散型発電から得られる電力は、上記の無停電電源装置における予備電源として、通常、系統電源に連系させて用いられている。また、分散型発電による電力に余剰があるときは商用系統へ電力を送り出すこと(「逆潮流」と称される)が可能となるが、これには厳しいガイドラインが定められている(非特許文献1等)。
特開平11−341702号公報 「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」平成16年10月1日、資源エネルギー庁
従来の無停電電源装置には、次のような問題点がある。
交流電源の電圧低下時に無停電電源装置を予備電源に切り替えるとき、横流が生じたり、リレー切り替え時間を要したりすることにより、負荷への電圧供給において少なくとも数mSの瞬断が発生する。切り替え速度を速めるために、リレーに替えて半導体素子を使用した場合も、本来の交流電源を一旦負荷から切り離し、その後予備電源を負荷に接続し直すため、やはり瞬断は避けられない。同様に、復電時にも切り替えが必要であるため瞬断がある。さらに、交流電圧監視手段を備えている場合、電圧低下が生じてからそれを検出しさらに切り替え手段へ制御信号を送って切り替えが開始されるまでの遅れにより、瞬断の時間がさらに長くなる。
このような予備電源との切り替え時における電源供給の瞬断は、特にサーバやパーソナルコンピュータ等の種々のコンピュータやその他の電子回路用の電源では深刻な問題となる。
加えて、交流電圧は、正常時であっても波形が完全なサイン波でないことがしばしばあるが、交流電圧監視手段がこのような正常時における波形の乱れを電圧低下と判断してしまうことにより、予備電源への切り替えが頻繁に行われると予備電源を無駄に消耗させることとなる。
また、従来の予備電源としての分散型発電の系統連系に、次のような問題点がある。
系統への逆潮流には厳しいガイドラインが定められており、逆潮流を防止するための保護装置の設置を要求されることがしばしばである。そのためシステムの構成および制御が複雑となり、コスト高となっていた。さらに、逆潮流防止用の保護装置は、ガイドラインの基準を超える状況となった場合に系統側への逆潮流を阻止するのみでなく、自己消費側も同時に遮断してしまう方式が一般的であり、分散型発電により大きな電力が得られている場合であってもそれを利用できないという矛盾が生じていた。
さらに、コンピュータ等の整流負荷を対象とする従来の無停電電源装置において逆潮流防止手段を設けた場合には、次の問題点がある。
対象外である誘導性負荷または容量性負荷が接続されると、交流電源に電流を送り返す位相が発生するが、逆潮流防止手段を設けているために逆潮流が阻止され、その結果、負荷電圧が入力交流電圧より上昇してしまい、負荷を損傷するおそれがあるという問題が発生する。
以上の問題点に鑑み、本発明は、交流電源と予備電源とを無瞬断で切り替えることができる無停電電源装置を提供することを目的とする。
さらに、交流電圧の正常時の波形の乱れによって予備電源への切り替えが頻繁に生じないような無停電電源装置を提供することを目的とする。
さらに、予備電源から系統への逆潮流を阻止すると同時に、負荷に対する電源供給を可能とする無停電電源装置を提供することを目的とする。
さらに、逆潮流防止手段を設けている場合に、誘導性負荷または容量性負荷を接続したことによる負荷電圧の上昇に対応できる無停電電源装置を提供することを目的とする。
本発明はさらに、交流電源よりも分散型発電による予備電源を優先的に用いる電源供給装置であって、無瞬断でこれらの間を切り替えることができ、かつ誘導性負荷または容量性負荷の接続による負荷電圧の上昇に対応できる電源供給装置を提供することを目的とする。
(1)請求項1に係る無停電電源装置は、(a)相互の一端が接続され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入され第2整流素子が並列接続された制御端を有する第1スイッチング素子および第1整流素子が並列接続された制御端を有する第2スイッチング素子と、
(b)前記交流電流路の入力端に印加される入力交流電源の電圧波形情報を所定期間蓄積し該電圧波形情報の平均値を基に該入力交流電源の電圧位相に同期した出力信号を生成する平均波形生成手段と、
(c)前記平均波形生成手段の出力信号により直流電源の電圧を該出力信号に含まれる電圧波形情報に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧に変換し出力する電源出力手段と、
(d)前記平均波形生成手段の出力信号により生成され前記電源出力手段に出力させるべき電圧と相似である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
(e)それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が前記電源出力手段の出力の一端に接続された第3および第5スイッチング素子と、それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が該電源出力手段の出力の他端に接続された第4および第6スイッチング素子と、
(f)前記入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する整流波形生成手段と、を備え、
(g)前記入力交流電源の一方の相の電圧が出力される前記第2スイッチング素子の他端と前記第3および第6スイッチング素子のそれぞれの他端との接続点と、該入力交流電源の他方の相と前記第4および第5スイッチング素子の他端との接続点とが負荷電源供給点を構成し、
(h)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時前記第1、第3および第4スイッチング素子はオンし、該入力交流電源の一方の相が負サイクル時前記第2、第5および第6スイッチング素子はオンする排他的オンオフ制御により前記それぞれの制御端が駆動され、かつ、前記第1整流素子は前記正サイクル時順方向に導通し、前記第2整流素子は前記負サイクル時順方向に導通し、
(i)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より小さいとき、前記電源出力手段から電力を出力し、
(j)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より大きいときは前記入力交流電源により、該整流波形生成手段が生成する電圧が該基準電圧より小さいときは前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする。
(2)請求項2に係る無停電電源装置は、請求項1において、(a)前記第3および第5スイッチング素子の一端に抵抗素子を介して一端が接続され前記第4および第6スイッチング素子の一端に他端が接続され、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位の比率R倍の電位である第1電位と前記整流波形生成手段が生成する電位である第2電位との差分増幅電位が印加される制御端を有する第9スイッチング素子を備え、
(b)前記第1電位が前記第2電位より高いとき、前記第9スイッチング素子の制御端が順バイアスされ該第9スイッチング素子が導通することにより、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位を低下させる動作により前記第1電位と前記第2電位を均等にすべく制御することを特徴とする。
(3)請求項3に係る無停電電源装置は、請求項1において、(a)前記第3および第5スイッチング素子の一端に抵抗素子を介して一端が接続され前記第4および第6スイッチング素子の一端に他端が接続され、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位の比率R倍の電位である第1電位と前記整流波形生成手段の生成する電位である第2電位との差分増幅電位が印加される制御端を有する第12スイッチング素子と、
(b)前記第3および第5スイッチング素子の一端と、前記第4および第6スイッチング素子の一端との間に、接続または断絶されるべく制御可能な1または複数のコンデンサと、を備え、
(c)前記第1電位が前記第2電位より高いとき、前記第12スイッチング素子の制御端が順バイアスされ該第12スイッチング素子が導通することにより、前記抵抗素子の電圧降下を検出し前記1または複数のコンデンサのうちの所定数のコンデンサを接続または断絶することにより該第1電位を低下させ該第12スイッチング素子に流れる電流の量を減じさせる制御により、
(d)該第1電位を該第2電位に近づけるべく制御をすることを特徴とする。
(4)請求項4に係る無停電電源装置は、請求項1において、前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記第1および第2スイッチング素子の制御端を制御し該第1および第2スイッチング素子をオフとし、前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする。
(5)請求項5に係る無停電電源装置は、請求項4において、(a)前記第3および第5スイッチング素子の一端に抵抗素子を介して一端が接続され前記第4および第6スイッチング素子の一端に他端が接続され、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位の比率R倍の電位である第1電位と前記基準電圧生成手段の生成する基準電圧の一端の電位である第3電位との差分増幅電位が印加される制御端を有する第9スイッチング素子を備え、
(b)前記第1電位が前記第3電位より高いとき、前記第9スイッチング素子の制御端が順バイアスされ該第9スイッチング素子が導通することにより、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位を低下させる動作により前記第1電位と前記第3電位を均等にすべく制御することを特徴とする。
(6)請求項6に係る無停電電源装置は、請求項4において、(a)前記第3および第5スイッチング素子の一端に抵抗素子を介して一端が接続され前記第4および第6スイッチング素子の一端に他端が接続され、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位の比率R倍の電位である第1電位と前記基準電圧生成手段の生成する基準電圧の一端の電位である第3電位との差分増幅電位が印加される制御端を有する第12スイッチング素子と、
(b)前記第3および第5スイッチング素子の一端と、前記第4および第6スイッチング素子の一端との間に、接続または断絶されるべく制御可能な1または複数のコンデンサと、を備え、
(c)前記第1電位が前記第3電位より高いとき、前記第12スイッチング素子の制御端が順バイアスされ該第12スイッチング素子が導通することにより、前記抵抗素子の電圧降下を検出し前記1または複数のコンデンサのうちの所定数のコンデンサを接続または断絶することにより該第1電位を低下させ該第12スイッチング素子に流れる電流の量を減じさせる動作により、
(d)該第1電位を該第3電位に近づけるべく制御をすることを特徴とする。
(7)請求項7に係る無停電電源装置は、請求項4〜6のいずれかにおいて、
(a)前記入力交流電源の電圧の位相に同期して発振し該入力交流電源の電圧が消失したときにおいても該位相に固定され自走可能な正弦波発振手段をさらに備え、
(b)前記平均波形生成手段の出力信号により前記直流電源の電圧を変換し出力する前記電源出力手段において、前記平均波形生成手段の出力信号を前記正弦波発振手段の出力する信号により代替し該直流電源の電圧を変換し出力することを特徴とする。
(8)請求項8に係る無停電電源装置は、(a)相互の一端が接続され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入され第2整流素子が並列接続された制御端を有する第1スイッチング素子および第1整流素子が並列接続された制御端を有する第2スイッチング素子と、
(b)前記交流電流路の入力端に印加される入力交流電源の電圧波形情報を所定期間蓄積し該電圧波形情報の平均値を基に該入力交流電源の電圧位相に同期した出力信号を生成する平均波形生成手段と、
(c)直流電源とチョークコイルとの間に接続され前記平均波形生成手段の出力信号により制御端をPWM駆動されるべき第7スイッチング素子により直流電源の電圧を該出力信号に含まれる波形情報に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧に変換し該チョークコイルから電力を出力する電源出力手段と、
(d)前記平均波形生成手段の出力信号により生成され前記電源出力手段に出力させるべき電圧波形と相似形である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
(e)それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が前記電源出力手段の出力の一端に接続された第3および第5スイッチング素子と、それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が該電源出力手段の出力の他端に接続された第4および第6スイッチング素子と、
(f)前記入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する整流波形生成手段と、を備え、
(g)前記入力交流電源の一方の相の電圧が出力される前記第2スイッチング素子の他端と前記第3および第6スイッチング素子のそれぞれの他端との接続点と、該入力交流電源の他方の相と前記第4および第5スイッチング素子の他端との接続点とが負荷電源供給点を構成し、
(h)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時前記第1、第3および第4スイッチング素子はオンし、該入力交流電源の一方の相が負サイクル時前記第2、第5および第6スイッチング素子はオンする排他的オンオフ制御により前記それぞれの制御端が駆動され、かつ、前記第1整流素子は該正サイクル時順方向に導通し、前記第2整流素子は該負サイクル時順方向に導通し、
(i)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より小さいとき、前記第7スイッチング素子の制御端をPWM駆動し前記電源出力手段から電力を出力し、
(j)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より大きいときは前記入力交流電源により、該整流波形生成手段が生成する電圧が該基準電圧より小さいときは前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする。
(9)請求項9に係る無停電電源装置は、請求項8において、(a)一端が前記第7スイッチング素子の一端と前記チョークコイルとの接続点に接続され他端が前記第4および第6スイッチング素子の一端に接続された制御端を有する第8スイッチング素子を備え、
(b)前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記整流波形生成手段が生成する電位である第2電位とを比較し、該第2電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第2電位の差分の大きさにより前記第7スイッチング素子と排他的にオンオフされる前記第8スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記チョークコイル側に存在する電力を前記直流電源側に送り込む回生作用を伴って該第2電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする。
(10)請求項10に係る無停電電源装置は、請求項8において、前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記第1および第2スイッチング素子の制御端を制御し該第1および第2スイッチング素子をオフとし、前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする。
(11)請求項11に係る無停電電源装置は、請求項10において、(a)一端が前記第7スイッチング素子の一端と前記チョークコイルとの接続点に接続され他端が前記第4および第6スイッチング素子の一端に接続された制御端を有する第8スイッチング素子を備え、
(b)前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記基準電圧生成手段が生成する基準電圧の一端の電位である第3電位とを比較し、該第3電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第3電位の差分の大きさにより前記第8スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記チョークコイル側に存在する電力を前記直流電源側に送り込む回生作用を伴って該第3電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする。
(12)請求項12に係る無停電電源装置は、請求項10または11において、
(a)前記入力交流電源の電圧の位相に同期して発振し該入力交流電源の電圧が消失したときにおいても該位相に固定され自走可能な正弦波発振手段をさらに備え、
(b)前記平均波形生成手段の出力信号により制御端がPWM駆動される前記第7スイッチング素子において、前記平均波形生成手段の出力信号を前記正弦波発振手段が出力する信号により代替しPWM駆動することを特徴とする。
(13)請求項13に係る無停電電源装置は、(a)相互の一端が接続され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入され第2整流素子が並列接続された制御端を有する第1スイッチング素子および第1整流素子が並列接続された制御端を有する第2スイッチング素子と、
(b)前記交流電流路の入力端に印加される入力交流電源の電圧波形情報を所定期間蓄積し該電圧波形情報の平均値を基に該入力交流電源の電圧位相に同期した出力信号を生成する平均波形生成手段と、
(c)一次コイルおよび該一次コイルに磁気結合された二次コイルを有するトランスと、前記平均波形生成手段の出力信号により制御端がPWM駆動され該一次コイルに印加される直流電圧をスイッチングすべき第10スイッチング素子により該直流電源の電圧を該出力信号に含まれる波形情報に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧に変換し該二次コイルから出力する電源出力手段と、
(d)前記平均波形生成手段の出力信号により生成され前記電源出力手段に出力させるべき電圧波形と相似形である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
(e)それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が前記電源出力手段の出力の一端に接続された第3および第5スイッチング素子と、それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が該電源出力手段の出力の他端に接続された第4および第6スイッチング素子と、
(f)前記入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する整流波形生成手段と、を備え、
(g)前記入力交流電源の一方の相の電圧が出力される前記第2スイッチング素子の他端と前記第3および第6スイッチング素子のそれぞれの他端との接続点と、該入力交流電源の他方の相と前記第4および第5スイッチング素子の他端との接続点とが負荷電源供給点を構成し、
(h)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時前記第1、第3および第4スイッチング素子はオンし、該入力交流電源の一方の相が負サイクル時前記第2、第5および第6スイッチング素子はオンする排他的オンオフ制御により前記それぞれの制御端が駆動され、かつ、前記第1整流素子は前記正サイクル時順方向に導通し、前記第2整流素子は前記負サイクル時順方向に導通し、
(i)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より小さいとき、前記第10スイッチング素子の制御端をPWM駆動し前記電源出力手段から電力を出力し、
(j)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より大きいときは前記入力交流電源の電力により、該整流波形生成手段が生成する電圧が該基準電圧より小さいときは前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする。
(14)請求項14に係る無停電電源装置は、請求項13において、(a)前記二次コイルに直列接続され該二次コイルを通した出力電流路を断続可能に制御すべき制御端を有する第11スイッチング素子を備え、
(b)前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記整流波形生成手段が生成する電位である第2電位とを比較し、該第2電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第2電位の差分の大きさにより前記第11スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記二次コイル側に存在する電力を前記一次コイル側に送り込む回生作用を伴って該第2電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする。
(15)請求項15に係る無停電電源装置は、請求項13において、前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記第1および第2スイッチング素子の制御端を制御し該第1および第2スイッチング素子をオフとし、前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする。
(16)請求項16に係る無停電電源装置は、請求項15において、(a)前記二次コイルに直列接続され該二次コイルを通した出力電流路を断続可能に制御すべき制御端を有する第11スイッチング素子を備え、
(b)前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記基準電圧生成手段が生成する基準電圧の一端の電位である第3電位とを比較し、該第3電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第3電位の差分の大きさにより前記第11スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記二次コイル側に存在する電力を前記一次コイル側に送り込む回生作用を伴って該第3電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする。
(17)請求項17に係る無停電電源装置は、請求項15または16において、
(a)前記入力交流電源の電圧の位相に同期して発振し該入力交流電源の電圧が消失したときにおいても該位相に固定され自走可能な正弦波発振手段をさらに備え、
(b)前記平均波形生成手段の出力信号により制御端がPWM駆動される前記第10スイッチング素子において、前記平均波形生成手段の出力信号を前記正弦波発振手段が出力する信号により代替しPWM駆動することを特徴とする。
(18)請求項18に係る双方向電力転送回路は、(a)一次コイルおよび該一次コイルに磁気結合された二次コイルを有するトランスと、該一次コイルに印加される直流電圧をスイッチングする制御端を有する第10スイッチング素子と、該二次コイルの出力電流路に直列に接続され制御端を有する第11スイッチング素子と、を備え、
(b)前記第10スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、前記第10スイッチング素子がオンし、前記一次コイルに電圧が印加されるとき前記二次コイルに発生する電圧を得るとともに、
(c)前記第11スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、前記第11スイッチング素子がオンし、前記二次コイル側に印加されるべき直流電圧により該二次コイルに電圧が印加されるとき前記一次コイルに発生する電圧を得る、双方向にフォワード動作するスイッチング電源回路であって、
(d)前記二次コイルの出力側に直列接続されるチョークコイル及び前記一次コイルの出力側に直列接続されるチョークコイルが無いことを特徴とする双方向電力転送回路。
(19)請求項19に係る双方向電力転送回路は、(a)一次コイルおよび該一次コイルに磁気結合された二次コイルを有するトランスと、該一次コイルに印加される直流電圧をスイッチングする制御端を有する第10スイッチング素子と、該一次コイルに並列に接続された第3整流素子と、該二次コイルの出力電流路に直列に接続され制御端を有する第11スイッチング素子と、該二次コイルに並列に接続された第4整流素子と、を備え、
(b)前記第10スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、該第10スイッチング素子がオンし、前記一次コイルに第1電流が流れるように電圧が印加されるとき、前記二次コイルの出力電流路に第2電流が流れ該二次コイルに発生する電力を得る一方、該第10スイッチング素子がオフしたとき、該一次コイルおよび前記第3整流素子を通して第3電流が流れることに起因して該一次コイルの磁気回路に蓄積された磁束の減少が抑制されることにより、該二次コイルを通して該第2電流と同方向に第4電流が流れ該二次コイルに発生する電力を得るとともに、
(c)前記第11イッチング素子の制御端に電圧を印加し、該第11スイッチング素子がオンし、前記二次コイル側に印加されるべき直流電圧により該二次コイルに第5電流が流れるように電圧が印加されるとき、前記一次コイルに第6電流が流れ該一次コイルに発生する電力を得る一方、該第11スイッチング素子がオフしたとき、該二次コイルおよび前記第4整流素子を通して第7電流が流れることに起因して該二次コイルの磁気回路に蓄積された磁束の減少が抑制されることにより、該一次コイルを通して該第6電流と同方向に第8電流が流れ該一次コイルに発生する電力を得る、双方向にフォワードおよびフライバック動作することを特徴とする。
(20)請求項20に係る双方向電力転送回路は、請求項18または19において、前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚と、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、
前記一次コイルが前記中央脚に巻装され、かつ前記二次コイルが前記一対の外側脚の各々に巻装され、
前記中央脚から前記外側脚へ向かう磁束の一部が前記一次コイルと前記二次コイルとの間の空隙を通るとともに、前記外側脚から前記中央脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの空隙を通るよう構成され、
前記一次コイルと前記二次コイルとを疎に磁気結合させることに起因し、いずれか一方のコイルを磁束発生源とし他方を磁束受領側としたときに、磁束発生源の磁束密度が磁束受領側の磁束密度より高いことを特徴とする。
(21)請求項21に係る双方向電力転送回路は、請求項18または19において、前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚と、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、
前記一次コイルが前記中央脚に巻装され、前記二次コイルが前記一対の外側脚のいずれか一方に巻装され、かつ少なくとも前記二次コイルを巻装されない方の外側脚の中間位置に磁気ギャップが設けられ、
前記中央脚から前記外側脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの間の空隙および前記二次コイルを巻装されない方の外側脚を通るとともに、該二次コイルを巻装した外側脚から該中央脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの間の空隙および該二次コイルを巻装されない方の外側脚を通るよう構成され、
前記一次コイルと前記二次コイルとを疎に磁気結合させることに起因し、いずれか一方のコイルを磁束発生源とし他方を磁束受領側としたときに、磁束発生源の磁束密度が磁束受領側の磁束密度より高いことを特徴とする。
(22)請求項22に係る双方向電力転送回路は、請求項18または19に記載の双方向電力転送回路において、前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚と、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、
前記一次コイルが前記中央脚に巻装され、かつ前記二次コイルが前記一次コイルから離隔しかつ該一次コイルと同心状に前記一対の外側脚の内側に巻装され、
前記中央脚から前記外側脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの間の空隙を通るとともに、該外側脚から該中央脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの間の空隙を通るよう構成され、
前記一次コイルと前記二次コイルとを疎に磁気結合させることに起因し、いずれか一方のコイルを磁束発生源とし他方を磁束受領側としたときに、磁束発生源の磁束密度が磁束受領側の磁束密度より高いことを特徴とする。
(23)請求項23に係る双方向電力転送回路は、請求項18または19において、前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚と、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、
前記一次コイルが前記中央脚に巻装され、前記二次コイルが該一次コイルの外側に配置された磁性体片を介して該一次コイルと同心状に巻装され、
前記中央脚から前記外側脚へ向かう磁束の一部が前記磁性体片を通るとともに、前記外側脚から前記中央脚へ向かう磁束の一部が前記磁性体片を通るよう構成され、
前記一次コイルと前記二次コイルとを疎に磁気結合させることに起因し、いずれか一方のコイルを磁束発生源とし他方を磁束受領側としたときに、磁束発生源の磁束密度が磁束受領側の磁束密度より高いことを特徴とする。
(24)請求項24に係る双方向電力転送回路は、(a)密に磁気結合された第1コイルおよび第2コイルを備える第1コイル群と該第1コイル群に疎に磁気結合され相互に密に磁気結合された第3コイルおよび第4コイルを備える第2コイル群とを備えかつ該第1コイルと該第3コイルとが第1の入出力点にて接続されるとともに該第2コイルと該第4コイルとが第2の入出力点にて接続されたトランスと、該第1コイルに印加されるべき直流電圧をスイッチングする制御端を有する第10スイッチング素子と、該第4コイルの電流路に直列に接続され制御端を有する第11スイッチング素子と、を備え、
(b)前記第10スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、該第10スイッチング素子がオンし、前記第1コイルに前記第1の入出力点から第1の入力電流が流れ込むように電圧が印加されるとき、前記第4コイルを通して前記第2の入出力点から第1のフォワード電流が流れ出て該第4コイルに発生する電力を得る一方、該第10スイッチング素子がオフしたとき、前記第2コイルを通して該第2の入出力点から該第1のフォワード電流と同方向の第1のフライバック電流が流れ出て該第2コイルに発生する電力を得るとともに、
(c)前記第11イッチング素子の制御端に電圧を印加し、前記第11スイッチング素子がオンし、前記第4コイルに印加されるべき直流電圧により該第4コイルへ前記第2の入出力点に前記第1のフォワード電流と逆方向の第2の入力電流が流れ込むように電圧が印加されるとき、前記第1コイルを通して前記第1の入出力点から前記第1の入力電流と逆方向の第2のフォワード電流が流れ出て該第1コイルに発生する電力を得る一方、該第11スイッチング素子がオフしたとき、前記第3コイルを通して該第1の入出力点から該第2のフォワード電流と同方向に第2のフライバック電流が流れ出て該第3コイルに発生する電力を得る、双方向にフォワードおよびフライバック動作することを特徴とする。
(25)請求項25に係る双方向電力転送回路は、(a)密に磁気結合された第1コイルおよび第2コイルを備える第1コイル群と該第1コイル群に疎に磁気結合され相互に密に磁気結合された第3コイルおよび第4コイルを備える第2コイル群とを備えかつ該第1コイルと該第3コイルとが第1の入出力点にて接続されるとともに該第2コイルと該第4コイルとが第2の入出力点にて接続されたトランスと、該第3コイルに印加されるべき直流電圧をスイッチングする制御端を有する第10スイッチング素子と、該第4コイルの電流路に直列に接続され制御端を有する第11スイッチング素子と、を備え、
(b)前記第10スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、該第10スイッチング素子がオンし、前記第3コイルに前記第1の入出力点から第1の入力電流が流れ込むように電圧が印加されるとき、前記第2コイルを通して前記第2の入出力点から第1のフォワード電流が流れ該第2コイルに発生する電力を得る一方、該第10スイッチング素子がオフしたとき、該第4コイルを通して該第2の入出力点から該第1のフォワード電流と同方向の第1のフライバック電流が流れ出て該第4コイルに発生する電力を得るとともに、
(c)前記第11イッチング素子の制御端に電圧を印加し、前記第11スイッチング素子がオンし、前記第4コイルに印加されるべき直流電圧により該第4コイルへ前記第2の入出力点に前記第1のフォワード電流と逆方向の第2の入力電流が流れ込むように電圧が印加されるとき、前記第1コイルを通して前記第1の入出力点から第1の入力電流と逆方向の第2のフォワード電流が流れ出て該第1コイルに発生する電力を得る一方、該第11スイッチング素子がオフしたとき、前記第3コイルを通して該第1の入出力点から該2のフォワード電流と同方向に第2のフライバック電流が流れ出て該第3コイルに発生する電力を得る、双方向にフォワードおよびフライバック動作することを特徴とする。
(26)請求項26に係る無停電電源装置は、請求項24または25において、前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、前記第1コイルおよび前記第2コイルが一方の該外側脚に巻装されかつ前記第3コイルおよび前記第4コイルが他方の該外側脚に巻装されるとともに、
前記一対の外側脚の一方から他方へまたは他方から一方へ向かう磁束の一部が、前記第1コイルおよび前記第2コイルと、前記第3コイルおよび第4コイルとの間の空隙を通るように構成されることを特徴とする。
(27)請求項27に係る無停電電源装置は、(a)相互の一端が接続され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入され第2整流素子が並列接続された制御端を有する第1スイッチング素子および第1整流素子が並列接続された制御端を有する第2スイッチング素子と、
(b)前記交流電流路の入力端に印加される入力交流電源の電圧波形情報を所定期間蓄積し該電圧波形情報の平均値を基に該入力交流電源の電圧位相に同期した出力信号を生成する平均波形生成手段と、
(c)請求項18〜26のいずれかに記載の双方向電力転送回路を備え、前記平均波形生成手段の出力信号により前記第10スイッチング素子の制御端をPWM駆動し、直流電源の電圧を該出力信号に含まれる電圧波形情報に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧に変換し出力する電源出力手段と、
(d)前記平均波形生成手段の出力信号により生成され前記電源出力手段に出力させるべき電圧波形と相似形である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
(e)それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が前記電源出力手段の出力の一端に接続された第3および第5スイッチング素子と、それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が該電源出力手段の出力の他端に接続された第4および第6スイッチング素子と、
(f)前記入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する整流波形生成手段と、を備え、
(g)前記入力交流電源の一方の相の電圧が出力される前記第2スイッチング素子の他端と前記第3および第6スイッチング素子のそれぞれの他端との接続点と、該入力交流電源の他方の相と前記第4および第5スイッチング素子の他端との接続点とが負荷電源供給点を構成し、
(h)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時前記第1、第3および第4スイッチング素子はオンし、該入力交流電源の一方の相が負サイクル時前記第2、第5および第6スイッチング素子はオンする排他的オンオフ制御により前記それぞれの制御端が駆動され、かつ、前記第1整流素子は前記正サイクル時順方向に導通し、前記第2整流素子は前記負サイクル時順方向に導通し、
(i)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より小さいとき、前記第10スイッチング素子の制御端をPWM駆動し前記電源出力手段から電力を出力し、
(j)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より大きいときは前記入力交流電源の電力により、該整流波形生成手段が生成する電圧が該基準電圧より小さいときは前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする。
(28)請求項28に係る無停電電源装置は、請求項27において、請求項18〜26のいずれかに記載の双方向電力転送回路を備え、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の第1電位と、前記整流波形生成手段が生成する電位である第2電位とを比較し、該第2電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第2電位の差分の大きさにより前記第11スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記第3および第5スイッチング素子の一端と前記第4および第6スイッチング素子の一端との間に発生する電力を前記直流電源に送り込む回生作用を伴って該第2電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする。
(29)請求項29に係る無停電電源装置は、請求項27において、前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記第1および第2スイッチング素子の制御端を制御し該第1および第2スイッチング素子をオフとし、前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする。
(30)請求項30に係る無停電電源装置は、請求項29において、請求項18〜26のいずれかに記載の双方向電力転送回路を備え、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の第1電位と、前記基準電圧生成手段が生成する基準電圧の電位である第3電位とを比較し、該第3電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第3電位の差分の大きさにより前記第11スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記第3および第5スイッチング素子の一端と前記第4および第6スイッチング素子の一端との間に発生する電力を前記直流電源に送り込む回生作用を伴って該第3電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする。
(31)請求項31に係る無停電電源装置は、請求項29または30において、
(a)前記入力交流電源の電圧の位相に同期して発振し該入力交流電源の電圧が消失したときにおいても該位相に固定され自走可能な正弦波発振手段をさらに備え、
(b)前記平均波形生成手段の出力信号により制御端がPWM駆動される前記第10スイッチング素子において、前記平均波形生成手段の出力信号を前記正弦波発振手段が出力する信号により代替しPWM駆動することを特徴とする。
(32)請求項32に係る無停電電源装置は、請求項1〜17または27〜31のいずれかにおいて、前記第1スイッチング素子および前記第2整流素子に代替して第1整流回路を設け、かつ前記第2スイッチング素子および前記第1整流素子に代替して第2整流回路を設けており、
(a1)前記第1整流回路が、第1定電流源によって第1制御端を有する第1半導体素子が駆動される第1電流路と、第2定電流源によってPN接合素子が駆動される第2電流路と、第2制御端を有する第2半導体素子により断続制御される整流電流路と、前記第2電流路を有する前記PN接合素子をバイパスする第3制御端を有する第3半導体素子とを備え、
(a2)前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端とが前記第1スイッチング素子の他端に代替して接続されるともに、前記第2半導体素子の他端が前記第1スイッチング素子の一端に代替して接続され、
(a3)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時、前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端に高電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に低電位が印加されるとき、前記第3半導体素子の第3制御端に制御電圧を印加することにより、前記第3半導体素子を導通させ、前記第2電流路を導通させることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、かつ、
(a4)前記入力交流電源の一方の相が負サイクル時、前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端に低電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に高電位が印加されるとき、前記第2電流路が導通されることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、さらに、
(b1)前記第2整流回路が、第1定電流源によって第1制御端を有する第1半導体素子が駆動される第1電流路と、第2定電流源によってPN接合素子が駆動される第2電流路と、第2制御端を有する第2半導体素子により断続制御される整流電流路と、前記第2電流路を有する前記PN接合素子をバイパスする第3制御端を有する第3半導体素子とを備え、
(b2)前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端とが前記第2スイッチング素子の他端に代替して接続されるとともに、前記第2半導体素子の他端が前記第2スイッチング素子の一端に代替して接続され、
(b3)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時、前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端に低電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に高電位が印加されるとき、前記第2電流路が導通されることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、かつ、
(b4)前記入力交流電源の一方の相が負サイクル時、前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端に高電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に低電位が印加されるとき、前記第3半導体素子の第3制御端に制御電圧を印加することにより、前記第3半導体素子を導通させ、前記第2電流路を導通させることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させることを特徴とする。
(33)請求項33に係る無停電電源装置は、請求項1〜17または27〜31のいずれかにおいて、前記第1スイッチング素子および前記第2整流素子に替えて第1整流回路を設け、かつ、前記第2スイッチング素子および前記第1整流素子に替えて第2整流回路を設け、
(a1)前記第1整流回路が、第1定電流源によって第1制御端を有する第1半導体素子が駆動される第1電流路と、第2定電流源によって第4制御端を有する第4半導体素子が駆動される第2電流路と、第2制御端を有する第2半導体素子により断続制御される整流電流路と、前記第2電流路を有する前記第4半導体素子をバイパスする第3制御端を有する第3半導体素子とを備え、
(a2)前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端が前記第1スイッチング素子の他端に代替して接続されるとともに、前記第2半導体素子の他端が前記第1スイッチング素子の一端に代替して接続され、
(a3)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時、前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端に高電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に低電位が印加されるとき、前記第3半導体素子の第3制御端に制御電圧を印加することにより、前記第3半導体素子を導通させ、前記第2電流路を導通させることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、かつ、
(a4)前記入力交流電源の一方の相が負サイクル時、前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端に低電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に高電位が印加されるとき、前記第2電流路が導通されることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、
(b1)前記第2整流回路が、第1定電流源によって第1制御端を有する第1半導体素子が駆動される第1電流路と、第2定電流源によって第4制御端を有する第4半導体素子が駆動される第2電流路と、第2制御端を有する第2半導体素子により断続制御される整流電流路と、前記第2電流路を有する前記第4半導体素子をバイパスする第3制御端を有する第3半導体素子とを備え、
(b2)前記第2整流回路における前記第2半導体素子の他端が前記第2スイッチング素子の一端に代替して接続されるとともに、前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端が前記第2スイッチング素子の他端に代替して接続され、
(b3)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時、前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端に低電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に高電位が印加されるとき、前記第2電流路が導通されることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、かつ、
(b4)前記入力交流電源の一方の相が負サイクル時、前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端に高電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に低電位が印加されるとき、前記第3半導体素子の第3制御端に制御電圧を印加することにより、前記第3半導体素子を導通させ、前記第2電流路を導通させることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させることを特徴とする。
(34)請求項34に係る無停電電源装置は、請求項1〜17または27〜33のいずれかにおいて、前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記電源出力手段が正常時における前記入力交流電源の電圧にて電圧を出力することを特徴とする。
(35)請求項35に係る電源供給装置は、請求項1〜17または27〜34のいずれかに記載の無停電電源装置を用いた電源供給装置であって、前記電源出力手段が、前記入力交流電源の電圧より大きい電圧にて全波整流波形を出力することを特徴とする電源供給装置。
(36)請求項36に係るトランスは、密に磁気結合された第1コイルおよび第2コイルを備える第1コイル群と、密に磁気結合された第3コイルおよび第4コイルを備える第2コイル群とを備え、該第1コイル群と該第2コイル群とが疎に磁気結合されている。
(1)請求項1の無停電源電源装置においては、入力交流電源の電圧の低下時(停電と判断される所定値より低い電圧となる停電時は含まない)に負荷に対して電源供給するために、従来の予備電源に対応する電源出力手段を有する。この電源出力手段により生成される電圧(以下「UPS電圧」と称する)は、外部の直流電源の電圧を変換して得られた所定の交流電圧波形の全波整流波形電圧である。この所定の交流電圧波形は、平均波形生成手段により生成される出力信号のもつ電圧波形情報を用いて生成される。
本発明の特徴の1つである平均波形生成手段は、入力交流電圧の波形情報を所定期間蓄積しその平均値を取得し、さらに入力交流電圧位相に同期させて出力信号を生成する。UPS電圧が、入力交流電圧波形の平均値を基に生成されることにより、UPS電圧の波形を入力交流電圧と相似形として追随させることができる。これにより、入力交流電圧の正常範囲での波形の乱れ(波高値のつぶれ等)によりUPS電圧が頻繁に出力されることを抑制でき、UPS電圧の供給源であるバッテリー等の消耗を防止できる。
さらに本回路は、出力されるべきUPS電圧と相似形である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形電圧を生成する整流波形生成手段とを備えている。整流波形生成手段の生成する全波整流波形電圧は、入力交流電源の電圧値の判定手段として用いることができる。一方、基準電圧は、入力交流電源と電源出力手段とを切り替える境界値の設定手段として用いることができる。整流波形生成手段の生成する電圧と基準電圧とを比較することにより、前者が後者より大きければ、入力交流電源により負荷へ電力供給し、前者が後者より小さければ、UPS電圧を生成し出力することにより負荷へ電力供給する。
なお、電源出力手段は、整流波形生成手段の生成する電圧が基準電圧より小さいときにUPS電圧を生成し出力するが、整流波形生成手段の生成する電圧が基準電圧より大きいときは電源出力手段を停止させておくことができるので、その消費電力を節減できる。
負荷電源供給点を構成するように接続され、入力交流電源と同期して一対ずつ排他的オンオフ制御される第3〜第6のスイッチング素子は、UPS電圧の全波整流波形を、通常の交流波形に変換して負荷へ供給することができる。
このような構成としたことにより、入力交流電圧の低下時および復電時においてリレーや半導体素子等による切り替え動作が不要となる。この結果、入力交流電圧の低下時およびその復電時における負荷への電源供給の瞬断は解消される。よって、完全無瞬断で、系統電源常用の高効率の無停電電源装置が実現される。
また、請求項1の無停電源電源装置においては、第2整流素子と並列接続された第1スイッチング素子と、第1整流素子と並列接続された第2スイッチング素子とが相互の一端を結合され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入されている。第1および第2のスイッチング素子はそれぞれ制御端を有し、入力交流電源の一方の相の正負サイクルと同期して互いに排他的にオンオフ制御される。これにより、第1および第2のスイッチング素子は、入力交流電圧による電流の電流路の役割と、系統への逆潮流阻止の役割を果たしている。
正サイクル時には、第1スイッチング素子および第1整流素子を電流路として入力端子から出力端子へ電流が流れることができるが、出力側から入力側へ向かう電流は、第1整流素子が逆方向でありかつ第2スイッチング素子がオフであるので阻止される。
一方、負サイクル時には、第2スイッチング素子および第2整流素子を電流路として出力側から入力側へ電流が流れることができるが、入力側から出力側へ向かう電流は、第2整流素子が逆方向でありかつ第1スイッチング素子がオフであるので阻止される。
この構成により、UPS電圧に切り替わった場合にも系統への逆潮流が阻止されるため、停電時(系統ショート状態(送電停止時))に出力端の電圧低下が発生せず、完全瞬低防止の無停電電源装置が実現される。
(2)請求項2の無停電源電源装置は、入力交流電圧の正常時または低下時における誘導性負荷または容量性負荷(以下、「誘導性/容量性負荷」と称する)の接続による負荷電圧上昇に対処できる。第9スイッチング素子が設けられ、その一端には、抵抗素子ならびに第3および第5スイッチング素子を介した負荷電力供給点の電位が現れる。第9スイッチング素子の制御端には、この負荷電位の比率R倍の電位(第1電位)と整流波形生成手段の生成する電位(第2電位)との差分増幅電位が印加される。この第9スイッチング素子は、負荷電圧上昇に対応するダミーロードとしての役割を果たすことができる。
入力交流電圧の正常時には、第9スイッチング素子の他端と制御端とが同電位に設定されることにより第9スイッチング素子は順バイアスされず、その電流路は遮断している。この状態のとき、負荷電力供給点に誘導性/容量性負荷を接続したとすると、入力交流電源側へ電流を送り返す位相が発生する。ところが、この交流電流路には上記の逆潮流阻止機能が設けられているため入力交流電源側へ電流が流れることができず、負荷電圧が上昇する。すると、第9スイッチング素子の一端の電位が上昇することにより制御端が順バイアスされることにより、第9スイッチング素子の電流路が導通し、負荷電圧による電流が流れる。この結果、第9スイッチング素子の一端の電位は制御され、負荷電圧の上昇を抑止することができる。この構成は、特に、軽度の誘導性/容量性負荷に有効である。
(3)請求項3の無停電電源装置では、入力交流電圧の正常時または低下時における誘導性負荷の接続による負荷電圧上昇に対処できる。第12スイッチング素子が設けられ、その一端には、抵抗素子ならびに第3および第5スイッチング素子を介した負荷電力供給点の電位が現れる。第12スイッチング素子の制御端には、この負荷電位の比率R倍の電位(第1電位)と整流波形生成手段の生成する電位(第2電位)との差分増幅電位が印加される。負荷電圧が上昇すると、第12スイッチング素子の一端の電位が上昇することにより制御端が順バイアスされることにより、第12スイッチング素子の電流路が導通する。そして、第12スイッチング素子に流れる電流を検出し、その電流量に応じた容量のコンデンサを負荷に並列に接続および断絶する。これにより、誘導性負荷の接続により生じた電流をコンデンサに流して電流を低減する。この結果、負荷電流の位相が調整されるため、力率改善の効果が得られ、負荷電位が低下する。
(4)請求項4の無停電電源装置では、入力交流電圧が所定値より低下した場合(これを「停電時」と称する)、第1および第2スイッチング素子をいずれもオフとし、電源出力手段により負荷へ電力供給する。これにより、停電時に第1および第2スイッチング素子が稼働することによる無駄な電力消費を節減できるとともに、交流電流路が遮断されているので逆潮流も阻止できる。
(5)請求項5の無停電電源装置では、停電時における誘導性/容量性負荷の接続による負荷電圧上昇に対処できる。第9スイッチング素子が設けられ、その一端には、抵抗素子ならびに第3および第5スイッチング素子を介した負荷電力供給点の電位が現れる。第9スイッチング素子の制御端には、この負荷電位の比率R倍の電位(第1電位)と基準電圧生成手段の生成する基準電電圧の一端の電位(第3電位)との差分増幅電位が印加される。停電時には、整流波形生成手段の生成電位は低下しているため、その代替として基準電圧の一端の電位を用いることが有用である。負荷電圧が上昇すると、第9スイッチング素子の一端の電位が上昇することにより制御端が順バイアスされることにより、第9スイッチング素子の電流路が導通し、負荷電圧による電流が流れる。この結果、第9スイッチング素子の一端の電位は制御され、負荷電圧の上昇を抑止することができる。この構成は、特に、軽度の誘導性/容量性負荷に有効である。
(6)請求項6の無停電電源装置では、停電時における誘導性負荷の接続による負荷電圧上昇に対処できる。第12スイッチング素子が設けられ、その一端には、抵抗素子ならびに第3および第5スイッチング素子を介した負荷電力供給点の電位が現れる。第12スイッチング素子の制御端には、この負荷電位の比率R倍の電位(第1電位)と基準電圧生成手段の生成する基準電圧の一端の電位(第3伝に)との差分増幅電位が印加される。停電時には、整流波形生成手段の生成電位は低下しているため、その代替として基準電圧の電位を用いることが有用である。負荷電圧が上昇すると、第12スイッチング素子の一端の電位が上昇することにより制御端が順バイアスされることにより、第12スイッチング素子の電流路が導通する。そして、第12スイッチング素子に流れる電流を検出し、その電流量に応じた容量のコンデンサを負荷に並列に接続および断絶する。これにより、誘導性負荷の接続により生じた電流をコンデンサに流して電流を低減する。この結果、負荷電流の位相が調整されるため、力率改善の効果が得られ、負荷電位が低下する。
(7)請求項7の無停電電源装置では、入力交流電圧の位相に同期して発振する正弦波発振手段を備えており、正弦波発振手段は入力交流電圧の停電時にも正常時の位相に固定されて自走することができる。従って、入力交流電圧の停電時に平均波形生成手段の出力信号が得られなくとも、その代替として正弦波発振手段の出力信号を用いることにより、電源出力手段は入力交流電圧に同期した正弦波のUPS電圧を出力することができる。なお、停電時に出力されるUPS電圧は、正常時における入力交流電圧(通常、100V)と同じとすることが負荷に対して好適である。
(8)請求項8の無停電電源装置では、電源出力手段が第7スイッチング素子を備えており、整流波形生成手段の生成する電圧が基準電圧より小さいとき、直流電源の電圧を交流電圧波形の全波整流波形電圧(UPS電圧)に変換するために第7スイッチング素子の制御端をPWM(Pulse Width Modulation)駆動し、チョークコイルを介して電力を出力することができる。
このような構成としたことにより、入力交流電圧の低下時およびその後の復電時における瞬断は解消され、無瞬断の無停電電源装置が実現される。
(9)請求項9の無停電電源装置は、入力交流電圧の正常時または低下時における誘導性/容量性負荷の接続による負荷電圧上昇に対処できる。第8スイッチング素子を備えており、負荷電圧上昇時にその制御端をPWM駆動することにより、チョークコイル側に存在する電力を直流電源側に送り込む回生作用を行う。この場合、負荷電圧上昇の検出は、第3および第5スイッチング素子の一端の電位と、電源出力手段の出力電位との共通電位の比率R倍の第1電位と、整流波形生成手段が生成する電位である第2電位とを比較することにより行うことができる。第1電位が第2電位より大きいときは第8スイッチング素子をPWM駆動することにより電力回生させる。これは負帰還動作によって行われ、第1電位と第2電位とは均等となり、負荷電圧上昇は抑制される。また、第8スイッチング素子は、上記の電源出力手段の第7スイッチング素子と排他的にオンオフされるため、双方のスイッチング素子が同時に駆動されることがあっても障害を回避できる。
このような構成としたことにより、誘導性/容量性負荷の接続による負荷電圧上昇を抑止すると同時に、電力回生して有効利用できる。この構成は、誘導性/容量性負荷が大きい場合にも対応可能である。
(10)請求項10の無停電電源装置では、停電時に第1および第2スイッチング素子をオフとし、電源出力手段により負荷へ電力供給する。これにより、入力交流電圧の停電時に第1および第2スイッチング素子が稼働することによる無駄な電力消費を節減できる。
(11)請求項11の無停電電源装置は、停電時における誘導性/容量性負荷の接続による負荷電圧上昇に対処できる。負荷電圧上昇時に第8スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、チョークコイル側に存在する電力を直流電源側に送り込む回生作用を行う。なお、この場合、負荷電圧上昇の検出は、第3および第5スイッチング素子の一端の電位と、電源出力手段の出力電位との共通電位の比率R倍の第1電位と、基準電圧生成手段が生成する電位である第3電位とを比較することにより行うことができる。停電時には、整流波形生成手段が生成する電位は低下しているため、その代替として基準電圧生成手段が生成する電位を用いることが有用である。第1電位が第3電位より大きいときは第8スイッチング素子をPWM駆動することにより電力回生させる。これは負帰還動作によって行われ、第1電位と第3電位とは均等となり、負荷電圧上昇は抑制される。なお、停電時に基準電圧生成手段が生成する電位である第3電位は、正常時における整流波形生成手段が生成する電位と同じとすることが好適である。
(12)請求項12の無停電電源装置は、停電時に平均波形生成手段の出力信号が得られなくとも、その代替として正弦波発振手段の出力信号を用いることにより、電源出力手段は入力交流電圧に同期した正弦波のUPS電圧を出力することができる。
(13)請求項13の無停電電源装置においては、電源出力手段がトランスを有し、整流波形生成手段の生成する電圧が基準電圧より小さいとき、トランスの一次コイルの電圧を第10スイッチング素子がスイッチングすることにより二次コイルからUPS電圧を出力することができる。
このような構成としたことにより、入力交流電圧の低下時およびその後の復電時における瞬断は解消され、無瞬断の無停電電源装置が実現される。
(14)請求項14の無停電電源装置は、入力交流電圧の正常時または低下時における誘導性/容量性負荷の接続による負荷電圧上昇に対処できる。負荷電圧上昇時にトランスの二次コイルの電圧を第11スイッチング素子がスイッチングすることにより一次コイル側に電力を送り込む回生作用を行う。この場合、負荷電圧上昇の検出は、第3および第5スイッチング素子の一端の電位と、電源出力手段の出力電位との共通電位の比率R倍の第1電位と、整流波形生成手段が生成する電位である第2電位とを比較することにより行うことができる。第1電位が第2電位より大きいときは第11スイッチング素子をPWM駆動することにより電力回生させる。これは負帰還動作によって行われ、第1電位と第2電位とは均等となり、負荷電圧上昇は抑制される。
このような構成としたことにより、誘導性/容量性負荷の接続による負荷電圧上昇を抑止すると同時に、電力回生して有効利用できる。この構成は、誘導性/容量性負荷が大きい場合にも対応可能である。
(15)請求項15の無停電電源装置は、停電時に第1および第2スイッチング素子をオフとし、電源出力手段により負荷へ電力供給する。これにより、停電時に第1および第2スイッチング素子が稼働することによる無駄な電力消費を節減できる。
(16)請求項16の無停電電源装置は、停電時における誘導性/容量性負荷の接続による負荷電圧上昇に対処できる。負荷電圧上昇時にトランスの二次コイルの電圧を第11スイッチング素子がスイッチングすることにより一次コイル側に電力を送り込む回生作用を行う。この場合、負荷電圧上昇の検出は、第3および第5スイッチング素子の一端の電位と、電源出力手段の出力電位との共通電位の比率R倍の第1電位と、基準電圧生成手段が生成する電位である第3電位とを比較することにより行うことができる。第1電位が第3電位より大きいときは第11スイッチング素子をPWM駆動することにより電力回生させる。これは負帰還動作によって行われ、第1電位と第3電位とは均等となり、負荷電圧上昇は抑制される。停電時には、整流波形生成手段が生成する電位は低下しているため、その代替として基準電圧生成手段が生成する電位を用いることが有用である。
このような構成としたことにより、誘導性/容量性負荷の接続による負荷電圧上昇を抑止すると同時に、電力回生して有効利用できる。この構成は、誘導性/容量性負荷が大きい場合にも対応可能である。
(17)請求項17の無停電電源装置は、停電時に平均波形生成手段の出力信号が得られなくとも、その代替として正弦波発振手段の出力信号を用いることにより、電源出力手段は入力交流電圧に同期した正弦波のUPS電圧を出力することができる。
(18)請求項18に係る双方向電力転送回路においては、電源出力手段によるUPS電圧の出力および電力回生に用いるトランスにおいて、チョークコイルを取り除き双方向動作を可能としている。
(19)請求項19に係る双方向電力転送回路においては、磁気結合した一次コイルと二次コイルとを具備するトランスと、各コイルにそれぞれ並列接続された各整流素子と、それぞれのコイルをPWM駆動する各スイッチング素子とを備えており、一方のコイルを駆動側のコイルとしてそのスイッチング素子によりPWM駆動する。PWM駆動のオン時には、他方のコイルにフォワード電流が流れる。そしてPWM駆動のオフ時には、駆動側のコイルとこれに並列に接続された整流素子に流れる電流により駆動側のコイルの磁束の減少が抑制されることにより、被駆動側のコイルにオン時と同方向の電流を流すことができる。駆動側と被駆動側のコイルを入れ替えて同様にPWM駆動しても、上記と対称的な電流が流れることとなる。
このように、本回路では、双方向の電力転送動作を行うことができるとともに、スイッチング素子のオン時にもオフ時にも同方向の出力電流を流すことができるので電力転送に有利である。また、本回路のトランスでは、チョークコイルを取り除くことで双方向動作を実現している。
(20)請求項20〜23においては、請求項18または19の双方向電力転送回路におけるトランスにおいて一次コイルと二次コイルとを疎に磁気結合させている。トランスのコアは、対向する一対のヨークとこれらを連結する中央脚および一対の外側脚とで構成されている。そして、中央脚に一次コイルが巻装される。二次コイルは外側脚の双方(請求項20)若しくはいずれか一方(請求項21)に巻装されるか、一次コイルと同心状に両外側脚の内側に巻装(請求項22)されるか若しくは磁性体片を介して一次コイルの上に重ねて巻装(請求項23)されている。本トランスでは、一次コイルと二次コイルとの間に空隙が形成されるように二次コイルを巻装するか、または、磁性体片を介して二次コイルを巻装することにより、一次コイルと二次コイルとを離隔させ、疎結合としている。
このような疎結合トランスを用いることにより、DC/DCコンバータにおいてチョークコイルを取り除き双方向動作を可能とした場合に、一方のコイルに電流が流れることにより他方のコイルに激しいピーク電流が流れることが回避できる。
よって、第10スイッチング素子がオンのとき、一次コイルにより中央脚に生じた磁束が二次コイルの磁気回路へ流れ込むことにより二次コイルにはこれに抗する起磁力が瞬時に生じ、これに対応する起電力による電流が二次コイルに流れることができる。
また、第11スイッチング素子がオンのとき、二次コイルにより生じた磁束が一次コイルの磁気回路へ流れ込むことにより一次コイルにはこれに抗する起磁力が瞬時に生じ、これに対応する起電力による電流が一次コイルに流れることができる。
(21)請求項24〜26の双方向電力転送回路は、電源出力手段によるUPS電圧の出力および電力回生に用いるトランスが、密結合した一対の第1コイル群と、密結合した一対の第2コイル群とを有し、第1と第2のコイル群は互いに疎結合となっている。第1コイル群の一方のコイルと第2コイル群の一方のコイルとは第1の入出力点で接続され、第1コイル群の他方のコイルと第2コイル群の他方のコイルとは第2の入出力点で接続されている。
例えば、第1コイル群のうち、第1の入出力点に接続されている一方のコイルを駆動側としてスイッチング素子によりPWM駆動する。これにより、PWM駆動のオン時には、疎結合している第2コイル群の被駆動側のコイルに第2の入出力点からフォワード電流が流れ出る。そして、PWM駆動のオフ時には、駆動コイルと密結合している第1のコイル群の他方のコイルにフライバック電流が流れ、オン時と同様に第2の入出力点から流れ出る。駆動側と被駆動側のコイルを入れ替えて同様にPWM駆動すると、上記と対称的な電流が流れることとなる。
このように本回路では、双方向の電力転送動作を行うことができるとともに、スイッチング素子のオン時にもオフ時にも同方向の出力電流を流すことができるので電力転送に有利である。
特に、請求項25の双方向電力転送回路におけるトランスは、UPS電圧出力動作のときと、電力回生動作のときの磁気回路に生じる磁束の向きが逆となるため、トランスが磁気飽和し難いという利点がある。
また、上記いずれの双方向電力転送回路(請求項18〜26)においても、一次側コイルと二次側コイルとが絶縁されたトランスを使用しているため、従来技術のチョークコイルを使用した双方向インバータに無い、入出力間が絶縁された双方向インバータを構成できる。このため、安全性と信頼性の高いものとなる。
(22)請求項27〜31の無停電電源装置では、請求項18〜26のいずれかの双方向電力転送回路を電源出力手段として用いることにより、上記の双方向電力転送回路の効果を奏することができる。
(23)請求項32または33の無停電電源装置では、第1スイッチング素子と第2整流素子の並列接続に替えて第1整流回路を設け、かつ、第2スイッチング素子と第1整流素子の並列接続に替えて第2整流回路を設けている。請求項1〜17および27〜31の構成における第1整流素子及び第2整流素子は、第1および第2スイッチング素子がFETの場合にその寄生ダイオードに対して優先的電流路となるが、ショットキーバリアダイオードを用いても順方向電圧降下の最小値には限界があり、損失となる。これに対し、第1整流回路及び第2整流回路は、ショットキーバリアダイオードに比べても抵抗が小さく電圧降下を低減できる。
入力交流電源の一方の相の正サイクル時には、第1整流回路は逆方向となるがオン制御することにより導通させることができ、第2整流回路は順方向であるので導通し、これにより入力端子から出力端子へ電流が流れる一方、逆潮流は阻止できる。
また、入力交流電源の一方の相の負サイクル時には、第1整流回路は順方向であるので導通し、第2整流回路は逆方向となるがオン制御することにより導通させることができ、これにより出力端子から入力端子へ電流が流れる一方、逆潮流は阻止できる。
(24)請求項34の無停電電源装置では、入力交流電圧の停電時にUPS電圧を、正常時の入力交流電圧と同じとすることにより、正常時の系統電圧と同じ電圧で負荷に電力供給できる。
(25)請求項35に記載の電源供給装置は、請求項1〜17または27〜34のいずれかの無停電電源装置とほぼ同じ構成であるが、入力交流電圧の全波整流波形と相似な波形のUPS電圧が、入力交流電圧より大きい点において相違する。この電源供給装置では、入力交流電圧よりもUPS電圧が優勢であるため、バッテリー等が消耗しない限りUPS電圧の方が優先的に負荷へ供給される。これにより、太陽電池や燃料電池等の分散型発電電力を積極的に利用することができる。さらに、誘導性/容量性の負荷の接続に対しても、負荷電圧上昇を抑止できるとともに、電力回生することも可能である。
(26)請求項36に記載のトランスは、密結合した一対の第1コイル群と、密結合した一対の第2コイル群とを有し、第1と第2のコイル群は互いに疎結合となっているため、請求項23または24の双方向電力転送回路に好適である。
(1)無停電電源装置の第1の実施形態
(1−1)第1の実施形態の回路構成
図1は、本発明による無停電電源装置の第1の実施形態の構成例を示す回路図である。端子2と端子1間に、入力交流電源の電圧Vinが印加される。交流電源は、典型的には系統電源である。端子3と端子4間から出力電圧Voutが出力され、図示しない負荷へ印加される。この無停電電源装置は、基本的にコンピュータや電子機器等の整流負荷を対象とする。端子2と端子3の間の交流電流路には、入力交流電源の一方の相の電圧が入力され、端子1と端子4の間の交流電流路には、入力交流電源の他方の相の電圧が入力される。
端子2と端子3との間の交流電流路上には、第1及び第2のスイッチング素子として2つのFET(field effect transistor)Q1及びFETQ2が挿入接続されている。FETQ1のドレインは端子2へ接続され、FETQ1とFETQ2のソース同士が接続され、FETQ2のドレインは端子3へ接続されている。端子2と端子3間において、FETQ1の電流路とFETQ2の電流路とは直列逆極性接続されている。
入力交流電圧Vinに同期して、入力交流電源の一方の相の電圧の正サイクル時にFETQ1をオンしかつ負サイクル時にFETQ1をオフとする制御電圧が、FETQ1のゲートに対し印加される。従って、FETQ1の電流路は正サイクル時には双方向に導通可能な状態となり、負サイクル時には寄生ダイオードの順方向にのみ導通可能な状態となる。
一方、入力交流電圧Vinに同期して、入力交流電源の一方の相の電圧の正サイクル時にはFETQ2をオフしかつ負サイクル時にFETQ2をオンとする制御電圧が、FETQ2のゲートに対し印加される。従って、FETQ2の電流路は正サイクル時には寄生ダイオードの順方向にのみ導通可能な状態となり、負サイクル時には双方向に導通可能な状態となる。つまり、FETQ2のゲート制御電圧は、FETQ1のゲート制御電圧と逆相である。
第1整流素子であるダイオードD1は、FETQ2の電流路に対し並列に接続され、アノードが端子2側、カソードが端子3側になる方向で接続されている。ダイオードD1は、FETQ2の寄生ダイオードより優先的に電流が流れるように電圧降下の小さいダイオード(例えばショットキーバリアダイオード等)を用いることが好適である。
第2整流素子であるダイオードD2は、FETQ1の電流路に対し並列に接続され、アノードが端子3側、カソードが端子2側になる方向で接続されている。ダイオードD2は、FETQ1の寄生ダイオードより優先的に電流が流れるように電圧降下の小さいダイオード(例えばショットキーバリアダイオード等)を用いることが好適である。
電源出力部13は、入力交流電圧Vinの低下時に負荷に対して供給されるUPS電圧Vupsを生成する機能を備えている。電源出力部13には、直流電源からの直流電圧DCV1が入力される。直流電源は、例えば、太陽電池や燃料電池等の分散型発電による電力を蓄積するバッテリー等である。FETQzのドレインはチョークコイルを介して入力直流電源の電圧DCV1の正極側に接続され、ソースは接地点に接続され、ゲートは制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。これらはFETQzのドレインに接続されたダイオードを含めて昇圧チョッパを構成している。入力直流電圧DCV1は、昇圧チョッパにおけるFETQzのゲートを所定のPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御電圧により駆動することによりスイッチングされ、所望の直流電圧DCV2に昇圧される。本回路で生成するUPS電圧Vupsは、正常時の入力交流電圧Vin以下の値とするため、直流電圧DCV2は正常時の入力交流電圧Vinの波高値よりやや高く設定する。
電源出力部13において、FETQxのドレインは昇圧された直流電圧DCV2に接続され、FETQxのソースとFETQyのドレインが接続され、FETQyのソースは接地点に接続されている。FETQxおよびFETQyのゲートはそれぞれ、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。FETQxおよびFETQyは、所定のPWM制御電圧により駆動されて直流電圧DCV2をスイッチングすることにより、入力交流電圧Vin(の平均波形)の全波整流波形に相似したUPS電圧Vupsを生成することができる。生成されるべきUPS電圧Vups(その時点で出力されているか否かに関わらず)は、入力交流電圧Vinの全波整流波形の波高値よりやや小さい波高値(例えばVinが141Vに対し134〜127V(90〜95%)とする。なお、入力交流電圧Vinの停電時にUPS電圧Vupsを出力するときは、を正常時の入力交流電圧Vin、すなわち100Vにて出力することが好適である。
FETQxのソースとFETQyのドレインとの接続点にUPS電圧Vupsが生成されたときは、ダイオードD6を介して出力可能である。ダイオードD6は、UPS電圧Vupsの生成側にアノードが、出力側にカソードが接続されることにより、出力側から生成側への逆流を阻止している。
さらに、入力交流電源の一方の相の電圧が出力される端子3には、第3スイッチング素子であるFETQ3のソースと第6スイッチング素子であるFETQ6のソースが接続される一方、入力交流電源の他方の相の電圧が出力される端子4には、第5スイッチング素子であるFETQ5のソースと第4スイッチング素子であるFETQ4のソースが接続されている。端子3と端子4との間が負荷電源供給点を構成している。FETQ3とFETQ5のドレインすなわち点Bは、電源出力部13の出力点であるダイオードD6のカソードと接続されている。FETQ6とFETQ4のドレインは、接地点に接続されている。
FETQ3およびFETQ4のゲートには、FETQ1のゲート制御電圧と同期した制御電圧が印加されることにより、FETQ1と同期してオンまたはオフとなる。従って、FETQ3およびFETQ4は、入力交流電源の一方の相が正サイクル時にオンとなり電流路が導通し、負サイクル時にオフとなり電流路が遮断される。
FETQ5およびFETQ6のゲートには、FETQ2のゲート制御電圧と同期した制御電圧が印加されることにより、FETQ2と同期してオフまたはオンとなる。従って、FETQ5およびFETQ6は、入力交流電源の一方の相が正サイクル時にオフとなり電流路が遮断され、負サイクル時にオンとなり電流路が導通する。
従って、FET1、FETQ3およびFETQ4と、FET2、FETQ5およびFETQ6とは、排他的にオンオフ制御される。いわゆる交流スイッチを構成するFETQ3〜Q6のオンオフ制御は、入力交流電圧Vinの低下時および停電時にも正常時と同じように維持されることが必要である。
ダミーロード部12は、端子3と端子4の間に誘導性/容量性負荷が接続された場合の対応のために設けられている。ダミーロード部12は、第9スイッチング素子であるnpn型トランジスタのトランジスタQ9を備えている。トランジスタQ9のコレクタは抵抗素子R1を介してFETQ3およびFETQ5のドレインと接続され、エミッタは接地点に接続され、ベースは適宜の抵抗素子を介して演算増幅器OPの出力端子に接続されている。演算増幅器OPの非反転入力端子は、抵抗素子R2を介してFETQ3およびFETQ5のドレインと接続される一方、抵抗素子R3を介して接地点に接続されている。演算増幅器OPの反転入力端子である点Aは、後述する制御部20からダイオードD7またはダイオードD8を介して出力される参照電電位Vrefが印加される。演算増幅器OPの反転入力端子は、ダイオードD7およびダイオードD8のカソードと接続されている。
電流検出部27は、ダミーロード部12の抵抗素子R1の両端電圧降下によりトランジスタQ9の電流路を流れる電流の検出を行う。さらに、電流検出部27による検出結果に基づいてアラーム表示用データを作成するアラーム作成部28と、作成されたアラーム表示用データを用いてアラーム表示を出力するアラーム表示出力部29とが設けられる。
制御部20は、端子1と端子2の間に印加される入力交流電源の電圧Vinを常時取得できるように接続されており、取得した電圧Vinに基づいて内蔵する種々の制御回路21〜26により本回路の制御を行う。制御部20では、以下の各機能をデジタル信号処理により行ってもよい。
制御部20の平均波形生成部21は、入力交流電源の電圧Vinの波形情報を所定期間、例えば最新の複数周期分を蓄積し、蓄積された波形履歴情報の平均値を導出する。さらに、この電圧波形情報の平均値を含みかつ入力交流電源の電圧Vinの位相に同期した出力信号を生成する。この出力信号はPWMゲート駆動部25に出力され、電源出力部13によるUPS電圧Vupsの生成のために用いられる。
UPS電圧Vupsの生成において入力交流電圧Vinの平均波形を用いる場合は、正弦波を用いる場合に比べて入力交流電圧Vinの正常時における波形の乱れ(例えば、波高値のつぶれ等)に対しても追随できることになる。UPS電圧Vupsが正弦波であると正常時であるにも拘わらずUPS電圧Vupsが入力交流電圧Vinよりも優勢となってUPS電圧Vupsへの切り替えが頻繁に生じるおそれがあるが、実際の入力交流電圧Vinの波形に追随した相似形により全波整流波形のUPS電圧Vupsを生成することにより、頻繁な切り替えを抑止できる。これにより電源出力部13の入力直流電源であるバッテリーの消耗が避けられる。
PWMゲート駆動部25は、平均波形生成部21により生成された出力信号に基づいて電源出力部13のFETQz、Qx、QyのゲートをPWM駆動するための制御電圧を生成する。なお、停電時には、平均波形生成部21の出力信号に替えて、後述する正弦波発振部22の出力信号(周波数情報として)、並びに基準電圧生成部24の生成する基準電圧(波形情報として)を用いる。
正弦波発振部22は、停電と判断された場合に正常時の入力交流電圧Vinの位相に同期するように固定されて自走する自励発振器を具備する。従って、正弦波発振部22は、停電時に平均波形生成部21の代替として正弦波でかつ入力交流電圧Vinの位相に同期した出力信号を生成する。そして、この出力信号がPWMゲート駆動部25に出力され、電源出力部13によるUPS電圧Vupsの出力に用いられる。さらに、この出力信号はFET駆動部26にも出力され、停電時にもオンオフ制御の必要な各FETを駆動する。
整流波形生成部23は、取得した入力交流電源の電圧Vinに基づいて、入力交流電源の電圧Vinと相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する。比率R倍は、制御部20の回路動作条件に適した電圧値となるように適宜設定する。
整流波形生成部23の生成する電圧またはその電位は、入力交流電源の電圧Vinに比例しているため、後述する基準電圧との比較により入力交流電圧Vinが正常であるか低下しているかの判定手段として用いられる。また、整流波形生成部23の生成する電圧は、入力交流電圧Vinの位相に同期しているため、後述するFET駆動制御部26に与えられ、FETQ1〜Q6をオンオフ制御するために用いられる。さらに、整流波形生成部23の生成する電位は、ダイオードD7のアノードにも出力される。このダイオードD7を介しての出力は、入力交流電源の電位と負荷電圧の電位とを比較する場合に、入力交流電源の電位に相当する参照電位Vrefとして用いられる。
基準電圧生成部24は、平均波形生成部21からの出力信号を用い、その電圧波形情報と電圧Vinとの位相同期とに基づいて、電源出力部13に出力させるべきUPS電圧Vups(その時点で出力されているか否かに関わらず)と相似形である比率R倍の基準電圧を生成する。UPS電圧Vupsは、入力交流電圧Vinに相似形の全波整流波形であるから、基準電圧もまた全波整流波形である。比率R倍は、上記の整流波形生成部23の生成電圧と同じ比率である。生成されるべきUPS電圧Vupsは、通常、入力交流電圧Vinの全波整流波形の波高値よりやや小さい波高値(例えばVinが141Vに対し134〜127V(90〜95%)とされるため、これに従って基準電圧もまた、整流波形生成部23の生成電圧に対して同じ割合(例えば90〜95%)でやや小さい値になる。
基準電圧は、正常時(入力交流電源が停電でないとき)に上記の整流波形生成部23の生成電圧と比較されることにより、入力交流電源の電圧VinとUPS電圧Vupsとを切り替える境界点の設定手段として用いられる。また、入力交流電源が停電したときは、誘導性/容量性負荷による負荷電圧の上昇を抑制するため、負荷電圧と比較し回生動作を実行するPWMゲート駆動部25にも与えられる。
さらに、基準電圧生成部24の生成する基準電圧の電位は、ダイオードD8のアノードにも出力されるが、整流波形生成部23の生成電圧の電位の方が優勢である場合には参照電圧Vrefとして出力されない。しかしながら、入力交流電圧Vinの停電時には、整流波形生成部23の生成電圧による電位を代替し参照電位Vrefとして用いられる。
FET駆動制御部26は、FETQ1〜Q6をオンオフ駆動するために各ゲートに対して制御電圧を出力する。FET1、FETQ3およびFETQ4は、入力交流電源の一方の相が正サイクル時にオンし負サイクル時にオフするように、そしてFET2、FETQ5およびFETQ6は、入力交流電源の一方の相が正サイクル時にオフし負サイクル時にオンするように各ゲートに制御電圧を出力する。いわゆる交流スイッチを構成するFETQ3〜Q6のオンオフ制御は、常時維持されることが必要である。一方、FETQ1およびFETQ2は、入力交流電圧Vinの停電時には強制的にオフとすることが好ましい。
(1−2)第1の実施形態の回路動作
<電源出力動作:正常時および低下時>
入力交流電圧Vinの正常時には、整流波形生成部23の生成する電圧は、基準電圧生成部24の生成する基準電圧より大きい。前者を100%とすると後者は90〜95%に設定される。この場合、制御部20はPWMゲート駆動部25から制御電圧を出力しないため、電源出力部13のFETQx、FETQyは駆動されず、UPS電圧Vupsは生成されない。ただし、PWMゲート駆動部25は、FETQxおよびFETQyに対して制御電圧を出力はしないが直ちに出力できる状態で内部の自励発振器(平均波形生成手段の出力信号に基づき発振)により常時、制御電圧を生成している。また、低下時および停電時に直ちにUPS電圧Vupsを出力できるようにFETQzのみは正常時であってもPWM駆動されている。
なお、別の実施形態として、FETQxおよびFETQyを正常時にもPWM駆動しUPS電圧Vupsを常時出力するようにしてもよい。この場合、FET駆動による消費電力は大きくなるが、低下時および停電時に、より迅速に対応できる。
このように、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧より大きい場合、端子2における入力交流電圧Vinの正サイクル時に端子2→FETQ1→ダイオードD1→端子3→負荷→端子4の経路で電流が流れ、負サイクル時に端子4→負荷→端子3→FETQ2→ダイオードD2→端子2の経路で電流が流れ、端子3と端子4の間の負荷に電力供給される。
次に、入力交流電圧Vinが正常値から低下し、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧生成部24の生成する基準電圧より小さくなると、制御部20は直ちにPWM駆動部25から制御電圧を出力し、電源出力部13のFETQz、FETQx、FETQyを駆動してUPS電圧Vupsを生成する。ここで「低下時」とは、整流波形生成部23の生成する電圧が、「停電」と判断される所定値までは低下していない場合をいう。この場合のUPS電圧Vupsは、平均波形生成部21の出力信号を基にPWM駆動されて生成され、入力交流電圧Vinの平均波形に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧である。このとき、FETQ3およびFETQ5のドレインの電位である点Bの電位Vbもまた、入力交流電圧Vinの低下によりUPS電圧Vupsの電位より低くなっているから、ダイオードD6が順方向となる。従って、UPS電圧Vupsによる電流がダイオードD6→FETQ3(またはFETQ5)→端子3(または端子4)→負荷→端子4(または端子3)→FETQ4(またはFETQ6)の経路で流れ、端子3と端子4の間の負荷に供給される。なお、生成されたUPS電圧Vupsは全波整流波形であるが、交流スイッチであるFETQ3〜Q6のオンオフ制御により入力交流電圧Vinと相似な交流波形に変換されて負荷に供給される。すなわち、全波整流波形における負サイクル時の波形が反転させられることになる。
このように、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧生成部24の生成する基準電圧より小さくなると、直ちに電流路が切り替わってUPS電圧Vupsが負荷へ出力される。逆に、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧生成部24の生成する基準電圧より大きくなると、再び入力交流電圧Vinが負荷へ出力される。こうして、電流路の移行が無瞬断で行われるため、従来のような電流路の切り替え手段は不要である。
<電源出力動作:停電時>
入力交流電圧Vinがさらに低下することに対応して、整流波形生成部23の生成する電圧が、「停電」と判断される所定値より低下すると、制御部20はこれを停電時と判断する。停電時には、FET駆動制御部26がFETQ1およびFETQ2をいずれもオフとするように制御することが好ましい。また、停電時には、平均波形生成部21に替わり正弦波発振部22が、入力交流電圧Vinに位相同期して固定された周波数で正弦波を発振し、出力信号を出力する。この正弦波発振部22の出力信号を用いて、PWMゲート駆動部25はPWM制御電圧を生成および出力し、基準電圧生成部24は基準電圧を生成および出力し、そしてFET駆動制御部26はFETQ3〜Q6のオンオフ制御電圧を生成および出力する。
なお、停電時であると判断された後は、電源出力部13がUPS電圧Vupsを正常時の入力交流電圧と同じ電圧(通常100V)で生成出力するように、PWM駆動することが好ましい。
<逆潮流阻止動作>
FETQ1、ダイオードD1、FETQ2およびダイオードD2は、逆潮流を阻止する働きをする。入力交流電源側への逆潮流が生じる可能性の1つは、入力交流電圧Vinの低下時に出力端子に出力されるUPS電圧Vupsよる電流が交流電源側へ逆潮流する場合である。もう1つは、入力交流電圧Vinの正常時、低下時または停電時に関わらず、誘導性/容量性負荷の接続による電流位相のずれに起因して逆潮流する場合である。
入力交流電圧Vinの正常時および低下時には、FETQ1およびFETQ2の排他的オンオフ制御により、入力交流電圧Vinによる電流と同相の電流のみが流れることができ、逆潮流は阻止される。つまり、正サイクル時には、端子3から端子2へ向かう電流は、ダイオードD1が逆方向でありかつFETQ2がオフであるので阻止される。従って、UPS電圧Vupsにより端子3が端子2より高電位となっても、端子3から端子2へ電流は流れず、UPS電圧Vupsは負荷にのみ供給される。一方、負サイクル時には、端子2から端子3へ向かう電流は、ダイオード2が逆方向でありかつFETQ1がオフであるので阻止される。従って、UPS電圧Vupsにより端子2が端子3より高電位となっても、端子2から端子3へ電流は流れず、UPS電圧Vupsは負荷にのみ供給される。
そして、入力交流電圧Vinの停電時には、FETQ1およびFETQ2を強制的にオフすることが好適である。つまり、端子2と端子3の間には、逆極性接続されたダイオードD1とダイオードD2のみが存在することとなる。従って、端子2と端子3の間ではいずれの方向にも電流が阻止され、UPS電圧Vupsは負荷にのみ供給される。
<誘導性/容量性負荷の接続時の動作>
本回路は基本的に整流負荷を対象としているが、誘導性/容量性負荷が端子3と端子4の間に接続された場合、入力交流電源側に電流を送り返す位相が発生する。しかしながら、上記の通り、本回路のFETQ1、ダイオードD1、FETQ2およびダイオードD2による逆潮流阻止機能があるために、負荷電圧が入力交流電圧Vinより上昇することとなる。ダミーロード部12は、この負荷電圧上昇を抑止する働きをする。
演算増幅器OPの反転入力端子である点Aに対して制御部20から印加される参照電位Vrefは、整流波形生成部23の生成する電圧の電位または基準電圧生成部24の生成する基準電圧の電位のうち高い方である。この選択は、ダイオードD7またはダイオードD8のいずれが順方向電圧となるかにより自動的に行われる。この参照電位Vrefが演算増幅器OPの差分増幅動作の基準電位となる。
FETQ3およびFETQ5のドレイン電位である点Bの電位Vbは、抵抗素子R2およびR3により抵抗分割されて演算増幅器OPの非反転入力端子に印加される。点Bの電位Vbは、端子3と端子4の間の負荷電圧による電位が交流スイッチを構成するFETQ3〜Q6を介して全波整流波形として反映される。誘導性負荷等が接続されていない場合、端子3と端子4の間には入力交流電圧Vinがそのまま現れており、点Bの電位Vbもまた入力交流電圧Vinの全波整流波形となる。抵抗素子R2とR3による抵抗分割比は、誘導性負荷等が接続されていない場合に非反転入力端子の電位が参照電位Vrefと同じになるように設定される。このとき、演算増幅器OPの出力端子の電位は接地点と同じであるため、トランジスタQ9のベース・エミッタ間は順バイアスされず、トランジスタQ9はオフ状態である。
誘導性/容量性負荷が接続された場合に、入力交流電源側への逆潮流が阻止されているために端子3と端子4間の電圧が上昇すると、点Bの電位Vbが上昇する。これにより、点Bの電位Vbを抵抗分割した非反転入力端子の電位が上昇する。そして参照電圧Vrefとの差分が演算増幅器OPにより非反転増幅されて出力され、トランジスタQ9のベースに印加される。これによりトランジスタQ9が順バイアスされてオンとなりその電流路が導通する。この結果、トランジスタQ9にコレクタ電流idが流れる。コレクタ電流idは、端子3(端子4)→FETQ3(FETQ5)→抵抗素子R1→トランジスタQ9のコレクタ/エミッタ→接地点→FETQ4(FETQ6)→端子4(端子3)の経路で流れる。
トランジスタQ9にコレクタ電流idが流れると、負荷電圧すなわち点Bの電位Vbが低下し、その抵抗分割電位が参照電位Vrefと均等となるように負帰還制御される。
電流検出部27は、抵抗素子R1の両端間電圧によりコレクタ電流idを検出した場合、アラーム作成部28に電流検出を通知する信号を出力する。アラーム作成部28は、ユーザに対して警告するためのアラーム表示データを作成し、アラーム表示出力部29に表示させる。なお、コレクタ電流の検出方法は、抵抗素子R1の電圧降下検出に限られず、他の方法(CT(カレントトランス))でもよい。
図1の回路におけるダミーロード部12は、軽度の誘導性/容量性負荷に対応できる。ダミーロード部12が許容できる程度の誘導性/容量性負荷である場合は、コレクタ電流idを流すことで対処する。
ダミーロード部12が許容できない誘導性/容量性負荷である場合は、大きなコレクタ電流idにより発熱するため、電源出力部13を含めた本回路の効率が低下するので、UPS電圧Vupsの出力を停止する制御を行う。さらに、FETQ1およびFETQ2をいずれもオン状態とし、端子2と端子3の間を完全に導通状態として入力交流電源Vinを負荷に供給可能とする。この場合は、入力交流電圧Vinの低下および停電に対応できないため、アラーム表示出力部29においてユーザに対しその旨を警告する。
(2)無停電電源装置の第2の実施形態
(2−1)第2の実施形態の回路構成
図2は、本発明による無停電電源装置の第2の実施形態の構成例を示す回路図である。第2の実施形態において、第1の実施形態と相違する点は、ダミーロード部12に替えて電流検出部12Aおよびこれに付随する構成要素を設けている点である。その他の、FETQ1〜Q6、ダイオードD1およびD2、電源出力部13および制御部20の構成については、第1の実施形態と共通する。
なお、図2の回路では、電流検出部12Aと称しているが、これらの構成自体は、図1のダミーロード部12と同じである。ただし、動作上相違する点があるので、図1の回路のトランジスタQ9を、図2の回路ではトランジスタQ12(第12スイッチング素子)と称することとする。
図2の電流検出部12Aでは、抵抗素子R1の両端間電圧がゲート制御部30に入力される。ゲート制御部30は、1または複数のコンデンサC31、C32..を、負荷と並列に接続または断絶するための制御を行う。このために、ゲート制御部30は、各コンデンサに直列に接続されたFETQ31、FETQ32..の各ゲートをそれぞれ制御するための制御電圧を出力する。各FETQ31、FETQ2..はそれぞれ、ソースがFETQ3およびFETQ5のドレインである点Bに接続され、ドレインが各コンデンサC31、C32..の一端に接続されている。各コンデンサC31、C32..の他端は接地点に接続されている。この場合、各コンデンサC31、C32..は常時充電状態にある。そして、例えば、コンデンサC31を接続する場合はFETQ31をオン状態とし、断絶する場合はFETQ31をオフ状態とすればよい。
(2−2)第2の実施形態の回路動作
電源出力部13の電源出力動作については、図1に示す第1の実施形態の回路と同様である。本回路は、誘導性負荷の接続時の動作において、図1の回路と相違する。第1の実施形態で述べた通り、誘導性負荷が端子3と端子4の間に接続された場合、負荷電圧が入力交流電圧Vinより上昇する。
演算増幅器OPの反転入力端子である点Aに対して制御部20から印加される参照電位Vrefは、整流波形生成部23の生成する電圧の電位または基準電圧生成部24の生成する基準電圧の電位のうち高い方である。この選択は、ダイオードD7またはダイオードD8のいずれが順方向電圧となるかにより自動的に行われる。この参照電位Vrefが演算増幅器OPの差分増幅動作の基準電位となる。
FETQ3およびFETQ5のドレイン電位である点Bの電位Vbは、抵抗素子R2およびR3により抵抗分割(比率R倍)されて演算増幅器OPの非反転入力端子に印加される。点Bの電位Vbは、端子3と端子4の間の負荷電圧による電位が交流スイッチを構成するFETQ3〜Q6を介して全波整流波形として反映される。誘導性負荷が接続されていない場合、端子3と端子4の間には入力交流電圧Vinがそのまま現れており、点Bの電位Vbもまた入力交流電圧Vinの全波整流波形となる。抵抗素子R2とR3による抵抗分割比は、誘導性負荷が接続されていない場合に非反転入力端子の電位が参照電位Vrefと同じになるように設定される(比率R倍)。このとき、演算増幅器OPの出力端子の電位は接地点と同じであるため、トランジスタQ12のベース・エミッタ間は順バイアスされず、トランジスタQ12はオフ状態である。
誘導性負荷が接続された場合に、入力交流電源側への逆潮流が阻止されているために端子3と端子4間の電圧が上昇すると、点Bの電位Vbが上昇する。これにより、点Bの電位Vbを抵抗分割(比率R倍)した非反転入力端子の電位が上昇する。そして参照電圧Vrefとの差分が演算増幅器OPにより非反転増幅されて出力され、トランジスタQ12のベースに印加される。これによりトランジスタQ12が順バイアスされてオンとなりその電流路が導通し、コレクタ電流icが流れる。ゲート制御部30は、検出したコレクタ電流icの量に応じて、誘導性負荷を相殺するために必要なコンデンサ容量を決定する。決定されたコンデンサ容量に対応する数のコンデンサC31、C32..を接続するためにFETQ31、FETQ32..をオン状態としする(なお、適切な容量を調整するために接続と断絶が適宜繰り返される場合もある)。このとき、端子3(端子4)→FETQ3(FETQ5)→コンデンサC31等/FETQ31等→FETQ4(FETQ6)→端子4(端子3)の経路でコンデンサが充放電され、コレクタ電流icが最小となるよう接続されるコンデンサの容量を選択する。これは、いわば誘導性負荷の力率改善に相当する。なお、図2において、コンデンサの充電電流はidの矢印方向であり、放電電流はidの矢印方向とは逆方向である。このようにして、点Bの電位Vbの抵抗素子R2およびR3により抵抗分割(比率R倍)された電位が、参照電位Vrefに近づくように制御される。なお、参照電位Vrefは、整流波形生成部23の生成する電圧の電位、または基準電圧生成部24の生成する基準電圧の電位のうち高い方である。なお、コレクタ電流の検出方法は、抵抗素子R1の電圧降下検出に限られず、他の方法(CT(カレントトランス))でもよい。
(3)無停電電源装置の第3の実施形態
(3−1)第3の実施形態の回路構成
図3は、本発明による無停電電源装置の第3の実施形態の構成例を示す回路図である。第3の実施形態において、前述の第1の実施形態と共通する構成は、端子2と端子3の間の交流電流路上にFETQ1、ダイオードD1、FETQ2およびダイオードD2を設けており、これらにより入力交流電源側への逆潮流を阻止している点である。さらに、電源出力/電力回生部15の出力するUPS電圧Vupsを端子3と端子4の間に供給するためのFETQ3〜Q6を設け、FETQ1またはFETQ2と同期してオンオフ制御する点も共通する。
第3の実施形態では、ダミーロード部は設けられておらず、誘導性/容量性負荷が接続されたとき負荷に生じる電力を、UPS電圧Vupsの直流電源であるバッテリー等へ回生する構成を設けている点で、前述の第1の実施形態と相違する。この点に関して、第1の実施形態の電源出力部に替えて電源出力/電力回生部15を設けている。
さらに第3の実施形態では、制御部20が、入力交流電源の電圧Vinを取得することに加えて、FETQ3およびFETQ5のドレインである点Bの電位Vbを取得するように接続されている。点Bの電位Vbは、制御部20の内蔵する種々の制御回路により用いられる。
電源出力/電力回生部15は、UPS電圧Vupsを生成および出力する電源出力手段としての機能と、負荷側の電力を直流電源側に回生する電力回生手段としての機能とを有している。
電源出力手段としての機能は、電源出力/電力回生部15における第7スイッチング素子であるFETQ7、ダイオードD7およびチョークコイルLが担っている。FETQ7のドレインは入力直流電源の電圧DCV1の正極側に接続され、ソースはダイオードD7のカソードおよびチョークコイルLの一端に接続され、ゲートは制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD7のアノードは接地点に接続されている。チョークコイルLの他端は、電源出力手段としての出力点であり、FETQ3およびFETQ5のドレインである点Bに接続されている。
電力回生手段としての機能は、電源出力/電力回生部15における第8スイッチング素子であるFETQ8、ダイオードD8およびチョークコイルLが担っている。FETQ8のドレインはダイオードD8のアノードおよびチョークコイルLの一端に接続され、ソースは接地点に接続され、ゲートは制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD8のカソードは、入力直流電源の電圧DCV1の正極側に接続されている。チョークコイルLの他端は、電力回生手段としての入力点であり、FETQ3およびFETQ5のドレインである点Bに接続されている。
(3−2)第3の実施形態の回路動作
<電源出力動作:正常時および低下時>
入力交流電圧Vinの正常時には、整流波形生成部23の生成する電圧は、基準電圧生成部24の生成する基準電圧より大きい。前者を100%とすると後者は90〜95%に設定される。この場合、制御部20はPWMゲート駆動部25から制御電圧を出力しないため、電源出力/電力回生部15のFETQ7は駆動されず、UPS電圧Vupsは生成されない。ただし、PWMゲート駆動部25は、制御電圧を出力はしないが直ちに出力できる状態で内部の自励発振器(平均波形生成手段の出力信号に基づき発振)により常時、制御電圧を生成している。
なお、別の実施形態として、FETQ7を正常時にもPWM駆動しUPS電圧Vupsを常時出力するようにしてもよい。この場合、FET駆動による消費電力は大きくなるが、低下時および停電時に、より迅速に対応できる。
このように、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧より大きい場合、端子2における入力交流電圧Vinの正サイクル時に端子2→FETQ1→ダイオードD1→端子3→負荷→端子4の経路で電流が流れ、負サイクル時に端子4→負荷→端子3→FETQ2→ダイオードD2→端子2の経路で電流が流れ、端子3と端子4の間の負荷に電力供給される。
次に、入力交流電圧Vinが正常値から低下し、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧生成部24の生成する基準電圧より小さくなると、制御部20は直ちにPWM駆動部25から制御電圧を出力し、電源出力/電力回生部15のFETQ7を駆動してUPS電圧Vupsを生成する。ただし、この時点では、整流波形生成部23の生成する電圧は、「停電」と判断される所定値までは低下していないとする。この入力交流電圧Vin低下時のUPS電圧Vupsは、平均波形生成部21の出力信号を基にPWM駆動されて生成され、入力交流電圧Vinの平均波形に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧である。
FETQ7のPWM駆動において、FETQ7がオンされると、ダイオードD7のカソードとチョークコイルLの一端との接続点に直流電圧DCV1が印加されるが、ダイオードD7は逆方向であるので導通せず、チョークコイルLを通して点Bへ向かう電流が流れる。FETQ7がオフされると、チョークコイルLには電流を流し続けようとする逆起電力が生じるためダイオードD7が順方向となり導通し、チョークコイルLを通して点Bへ向かう電流が流れる。そして、UPS電圧Vupsが上記の全波整流波形電圧となるようにPWM駆動する。
UPS電圧Vupsによる電流は、チョークコイル→FETQ3(またはFETQ5)→端子3(または端子4)→負荷→端子4(または端子3)→FETQ4(またはFETQ6)の経路で流れ、端子3と端子4の間の負荷に供給される。
整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧生成部24の生成する基準電圧より小さくなると、直ちに電流路が切り替わってUPS電圧Vupsが負荷へ出力される。逆に、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧生成部24の生成する基準電圧より大きくなると、再び入力交流電圧Vinが負荷へ出力される。こうして、電流路の移行が無瞬断で行われるため、従来のような電流路の切り替え手段は不要である。
<電源出力動作:停電時>
入力交流電圧Vinがさらに低下することに対応して、整流波形生成部23の生成する電圧が、「停電」と判断される所定値より低下すると、制御部20はこれを停電時と判断する。停電時には、FET駆動制御部26がFETQ1およびFETQ2をいずれもオフとするように制御することが好ましい。また、停電時には、平均波形生成部21に替わり正弦波発振部22が、入力交流電圧Vinに位相同期して固定された周波数で正弦波を発振し、出力信号を出力する。停電時には、PWMゲート駆動部25は、正弦波発振部22の出力信号を用いてPWM制御電圧を生成および出力し、基準電圧生成部24もまた正弦波発振部22の出力信号を用いて基準電圧を生成し、そしてFET駆動制御部26もまた正弦波発振部22の出力信号を用いてFETQ3〜Q6のオンオフ制御電圧を生成および出力する。
なお、停電時であると判断された後は、電源出力/電力回生部15がUPS電圧Vupsを正常時の入力交流電圧と同じ電圧(通常100V)で生成出力するように、PWM駆動することが好ましい。
<電力回生動作:正常時>
まず、交流入力電圧Vinの正常時の電力回生動作について説明する。
制御部20は、点Bの電位を常時取得している。点Bの電位は、FETQ3およびFETQ5のドレインの電位と、電源出力/電力回生部15の出力点の電位の共通電位である。制御部20は、点Bの電位の比率R倍の電位(第1電位)と、参照電位である整流波形生成部23の生成する電位(第2電位)とを比較する。
誘導性/容量性負荷が接続されていないときは、第1電位と第2電位は同電位である。この場合、PWMゲート駆動部25は、FETQ8のゲート制御電圧を出力せず、よって電力回生も行われない。
誘導性/容量性負荷が接続されたときは、点Bの電位が上昇するため第1電位も上昇する。第1電位が第2電位より大きい場合、その差分の大きさに基づいてPWMゲート駆動部25がFETQ8のゲート制御電圧を出力してFETQ8をPWM駆動する。
FETQ8のPWM駆動において、FETQ8がオンされると、ダイオードD8のアノードとチョークコイルLの一端との接続点が接地点に短絡され、このときチョークコイルの他端には点Bの電位上昇による電位が印加されるため、チョークコイルLに電流が流れて電力が蓄積される。FETQ8がオフされると、チョークコイルLには電流を流し続けようとする逆起電力が生じるためダイオードD8が順方向となり導通し、直流電源側へ向かう電流が流れる。この場合は、PWM駆動において特定の波形とするように制御する必要はない。
この電力回生動作においては、第1電位と第2電位とが均等となるように負帰還制御されるため、点Bの電位Vbの実質的な上昇は抑制される。
<電力回生動作:停電時>
次に、交流入力電圧Vinの停電時の場合の動作を説明する。交流入力電圧Vinの停電時には、点Bの電位の比率R倍の電位(第1電位)と比較する参照電位として、基準電位生成部24の生成する基準電圧(第3電位)を用いる。交流入力電圧Vinの停電時には、整流波形生成部23の生成する電位(第2電位)を参照電位とできないためである。
端子3と端子4にUPS電圧Vupsが供給されているときも、誘導性/容量性負荷が接続されていないときは第1電位と第3電位が同電位である。この場合、PWMゲート駆動部25は、FETQ8のゲート制御電圧を出力せず、よって電力回生も行われない。
誘導性/容量性負荷が接続されたときは、点Bの電位が上昇するため第1電位も上昇する。第1電位が第3電位より大きい場合、その差分の大きさに基づいてPWMゲート駆動部25がFETQ8のゲート制御電圧を出力してFETQ8をPWM駆動する。これにより、上述のように電力回生が行われる。
図3の回路のように、誘導性/容量性負荷が接続されたときに電力回生を行う実施形態では、誘導性/容量性負荷が大きい場合にも対応可能である。
<FETQ7とFETQ8の同時駆動について>
上記のような動作をする場合、電源出力/電力回生部15においてFETQ7とFETQ8が同時に駆動される可能性もある。FETQ7とFETQ8が同時にオンすると、直流電源電圧DCV1が短絡されてしまうため、FETQ7とFETQ8とを同時に駆動する場合は、互いのオンオフを排他的とする。
<その他の動作>
回生電力が大きい場合は、非常に大きな誘導性負荷が接続された可能性があるため、FETQ7によるスイッチングを停止してUPS電圧Vupsを生成させないようにする。
回生電力が直流電源であるバッテリー等の容量を超過して発生する場合は、これを積極的に消費するために、UPS電圧Vupsが入力交流電圧Vinより大きくなるように制御する。そして、入力交流電圧Vinが正常であってもUPS電圧Vupsを優先的に負荷に供給する。
(4)無停電電源装置の第4の実施形態
(4−1)第4の実施形態の回路構成
図4は、本発明による無停電電源装置の第4の実施形態の構成例を示す回路図である。第4の実施形態において、前述の第3の実施形態と共通する構成は、端子2と端子3の間の交流電流路上にFETQ1、ダイオードD1、FETQ2およびダイオードD2を設けており、これらにより入力交流電源側への逆潮流を阻止している点である。さらに、電源出力/電力回生部15の出力するUPS電圧Vupsを端子3と端子4の間に供給するためのFETQ3〜Q6を設け、FETQ1またはFETQ2と同期してオンオフ制御する点も共通する。また、制御部20の構成および動作についても共通する。
第4の実施形態もまた、第3の実施形態と同様に、UPS電圧Vupsを生成および出力する電源出力手段としての機能と、負荷側の電力を直流電源側に回生する電力回生手段としての機能とを有している。しかしながら、第4の実施形態は、電源出力/電力回生部15が、第3の実施形態とは異なる構成となっている。
電源出力/電力回生部15はトランスT1を有する。トランスT1は、電源出力手段であるDC/DCコンバータ15aと、電力回生手段15bの双方の機能に兼用されている。図4の回路では、トランスT1として一次コイルL1と二次コイルL2とが逆極性となるフライバック型トランスを用いている。
電源出力/電力回生部15のDC/DCコンバータ15aでは、直流電源からの直流電圧DCV1が入力される。入力直流電圧DCV1の正極側はトランスT1の一次コイルL1の巻き始め端子(黒点で示す)に接続され、入力直流電圧DCV1の負極側は、第10スイッチング素子であるFETQ10のソースに接続されている。FETQ10のドレインは一次コイルL1の巻き終わり端子に接続されている。FETQ10のゲートは、制御部20から出力されるPWM制御電圧を印加可能に接続されている。また、ダイオードD10はFETQ10に並列に接続されカソードがドレインに、アノードがソースに接続されている。
FETQ10が、上記のようなPWM制御電圧により駆動されて一次コイルL1に印加される直流電圧DCV1をスイッチングすることにより、二次コイルL2から全波整流波形であるUPS電圧Vupsが生成される。
電源出力/電力回生部15の電力回生手段15bでは、誘導性/容量性負荷の接続により負荷電圧が上昇し、点Bの電位が上昇すると、この電位がトランスT1の二次コイルL2に印加される。二次コイルL2の巻き始め端子(黒点で示す)は、第11スイッチング素子であるFETQ11のドレインに接続され、二次コイルL2の巻き終わり端子は、点BすなわちFETQ3およびFETQ5のドレインに接続されている。FETQ11のソースは、接地点に接続されている。FETQ11のゲートは、制御部20から出力されるPWM制御電圧を印加可能に接続されている。また、ダイオードD11はFETQ11に並列に接続されカソードがドレインに、アノードがソースに接続されている。
FETQ11が、PWM制御電圧により駆動され、負荷電圧上昇により二次コイルL2に印加された電圧をスイッチングすることにより、一次コイルL1に回生電圧が生成する。この場合の一次コイルL1に生じる電圧波形は任意でよい。
(4−2)第4の実施形態の回路動作
<電源出力動作:正常時および低下時>
入力交流電圧Vinの正常時には、整流波形生成部23の生成する電圧は、基準電圧生成部24の生成する基準電圧より大きい。前者を100%とすると後者は90〜95%に設定される。この場合、制御部20はPWMゲート駆動部25から制御電圧を出力しないため、電源出力/電力回生部15のFETQ10は駆動されず、UPS電圧Vupsは生成されない。ただし、PWMゲート駆動部25は、制御電圧を出力はしないが直ちに出力できる状態で内部の自励発振器(平均波形生成手段の出力信号に基づき発振)により常時、制御電圧を生成している。
なお、別の実施形態として、FETQ10を正常時にもPWM駆動しUPS電圧Vupsを常時出力するようにしてもよい。この場合、FET駆動による消費電力は大きくなるが、低下時および停電時に、より迅速に対応できる。
このように、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧より大きい場合、端子2における入力交流電圧Vinの正サイクル時に端子2→FETQ1→ダイオードD1→端子3→負荷→端子4の経路で電流が流れ、負サイクル時に端子4→負荷→端子3→FETQ2→ダイオードD2→端子2の経路で電流が流れ、端子3と端子4の間の負荷に電力供給される。
次に、入力交流電圧Vinが正常値から低下し、整流波形生成部23の生成する電圧が基準電圧生成部24の生成する基準電圧より小さくなると、制御部20は直ちにPWM駆動部25から制御電圧を出力し、電源出力/電力回生部15のFETQ10を駆動してUPS電圧Vupsを生成する。入力交流電圧Vin低下時のUPS電圧Vupsは、平均波形生成部21の出力信号を基にPWM駆動されて生成され、入力交流電圧Vinの平均波形に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧である。
FETQ10のPWM駆動により、一次コイルL1に印加される入力直流電圧DCV1がスイッチングされる。図4の回路では、トランスT1はフライバック動作を行う。FETQ10のPWM駆動によるトランスT1のフライバック動作では、FETQ10がオンすると一次コイルL1に電流が流れることにより二次コイルL2に起電力が生じるが、ダイオードD11が逆方向となるため二次コイルL2に電流は流れず電力が蓄積される。FETQ10がオフとなると、ダイオードD11の順方向に、二次コイルL2に電流が流れ、負荷に供給される。
<電源出力動作:停電時>
入力交流電圧Vinがさらに低下することに対応して、整流波形生成部23の生成する電圧が、「停電」と判断される所定値より低下すると、制御部20はこれを停電時と判断する。停電時には、FET駆動制御部26がFETQ1およびFETQ2をいずれもオフとするように制御することが好ましい。また、停電時には、平均波形生成部21に替わり正弦波発振部22が、入力交流電圧Vinに位相同期して固定された周波数で正弦波を発振し、出力信号を出力する。停電時には、PWMゲート駆動部25は、正弦波発振部22の出力信号を用いてPWM制御電圧を生成および出力し、基準電圧生成部24もまた正弦波発振部22の出力信号を用いて基準電圧を生成し、そしてFET駆動制御部26もまた正弦波発振部22の出力信号を用いてFETQ3〜Q6のオンオフ制御電圧を生成および出力する。
なお、停電時であると判断された後は、電源出力/電力回生部15がUPS電圧Vupsを正常時の入力交流電圧と同じ電圧(通常100V)で生成出力するように、PWM駆動することが好ましい。
<電力回生動作:正常時>
まず、交流入力電圧Vinの正常時の電力回生動作について説明する。
制御部20は、点Bの電位を常時取得している。点Bの電位は、FETQ3およびFETQ5のドレインの電位と、電源出力/電力回生部15の出力点の電位の共通電位である。制御部20は、点Bの電位の比率R倍の電位(第1電位)と、参照電位である整流波形生成部23の生成する電位(第2電位)とを比較する。
誘導性/容量性負荷が接続されていないときは、第1電位と第2電位は同電位である。この場合、PWMゲート駆動部25は、FETQ11のゲート制御電圧を出力せず、よって電力回生も行われない。
誘導性/容量性負荷が接続されたときは、負荷電圧上昇により点Bの電位が上昇するため第1電位も上昇する。第1電位が第2電位より大きい場合、その差分の大きさに基づいてPWMゲート駆動部25がFETQ11のゲート制御電圧を出力してFETQ11をPWM駆動する。
FETQ11のPWM駆動により、負荷電圧の上昇により二次コイルL2に印加される電圧がスイッチングされる。図4の回路では、トランスT1はフライバック動作を行う。FETQ11のPWM駆動によるトランスT1のフライバック動作では、FETQ11がオンすると二次コイルL2に電流if1が流れることにより一次コイルL1に起電力が生じるが、ダイオードD10が逆方向となるため一次コイルL1に電流は流れず電力が蓄積される。FETQ11がオフとなると、ダイオードD10の順方向に、一次コイルL1に電流if2が流れ、直流電源に回生される。
この電力回生動作においては、第1電位と第2電位とが均等となるように負帰還制御されるため、点Bの電位Vbの実質的な上昇は抑制される。
<電力回生動作:停電時>
次に、交流入力電圧Vinの停電時の場合の動作を説明する。交流入力電圧Vinの停電時には、点Bの電位の比率R倍の電位(第1電位)と比較する参照電位として、基準電位生成部24の生成する基準電圧(第3電位)を用いる。停電時には、整流波形生成部23の生成する電位(第2電位)を参照電位とできないためである。
端子3と端子4にUPS電圧Vupsが供給されているときも、誘導性/容量性負荷が接続されていないときは第1電位と第3電位が同電位である。この場合、PWMゲート駆動部25は、FETQ11のゲート制御電圧を出力せず、よって電力回生も行われない。
誘導性/容量性負荷が接続されたときは、点Bの電位が上昇するため第1電位も上昇する。第1電位が第3電位より大きい場合、その差分の大きさに基づいてPWMゲート駆動部25がFETQ11のゲート制御電圧を出力してFETQ11をPWM駆動する。これにより、上述のように電力回生が行われる。
<FETQ10とFETQ11の同時駆動について>
上記のような動作をする場合、電源出力/電力回生部15においてFETQ10とFETQ11が同時に駆動される可能性もある。FETQ10とFETQ11が同時にオンすると、トランスT1の一次コイルL1から二次コイルL2への電力の送出と、二次コイルL2から一次コイルL1への電力の送出とが同時に発生してしまう。この状況自体は回路動作上問題を生じないが、互いの電力が相殺されて無意味となる。従って、FETQ10とFETQ11を同時に駆動する場合は、互いのオンオフを排他的とすることが好適である。
<その他の動作>
回生電力が大きい場合は、非常に大きな誘導性負荷が接続された可能性があるため、FETQ10によるスイッチングを停止してUPS電圧Vupsを生成させないようにする。
回生電力が直流電源であるバッテリー等の容量を超過して発生する場合は、これを積極的に消費するために、UPS電圧Vupsが入力交流電圧Vinより大きくなるように制御する。そして、入力交流電圧Vinが正常であってもUPS電圧Vupsを優先的に負荷に供給する。
(5)無停電電源装置の第5の実施形態
(5−1)第5の実施形態の回路構成
図5は、本発明による無停電電源装置の第5の実施形態の構成例を示す回路図である。第5の実施形態において、前述の第4の実施形態と共通する構成は、端子2と端子3の間の交流電流路上にFETQ1、ダイオードD1、FETQ2およびダイオードD2を設けており、これらにより入力交流電源側への逆潮流を阻止している点である。さらに、電源出力/電力回生部15の出力するUPS電圧Vupsを端子3と端子4の間に供給するためのFETQ3〜Q6を設け、FETQ1またはFETQ2と同期してオンオフ制御する点も共通する。また、制御部20の構成および動作についても共通する。
第5の実施形態では、第4の実施形態と同様に、トランスを用いた電源出力/電力回生部15が、UPS電圧Vupsを生成および出力する電源出力手段であるDC/DCコンバータ15aとしての機能と、負荷側の電力を直流電源側に回生する電力回生手段15bとしての機能とを有するが、トランスとして一次コイルL1と二次コイルL2とが同極性であるフォワード型トランスT2を用いた点において相違する。
この第5の実施形態における電源出力/電力回生部15は、双方向電力転送回路として好適な形態である。
トランスT2の一次コイルL1と二次コイルL2にはそれぞれ、ダイオードD、抵抗RおよびコンデンサCからなるスナバ回路を備えている。各スナバ回路は、FETQ10またはFETQ11のオフ時に生じるスパイク電圧を吸収させるために設けている。
入力直流電圧DCV1の入力端子の正極側はトランスT2の一次コイルL1の巻き始め端子(黒点で示す)に接続され、負極側は、FETQ10のソースに接続されている。FETQ10のドレインは一次コイルL1の巻き終わり端子に接続されている。FETQ10のゲートは、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD10はFETQ10に並列に接続されカソードがドレインに、アノードがソースに接続されている。
トランスT2の二次コイルL2の巻き始め端子(黒点で示す)は、点Bすなわち交流スイッチを構成するFETQ3およびFETQ5のドレインに接続され、二次コイルL2の巻き終わり端子は、FETQ11のドレインに接続されている。FETQ11のソースは、接地点に接続されている。FETQ11のゲートは、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD11はFETQ11に並列に接続されカソードがドレインに、アノードがソースに接続されている。
(5−2)第5の実施形態の回路動作
図5に示す第5の実施形態では、電源出力/電力回生部15のトランスT2がフォワード動作を行う点が、前述の第4の実施形態と相違する。
電源出力動作すなわちDC/DCコンバータ15aとしてのトランスT2のフォワード動作では、PWM駆動においてFETQ10がオンすると、一次コイルL1に電圧印加されることにより二次コイルL2に起電力が生じる。これにより、ダイオードD11の順方向に二次コイルL2に電流が流れる。FETQ10がオフとなると、二次コイルL2に生じる逆起電力に対しダイオードD11が逆方向になるため電流は流れない。
電力回生手段15bとしてのトランスT2のフォワード動作では、PWM駆動においてFETQ11がオンすると二次コイルL2に電流if1が流れることにより一次コイルL1に起電力が生じる。これにより、ダイオードD10の順方向に一次コイルL1に電流if2が流れる。FETQ11がオフとなると、一次コイルL1に生じる逆起電力に対しダイオードD10が逆方向になるため電流は流れない。
(5−3)フォワード型のトランスT2の実施例
図6A〜図6Dは、図5に示した無停電電源回路の第5の実施形態におけるフォワード型のトランスT2の好適な実施例をそれぞれ示す模式的な断面図である。
従来のフォワード型トランスは、一般的に、二次コイル側に直列ダイオード、フライホイールダイオードおよびチョークコイルが接続されている。ところが二次コイル側にチョークコイルが存在すると、図5の電力回生手段15bの動作においては二次コイルから一次コイルに回生電力を送ることができない。本発明では、トランスT2の一次コイルL1と二次コイルL2との間で双方向の対称的動作を可能とする必要がある。
そこで、本発明に用いるフォワード型トランスT2では、チョークコイルを取り除くことにより、一次コイルL1と二次コイルL2との間で双方向に電力授受を可能としている。しかしながら、チョークコイルを取り除いた場合、従来の一般的な密結合のトランスを用いると、一次コイルL1に直流電圧が印加されたとき二次コイルL2に激しいピーク電流が流れ制御不能となる。逆の場合も同様である。よって、本発明のUPS電圧/回生電圧生成部15におけるフォワード型のトランスT2としては、図6A〜図6Dに例示する疎結合のトランスを用いることが好適である。
<疎結合トランスの実施例1>
図6Aに示すトランスT2のコアは、対向する上下一対のヨーク41a、41bと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚42と、両ヨークの対向する第1端部同士及び第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚43a、43bとから構成され、さらに両ヨーク間の中間位置にて外側脚43a、43bに磁気ギャップ44a、44bをそれぞれ設けている。中央脚42と各外側脚43a、43bとはそれぞれ窓空間45a、45bにより隔てられている。
尚、外側脚43a、43bに磁気ギャップ44a、44bを設けたのは、磁気抵抗を大きくして磁気飽和を防止するために好適だからであり、必要に応じて設けても設けなくともよい。
一次コイルL1は中央脚42に巻装されている。一次コイルL1の巻き始め端子は、図6Aの直流入力電圧DCV1の正極側に接続される。一次コイルL1の巻き終わり端子は、図5の回路のFETQ10のドレインに接続される。二次コイルL2は、第1の二次コイルL2aと第2の二次コイルL2bに分割されて双方の外側脚43a、43bにそれぞれ巻装されている。第1の二次コイルL2aの巻き終わりと第2の二次コイルL2bの巻き始めは接続される。第1の二次コイルL2aの巻き始め端子は、図5の回路の点Bに接続される。第2の二次コイルL2bの巻き終わり端子は、図5の回路のFETQ11のドレインに接続される。
一次コイルL1と二次コイルL2a、L2bとは、窓空間45a、45b内においてそれぞれ離隔して(当然であるが、コイルを巻装した厚み分は減じられる)巻装されており、これにより疎のトランス結合が実現される。以下、第1及び第2の二次コイルL2a、L2bはまとめて「二次コイルL2」と称する。
図6Aにおいて、トランスT2の内部に示した各矢印は、各コイルの磁気回路に生じる磁束の向きを概略的に示している。「φ1」は一次コイルL1の磁気回路に生じる磁束であり、「φ1a」はφ1のうち二次コイルL2の磁気回路に流れ込む磁束であり、「φ1b」はφ1のうち二次コイルL2の磁気回路に流れ込まずに漏れる磁束であり、「φ2」はφ1aに抗して二次コイルL2の磁気回路に生じる磁束である。
図6Aを参照しつつ、磁気回路と電気回路との関係を含めてトランスT2の動作を説明する。なお、トランスT2は、DC/DCコンバータ15aと電力回生部15bのいずれとしても動作することができるが、それぞれの場合の動作は、一次コイルL1側と二次コイルL2側を逆にした対称的な動作であるから、DC/DCコンバータ15aの場合を例に説明する。
PWM駆動におけるFETQ10のオン期間の動作は、次の通りである。一次コイルL1に入力直流電圧DCV1が印加されて電流iz1が流れると、中心磁極磁気回路に磁束φ1が発生する。電流iz1は、図6AのトランスT2の底面からみて一次コイルL1を時計回りに流れる。
磁束φ1の一部である磁束φ1aが、両脚磁気回路へ流れ込むことにより、二次コイルL2には相互誘導により磁束φ1aに抗する起磁力による磁束φ2が生じる。二次コイルL2の電流iz2は、この磁束φ2を生じさせる方向に流れる。よって、電流iz2は、トランスT2の底面からみて二次コイルL2を時計回りに流れ、点Bへ出力される。
トランスT2では、中心磁極磁気回路に生じた磁束φ1の一部である磁束φ1b(図6Aの二点破線)が、一次コイルL1と二次コイルL2の間の空隙である漏洩磁気回路を通ることにより、両脚磁気回路を通る磁束φ1aは少なくなっている。漏洩磁気回路は磁束φ1の迂回路である。このように、トランスT2は疎結合のトランスとなっている。
入力直流電圧DCV1が一次コイルL1に印加されると中心磁極磁気回路の磁束密度は急速に増加する。このとき、両脚磁気回路の磁束密度も中心磁極磁気回路の磁束φ1の影響により増加するが、この増加は中心磁極磁気回路のそれよりも少ない。これは、次のように説明される。
中心磁極磁気回路に生じた磁束φ1は、本来、二次コイルL2が巻装された両脚磁気回路を通り難く、従来の密結合のトランスではこの通り難い磁束をできるだけ漏れなく通すことを理想としている。これに対し、疎結合のトランスT2では中心磁極磁気回路に生じた磁束φ1の一部φ1bを積極的に漏洩磁気回路へ迂回させることにより、二次コイルL2と鎖交する磁束φ1aを減少させている。そして、漏洩磁気回路に迂回させられる磁束φ1bは、そのエネルギー損失がほとんどないことから中心磁極磁気回路の磁束密度の増加を促進することに寄与する。一方、鎖交する磁束φ1aが相対的に減少した両脚磁気回路の磁束密度の増加は低く抑えられることとなる。この結果、中心磁極磁気回路と両脚磁気回路の磁束密度に差を生じる。
このトランスT2においては、漏洩磁気回路へ迂回させられる磁束φ1bによって一次コイルL1に電力損は生じない。これは、例えば、従来のトランスにおいて一次コイルに電流を流し二次コイルを開放してオープン状態としたときに一次コイルに電力損を生じないことに相当する。
尚、両脚磁気回路の磁束密度の増加自体は少ないが、これに抗して生じる起磁力φ2の変化率は二次コイルL2に瞬時に電流を流すために十分な大きさであるので、十分な電流iz2が流れる。
こうしてオン期間の終了時点では、中心磁極磁気回路に大量の磁束が蓄積されて磁束密度が最大となる一方、両脚磁気回路の磁束密度は相対的に低く、両者の磁束密度は不均衡状態となっている。
次に、PWM駆動においてFETQ10がオフとなると、一次コイルL1に流れる電流iz1は遮断され、磁束φ1は瞬時に消失する。よって、二次コイルL2の磁束φ1aも瞬時に消失する。このとき、二次コイルL2には逆起電力が生じるが、ダイオードD11が逆方向となるため電流は流れない。
<疎結合トランスの実施例2>
図6Bは、トランスT2の第2の実施例を模式的に示す断面図である。図6Aの構成との相違点は、二次コイルL2が片側の外側脚43bにのみ巻装されている点である。
図6BのトランスT2では、二次コイルL2を巻装された外側脚43bには、一次コイルL1に生じた磁束φ1が通り難く、巻装されていない外側脚43aには通り易い。この結果、二次コイルL2から必要な大きさの出力電流が得られない虞がある。そこで、二次コイルL2から十分な出力電流を得るためには、巻装されない外側脚43aの磁気ギャップ44aを広くするか、あるいは巻装された外側脚43bに図示のように磁気ギャップを設けないことが有効である。巻装されていない外側脚43aは、一次コイルL1と二次コイルL2の間の空隙と同様に、磁束の迂回路となる漏洩磁気回路として働く。このように、片側のみに二次コイルL2を巻装することは、製造コストを低減できる利点がある。
<疎結合トランスの実施例3>
図6Cは、トランスT2の第3の実施例を模式的に示す断面図である。図6Aの構成との相違点は、二次コイルL2が一次コイルL1と同心状に巻装される点である。図6Cはその一例であり、二次コイルL2が両外側脚43a、43bの内壁に密着して巻装されているがこれに限定されず、両外側脚43a、43bの内側であれば両外側脚から離れていてもよい。本発明のトランスT2では二次コイルL2を一次コイルL1に密着させないで、一次コイルL1と二次コイルL2を離隔して巻装し、この離隔空隙に漏洩磁気回路を形成させることが特徴である。よって、二次コイルL2を両外側脚43a、43bの内壁に密着して巻装する必要はない。
図6CのトランスT2では、二次コイルL2が一次コイルL1と同心状に巻装されている。一次コイルL1に生じた磁束φ1aに抗する起磁力φ2が外側脚43a、43bの磁気回路に生じ、これに対応する電流iz2が二次コイルL2に流れる。この場合、図6CのトランスT2の底面からみて、電流iz1は一次コイルL1を時計回りに流れ、電流iz2は二次コイルL2を反時計回りに流れる。但し、結線は同じであるので電気回路の動作は同じである。すなわち、図6AにおけるトランスT2の二次コイルL2に流れる電流iz2と、図6CにおけるトランスT2の二次コイルL2に流れる電流iz2の向きは反対であるが、両者の外側脚の磁気回路に生じる起磁力φ2の向きと二次コイルL2に流れる電流方向の関係は同一である。また上記と同様に、一次コイルL1による磁束φ1の一部φ1bが、一次コイルL1と二次コイルL2の間の空隙を漏洩磁気回路として漏れる。
<疎結合トランスの実施例4>
図6Dは、トランスT2の第4の実施例を模式的に示す断面図である。図6Aの構成との相違点は、二次コイルL2が、一次コイルL1の外側に配置された一対の磁性体片46a、46bを介して一次コイルL1と同心状に巻装されている点である。磁性体片46a、46bはトランスT2の底面側から見てそれぞれ円弧状断面を有する。
図6DのトランスT2では、二次コイルL2が一次コイルL1と同心状に巻装されている。一次コイルL1に生じた磁束φ1aに抗する起磁力φ2が外側脚43a、43bの磁気回路に生じ、これに対応する電流が二次コイルL2に流れる。この場合、図6DのトランスT2の底面からみて、電流iz1は一次コイルL1を時計回りに流れ、電流iz2は二次コイルL2を反時計回りに流れる。但し、結線は同じであるので電気回路の動作は同じである。すなわち、図6AにおけるトランスT2の二次コイルL2に流れる電流iz2と、図6DにおけるトランスT2の二次コイルL2に流れる電流iz2の向きは反対であるが、両者の外側脚の磁気回路に生じる起磁力φ2の向きと二次コイルL2に流れる電流方向の関係は同一である。また、一次コイルL1による磁束φ1の一部φ1bが双方の磁性体片46a、46bを通り漏れる。この場合、双方の磁性体片46a、46bが漏洩磁気回路として作用する。
以上のように、図5に示した無停電電源回路で用いるフォワード型のトランスT2は、一次コイルL1と二次コイルL2との間に漏洩磁気回路を形成するように、空隙または磁性体片を介して両コイルが巻装されている。そして、漏洩磁束の量をどの程度にするかによって、一次コイルL1と二次コイルL2を離隔する距離および磁性体片の性状を決定する。このように疎結合とする点においてトランスT2は、従来のトランスが一次コイルと二次コイルの結合率を限りなく100%(結合度=1)になるように一次コイルと二次コイルを密着して巻装する点と大きく相違する。
(6)無停電電源装置の第6の実施形態
(6−1)第6の実施形態の回路構成
図7(a)は、本発明による無停電電源装置の第6の実施形態の構成例を示す回路図である。図7(b)は、(a)の電源出力/電力回生部15における電力回生時の電流の流れを示す部分回路図である。第6の実施形態において、前述の第5の実施形態と共通する構成は、端子2と端子3の間の交流電流路上にFETQ1、ダイオードD1、FETQ2およびダイオードD2を設けており、これらにより入力交流電源側への逆潮流を阻止している点である。さらに、電源出力/電力回生部15の出力するUPS電圧Vupsを端子3と端子4の間に供給するためのFETQ3〜Q6を設け、FETQ1またはFETQ2と同期してオンオフ制御する点も共通する。また、制御部20の構成および動作についても共通する。
さらに、第6の実施形態では、第5の実施形態と同様に、トランスを用いた電源出力/電力回生部15がUPS電圧Vupsを生成および出力する電源出力手段であるDC/DCコンバータとしての機能と、負荷側の電力を直流電源側に回生する電力回生手段としての機能とを有し、トランスとして一次コイルL1と二次コイルL2とが同極性であるフォワード型トランスT2を用いた点において共通する。フォワード型トランスT2としては、図6A〜図6Dに示した疎結合トランスを用いることが好適である。
この第6の実施形態における電源出力/電力回生部15もまた、双方向電力転送回路として好適な形態である。
トランスT2の一次コイルL1と並列にダイオードD12が接続されており、カソードが巻き始め端子(黒点で示す)に、アノードが巻き終わり端子に接続されている。そして、二次コイルL2と並列にダイオードD13が接続されており、カソードが巻き始め端子に、アノードが巻き終わり端子に接続されている。
入力直流電圧DCV1の入力端子の正極側はトランスT2の一次コイルL1の巻き始め端子に接続され、負極側は、第10スイッチング素子であるFETQ10のソースに接続されている。FETQ10のドレインは一次コイルL1の巻き終わり端子に接続されている。FETQ10のゲートは、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD10はFETQ10と並列に接続されており、カソードがドレインに、アノードがソースに接続されている。
トランスT2の二次コイルL2の巻き始め端子は、点Bすなわち交流スイッチを構成するFETQ3およびFETQ5のドレインに接続され、二次コイルL2の巻き終わり端子は、第11スイッチング素子であるFETQ11のドレインに接続されている。FETQ11のソースは、接地点に接続されている。FETQ11のゲートは、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD11はFETQ11と並列に接続されており、カソードがドレインに、アノードがソースに接続されている。
(6−2)第6の実施形態の回路動作
図7(a)(b)に示す第6の実施形態では、電源出力/電力回生部15におけるトランスT2の動作が、前述の第5の実施形態と相違する。
再び図6Aに示したトランスT2の実施例を参照しつつ、磁気回路と電気回路との関係を含め第6の実施形態におけるトランスT2の動作を説明する。なお、トランスT2は、DC/DCコンバータ(電源出力手段)と電力回生部のいずれとしても動作することができるが、それぞれの場合の動作は、一次コイルL1側と二次コイルL2側を逆にした対称的な動作となる。ただし、電圧値および電流値の具体的数値は異なっていてもよい。
<電源出力動作:FETQ10のオン期間>
まず、図7(a)を参照して電源出力手段としてのDC/DCコンバータの動作を説明する。
PWM駆動におけるFETQ10のオン期間の動作は、次の通りである。一次コイルL1に入力直流電圧DCV1が印加されて電流iz1(第1電流)が流れると、中心磁極磁気回路に磁束φ1が発生する。このとき、ダイオードD12およびダイオードD10は逆方向となるため電流は流れない。電流iz1は、一次コイルL1からFETQ10(ドレインからソース)へと流れる。
磁束φ1の一部である磁束φ1aが、両脚磁気回路へ流れ込むことにより、二次コイルL2(L2aとL2b)には相互誘導により磁束φ1aに抗する起磁力による磁束φ2が生じる。二次コイルL2の電流iz2(第2電流)は、この磁束φ2を生じさせる方向(巻き終わり端子から巻き始め端子)に流れ、点Bへ出力される。このとき電流iz2は、順方向となるダイオードD11を流れる(FETQ11はオフ)。ダイオードD11はFETQ11の寄生ダイオードよりも優先的な電流路となる。なお、ダイオードD13は逆方向となるため電流は流れない。
トランスT2では、中心磁極磁気回路に生じた磁束φ1の一部である磁束φ1b(図6Aの二点破線)が、一次コイルL1と二次コイルL2の間の空隙である漏洩磁気回路を通ることにより、両脚磁気回路を通る磁束φ1aは少なくなっている。漏洩磁気回路は磁束φ1の迂回路である。このように、トランスT2は疎結合のトランスとなっている。
入力直流電圧DCV1が一次コイルL1に印加されると中心磁極磁気回路の磁束密度は急速に増加する。このとき、両脚磁気回路の磁束密度も中心磁極磁気回路の磁束φ1の影響により増加するが、この増加は中心磁極磁気回路のそれよりも少ない。従って、オン期間の終了時点では、中心磁極磁気回路に大量の磁束が蓄積されて磁束密度が最大となる一方、両脚磁気回路の磁束密度は相対的に低く、両者の磁束密度は不均衡状態となっている。この詳細については、図6Aについて前述した通りである。
<電源出力動作:FETQ10のオフ期間>
PWM駆動においてFETQ10がオフとなると、入力直流電圧DCV1の一次コイルL1への印加が停止され、一次コイルL1には自己誘導に基づく逆起電力が発生する。このとき一次コイルL1は電源として働き、巻き始め端子が負電位、巻き終わり端子が正電位となる。よってダイオードD12は順方向となる。この結果、一次コイルL1→ダイオードD12→一次コイルL1、という閉回路に電流iz3(第3電流)が流れる。これは準短絡状態である。
一次コイルL1の磁気回路の磁束は、FETQ10がオフとなる時点で最大となっている。一次コイルL1に流れる電流iz3は、オン期間に一次コイルL1の磁気回路に蓄積された磁束を保持する(かしめる)働きがあり、磁束の減少を緩慢とする。つまり、オフ期間になった後、一次コイルL1の磁気回路の磁束は減少しつつも、一次コイルL1の磁気回路の方が二次コイルL2の磁気回路よりも相対的に磁束密度の高い状態がしばらく持続する。この両コイルの磁気回路の磁束密度の不均衡状態が持続する限り、一次コイルL1の磁気回路にかしめられた磁束により二次コイルL2の磁気回路を通過する磁束は増加を続け、これに抗する起磁力が二次コイルL2の磁気回路に生じる。
従って、FETQ10のオフ期間に二次コイルL2の磁気回路に生じる起磁力の方向はオン期間と同じである。よって二次コイルL2には、オン期間と同じ方向の起電力が生じ、オン期間と同方向の電流が流れる。すなわち、オフ期間においても一次コイルL1の磁気回路が磁束発生源となり二次コイルL2の磁気回路が磁束受領側となり、二次コイルL2の磁気回路は一次コイルL1の磁気回路の磁束を受け続け、しかもその増加率は正である。従って二次コイルL2は、オン期間と同じく巻き始め端子が正電位、巻き終わり端子が負電位となり、ダイオードD11は順方向となる(FETQ11はオフ)。この結果、電流iz4(第4電流)がダイオードD11から二次コイルL2を流れ、点Bへ出力される。
このように第6の実施形態では、電源出力動作において、FETQ10のオン期間およびオフ期間の双方において二次コイルL2に同方向(フォワード方向)に電流(すなわち第2電流および第4電流)が流れ、負荷に供給することができる。前述のようにこの出力波形は、PWM駆動により生成される全波整流波形である。
その後、FETQ10のオフ期間における時間経過と共に、磁束発生源である一次コイルL1の磁気回路の保持磁束量が減少し、磁束密度が低下していくと、二次コイルL2の磁気回路の磁束密度と均衡する点に達する。両コイルの磁気回路の磁束密度が均衡すると磁束の流れがなくなる。この磁束が均衡する近傍領域または少なくとも次のオン期間までの間に一次コイルL1を流れるiz3及び二次コイルL2を流れるiz4はゼロとなり、両コイルの磁束がゼロにリセットされる。なお、通常、二次コイルL2の磁気回路の磁束は一次コイルL1の磁気回路の磁束よりも早く急激にリセットされる。それにより二次コイルL2には逆起電力が発生するが、ダイオードD11が逆方向となるため逆方向電流は流れない。その後、次の周期のオン期間を迎える。
<電力回生動作>
次に、電力回生手段としてのトランスT2の動作は、上記の電源出力動作と対称的な動作となる。図7(b)を参照して概略説明すると、PWM駆動においてFETQ11がオンとなったとき二次コイルL2に電流if1(第5電流)が流れることにより一次コイルL1に起電力が生じる。これにより、順方向となるダイオードD10および一次コイルL1に回生電流if2(第6電流)が流れる(FETQ10はオフ)。
FETQ11がオンとなり二次コイルL2に電圧が印加されると両脚磁気回路の磁束は急激に増加する一方、漏洩磁気回路へ迂回する磁束があるために中心磁極磁気回路の磁束増加は両脚磁気回路の磁束増加より少ない。よって、FETQ11のオン期間の終了時点では、二次コイルL2の両脚磁気回路に大量の磁束が蓄積されて磁束密度が最大となる一方、一次コイルL1の中心磁極磁気回路の磁束密度は相対的に低く、両者の磁束密度は不均衡状態となっている。
FETQ11がオフとなると、二次コイルL2に生じる自己誘導による逆起電力によりダイオードD13と二次コイルL2の閉回路に電流if3(第7電流)が流れる。この電流if3によりトランスT2の両脚磁気回路に蓄積された磁束がかしめられ、中心磁極磁気回路の磁束は増加し続けるため、一次コイルL1にオン期間と同じ方向の起電力を生じ、同方向の回生電流if4(第8電流)が流れる(FETQ10はオフ)。
このように第6の実施形態では、電力回生動作においても、FETQ11のオン期間およびオフ期間の双方において一次コイルL1に同方向(フォワード方向)に電流(すなわち第6電流および第8電流)が流れ、入力直流電源側に回生することができる。
(7)無停電電源装置の第7の実施形態
(7−1)第7の実施形態の回路構成
図8(a)は、本発明による無停電電源装置の第7の実施形態の構成例を示す回路図である。図8(b)は、(a)の電源出力/電力回生部15における電力回生時の電流の流れを示す部分回路図である。第7の実施形態において、前述の第6の実施形態と共通する構成は、端子2と端子3の間の交流電流路上にFETQ1、ダイオードD1、FETQ2およびダイオードD2を設けており、これらにより入力交流電源側への逆潮流を阻止している点である。さらに、電源出力/電力回生部15の出力するUPS電圧Vupsを端子3と端子4の間に供給するためのFETQ3〜Q6を設け、FETQ1またはFETQ2と同期してオンオフ制御する点も共通する。また、制御部20の構成および動作についても共通する。
さらに、第7の実施形態では、第6の実施形態と同様に、トランスを用いた電源出力/電力回生部15がUPS電圧Vupsを生成および出力する電源出力手段であるDC/DCコンバータとしての機能と、負荷側の電力を直流電源側に回生する電力回生手段としての機能とを有する点で共通するが、トランスT3がフォワード動作とフライバック動作の双方を行うことができる4つのコイルを備えている点で相違する。
この第7の実施形態における電源出力/電力回生部15もまた、双方向電力転送回路として好適な形態である。
図8(a)(b)に示すトランスT3は4つのコイルを具備し、コイルP1(第1コイル)とコイルS1(第2コイル)は密に磁気結合され、コイルS2(第3コイル)とコイルP2(第4コイル)も密に磁気結合されている(なお括弧内に示した第1〜第4コイルの称呼は、特許請求の範囲における表現との対応を示すものであり、また後に説明する図9における第1〜第4コイルに対応する)。さらに、密結合したコイルP1(第1コイル)とコイルS1(第2コイル)とからなる第1コイル群と、密結合した二次コイルS2(第3コイル)とコイルP2(第4コイル)とからなる第2コイル群とは、疎に磁気結合されている。
つまり、図8の回路図において左右に位置するコイル同士は密結合であり上下に位置するコイル同士は疎結合である。そして、コイルP1(第1コイル)およびコイルS2(第3コイル)は、入力直流電源DCV1側に結線され、コイルS1(第2コイル)およびコイルP2(第4コイル)は負荷側に結線されている。
入力直流電圧DCV1の入力端子の正極側は、トランスT3のコイルP1の巻き始め端子(黒点で示す)とコイルS2の巻き終わり端子の接続点(後述する図9の第1の入出力点)に接続され、負極側は、第10スイッチング素子であるFETQ21のソースすなわち接地点に接続されている。FETQ21のドレインはコイルP1の巻き終わり端子に接続されている。FETQ21のゲートは、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD21はFETQ21に並列に接続され、カソードがFETQ21のドレインに、アノードがFETQ21のソース(接地点)に接続されている。さらに、ダイオードD23が、コイルS2に直列に接続され、カソードがコイルS2の巻き始め端子(黒点で示す)に、アノードは接地点に接続されている。
トランスT3のコイルS1の巻き終わり端子とコイルP2の巻き始め端子(黒点で示す)の接続点(後述する図9の第2の入出力点)は、点Bすなわち交流スイッチを構成するFETQ3およびFETQ5のドレインに接続され、コイルP2の巻き終わり端子は、第11スイッチング素子であるFETQ22のドレインに接続されている。FETQ22のソースは、接地点に接続されている。FETQ22のゲートは、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD22はFETQ22に並列に接続され、カソードがFETQ22のドレインに、アノードがFETQ22のソース(接地点)に接続されている。ダイオードD24のカソードは、コイルS1の巻き始め端子(黒点で示す)に接続され、アノードは接地点に接続されている。
図9は、図8(a)(b)の回路図におけるトランスT3の一実施例を示す模式的な断面図である。トランスT3は、対向する一対のヨーク47a、47bと、両ヨークの互いに対向する一方の端部同士および他方の端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚48a、48bとから構成されるロ字状のコアを有する。そして、密結合されるコイルP1(第1コイル)とコイルS1(第2コイル)が互いに絶縁状態で適宜積層され一方の外側脚48aに巻装されるとともに、密結合されるコイルS2(第3コイル)とコイルP2(第4コイル)が互いに絶縁状態で適宜積層され他方の外側脚48bに巻装されている。黒点は各コイルの巻き始め端子を示しており、第1および第2の入出力点は図示の通りである。なお、一方のヨーク47aの中央にギャップ49を設けることは、任意である。
このトランスT3では、外側脚48a、48bにそれぞれ磁気回路が形成される。そして、両外側脚の各々に巻装されたコイル同士は離隔しており、その間の空隙は磁束の迂回路となっている。これにより、両側のコイル同士は疎結合となる。例えば、コイルP1の第1の入出力点に電流が流れ込むときに生じる外側脚48a(磁束発生源)から外側脚48b(磁束受領側)へ向かう磁束φ1の一部φ1bが、磁束の迂回路である漏洩磁気回路すなわち空隙を通る。この状態が持続すると、外側脚48aにおける磁束密度の増加に比べて、外側脚48bにおける磁束密度の増加は低く抑えられ磁束密度の不均衡が生じる。
逆に、例えば、コイルP2の第2の入出力点に電流が流れ込むときに生じる外側脚48b(磁束発生源)から外側脚48a(磁束受領側)へ向かう磁束φ4の一部φ4bが、磁束の迂回路である空隙を通ることとなる。この状態が持続すると、外側脚48bにおける磁束密度の増加に比べて、外側脚48aの磁束密度の増加は低く抑えられやはり磁束密度の不均衡が生じる。これは、図6A〜図6Dに示した疎結合トランスT2の場合と同じ現象である。
なお、通常、磁束発生源のコイルの電流が遮断された時点でその磁気回路の磁束が瞬時に消失することにより、磁束受領側の磁気回路の磁束も瞬時に消失する。
これに対し、前述の第6の実施形態におけるような磁束のかしめ機構がある場合は、磁束発生源のコイルの電流が遮断されたとき、直ちに磁束をかしめるための電流が流れることで磁束発生源の磁束の減少が緩和される。従って、磁束発生源と磁束受領側との間の磁束密度の不均衡がある間は、磁束受領側の磁束密度の増加傾向は持続することとなる。
なお、密結合した2つのコイルの一方にフライバック電流が流れることによっても、他方のコイルの磁束をかしめる作用が得られる。例えば、コイルP1に電流が流れて磁束発生源となり、コイルP1の磁気回路の磁束密度が高く、磁束受領側のコイルP2の磁気回路の磁束密度が低い不均衡状態となったとき、コイルP1の電流が遮断されたとする。このとき、コイルP1と密結合されたコイルS1にフライバック電流が流れると、コイルP1の磁気回路の磁束はかしめられてその磁束密度の減少が緩和される。この結果、磁束受領側であるコイルP2の磁気回路の磁束も瞬時に消失することなく、磁束密度の不均衡がある間は磁束の増加傾向が持続する。
(7−2)第7の実施形態の回路動作
図8(a)(b)に示す第7の実施形態では、電源出力/電力回生部15のトランスT3が、DC/DCコンバータ(電源出力手段)と電力回生部のいずれとしても動作することができるが、それぞれの場合の動作は、対称的な動作となる。ただし、電圧値および電流値の具体的数値は異なっていてもよい。本実施形態では、DC/DCコンバータとして動作するときも、電力回生部として動作するときも、フォワード動作およびフライバック動作の双方を行う点が特徴である。
<電源出力動作:FETQ21のオン期間>
まず、図8(a)および図9を参照して電源出力手段としてのDC/DCコンバータの動作を説明する。
PWM駆動におけるFETQ21のオン期間の動作は、次の通りである。コイルP1の第1の入出力点に電流iz1(第1の入力電流)が流れ込むように入力直流電圧DCV1が印加されると、図9における外側脚48aの磁気回路に磁束φ1が発生する。電流iz1は、コイルP1からFETQ21(ドレインからソース)へと流れる。ダイオードD21は逆方向となるため電流は流れない。コイルS2は、ダイオードD23が逆方向となるため電流は流れない。
第7の実施形態では、図9のトランスT3における第1コイルがコイルP1であり、コイルP1に電流iz1が流れると磁束φ1が発生する。磁束φ1の一部φ1bは空隙を迂回するが、磁束φ1aが外側脚48bの磁気回路へ流れ込むことにより、コイルP2(第4コイル)には相互誘導により起磁力が生じる。図8に示すコイルP2の電流iz2(第1のフォワード電流)は、この起磁力を生じさせる方向(巻き終わり端子から巻き始め端子)に流れ、第2の入出力点から点Bに出力されて負荷へ供給される。コイルP1とコイルP2は疎結合であるので、激しい電流ピークは抑制される。
なお、FETQ21のオン期間にはFETQ22もオンとする制御が好適である。電流iz2は、オンとなっているFET22をソースからドレインへ流れる。あるいは、FETQ21のオン期間にFETQ22をオフとする制御でもよく、その場合、電流iz2はダイオードD22を流れる。前者の方が電力消費が少なく好ましい。
コイルP1と密結合されたコイルS1は、相互誘導により起電力を生じるが、その巻き始め端子が正電位、巻き終わり端子が負電位となるためダイオードD24が逆方向となって電流は流れない。
コイルP1と疎結合されたコイルS2にも、相互誘導により起電力を生じるが、その巻き始め端子が正電位、巻き終わり端子が負電位となるためダイオードD23が逆方向となって電流は流れない。
トランスT3では、コイルP1により外側脚48aの磁気回路に生じた磁束φ1の一部φ1bが、コイルP1とコイルP2の間の空隙である漏洩磁気回路を通ることにより、その分だけ外側脚48bの磁気回路を通る磁束φ1aが少なくなる。入力直流電圧DCV1がコイルP1に印加されると外側脚48aの磁気回路の磁束密度は急速に増加する。このとき、外側脚48bの磁気回路の磁束密度も、外側脚48aの磁気回路からの磁束φ1aの影響により増加するが、この増加は外側脚48aの磁気回路のそれよりも少ない。従って、オン期間の終了時点では、外側脚48aの磁気回路に大量の磁束が蓄積されて磁束密度が最大となる一方、外側脚48bの磁束密度は相対的に低く、コイルP1とコイルP2の磁束密度は不均衡状態となっている。
<電源出力動作:FETQ21のオフ期間>
PWM駆動においてFETQ21がオフとなると、コイルP1に流れる電流iz1は遮断され、コイルP1に逆起電力が生じるが、FETQ21がオフであり、ダイオードD21も逆方向となるのでコイルP1に電流は流れない。
一方、コイルP1と密結合のコイルS1には起電力が生じ、巻き終わり端子が正電位、巻き始め端子が負電位となる。これによりダイオードD24は順方向となり、電流iz4(第1のフライバック電流)が第2の入出力点から流れ出て、点Bに出力されて負荷へ供給される。
コイルS1に流れる第1のフライバック電流iz4は、密結合のコイルP1の磁気回路に蓄積された磁束をかしめる作用があり、コイルP1の磁気回路の磁束の減少は抑制される。この結果、コイルP1とコイルP2との磁束密度の不均衡状態は徐々に解消されつつも、コイルP2の磁気回路の磁束の増加傾向は持続する。この磁束の増加傾向が持続する間は、コイルP2にオン期間の第1のフォワード電流iz2と同方向の電流が流れる。コイルP1とコイルP2の磁束密度が均衡したとき、コイルP1とコイルP2の磁束は瞬時に消失し、コイルP2に逆起電力が生じるが、FET22がオフであり、ダイオードD22も逆方向となるのでコイルP2に電流は流れない。
同様に、コイルP1と疎結合のコイルS2にも起電力が生じ、巻き終わり端子が正電位、巻き始め端子が負電位となるため、ダイオードD23が順方向となり、回生電流iz3が流れるがこの電流はコイルS1に流れる第1のフライバック電流iz4に比べて小さい。
第7の実施形態では、電源出力手段であるDC−DCコンバータが、そのスイッチング素子FETQ21のオン期間およびオフ期間の双方において電流(第1のフォワード電流および第1のフライバック電流)を出力し、負荷へ供給することができる。前述のようにこの出力波形は、PWM駆動により生成される全波整流波形である。また、オフ期間においては回生電流も得られる。
<電力回生動作:FETQ22のオン期間>
次に、図8(b)および図9を参照して電力回生手段としての動作を説明する。
PWM駆動におけるFETQ22のオン期間の動作は、次の通りである。負荷電圧上昇が制御部20により検出されPWM駆動が開始されることによりコイルP2に負荷側の直流電圧(負荷側電圧は入力交流電源に相似した全波整流波形であるが、通常PWMされるスイッチング周波数は20kHz程度と高周波であり、この程度の瞬時であるので通常の直流電圧とみなされる。)が印加されて第2の入出力点に第2の電流if1(第2の入力電流)が流れ込むと、図9の外側脚48bの磁気回路に磁束φ4が発生する。電流if1は、コイルP2からFETQ22(ドレインからソース)へと流れる。ダイオードD22は逆方向となるため電流は流れない。コイルS1は、ダイオードD24が逆方向となるため電流は流れない。
第7の実施形態では、図9のトランスT3における第4コイルがコイルP2であり、コイルP2に電流if1が流れると磁束φ4が発生する。コイルP2による磁束φ4が、外側脚48aの磁気回路へ流れ込むことにより、コイルP1(第1コイル)には相互誘導により起磁力が生じる。図8に示すコイルP1の電流if2(第2のフォワード電流)は、この起磁力を生じさせる方向(巻き終わり端子から巻き始め端子)に流れ、第1の入出力点から流れ出て入力直流電源DCV1へ回生される。コイルP2とコイルP1は疎結合であるので、激しい電流ピークは抑制される。
なお、FETQ22のオン期間にはFETQ21もオンとする制御が好適である。電流if2は、オンとなっているFETQ21をソースからドレインへ流れる。あるいは、FETQ22のオン期間にFETQ21をオフとしてもよく、その場合、電流if2はダイオードD21を流れる。前者の方が電力消費が少なく好ましい。
コイルP2と密結合されたコイルS2は、相互誘導により起電力を生じるが、その巻き始め端子が正電位、巻き終わり端子が負電位となるためダイオードD23が逆方向となって電流は流れない。
コイルP2と疎結合されたコイルS1にも、相互誘導により起電力が生じるが、その巻き始め端子が正電位、巻き終わり端子が負電位となるため、ダイオードD24が逆方向となって電流は流れない。
トランスT3では、コイルP2により外側脚48bの磁気回路に生じた磁束φ4の一部φ4bが、コイルP1とコイルP2の間の空隙である漏洩磁気回路を通ることにより、その分だけ外側脚48aの磁気回路を通る磁束φ4aが少なくなる。
電流if1がコイルP2に流れると外側脚48bの磁気回路の磁束密度は急速に増加する。このとき、外側脚48aの磁気回路の磁束密度も、外側脚48bの磁気回路の磁束の影響により増加するが、この増加は外側脚48bの磁気回路の磁束のそれよりも少ない。従って、オン期間の終了時点では、外側脚48bの磁気回路に大量の磁束が蓄積されて磁束密度が最大となる一方、外側脚48aの磁気回路の磁束密度は相対的に低く、コイルP2とコイルP1の磁束密度は不均衡状態となっている。
<電力回生動作:FETQ22のオフ期間>
PWM駆動においてFETQ22がオフとなると、コイルP2に流れる電流if1は遮断され、コイルP2に逆起電力が生じるが、FETQ22がオフであり、ダイオードD22も逆方向となるのでコイルP2に電流は流れない。
一方、コイルP2と密結合のコイルS2には起電力が生じ、巻き終わり端子が正電位、巻き始め端子が負電位となる。これによりダイオードD23は順方向となり、電流if4(第2のフライバック電流)が第1の入出力点から回生電流として流れ出る。
コイルS2に流れる第2のフライバック電流if4は、密結合のコイルP2の磁気回路に蓄積された磁束をかしめる作用があり、コイルP2の磁気回路の磁束の減少は抑制される。この結果、コイルP2とコイルP1との磁束密度の不均衡状態は徐々に解消されつつも、コイルP1の磁束の増加傾向は持続する。この磁束の増加傾向が持続する間は、コイルP1にオン期間の第2のフォワード電流if2と同方向の電流が流れる。コイルP2とコイルP1の磁束密度が均衡したとき、コイルP2とコイルP1の磁束は瞬時に消失し、コイルP1に逆起電力が生じるが、FET21がオフであり、ダイオードD21も逆方向となるのでコイルP1に電流は流れない。
同様に、コイルP2と疎結合のコイルS1にも起電力が生じ、巻き終わり端子が正電位、巻き始め端子が負電位となるため、ダイオードD24が順方向となり、回生電流if3が流れるがこの電流はコイルS2に流れる第2のフライバック電流if4に比べて小さい。
第7の実施形態では、電力回生動作において、スイッチング素子FETQ22のオン期間およびオフ期間の双方において電力回生(第2のフォワード電流および第2のフライバック電流)することができる。
(8)無停電電源装置の第8の実施形態
(8−1)第8の実施形態の回路構成
図10(a)は、本発明による無停電電源装置の第8の実施形態の構成例を示す回路図である。図10(b)は、(a)の電源出力/電力回生部15における電力回生時の電流の流れを示す部分回路図である。第8の実施形態において、前述の第7の実施形態と共通する構成は、端子2と端子3の間の交流電流路上にFETQ1、ダイオードD1、FETQ2およびダイオードD2を設けており、これらにより入力交流電源側への逆潮流を阻止している点である。さらに、電源出力/電力回生部15の出力するUPS電圧Vupsを端子3と端子4の間に供給するためのFETQ3〜Q6を設け、FETQ1またはFETQ2と同期してオンオフ制御する点も共通する。また、制御部20の構成および動作についても共通する。
さらに、第8の実施形態では、第7の実施形態と同様に、トランスを用いた電源出力/電力回生部15がUPS電圧Vupsを生成および出力する電源出力手段であるDC/DCコンバータとしての機能と、負荷側の電力を直流電源側に回生する電力回生手段としての機能とを有し、トランスT3がフォワード動作とフライバック動作の双方を行うことができる4つのコイルを備えている点で共通する。
この第8の実施形態における電源出力/電力回生部15もまた、双方向電力転送回路として好適な形態である。
第8の実施形態では、コイルS2(第1コイル)とコイルS1(第2コイル)が密に磁気結合され、コイルP1(第3コイル)とコイルP2(第4コイル)も密に磁気結合されている。(なお括弧内に示した第1〜第4コイルの称呼は、特許請求の範囲における表現との対応を示すものであり、また後に説明する図11における第1〜第4コイルに対応する)。さらに、密結合したコイルS2(第1コイル)とコイルS1(第2コイル)とからなる第1コイル群と、密結合したコイルP1(第3コイル)とコイルP2(第4コイル)とからなる第2コイル群とは、疎に磁気結合されている。
つまり、図10の回路図において左右に位置するコイル同士は密結合であり上下に位置するコイル同士は疎結合である。そして、コイルS2(第1コイル)およびコイルP1(第3コイル)は、入力直流電源DCV1側に結線され、コイルS1(第2コイル)およびコイルP2(第4コイル)は負荷側に結線されている。
入力直流電圧DCV1の入力端子の正極側はトランスT3のコイルP1の巻き始め端子(黒点で示す)とコイルS2の巻き終わり端子の接続点(後述する図11に示す第1の入出力点(以下、後述する第2の入出力点を含め、第8の実施形態の第1、第2の入出力点は、上記第7の実施形態の第1、第2の入出力点とは異なる。))に接続され、負極側は、第10スイッチング素子であるFETQ25のソースすなわち接地点に接続されている。FETQ25のドレインはコイルP1の巻き終わり端子に接続されている。FETQ25のゲートは、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD25はFETQ25に並列に接続され、カソードがFETQ25のドレインに、アノードがFETQ25のソース(接地点)に接続されている。さらに、ダイオードD27が、コイルS2に直列に接続され、カソードがコイルS2の巻き始め端子(黒点で示す)に、アノードは接地点に接続されている。
トランスT3のコイルS1の巻き始め端子(黒点で示す)とコイルP2の巻き終わり端子の接続点(図11の第2の入出力点)は、点Bすなわち交流スイッチを構成するFETQ3およびFETQ5のドレインに接続され、コイルP2の巻き始め端子は、第11スイッチング素子であるFETQ26のドレインに接続されている。FETQ26のソースは、接地点に接続されている。FETQ26のゲートは、制御部20からのPWM制御電圧を印加可能に接続されている。ダイオードD26はFETQ26に並列に接続され、カソードがFETQ26のドレインに、アノードがFETQ26のソース(接地点)に接続されている。ダイオードD28のカソードは、コイルS1の巻き終わり端子に接続され、アノードは接地点に接続されている。
図11は、図10(a)(b)の回路図におけるトランスT3の一実施例を示す模式的な断面図である。トランスT3は、図9のトランスT3と同じコア形状を有し一対の外側脚48a、48bの各々に絶縁状態で積層された一対のコイル第1および第2並びに第3および第4コイルを巻装している。しかしながら、図10(a)(b)の回路図では、コイルP1、P2、S1およびS2との対応関係が、前述の図8(a)(b)の回路図とは異なる。
密結合されるコイルS2(第1コイル)とコイルS1(第2コイル)が一方の外側脚48aに巻装され、そして、密結合されるコイルP1(第3コイル)とコイルP2(第4コイル)が他方の外側脚48bに巻装されている。両側のコイル同士は疎結合となる。黒点は、各コイルの巻き始め端子を示しており、第1および第2の入出力点は図示の通りである。
図11のトランスT3において、例えば、コイルP1(第3コイル)の第1の入出力点に電流が流れ込むときに生じる外側脚48b(磁束発生源)から外側脚48a(磁束受領側)へ向かう磁束φ3の一部φ3bが、磁束の迂回路である漏洩磁気回路すなわち空隙を通る。この状態が持続すると、外側脚48bにおける磁束密度の増加に比べて、外側脚48aにおける磁束密度の増加は低く抑えられ磁束密度の不均衡が生じる。
また、例えば、コイルP2(第4コイル)に第2の入出力点に電流が流れ込むときに生じる外側脚48b(磁束発生源)から外側脚48a(磁束受領側)へ向かう磁束φ4の一部φ4bが、磁束の迂回路である空隙を通ることとなる。この状態が持続すると、外側脚48bにおける磁束密度の増加に比べて、外側脚48aの磁束密度の増加は低く抑えられやはり磁束密度の不均衡が生じる。
密結合した2つのコイルの一方にフライバック電流が流れることによって、他方のコイルの磁束をかしめる作用が得られる。例えば、コイルP1に電流が流れて磁束発生源となり、コイルP1の磁気回路の磁束密度が高く、磁束受領側のコイルS1の磁気回路の磁束密度が低い不均衡状態となったとき、コイルP1の電流が遮断されたとする。このとき、コイルP1と密結合されたコイルP2にフライバック電流が流れると、コイルP1の磁気回路の磁束はかしめられてその磁束密度の減少が緩和される。この結果、磁束受領側であるコイルS1の磁気回路の磁束も瞬時に消失することなく、磁束密度の不均衡がある間は磁束の増加傾向が持続する。
加えて、図11のトランスT3の場合、電源出力動作の際にコイルP1(第3コイル)が駆動されるときに生じる磁束φ3と、電力回生動作の際にコイルP2(第4コイル)が駆動されるときに生じる磁束φ4とが逆向きであるため、トランスT3が磁気飽和し難いという利点がある。
(8−2)第8の実施形態の回路動作
図10(a)(b)に示す第8の実施形態では、電源出力/電力回生部15のトランスT3が、DC/DCコンバータ(電源出力手段)と電力回生部のいずれとしても動作することができるが、それぞれの場合の動作は、対称的な動作となる。ただし、電圧値および電流値の具体的数値は異なっていてもよい。本実施形態も第7の実施形態と同様に、DC/DCコンバータとして動作するときも、電力回生部として動作するときも、フォワード動作およびフライバック動作の双方を行う点が特徴である。
<電源出力動作:FETQ25のオン期間>
まず、図10(a)および図11を参照して電源出力手段としてのDC/DCコンバータの動作を説明する。
PWM駆動におけるFETQ25のオン期間の動作は、次の通りである。コイルP1の第1の入出力点に入力直流電圧DCV1が印加されて電流iz1(第1の入力電流)が流れ込むと、図11の外側脚48bの磁気回路に磁束が発生する。電流iz1は、コイルP1からFETQ25(ドレインからソース)へと流れる。ダイオードD25は逆方向となるため電流は流れない。コイルS2は、ダイオードD27が逆方向となるため電流は流れない。
第8の実施形態では、図11のトランスT3におけるコイルP1(第3コイル)の第1の入出力点に電流iz1が流れ込むと外側脚48bに磁束φ3が生じ、その一部φ3bは空隙を迂回するが、外側脚48aの磁気回路へ磁束φ3aが流れ込み、コイルS1(第2コイル)に相互誘導により起磁力が生じる。図10(a)におけるコイルS1に生じる電圧による電流iz2(第1のフォワード電流)は、この起磁力を生じさせる方向(巻き終わり端子から巻き始め端子)に流れ、第2の入出力点から点Bに出力されて負荷へ供給される。コイルP1とコイルS1は疎結合であるので、激しい電流ピークは抑制される。
なお、FETQ25のオン期間にはFETQ26はオフとなるように制御する。コイルP1と密結合されたコイルP2は、相互誘導により起電力を生じるが、その巻き始め端子(黒点で示す)が正電位、巻き終わり端子が負電位となるためダイオードD26は逆方向となり、またFETQ26はオフであるから電流は流れない。
コイルP1と疎結合されたコイルS2にも、相互誘導により起電力を生じるが、その巻き始め端子(黒点で示す)が正電位、巻き終わり端子が負電位となるためダイオードD27が逆方向となって電流は流れない。
トランスT3では、コイルP1により外側脚48bの磁気回路に生じた磁束φ3の一部φ3bが、コイルP1とコイルS1の間の空隙である漏洩磁気回路を通ることにより、その分だけ外側脚48aの磁気回路を通る磁束φ3aが少なくなる。入力直流電圧DCV1がコイルP1に印加されると外側脚48bの磁気回路の磁束密度は急速に増加する。このとき、外側脚48aの磁気回路の磁束密度も、外側脚48bの磁気回路からの磁束の影響により増加するが、この増加は外側脚48bの磁気回路のそれよりも少ない。従って、オン期間の終了時点では、外側脚48bの磁気回路に大量の磁束が蓄積されて磁束密度が最大となる一方、外側脚48aの磁束密度は相対的に低く、コイルP1とコイルS1の磁束密度は不均衡状態となっている。
<電源出力動作:FETQ25のオフ期間>
PWM駆動においてFETQ25がオフとなると、コイルP1に流れる電流iz1は遮断され、コイルP1に逆起電力が生じるが、FETQ25がオフであり、ダイオードD25も逆方向となるのでコイルP1に電流は流れない。
一方、コイルP1と密結合のコイルP2には起電力が生じ、巻き終わり端子が正電位、巻き始め端子が負電位となる。これによりダイオードD26は順方向となり、電流iz4(第1のフライバック電流)が流れ、第2の入出力点から点Bに出力されて負荷へ供給される。このように電流iz4は、オン期間に流れる電流iz2と同方向に出力される。ここで、FETQ25がオフのとき、FETQ26をオンとする制御を行うと、電流iz4はFETQ26を通るため、ダイオードD26を通る場合に比べ電力消費が少なく好適である。
コイルP2に流れる第1のフライバック電流iz4は、密結合のコイルP1の磁気回路に蓄積された磁束をかしめる作用があり、コイルP1の磁気回路の磁束の減少は抑制される。この結果、コイルP1とコイルS1との磁束密度の不均衡状態は徐々に解消されつつも、コイルS1の磁気回路の磁束の増加傾向は持続する。この磁束の増加傾向が持続する間は、コイルS1にオン期間の第1のフォワード電流iz2と同方向の電流が流れる。コイルP1とコイルS1の磁束密度が均衡したとき、コイルP1とコイルS1の磁束は瞬時に消失し、コイルS1に逆起電力が生じるが、ダイオードD28が逆方向となるのでコイルS1に電流は流れない。
同様に、コイルP1と疎結合のコイルS2にも起電力が生じ、巻き終わり端子が正電位、巻き始め端子が負電位となるため、ダイオードD27が順方向となり、回生電流iz3が流れるがこの電流はコイルP2に流れる第1のフライバック電流iz4に比べて小さい。
第8の実施形態では、電源出力手段であるDC−DCコンバータが、そのスイッチング素子FETQ25のオン期間およびオフ期間の双方において電流(第1のフォワード電流および第1のフライバック電流)を出力し、負荷へ供給することができる。前述のようにこの出力波形は、PWM駆動により生成される全波整流波形である。また、オフ期間においては回生電流も得られる。
<電力回生動作:FETQ26のオン期間>
次に、図10(b)および図11を参照して電力回生手段としての動作を説明する。
PWM駆動におけるFETQ26のオン期間の動作は、次の通りである。負荷電圧上昇が制御部20により検出されPWM駆動が開始されることによりコイルP2に直流電圧が印加されて第2の入出力点に電流if1(第2の入力電流)が流れ込むと、図9のトランスT3において外側脚48bの磁気回路に磁束が発生する。図10(b)に示すように、電流if1はコイルP2からFETQ26(ドレインからソース)へと流れる。ダイオードD26は逆方向となるため電流は流れない。コイルS1は、ダイオードD28が逆方向となるため電流は流れない。
第8の実施形態では、図11のトランスT3におけるコイルP2(第4コイル)の第2の入出力点に電流if1が流れると、外側脚48bに発生した磁束φ4が外側脚48bの磁気回路から外側脚48aの磁気回路へ磁束が流れ込むことにより、コイルS2(第1コイル)には相互誘導により起磁力が生じる。図10(b)におけるコイルS2に生じる電圧による電流if2(第2のフォワード電流)は、この起磁力を生じさせる方向(巻き始め端子から巻き終わり端子)に流れ、第1の入出力点から流れ出て入力直流電源DCV1へ回生される。コイルP2とコイルS2は疎結合であるので、激しい電流ピークは抑制される。
なお、FETQ26のオン期間にはFETQ25はオフとなるように制御する。コイルP2と密結合されたコイルP1は、相互誘導により起電力を生じるが、その巻き始め端子(黒点で示す)が負電位、巻き終わり端子が正電位となるためダイオードD25は逆方向となり、またFETQ25はオフであるから電流は流れない。
コイルP2と疎結合されたコイルS1は、相互誘導により起電力を生じるが、その巻き終わり端子が正電位、巻き始め端子が負電位となるためダイオードD28が逆方向となって電流は流れない。
図11に示すトランスT3では、コイルP2により外側脚48bの磁気回路に生じた磁束φ4の一部φ4bが、コイルP2とコイルS2の間の空隙である漏洩磁気回路を通ることにより、その分だけ外側脚48aの磁気回路を通る磁束φ4aが少なくなる。
電流if1がコイルP2に流れると、外側脚48bの磁気回路の磁束密度は急速に増加する。このとき、外側脚48aの磁気回路の磁束密度も、外側脚48bの磁気回路の磁束の影響により増加するが、この増加は外側脚48bの磁気回路のそれよりも少ない。従って、オン期間の終了時点では、外側脚48bの磁気回路に大量の磁束が蓄積されて磁束密度が最大となる一方、外側脚48aの磁気回路の磁束密度は相対的に低く、コイルP2とコイルS2の磁束密度は不均衡状態となっている。
<電力回生動作:FETQ26のオフ期間>
PWM駆動においてFETQ26がオフとなると、コイルP2に流れる電流if1は遮断され、コイルP2に逆起電力が生じるが、FETQ26がオフであり、ダイオードD26も逆方向となるのでコイルP2に電流は流れない。
一方、コイルP2と密結合のコイルP1には起電力が生じ、巻き始め端子が正電位、巻き終わり端子が負電位となる。これによりダイオードD25は順方向となり、回生電流である電流if4(第2のフライバック電流)が第1の入出力点から流れ出て入力直流電圧側へ流れる。このように電流if4は、オン期間に流れる電流if2と同方向に出力される。ここで、FET26がオフのとき、FET25をオンとする制御を行うと、電流if4はFETQ25を通るため、ダイオードD25を通る場合に比べ電力消費が少なく好適である。
コイルP1に流れる第2のフライバック電流if4は、密結合のコイルP2の磁気回路に蓄積された磁束をかしめる作用があり、コイルP2の磁気回路の磁束の減少は抑制される。この結果、コイルP2とコイルS2との磁束密度の不均衡状態は徐々に解消されつつも、コイルS2の磁束の増加傾向は持続する。この磁束の増加傾向が持続する間は、コイルS2にオン期間の第2のフォワード電流if2と同方向の電流が流れる。コイルP2とコイルS2の磁束密度が均衡したとき、コイルP2とコイルS2の磁束は瞬時に消失し、コイルS2に逆起電力が生じるが、ダイオードD27が逆方向となるのでコイルS2に電流は流れない。
同様に、コイルP2と疎結合のコイルS1にも起電力が生じ、巻き始め端子が正電位、巻き終わり端子が負電位となるため、ダイオードD28が順方向となり、電流if3が点Bへ出力されて負荷へ供給されるがこの電流はコイルP1に流れる第2のフライバック電流if4に比べて小さい。
第8の実施形態では、電力回生動作において、そのスイッチング素子FETQ26のオン期間およびオフ期間の双方において電力回生(第2のフォワード電流および第2のフライバック電流)することができる。
(9)無停電電源装置の第9の実施形態
(9−1)第9の実施形態の構成および動作の概要
図1〜図5、図7、図8および図10に示した無停電電源装置の各々について、その一部の構成を変更した第9の実施形態について説明する。
全体回路は図示しないが、図12Aは、図1〜図5、図7、図8および図10に示した無停電電源装置における変更部分のみを示す回路図であり、これは所定の制御機能を具備する整流回路Sである。この整流回路Sは、図1〜図5、図7、図8および図10に示した無停電電源装置におけるFETQ1とダイオードD2の並列接続、またはFETQ2とダイオードD1の並列接続のそれぞれと置換して用いることができる。
図12Bの(a)は、図1〜図5、図7、図8および図10の無停電電源装置の一部構成を示す概略回路図(上図)と、同じ部分に対応する第9の実施形態の回路を模式的に示した概略回路図(下図)である。下図の第9の実施形態では、上図の回路図におけるFETQ1とダイオードD2の並列接続部分を第1整流回路S1で置換し、かつ、FETQ2とダイオードD1の並列接続部分を第2整流回路S2で置換している。なお、第1整流回路S1および第2整流回路S2の各々の構成は、図12Aの整流回路Sと同じである。
図1〜図5、図7、図8および図10に示した無停電電源回路のダイオードD1およびダイオードD2は、入力交流電圧Vinによる電流の電流路となるが、ショットキーバリアダイオードを用いても順方向電圧降下の最小値には限界があり、その損失は問題となる。
一方、図12Aに示す整流回路Sは、アノード端51とカソード端52の間に印加される電圧の正負により、FETQ52のソース・ドレイン間を整流電流路としてダイオードと同様の整流動作を行う。この整流電流路の抵抗はFETQ52のオン抵抗のみであるので、ダイオードに比較して電圧降下が格段に小さく好適である。
また、図12Aに示す整流回路Sは、アノード端51とカソード端52の間に印加される電圧の正負によりFETQ52の整流電流路が遮断されているときであっても、制御端子53、54間に制御電圧を印加することにより整流電流路を導通させることができる。つまり、制御により整流動作の逆方向にも電流を流すことができる。
図12B(a)に示すように、第1整流回路S1のカソード端52aが端子2に接続され、第1整流回路S1のアノード端51aと第2整流回路S2のアノード端51bとが接続され、第2整流回路S2のカソード端52bが端子3に接続される。
第1整流回路S1の制御端子53aおよび第2整流回路S2の制御端子53bは、いずれも図12Aの整流回路Sの制御端子53を模式的に表している。
図12B(b)は、第1整流回路S1および第2整流回路S2の制御動作を説明する図である。なお、この制御は、図1〜図5、図7、図8および図10の回路における制御部20のFET駆動制御部26により、FETQ1およびFETQ2に対する制御と同様に行うことができる。
端子2における入力交流電圧Vinの正サイクル時(0°〜180°)は、第1整流回路S1はカソード端52aが正、アノード端51aが負で逆方向となるため整流動作により整流電流路は遮断されるが、制御端子53aに制御電圧を印加することにより整流電流路を導通させることができる。一方、第2整流回路S2はアノード端51bが正、カソード端52bが負で順方向となるため整流動作により整流電流路は導通する。これにより、入力交流電圧Vinの正サイクル時に端子2から端子3へ電流i1が流れることができる。またこのとき仮に、端子3にUPS電圧が出力されたり、誘導性負荷等が接続されたりすることにより、端子2より端子3が高電位となったとしても、第2整流回路S2により逆潮流は阻止される。
端子2における入力交流電圧Vinの負サイクル時(180°〜360°)は、第1整流回路S1はカソード端52aが負、アノード端51aが正で順方向となるため整流動作により整流電流路は導通する。一方、第2整流回路S2はアノード端51bが負、カソード端52bが正で逆方向となるため整流動作により整流電流路は遮断されるが制御端子53bに制御電圧を印加することにより整流電流路を導通させることができる。これにより、入力交流電圧Vinの負サイクル時に端子3から端子2へ電流i2が流れることができる。またこのとき仮に、端子3にUPS電圧が出力されたり、誘導性負荷等が接続されたりすることにより、端子2より端子3が低電位となったとしても、第1整流回路S1により逆潮流は阻止される。
なお、第1整流回路S1と第2整流回路S2を相互に逆極性に接続した場合は、上記の制御端子53aと制御端子53bの制御を逆にすればよい。
また、第1整流回路S1を複数並列接続し、かつ、第2整流回路S2も複数並列接続すれば、さらに整流電流路の抵抗が小さくなり、電圧降下を低減できる。
(6−2)整流回路Sの構成および動作の詳細
図12Aおよび図12Cを参照して、整流回路Sの構成および動作を詳細に説明する。図12Cは、図12Aの回路図における破線部分の等価回路を示す図である。
図12Aに示す整流回路Sにおいて、アノード端51とカソード端52を備えた電流路にnチャネル型のFETQ52(第2半導体素子)が設けられている。FETQ52のソースはアノード端51に接続され、FETQ52のドレインはカソード端52に接続されている。FETQ52はゲートにHigh(オン電位)が印加されると電流路が導通し、ゲートがLow(オフ電位)になると電流路が遮断される。つまり、FETQ52は、そのスイッチング動作により、アノード端51とカソード端52との間の整流電流路を断続制御する。トランジスタQ51(第1半導体素子)、及びトランジスタQ54(第4半導体素子)は、実質同一特性のnpn型バイポーラトランジスタであり、トランジスタQ51及びQ54のベースは共通接続されており、トランジスタQ51はコレクタがFETQ52のソース、すなわちアノード端51に接続され、他方のトランジスタQ54のコレクタはカソード端52に接続され、エミッタはベースに接続されてエミッタ−ベース間が短絡されている。
定電圧ダイオードZD、ダイオードD52、ジャンクショントランジスタJ−FET(Junction Field Effect Transistor)、抵抗R51、及びコンデンサC51は、トランジスタQ51及びQ54、並びに後述するトランジスタQ55、Q56及びQ53を駆動する駆動電圧源を構成する。このような駆動電圧源は、後述するようにカソード端52に正電位が印加される半周期に、アノードがカソード端52に接続されているダイオードD52及びジャンクショントランジスタJ−FETを通してコンデンサC51を充電し、コンデンサC51の両端のうちアノード端51に接続された一方側を負、他方側を正とする電圧を発生させる。アノード端51に接続されているコンデンサC51の一方側(駆動源として負側)には、トランジスタQ51のコレクタ、FETQ52のソース、後述するトランジスタQ56のコレクタ、及びトランジスタQ53(第3半導体素子)のエミッタが接続されている。一方、ダイオードD52及びジャンクショントランジスタJ−FETを介してカソード端52に接続されているコンデンサC51の他方側(駆動源として正側)には、後述するトランジスタQ55のコレクタが接続されると共に、トランジスタQ51のエミッタ、トランジスタQ54のエミッタが、それぞれ定電流素子CS1、及び定電流素子CS2を介して接続されている。
従って、整流回路Sにおいて、駆動電圧源としてのコンデンサC51と、トランジスタQ51との接続関係をみると、定電流素子CS1から、トランジスタQ51のエミッタ、コレクタを通ってコンデンサC51の一方側(駆動源として負側)に接続されている。また、トランジスタQ54については、定電流素子CS2から、トランジスタQ54のエミッタ、コレクタを通ってコンデンサC51の一方側に接続されている(トランジスタQ54のコレクタはカソード端52に接続され、カソード端52からアノード端51を経由しコンデンサC51の一方側に接続されている)。さらに、トランジスタQ53については、定電流素子CS2からトランジスタQ53のコレクタ、エミッタを通ってコンデンサC51の一方側に接続されている。
図12Cは、図12Aに示す整流回路SおけるトランジスタQ51、Q54、Q53、定電流素子CS1及びCS2を含む回路部分(図12Aの破線部分)の等価回路を示す回路図である。既に図12Aを参照して説明したように、トランジスタQ54のエミッタはベースに接続されており、ベース−エミッタ間が短絡されている。このため、npn型バイポーラトランジスタであるトランジスタQ54は、ベース−コレクタ間のPN接合ダイオードを提供する。ここで、定電流素子CS2から、トランジスタQ54のエミッタ、コレクタを通って、FETQ52のドレインすなわちカソード端52に至る電流路(図12A)を考えると、この電流路は、図12Cに示すとおり、定電流素子CS2からアノードが接続され、FETQ52のドレインすなわちカソード端52にカソードが接続されるように、PN接合ダイオードを挿入した電流路と等価である。従って、定電流素子CS2及びトランジスタQ54を含む電流路において、トランジスタQ54のコレクタ、すなわちトランジスタQ54と等価なPN接合ダイオードのカソードに、カソード端52の電位が印加されるよう構成されている。
トランジスタQ54がオフのとき、トランジスタQ51のベースに、トランジスタQ54のベース−コレクタ間電位(約0.6ボルト)を与えているためトランジスタQ51がオンであり、カソード端52(トランジスタQ54のコレクタであり、同様にPN接合ダイオードのカソード)が負電位にならない限り、アノード端51、カソード端52の間の導通は遮断される。
定電流素子CS2及びトランジスタQ54を含む電流路においては、上述のとおりトランジスタQ54のコレクタにカソード端52の電位が印加される。ここで、カソード端52に正電位が印加されるときは、トランジスタQ54と等価なPN接合ダイオードに逆方向電圧が印加されることと等価である。したがって、トランジスタQ54はオフであり、トランジスタQ51のベースには定電流素子CS2を通してベース電流が供給されるため、トランジスタQ51はオン状態にあり、コンデンサC51を駆動電圧源として、定電流素子CS1を通してトランジスタQ51のエミッタに向かう電流路に電流が流れトランジスタQ55へのベース電流は供給されないでトランジスタQ55はオフ(トランジスタQ56はオン)である。
これに対し、カソード端52に負電位が印加されるときは、トランジスタQ54と等価なPN接合ダイオードに順方向電圧が印加されることと等価である。このため、カソード端52に負電位が印加されると、トランジスタQ54のコレクタ電位が下がり、同時にコレクタ−ベース間電位(PN接合ダイオードに生ずる約0.6V)を維持して、トランジスタQ54のベース電位も低下する。このときはトランジスタQ54はオンとなりエミッタ−コレクタ電流が流れる。トランジスタQ54のベース電位が低下することで、トランジスタQ51のベース電位も低下し、トランジスタQ51がオフして定電流素子CS1を通してトランジスタQ51のエミッタに向かう電流路が遮断される。したがって、トランジスタQ55及びQ56の共通ベースにコンデンサC51の正電位が印加されトランジスタQ55のベース電流が流れ、トランジスタQ55はオン(トランジスタQ56はオフ)である。
基本的には、図12Cに示すPN接合素子を使用した等価回路が本発明の整流回路の動作原理を示している。本実施形態においてトランジスタQ54を使用した理由は、トランジスタQ51がパイポーラトランジスタである必要があり、そのトランジスタQ51の特性(温度特性、ベース−エミッタ間電圧等)と略同一の特性をもつトランジスタをPN接合素子として使用するほうがより好ましいからである。なお、トランジスタQ51、Q54としてバイポーラトランジスタを使用しているが、それに代えてFETを使用してもよいことは勿論である。
図12Aを再び参照して、トランジスタQ55及びトランジスタQ56は、エミッタフォロワ型のバッファー増幅器を構成する。トランジスタQ55、Q56には、例えばバイポーラトランジスタを用いることができる。本実施態様では、トランジスタQ55にはnpn型バイポーラトランジスタが、トランジスタQ56にはpnp型バイポーラトランジスタが用いられ、両トランジスタQ55、Q56のエミッタは共通接続されると共に、その共通エミッタはFETQ52のゲートに接続されている。また、両トランジスタQ55、Q56のベースも共通接続され、そのベースにはトランジスタQ51のエミッタとベースが接続されている。
トランジスタQ51のエミッタ、トランジスタQ54のエミッタには、コンデンサC51を駆動電圧源として、それぞれ定電流素子CS1、CS2を介して、所定の定電流が供給されるように構成されている。
トランジスタQ55及びQ56の共通ベースと、トランジスタQ56のコレクタ間には抵抗R52が接続されている。抵抗R52はブリーダー抵抗である。
トランジスタQ55及びQ56は、エミッタフォロワ型のバッファー増幅器である。トランジスタQ55及びQ56の共通エミッタは、FETQ52のゲートに接続され、この出力段は低インピーダンス、大電流を供給できるのでFETQ52のドライブを確実にする。トランジスタQ51がオンのとき、トランジスタQ55及びQ56の共通ベースは接地されるため、トランジスタQ55のベースは逆バイアスされQ55はオフ、トランジスタQ56のベースは順バイアス(Q56のエミッタには約0.6Vの電位のため。)されQ56はオンとなる。したがって、FETQ52のゲート電位は0VでありQ52はオフとなる。トランジスタQ51がオフのとき、トランジスタQ55及びQ56の共通ベースは、コンデンサC51の正電位となるため、トランジスタQ55のベースは順バイアスされQ55はオン、トランジスタQ56のベースは逆バイアスされQ56はオフとなる。したがって、トランジスタQ55及びQ56の共通エミッタはコンデンサC51の正電位でありFETQ52のゲート電位もコンデンサC51の正電位でありQ52はオンとなる。
整流回路Sは、図12Aに示すようにトランジスタQ53を更に備える。トランジスタQ53のコレクタは、トランジスタQ51及びQ54の共通ベースに接続され、エミッタはFETQ52のソースに(従って、トランジスタQ51のコレクタ及びアノード端51)接続されている。また、トランジスタQ53のベースは抵抗R53を介して、制御電圧入力端53、54の一方の入力端53に接続され、トランジスタQ53のエミッタは他方の入力端54に接続されている。なお、トランジスタQ53のベース−エミッタ間には抵抗R54が接続されている。そして、制御電圧入力端53、54間には、トランジスタQ53をオンとするための正電位を必要な時間印加する。
次に、整流回路Sの動作について説明する。
まず、制御電圧入力端53、54に電圧が印加されていない状態で、整流回路Sのカソード端52に正電位が印加された場合の整流回路Sの基本整流動作を考える。上述のとおり、カソード端52に正電位が印加されることは、トランジスタQ54と等価なPN接合ダイオードに逆方向電圧が印加されることと等価である。このとき、トランジスタQ51のベースには定電流素子CS2を通してベース電流が供給されるため、トランジスタQ51はオン状態にあり、コンデンサC51を駆動電圧源として、定電流素子CS1を通してトランジスタQ51のエミッタに向かう電流路に電流が流れる。
トランジスタQ51がオンされると、トランジスタQ51のエミッタ電位(コレクタ−エミッタ間電圧)は実質的にゼロボルト(Low)となるため、pnp型バイポーラトランジスタであるQ56はオンとなり、npn型バイポーラトランジスタであるトランジスタQ55はオフとなる。トランジスタQ55がオフ、トランジスタQ56がオンのとき、トランジスタQ55及びQ56の共通エミッタの電位はゼロボルト(Low)であるので、FETQ52のゲート入力はゼロボルト(Low)であり、FETQ52はオフとされる。この結果、制御電圧入力端53、54の電圧入力がない状態でカソード端52に正電位が与えられたとき、アノード端51とカソード端52を結ぶ電流路がFETQ52によって遮断され、カソード端52からFETQ52のドレイン、ソース、そしてアノード端51に向かう方向の電流は流れない。
なお、カソード端52に正電位が印加されているとき、ダイオードD52及びジャンクショントランジスタJ−FETを通してコンデンサC51は充電され、その充電電圧は定電圧ダイオードZDによってジャンクショントランジスタJ−FETのゲートを制御して一定値(例えば約10ボルト)に制限される。
次に、電圧入力端3、4に電圧が印加されていない状態で、整流回路Sのカソード端52に正電位が印加された状態からカソード端52の電位が低下してゼロとなり、その後アノード端51、カソード端52間の極性が反転してカソード端52に負電位が印加された状態に変化する場合の、整流回路Sの基本整流動作を考える。
カソード端52の電位がゼロとなり、その後負電位が印加されると、トランジスタQ54と等価なPN接合ダイオードに順方向電圧が印加されることと等価である。このため、カソード端52に負電位が印加されると、トランジスタQ54のコレクタ電位が下がり、同時にコレクタ−ベース間電位(PN接合ダイオードに生ずる約0.6V)を維持して、トランジスタQ54のベース電位も低下する。トランジスタQ54のベース電位が低下することで、トランジスタQ51のベース電位も低下し、トランジスタQ51がオフに反転して定電流素子CS1を通してトランジスタQ51のエミッタに向かう電流路が遮断される。トランジスタQ51がオフすると、定電流素子CS1を通る電流はトランジスタQ55へのベース電流となる。また、トランジスタQ56のベース電位も正電位が印加され逆バイアスされ、pnp型バイポーラトランジスタであるQ56はオンからオフに切り替わり、npn型バイポーラトランジスタであるトランジスタQ55はオフからオンに切り替わる。トランジスタQ55がオン、トランジスタQ56がオフのとき、トランジスタQ55及びQ56の共通エミッタの電位は上昇(Highに反転)する。従って、FETQ52のゲート入力はHighに反転し、FETQ52はオンとされる。この結果、カソード端52の電位が低下してゼロとなり、その後アノード端51、カソード端52間の極性が反転してカソード端52に負電位が与えられると、アノード端51とカソード端52を結ぶ電流路がFETQ52によって導通状態とされ、アノード端51からFETQ52のソース、ドレイン、そしてカソード端52に向かう方向に電流が流れる。
次に、整流回路Sにおいてカソード端52に正電位が与えられている状態、すなわち、整流回路Sの整流電流路が遮断状態にあるときに、制御電圧入力端53、54間に電圧が印加される場合の整流回路Sの基本的動作を説明する。
図12Aを参照して、整流回路Sにおいて、制御電圧入力端53、54間に電圧が印加されていないとき、トランジスタQ53のベースに電圧が印加されないため、トランジスタQ53のベース−エミッタ間にベース電流は流れず、トランジスタQ53はオフである。つまり、定電流素子CS2を通して更にトランジスタQ53のコレクタ−エミッタ間を通る電流路は遮断されている。従って、制御電圧入力端53、54間に電圧が印加されていないときには、トランジスタQ51のベース−コレクタ間にトランジスタQ53が接続されていても、トランジスタQ51のベース電位は何ら影響を受けない。
次に、整流回路Sにおいて、制御電圧入力端53、54間に電圧入力端53側を正とする制御電圧(例えば制御パルス信号)が、抵抗R53を通してトランジスタQ53のベースに印加されると、トランジスタQ53のベース−エミッタ間にベース電流が流れ、トランジスタQ53をオンさせる。すると、トランジスタQ53のコレクタ−エミッタ間電圧は実質的にゼロボルトとなるため、トランジスタQ53のオフからオンへの反転は、オン状態にあるトランジスタQ51のベース電位を実質的にゼロボルトまで低下させる。このため、トランジスタQ51は、ベース電位がゼロボルトに低下することによってオフに反転させられる。これにより、トランジスタQ51のエミッタ電位が上昇(Highに反転)し、トランジスタQ55及びQ56の共通ベースもまた上昇(Highに反転)する。エミッタフォロワ型のバッファー増幅器を構成するトランジスタQ55及びQ56のエミッタ電位が上昇(Highに反転)するので、FETQ52のゲート入力はHighに反転し、FETQ52はオンとされる。この結果、カソード端52に正電位が与えられている状態で、制御電圧入力端53、54に入力端53側を正とする電圧を印加することで、電圧が印加されている期間(Highの期間)、アノード端51とカソード端52を結ぶ電流路がFETQ52によって導通状態とされ、カソード端52からFETQ52のドレイン、ソース、そしてアノード端51に向かう方向、すなわち整流回路Sの整流電流路に通常とは逆方向に電流を流すことができる。
以上の通り、第1〜第8のいずれかの実施形態におけるFETQ1およびダイオードD2に代替して第1整流回路S1を設けた第9の実施形態においては、第1整流回路S1におけるFETQ52のドレインとPN接合素子Q54のカソード(またはトランジスタQ54のコレクタ)とが、第1〜第8のいずれかの実施形態のFETQ1のドレインに代替して接続される。そして、第9の実施形態におけるFETQ52のソースが、第1〜第8のいずれかの実施形態FETQ2のソースに代替して接続される。
さらに、上記の第1〜第8のいずれかの実施形態におけるFETQ2およびダイオードD1に代替して第2整流回路S2を設けた第9の実施形態においては、第2整流回路S2におけるFETQ52のドレインとPN接合素子Q54のカソード(またはトランジスタQ54のコレクタ)とが、第1〜第8のいずれかの実施形態のFETQ2のドレインに代替して接続される。そして、第9の実施形態におけるFETQ52のソースが、第1〜第8のいずれかの実施形態FETQ2のソースに代替して接続される。
(10)電源供給装置の実施形態
以上に示した無停電電源装置の第1〜第9の実施形態のいずれかを用いて、電源供給装置を構成することができる。図示しないが、電源供給装置の回路図は、上記の図1〜図5、図7、図8および図10に示した回路図と共通する(図12Aに示した整流回路Sに置換した形態も含む)。
例えば、本発明の電源供給装置では、図1〜図5、図7、図8および図10における制御部20のPWMゲート駆動部25が、正常時の入力交流電圧Vinの全波整流波形の波高値より大きい波高値をもつUPS電圧Vupsを常時生成するように電源出力部13または電源出力/電力回生部15の各FETを駆動する。この場合、整流波形生成部23の生成する電圧が、基準電圧生成部24の生成する基準電圧より小さくなるため、UPS電圧Vupsが出力される。
また、バッテリー等が消耗したときは、これを検知して基準電圧生成部24の生成する基準電圧を、整流波形生成部23の生成する電圧より小さくする。これにより、入力交流電源への切り替えが無瞬断で行われ、負荷に供給される。
このような電源供給装置は、UPS電圧Vupsを生成するための直流電源を、系統電源より優先的に利用しようとするものである。このような直流電源としては、太陽電池や燃料電池等の分散型発電による電力を蓄積するバッテリー等がある。
(11)その他
以上の本発明の各実施形態においてスイッチング素子として用いた各FETはいずれもnチャネル型であるが、pチャネル型でもよく、また、FETの替わりにバイポーラトランジスタを用いてもよい。スイッチング素子としてFETを用いる場合、FETの寄生ダイオードと同じ向きにドレインとソース間に並列に接続されたダイオードは、寄生ダイオードに優先する電流路として好適である。スイッチング素子としてバイポーラトランジスタを用いる場合は、この並列接続されるダイオードが必須となる。
また、以上の説明において、「高電位」または「電位が高い」という表現は、正電位側に電圧が大きい場合のみでなく、負電位側に電圧が大きい逆極性の場合にも同等に適用されるものとする。
本発明による無停電電源装置の第1の実施形態の構成例を示す回路図である。 本発明による無停電電源装置の第2の実施形態の構成例を示す回路図である。 本発明による無停電電源装置の第3の実施形態の構成例を示す回路図である。 本発明による無停電電源装置の第4の実施形態の構成例を示す回路図である。 本発明による無停電電源装置の第5の実施形態の構成例を示す回路図である。 図4の無停電電源装置の第4の実施形態におけるトランスの好適な実施例を示す模式的な断面図である。 図4の無停電電源装置の第4の実施形態におけるトランスの好適な別の実施例を示す模式的な断面図である。 図4の無停電電源装置の第4の実施形態におけるトランスの好適な別の実施例を示す模式的な断面図である。 図4の無停電電源装置の第4の実施形態におけるトランスの好適な別の実施例を示す模式的な断面図である。 本発明による無停電電源装置の第6の実施形態の構成例を示す回路図である。 本発明による無停電電源装置の第7の実施形態の構成例を示す回路図である。 図8の無停電電源装置の第7の実施形態におけるトランスの好適な実施例を示す模式的な断面図である。 本発明による無停電電源装置の第8の実施形態の構成例を示す回路図である。 図10の無停電電源装置の第8の実施形態におけるトランスの好適な実施例を示す模式的な断面図である。 図1〜図5に示した無停電電源装置における変更部分のみを示す回路図である。 (a)は、図1〜図5の無停電電源装置の省略回路図と、その構成要素を図12Aの整流回路Sと同構成の第1整流回路S1および第2整流回路S2で置換した場合の模式的回路図である。(b)は、第1整流回路S1および第2整流回路S2の制御動作を示す図である。 図12Aに示す整流回路SおけるトランジスタQ51,Q54,Q53、定電流素子CS1及びCS2を含む回路部分(図12Aの破線部分)の等価回路を示す回路図である。
符号の説明
12 ダミーロード部
12A 電流検出部
13 電源出力部
15 電源出力/電力回生部
15a DC/DCコンバータ
15b 電力回生手段
20 制御部

Claims (36)

  1. (a)相互の一端が接続され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入され第2整流素子が並列接続された制御端を有する第1スイッチング素子および第1整流素子が並列接続された制御端を有する第2スイッチング素子と、
    (b)前記交流電流路の入力端に印加される入力交流電源の電圧波形情報を所定期間蓄積し該電圧波形情報の平均値を基に該入力交流電源の電圧位相に同期した出力信号を生成する平均波形生成手段と、
    (c)前記平均波形生成手段の出力信号により直流電源の電圧を該出力信号に含まれる電圧波形情報に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧に変換し出力する電源出力手段と、
    (d)前記平均波形生成手段の出力信号により生成され前記電源出力手段に出力させるべき電圧波形と相似である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
    (e)それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が前記電源出力手段の出力の一端に接続された第3および第5スイッチング素子と、それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が該電源出力手段の出力の他端に接続された第4および第6スイッチング素子と、
    (f)前記入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する整流波形生成手段と、を備え、
    (g)前記入力交流電源の一方の相の電圧が出力される前記第2スイッチング素子の他端と前記第3および第6スイッチング素子のそれぞれの他端との接続点と、該入力交流電源の他方の相と前記第4および第5スイッチング素子の他端との接続点とが負荷電源供給点を構成し、
    (h)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時前記第1、第3および第4スイッチング素子はオンし、該入力交流電源の一方の相が負サイクル時前記第2、第5および第6スイッチング素子はオンする排他的オンオフ制御により前記それぞれの制御端が駆動され、かつ、前記第1整流素子は前記正サイクル時順方向に導通し、前記第2整流素子は前記負サイクル時順方向に導通し、
    (i)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より小さいとき、前記電源出力手段から電力を出力し、
    (j)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より大きいときは前記入力交流電源により、該整流波形生成手段が生成する電圧が該基準電圧より小さいときは前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする無停電電源装置。
  2. (a)前記第3および第5スイッチング素子の一端に抵抗素子を介して一端が接続され前記第4および第6スイッチング素子の一端に他端が接続され、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位の比率R倍の電位である第1電位と前記整流波形生成手段が生成する電位である第2電位との差分増幅電位が印加される制御端を有する第9スイッチング素子を備え、
    (b)前記第1電位が前記第2電位より高いとき、前記第9スイッチング素子の制御端が順バイアスされ該第9スイッチング素子が導通することにより、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位を低下させる動作により前記第1電位と前記第2電位を均等にすべく制御することを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置。
  3. (a)前記第3および第5スイッチング素子の一端に抵抗素子を介して一端が接続され前記第4および第6スイッチング素子の一端に他端が接続され、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位の比率R倍の電位である第1電位と前記整流波形生成手段の生成する電位である第2電位との差分増幅電位が印加される制御端を有する第12スイッチング素子と、
    (b)前記第3および第5スイッチング素子の一端と、前記第4および第6スイッチング素子の一端との間に、接続または断絶されるべく制御可能な1または複数のコンデンサと、を備え、
    (c)前記第1電位が前記第2電位より高いとき、前記第12スイッチング素子の制御端が順バイアスされ該第12スイッチング素子が導通することにより、前記抵抗素子の電圧降下を検出し前記1または複数のコンデンサのうちの所定数のコンデンサを接続または断絶することにより該第1電位を低下させ該第12スイッチング素子に流れる電流の量を減じさせる制御により、
    (d)該第1電位を該第2電位に近づけるべく制御をすることを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置。
  4. 前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記第1および第2スイッチング素子の制御端を制御し該第1および第2スイッチング素子をオフとし、前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の無停電電源装置。
  5. (a)前記第3および第5スイッチング素子の一端に抵抗素子を介して一端が接続され前記第4および第6スイッチング素子の一端に他端が接続され、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位の比率R倍の電位である第1電位と前記基準電圧生成手段の生成する基準電圧の一端の電位である第3電位との差分増幅電位が印加される制御端を有する第9スイッチング素子を備え、
    (b)前記第1電位が前記第3電位より高いとき、前記第9スイッチング素子の制御端が順バイアスされ該第9スイッチング素子が導通することにより、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位を低下させる動作により前記第1電位と前記第3電位を均等にすべく制御することを特徴とする請求項4に記載の無停電電源装置。
  6. (a)前記第3および第5スイッチング素子の一端に抵抗素子を介して一端が接続され前記第4および第6スイッチング素子の一端に他端が接続され、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位の比率R倍の電位である第1電位と前記基準電圧生成手段の生成する基準電圧の一端の電位である第3電位との差分増幅電位が印加される制御端を有する第12スイッチング素子と、
    (b)前記第3および第5スイッチング素子の一端と、前記第4および第6スイッチング素子の一端との間に、接続または断絶されるべく制御可能な1または複数のコンデンサと、を備え、
    (c)前記第1電位が前記第3電位より高いとき、前記第12スイッチング素子の制御端が順バイアスされ該第12スイッチング素子が導通することにより、前記抵抗素子の電圧降下を検出し前記1または複数のコンデンサのうちの所定数のコンデンサを接続または断絶することにより該第1電位を低下させ該第12スイッチング素子に流れる電流の量を減じさせる動作により、
    (d)該第1電位を該第3電位に近づけるべく制御をすることを特徴とする請求項4に記載の無停電電源装置。
  7. (a)前記入力交流電源の電圧の位相に同期して発振し該入力交流電源の電圧が消失したときにおいても該位相に固定され自走可能な正弦波発振手段をさらに備え、
    (b)前記平均波形生成手段の出力信号により前記直流電源の電圧を変換し出力する前記電源出力手段において、前記平均波形生成手段の出力信号を前記正弦波発振手段の出力する信号により代替し該直流電源の電圧を変換し出力することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の無停電電源装置。
  8. (a)相互の一端が接続され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入され第2整流素子が並列接続された制御端を有する第1スイッチング素子および第1整流素子が並列接続された制御端を有する第2スイッチング素子と、
    (b)前記交流電流路の入力端に印加される入力交流電源の電圧波形情報を所定期間蓄積し該電圧波形情報の平均値を基に該入力交流電源の電圧位相に同期した出力信号を生成する平均波形生成手段と、
    (c)直流電源とチョークコイルとの間に接続され前記平均波形生成手段の出力信号により制御端をPWM駆動されるべき第7スイッチング素子により直流電源の電圧を該出力信号に含まれる波形情報に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧に変換し該チョークコイルから電力を出力する電源出力手段と、
    (d)前記平均波形生成手段の出力信号により生成され前記電源出力手段に出力させるべき電圧波形と相似形である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
    (e)それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が前記電源出力手段の出力の一端に接続された第3および第5スイッチング素子と、それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が該電源出力手段の出力の他端に接続された第4および第6スイッチング素子と、
    (f)前記入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する整流波形生成手段と、を備え、
    (g)前記入力交流電源の一方の相の電圧が出力される前記第2スイッチング素子の他端と前記第3および第6スイッチング素子のそれぞれの他端との接続点と、該入力交流電源の他方の相と前記第4および第5スイッチング素子の他端との接続点とが負荷電源供給点を構成し、
    (h)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時前記第1、第3および第4スイッチング素子はオンし、該入力交流電源の一方の相が負サイクル時前記第2、第5および第6スイッチング素子はオンする排他的オンオフ制御により前記それぞれの制御端が駆動され、かつ、前記第1整流素子は該正サイクル時順方向に導通し、前記第2整流素子は該負サイクル時順方向に導通し、
    (i)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より小さいとき、前記第7スイッチング素子の制御端をPWM駆動し前記電源出力手段から電力を出力し、
    (j)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より大きいときは前記入力交流電源により、該整流波形生成手段が生成する電圧が該基準電圧より小さいときは前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする無停電電源装置。
  9. (a)一端が前記第7スイッチング素子の一端と前記チョークコイルとの接続点に接続され他端が前記第4および第6スイッチング素子の一端に接続された制御端を有する第8スイッチング素子を備え、
    (b)前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記整流波形生成手段が生成する電位である第2電位とを比較し、該第2電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第2電位の差分の大きさにより前記第7スイッチング素子と排他的にオンオフされる前記第8スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記チョークコイル側に存在する電力を前記直流電源側に送り込む回生作用を伴って該第2電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする請求項8に記載の無停電電源装置。
  10. 前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記第1および第2スイッチング素子の制御端を制御し該第1および第2スイッチング素子をオフとし、前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする請求項8に記載の無停電電源装置。
  11. (a)一端が前記第7スイッチング素子の一端と前記チョークコイルとの接続点に接続され他端が前記第4および第6スイッチング素子の一端に接続された制御端を有する第8スイッチング素子を備え、
    (b)前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記基準電圧生成手段が生成する基準電圧の一端の電位である第3電位とを比較し、該第3電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第3電位の差分の大きさにより前記第8スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記チョークコイル側に存在する電力を前記直流電源側に送り込む回生作用を伴って該第3電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする請求項10に記載の無停電電源装置。
  12. (a)前記入力交流電源の電圧の位相に同期して発振し該入力交流電源の電圧が消失したときにおいても該位相に固定され自走可能な正弦波発振手段をさらに備え、
    (b)前記平均波形生成手段の出力信号により制御端がPWM駆動される前記第7スイッチング素子において、前記平均波形生成手段の出力信号を前記正弦波発振手段が出力する信号により代替しPWM駆動することを特徴とする請求項10または11に記載の無停電電源装置。
  13. (a)相互の一端が接続され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入され第2整流素子が並列接続された制御端を有する第1スイッチング素子および第1整流素子が並列接続された制御端を有する第2スイッチング素子と、
    (b)前記交流電流路の入力端に印加される入力交流電源の電圧波形情報を所定期間蓄積し該電圧波形情報の平均値を基に該入力交流電源の電圧位相に同期した出力信号を生成する平均波形生成手段と、
    (c)一次コイルおよび該一次コイルに磁気結合された二次コイルを有するトランスと、前記平均波形生成手段の出力信号により制御端がPWM駆動され該一次コイルに印加される直流電圧をスイッチングすべき第10スイッチング素子により該直流電源の電圧を該出力信号に含まれる波形情報に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧に変換し該二次コイルから出力する電源出力手段と、
    (d)前記平均波形生成手段の出力信号により生成され前記電源出力手段に出力させるべき電圧波形と相似形である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
    (e)それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が前記電源出力手段の出力の一端に接続された第3および第5スイッチング素子と、それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が該電源出力手段の出力の他端に接続された第4および第6スイッチング素子と、
    (f)前記入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する整流波形生成手段と、を備え、
    (g)前記入力交流電源の一方の相の電圧が出力される前記第2スイッチング素子の他端と前記第3および第6スイッチング素子のそれぞれの他端との接続点と、該入力交流電源の他方の相と前記第4および第5スイッチング素子の他端との接続点とが負荷電源供給点を構成し、
    (h)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時前記第1、第3および第4スイッチング素子はオンし、該入力交流電源の一方の相が負サイクル時前記第2、第5および第6スイッチング素子はオンする排他的オンオフ制御により前記それぞれの制御端が駆動され、かつ、前記第1整流素子は前記正サイクル時順方向に導通し、前記第2整流素子は前記負サイクル時順方向に導通し、
    (i)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より小さいとき、前記第10スイッチング素子の制御端をPWM駆動し前記電源出力手段から電力を出力し、
    (j)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より大きいときは前記入力交流電源の電力により、該整流波形生成手段が生成する電圧が該基準電圧より小さいときは前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする無停電電源装置。
  14. (a)前記二次コイルに直列接続され該二次コイルを通した出力電流路を断続可能に制御すべき制御端を有する第11スイッチング素子を備え、
    (b)前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記整流波形生成手段が生成する電位である第2電位とを比較し、該第2電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第2電位の差分の大きさにより前記第11スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記二次コイル側に存在する電力を前記一次コイル側に送り込む回生作用を伴って該第2電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする請求項13に記載の無停電電源装置。
  15. 前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記第1および第2スイッチング素子の制御端を制御し該第1および第2スイッチング素子をオフとし、前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする請求項13に記載の無停電電源装置。
  16. (a)前記二次コイルに直列接続され該二次コイルを通した出力電流路を断続可能に制御すべき制御端を有する第11スイッチング素子を備え、
    (b)前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記基準電圧生成手段が生成する基準電圧の一端の電位である第3電位とを比較し、該第3電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第3電位の差分の大きさにより前記第11スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記二次コイル側に存在する電力を前記一次コイル側に送り込む回生作用を伴って該第3電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする請求項15に記載の無停電電源装置。
  17. (a)前記入力交流電源の電圧の位相に同期して発振し該入力交流電源の電圧が消失したときにおいても該位相に固定され自走可能な正弦波発振手段をさらに備え、
    (b)前記平均波形生成手段の出力信号により制御端がPWM駆動される前記第10スイッチング素子において、前記平均波形生成手段の出力信号を前記正弦波発振手段が出力する信号により代替しPWM駆動することを特徴とする請求項15または16に記載の無停電電源装置。
  18. (a)一次コイルおよび該一次コイルに磁気結合された二次コイルを有するトランスと、該一次コイルに印加される直流電圧をスイッチングする制御端を有する第10スイッチング素子と、該二次コイルの出力電流路に直列に接続され制御端を有する第11スイッチング素子と、を備え、
    (b)前記第10スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、前記第10スイッチング素子がオンし、前記一次コイルに電圧が印加されるとき前記二次コイルに発生する電圧を得るとともに、
    (c)前記第11スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、前記第11スイッチング素子がオンし、前記二次コイル側に印加されるべき直流電圧により該二次コイルに電圧が印加されるとき前記一次コイルに発生する電圧を得る、双方向にフォワード動作するスイッチング電源回路であって、
    (d)前記二次コイルの出力側に直列接続されるチョークコイル及び前記一次コイルの出力側に直列接続されるチョークコイルが無いことを特徴とする双方向電力転送回路。
  19. (a)一次コイルおよび該一次コイルに磁気結合された二次コイルを有するトランスと、該一次コイルに印加される直流電圧をスイッチングする制御端を有する第10スイッチング素子と、該一次コイルに並列に接続された第3整流素子と、該二次コイルの出力電流路に直列に接続され制御端を有する第11スイッチング素子と、該二次コイルに並列に接続された第4整流素子と、を備え、
    (b)前記第10スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、該第10スイッチング素子がオンし、前記一次コイルに第1電流が流れるように電圧が印加されるとき、前記二次コイルの出力電流路に第2電流が流れ該二次コイルに発生する電力を得る一方、該第10スイッチング素子がオフしたとき、該一次コイルおよび前記第3整流素子を通して第3電流が流れることに起因して該一次コイルの磁気回路に蓄積された磁束の減少が抑制されることにより、該二次コイルを通して該第2電流と同方向に第4電流が流れ該二次コイルに発生する電力を得るとともに、
    (c)前記第11イッチング素子の制御端に電圧を印加し、該第11スイッチング素子がオンし、前記二次コイル側に印加されるべき直流電圧により該二次コイルに第5電流が流れるように電圧が印加されるとき、前記一次コイルに第6電流が流れ該一次コイルに発生する電力を得る一方、該第11スイッチング素子がオフしたとき、該二次コイルおよび前記第4整流素子を通して第7電流が流れることに起因して該二次コイルの磁気回路に蓄積された磁束の減少が抑制されることにより、該一次コイルを通して該第6電流と同方向に第8電流が流れ該一次コイルに発生する電力を得る、双方向にフォワード及びフライバック動作することを特徴とする双方向電力転送回路。
  20. 前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚と、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、
    前記一次コイルが前記中央脚に巻装され、かつ前記二次コイルが前記一対の外側脚の各々に巻装され、
    前記中央脚から前記外側脚へ向かう磁束の一部が前記一次コイルと前記二次コイルとの間の空隙を通るとともに、前記外側脚から前記中央脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの空隙を通るよう構成され、
    前記一次コイルと前記二次コイルとを疎に磁気結合させることに起因し、いずれか一方のコイルを磁束発生源とし他方を磁束受領側としたときに、磁束発生源の磁束密度が磁束受領側の磁束密度より高いことを特徴とする請求項18または19に記載の双方向電力転送回路。
  21. 前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚と、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、
    前記一次コイルが前記中央脚に巻装され、前記二次コイルが前記一対の外側脚のいずれか一方に巻装され、かつ少なくとも前記二次コイルを巻装されない方の外側脚の中間位置に磁気ギャップが設けられ、
    前記中央脚から前記外側脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの間の空隙および前記二次コイルを巻装されない方の外側脚を通るとともに、該二次コイルを巻装した外側脚から該中央脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの間の空隙および該二次コイルを巻装されない方の外側脚を通るよう構成され、
    前記一次コイルと前記二次コイルとを疎に磁気結合させることに起因し、いずれか一方のコイルを磁束発生源とし他方を磁束受領側としたときに、磁束発生源の磁束密度が磁束受領側の磁束密度より高いことを特徴とする請求項18または19に記載の双方向電力転送回路。
  22. 前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚と、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、
    前記一次コイルが前記中央脚に巻装され、かつ前記二次コイルが前記一次コイルから離隔しかつ該一次コイルと同心状に前記一対の外側脚の内側に巻装され、
    前記中央脚から前記外側脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの間の空隙を通るとともに、該外側脚から該中央脚へ向かう磁束の一部が該一次コイルと該二次コイルとの間の空隙を通るよう構成され、
    前記一次コイルと前記二次コイルとを疎に磁気結合させることに起因し、いずれか一方のコイルを磁束発生源とし他方を磁束受領側としたときに、磁束発生源の磁束密度が磁束受領側の磁束密度より高いことを特徴とする請求項18または19に記載の双方向電力転送回路。
  23. 前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの中央部同士を連結する中央脚と、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、
    前記一次コイルが前記中央脚に巻装され、前記二次コイルが該一次コイルの外側に配置された磁性体片を介して該一次コイルと同心状に巻装され、
    前記中央脚から前記外側脚へ向かう磁束の一部が前記磁性体片を通るとともに、前記外側脚から前記中央脚へ向かう磁束の一部が前記磁性体片を通るよう構成され、
    前記一次コイルと前記二次コイルとを疎に磁気結合させることに起因し、いずれか一方のコイルを磁束発生源とし他方を磁束受領側としたときに、磁束発生源の磁束密度が磁束受領側の磁束密度より高いことを特徴とする請求項18または19に記載の双方向電力転送回路。
  24. (a)密に磁気結合された第1コイルおよび第2コイルを備える第1コイル群と該第1コイル群に疎に磁気結合され相互に密に磁気結合された第3コイルおよび第4コイルを備える第2コイル群とを備えかつ該第1コイルと該第3コイルとが第1の入出力点にて接続されるとともに該第2コイルと該第4コイルとが第2の入出力点にて接続されたトランスと、該第1コイルに印加されるべき直流電圧をスイッチングする制御端を有する第10スイッチング素子と、該第4コイルの電流路に直列に接続され制御端を有する第11スイッチング素子と、を備え、
    (b)前記第10スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、該第10スイッチング素子がオンし、前記第1コイルに前記第1の入出力点から第1の入力電流が流れ込むように電圧が印加されるとき、前記第4コイルを通して前記第2の入出力点から第1のフォワード電流が流れ出て該第4コイルに発生する電力を得る一方、該第10スイッチング素子がオフしたとき、前記第2コイルを通して該第2の入出力点から該第1のフォワード電流と同方向の第1のフライバック電流が流れ出て該第2コイルに発生する電力を得るとともに、
    (c)前記第11イッチング素子の制御端に電圧を印加し、前記第11スイッチング素子がオンし、前記第4コイルに印加されるべき直流電圧により該第4コイルへ前記第2の入出力点に前記第1のフォワード電流と逆方向の第2の入力電流が流れ込むように電圧が印加されるとき、前記第1コイルを通して前記第1の入出力点から前記第1の入力電流と逆方向の第2のフォワード電流が流れ出て該第1コイルに発生する電力を得る一方、該第11スイッチング素子がオフしたとき、前記第3コイルを通して該第1の入出力点から該第2のフォワード電流と同方向に第2のフライバック電流が流れ出て該第3コイルに発生する電力を得る、双方向にフォワードおよびフライバック動作することを特徴とする双方向電力転送回路。
  25. (a)密に磁気結合された第1コイルおよび第2コイルを備える第1コイル群と該第1コイル群に疎に磁気結合され相互に密に磁気結合された第3コイルおよび第4コイルを備える第2コイル群とを備えかつ該第1コイルと該第3コイルとが第1の入出力点にて接続されるとともに該第2コイルと該第4コイルとが第2の入出力点にて接続されたトランスと、該第3コイルに印加されるべき直流電圧をスイッチングする制御端を有する第10スイッチング素子と、該第4コイルの電流路に直列に接続され制御端を有する第11スイッチング素子と、を備え、
    (b)前記第10スイッチング素子の制御端に電圧を印加し、該第10スイッチング素子がオンし、前記第3コイルに前記第1の入出力点から第1の入力電流が流れ込むように電圧が印加されるとき、前記第2コイルを通して前記第2の入出力点から第1のフォワード電流が流れ該第2コイルに発生する電力を得る一方、該第10スイッチング素子がオフしたとき、該第4コイルを通して該第2の入出力点から該第1のフォワード電流と同方向の第1のフライバック電流が流れ出て該第4コイルに発生する電力を得るとともに、
    (c)前記第11イッチング素子の制御端に電圧を印加し、前記第11スイッチング素子がオンし、前記第4コイルに印加されるべき直流電圧により該第4コイルへ前記第2の入出力点に前記第1のフォワード電流と逆方向の第2の入力電流が流れ込むように電圧が印加されるとき、前記第1コイルを通して前記第1の入出力点から第1の入力電流と逆方向の第2のフォワード電流が流れ出て該第1コイルに発生する電力を得る一方、該第11スイッチング素子がオフしたとき、前記第3コイルを通して該第1の入出力点から該2のフォワード電流と同方向に第2のフライバック電流が流れ出て該第3コイルに発生する電力を得る、双方向にフォワードおよびフライバック動作することを特徴とする双方向電力転送回路。
  26. 前記トランスが、対向する一対のヨークと、両ヨークの対向する第1端部同士および第2端部同士の間にそれぞれ延在する一対の外側脚とから構成されるコアを有し、前記第1コイルおよび前記第2コイルが一方の該外側脚に巻装されかつ前記第3コイルおよび前記第4コイルが他方の該外側脚に巻装されるとともに、
    前記一対の外側脚の一方から他方へまたは他方から一方へ向かう磁束の一部が、前記第1コイルおよび前記第2コイルと、前記第3コイルおよび第4コイルとの間の空隙を通るように構成されることを特徴とする請求項24または25に記載の双方向電力転送回路。
  27. (a)相互の一端が接続され直列逆極性接続されて交流電流路に挿入され第2整流素子が並列接続された制御端を有する第1スイッチング素子および第1整流素子が並列接続された制御端を有する第2スイッチング素子と、
    (b)前記交流電流路の入力端に印加される入力交流電源の電圧波形情報を所定期間蓄積し該電圧波形情報の平均値を基に該入力交流電源の電圧位相に同期した出力信号を生成する平均波形生成手段と、
    (c)請求項18〜26のいずれかに記載の双方向電力転送回路を備え、前記平均波形生成手段の出力信号により前記第10スイッチング素子の制御端をPWM駆動し、直流電源の電圧を該出力信号に含まれる電圧波形情報に相似した交流電圧波形の全波整流波形電圧に変換し出力する電源出力手段と、
    (d)前記平均波形生成手段の出力信号により生成され前記電源出力手段に出力させるべき電圧波形と相似形である比率R倍の基準電圧を生成する基準電圧生成手段と、
    (e)それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が前記電源出力手段の出力の一端に接続された第3および第5スイッチング素子と、それぞれ制御端を有し相互に接続された一端が該電源出力手段の出力の他端に接続された第4および第6スイッチング素子と、
    (f)前記入力交流電源と相似形である比率R倍の全波整流波形を生成する整流波形生成手段と、を備え、
    (g)前記入力交流電源の一方の相の電圧が出力される前記第2スイッチング素子の他端と前記第3および第6スイッチング素子のそれぞれの他端との接続点と、該入力交流電源の他方の相と前記第4および第5スイッチング素子の他端との接続点とが負荷電源供給点を構成し、
    (h)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時前記第1、第3および第4スイッチング素子はオンし、該入力交流電源の一方の相が負サイクル時前記第2、第5および第6スイッチング素子はオンする排他的オンオフ制御により前記それぞれの制御端が駆動され、かつ、前記第1整流素子は前記正サイクル時順方向に導通し、前記第2整流素子は前記負サイクル時順方向に導通し、
    (i)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より小さいとき、前記第10スイッチング素子の制御端をPWM駆動し前記電源出力手段から電力を出力し、
    (j)前記整流波形生成手段が生成する電圧が前記基準電圧より大きいときは前記入力交流電源の電力により、該整流波形生成手段が生成する電圧が該基準電圧より小さいときは前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする無停電電源装置。
  28. 請求項18〜26のいずれかに記載の双方向電力転送回路を備え、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記整流波形生成手段が生成する電位である第2電位とを比較し、該第2電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第2電位の差分の大きさにより前記第11スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記第3および第5スイッチング素子の一端と前記第4および第6スイッチング素子の一端との間に発生する電力を前記直流電源に送り込む回生作用を伴って該第2電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする請求項27に記載の無停電電源装置。
  29. 前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記第1および第2スイッチング素子の制御端を制御し該第1および第2スイッチング素子をオフとし、前記電源出力手段による電力により負荷への電力を供給することを特徴とする請求項27に記載の無停電電源装置。
  30. 請求項18〜26のいずれかに記載の双方向電力転送回路を備え、前記第3および第5スイッチング素子の一端の電位と前記電源出力手段の出力電位の共通電位の比率R倍の電位である第1電位と、前記基準電圧生成手段が生成する基準電圧の一端の電位である第3電位とを比較し、該第3電位より該第1電位が大きいとき該第1電位と該第3電位の差分の大きさにより前記第11スイッチング素子の制御端をPWM駆動することにより、前記第3および第5スイッチング素子の一端と前記第4および第6スイッチング素子の一端との間に発生する電力を前記直流電源に送り込む回生作用を伴って該第3電位と該第1電位を均等にすべく制御することを特徴とする請求項29に記載の無停電電源装置。
  31. (a)前記入力交流電源の電圧の位相に同期して発振し該入力交流電源の電圧が消失したときにおいても該位相に固定され自走可能な正弦波発振手段をさらに備え、
    (b)前記平均波形生成手段の出力信号により制御端がPWM駆動される前記第10スイッチング素子において、前記平均波形生成手段の出力信号を前記正弦波発振手段が出力する信号により代替しPWM駆動することを特徴とする請求項29または30に記載の無停電電源装置。
  32. 前記第1スイッチング素子および前記第2整流素子に代替して第1整流回路を設け、かつ前記第2スイッチング素子および前記第1整流素子に代替して第2整流回路を設けており、
    (a1)前記第1整流回路が、第1定電流源によって第1制御端を有する第1半導体素子が駆動される第1電流路と、第2定電流源によってPN接合素子が駆動される第2電流路と、第2制御端を有する第2半導体素子により断続制御される整流電流路と、前記第2電流路を有する前記PN接合素子をバイパスする第3制御端を有する第3半導体素子とを備え、
    (a2)前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端とが前記第1スイッチング素子の他端に代替して接続されるともに、前記第2半導体素子の他端が前記第1スイッチング素子の一端に代替して接続され、
    (a3)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時、前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端に高電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に低電位が印加されるとき、前記第3半導体素子の第3制御端に制御電圧を印加することにより、前記第3半導体素子を導通させ、前記第2電流路を導通させることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、かつ、
    (a4)前記入力交流電源の一方の相が負サイクル時、前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端に低電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に高電位が印加されるとき、前記第2電流路が導通されることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、さらに、
    (b1)前記第2整流回路が、第1定電流源によって第1制御端を有する第1半導体素子が駆動される第1電流路と、第2定電流源によってPN接合素子が駆動される第2電流路と、第2制御端を有する第2半導体素子により断続制御される整流電流路と、前記第2電流路を有する前記PN接合素子をバイパスする第3制御端を有する第3半導体素子とを備え、
    (b2)前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端とが前記第2スイッチング素子の他端に代替して接続されるとともに、前記第2半導体素子の他端が前記第2スイッチング素子の一端に代替して接続され、
    (b3)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時、前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端に低電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に高電位が印加されるとき、前記第2電流路が導通されることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、かつ、
    (b4)前記入力交流電源の一方の相が負サイクル時、前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記PN接合素子の一端に高電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に低電位が印加されるとき、前記第3半導体素子の第3制御端に制御電圧を印加することにより、前記第3半導体素子を導通させ、前記第2電流路を導通させることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させることを特徴とする請求項1〜17または27〜31のいずれかに記載の無停電電源装置。
  33. 前記第1スイッチング素子および前記第2整流素子に替えて第1整流回路を設け、かつ、前記第2スイッチング素子および前記第1整流素子に替えて第2整流回路を設け、
    (a1)前記第1整流回路が、第1定電流源によって第1制御端を有する第1半導体素子が駆動される第1電流路と、第2定電流源によって第4制御端を有する第4半導体素子が駆動される第2電流路と、第2制御端を有する第2半導体素子により断続制御される整流電流路と、前記第2電流路を有する前記第4半導体素子をバイパスする第3制御端を有する第3半導体素子とを備え、
    (a2)前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端が前記第1スイッチング素子の他端に代替して接続されるとともに、前記第2半導体素子の他端が前記第1スイッチング素子の一端に代替して接続され、
    (a3)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時、前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端に高電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に低電位が印加されるとき、前記第3半導体素子の第3制御端に制御電圧を印加することにより、前記第3半導体素子を導通させ、前記第2電流路を導通させることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、かつ、
    (a4)前記入力交流電源の一方の相が負サイクル時、前記第1整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端に低電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に高電位が印加されるとき、前記第2電流路が導通されることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、
    (b1)前記第2整流回路が、第1定電流源によって第1制御端を有する第1半導体素子が駆動される第1電流路と、第2定電流源によって第4制御端を有する第4半導体素子が駆動される第2電流路と、第2制御端を有する第2半導体素子により断続制御される整流電流路と、前記第2電流路を有する前記第4半導体素子をバイパスする第3制御端を有する第3半導体素子とを備え、
    (b2)前記第2整流回路における前記第2半導体素子の他端が前記第2スイッチング素子の一端に代替して接続されるとともに、前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端が前記第2スイッチング素子の他端に代替して接続され、
    (b3)前記入力交流電源の一方の相が正サイクル時、前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端に低電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に高電位が印加されるとき、前記第2電流路が導通されることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させ、かつ、
    (b4)前記入力交流電源の一方の相が負サイクル時、前記第2整流回路における前記第2半導体素子の一端と前記第4半導体素子の一端に高電位が印加され、前記第2半導体素子の他端に低電位が印加されるとき、前記第3半導体素子の第3制御端に制御電圧を印加することにより、前記第3半導体素子を導通させ、前記第2電流路を導通させることにより、前記第1電流路は遮断され、前記第2半導体素子の第2制御端を駆動し、前記第2半導体素子を導通させ前記整流電流路を導通させることを特徴とする請求項1〜17または27〜31のいずれかに記載の無停電電源装置。
  34. 前記整流波形生成手段が生成する電圧が所定値の電圧より低下した場合、前記電源出力手段が正常時における前記入力交流電源の電圧にて電圧を出力することを特徴とする請求項1〜17または27〜33にいずれかに記載の無停電電源装置。
  35. 請求項1〜17または27〜34のいずれかに記載の無停電電源装置を用いた電源供給装置であって、前記電源出力手段が、前記入力交流電源の電圧より大きい電圧にて全波整流波形を出力することを特徴とする電源供給装置。
  36. 密に磁気結合された第1コイルおよび第2コイルを備える第1コイル群と、密に磁気結合された第3コイルおよび第4コイルを備える第2コイル群とを備え、該第1コイル群と該第2コイル群とが疎に磁気結合されているトランス。
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