JP2007317166A - 距離認識システム、光ビーコン、車載機、車両、及び、距離認識方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 道路R上の所定範囲が通信領域Aとされ、車載機1が送信したアップリンク情報を光ビーコン2が受信した後に所定のダウンリンク情報を車載機1へ繰り返し送信する。前記ダウンリンク情報には、通信領域Aから前方の停止線Pまでの距離Lについての距離情報、及び、前記アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報が含まれている。車載機1は、このダウンリンク情報を受信し、これに含まれる送信経過情報を用いて距離情報を補正し、停止線Pまでの距離L1を求める。
【選択図】 図4
Description
特許文献1に記載されている装置では、例えば、青を表示している信号機が赤になるまでの時間情報を、道路に設けた送信装置から車両へ送信し、車載機側でこの時間情報とその際の走行速度とに基づいて演算を行い、交差点を安全に通過できる時間がないと判断した場合、つまり、交差点手前で車両は停止すべきと判断した場合、自動的にブレーキがかかり車両を減速、停止させる制御を行い、交差点手前で停止させている。
一方、GPSを用いたカーナビゲーションシステムの機能により自車両の現走行位置を検出でき、また、カーナビゲーションシステムの地図データから交差点の位置を抽出することができることによって、現走行位置から交差点手前の停止線等の所定位置までの距離を算出することができる。しかし、GPSによる位置の検出誤差は数十メートル程度生じるため、正確な運転支援制御が困難となる。
しかし、光ビーコンがアップリンク情報を受信した後、この光ビーコンからダウンリンク情報が繰り返し送信されるが、車載機ではこの繰り返し送信されているダウンリンク情報を、所定回数目で始めて受信する場合がある。この場合、光ビーコンが最初のダウンリンク情報を送信してから、車載機が前記所定回数目で所定のダウンリンク情報を受信するまでに、この車載機を搭載した車両はある距離だけ進行する。
そこで、前記距離認識システム及び距離認識方法によれば、車載機がダウンリンク情報に含まれる、前記最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を用いて、距離情報を補正することができる。これにより、前方の所定位置までの距離について精度を高めて求めることができる。
なお、送信経過情報として上記送信回数経過情報を採用する場合において、その送信回数を、前記ダウンリンク情報を構成する最小フレームの送信回数とすれば、ダウンリンク情報の送信回数についての分解能が細かくなり、距離情報の補正計算の精度を高めることができる。
この構成によれば、光ビーコンは、前記送信経過情報を含むダウンリンク情報を送信する。そして、車両側において、前記送信経過情報を用いて種々の処理を可能とさせる。例えば車両側において、前記ダウンリンク情報として、前記通信領域から前方の所定位置までの距離についての距離情報をも受信している場合、前記送信経過情報を用いてこの距離情報を補正することができ、前方の所定位置までの距離について精度を高めて求めることができる。
すなわち、上記車載機は、道路を走行する車両に搭載され、前記道路の所定範囲に通信領域が設定された光ビーコンに対してアップリンク情報を送信するものであって、
前記通信領域から前記道路の所定位置までの距離についての距離情報と、前記アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を含むダウンリンク情報を前記光ビーコンから受信する通信部と、この通信部で受信された前記ダウンリンク情報に含まれる前記送信経過情報を用いて前記距離情報を補正し、前記所定位置までの距離を求める距離算出部とを有することを特徴とする。
前記通信領域から前記道路の所定位置までの距離についての距離情報と、前記アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を含むダウンリンク情報を前記光ビーコンから受信する通信部と、この通信部で受信された前記ダウンリンク情報に含まれる前記送信経過情報を用いて前記距離情報を補正し、前記所定位置までの距離を求める距離算出部とを有することを特徴とする。
図1はこの発明の光ビーコンを含む交通管制システム、及び、車両に搭載される車載機についての概略を示す図である。図2は光ビーコンと車載機とによるこの発明の距離認識システムが用いられることで行われる車両の運転支援制御を説明する図である。図3は光ビーコン、車載機を搭載した車両の概略構成を示す図である。
また、図4で示しているように、アップリンク通信可能領域の車両進行方向の始端と、ダウンリンク通信可能領域の車両進行方向の始端とを一致させているが、ダウンリンク通信可能領域の始端がさらに車両進行方向の上流側(右側)とされている場合がある(図示せず)。なお、以下において、アップリンク通信可能領域の始端とダウンリンク通信可能領域の始端とが一致した場合で説明する。
そしてこの発明では、光ビーコン2において、アップリンク通信領域を第一領域A1とし、この第一領域A1の車両進行方向終端から、前記ダウンリンク通信可能領域のうち、ダウンリンク情報を車載機1で受信させることができる車両進行方向終端の位置までの領域を第二領域A2としている。このダウンリンク情報を車載機1で受信させることができる車両進行方向終端の位置は、通信領域Aの終点位置と一致する。なお、第一領域A1では、光ビーコン2が車載機1からアップリンク情報を受信できる領域であると共に、光ビーコン2が車載機1へダウンリンク情報を送信している領域でもある。以下において、第一領域A1と第二領域A2とを合わせた領域を通信領域Aとして説明する。
光ビーコン2は、第一の情報として「車線通知情報を含む情報」を道路Rの通信領域Aのダウンリンク通信可能領域に対して所定のダウンリンク送信周期で送信し続けている(図6のF1)。なお、この車線通知情報には車両IDが格納されていない。車載機1を搭載した車両Cがこの領域内に進入し、車載機1が前記「車線通知情報(車両ID無し)を含む情報」を受信することにより、車載機1は通信領域A内に存在していることを認識できる。この認識を行うと車載機1はアップリンク送信を開始し(図6のF2)、「アップリンク情報」を光ビーコン2に対して所定のアップリンク送信周期で送信する(図6のF3)。車載機1によるこの送信は前記第一領域A1(図4参照)において行われる。また、前記「アップリンク情報」にはその車両自身の車両IDが格納されている。なお、車載機1による後の「光ビーコン2がダウンリンクの切替を行った」ことについての認識が、当該車載機1において行われるまで「アップリンク情報」を送信し続ける。
図3において、車載機1は、当該車載機1を搭載した車両Cの「速度情報」を得る速度検出手段8をさらに有している。車載機1の距離算出部12は演算手段15と補正手段16とを有しており、演算手段15は、光ビーコン2におけるダウンリンクの切替後、つまりアップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信時から、ダウンリンク情報の受信時までに車載機1が進行(移動)した進行距離(移動距離)を、当該ダウンリンク情報に含まれている「経過時間情報」、及び、前記「速度情報」を用いて求める。そして、補正手段16は、この演算手段15が求めた進行距離に基づいて「距離情報」を補正する。
車載機1が通信領域Aに進入すると、この車載機1は光ビーコン2からダウンリンク情報を受け、光ビーコン2に対してアップリンク情報を送信する(矢印U)。その後、光ビーコン2から「距離情報」及び「経過時間情報」を含むダウンリンク情報が繰り返し送信される。この繰り返し送信されるダウンリンク情報のうち、例えば、車載機1が、一回目のダウンリンク情報を受信できず(矢印D1)、二回目のダウンリンク情報を受信できたとする(矢印D2)。この場合、二回目のダウンリンク情報には「距離情報」とこれに対応した「経過時間情報」とが含まれており、この「経過時間情報」は、この「距離情報」が(前記のとおり)ダウンリンク情報の送信開始時から84msec経過したものであることについての情報とされており、この情報を車載機1は二回目のダウンリンク情報として受信する。
そして、演算手段15は、この平均走行速度(時速50km)に、受信した経過時間情報(84msec)を乗じて、光ビーコン2がアップリンク情報を受信した後の最初(一回目)のダウンリンク情報の送信時から、二回目のダウンリンク情報の受信時までに車載機1が進行した進行距離E(1.16m)を求めることができる。そして、補正手段16は、「距離情報」による距離L(例えば50m)から、前記進行距離E(1.16m)を減ずる演算を行うことで、前記距離Lを補正し、二回目のダウンリンク情報を受信(矢印D2)した時点から前方の停止線Pまでの距離L1(48.84m)を求めることができる。これにより、前方の停止線Pまでの距離について精度を高めて求めることができる。
このように、ダウンリンク情報を受信した車両C(車載機1)の現走行位置から前方の停止線Pまでの距離L1を求める(位置標定する)ことができる(図6のF8)。
この場合では、繰り返し送信されるダウンリンク情報のうち、車載機1が、送信開始からm回についてのダウンリンク情報を受信できず(矢印Dm)、通信領域Aの終点直ぐ手前の位置でm+1回目のダウンリンク情報を始めて受信できたとする(矢印Dm+1)。この場合、m+1回目のダウンリンク情報には「経過時間情報」として、ダウンリンク情報の送信開始時からの経過時間についての情報、つまり、前記のとおり、(n−1)=((m+1)−1)にダウンリンク送信周期(84msec)を乗じた時間だけ経過したことについての情報が含まれており、これを車載機1はm+1回目のダウンリンク情報として受信する。
そして、速度検出手段8は、この処理の際の走行速度を検出し(例えば時速50km)、前記演算手段15は、この平均走行速度(時速50km)に、受信した経過時間情報(252msec)を乗じて、光ビーコン2がアップリンク情報を受信した後の最初(一回目)のダウンリンク情報の送信時から、四回目のダウンリンク情報の受信時までに車載機1が進行した進行距離E(3.5m)を求めることができる。そして、補正手段16は、「距離情報」による距離L(例えば50m)から、前記進行距離E(3.5m)を減ずる演算を行うことで、前記距離Lを補正し、四回目のダウンリンク情報を受信(矢印D4)した時点から前方の停止線Pまでの距離L1(46.5m)を求めることができる。
しかし、この発明では、車載機1が「送信経過情報(経過時間情報)」を用いて「距離情報」を補正しているため、通信領域A内における受信位置による誤差を解消できる。これにより、前方の停止線Pまでの距離について精度を高めて求めることができ、信頼性の高い運転支援制御を行うことができる。
前記ダウンリンク情報は1又は複数種類の情報で構成されており、前記各情報は1又は複数のフレームにより構成されている。そして、この1又は複数のフレームが順次所定のダウンリンク送信周期で繰り返し送信されている。そこで、ダウンリンク情報を複数のフレームで構成している場合、前記「経過時間情報」として、複数のフレームのそれぞれに、当該フレームが送信されるまでの経過時間についての情報を個別に含ませたものとすることができる。このフレームが送信されるまでの経過時間は、光ビーコン2がアップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信時を基準時としたものとできる。
これによれば、経過時間についての分解能を細かくでき、前記「距離情報」の補正について精度を高めて行うことができる。したがって、停止線Pまでの距離認識の精度を向上させることができる。
車載機1が通信領域Aに進入すると、この車載機1は光ビーコン2からダウンリンク情報を受け、光ビーコン2に対してアップリンク情報を送信する(矢印U)。その後、光ビーコン2から「距離情報」及び「送信回数経過情報」を含むダウンリンク情報が繰り返し送信される。この繰り返し送信されるダウンリンク情報のうち、例えば、車載機1が、一回目のダウンリンク情報を受信できず(矢印D1)、二回目のダウンリンク情報を受信できたとする(矢印D2)。この場合、二回目のダウンリンク情報には「距離情報」とこれに対応した「送信回数経過情報」とが含まれており、この「送信回数経過情報」は、前記のとおり(n=2)とした情報とされており、この情報を車載機1は二回目のダウンリンク情報として受信する。
この形態においても、車載機1が「送信経過情報(送信回数経過情報)」を用いて「距離情報」を補正しているため、通信領域A内の受信位置による誤差を解消できる。これにより、前方の停止線Pまでの距離について精度を高めて求めることができ、信頼性の高い運転支援制御を行うことができる。
前記のとおりダウンリンク情報は1又は複数種類の情報で構成されており、前記各情報は1又は複数のフレームにより構成されている。そして、この1又は複数のフレームが順次所定のダウンリンク送信周期で繰り返し送信されている。そこで、ダウンリンク情報を複数のフレームで構成している場合、前記「送信回数経過情報」として、複数のフレームのそれぞれに、各フレームが基準時から何回目に送信されたものであるかについての通算フレーム送信回数情報を個別に含ませたものとすることができる。なお、この通算フレーム送信回数情報は、光ビーコン2がアップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を開始した時点を基準としたものとできる。そして、この場合において、各フレームの送信時間間隔を車載機1に記憶させておくことで、これを用いて各フレームが送信された際の基準時からの経過時間を求めることができる。
これによれば、ダウンリンク情報の送信回数についての分解能を細かくでき、前記「距離情報」の補正について精度を高めて行うことができる。したがって、停止線Pまでの距離認識の精度を向上させることができる。
また、車両Cを制動して停止させる形態において、前記所定位置を停止線Pの位置として説明したが、所定位置を信号機のある位置や、車両感知器の位置などとすることができる。また、距離情報について、前記実施の形態では、通信領域Aの位置を、通信領域Aの始点位置として説明したが、これ以外であってもよく、距離情報の距離を、所定位置Pから第一領域A1と第二領域A2との間の位置までの距離とすることもできる。
光ビーコン2の場合には、上記最小フレームは、規約上で約128バイトのフレームよりなり、このフレームが約1msごとに送信される。このため、ビーコン2の制御部2bにおいて最小フレームの送信回数をナンバリングしておき、この送信回数を用いて「送信回数経過情報」を生成するようにすれば、ダウンリンク情報の送信回数についての分解能を最小フレームの送信間隔とすることができ、距離情報の補正計算の精度を高めることができる。
もっとも、前述の通り、複数の最小フレーム(例えば3つの最小フレーム)で一つのダウンリンク情報が構成される場合には、その複数の最小フレームで構成されるダウンリンク情報の繰り返し回数をナンバリングしておき、その繰り返し回数を用いて「送信回数経過情報」を生成することにしてもよい。
2 光ビーコン
2a 通信部
8 速度検出手段
12 距離算出部
15 演算手段
16 補正手段
A 通信領域
C 車両
P 停止線(所定位置)
R 道路
Claims (7)
- 道路上の所定範囲が通信領域とされ、この通信領域でアップリンク情報を送信する車載機と、前記通信領域で前記アップリンク情報を受信した後に所定のダウンリンク情報を前記車載機へ所定の送信周期で繰り返し送信する光ビーコンと、を備え、前記車載機が受信した前記ダウンリンク情報を用いて車両進行方向前方の所定位置までの距離を求める距離認識システムであって、
前記ダウンリンク情報は、前記通信領域から前記所定位置までの距離についての距離情報、及び、前記アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を含み、
前記車載機は、前記送信経過情報を用いて前記距離情報を補正し前記所定位置までの距離を求める距離算出部を有していることを特徴とする距離認識システム。 - 前記送信経過情報は、前記最初のダウンリンク情報の送信時を基準時とした経過時間についての経過時間情報と、前記最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信回数についての送信回数経過情報とのうちの少なくとも一方を含む請求項1に記載の距離認識システム。
- 前記送信回数は、前記ダウンリンク情報を構成する最小フレームの送信回数である請求項2に記載の距離認識システム。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の距離認識システムに用いられることを特徴とする車載機。
- 請求項4に記載の車載機を搭載した車両。
- 道路上の所定範囲が通信領域とされ、この通信領域でダウンリンク情報を所定の送信周期により繰り返し送信する光ビーコンであって、
前記ダウンリンク情報は、アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を含むことを特徴とする光ビーコン。 - 道路上の所定範囲が通信領域とされ、この通信領域で、車載機が送信したアップリンク情報を光ビーコンが受信した後に、当該光ビーコンが所定のダウンリンク情報を前記車載機へ繰り返し送信し、
前記車載機は、受信した前記ダウンリンク情報に含まれている情報のうち、前記光ビーコンが前記アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を用いて、当該ダウンリンク情報に含まれている前記通信領域から車両進行方向前方の所定位置までの距離についての距離情報を補正し、前記所定位置までの距離を求めることを特徴とする距離認識方法。
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