JP4631981B2 - 距離認識システム、距離認識方法、路車間通信システム及び路車間通信方法 - Google Patents
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Description
しかし、特許文献1に記載されている装置では、車両を減速させる制御が自動的に行われても停止線までの距離が正確に判らないため、車両を適切に停止線にしたがって停止させることが困難となり、オーバーランなどといった不具合を生じさせるおそれがある。したがって従来の技術では交差点における事故を未然に防ぐ装置として不十分な面がある。
そこで、前記距離認識システム及び距離認識方法によれば、車載機がダウンリンク情報に含まれる、前記最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を用いて、距離情報を補正することができる。これにより、前方の所定位置までの距離について精度を高めて求めることができる。
なお、送信経過情報として上記送信回数経過情報を採用する場合において、その送信回数を、前記ダウンリンク情報を構成する最小フレームの送信回数とすれば、ダウンリンク情報の送信回数についての分解能が細かくなり、距離情報の補正計算の精度を高めることができる。
(1) 前記通信領域から車両進行方向前方の所定位置までの距離についての距離情報
(2) アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報
(1) 前記通信領域から車両進行方向前方の所定位置までの距離についての距離情報
(2) アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報
図1はこの発明の光ビーコンを含む交通管制システム、及び、車両に搭載される車載機についての概略を示す図である。図2は光ビーコンと車載機とによるこの発明の距離認識システムが用いられることで行われる車両の運転支援制御を説明する図である。図3は光ビーコン、車載機を搭載した車両の概略構成を示す図である。
具体的には、図2を参照して、中央装置30は道路Rに多数設けられた光ビーコン2のそれぞれに対して、当該各光ビーコン2による路車間通信領域A(以下、通信領域Aという)から、道路R上における当該光ビーコン2よりも進行方向前方の所定位置Pまでの距離に関する情報(以下、距離情報という)を送信している。
そして、この距離情報は各光ビーコン2に登録され記憶されている。なお、前記距離情報は、中央装置30から受信する以外に、例えば光ビーコン2の設置の際に当該光ビーコン2に固定的に記憶させたものであってもよい。
図2において、通信部2aは路側に立設された支柱6の上部に取り付けられており、道路Rに対して所定の範囲が通信領域Aとなるように設定されている。この通信部2aは通信領域Aにダウンリンク情報を送信する。制御部2bは通信部2aを制御する機能を有し、前記距離情報を記憶する記憶部2cを有している。
さらに具体的には、距離情報を、停止線Pの位置(矢印Z)と通信領域Aの始点位置(矢印X1)との間の距離Lについての情報とすることができる。なお、通信領域Aは、光ビーコン2と車載機1とが通信可能となる状態の範囲である。
図4において、通信領域Aは、ダウンリンク通信可能領域と、アップリンク通信可能領域とがある。アップリンク領域は、車両C側(車載機1)からのアップリンク情報を光ビーコン2が受信できる領域であり、ダウンリンク領域は、光ビーコン2がダウンリンク情報を車両C側(車載機1)へ送信し、当該ダウンリンク情報を当該車両C側が受信できる領域である。図4において、アップリンク通信可能領域は、ダウンリンク通信可能領域の車両進行方向の前部(上流部)と重複しており、ダウンリンク領域は通信領域Aと一致している。
なお、以下において、アップリンク通信可能領域の始端とダウンリンク通信可能領域の始端とが一致した場合で説明する。
なお、第一領域A1では、光ビーコン2が車載機1からアップリンク情報を受信できる領域であると共に、光ビーコン2が車載機1へダウンリンク情報を送信している領域でもある。以下において、第一領域A1と第二領域A2とを合わせた領域を通信領域Aとして説明する。
そして、車両Cが通信領域Aに向かって走行し、車載機1が通信領域A内にある状態で、通信部11が光ビーコン2からの信号を受信し、距離算出部12がこの信号を用いて、通信領域A内における現走行位置から車両進行方向前方の停止線Pまでの距離を求めるように構成されている。
光ビーコン2は、第一の情報として「車線通知情報を含む情報」を道路Rの通信領域Aのダウンリンク通信可能領域に対して所定のダウンリンク送信周期で送信し続けている(図6のF1)。なお、この車線通知情報には車両IDが格納されていない。
車載機1によるこの送信は前記第一領域A1(図4参照)において行われる。また、前記「アップリンク情報」にはその車両自身の車両IDが格納されている。なお、車載機1による後の「光ビーコン2がダウンリンクの切替を行った」ことについての認識が、当該車載機1において行われるまで「アップリンク情報」を送信し続ける。
つまり、光ビーコン2が先に受信した前記「アップリンク情報」に格納されていた車両IDに基づいて、光ビーコン2(制御部2b)は、アップリンク情報を受信した後に、第二の情報としての前記ダウンリンク情報に前記車両IDを格納させている(図6のF5)。
つまり、繰り返し送信されているダウンリンク情報のそれぞれには、前記最初のダウンリンク情報の送信開始時間を基準(ゼロ)とした「経過時間情報」が含まれている。例えばダウンリンク送信周期が84msecとされていると、二回目に送信されるダウンリンク情報には「経過時間情報」として、ダウンリンク送信周期の一周期ぶんである84msec経過していることを意味する情報が含まれている。
これは、例えば最初のダウンリンク情報が、車載機1の通信部2aの手前において、ワイパーなどによって反射されたり、通信領域Aの周辺環境(降雨、霧)によって信号が反射されたりした場合に、特に発生する。
この結果、受信した「距離情報」に誤差を生じさせてしまう。そこで、車載機1の距離算出部12は、前記ダウンリンク情報を受信すると、これに含まれている「送信経過情報(経過時間情報)」を用いて「距離情報」を補正し、停止線Pまでの距離を求める。
図3において、車載機1は、当該車載機1を搭載した車両Cの「速度情報」を得る速度検出手段8をさらに有している。
車載機1の距離算出部12は演算手段15と補正手段16とを有しており、演算手段15は、光ビーコン2におけるダウンリンクの切替後、つまりアップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信時から、ダウンリンク情報の受信時までに車載機1が進行(移動)した進行距離(移動距離)を、当該ダウンリンク情報に含まれている「経過時間情報」、及び、前記「速度情報」を用いて求める。そして、補正手段16は、この演算手段15が求めた進行距離に基づいて「距離情報」を補正する。
車載機1が通信領域Aに進入すると、この車載機1は光ビーコン2からダウンリンク情報を受け、光ビーコン2に対してアップリンク情報を送信する(矢印U)。その後、光ビーコン2から「距離情報」及び「経過時間情報」を含むダウンリンク情報が繰り返し送信される。
そして、演算手段15は、この平均走行速度(時速50km)に、受信した経過時間情報(84msec)を乗じて、光ビーコン2がアップリンク情報を受信した後の最初(一回目)のダウンリンク情報の送信時から、二回目のダウンリンク情報の受信時までに車載機1が進行した進行距離E(1.16m)を求めることができる。
このように、ダウンリンク情報を受信した車両C(車載機1)の現走行位置から前方の停止線Pまでの距離L1を求める(位置標定する)ことができる(図6のF8)。
この場合、「経過時間情報」は((4−1)×84=)252msec経過したことについての情報を、「距離情報」とともに車載機1は四回目のダウンリンク情報として受信する。
そして、補正手段16は、「距離情報」による距離L(例えば50m)から、前記進行距離E(3.5m)を減ずる演算を行うことで、前記距離Lを補正し、四回目のダウンリンク情報を受信(矢印D4)した時点から前方の停止線Pまでの距離L1(46.5m)を求めることができる。
前記ダウンリンク情報は1又は複数種類の情報で構成されており、前記各情報は1又は複数のフレームにより構成されている。そして、この1又は複数のフレームが順次所定のダウンリンク送信周期で繰り返し送信されている。
これによれば、経過時間についての分解能を細かくでき、前記「距離情報」の補正について精度を高めて行うことができる。したがって、停止線Pまでの距離認識の精度を向上させることができる。
つまり、繰り返し送信されているダウンリンク情報のそれぞれには、前記最初のダウンリンク情報を基準とした「送信回数経過情報」が含まれている。すなわち、前記最初のダウンリンク情報には「送信回数経過情報」として「一回目」であることを意味する情報(n=1)が含まれている。さらにその次である二回目のダウンリンク情報には「送信回数経過情報」として「二回目」であることを意味する情報(n=2)が含まれている。
さらに、この車載機1の距離算出部12が有している演算手段15は、光ビーコン2におけるダウンリンクの切替後、つまりアップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信からダウンリンク情報の受信までに車載機1が進行した進行距離を、当該ダウンリンク情報に含まれている前記「送信回数経過情報」、ダウンリンクの「送信周期」、及び、「速度情報」を用いて求める。なお、このダウンリンク情報は所定の送信周期で光ビーコン2から送信されており、この送信周期は車載機1に予め記憶されている。
車載機1が通信領域Aに進入すると、この車載機1は光ビーコン2からダウンリンク情報を受け、光ビーコン2に対してアップリンク情報を送信する(矢印U)。その後、光ビーコン2から「距離情報」及び「送信回数経過情報」を含むダウンリンク情報が繰り返し送信される。
この繰り返し送信されるダウンリンク情報のうち、例えば、車載機1が、一回目のダウンリンク情報を受信できず(矢印D1)、二回目のダウンリンク情報を受信できたとする(矢印D2)。この場合、二回目のダウンリンク情報には「距離情報」とこれに対応した「送信回数経過情報」とが含まれており、この「送信回数経過情報」は、前記のとおり(n=2)とした情報とされており、この情報を車載機1は二回目のダウンリンク情報として受信する。
この形態においても、車載機1が「送信経過情報(送信回数経過情報)」を用いて「距離情報」を補正しているため、通信領域A内の受信位置による誤差を解消できる。これにより、前方の停止線Pまでの距離について精度を高めて求めることができ、信頼性の高い運転支援制御を行うことができる。
前記のとおりダウンリンク情報は1又は複数種類の情報で構成されており、前記各情報は1又は複数のフレームにより構成されている。そして、この1又は複数のフレームが順次所定のダウンリンク送信周期で繰り返し送信されている。
そこで、ダウンリンク情報を複数のフレームで構成している場合、前記「送信回数経過情報」として、複数のフレームのそれぞれに、各フレームが基準時から何回目に送信されたものであるかについての通算フレーム送信回数情報を個別に含ませたものとすることができる。
これによれば、ダウンリンク情報の送信回数についての分解能を細かくでき、前記「距離情報」の補正について精度を高めて行うことができる。したがって、停止線Pまでの距離認識の精度を向上させることができる。
車載機1は、受信したダウンリンク情報に含まれている情報のうち、光ビーコン2が前記アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした「送信経過情報」を用いて、ダウンリンク情報に含まれている前記「距離情報」を補正し、前方の停止線Pまでの距離を求めることにより行われる。
走行制御手段9はマイクロコンピュータからなり、ECUとすることもできる。また、前記速度検出手段8は、前記車載機1が備えた構成(図3)とする以外に、車載機1とは別体として車両Cに設けられた構成(図示せず)としたりできる。
この走行制御を具体的に説明すると、車載機1の距離算出部12が求めた停止線Pまでの距離L1を基にして、当該距離算出部12と速度検出手段8と走行制御手段9との相互間の情報通信により、車両Cの走行に伴って距離L1の地点までの残距離を距離算出部12で随時求めながら、それに対応させて走行制御手段9は距離L1までの地点までの区間で徐々に車両Cを減速させ、距離L1だけ進んだ時点で車両Cの速度をゼロとさせる。これにより、車両Cは停止線Pで自動停止させることができる。
光ビーコン2の場合には、上記最小フレームは、規約上で約128バイトのフレームよりなり、このフレームが約1msごとに送信される。このため、ビーコン2の制御部2bにおいて最小フレームの送信回数をナンバリングしておき、この送信回数を用いて「送信回数経過情報」を生成するようにすれば、ダウンリンク情報の送信回数についての分解能を最小フレームの送信間隔とすることができ、距離情報の補正計算の精度を高めることができる。
もっとも、前述の通り、複数の最小フレーム(例えば3つの最小フレーム)で一つのダウンリンク情報が構成される場合には、その複数の最小フレームで構成されるダウンリンク情報の繰り返し回数をナンバリングしておき、その繰り返し回数を用いて「送信回数経過情報」を生成することにしてもよい。
2 光ビーコン
2a 通信部
8 速度検出手段
12 距離算出部
15 演算手段
16 補正手段
A 通信領域
C 車両
P 停止線(所定位置)
R 道路
Claims (6)
- 道路上の所定範囲が通信領域とされ、この通信領域でアップリンク情報を送信する車載機と、前記通信領域で前記アップリンク情報を受信した後に所定のダウンリンク情報を前記車載機へ所定の送信周期で繰り返し送信する光ビーコンと、を備え、前記車載機が受信した前記ダウンリンク情報を用いて車両進行方向前方の所定位置までの距離を求める距離認識システムであって、
前記ダウンリンク情報は、前記通信領域から前記所定位置までの距離についての距離情報、及び、前記アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を含み、
前記車載機は、前記送信経過情報を用いて前記距離情報を補正し前記所定位置までの距離を求める距離算出部を有していることを特徴とする距離認識システム。 - 前記送信経過情報は、前記最初のダウンリンク情報の送信時を基準時とした経過時間についての経過時間情報と、前記最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信回数についての送信回数経過情報とのうちの少なくとも一方を含む請求項1に記載の距離認識システム。
- 前記送信回数は、前記ダウンリンク情報を構成する最小フレームの送信回数である請求項2に記載の距離認識システム。
- 道路上の所定範囲が通信領域とされ、この通信領域で、車載機が送信したアップリンク情報を光ビーコンが受信した後に、当該光ビーコンが所定のダウンリンク情報を前記車載機へ繰り返し送信し、
前記車載機は、受信した前記ダウンリンク情報に含まれている情報のうち、前記光ビーコンが前記アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報を用いて、当該ダウンリンク情報に含まれている前記通信領域から車両進行方向前方の所定位置までの距離についての距離情報を補正し、前記所定位置までの距離を求めることを特徴とする距離認識方法。 - 道路上の通信領域においてアップリンク情報を送信する車載機と、同通信領域においてダウンリンク情報を送信する光ビーコンとを備えた路車間通信システムであって、
前記光ビーコンは、アップリンク情報を受信した後に所定の送信周期で前記車載機に繰り返し送信するダウンリンク情報に、次の(1)及び(2)の情報を含めることを特徴とする路車間通信システム。
(1) 前記通信領域から車両進行方向前方の所定位置までの距離についての距離情報
(2) アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報 - 道路上の通信領域において、車載機と光ビーコンとの間でアップリンク情報とダウンリンク情報とを互いに送受信して行われる路車間通信方法であって、
前記光ビーコンは、アップリンク情報を受信した後に所定の送信周期で前記車載機に繰り返し送信するダウンリンク情報に、次の(1)及び(2)の情報を含めることを特徴とする路車間通信方法。
(1) 前記通信領域から車両進行方向前方の所定位置までの距離についての距離情報
(2) アップリンク情報を受信した後の最初のダウンリンク情報の送信を基準とした送信経過情報
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