JP2007316077A - 赤外線センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】温度検知部が2次元アレイ状に配置された構成において高感度化および応答速度の高速化を図れる赤外線センサを提供する。
【解決手段】ベース基板1と、ベース基板1の一表面側において2次元アレイ状に配列され赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する複数の温度検知部3と、各温度検知部3がベース基板1の上記一表面から離間して配置されるように各温度検知部3を各別に支持して各温度検知部3とベース基板1とを熱絶縁する複数の断熱部4と、ベース基板1の上記一表面側において各温度検知部3および各断熱部4を囲みベース基板1との間に気密空間15を形成する封止部材20とを備える。各断熱部4は、多孔質材料である多孔質の酸化シリコンにより形成されてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、赤外線センサに関するものである。
従来から、熱型の赤外線センサとして、温度検知部がベース基板の一表面から離間して配置され、温度検知部が当該温度検知部とベース基板とを熱絶縁する断熱部を介してベース基板に支持された赤外線センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記特許文献1に開示された赤外線センサでは、断熱部が、ベース基板の上記一表面から離間して配置されベース基板側とは反対側に温度検知部が配設される支持部と、支持部の側縁から延長された2つの脚部とで構成されており、支持部とベース基板の上記一表面との間に間隙が形成され、温度検知部に接続された金属配線が各脚部それぞれに沿って形成されている。ここにおいて、上記特許文献1に開示された赤外線センサでは、断熱部が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との積層膜をパターニングすることにより形成されている。
また、上記特許文献1には、温度検知部を2次元アレイ状(マトリクス状)に配列した赤外線センサ(赤外線画像センサ)も開示されている。
特開2000−97765号公報
ところで、上記特許文献1に開示された赤外線センサでは、赤外線吸収による温度検知部の温度変化を大きくすることで高感度化を図るために、断熱部における脚部の全長を長くして脚部の熱コンダクタンスを小さくすることが考えられる。
しかしながら、上記特許文献1に開示された赤外線センサでは、温度検知部のサイズを変更することなしに脚部の全長を長くするように設計すると、センサ全体のサイズが大きくなってしまうとともに、脚部の熱容量が大きくなって応答速度が低下してしまう。また、応答速度の高速化を目的として、温度検知部の熱容量を低減するために温度検知部の平面サイズを小さくすると、温度検知部での赤外線の受光効率が低下して感度が低下してしまう。特に、温度検知部を2次元アレイ状に配列した赤外線画像センサのような赤外線センサでは、各温度検知部の平面サイズを小さくすると各画素の開口率が低下して各画素の感度が低下してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、温度検知部が2次元アレイ状に配置された構成において高感度化および応答速度の高速化を図れる赤外線センサを提供することにある。
請求項1の発明は、ベース基板と、ベース基板の一表面側において2次元アレイ状に配列され赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する複数の温度検知部と、各温度検知部がベース基板の前記一表面から離間して配置されるように各温度検知部を各別に支持して各温度検知部とベース基板とを熱絶縁する複数の断熱部と、ベース基板の前記一表面側において各温度検知部および各断熱部を囲みベース基板との間に気密空間を形成する封止部材とを備え、各断熱部が、多孔質材料により形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、ベース基板の一表面側において2次元アレイ状に配列された複数の温度検知部それぞれが断熱部によりベース基板と熱絶縁され、各断熱部が多孔質材料により形成されているので、各断熱部が非多孔質材料により形成されている場合に比べて、断熱性が向上して感度が高くなるとともに、各断熱部の熱容量を小さくできて応答速度の高速化を図れ、また、ベース基板の前記一表面側において各温度検知部および各断熱部を囲みベース基板との間に気密空間を形成する封止部材を備えているので、多孔質材料からなる各断熱部の熱物性が湿度の影響を受けて変動するのを防止することができ、耐環境性を高めることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記各温度検知部に各別に赤外線を収束させる複数のレンズが2次元アレイ状に配列されたレンズアレイを備えてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記各温度検知部に各別に赤外線を収束させる複数のレンズが2次元アレイ状に配列されたレンズアレイを備えていることにより、前記各温度検知部にはそれぞれ対応するレンズを通して赤外線が入射することとなるので、前記各温度検知部への赤外線の到達効率を高めることができ、前記各温度検知部の感度が向上する。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記レンズアレイが前記封止部材の一部を構成してなることを特徴とする。
この発明によれば、前記レンズアレイが前記封止部材とは別体として離間され前記各レンズの光軸上に前記封止部材がある場合に比べて、外部からの赤外線が前記各温度検知部それぞれに到達するまでに存在する屈折率の異なる媒質どうしの界面の数が減り、当該媒質どうしの屈折率差に起因した赤外線の反射損失を低減でき、前記各温度検知部への赤外線の到達効率が高くなって前記各温度検知部の感度が向上する。
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記レンズアレイは、前記封止部材に一体に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記レンズアレイと前記封止部材とが別体であって前記レンズアレイを前記封止部材に組み付けている構成に比べて、前記各温度検知部と前記各レンズとの相対的な位置ずれの発生が起こりにくくなり、製造歩留まりの向上を図れる。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記レンズアレイは、前記レンズアレイが前記封止部材側とは反対側で接する媒質の屈折率と前記封止部材の屈折率との中間の屈折率を有する材料により形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記レンズアレイが前記封止部材と同じ屈折率の材料により形成されている場合に比べて、前記レンズアレイと前記レンズアレイが前記封止部材側とは反対側で接する媒質との屈折率差に起因した赤外線の反射損失を低減でき、前記各温度検知部への赤外線の到達効率が高くなって前記各温度検知部の感度が向上する。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記気密空間内を減圧雰囲気としてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記気密空間内を大気圧の雰囲気としてある場合に比べて、断熱性が向上し、前記各温度検知部の感度がより一層高くなる。
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、前記多孔質材料は、多孔質の酸化シリコン、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマー、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの群から選択される材料であることを特徴とする。
この発明によれば、前記断熱部が非多孔質の酸化シリコン系の材料である場合に比べて、断熱性が向上し、前記各温度検知部の感度が向上する。
請求項1の発明は、温度検知部が2次元アレイ状に配置された構成において高感度化および応答速度の高速化を図れるという効果がある。
(実施形態1)
以下、本実施形態の赤外線センサについて図1を参照しながら説明する。
本実施形態の赤外線センサは、矩形板状のベース基板1と、ベース基板1の一表面側(図1(b)の上面側)において2次元アレイ状に配列され赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する複数の温度検知部3と、各温度検知部3がベース基板1の上記一表面から離間して配置されるように各温度検知部3を各別に支持して各温度検知部3とベース基板1とを熱絶縁する複数の断熱部4と、ベース基板1の上記一表面上に形成され温度検知部3および断熱部4を透過した赤外線を温度検知部3側へ反射する複数の赤外線反射部6とを有するセンサ本体10を備え、さらに、ベース基板1の上記一表面側において各温度検知部3および各断熱部4を囲みベース基板1との間に気密空間15を形成する封止部材20を備えている。ここで、封止部材20の材料としては、赤外線透過率の高い材料が望ましく、Siを採用しているが、Siに限らず、例えば、Ge,InP,ZnSe,ZnS,Al,CdSeなどを採用してもよい。なお、本実施形態の赤外線センサは、検出対象の赤外線として人体から放射される8μm〜13μmの波長帯の赤外線を想定しており、赤外線反射部6の材料としては、Al−Siを採用している。
ベース基板1は、シリコン基板1aと当該シリコン基板1aの一表面側に形成されたシリコン酸化膜からなる絶縁膜1bとで構成してある。また、ベース基板1は、平面形状が正方形状に形成されている。
各断熱部4は、ベース基板1の上記一表面から離間して配置されベース基板1側とは反対側に温度検知部3が形成される支持部41と、支持部41とベース基板1とを連結した2つの脚部42,42とを有している。
これに対して、上述の各温度検知部3は、断熱部4の脚部42,42に沿って形成された配線8a,8cを介してベース基板1の上記一表面上の金属膜(例えば、Al−Si膜など)からなる導体パターン10a,10cと電気的に接続されている。なお、本実施形態の赤外線センサは、対をなす2つの導体パターン10a,10cがベース基板1の上記一表面側においてそれぞれ異なるバス配線(図示せず)と電気的に接続され、各バス配線が図示しない貫通孔配線と電気的に接続されており、各温度検知部3の出力を各別に外部へ取り出すことができるようになっている。ここで、センサ本体10は、複数の温度検知部3が2次元アレイ状に配列されているので、各温度検知部3それぞれを画素とする赤外線画像を得ることができる。
各温度検知部3は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメントであるサーミスタからなり、支持部41上に形成されたクロム膜からなる下部電極3aと、下部電極3a上に形成されたアモルファスシリコン膜からなる抵抗体層3bと、抵抗体層3b上に形成されたクロム膜からなる上部電極3cとで構成されている。なお、本実施形態では、抵抗体層3bの材料としてアモルファスシリコンを採用しているが、抵抗体層3bの材料はアモルファスシリコンに限らず、例えば、酸化バナジウムなどを採用してもよい。
ここにおいて、各温度検知部3は、下部電極3aが一方の脚部42に沿って形成された配線8aを介して一方の導体パターン10aと電気的に接続され、上部電極3cが他方の脚部42に沿って形成された配線8cを介して他方の導体パターン10cと電気的に接続されている。また、本実施形態では、上記一方の配線8aの材料として、下部電極3aと同じクロムを採用し、上記他方の配線8cの材料として、上部電極3cと同じクロムを採用している。
なお、温度検知部3は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメントに限らず、温度に応じて誘電率が変化するセンシングエレメント、サーモパイル型のセンシングエレメント、焦電型のセンシングエレメントなどを採用してもよく、いずれのセンシングエレメントを採用した場合でも、材料を適宜選択することで一般的な薄膜形成技術を利用して形成することができる。ここで、温度に応じて誘電率の変化するセンシングエレメントの材料としては、例えば、PZT、BSTなどを採用すればよい。
ところで、センサ本体10は、上述の断熱部4の脚部42,42が、ベース基板1の上記一表面側において導体パターン10a,10c上に立設された円筒状の支持ポスト部42a,42aと、支持ポスト部42a,42aの上端部と支持部41とを連結した梁部42b,42bとで構成されており、支持部41とベース基板1との間に間隙7が形成されている。ここで、各梁部42b,42bは、L字状の平面形状に形成されており、支持部41の厚み方向に沿った中心軸に対して回転対称性を有するように配置されている。なお、上述の配線8a,8cのうち脚部42,42の梁部42b,42bに沿って形成された部位の線幅は、当該配線8a,8cを通した熱伝達を抑制するために梁部42b,42bの幅寸法よりも十分に小さく設定してある。また、配線8a,8cのうち支持ポスト部42a,42aに沿って形成された部位は、支持ポスト部42a,42aの内周面の全体と導体パターン10a,10cの表面とに跨って形成されており、支持ポスト部42a,42aが配線8a,8cにより補強されている。
また、センサ本体10は、各断熱部4の脚部42,42および支持部41が多孔質材料により形成されている。ここで、断熱部4の脚部42,42および支持部41の多孔質材料として、多孔質の酸化シリコンの一種であるポーラスシリカを採用しているが、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマーの一種であるメチル含有ポリシロキサン、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの一種であるSi−H含有ポリシロキサン、シリカエアロゲルなどを採用してもよく、多孔質材料として、多孔質の酸化シリコン、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマー、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの群から選択される材料を採用すれば、断熱部4として非多孔質の酸化シリコンを採用する場合に比べて断熱性を向上できる。
ここにおいて、本実施形態における断熱部4は、多孔度が60%のポーラスシリカ膜(多孔質シリコン酸化膜)により構成してあるが、多孔度が小さ過ぎると十分な断熱効果が得られず多孔度が大き過ぎると機械的強度が弱くなって構造形成が困難となるので、ポーラスシリカ膜の多孔度は例えば40%〜80%程度の範囲内で適宜設定することが望ましい。
ここで、2つの脚部42,42合計の熱コンダクタンスGは、脚部42の材料の熱伝導率をα〔W/(m・K)〕、脚部42の長さをL〔μm〕、脚部42の延長方向に直交する断面の断面積をSとすれば、G=2×α×(S/L)で求められるが、仮に、脚部42の材料がSiOの場合には、α=1.4〔W/(m・K)〕、L=50〔μm〕、S=10〔μm〕とすれば、熱コンダクタンスGは、
G=2×α×(S/L)=560×10−9〔W/K〕となる。
これに対して、本実施形態のように、脚部42を多孔度が60%のポーラスシリカ膜により構成している場合には、α=0.05〔W/(m・K)〕、L=50〔μm〕、S=10〔μm〕とすれば、熱コンダクタンスGは、
G=2×α×(S/L)=2.0×10−8〔W/K〕
となり、熱コンダクタンスGを脚部42がシリコン酸化膜により構成される比較例の熱コンダクタンスGの10分の1よりも小さな値とすることができ、脚部42,42を通した熱伝達をより抑制することができ、高感度化を図れる。
また、支持部41の熱容量Cは、支持部41の体積比熱をcv、支持部41の厚み方向に直交する断面の面積をA〔μm〕、支持部41の厚さをd〔μm〕とすれば、C=cv×A×dで求められる。ここで、仮に、支持部41の材料がSiOの場合には、cv=1.8×10〔J/(m・K)〕、A=2500〔μm〕、d=0.5〔μm〕とすれば、支持部41の熱容量Cは、
C=cv×A×d=22.6×10−10〔J/K〕となる。
これに対して、本実施形態のように、支持部41を多孔度が60%のポーラスシリカ膜により構成している場合には、cv=0.88×10〔J/(m・K)〕、A=2500〔μm〕、d=0.5〔μm〕とすれば、支持部41の熱容量Cは、
C=cv×A×d=11.0×10−10〔J/K〕
となり、支持部41の熱容量Cを支持部41がシリコン酸化膜により構成される比較例の場合に比べて半分よりも小さな値とすることができ、時定数が小さくなって応答速度の高速化を図れる。
封止部材20は、シリコン基板を用いて形成されており、センサ本体10側の表面(図1(a)の下面)に上記気密空間15を形成するための凹所20aが形成されており、凹所20aの周部がセンサ本体10のベース基板1と接合されている。ここで、本実施形態では、センサ本体10と封止部材20とを常温接合法により接合してあり、上記気密空間15内を減圧雰囲気としてある。なお、センサ本体10と封止部材20との接合方法は常温接合法に限らず、例えば、Au−Sn共晶を利用した接合法や半田を利用した接合法などを採用してもよい。
以下、センサ本体10の製造方法について図2〜図4を参照しながら説明する。なお、図2〜図4では、図1(b)に示した断面図(図1(c)のA−A’断面)に対応する部位の断面を示してある。
まず、ベース基板1の基礎となる単結晶のシリコン基板(後述のダイシングを行うまではウェハ)1aの一表面側にシリコン酸化膜からなる絶縁膜1bを例えば熱酸化法により形成することによって、図2(a)に示す構造を得る。
その後、シリコン基板1aと絶縁膜1bとからなるベース基板1の一表面側(図2(a)における上面側)の全面に導体パターン10a,10cおよび赤外線反射部6の材料からなる金属膜(例えば、Al−Si膜など)をスパッタ法などにより成膜した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して上記金属膜をパターニングすることでそれぞれ上記金属膜の一部からなる導体パターン10a,10cおよび赤外線反射部6を形成することによって、図2(b)に示す構造を得る。
次に、ベース基板1の上記一表面側の全面にレジストを回転塗布してレジスト層からなる犠牲層51を成膜することによって、図2(c)に示す構造を得る。
その後、犠牲層51のうち各支持ポスト部42a,42aそれぞれの形成予定領域に対応する部位をエッチングして導体パターン10a,10cの一部の表面を露出させる円形状の開孔部53,53を形成することによって、図3(a)に示す構造を得る。
続いて、ベース基板1の上記一表面側の全面に断熱部4の材料である多孔質材料(例えば、ポーラスシリカ、シリカエアロゲルなど)よりなる多孔質膜40を成膜してから、上記一方の導体パターン10aと後で形成する上記一方の配線8aとを電気的に接続するためのコンタクトホール44aを多孔質膜40に形成することによって、図3(b)に示す構造を得る。ここにおいて、多孔質膜40の形成にあたっては、上記多孔質材料がポーラスシリカの場合には、ゾルゲル溶液をベース基板1の上記一表面側に回転塗布してから、熱処理で乾燥させるプロセスを採用することで容易に形成することができ、上記多孔質材料がシリカエアロゲルの場合には、ゾルゲル溶液をベース基板1の上記一表面側に回転塗布してから、超臨界乾燥処理で乾燥させるプロセスを採用することで容易に形成することができる。
その後、ベース基板1の上記一表面側の全面に上記一方の配線8aおよび下部電極3aの基礎となるクロム膜をスパッタ法などにより成膜した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して当該クロム膜をパターニングすることでそれぞれ当該クロム膜の一部からなる上記一方の配線8aおよび下部電極3aを同時に形成することによって、図3(c)に示す構造を得る。
次に、ベース基板1の上記一表面側の全面に抵抗体層3bの基礎となるアモルファスシリコン層をCVD法などにより成膜してから、当該アモルファスシリコン層をパターニングすることで当該アモルファスシリコン層の一部からなる抵抗体層3bを形成することによって、図3(d)に示す構造を得る。
続いて、上記他方の導体パターン10cと後で形成する上記他方の配線8cとを電気的に接続するためのコンタクトホール44cを多孔質膜40に形成することによって、図4(a)に示す構造を得る。
その後、ベース基板1の上記一表面側の全面に上記他方の配線8cおよび上部電極3cの基礎となるクロム膜をスパッタ法などにより成膜した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して当該クロム膜をパターニングすることでそれぞれ当該クロム膜の一部からなる上記他方の配線8cおよび上部電極3cを同時に形成することによって、図4(b)に示す構造を得る。
次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して多孔質膜40をパターニングすることで多孔質膜40の一部からなる断熱部4を形成し、その後、ベース基板1の上記一表面側の犠牲層51を選択的にエッチング除去することによって、図4(c)に示す構造のセンサ本体10を得る。なお、センサ本体10と封止部材20とは、センサ本体10を複数形成したウェハと封止部材20を複数形成したウェハとを減圧雰囲気中(例えば、真空中)においてウェハレベルで接合してから、個々の赤外線センサに分割すればよい。
以上説明した本実施形態の赤外線センサでは、ベース基板1の上記一表面側において2次元アレイ状に配列された複数の温度検知部3それぞれが断熱部4によりベース基板1と熱絶縁され、各断熱部4が多孔質材料により形成されているので、各断熱部4がSiOやSiなどの非多孔質材料により形成されている場合に比べて、断熱性が向上して感度が高くなるとともに、各断熱部4の熱容量を小さくできて応答速度の高速化を図れる。
また、ベース基板1の上記一表面側において各温度検知部3および各断熱部4を囲みベース基板1との間に気密空間15を形成する封止部材20を備えているので、ベース基板1と封止部材20とで構成されるパッケージにより気密空間15と外部とを隔離することができ、その結果、各温度検知部3および各断熱部4に外部からの水分や他の物質が付着するのを防止することができ、多孔質材料からなる各断熱部4の熱物性が湿度の影響を受けて変動するのを防止することができるから、耐環境性を高めることができる。また、本実施形態の赤外線センサでは、気密空間15内を減圧雰囲気としてあるので、気密空間15内を大気圧の雰囲気とした場合に比べて、断熱性が向上し、各温度検知部3の感度がより一層高くなる。
また、本実施形態の赤外線センサでは、ベース基板1の上記一表面側に、温度検知部3および支持部41を透過した赤外線を温度検知部3側へ反射する赤外線反射部6が設けられているので、温度検知部3での赤外線の吸収効率を高めることができ、温度検知部3の高感度化を図れる。
(実施形態2)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と略同じであり、図5および図6に示すように、センサ本体10の各温度検知部3に各別に赤外線を収束させる複数のレンズ31が2次元アレイ状に配列されたレンズアレイ30を備えている点が相違する。ここにおいて、レンズアレイ30は、センサ本体10のベース基板1と封止部材20とで構成されるパッケージの外側において封止部材20におけるベース基板1側とは反対側に封止部材20から離間して配置されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるレンズアレイ30は、各レンズ31が両凸レンズであり、各レンズ31の光軸と、各温度検知部3の厚み方向に沿った中心線とが一致するようにレンズ31の配列ピッチを設定してある。なお、各レンズ31は、両凸レンズに限らず、温度検知部3へ赤外線が集光されるレンズ形状であればよく、例えば、平凸レンズでもよい。
本実施形態の赤外線センサでは、センサ本体10の複数の温度検知部3が、図7(a)に示すように、仮想的な2次元正方格子の各格子点に対応する位置に配置されており、レンズアレイ30の複数のレンズ31が、図7(b)中に破線で示すように、仮想的な2次元正方格子の各格子点に対応する位置に配置してある。ここで、複数の温度検知部3および複数のレンズ31の配置は特に限定するものではなく、例えば、複数のレンズ31を図8(a)に破線で示すように仮想的な2次元三角格子の各格子点に対応する位置に配置するとともに、複数のレンズ31を図8(b)に破線で示すように仮想的な2次元三角格子の各格子点に対応する位置に配置するようにしてもよい。
ところで、図7(b)、図8(b)に示した例では、複数のレンズ31を隣り合うレンズ31どうし間を離間させた形で配列してあるが、複数のレンズ31を図7(c)、図8(c)や図7(d)、図8(d)に示すように稠密に配列した方が、各温度検知部3に効率的に赤外線を入射させることができる。なお、図7(c)、図8(c)に示した例では、複数のレンズ31を隣り合うレンズ31どうしが接する形で配列してあり、図7(d)、図8(d)に示した例では、複数のレンズ31を隣り合うレンズ31の一部どうしが互いに重なる形で配列してある。また、複数の温度検知部3が図7(a)に示すように配列されている場合、複数のレンズ31を稠密に配列するにあたっては、図7(c)や図7(d)に破線で示すように、平面視形状が円形状のレンズ31を配列する例に限らず、図7(d)中に実線で示すように平面視形状が矩形状のレンズ31を隣り合うレンズ31どうしが接する形で配列するようにしてもよい。また、複数の温度検知部3が図8(a)に示すように配列されている場合、複数のレンズ31を稠密に配列するにあたっては、図8(c)や図8(d)に破線で示すように、平面視形状が円形状のレンズ31を配列する例に限らず、図8(d)中に実線で示すように平面視形状が六角形状のレンズ31を隣り合うレンズ31どうしが接する形で配列するようにしてもよい。
レンズアレイ30の材料としては、Siを採用しているが、遠赤外線の透過率が高い材料であればよく、例えば、Ge,InP,ZnSe,ZnS,Al,CdSeなどを採用してもよい。なお、本実施形態では、レンズアレイ30および封止部材20の材料としてSiを採用しており、レンズアレイ30の材料と封止部材20の材料とが同じであるが、互いに異なる材料としてもよい。
以上説明した本実施形態の赤外線センサでは、各温度検知部3に各別に赤外線を収束させる複数のレンズ31が2次元アレイ状に配列されたレンズアレイ30を備えていることにより、各温度検知部3にはそれぞれ対応するレンズ31を通して赤外線が入射することとなる(図5(b)中の破線はレンズ31を透過して温度検知部3へ入射する赤外線を示している)ので、各温度検知部3への赤外線の到達効率を高めることができ(つまり、各温度検知部3での受光効率を高めることができ)、各温度検知部3の感度が向上する。
(実施形態3)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態2と略同じであり、図9および図10に示すように、レンズアレイ30が封止部材20の一部を構成している点が相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における封止部材20は、シリコン基板を用いて形成されてセンサ本体10におけるベース基板1の上記一表面側に接合されたカバー21と、カバー21の前壁に形成された透光窓22を閉塞する形でカバー21の前面に封着されたレンズアレイ30とで構成されている。なお、カバー21は、ベース基板1側の一表面に凹所21aが形成され、上述の透光窓22が、ベース基板1側とは反対側の他表面と凹所21aの内底面との間の薄肉部の厚み方向に貫設されている。
しかして、本実施形態の赤外線センサでは、実施形態2のようにレンズアレイ30が封止部材20とは別体として封止部材20から離間して配置され、各レンズ31の光軸上に封止部材20がある場合に比べて、外部から(パッケージの外側から)の赤外線が各温度検知部3それぞれに到達するまでに存在する屈折率の異なる媒質どうしの界面の数が減り、当該媒質どうしの屈折率差に起因した赤外線の反射損失を低減でき、各温度検知部3への赤外線の到達効率が高くなって各温度検知部3の感度が向上するという利点がある。すなわち、実施形態2の赤外線センサでは、レンズ31の入射面と当該入射面に接する媒質との界面、レンズ31の出射面と当該出射面に接する媒質との界面、封止部材20の外面と当該外面に接する媒質との界面、封止部材20の内面と当該内面に接する媒質との界面があり、各温度検知部3に赤外線が到達するまでに4つの界面が存在するのに対して、本実施形態では、各温度検知部3に赤外線が到達するまでにレンズ31の入射面と当該入射面に接する媒質との界面、レンズ31の出射面と当該出射面に接する媒質との界面しか存在しないので、各温度検知部3への赤外線の到達効率が高くなって各温度検知部3の感度が向上する。
(実施形態4)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態2と略同じであり、図11および図12(a)に示すように、レンズアレイ30が封止部材20に一体に形成されている点が相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるレンズアレイ30は、封止部材20の凹所20aの内底面から各レンズ31がそれぞれ対応する温度検知部3に向かって突出する形で封止部材20と連続一体に形成されている。すなわち、レンズアレイ30は封止部材20と同じ材料(例えば、Si)により形成されており、各レンズ31は、温度検知部3側が凸曲面となった平凸レンズにより構成されている。
ここで、本実施形態の赤外線センサは、レンズアレイ30の各レンズ31の平面視形状が円形状であり、実施形態2で説明した図7(b)や図8(b)の破線のように隣り合うレンズ31が離間して配置されており、図12(a)に示すようにレンズ31のレンズ径がセンサ本体10における1画素あたりの正方形領域の1辺の長さよりも短くなっている。ただし、レンズアレイ30におけるレンズ31のレンズ径や平面視形状は特に限定するものではなく、実施形態2で説明した図7(c)や図8(c)の破線のように隣り合うレンズ31どうしが接する形で配置されていてもよく、この場合には、図12(b)に示すようにレンズ31のレンズ径がセンサ本体10における1画素あたりの正方形領域の1辺の長さと等しくなる。また、実施形態2で説明した図7(d)の実線のように隣り合うレンズ31どうしが接する形で配置されていてもよく、この場合には、図12(c)に示すようにレンズ31の平面視形状を矩形状(ここでは、正方形状)としてセンサ本体10における1画素あたりの正方形領域と同じ平面サイズとすればよい。
以下、レンズアレイ30の製造方法について図13〜図18を参照しながら説明するが、一例として上述の図12(b)のレンズ径のレンズ31を複数備えたレンズアレイ30の製造方法を説明する。
まず、封止部材20およびレンズアレイ30の基礎となるシリコン基板100の一表面側に有機材料からなるレジストをスピンコート法により回転途布してレジスト層101を形成するレジスト層形成工程を行うことによって、図13(a)に示す構造を得る。
レジスト層形成工程の後、レンズアレイ形成用の金型110の凹凸パターンをレジスト層101に転写する転写工程を行うことによって、図13(c)に示す構造を得る。ここにおいて、転写工程では、図13(b)に示すようにレンズアレイ形成用の金型110をレジスト層101にプレスしてからレジスト層101を硬化させ、レジスト層101から金型110を離型する。
転写工程の後、反応性イオンエッチング装置を用いてシリコン基板100の上記一表面側からレジスト層101およびシリコン基板100を異方性エッチングするドライエッチング工程を行う(図13(d)は当該ドライエッチング工程の途中での断面形状を示し、同図中の矢印はイオンの入射方向を示している)ことによって、図13(e)に示す構造のレンズアレイ30を得る。なお、ドライエッチング工程では、エッチングガスとして、例えば、SFガスとOガスとの混合ガスを採用すればよい。
ところで、上述の金型110としては、シリコン基板200(図15(a)参照)を用いて形成したマスタ(母型)120を基に複製した複製型を利用している。すなわち、図14(a)に示すようにマスタ120を型として用いて電鋳法によってニッケル製の電鋳型130を形成し、その後、図14(b)に示すように電鋳型130を型として用いて電鋳法によってニッケル製の金型110を形成している。
ここで、マスタ120の作製方法の一例について説明する。
まず、マスタ120の基礎となるシリコン基板200の一表面側に有機材料からなるレジストをスピンコート法により回転途布してレジスト層201を形成するレジスト形成工程を行うことによって、図15(a)に示す構造を得る。
その後、レンズアレイ30の各レンズ31の所望のレンズ形状に応じて設計した凹凸パターンを形成した金属製(本実施形態では、Ni−P)の構造体からなる型材220の凹凸パターンをレジスト層201に転写する転写工程を行うことによって、図15(d)に示す構造を得る。ここにおいて、転写工程では、図15(b)に示すように型材220とレジスト層201の表面に対向させた後、図15(c)に示すように型材220をレジスト層201にプレスしてからレジスト層201を硬化させ、続いて、図15(d)に示すようにレジスト層201から型材220を離型する。なお、型材220は、型材220の基礎となる金属板230(図16(a)参照)の一表面を図16(b)に示すようにダイヤモンドバイト240により切削加工することによって作製してあり、図17(a),(b)に示すように、四角錘状の山部220aが2次元アレイ状に配列されており、レジスト層201は、図18(a),(b)に示すような凹凸パターンとなる。
上述の転写工程が終了した後、シリコン基板200の上記一表面側からレジスト層201およびシリコン基板200を等方性エッチングあるいは異方性をある程度もったエッチングを行うことで凹凸パターンの曲面形状を制御しながらシリコン基板200の上記一表面に凹凸パターン(本実施形態では、各レンズ31の凸曲面それぞれに対応する複数の凹曲面120bを有するパターン)を形成するパターン形成工程を行うことによって、図15(f)に示す構造のマスタ120を得る。なお、図15(e)はパターン形成工程の途中での断面形状を示してある。ここにおいて、パターン形成工程では、例えば、エッチング装置として反応性イオンエッチング装置を用い、エッチングガスとして、例えば、SFガスやSFガスとOガスとの混合ガスを採用すればよい。
以上説明した本実施形態の赤外線センサでは、実施形態3のようにレンズアレイ30と封止部材20とが別体であってレンズアレイ30を封止部材20に組み付けている構成に比べて、各温度検知部3と各レンズ31との相対的な位置ずれの発生が起こりにくくなり、製造歩留まりの向上を図れる。なお、図11に示した例では、レンズアレイ30を封止部材20におけるセンサ本体10側にのみ形成してあるが、封止部材20におけるセンサ本体10側とは反対側にも所望のレンズ形状のレンズアレイを形成してもよい。
(実施形態5)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態4と略同じであり、図19に示すように、レンズアレイ30の各レンズ31をレンズ31が封止部材20とは反対側で接する媒質の屈折率と封止部材20の屈折率との中間の屈折率を有する材料により形成してある点が相違する。ここで、本実施形態では、封止部材20の材料としてSiを採用し、レンズ31の材料としてSiOを採用しているが、封止部材20の材料は、実施形態1でも説明したようにSiに限らず、Ge,InP,ZnSe,ZnS,Al,CdSeなどを採用可能なので、レンズ31の材料は封止部材20の材料に応じて適宜選定すればよい。なお、実施形態4と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
ところで、実施形態4のようにレンズアレイ30の材料と封止部材20の材料とが同じでレンズアレイ30が封止部材20に一体に形成されている場合、外部からの赤外線は図20(a)中に実線で示した矢印のように封止部材20およびレンズ31の両方を透過することとなるが、封止部材20の外面(図20(a)における上面)に入射した赤外線の全部が透過するのではなく、図20(a)中に破線の矢印で示したように、封止部材20と当該封止部材20が接する媒質との界面およびレンズ31と当該レンズ31が温度検知部3側で接する媒質との界面それぞれで一部が反射される。ここで、2種類の媒質が接する界面に赤外線が垂直に入射した場合の当該界面での赤外線の反射率は、一方の媒質の屈折率をn、他方の媒質の屈折率をn、反射率をRとすると、下記数1で表される。なお、図20(a)中において封止部材20の外面に入射する赤外線を示す矢印に付した「I」は封止部材20の外面に入射する赤外線の量を示し、他の各矢印に付した「I(1−R)」、「R・I」、「I(1−R)」、「R・I(1−R)」もそれぞれ赤外線の量を示している。
Figure 2007316077
ここにおいて、封止部材20の材料およびレンズアレイ30の材料が両方ともSiであり、封止部材20の外面側の媒質およびレンズ31が温度検知部3側で接する媒質の両方とも空気である場合には、Siの屈折率が3.4、空気の屈折率が1なので、各界面での反射率Rはいずれも30%となり(言い換えれば、各界面での赤外線の透過率は70%となり)、封止部材20およびレンズ31それぞれでの赤外線の吸収を無視すれば、温度検知部3に到達する赤外線は封止部材20の外面に入射した赤外線量の約50%となる。
これに対して、本実施形態のようにレンズアレイ30の材料としてSiOを採用している場合、封止部材20の外面に入射した赤外線は、図20(b)中に破線で示したように、封止部材20と当該封止部材20が接する媒質との界面、封止部材20とレンズ31との界面、レンズ31と当該レンズ31が温度検知部3側で接する媒質との界面それぞれで一部が反射される。しかしながら、SiOの屈折率が1.5なので、各界面での反射率Rがそれぞれ30%、15%、4%となるので、温度検知部3に到達する赤外線は封止部材20の外面に入射した赤外線量の約57%となる。また、図20(c)に示すように、封止部材20におけるレンズアレイ30側とは反対側に封止部材20の屈折率と空気の屈折率との中間の屈折率を有する材料(例えば、SiOなど)からなる赤外線透過膜25を形成すれば、温度検知部3への赤外線の到達効率をさらに高めることができる。
以下、レンズアレイ30の製造方法について図21を参照しながら説明するが、実施形態4におけるレンズアレイ30の製造方法と同様の工程については簡単に説明する。
まず、封止部材20の基礎となるシリコン基板100の一表面側に当該シリコン基板100よりも低屈折率の材料(例えば、SiO)からなりレンズアレイ30の基礎となる中間屈折率層23を形成するとともにシリコン基板100の他表面側に上記赤外線透過膜25となる中間屈折率層24を形成する中間屈折率層形成工程を行うことによって、図21(a)に示す構造を得る。なお、中間屈折率層形成工程では、熱酸化法によってシリコン基板100の各表面それぞれにSiO膜からなる中間屈折率層23,24を形成している。
その後、シリコン基板100の上記一表面側の中間屈折率層23上に有機材料からなるレジストをスピンコート法により回転途布してレジスト層101を形成するレジスト層形成工程を行うことによって、図21(b)に示す構造を得る。
レジスト層形成工程の後、レンズアレイ形成用の金型110の凹凸パターンをレジスト層101に転写する転写工程を行うことによって、図21(d)に示す構造を得る。ここにおいて、転写工程では、図21(c)に示すようにレンズアレイ形成用の金型110をレジスト層101にプレスしてからレジスト層101を硬化させ、レジスト層101から金型110を離型する。
転写工程の後、反応性イオンエッチング装置を用いてシリコン基板100の上記一表面側からレジスト層101および中間屈折率層23を異方性エッチングするドライエッチング工程を行う(図21(e)は当該ドライエッチング工程の途中での断面形状を示し、同図中の矢印はイオンの入射方向を示している)ことで中間屈折率層23の一部からなるレンズアレイ30を形成することによって、図21(f)に示す構造を得る。なお、ドライエッチング工程では、エッチングガスとして、例えば、SFガスとOガスとの混合ガスを採用すればよい。
以上説明した本実施形態の赤外線センサでは、レンズアレイ30を、レンズアレイ30が封止部材20側とは反対側で接する媒質の屈折率と封止部材20の屈折率との中間の屈折率を有する材料により形成してあるので、レンズアレイ30が封止部材20と同じ屈折率の材料により形成されている場合に比べて、レンズアレイ30とレンズアレイ30が接する媒質との屈折率差に起因した赤外線の反射損失を低減でき、各温度検知部3への赤外線の到達効率が高くなって各温度検知部3の感度が向上する。
なお、上記各実施形態にて説明した赤外線センサは、支持部41におけるベース基板1側とは反対側に温度検知部3を設けてあるが、温度検知部3は支持部41におけるベース基板1側に設けてもよい。また、上記各実施形態にて説明した赤外線センサでは、封止部材20の両面に赤外線の反射を防止するARコート(反射防止膜)を設けることにより、赤外線透過効率を向上させることが望ましい。
実施形態1を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略断面図、(c)は要部概略斜視図である。 同上におけるセンサ本体の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上におけるセンサ本体の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上におけるセンサ本体の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 実施形態2を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略断面図である。 同上の要部概略分解斜視図である。 同上の要部説明図である。 同上の要部説明図である。 実施形態3を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略断面図である。 同上の要部概略分解斜視図である。 実施形態4を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略断面図である。 同上の要部説明図である。 同上におけるレンズアレイの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上におけるレンズアレイの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上におけるレンズアレイの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上におけるレンズアレイの製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上におけるレンズアレイの製造方法で用いる型材を示し、(a)は概略平面図、(b)概略斜視図である。 図17の型材の凹凸パターンが転写されたレジスト層を示し、(a)は概略平面図、(b)は概略斜視図である。 実施形態5を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略断面図である。 同上の要部説明図である。 同上におけるレンズアレイの製造方法を説明するための主要工程断面図である。
符号の説明
1 ベース基板
3 温度検知部
4 断熱部
10 センサ本体
15 気密空間
20 封止部材
30 レンズアレイ
31 レンズ

Claims (7)

  1. ベース基板と、ベース基板の一表面側において2次元アレイ状に配列され赤外線を吸収するとともに該吸収による温度変化を検知する複数の温度検知部と、各温度検知部がベース基板の前記一表面から離間して配置されるように各温度検知部を各別に支持して各温度検知部とベース基板とを熱絶縁する複数の断熱部と、ベース基板の前記一表面側において各温度検知部および各断熱部を囲みベース基板との間に気密空間を形成する封止部材とを備え、各断熱部が、多孔質材料により形成されてなることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記各温度検知部に各別に赤外線を収束させる複数のレンズが2次元アレイ状に配列されたレンズアレイを備えてなることを特徴とする請求項1記載の赤外線センサ。
  3. 前記レンズアレイが前記封止部材の一部を構成してなることを特徴とする請求項2記載の赤外線センサ。
  4. 前記レンズアレイは、前記封止部材に一体に形成されてなることを特徴とする請求項2記載の赤外線センサ。
  5. 前記レンズアレイは、前記レンズアレイが前記封止部材側とは反対側で接する媒質の屈折率と前記封止部材の屈折率との中間の屈折率を有する材料により形成されてなることを特徴とする請求項4記載の赤外線センサ。
  6. 前記気密空間内を減圧雰囲気としてあることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の赤外線センサ。
  7. 前記多孔質材料は、多孔質の酸化シリコン、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマー、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの群から選択される材料であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の赤外線センサ。
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