JP2007315270A - インバータ一体型電動圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 圧縮機ハウジング3の外周に設けられるインバータボックス29と、制御基板25A,25Bを有し、インバータボックス29内に収納設置されるインバータ回路23と、を備えたインバータ一体型電動圧縮機1において、インバータボックス29は、断熱性樹脂材により圧縮機ハウジング3とは別体にて構成されるとともに、圧縮機ハウジング3の外周に一体形成されたインバータボックス取付け部27に固定手段31を介して一体に組付け固定される。
【選択図】 図1
Description
また、内燃機関で走行される自動車の空調装置においても、走行用の内燃機関により電磁クラッチを介して駆動される圧縮機に替え、電磁クラッチの断続に伴うドライバビリティーの低下を改善するため、電動圧縮機が使用されるものがある。
このようにインバータを介して駆動される電動圧縮機において、インバータ回路を構成する制御基板等を、電動圧縮機のハウジング外周に一体成形されたインバータボックス内に収納設置し、インバータを電動圧縮機と一体化したものが提案されている。そして、インバータ回路を構成する制御基板のIGBT等の発熱素子を、インバータボックス内の底壁面に当接配置し、該制御基板を電動圧縮機のハウジング内を流れる低圧冷媒ガスの吸熱作用により強制冷却できるようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらの圧縮機にあっては、圧縮機構の作動により発生する熱の伝導のみならず、圧縮機を据付けする走行用のエンジンやモータ等の外部機器から伝達される熱や放射される熱に対して、インバータボックス内に設置されているインバータ回路が十分熱的に保護されているとは云い難く、耐熱信頼性の面でまだまだ課題が残されているのが実情である。
また、自動車に搭載されるインバータ一体型電動圧縮機の場合、自身の回転振動等に止まらず、エンジン振動や路面振動等が加わり、この振動がインバータボックス内に設置されているインバータ回路にも伝わる。このため、インバータ回路を構成する制御基板が固有振動数で共振し、大きな振動を生じることがある。この振動を抑制することも、耐振信頼性を向上させ、故障の要因を排除する上で不可避の課題である。
すなわち、本発明にかかるインバータ一体型電動圧縮機は、圧縮機ハウジングの外周に設けられるインバータボックスと、制御基板を有し、前記インバータボックス内に収納設置されるインバータ回路と、を備えたインバータ一体型電動圧縮機において、前記インバータボックスは、断熱性樹脂材により前記圧縮機ハウジングとは別体にて構成されるとともに、前記圧縮機ハウジングの外周に一体形成されたインバータボックス取付け部に固定手段を介して一体に組付け固定されることを特徴とする。
また、上記のインバータボックス内にゲル状樹脂材を充填したものにあっては、該ゲル状樹脂材の制振作用により、外部振動がインバータ回路の制御基板に伝達し、制御基板が共振等を生じて振動するのを抑制することができる。このため、耐熱信頼性の向上と併せて耐振信頼性をも向上させることができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図4を用いて説明する。
図1には、本実施形態にかかるインバータ一体型電動圧縮機の一部を破断した側面図が示され、図2には、図1に示すインバータ一体型電動圧縮機のハウジングを構成する電動機側ハウジングの断面図が示され、図3には、電動圧縮機に対するインバータボックスの組付け後の状態(A)と組付け前の状態(B)を模式的に示す斜視図が示され、図4には、インバータボックス単体の平面図(A)および斜視図(B)が示されている。
本実施形態にかかるインバータ一体型電動圧縮機1は、圧縮機側ハウジング5と電動機側ハウジング7とを、その間に軸受け部材9を挟んでボルト11により締め付け固定して構成される密閉ハウジング3を有する。
インバータ回路23を構成する制御基板は、上部基板25Aと下部基板25Bとに分割されており、ここでは、上部基板25Aは、CPU等の低電圧で動作する素子を備えたCPU基板とされ、下部基板25Bは、IGBT等の発熱素子25Cを備えたパワー基板とされている。なお、本実施形態においては、インバータ21の構成機器として、インバータ回路23を構成する上部基板25Aおよび下部基板25Bのみが示され、他の機器は図示省略されているものとする。
インバータボックス29は、上面が開口されており、内部に上部基板25Aと下部基板25Bを上下に所定間隔を保って収納設置できる深さを有している。
また、インバータボックス29の上部内面には、下部基板25Bに対して所定間隔を保って上部基板25A、すなわちCPU等の低電圧で動作する素子を備えたCPU基板の端部を載置するための支持突起37が突設されている。該支持突起37は、後述のように、上部基板25Aをインバータボックス29内に充填されるゲル状樹脂材39中に浮かせて設置するため、上部基板25Aを仮置きするものである。
ゲル状樹脂材39は、下部基板25Bを基板取付け部35に設置した後、その上方部位において、上部基板25Aを支持突起37上に仮置きした状態で、インバータボックス29の上面開口から流し込むことにより充填される。これにより、上部基板25Aは、下部基板25Bの上方部位において、インバータボックス29内に充填されるゲル状樹脂材39中に浮かせて設置されることになる。
なお、インバータ回路23は、図示省略のインバータ出力端子、リード線、モータ端子等を介して電動機15に電気的に接続されることは言うまでもない。
また、上部基板25Aは、インバータボックス29内に充填されたゲル状樹脂材39中に浮かせて設置され、非拘束状態に置かれることになるので、外部からの振動伝達が大幅に低減されるとともに、自身の固有振動数を高くすることができる。このため、上部基板25Aが外部振動の伝達により固有振動数で共振し、大きく振動するのを抑制することができる。従って、両基板25A,25Bの耐振性を向上させることができる。
なお、ゲル状樹脂材39を充填した場合、ゲル状樹脂材39を介して外部からの侵入熱が両基板25A,25Bに伝達されることになるが、インバータボックス29の断熱構造により外部からの熱侵入を低減できるため、両基板25A,25Bに対する熱負荷を軽減することができる。また、ゲル状樹脂材39の熱膨張を抑制できるため、ゲル状樹脂材39が熱膨張することによる両基板25A,25Bに対する応力も低減することができる。
インバータボックス29を、熱伝導率の低い断熱性樹脂材により構成しているため、インバータボックス29により外部からの伝導熱あるいは放射熱を遮断し、インバータボックス29内への外部からの侵入熱を低減することができる。このため、インバータ回路23に対する熱負荷を軽減し、その耐熱信頼性を向上させることができる。
さらには、インバータ回路23を構成するIGBT等の発熱素子25Cをインバータボックス29の底壁面に設けられている熱伝導性の金属プレート33に当接させて設置しているため、発熱素子25Cを電動機側ハウジング7内を流通する低圧冷媒ガスの吸熱作用を利用して強制冷却することができるため、インバータ回路23に対する冷却機能を損なうことなく、上記の如く耐熱性、耐振性を向上させることができる。
なお、この場合、ゲル状樹脂材39が漏出されないよう構成されることは勿論である。
次に、本発明の第2実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、インバータボックス29の構成が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
図5(A)に示される本実施形態においては、断熱性樹脂材にて構成されるインバータボックス29の外周壁(周囲壁)が、セラミック材29Aを芯材とし、その両面に断熱性樹脂材層29Bを形成したサンドイッチ構造とされている。
従って、該インバータボックス29内に設けられるインバータ回路23に対する熱保護機能をより向上させることができる。また、サンドイッチ構造としたことにより、インバータボックス29自体の強度を高めることができる。
このように、インバータボックス29の外周壁を、内部に空気層29Cが形成された中空構造とすることにより、空気層29Cの断熱効果よって断熱性を一層高めることができる。従って、該インバータボックス29内に設けられるインバータ回路23に対する熱保護機能を一段と向上させることができる。また、中空構造としたことにより、インバータボックスを軽量化し、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機自体の軽量化を図ることができる。
次に、本発明の第3実施形態について、図6および図7を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、インバータ一体型電動圧縮機1の据付け構成が異なっている。その他の点については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
図6に示されるインバータ一体型電動圧縮機1において、インバータボックス取付け部27は、圧縮機ハウジング3の外周上面3Aに形成されている。そして、この圧縮機ハウジング3の外周一側面3Bには、インバータ一体型電動圧縮機1をエンジンのシリンダブロック側壁51に据付けする圧縮機据付用ブラケット53の取付け部55Aが形成されている。
従って、インバータ回路23の熱保護機能を一段と高めることができる。
3 圧縮機ハウジング
3A ハウジング外周上面
3B,3C ハウジング外周一側面
3D ハウジング外周他側面
7 電動機側ハウジング
21 インバータ
23 インバータ回路
25A,25B 制御基板
25C 発熱素子
27 インバータボックス取付け部
29 インバータボックス
29A セラミック材
29B 断熱性樹脂材層
29C 空気層
31 固定ボルト
33 金属プレート
39 ゲル状樹脂材
53 圧縮機据付用ブラケット
55A,55B 取付け部
Claims (8)
- 圧縮機ハウジングの外周に設けられるインバータボックスと、制御基板を有し、前記インバータボックス内に収納設置されるインバータ回路と、を備えたインバータ一体型電動圧縮機において、
前記インバータボックスは、断熱性樹脂材により前記圧縮機ハウジングとは別体にて構成されるとともに、前記圧縮機ハウジングの外周に一体形成されたインバータボックス取付け部に固定手段を介して一体に組付け固定されることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。 - 前記インバータボックス内には、ゲル状樹脂材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
- 前記インバータボックスは、前記圧縮機ハウジングへの組付けにより該圧縮機ハウジングに当接する底面壁の少なくとも一部が熱伝導性の金属プレートとされ、
該金属プレートに前記インバータ回路を構成する発熱素子が当接設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ一体型電動圧縮機。 - 前記インバータボックスは、前記圧縮機ハウジングへの組付けにより該圧縮機ハウジングに当接する底面壁の少なくとも一部が開口部とされ、
該開口部に前記圧縮機ハウジングの一部が突出され、該突出部に前記インバータ回路を構成する発熱素子が当接設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ一体型電動圧縮機。 - 前記インバータボックスは、その外周壁がセラミック芯材の両面に前記断熱性樹脂材層を形成したサンドイッチ構造とされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。
- 前記インバータボックスは、その外周壁が内部に空気層を形成した中空構造とされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。
- 前記インバータボックス取付け部は、前記圧縮機ハウジング外周の上面に形成され、
該圧縮機ハウジング外周の一側面には、圧縮機据付用ブラケットの取付け部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。 - 前記インバータボックス取付け部は、前記圧縮機ハウジング外周の一側面に形成され、
該圧縮機ハウジング外周の他側面には、圧縮機据付用ブラケットの取付け部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。
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