JP4764253B2 - インバータ一体型電動圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、電動圧縮機のハウジング外周にインバータボックスを一体成形し、該インバータボックス内にインバータ制御回路を設置して構成される、特に車両用空調装置に用いて好適なインバータ一体型電動圧縮機に関するものである。
近年、電気自動車やハイブリッド自動車、あるいは燃料電池自動車のように、電気の動力を利用して走行する車両の開発および市場への投入が急速に進んでいる。このような自動車に装備される空調装置では、従来の内燃機関で走行する車両とは異なり、冷媒を圧縮して送出する圧縮機についても、駆動源として電気を動力とする電動機を用いた電動圧縮機が用いられる。
また、電動圧縮機としては、圧縮機構および電動機をハウジング内に一体的に内蔵した密閉型電動圧縮機が採用され、さらには、空調負荷に応じて圧縮機の回転数を可変制御するため、電源から入力される電力を、インバータを介して電動機に供給するようにしたものが多く採用されている。
インバータを介して駆動される電動圧縮機において、インバータ制御回路を構成する制御基板等を、電動圧縮機のハウジング外周に一体成形されたインバータボックス内に収納設置することにより、インバータを電動圧縮機と一体化したものが提案されている。そして、これによって、インバータ制御回路を構成するパワートランジスタやコンデンサ等の発熱素子を備えた制御基板を、インバータボックス内の底面に当接配置し、該制御基板を電動圧縮機のハウジング内を流れる低圧冷媒の吸熱作用により強制冷却するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、制御基板やプリント基板等をケーシング内に収納設置する場合に、ケーシングを介して内部の基板に伝わる外部からの衝撃や振動等を軽減するため、ケーシング内にシリコンゲル等のゲル状樹脂材を充填することが知られている。こうしたものの中には、ゲル状樹脂材により基板をケーシング内に浮かせた状態で収納設置するようにしたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−262187号公報(図2) 実公昭61−29153号公報(第4図)
ところで、インバータ制御回路を構成する制御基板は、面積が比較的大きく、また、インバータのパワー回路系とCPU回路系とで印加電圧が異なることから、制御基板を複数に分割して設置することがある。
しかして、特許文献1に示されたものでは、複数の制御基板をハウジングの外周に沿ってインバータボックス内に設置するようにしているため、インバータボックスがハウジング外周に沿う大きな形状のものとなってしまい、圧縮機の据付スペースがますます狭隘化しつつある車両用空調装置にあって、圧縮機据付上の大きな制約条件となる。
そこで、分割された複数の制御基板を上下に所定間隔を置いて設置する試みがなされている。この場合、インバータボックスを小さくし、電動圧縮機をコンパクト化することができる。また、下方に設置される基板の下面をインバータボックスの下部に設けられている基板取り付け部にしっかりと固定設置できる。
しかし、上方に設置される基板は、下部基板の上方において、基板の4隅をインバータボックスにネジ止め等によって固定するしかなく、このため、上部基板に圧縮機の回転振動やエンジン振動あるいは路面振動等の外部振動がインバータボックスを介して伝達されると、上部基板が固有振動数で共振して大きな振動を引き起こし、故障を誘発するおそれがある。
一方、ケーシング内に設置される基板に伝わる衝撃や振動等を軽減するため、特許文献2に示すように、ケーシング内にゲル状樹脂材を充填することによって、基板をケーシング内に浮かせて収納保持するようにしたものもあるが、これは、特にケーシングを小形コンパクト化するため、基板を複数に分割し、ケーシング内に上下に所定間隔を保って収納設置することを教示するものでも、また、発熱素子を備えた基板に対しての冷却構造を示唆するものでもない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、インバータ制御回路を構成する上部基板および下部基板に対し、冷媒による強制冷却機能を確保しながら、該上部基板および下部基板の固有振動数での共振による大きな振動を抑制することができる、小形でコンパクトなインバータ一体型電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるインバータ一体型電動圧縮機は、ハウジング外周に一体成形されたインバータボックスと、該インバータボックス内に設置されたインバータ制御回路とを備えたインバータ一体型電動圧縮機において、前記インバータ制御回路は、制御基板である上部基板と下部基板とを有し、前記下部基板は、その下面を前記インバータボックスの下部に設けられている基板取り付け部に固定され、前記上部基板は、前記下部基板の上方部位において、前記インバータボックス内に充填されるゲル状樹脂材中に浮かせて設置されていることを特徴とする。
上記のように、ハウジング外周に一体成形されたインバータボックス内にインバータ制御回路を設置する場合、インバータ制御回路を構成する基板は比較的大きく、また、パワー回路系とCPU回路系とで印加電圧が異なることから、基板を分割して上下に分けて設置することにより、インバータボックスの小形コンパクト化を図っている。この場合、下部に設置される下部基板はその下面をインバータボックス下部に設けられている基板取り付け部にしっかりと固定設置できるが、上部基板は4隅をネジ止め等により固定するしかなく、圧縮機の回転振動、エンジン振動あるいは路面振動等の外部振動が伝わると、上部基板の固有振動数で共振し、大きな振動を引き起こすことがある。
本発明では、更に、上部基板をインバータボックス内に充填されるゲル状樹脂材中に浮かせて設置しているため、上記振動の上部基板への伝達を低減できるとともに、上部基板の固有振動数を高くすることができる。このため、上下に分割して設置した上部基板および下部基板の固有振動数での共振による大きな振動を共に抑制し、両基板の耐振性を向上させることができる。また、インバータボックスをハウジング外周に一体成形しているため、内部に設置される基板を、ハウジング内を流通する低圧冷媒によって強制冷却することができる。
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記下部基板は、パワー素子を備えたパワー基板とされ、前記上部基板は、CPU等の低電圧で動作する素子を備えたCPU基板とされていることを特徴とする。
このように、下部基板をパワー基板となし、その下面をインバータボックス下部に設けられている基板取り付け部に固定設置しているため、発熱素子の多いパワー基板側をインバータボックスおよびハウジングの壁を介してハウジング内を流通する低圧冷媒の吸熱作用により直接冷却できる。従って、パワー基板側を効率よく冷却することができる。
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述いずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記インバータボックス内には、前記ゲル状樹脂材の充填時に前記上部基板の端部を支持する支持突起が設けられていることを特徴とする。
上記によれば、上部基板をゲル状樹脂材中に浮かせて設置する際、支持突起上に上部基板を仮置きした状態でゲル状樹脂材を充填すればよく、これによって上部基板を容易にゲル状樹脂材中に浮かせて設置することができる。
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記支持突起は、前記インバータボックス内に上下に一対設けられ、該一対の支持突起間には、前記上部基板の端部を弾性支持する弾性材が設けられていることを特徴とする。
このように、上下一対の支持突起間に弾性材を介して上部基板の端部を弾性支持することにより、上部基板をゲル状樹脂材中の所定位置に、下部基板と所定の間隔を保ってバラツキなく正確に設置することができる。
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記一対の支持突起のうち上方側の支持突起は、前記インバータボックスの上面に取り付けられる蓋部材に設けられていることを特徴とする。
上記のように、一対の支持突起のうち上方側の支持突起を蓋部材に設けることにより、下方側の支持突起上に上部基板を仮置きした状態でゲル状樹脂材を充填し、その後に蓋部材を取り付けることによって、上部基板をゲル状樹脂材中の所定位置にバラツキなく正確に設置することができる。従って、上部基板の所定位置への組み込みを容易化することができる。
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述いずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記上部基板には、前記ゲル状樹脂材が流動可能な少なくとも1つ以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする。
上記の構成によれば、貫通孔を通してゲル状樹脂材を充填できるため、ゲル状樹脂材の充填速度をアップすることができるとともに、ゲル状樹脂材が熱膨張した際に該貫通孔を通してゲル状樹脂材を流動させることができるため、ゲル状樹脂材の熱膨張により上部基板に作用する応力を低減することができる。
本発明によれば、インバータ制御回路を構成する制御基板を分割し、上下に分けてインバータボックス内に設置するようにしているため、インバータボックスを小さくして電動圧縮機全体をコンパクト化し、据付性を改善することができる。
また、電動圧縮機のハウジングに一体成形されたインバータボックス内に、上部基板および下部基板を設置するようにしているため、これら基板に対して、ハウジング内を流通する低圧冷媒による強制冷却機能を確保することができる。
また、下部基板の下面をインバータボックス下部の基板取り付け部にしっかりと固定設置し、上部基板をインバータボックス内に充填されるゲル状樹脂材中に浮かせて設置するようにしているため、これら基板に外部振動が伝わり、両基板が固有振動数で共振することによって生じる両基板の大きな振動を共に抑制することができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1ないし図3を用いて説明する。
図1には、本実施形態にかかるインバータ一体型電動圧縮機の一部を破断した側面図が示され、図2には、図1に示すインバータ一体型電動圧縮機のハウジングを構成する電動機側ハウジングの断面図が示され、図3には、インバータボックスを模式的に示した断面図が示されている。
本実施形態にかかるインバータ一体型電動圧縮機1は、圧縮機側ハウジング5と電動機側ハウジング7とを、その間に軸受け部材9を挟んでボルト11により締め付け固定することにより構成される密閉ハウジング3を有する。
圧縮機側ハウジング5内には、公知のスクロール圧縮機構13が組み込まれる。また、電動機側ハウジング7内には、電動機15を構成するステータ17およびロータ19が組み込まれる。このスクロール圧縮機構13と電動機15は、駆動軸(図示せず)を介して連結され、電動機15を回転させることにより、スクロール圧縮機構13が駆動されるよう構成される。また、電動機側ハウジング7の端部には、冷媒吸入口(図示せず)が設けられており、該冷媒吸入口には冷凍サイクルの吸入配管が接続され、低圧の冷媒ガスが電動機側ハウジング7内に吸入されるようになっている。この冷媒ガスは、電動機側ハウジング7内を流通し、スクロール圧縮機構13に吸い込まれ、そこで圧縮されて高温高圧の冷媒ガスとなって、圧縮機側ハウジング5の端部から冷凍サイクルの吐出配管へと吐出されるよう構成される。
電動機15は、インバータ21を介して駆動され、空調負荷に応じて回転数が可変制御されるものである。インバータ21は、その制御回路23が電動圧縮機のハウジング3に組み込まれ、電動圧縮機と一体化される。
インバータ21の制御回路23を構成する制御基板は、上部基板25Aと下部基板25Bとに分割されており、ここでは、上部基板25Aは、CPU等の低電圧で動作する素子を備えたCPU基板とされ、下部基板25Bは、IGBT等のパワー素子を備えたパワー基板とされている。なお、本実施形態においては、インバータ21の構成機器として、インバータ制御回路23を構成する上部基板25Aおよび下部基板25Bのみが示され、他の機器は図示省略されているものとする。
上記したインバータ21を電動圧縮機のハウジング3に一体的に組み込むため、ハウジング3を構成する電動機側ハウジング7の外周上部に、上面が開口されたインバータボックス27が一体成形されている。該インバータボックス27は、熱が伝わり易いアルミニウム合金製であり、アルミニウム合金製の電動機側ハウジング7と一体にダイカスト成形される。なお、インバータボックス27は、上部基板25Aと下部基板25Bを上下に所定間隔を保って収納設置できる深さを有している。また、電動機側ハウジング7には、インダクタ37やキャパシタ39の収納室41も一体成形されている。
インバータボックス27内には、下部に基板取り付け部29が設けられており、該基板取り付け部29に下部基板25B、すなわちパワー素子を備えたパワー基板の下面をねじ止め等によりしっかりと固定設置できるようになっている。
また、インバータボックス27の上部内面には、下部基板25Bに対して所定間隔を保って上部基板25A、すなわちCPU等の低電圧で動作する素子を備えたCPU基板の端部を、載置するための支持突起31が突設されている。この支持突起31は、後述のように、上部基板25Aをインバータボックス27内に充填されるゲル状樹脂材33中に浮かせて設置するため、上部基板25Aを仮置きするものである。
さらに、インバータボックス27内には、上部基板25Aの振動を抑制するため、上記のようにシリコンゲル等のゲル状樹脂材33が充填される。
ゲル状樹脂材33は、下部基板25Bを基板取り付け部29に固定設置した後、その上方部位において、上部基板25Aを支持突起31上に仮置きした状態で、インバータボックス27の上面開口から流し込むことにより充填される。これによって、上部基板25Aは、下部基板25Bの上方部位において、インバータボックス27内に充填されるゲル状樹脂材33中に浮かせて設置されることになる。なお、上部基板25Aをゲル状樹脂材33中に浮かせて設置するため、支持突起31に替えて、上部基板25Aを紐状のもので上方から吊った状態で支持し、ゲル状樹脂材33を充填するようにしてもよい。
インバータボックス27は、ゲル状樹脂材33が充填された後、上面開口に蓋部材35がねじ等によって装着されることにより閉塞される。
なお、インバータ制御回路23は、図示省略のインバータ出力端子、リード線、モータ端子等を介して電動機15に電気的に接続されることは言うまでもない。
以上のように構成されたインバータ一体型電動圧縮機において、冷凍サイクル中を循環した後の低圧冷媒ガスは、冷媒吸入口(図示せず)から電動機側ハウジング7内に吸入され、電動機側ハウジング7内を流通してスクロール圧縮機構13に吸い込まれる。スクロール圧縮機構13で圧縮され、高温高圧となった冷媒ガスは、圧縮機側ハウジング5の端部から吐出配管を経て冷凍サイクルへと循環される。
この間、電動機側ハウジング7内を流通する低圧の冷媒ガスは、内部に発熱源であるインバータ21を内蔵しているインバータボックス27側から発せられる熱に対し、電動機側ハウジング7のハウジング壁を介して吸熱作用を行う。これによってインバータボックス27内に設置されているインバータ制御回路23を構成する上部基板25Aおよび下部基板25Bを強制的に冷却することができる。特に、下部基板25Bは発熱素子であるパワー素子を備えたパワー基板とされており、その下面がインバータボックス27下部に設けられている基板取り付け部29に固定設置されているため、パワー基板である下部基板25Bを、電動機側ハウジング7内を流通する低圧ガス冷媒の吸熱作用により、ハウジング壁を介して直接冷却することができる。従って、パワー基板側を効率よく冷却することができる。なお、車両用空調装置の場合、圧縮機はエンジンルーム等の過酷な熱負荷条件下に据付られるため、外部からの熱伝導に対しても十分機能する冷却構造とする必要があるが、冷媒による強制冷却構造を採用しているため、十分にその機能を果たし得る。
また、インバータボックス27は、インバータ制御回路23を構成する比較的面積の大きい制御基板を、上部基板25Aと下部基板25Bとに分割し、それを上下に所定の間隔を保って設置するようにしているため、インバータボックス27の占有面積を比較的小さくできる。このため、インバータボックス27を小形化し、該インバータボックス27を一体化したインバータ一体型電動圧縮機1自体をコンパクトにすることができる。これによって、車両搭載時における据付スペースの制約条件を緩和することができる。
また、本実施形態にかかるインバータ一体型電動圧縮機1は、車両用空調装置の圧縮機に適用される車載用の圧縮機であることから、自身の回転変動に伴う振動のみならず、走行用のエンジンまたはモータ等の回転振動、あるいは走行時の路面振動等の外部振動がインバータ一体型電動圧縮機1に入力される。この振動が上部基板25Aおよび下部基板25Bに伝わると、上部基板25Aおよび下部基板25Bがその固有振動数で共振し、大きく振動することがある。
しかして、本実施形態においては、下部基板25Bが、剛性の高いインバータボックス27下部の基板取り付け部29に、下面をしっかりと固定設置されているため、下部基板25Bが上記の振動伝達により固有振動数で共振し、大きく振動するのを抑制することができる。
一方、上部基板25Aは、インバータボックス27内に充填されたゲル状樹脂材33中に浮かせて設置されるため、上記振動の伝達を低減することができるとともに、上部基板25Aは、非拘束状態に置かれることになるため、上部基板25Aには拘束力が発生することがなく、該基板に対する応力を低減することができる。このため、上部基板25Aが上記の振動伝達により固有振動数で共振し、大きく振動するのを抑制することができる。
これによって、両基板25A,25Bの耐振性を向上させることができる。
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
インバータ制御回路23を構成する制御基板を、上部基板25Aと下部基板25Bとに分割し、これをインバータボックス27内に上下に所定間隔を保って設置するようにしているため、ハウジング3と一体成形するインバータボックス27を小さくして、電動圧縮機1自体をコンパクト化することができる。このため、特にスペース的に厳しい車両用空調装置において、インバータ一体型電動圧縮機1の据付性を改善することができる。
また、ハウジング3に一体成形されたインバータボックス27内に上部基板25Aおよび下部基板25Bを設置しているため、これらの基板25A,25Bを、ハウジング3内を流通する低圧冷媒の吸熱作用によって強制的に冷却することができる。このため、発熱素子を備えた基板を冷却するための特別な冷却手段を設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。
さらには、下部基板25Bの下面をインバータボックス27下部の基板取り付け部29にしっかりと固定設置し、上部基板25Aをインバータボックス27内に充填されるゲル状樹脂材33中に浮かせて設置するようにしているため、これら両基板25A,25Bに外部振動が伝わることに起因する固有振動数での共振による大きな振動を抑制することができ、両基板25A,25Bの耐振性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図4を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1実施形態に対して、上部基板25Aの支持構造が異なるのみである。その他の点については、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
図4は、インバータボックス27を模式的に示した断面図である。
本実施形態では、インバータボックス27内にゲル状樹脂材33を充填する際に、上部基板25Aを所定の設置位置に位置決めするため、インバータボックス27内の上方部位に上下一対の支持突起131A、131Bが設けられている。上部基板25Aは、その端部がこの一対の支持突起131A、131B間にゴム等の弾性材133を介して弾性支持されるようになっている。
このように、上下一対の支持突起131A、131B間に弾性材133を介して上部基板25Aの端部を弾性支持するようにしているため、上部基板25Aをゲル状樹脂材33の中に浮かせたのと同等の状態に保持して、上部基板25Aをゲル状樹脂材33中の所定位置に、下部基板25Bと所定間隔を保ってバラツキなく正確に設置することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図5を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第2実施形態に対して、上下一対の支持突起131A、131Bの構成が異なるのみである。その他の点については、第2実施形態と同様であるので、説明は省略する。
図5は、インバータボックス27を模式的に示した断面図である。
本実施形態では、上下一対の支持突起のうち、上方側の支持突起131Cをインバータボックス27の蓋部材35側に設けている。
本実施形態のように、上方側の支持突起131Cをインバータボックス27の蓋部材35側に設けた場合、まず下方側の支持突起131A上に上部基板25Aを仮置きした状態でゲル状樹脂材33を充填し、該ゲル状樹脂材33の充填後に、蓋部材35を取り付けることになる。このため、上部基板25Aの所定位置への組み込みを容易化することができるとともに、上部基板25Aをゲル状樹脂材33中の所定位置にバラツキなく正確に設置することができる。
なお、支持突起131Cを設けた蓋部材35を、図3に示された第1実施形態に適用してもよい。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、図6を用いて説明する。
本実施形態は、上記した第1ないし第3実施形態に対して、上部基板25Aの構成が異なるのみである。その他の点については、第1ないし第3実施形態と同様であるので、説明は省略する。
図6は、インバータボックス27の上面斜視図である。
本実施形態においては、上部基板25Aの適所に貫通孔125が少なくとも1個以上設けられている。
このような貫通孔125を設けることにより、貫通孔125を通してゲル状樹脂材33を充填できるため、ゲル状樹脂材33の充填速度をアップすることができる。また、ゲル状樹脂材33が熱膨張した際に該貫通孔125を通してゲル状樹脂材33を流動させることができるため、ゲル状樹脂材33の熱膨張により上部基板25Aに作用する応力を低減することができる。
なお、貫通孔125は、該貫通孔125を通してゲル状樹脂材33を流動させる機能を有する必要があるため、孔径は、例えば10mm程度とされる。即ち、この孔径は、基板の表裏面間を導通させるために形成されるスルーホールよりも大きなものとされる。
また、貫通孔125は、上部基板25Aに設ければよいが、下部基板25Bに設けることを妨げるものではない。
本発明の第1実施形態にかかるインバータ一体型電動圧縮機の一部破断側面図である。 図1に示したインバータ一体型電動圧縮機の電動機側ハウジングのインバータボックスの蓋部材を外した状態の断面図である。 図1および図2に示したインバータボックスを模式的に示した断面図である。 本発明の第2実施形態にかかるインバータボックスを模式的に示した断面図である。 本発明の第3実施形態にかかるインバータボックスを模式的に示した断面図である。 本発明の第4実施形態にかかるインバータボックスの上面斜視図である。
符号の説明
1 インバータ一体型電動圧縮機
3 ハウジング
7 電動機側ハウジング
13 スクロール圧縮機構
15 電動機
21 インバータ
23 インバータ制御回路
25A 上部基板
25B 下部基板
27 インバータボックス
29 基板取り付け部
31 支持突起
33 ゲル状樹脂材
35 蓋部材
125 貫通孔
131A,131B,131C 支持突起
133 弾性材


Claims (6)

  1. ハウジング外周に一体成形されたインバータボックスと、該インバータボックス内に設置されたインバータ制御回路とを備えたインバータ一体型電動圧縮機において、
    前記インバータ制御回路は、制御基板である上部基板と下部基板とを有し、
    前記下部基板は、その下面を前記インバータボックスの下部に設けられている基板取り付け部に固定され、
    前記上部基板は、前記下部基板の上方部位において、前記インバータボックス内に充填されるゲル状樹脂材中に浮かせて設置されていることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。
  2. 前記下部基板は、パワー素子を備えたパワー基板とされ、前記上部基板は、CPU等の低電圧で動作する素子を備えたCPU基板とされていることを特徴とする請求項1に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
  3. 前記インバータボックス内には、前記ゲル状樹脂材の充填時に前記上部基板の端部を支持する支持突起が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
  4. 前記支持突起は、前記インバータボックス内に上下に一対設けられ、
    該一対の支持突起間には、前記上部基板の端部を弾性支持する弾性材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
  5. 前記一対の支持突起のうち上方側の支持突起は、前記インバータボックスの上面に取り付けられる蓋部材に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
  6. 前記上部基板には、前記ゲル状樹脂材が流動可能な少なくとも1つ以上の貫通孔が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のインバータ一体型電動圧縮機。

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