JP2007313764A - 透明積層膜及びその製造方法、並びに液体レンズ - Google Patents

透明積層膜及びその製造方法、並びに液体レンズ Download PDF

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Abstract

【課題】ターゲット材料を変更することなく簡便に透明積層膜を成膜することのできる透明積層膜の製造方法を提供し、該透明積層膜の製造方法により形成された透明積層膜、並びに該透明積層膜を用いた液体レンズを提供する。
【解決手段】反応性ガスなし、あるいは反応性ガス8の存在下で、ZnOにAl23、Ga23、SiO2のいずれかが含有されてなるターゲット3をスパッタガス7によりスパッタリングして、基材上に透明導電膜を成膜し、ついで反応性ガスの存在下で前記ターゲットをスパッタガスによりスパッタリングして、前記透明導電膜上に透明絶縁膜を成膜して透明積層膜を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明積層膜及びその製造方法、並びに前記透明積層膜を用いた液体レンズに関するものである。
従来、レンズを機械的に移動させることなく可変焦点することのできる技術が提案されており、その中でエレクトロウェッティング効果を用いた液体レンズが注目されている(例えば、特許文献1,2、非特許文献1参照。)。
この液体レンズとは、例えば上部から基材1/電極2/水溶液3/オイル4/絶縁膜5/電極6/基材7の構造となっており、電極2と電極6間に電圧を印加して水溶液3とオイル4の界面の形状を変化させることにより、焦点を変化させる駆動を行うものである。
ここで前記液体レンズのうち、絶縁膜5/電極6/基材7の構造については、基材7に金属膜または透明導電膜を電極6としてスパッタリング法により成膜し、その後電極6上に蒸着法により数μmの膜厚の絶縁膜5を成膜するといった別々のプロセスで作製されており、積層膜の製造が煩雑であった。
また、従来の液体レンズでは、焦点を変化させる駆動を起こさせるために数十V以上の電圧を印加する必要があることから、種々の光学装置に用いる場合、とくに小型の液体レンズを多数用いる場合にはその適用が困難であり、印加電圧の低減が望まれていた。
国際公開第99/18456号公報 特開2002−162506号公報 Bruno Berge、機構部品ゼロ量産近づく液体レンズの実力、日経エレクトロニクス、日本経済新聞社、平成17年10月24日、p.129〜135
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、ターゲット材料を変更することなく簡便に透明積層膜を成膜することのできる透明積層膜の製造方法を提供し、該透明積層膜の製造方法により形成された透明積層膜、並びに該透明積層膜を用いた液体レンズを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する請求項1の発明は、反応性ガスなし、あるいは反応性ガスの存在下で、ZnOにAl23、Ga23、SiO2のいずれかが含有されてなるターゲットをスパッタガスによりスパッタリングして、基材上に透明導電膜を成膜し、ついで反応性ガスの存在下で前記ターゲットをスパッタガスによりスパッタリングして、前記透明導電膜上に透明絶縁膜を成膜して透明積層膜を形成することを特徴とする透明積層膜の製造方法である。
また前記課題を解決するために提供する請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記ターゲットのAl23、Ga23、SiO2のいずれかの含有量は、10wt%以下であることを特徴とする透明積層膜の製造方法である。
また前記課題を解決するために提供する請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記透明絶縁膜の膜厚は、1μm以下であることを特徴とする透明積層膜の製造方法である。
また前記課題を解決するために提供する請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記透明絶縁膜の抵抗値は、前記反応性ガスとスパッタガスとの流量比により調整されてなることを特徴とする透明積層膜の製造方法である。
前記課題を解決するために提供する請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載の透明積層膜の製造方法により基材上に透明導電膜、透明絶縁膜が順次積層されてなることを特徴とする透明積層膜である。
前記課題を解決するために提供する請求項6の発明は、請求項5に記載の透明積層膜と、電極を含む部材とにより、前記透明絶縁膜を内側にしてオイル及び水溶液が封止されてなるものであり、前記電極と透明導電膜間への電圧印加により前記透明絶縁膜上の水溶液とオイルとの界面の形状を変化させることを特徴とする液体レンズである。
本発明の透明積層膜の製造方法によれば、1つのスパッタリング成膜工程の中でターゲット材料を変更することなく同一のターゲットで簡便に透明積層膜を成膜することができる。
本発明の透明積層膜によれば、液体レンズに好適な透明積層膜を提供することができる。
本発明の液体レンズによれば、誘電率が高く膜厚の薄い透明絶縁膜を備えているので、低い電圧で駆動させることができる。
以下に、本発明に係る透明積層膜の製造方法について説明する。
図1は、本発明に係る透明積層膜の製造方法を実施する上で使用するスパッタ装置の構成を示す概略図である。
図1に示すように、スパッタ装置は直流方式のスパッタ装置であり、チャンバー1内に基板11を保持する基板ホルダー2とターゲット3を保持するターゲットホルダー4とが対向配置されており、基板11とターゲット3との間に電圧が印加されるようになっている。詳しくは、基板11は基板ホルダー2を経由してグランドに接地され、ターゲット3はターゲットホルダー4を経由して直流電源5につながっており、基板11のアース電位に対してターゲット3には直流電源5から所定のマイナスの電圧が印加される。
また、スパッタ装置は、チャンバー1内の排気系として排気ポンプ6を有している。さらに、ガス供給系としてArガスボンベ7、Oガスボンベ8及びガスボンベ7,8それぞれからガスを途中で混合しこの混合したガスをチャンバー1内へ導くガス配管9を有しており、該混合ガスはガス配管9に設けられたArガス流量コントローラ7a、Oガス流量コントローラ8aによってそれぞれの流量比及び混合ガスとしての流量がコントロールされプロセスガス導入口9aからチャンバー1内に導入されるようになっている。
本スパッタ装置により基板11上に透明積層膜を成膜するに当っては、つぎの手順で処理を行う。
(S11)基板ホルダー2に基板11をセットする。
ここで、基板11は、表面が清浄な透明ガラス基板またはポリカーボネイト(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリオレフィン(PO)のいずれかからなる透明な樹脂基板である。
(S12)ターゲットホルダー4にターゲット3をセットする。
ここで、ターゲット3は、ZnOにAl23、Ga23、SiO2のいずれかが含有されてなるもの(すなわち、AZOターゲット、GZOターゲット、SZOターゲットのいずれか)であり、ターゲット3のAl23、Ga23、SiO2のいずれかの含有量は、10wt%以下がよく、例えば1.0〜10.0wt%であることが好ましい。
(S13)チャンバー1内を排気ポンプ6により排気し真空にする。
(S14)ついで、排気を継続しながらチャンバー1内にArガスボンベ7、Oガスボンベ8それぞれからのガスを所定量混合したガスをプロセスガス導入口9aから導入し、チャンバー1内が一定の雰囲気圧力(例えば、0.1〜1.0Pa)になるようにする。ここで、混合ガスの流量(sccm)の比(反応性ガス流量比(O/Ar))は、成膜される透明膜が所定の抵抗値以下となり導電性をもつように調整される(例えば、AZOターゲットの場合、0.2%)。あるいは、チャンバー1内にOガスは導入せず、Arガスのみを導入するようにしてもよい。
(S15)ついで、直流電源5よりターゲット3と基板11間に直流電圧を印加し、雰囲気ガス(O+Ar、またはAr)についてグロー放電させプラズマ状態Pとする。
(S16)直流電源5から電力(例えば、0.1〜7.8W/cm)を投入してスパッタリングを開始し、基板11上にターゲット組成に基づいた透明導電膜12を形成する(一旦成膜終了)。
(S17)ついで、排気を継続しながらチャンバー1内にArガスボンベ7、Oガスボンベ8それぞれからのガスを所定量混合したガスをプロセスガス導入口9aから導入し、チャンバー1内が一定の雰囲気圧力(例えば、0.1〜1.0Pa)になるようにする。ここで、混合ガスの流量(sccm)の比(反応性ガス流量比(O/Ar))は、成膜される透明膜が所定の抵抗値となり絶縁性をもつように調整される。すなわち、反応性ガス流量比及び投入電力を調整して膜中に酸素を過剰に入れることにより絶縁性を確保する。その反応性ガス流量比は2%以下でよく、例えばAZOターゲットの場合、1.3%とする。
(S18)ついで、直流電源5よりターゲット3と基板11間に直流電圧を印加し、雰囲気ガス(O+Ar)についてグロー放電させプラズマ状態Pとする。
(S19)直流電源5から電力(例えば、0.1〜7.8W/cm)を投入してスパッタリングを開始し、透明導電膜12上にターゲット組成に基づいた透明絶縁膜13を形成して透明積層膜を完成する。
また、別の透明積層膜の製造方法として、前記ステップS16の成膜開始後に、反応性ガス流量比(O/Ar)を徐々に増加させながらスパッタ成膜するようにして、膜厚方向において抵抗値が徐々に変化する傾斜膜を形成してもよい。
この場合、透明導電膜、透明絶縁膜の界面がなくなるため、密着性が向上する。
図2に、前記方法により形成された透明積層膜の断面構成を示す。
本発明の透明積層膜は、基板11上に形成される透明導電膜12、透明絶縁膜13の積層構造をもつ光学膜である。
透明導電膜12は、前述の通り、ターゲット3の組成に基づいた透明膜であって、例えば比抵抗が1.0×10−3〜1.0×10−2(Ω・cm)で、波長380〜780nmの透過光の平均吸収率が3%以下となっている。また、透明導電膜12の膜厚は20〜200nmである。
透明絶縁膜13は、前述の通り、前記透明導電膜12を形成したターゲット3の組成に基づいた透明膜であって、例えば比抵抗が1.0×10+2〜1.0×10+7(Ω・cm)で、波長380〜780nmの透過光の平均吸収率が3%以下となっている。また、透明絶縁膜13の膜厚は1μmであり、好ましくは200〜600nmである。
つぎに、本発明の液体レンズについて説明する。
図3は、本発明の液体レンズの構成を示す断面図である。図3においては液体レンズ20の光軸は上下方向に伸びており、光は図中上から液体レンズ20の基材21に入射し、基材27から出射するようになっている。
本発明の液体レンズ20は、中央に凹部を設けた透明な基材27上に設けられた本発明の透明積層膜(透明導電膜12、透明絶縁膜13)と、電極22を含む部材(基材21及び電極22)とにより、透明絶縁膜13を内側にしてオイル24及び水溶液23が封止されてなるものであり、電極22と透明導電膜12間への電圧印加により透明絶縁膜13上の水溶液23とオイル24との界面の形状を変化させ、入射してきた光を収斂または発散させて出射するものである。
基材21,27はともに透明ガラス基板またはポリカーボネイト(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリオレフィン(PO)のいずれかからなる透明な樹脂基板である。
また、透明導電膜12及び透明絶縁膜13は、前述した透明積層膜の製造方法により基材27上に形成されてなるものであり、水溶液23及びオイル24には透明絶縁膜13が接している。さらに電極22が水溶液23及びオイル24を封止するように基材21と透明絶縁膜13との間に設けられている。また、透明導電膜12、電極22には電源28が接続されており、両者の間に所定の電圧が印加されるようになっている。
水溶液23及びオイル24は、比重が等しく、屈折率が異なり、かつ互いに混ざることのない(不溶な)液体が選ばれる。例えば、水溶液23は、水とエチルアルコールが所定比率で混合され、さらに所定量のNaClが加えられた、比重1.06、室温での屈折率1.38の電解液(導電性又は有極性を有する液体)であり、オイル24は、無色透明で、比重1.06、室温での屈折率1.49のシリコーンオイルである。
水溶液23及びオイル24が封止される際には、まず基材27の凹部の透明絶縁膜13上にオイル24を滴下し、ついで封止領域の残りの空間に水溶液23を充填する。これにより、水溶液23とオイル24は混ざり合わずにそれぞれが独立して存在し、界面25を形成している。
図4、図5に液体レンズ20の駆動原理を示す。図4は透明導電膜12、電極22間に電圧を印加していない場合の透明絶縁膜13/オイル24/水溶液23の各界面の張力の状態を示しており、図5は透明導電膜12、電極22間に電圧を印加している場合のそれを示している。
液体レンズ20の内部では、透明絶縁膜13/オイル24/水溶液23において3つの界面張力が発生している。すなわち、透明絶縁膜13と水溶液23の間の張力(SW)、オイル24と水溶液23の間の張力(OW)、透明絶縁膜13とオイル24の間の張力(SO)であり、ここではそれぞれをγSW,γOW,γSOと表す。
透明導電膜12、電極22間に電圧を印加していない場合には、3つの界面張力と、透明絶縁膜13とオイル24の接触角度(θ)の間にはいわゆるYoung-Laplaceの方程式から次式の関係が成り立ち、これに基づいて界面25の形状が決まる(図4)。
cosθ=(γSW−γSO)/γOW
透明導電膜12、電極22間に電圧を印加した場合には、エレクトロウェッティング効果により界面25の形状が変化する。すなわち、電圧印加により透明絶縁膜13と水溶液23界面には電荷が発生し、それによって透明絶縁膜13とオイル24の間の張力(SO)方向に次式に示す圧力Πが加わるようになる。
Π=1/2(ε・ε/d)V
(ここで、εは絶縁部の誘電率,εは真空誘電率,dは絶縁部の厚さ、Vは印加電圧を表す。)
したがって、この場合、3つの界面張力と、透明絶縁膜13とオイル24の接触角度(θ)の間には次式のような関係が成り立ち、電圧を印加しない場合に比べて接触角度θは増加して界面25の形状が変化する。また、その変化の程度は電圧を変化させることによって制御可能である。
cosθ=(γSW−γSO)/γOW−1/2(ε・ε/d)V ・・・ (1)
以上のように、液体レンズ20は屈折率の異なる水溶液23、オイル24の界面25の形状が変化することによって、焦点距離を変化させることが可能であるとともに、その焦点距離は印加電圧により制御可能なものとなる。
また、従来の液体レンズと比較すると、本発明の液体レンズは優れた性能を示す。
例えば、従来の液体レンズでは、本発明の透明積層膜の代わりに、基材27上にスパッタリング法あるいは蒸着法によりITO(インジウム錫酸化物)が成膜されてなる電極膜92と、該電極膜92上にパリレン(日本パリレン株式会社製、パリレンC、パリレンN)が数μmの厚さで蒸着されてなる絶縁膜93とが積層されている(図6)。
ここで、従来の液体レンズとしてパリレンからなる絶縁膜93(膜厚:2μm、誘電率:2.65)を用いた場合と、本発明の液体レンズ20においてZnO−2wt%Alのターゲットを用いて形成した透明絶縁膜13(膜厚:100nm、誘電率:8.7)を用いた場合とを比較すると、絶縁膜に関して膜厚で20倍、誘電率で3.28倍の差がある。すなわち、前記式(1)より、本発明の液体レンズ20は従来の液体レンズよりも印加電圧を1/65.6にすることが可能ということであり、例えば従来の液体レンズにおける印加電圧が40〜100Vであったとすると、本発明の液体レンズ20では4.93〜12.35Vまで印加電圧を低減することが可能である。
以下に本発明を検証し、実施した例を説明する。
(実施例1)
図1に示すスパッタ装置を使用し、以下の条件で透明膜サンプルを作製した。
・基板11:ガラス基板
・ターゲット3:ZnO−2wt%Al
・投入電力:0.1〜7.8W/cm
・反応性ガス流量比(O/Ar):0〜1.6(%)
なお、(反応性ガス流量比)=(Oガス流量)/{(Oガス流量)+(Arガス流量)}×100(%)とした。
・透明膜膜厚:100nm
図7に、得られたサンプルの比抵抗測定結果を示す。
その結果、反応性ガス流量比に比例して比抵抗が増加する傾向を示した。この結果に従い、例えば、反応性ガス流量比を0.2%として透明導電膜12を形成し、つぎに同じターゲット3を使用して反応性ガス流量比を1.3%として透明絶縁膜13を形成することにより、本発明の透明積層膜を得ることができる。
(実施例2)
図1に示すスパッタ装置を使用し、以下の条件で透明膜サンプルを作製した。
・基板11:ガラス基板(面積9cm
・ターゲット3:ZnO−2wt%SiO
・投入電力:100〜400W
・反応性ガス流量比(O/Ar):0〜0.5(%)
・透明膜膜厚:100nm
図8に、得られたサンプルの比抵抗測定結果を示す。
その結果、反応性ガス流量比に比例して比抵抗が増加する傾向を示した。また、投入電力に比例して比抵抗が減少する傾向が見られた。
(実施例3)
本発明の透明積層膜の製造方法により、以下の条件で透明積層膜サンプルを作製した。なお、基板11としてガラス基板を使用した。
(1)透明導電膜12
・ターゲット3:ZnO−2wt%Al
・反応性ガス流量比(O/Ar):0.2(%)
・膜厚:100nm
(2)透明絶縁膜13
・ターゲット3:ZnO−2wt%Al
・反応性ガス流量比(O/Ar):1.3(%)
・膜厚:200nm
得られたサンプルについて耐圧評価を行った。具体的には、図9に示すように、透明積層膜サンプルとソースメータとを接続し、透明導電膜12に接したプローブに電圧を0〜60Vの範囲で変化させて印加し、そのときの透明絶縁膜13上の電解液に接したプローブに流れる電流値を測定した。
図10に、その結果を示す。また、透明積層膜サンプルの構成のうち透明絶縁膜13を省略し透明導電膜12のみを形成したサンプルについて同様の耐圧測定を行った結果を図11に示す。
透明積層膜サンプルは、透明導電膜12のみ形成したサンプルの結果(図11)と比較すると、オーミック反応を示さず、従来の構成のもの(図6に示すパリレンからなる絶縁膜を有する積層膜)と同等の耐圧特性が確認された。
また、本実施例の条件の透明積層膜を有する液体レンズを作製したところ、電圧印加によって焦点距離を可変で制御することができた。
本発明に係る透明積層膜の製造方法を実施する上で使用するスパッタ装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る透明積層膜の構成を示す断面図である。 本発明に係る液体レンズの構成を示す断面図である。 透明導電膜、電極間に電圧を印加していない場合の界面の張力の状態を示す概略図である。 透明導電膜、電極間に電圧を印加した場合の界面の張力の状態を示す概略図である。 従来の透明積層膜の構成を示す断面図である。 実施例1の反応性ガス流量比と比抵抗の関係を示す図である。 実施例2の反応性ガス流量比と比抵抗の関係を示す図である。 透明積層膜について耐圧測定する際の接続構成を示す図である。 透明積層膜の耐圧測定結果を示す図である。 透明導電膜の耐圧測定結果を示す図である。
符号の説明
1…チャンバー、2…基板ホルダー、3…ターゲット、4…ターゲットホルダー、5…直流電源、6…排気ポンプ、7…Arガスボンベ、8…Oガスボンベ、7a,8a…ガス流量コントローラ、9…ガス配管、9a…プロセスガス導入口、11…基板、12…透明導電膜、13…透明絶縁膜、20…液体レンズ、21,27…基材、22…電極、23…水溶液、24…オイル、25…界面、28…電源、92…電極膜、93…絶縁膜、P…プラズマ

Claims (6)

  1. 反応性ガスなし、あるいは反応性ガスの存在下で、ZnOにAl23、Ga23、SiO2のいずれかが含有されてなるターゲットをスパッタガスによりスパッタリングして、基材上に透明導電膜を成膜し、ついで反応性ガスの存在下で前記ターゲットをスパッタガスによりスパッタリングして、前記透明導電膜上に透明絶縁膜を成膜して透明積層膜を形成することを特徴とする透明積層膜の製造方法。
  2. 前記ターゲットのAl23、Ga23、SiO2のいずれかの含有量は、10wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明積層膜の製造方法。
  3. 前記透明絶縁膜の膜厚は、1μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明積層膜の製造方法。
  4. 前記透明絶縁膜の抵抗値は、前記反応性ガスとスパッタガスとの流量比により調整されてなることを特徴とする請求項1に記載の透明積層膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一に記載の透明積層膜の製造方法により基材上に透明導電膜、透明絶縁膜が順次積層されてなることを特徴とする透明積層膜。
  6. 請求項5に記載の透明積層膜と、電極を含む部材とにより、前記透明絶縁膜を内側にしてオイル及び水溶液が封止されてなるものであり、前記電極と透明導電膜間への電圧印加により前記透明絶縁膜上の水溶液とオイルとの界面の形状を変化させることを特徴とする液体レンズ。
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