JP2019002036A - 酸化物被膜及びその酸化物被膜を備える構造体 - Google Patents

酸化物被膜及びその酸化物被膜を備える構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】親水性及びイオン伝導性の少なくとも一つを向上させた酸化物被膜を備える構造体の提供。【解決手段】酸化物被膜14中のSiO2の含有率を67.0〜72.0質量%好ましくは、68.8〜69.6質量%、又は68.8〜70.3質量%、Al2O3の含有率を、12.0〜16.0質量%好ましくは13.2〜15.3質量%、又は13.2〜15.6質量%とすることで、酸化物被膜14に含まれるSiO2の水に対する濡れ性、親水性、プロトン伝導性の電解質としての機能、及び、Al2O3の親水性の機能、イオン電導性の機能とを高めた、酸化物被膜14を備える構造体10。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化物被膜及びその酸化物被膜を備える構造体に関する。
現在、ガラス等の表面に付着した微小な水滴が引き起こす"光の散乱"や"曇り"による光透過性の低下を防ぐために、さまざまな親水性素材を用いて基材表面への防曇処理が行われている。また、低炭素社会に向けたキーデバイスである全固体電池を実現する上で重要なカギとなる材料として固体電解質が注目されており精力的に研究開発が取り組まれている。このような特異的な機能を持った機能性膜の多くは、金属と酸素の化合物から成る酸化物被膜であり、眼鏡レンズ、車載カメラレンズ、車載ランプリフレクター、ゴーグル、ドアミラー等の反射鏡や、全固体型電池、エレクトロクロミック被膜の固体電解質被膜などに適用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−294920号公報
しかし、これまでの防曇処理技術では、処理された表面の耐久性が低く、経過時間により防曇機能を失ってしまうという課題や、皮膜の密着性が十分でないなどの問題があった。従来、防曇材料として利用されている界面活性剤や酸化チタンなどの薄膜材料も防曇性付与には極めて優れているが、その特性を長期間維持することが難しく防曇維持特性は実用レベルにはないと言われている。
固体電解質は、電池特性の向上(高いイオン伝導度を示す固体電解質の開発)や触媒コストの大幅な低減(低コスト材料の探究)など解決すべき課題がまだ残されており、それらの解決無くしては全固体型電池がエネルギー産業変革の主役になるのは困難であると考えられている。また、固体電解質材料となる対象元素はレアメタルが中心であり、その原料供給リスクは、輸入国の政情不安の影響を受ける可能性が懸念される。
これより、眼鏡レンズ、車載カメラレンズ、車載ランプリフレクター、ゴーグル、ミラーや防曇ガラス等の光学部材や、全固体型電池、エレクトロクロミック素子などの酸化物被膜を備える構造体において、これらの構造体を更に高性能化させるために、酸化物被膜の親水性またはイオン伝導性をより向上させることが望まれている。
そこで本発明の目的は、レアメタルのような国内では殆ど産出されない貴重な資源を用いず、親水性及びイオン伝導性の少なくとも一つを向上させることが可能な酸化物被膜及びその酸化物被膜を備える構造体を提供することである。
本発明に係る酸化物被膜は、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜は、更に、3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、2.8質量%以上4.4質量%以下のFeと、2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜は、SiOの含有率が、68.8質量%以上69.6質量%以下であり、Alの含有率が、13.2質量%以上15.3質量%以下であり、KOの含有率が、4.61質量%以上5.26質量%以下であり、Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、NaOの含有率が、3.27質量%以上4.56質量%以下であり、CaOの含有率が、1.39質量%以上1.92質量%以下であり、SOの含有率が、1.08質量%以上1.66質量%以下であり、MgOの含有率が、0.392質量%以上0.470質量%以下であることを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜は、更に、3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、2.5質量%以上4.5質量%以下のFeと、2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜は、SiOの含有率が、68.8質量%以上70.3質量%以下であり、Alの含有率が、13.2質量%以上15.6質量%以下であり、KOの含有率が、3.82質量%以上5.29質量%以下であり、Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、NaOの含有率が、2.19質量%以上4.56質量%以下であり、CaOの含有率が、1.37質量%以上1.92質量%以下であり、SOの含有率が、1.10質量%以上1.66質量%以下であり、MgOの含有率が、0.34質量%以上0.47質量%以下であることを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜において、前記酸化物被膜の表面粗さ(Ra)は、1.1nm以上であることを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜において、前記酸化物被膜の表面積は、1.0×10nm以上であることを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜は、固体電解質膜用または親水膜用であることを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜を備える構造体は、基材と、前記基材に設けられ、上記の前記酸化物被膜と、を有することを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜を備える構造体において、前記酸化物被膜を備える構造体は、光反射防止材であり、前記基材は、透明体もしくは半透明体で構成されており、前記基材の表面には、上記の前記酸化物被膜と、上記の前記酸化物被膜よりも屈折率が高い高屈折率被膜とが交互に重なって複数層設けられていることを特徴とする。
本発明に係る酸化物被膜を備える構造体は、第1電極と、前記第1電極に設けられる酸化発色膜と、前記酸化発色膜に設けられ、上記の前記酸化物被膜と、前記酸化物被膜に設けられる還元発色膜と、前記還元発色膜に設けられる第2電極と、を有することを特徴とする。
上記構成の酸化物被膜及びその酸化物被膜を備える構造体によれば、親水性及びイオン伝導性の少なくとも一つを向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態において、酸化物被膜を備える構造体の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、スパッタリング装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のSiOの含有率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のAlの含有率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のKOの含有率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のFeの含有率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のNaOの含有率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のCaOの含有率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のSOの含有率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のMgOの含有率との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜の表面積との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、実施例1から24の酸化物被膜の成膜条件を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のSiOの含有率と、接触角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のAlの含有率と、接触角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のKOの含有率と、接触角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のFeの含有率と、接触角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のNaOの含有率と、接触角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のCaOの含有率と、接触角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のSOの含有率と、接触角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のMgOの含有率と、接触角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のSiO/Alの比率と、接触角との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のSiO/Alの比率と、接触角の変化率との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)と、接触角の変化率との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜の表面積と、接触角の変化率との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、イオン伝導度測定用デバイスの構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のSiOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のAlの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のKOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のFeの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のNaOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のCaOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のSOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜中のMgOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)と、イオン伝導度との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、酸化物被膜の表面積と、イオン伝導度との関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態において、全固体型エレクトロクロミック素子の構成を示す図である。
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、酸化物被膜を備える構造体10の構成を示す図である。酸化物被膜を備える構造体10は、基材12と、基材12に設けられる酸化物被膜14と、を有している。酸化物被膜を備える構造体10は、例えば、後述するエレクトロクロミック素子や、ミラー(鏡)等の光学部材などである。基材12は、特に限定されないが、例えば、プラスチック材、ソーダライムガラス等のガラス材や、シリコンウエハ等のシリコン材を用いることが可能である。酸化物被膜14は、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、を含んで形成されているとよい。
SiO(酸化珪素)は、表面は疎水的で吸着水の量は少ないが、吸着水クラスター中の水素結合の寄与が減少するため、表面で水の層を形成し水の表面被覆率が高くなる。さらに、SiO表面には炭化水素が吸着しにくい性質とあわせて、水に濡れ易い表面特性を示し親水性を高める機能を有している。SiOは、酸性を示す部分(酸点、水素イオンまたは活性水酸基、一般には活性点)が表面または内面に固定されており、プロトン伝導性の電解質として作用する機能を有している。酸化物被膜14中のSiOの含有率は、67.0質量%以上72.0質量%以下とするとよい。SiOの含有率がこの範囲内であれば、酸化物被膜14の親水性とイオン伝導性とを高めることができる。
Al(酸化アルミニウム)は、表面は親水的で吸着水量が多く、吸着水クラスター中の水素結合の寄与が増大するため、吸着水クラスターは丸まった構造となり表面における水の被覆率は低くなる。さらに、有機化合物を同時に吸着しやすいことから、水に濡れにくい表面特性を示し、親水性を高める機能を有している。Alは、固体状態でプロトン伝導性を示す固体酸であり、プロトン等のイオン伝導度が大きく、イオン伝導性を高める機能を有している。酸化物被膜14のAlの含有率は、12.0質量%以上16.0質量%以下とするとよい。Alの含有率がこの範囲内であれば、酸化物被膜14の親水性とイオン伝導性とを高めることができる。
酸化物被膜14は、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、を含み、更に、3.8質量%以上5.5質量%以下のKO(酸化カリウム)と、2.8質量%以上4.4質量%以下のFe(酸化鉄)と、2.1質量%以上5.7質量%以下のNaO(酸化ナトリウム)と、1.2質量%以上2.0質量%以下のCaO(酸化カルシウム)と、0.8質量%以上1.8質量%以下のSO(酸化硫黄)と、0.29質量%以上0.50質量%以下のMgO(酸化マグネシウム)と、を含み、残部が不可避的不純物からなるとよい。酸化物被膜14が、この組成比で構成されている場合には、水との接触角が45度以下となるので、酸化物被膜14の親水性をより高めることが可能となる。なお、酸化物被膜14に含まれる不可避的不純物は、例えば、Cl(塩素)、P(酸化リン)等である。
酸化物被膜14は、SiOの含有率が、68.8質量%以上69.6質量%以下であり、Alの含有率が、13.2質量%以上15.3質量%以下であり、KOの含有率が、4.61質量%以上5.26質量%以下であり、Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、NaOの含有率が、3.27質量%以上4.56質量%以下であり、CaOの含有率が、1.39質量%以上1.92質量%以下であり、SOの含有率が、1.08質量%以上1.66質量%以下であり、MgOの含有率が、0.392質量%以上0.470質量%以下であり、残部が不可避的不純物であるとよい。酸化物被膜14が、この組成比で構成されている場合には、水との接触角が10度以下となるので、酸化物被膜14の親水性を更に高めることが可能となる。
酸化物被膜14は、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、を含み、更に、3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、2.5質量%以上4.5質量%以下のFeと、2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物からなるとよい。酸化物被膜14が、この組成比で構成されている場合には、イオン伝導度が1×10−11(S/cm)以上となるので、酸化物被膜14のイオン伝導性をより高めることが可能となる。
酸化物被膜14は、SiOの含有率が、68.8質量%以上70.3質量%以下であり、Alの含有率が、13.2質量%以上15.6質量%以下であり、KOの含有率が、3.82質量%以上5.29質量%以下であり、Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、NaOの含有率が、2.19質量%以上4.56質量%以下であり、CaOの含有率が、1.37質量%以上1.92質量%以下であり、SOの含有率が、1.10質量%以上1.66質量%以下であり、MgOの含有率が、0.34質量%以上0.47質量%以下であり、残部が不可避的不純物であるとよい。酸化物被膜14が、この組成比で構成されている場合には、イオン伝導度が1×10−7(S/cm)以上となるので、酸化物被膜14のイオン伝導性を更に高めることができる。
酸化物被膜14の表面粗さ(Ra)は、1.1nm以上とするとよく、2.3nm以上とすることが好ましい。表面粗さ(Ra)は、酸化物被膜14の表面の算術平均粗さ(Ra)であり、例えば、JIS B 0601等に規定されている。後述する実施例で示すように、シラスを原料に用いて成膜した酸化物被膜14は、親水性が経時変化(水との接触角の経時変化)する傾向があり、親水性の経時変化は、酸化物被膜14の表面粗さ(Ra)が大きくなるほど、経時変化が小さくなる傾向があることを明らかにした。このことから、シラスを原料に用いて成膜した酸化物被膜14の場合には、酸化物被膜14の表面粗さ(Ra)を1.1nm以上とすることにより、親水性の経時変化を小さくすることが可能となり、表面粗さ(Ra)を2.3nm以上とすることにより、親水性の経時変化をより小さくすることができる。
酸化物被膜14の表面粗さ(Ra)は、1.1nm以上とするとよく、2.2nm以上とすることが好ましい。後述する実施例で示すように、酸化物被膜14のイオン伝導度は、酸化物被膜14の表面粗さ(Ra)が大きくなるほど大きくなる傾向がある。このことから、酸化物被膜14の表面粗さ(Ra)を1.1nm以上とすることにより、イオン伝導性をより高めることが可能となり、酸化物被膜14の表面粗さ(Ra)を2.2nm以上とすることにより、イオン伝導性を更に高めることができる。
酸化物被膜14の表面積(S)は、1.00×10nm以上とするとよく、1.05×10nm以上とすることが好ましい。後述する実施例で示すように、シラスを原料に用いて成膜した酸化物被膜14では、親水性の経時変化が、酸化物被膜14の表面積(S)が大きくなるほど経時変化が小さくなる傾向があることを明らかにした。このことから、酸化物被膜14の表面積(S)を1.00×10nm以上とすることにより、親水性の経時変化をより小さくすることが可能となり、酸化物被膜14の表面積(S)を1.05×10nm以上とすることにより、親水性の経時変化を更に小さくすることができる。
酸化物被膜14の表面積(S)は、1.00×10nm以上とするとよく、1.04×10nm以上とすることが好ましい。後述する実施例で示すように、酸化物被膜14のイオン伝導度は、酸化物被膜14の表面積(S)が大きくなるほど大きくなる傾向がある。このことから、酸化物被膜14の表面積(S)を1.00×10nm以上とすることにより、イオン伝導性をより高めることが可能となり、酸化物被膜14の表面積(S)を1.04×10nm以上とすることにより、イオン伝導性を更に高めることができる。
次に、酸化物被膜14の形成方法について説明する。
酸化物被膜14の形成方法は、スパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等の一般的な成膜方法を用いることができる。酸化物被膜14の原料については、SiOと、Alと、を含んでいるとよく、更に、KOと、Feと、NaOと、CaOと、SOと、MgOと、を含むことが好ましい。
酸化物被膜14の原料は、特に限定されないが、シラスを用いるとよい。シラスは、シラス台地を形成しているものである。シラス台地は、日本国の鹿児島県から宮崎県南部にかけて最大150mの厚さになっている。シラス台地は、大量の火砕流として一気に堆積したものであるので、他の土と混ざることなく厚い地層を形成している。シラスは、マグマの状態から超高温で焼成された高純度の無機質セラミック物質で構成されている。シラスは、火山ガラスを主成分とし、非晶質分を60質量%から80質量%含む多孔質のものである。
シラスは、主成分がSiOとAlとから構成されており、更に、KO、Fe、NaO、CaO、SO、MgO等を含有している。シラスの化学組成は、例えば、64質量%から76.19質量%のSiOと、12質量%から18質量%のAlと、1.58質量%から3.1質量%のKOと、0.1質量%から4.72質量%のFeと、2.24質量%から4.1質量%のNaOと、1.54質量%から4質量%のCaOと、0.10質量%から0.30質量%のSOと、0.11質量%から2.61質量%のMgOと、を含み、残りが塩化物イオン(Cl)やP等の不可避的不純物で構成されている。シラスは、消臭性や吸湿性等に優れていることから、酸化物被膜14の原料にシラスを用いることにより、酸化物被膜14に消臭性や吸湿性等を付与することができる。また、シラスは安価であることから、酸化物被膜14の成膜コストを低減することができる。
次に、例として、シラスで形成したターゲットを用いて、スパッタリング法により酸化物被膜14を形成する方法を説明する。スパッタリング装置には、例えば、RF多源マグネトロンスパッタ装置等を用いることが可能である。シラスで形成したターゲットには、例えば、シラス粉末を焼結して円盤状等に形成したシラス焼結体を用いることができる。
図2は、スパッタリング装置の構成を示す概略図である。スパッタリング法による成膜では、真空チャンバ内に、ターゲットを設置し、高電圧を印加してイオン化させたスパッタリングガス(不活性ガスや活性ガス)をターゲットに衝突させる。これにより、ターゲットの表面の粒子がはじき飛ばされて、基材に到達し、酸化物被膜14が形成される。不活性ガスにはアルゴンガス等、活性ガスには酸素ガス等、を用いることができる。
酸化物被膜14における各成分(SiO、Al、KO、Fe、NaO、CaO、SO、MgO)の含有率は、スパッタリングガス圧力と、投入電力と、を変えることにより制御することが可能である。酸化物被膜14の表面粗さ(Ra)や表面積についても、スパッタリングガス圧力と、投入電力と、を変えることにより制御することができる。スパッタリングガス圧力は、例えば、0.2Paから2.0Paとするとよい。投入電力は、例えば、20Wから200Wとするとよい。また、スパッタ電圧は、例えば、約100Vとするとよい。基材12の温度は、例えば、室温とするとよい。
次に、酸化物被膜を備える構造体10について、より詳細に説明する。酸化物被膜を備える構造体10は、例えば、酸化還元反応により物質の色が変化するエレクトロクロミック現象を利用したエレクトロクロミック素子とするとよい。酸化物被膜14は、イオン伝導性が高いことから、固体電解質膜として好適に用いることが可能である。
エレクトロクロミック素子としての酸化物被膜を備える構造体10は、第1電極と、第1電極に設けられる酸化発色膜と、酸化発色膜に設けられる酸化物被膜14と、酸化物被膜14に設けられる還元発色膜と、還元発色膜に設けられる第2電極と、を有している。第1電極及び第2電極は、透明体もしくは半透明体で構成されているか、または、第1電極及び第2電極のうちの一方の電極が透明体もしくは半透明体で構成されており、他方の電極が反射膜で構成されているとよい。第1電極及び第2電極は、Al膜等の金属膜や、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明導電膜で構成することが可能である。酸化発色膜は、酸化イリジウムと酸化錫(IrO+SnO)等で形成するとよい。還元発色膜は、酸化タングステン(WO)等で形成するとよい。第1電極、第2電極、酸化発色膜、還元発色膜及び酸化物被膜14は、例えば、スパッタリング法等の物理蒸着法で成膜して形成することができる。
第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、還元発色膜に一価の陽イオン(例えば、水素イオンH)が入り込むことで化合物(HWO)が生成され、還元発色膜が着色し、還元発色膜における可視光線の透過率が低下する。また、第1電極と第2電極との間に電圧を印加することにより、酸化発色膜に一価の陰イオン(例えば、水酸イオンOH)が入り込むことで化合物(Ir(OH)n+x)が生成され、酸化発色膜が着色し、酸化発色膜の可視光線の透過率が低下する。なお、第1電極と第2電極との間に逆の電圧を印加すると、還元発色膜や酸化発色膜が無色透明もしくは半透明になり、可視光の透過率が高くなる。酸化物被膜14は、イオン伝導性が高いので、固体電解質膜としてエレクトロクロミック素子のような光制御部材に好適に用いることができる。
また、酸化物被膜を備える構造体10は、眼鏡レンズ、車載カメラレンズ、車載ランプリフレクター、ゴーグル、ミラーや防曇ガラス等の光学部材とするとよい。光学部材としての酸化物被膜を備える構造体10は、ガラス基板等からなる基材12と、基材12に設けられる酸化物被膜14と、を有している。酸化物被膜14は、親水性が高いので、水滴等が酸化物被膜14に付着した場合でも、水滴による乱反射等を抑制することが可能となる。このように、酸化物被膜14は、親水性に優れているので、親水膜として好適に用いることが可能である。
更に、酸化物被膜を備える構造体10は、光反射防止材としてもよい。酸化物被膜を備える構造体10は、基材12が透明体もしくは半透明体で構成されており、基材12の表面には、酸化物被膜14と、酸化物被膜14よりも屈折率が高い高屈折率被膜(図示せず)とが交互に重なって複数層設けられて構成することが可能である。高屈折率被膜(図示せず)は、透明もしくは半透明からなり、酸化チタン(TiO)等で形成されているとよい。このような光反射防止材は、反射による光の損失を最小限に抑えることができる。
以上、上記構成の酸化物被膜によれば、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、を含むので、酸化物被膜の親水性とイオン伝導性とを向上させることができる。
上記構成の酸化物被膜によれば、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、を含み、更に、3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、2.8質量%以上4.4質量%以下のFeと、2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物からなるので、酸化物被膜の親水性をより向上させることができる。
上記構成の酸化物被膜によれば、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、を含み、更に、3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、2.5質量%以上4.5質量%以下のFeと、2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物からなるので、酸化物被膜のイオン伝導性をより向上させることができる。
酸化物被膜の形成試験を行い、酸化物被膜の親水性とイオン伝導性とについて評価した。まず、酸化物被膜の形成方法について説明する。酸化物被膜は、スパッタリング法により成膜して形成した。スパッタリング用のターゲットには、高千穂シラス株式会社のシラス粉末で形成したターゲットを用いた。このシラス粉末の化学組成は、67.8質量%のSiOと、15.1質量%のAlと、2.2質量%のKOと、2.5質量%のFeと、3.7質量%のNaOと、2.2質量%のCaOと、0.20質量%のSOと、0.58質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物から構成されている。シラス粉末の粒径は、1.25μmから18.02μmとした。このシラス粉末を焼結してシラス焼結体を円盤状に形成した。ターゲットには、このシラス焼結体を用いた。
スパッタリングには、RF多源マグネトロンスパッタ装置を用いた。基板は、ガラス基板とした。不活性ガスには、アルゴンガスを用いた。Arガス圧は、0.2Paから2.0Paとした。投入電力は、20Wから200Wとした。そして、Arガス圧と、投入電力とを変えて、基板に酸化物被膜を成膜した。成膜した酸化物被膜について、蛍光X線分析装置(Rigaku, Supermini200)により化学組成を分析した。
成膜した酸化物被膜は、SiOと、Alと、KOと、Feと、NaOと、CaOと、SOと、MgOとを含み、残部が不可避的不純物で構成されていた。図3は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のSiOの含有率との関係を示す図である。図4は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のAlの含有率との関係を示す図である。図5は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のKOの含有率との関係を示す図である。図6は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のFeの含有率との関係を示す図である。図7は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のNaOの含有率との関係を示す図である。図8は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のCaOの含有率との関係を示す図である。図9は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のSOの含有率との関係を示す図である。図10は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜中のMgOの含有率との関係を示す図である。
図3から図10では、横軸にArガス圧を取り、縦軸に投入電力を取り、酸化物被膜中の各成分(SiO、Al、KO、Fe、NaO、CaO、SO、MgO)の含有率をハッチングで示している。なお、図3から図10には、酸化物被膜中の各成分の含有率のレベルがスケールで示されている。図3から図10に示すように、酸化物被膜中の各成分の含有率は、Arガス圧と、投入電力とを変えることにより変化した。このことから、酸化物被膜中の各成分の含有率は、Arガス圧と、投入電力とを変えることにより制御可能であることがわかった。なお、図3に示すように、酸化物被膜中のSiOの含有率は、Arガス圧の影響が強く、Arガス圧が0.2Paから0.4Paで含有率が大きくなった。また、図4に示すように、酸化物被膜中のAlの含有率は、Arガス圧及び投入電力が大きくなるほど含有率が大きくなった。
成膜した酸化物被膜の表面積と、表面粗さ(Ra)とを測定した。酸化物被膜の表面粗さ(Ra)は、算術平均粗さであり、走査プローブ顕微鏡(株式会社日立ハイテクサイエンス, Nanocute)で測定した。図11は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜の表面積との関係を示す図である。図11では、横軸にArガス圧を取り、縦軸に投入電力を取り、各成膜条件における酸化物被膜の表面積をハッチングで示している。なお、図11には、酸化物被膜の表面積のレベルがスケールで示されている。図12は、Arガス圧と、投入電力と、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)との関係を示す図である。図12では、横軸にArガス圧を取り、縦軸に投入電力を取り、各成膜条件における酸化物被膜の表面粗さ(Ra)をハッチングで示している。なお、図12には、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)のレベルがスケールで示されている。図11及び図12に示すように、酸化物被膜の表面積と、表面粗さ(Ra)とは、Arガス圧と、投入電力とを変えることにより変化した。このことから酸化物被膜の表面積と、表面粗さ(Ra)とは、Arガス圧と、投入電力とを変えることにより制御可能であることがわかった。また、Arガス圧の増加に伴って、酸化物被膜の表面積と、表面粗さ(Ra)とが増大する傾向が得られた。
次に、実施例1から24の酸化物被膜を成膜し、親水性とイオン伝導性とを評価した。図13は、実施例1から24の酸化物被膜の成膜条件を示す図である。実施例1から24の酸化物被膜の成膜条件では、Arガス圧と、投入電力とを変化させた。Arガス圧は、0.25Paから2Paとした。投入電力は、25Wから200Wとした。成膜した実施例1から24の酸化物被膜について、蛍光X線分析装置により化学組成を分析した。なお、図13に示す丸印は、親水性やイオン伝導性を評価したものを示している。例えば、実施例1の酸化物被膜では、親水性とイオン伝導性とを評価し、実施例8の酸化物被膜では、イオン伝導性のみを評価した。
まず、酸化物被膜の親水性の評価について説明する。親水性については、自動接触角計により接触角を測定してぬれ性を評価した。接触角の測定には、自動接触角計(協和界面科学 DM300)を用いた。ぬれ性の評価方法は、JIS R3257の「基板ガラス表面のぬれ性試験方法」に準拠している。また、接触角の測定は、成膜直後(0日経過後)、成膜から10日後、成膜から30日後、成膜から約半年(4400時間)後に各々行った。
成膜した酸化物被膜は、SiOと、Alと、KOと、Feと、NaOと、CaOと、SOと、MgOとを含み、残部が不可避的不純物で構成されていた。図14は、酸化物被膜中のSiOの含有率と、接触角との関係を示す図である。図15は、酸化物被膜中のAlの含有率と、接触角との関係を示す図である。図16は、酸化物被膜中のKOの含有率と、接触角との関係を示す図である。図17は、酸化物被膜中のFeの含有率と、接触角との関係を示す図である。図18は、酸化物被膜中のNaOの含有率と、接触角との関係を示す図である。図19は、酸化物被膜中のCaOの含有率と、接触角との関係を示す図である。図20は、酸化物被膜中のSOの含有率と、接触角との関係を示す図である。図21は、酸化物被膜中のMgOの含有率と、接触角との関係を示す図である。
図14から図21では、横軸に酸化物被膜中の各成分の含有率を取り、縦軸に酸化物被膜の接触角を取り、酸化物被膜における成膜直後(0日経過)の接触角を丸で示し、成膜から10日後の接触角を三角形で示し、成膜から30日後の接触角を四角形で示している。また、各図においてプロットに付された番号は、実施例の番号と対応している。例えば、各図のプロットに付された番号1は、実施例1の酸化物被膜における各成分の含有率と、接触角とを表している。
図14から図21に示すように、実施例1から7、9、11、13、15から20、23、24の酸化物被膜は、67.9質量%以上71.2質量%以下のSiOと、12.8質量%以上15.8質量%以下のAlと、3.82質量%以上5.50質量%以下のKOと、2.81質量%以上4.36質量%以下のFeと、2.19質量%以上5.63質量%以下のNaOと、1.28質量%以上1.92質量%以下のCaOと、0.825質量%以上1.72質量%以下のSOと、0.294質量%以上0.484質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物で構成されていた。また、実施例1から7、9、11、13、15から20、23、24の酸化物被膜は、成膜直後(0日経過)、成膜から10日後、成膜から30日後において、いずれも水との接触角が45度以下となることがわかった。
この結果から、酸化物被膜が、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、2.8質量%以上4.4質量%以下のFeと、2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物で構成されている場合には、水との接触角が45度以下となるので、酸化物被膜の親水性をより高めることが可能となることが明らかとなった。
図14から図21に示すように、実施例15から19の酸化物被膜は、SiOの含有率が、68.8質量%以上69.6質量%以下であり、Alの含有率が、13.2質量%以上15.3質量%以下であり、KOの含有率が、4.61質量%以上5.26質量%以下であり、Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、NaOの含有率が、3.27質量%以上4.56質量%以下であり、CaOの含有率が、1.39質量%以上1.92質量%以下であり、SOの含有率が、1.08質量%以上1.66質量%以下であり、MgOの含有率が、0.392質量%以上0.470質量%以下であり、残部が不可避的不純物で構成されていた。また、実施例15から19の酸化物被膜は、成膜直後(0日経過)、成膜から10日後、成膜から30日後において、いずれも水との接触角が10度以下となることがわかった。
この結果から、酸化物被膜は、SiOの含有率が、68.8質量%以上69.6質量%以下であり、Alの含有率が、13.2質量%以上15.3質量%以下であり、KOの含有率が、4.61質量%以上5.26質量%以下であり、Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、NaOの含有率が、3.27質量%以上4.56質量%以下であり、CaOの含有率が、1.39質量%以上1.92質量%以下であり、SOの含有率が、1.08質量%以上1.66質量%以下であり、MgOの含有率が、0.392質量%以上0.470質量%以下であり、残部が不可避的不純物からなる場合には、水との接触角が10度以下となるので、酸化物被膜の親水性を更に高めることが可能となることが明らかとなった。
次に、酸化物被膜中に含まれるSiOとAlとの比率と、接触角との関係について評価した。図22は、酸化物被膜中のSiO/Alの比率と、接触角との関係を示すグラフである。図22のグラフでは、横軸にSiO/Alとの比率を取り、縦軸に接触角を取り、各酸化物被膜における成膜直後(0日経過)の接触角を丸で示し、成膜から10日後の接触角を三角形で示し、成膜から30日後の接触角を四角形で示している。また、各図のプロットに付された番号は、実施例の番号と対応している。図23は、酸化物被膜中のSiO/Alの比率と、接触角の変化率との関係を示すグラフである。図23のグラフでは、横軸にSiO/Alの比率を取り、縦軸に接触角の変化率を取り、各酸化物被膜における接触角の変化率を示している。また、各図のプロットに付された番号は、実施例の番号と対応している。なお、接触角の変化率については、成膜直後(0日経過後)と、成膜から約半年(4400時間)経過後との酸化物被膜の接触角の差(変化量)を求め、得られた接触角の変化量を経過時間で割り、接触角の単位時間あたりの変化率を算出した。
図22及び図23から、酸化物被膜中のSiO/Alの比率が小さいほど、酸化物被膜の接触角の変化率が小さくなる傾向があり、酸化物被膜の親水性の経時変化を抑制できることがわかった。また、図22及び図23から、酸化物被膜中のSiO/Alの比率が大きいほど、成膜後における初期段階の酸化物被膜の親水性が向上する傾向があることがわかった。
次に、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)と、接触角の変化率との関係について評価した。酸化物被膜の表面粗さ(Ra)は、算術平均粗さであり、走査プローブ顕微鏡(株式会社日立ハイテクサイエンス, Nanocute)で測定した。図24は、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)と、接触角の変化率との関係を示すグラフである。図24のグラフでは、横軸に表面粗さ(Ra)を取り、縦軸に接触角の変化率を取り、各酸化物被膜における接触角の変化率を示している。また、各図のプロットに付された番号は、実施例の番号と対応している。図24から、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)が大きくなるほど、酸化物被膜の接触角の変化率が小さくなる傾向があることがわかった。このことから、酸化物被膜の親水性の経時変化を抑制するために、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)は、1.1nm以上とするとよく、2.3nm以上とすることが好ましいことが明らかとなった。
次に、酸化物被膜の表面積と、接触角の変化率との関係について評価した。図25は、酸化物被膜の表面積と、接触角の変化率との関係を示すグラフである。図25のグラフでは、横軸に表面積を取り、縦軸に接触角の変化率を取り、各酸化物被膜における接触角の変化率を示している。また、各図のプロットに付された番号は、実施例の番号と対応している。図25から、酸化物被膜の表面積が大きくなるほど、酸化物被膜の接触角の変化率が小さくなる傾向があることがわかった。このことから、酸化物被膜の親水性の経時変化を抑制するために、酸化物被膜の表面積(S)は、1.00×10nm以上とするとよく、1.05×10nm以上とすることが好ましいことが明らかとなった。
次に、実施例1から24の酸化物被膜のイオン伝導性を評価した。まず、イオン伝導性の評価方法について説明する。イオン伝導性の評価は、酸化物被膜のイオン伝導度を測定することにより行った。イオン伝導度は、交流インピーダンス法により測定した。より詳細には、イオン伝導度測定用デバイスを作製し、電気化学アナライザを用いてイオン抵抗を測定した。図26は、イオン伝導度測定用デバイスの構成を示す図である。イオン伝導度測定用デバイスには、3つの電極面積(2×2mm、3×3mm、4×4mm)を有するものを用いた。測定周波数は、50mHzから20kHzとした。バイアス電圧は、−0.4Vとした。イオン伝導度σは、酸化物被膜の膜厚L、イオン抵抗R、電極面積Sとしたとき、σ=L/RAの式で算出した。なお、酸化物被膜の膜厚Lは、触針式段差計(KLA Tencor D−100)で測定した。
図27は、酸化物被膜中のSiOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。図28は、酸化物被膜中のAlの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。図29は、酸化物被膜中のKOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。図30は、酸化物被膜中のFeの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。図31は、酸化物被膜中のNaOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。図32は、酸化物被膜中のCaOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。図33は、酸化物被膜中のSOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。図34は、酸化物被膜中のMgOの含有率と、イオン伝導度との関係を示す図である。
図27から図34では、横軸に酸化物被膜中の各成分の含有率を取り、縦軸に酸化物被膜のイオン伝導度を取り、各酸化物被膜のイオン伝導度を示している。また、各図のプロットに付された番号は、実施例の番号と対応している。例えば、各図のプロットに付された番号1は、実施例1の酸化物被膜における各成分の含有率と、イオン伝導度とを表している。
図27から図34に示すように、実施例1から24の酸化物被膜は、67.9質量%以上71.2質量%以下のSiOと、12.8質量%以上15.8質量%以下のAlと、3.82質量%以上5.50質量%以下のKOと、2.59質量%以上4.45質量%以下のFeと、2.19質量%以上5.63質量%以下のNaOと、1.28質量%以上1.92質量%以下のCaOと、0.825質量%以上1.72質量%以下のSOと、0.293質量%以上0.490質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物で構成されていた。また、実施例1から24の酸化物被膜は、イオン伝導度が1×10−11(S/cm)以上となることがわかった。
この結果から、酸化物被膜が、67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、2.5質量%以上4.5質量%以下のFeと、2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、を含み、残部が不可避的不純物で構成されている場合には、イオン伝導度が1×10−11(S/cm)以上となるので、酸化物被膜のイオン伝導性をより高めることが可能となることが明らかとなった。
図27から図34に示すように、実施例9、15から17、19から22の酸化物被膜は、SiOの含有率が、68.8質量%以上70.3質量%以下であり、Alの含有率が、13.2質量%以上15.6質量%以下であり、KOの含有率が、3.82質量%以上5.29質量%以下であり、Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、NaOの含有率が、2.19質量%以上4.56質量%以下であり、CaOの含有率が、1.37質量%以上1.92質量%以下であり、SOの含有率が、1.10質量%以上1.66質量%以下であり、MgOの含有率が、0.34質量%以上0.47質量%以下であった。また、実施例9、15から17、19から22の酸化物被膜は、イオン伝導度が1×10−7(S/cm)以上となることがわかった。
この結果から、酸化物被膜は、SiOの含有率が、68.8質量%以上70.3質量%以下であり、Alの含有率が、13.2質量%以上15.6質量%以下であり、KOの含有率が、3.82質量%以上5.29質量%以下であり、Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、NaOの含有率が、2.19質量%以上4.56質量%以下であり、CaOの含有率が、1.37質量%以上1.92質量%以下であり、SOの含有率が、1.10質量%以上1.66質量%以下であり、MgOの含有率が、0.34質量%以上0.47質量%以下であり、残部が不可避的不純物からなる場合には、イオン伝導度が1×10−7(S/cm)以上となるので、酸化物被膜のイオン伝導性を更に高めることができることがわかった。
また、図27、図28及び図31に示すように、酸化物被膜中のSiO、Al及びNaOの含有率は、酸化物被膜のイオン伝導度と、強い相関があることがわかった。より詳細には、図27に示すように、酸化物被膜中のSiOの含有率が小さいほどイオン伝導度が大きくなる傾向が得られた。図28に示すように、酸化物被膜中のAlの含有率が小さいほどイオン伝導度が大きくなる傾向が得られた。図31に示すように、酸化物被膜中のNaOの含有率が大きいほどイオン伝導度が大きくなる傾向が得られた。
次に、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)と、イオン伝導度との関係について評価した。図35は、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)と、イオン伝導度との関係を示すグラフである。図35のグラフでは、横軸に酸化物被膜の表面粗さ(Ra)を取り、縦軸に酸化物被膜のイオン伝導度を取り、各酸化物被膜におけるイオン伝導度を示している。また、各図のプロットに付された番号は、実施例の番号と対応している。図35から、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)が大きくなると、イオン伝導度が大きくなる傾向が得られた。このことから、酸化物被膜のイオン伝導性を高めるために、酸化物被膜の表面粗さ(Ra)は、1.1nm以上とするとよく、2.2nm以上とすることが好ましいことがわかった。
次に、酸化物被膜の表面積と、イオン伝導度との関係について評価した。図36は、酸化物被膜の表面積と、イオン伝導度との関係を示すグラフである。図36のグラフでは、横軸に酸化物被膜の表面積を取り、縦軸に酸化物被膜のイオン伝導度を取り、各酸化物被膜におけるイオン伝導度を示している。また、各図のプロットに付された番号は、実施例の番号と対応している。図36から、酸化物被膜の表面積が大きくなると、イオン伝導度が大きくなる傾向が得られた。このことから、酸化物被膜のイオン伝導性を高めるために、酸化物被膜の表面積(S)は、1.00×10nm以上とするとよく、1.04×10nm以上とすることが好ましいことがわかった。
全固体型エレクトロクロミック素子の作製を行った。図37は、全固体型エレクトロクロミック素子の構成を示す図である。全固体型エレクトロクロミック素子は、基板(ソーダライムガラス)と、電極(ITO)と、酸化発色膜(IrO+SnO)と、固体電解質膜と、還元発色膜(WO)と、電極(Al)と、が積層されて構成されている。固体電解質膜については、実施例16の酸化物被膜と同じ成膜条件(Arガス圧1.25Pa、投入電力50W)で成膜した。この全固体型エレクトロクロミック素子に印加電圧±5V、1分間の電圧を印加したところ、着色状態と、消色状態とが得られ、エレクトロクロミック現象を確認した。
10 酸化物被膜を備える構造体
12 基材
14 酸化物被膜

Claims (11)

  1. 酸化物被膜であって、
    67.0質量%以上72.0質量%以下のSiOと、
    12.0質量%以上16.0質量%以下のAlと、
    を含むことを特徴とする酸化物被膜。
  2. 請求項1に記載の酸化物被膜であって、更に、
    3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、
    2.8質量%以上4.4質量%以下のFeと、
    2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、
    1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、
    0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、
    0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、
    を含み、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする酸化物被膜。
  3. 請求項2に記載の酸化物被膜であって、
    SiOの含有率が、68.8質量%以上69.6質量%以下であり、
    Alの含有率が、13.2質量%以上15.3質量%以下であり、
    Oの含有率が、4.61質量%以上5.26質量%以下であり、
    Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、
    NaOの含有率が、3.27質量%以上4.56質量%以下であり、
    CaOの含有率が、1.39質量%以上1.92質量%以下であり、
    SOの含有率が、1.08質量%以上1.66質量%以下であり、
    MgOの含有率が、0.392質量%以上0.470質量%以下であることを特徴とする酸化物被膜。
  4. 請求項1に記載の酸化物被膜であって、更に、
    3.8質量%以上5.5質量%以下のKOと、
    2.5質量%以上4.5質量%以下のFeと、
    2.1質量%以上5.7質量%以下のNaOと、
    1.2質量%以上2.0質量%以下のCaOと、
    0.8質量%以上1.8質量%以下のSOと、
    0.29質量%以上0.50質量%以下のMgOと、
    を含み、残部が不可避的不純物からなることを特徴とする酸化物被膜。
  5. 請求項4に記載の酸化物被膜であって、
    SiOの含有率が、68.8質量%以上70.3質量%以下であり、
    Alの含有率が、13.2質量%以上15.6質量%以下であり、
    Oの含有率が、3.82質量%以上5.29質量%以下であり、
    Feの含有率が、3.28質量%以上4.36質量%以下であり、
    NaOの含有率が、2.19質量%以上4.56質量%以下であり、
    CaOの含有率が、1.37質量%以上1.92質量%以下であり、
    SOの含有率が、1.10質量%以上1.66質量%以下であり、
    MgOの含有率が、0.34質量%以上0.47質量%以下であることを特徴とする酸化物被膜。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の酸化物被膜であって、
    前記酸化物被膜の表面粗さ(Ra)は、1.1nm以上であることを特徴とする酸化物被膜。
  7. 請求項1から5のいずれか1つに記載の酸化物被膜であって、
    前記酸化物被膜の表面積は、1.0×10nm以上であることを特徴とする酸化物被膜。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載の酸化物被膜であって、
    前記酸化物被膜は、固体電解質膜用または親水膜用であることを特徴とする酸化物被膜。
  9. 酸化物被膜を備える構造体であって、
    基材と、
    前記基材に設けられ、請求項1から8のいずれか1つに記載された前記酸化物被膜と、
    を有することを特徴とする酸化物被膜を備える構造体。
  10. 請求項9に記載の酸化物被膜を備える構造体であって、
    前記酸化物被膜を備える構造体は、光反射防止材であり、
    前記基材は、透明体もしくは半透明体で構成されており、
    前記基材の表面には、前記酸化物被膜と、前記酸化物被膜よりも屈折率が高い高屈折率被膜とが交互に重なって複数層設けられていることを特徴とする酸化物被膜を備える構造体。
  11. 酸化物被膜を備える構造体であって、
    第1電極と、
    前記第1電極に設けられる酸化発色膜と、
    前記酸化発色膜に設けられ、請求項1から8のいずれか1つに記載された前記酸化物被膜と、
    前記酸化物被膜に設けられる還元発色膜と、
    前記還元発色膜に設けられる第2電極と、
    を有することを特徴とする酸化物被膜を備える構造体。
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