JP2007057843A - 光学素子 - Google Patents
光学素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007057843A JP2007057843A JP2005243296A JP2005243296A JP2007057843A JP 2007057843 A JP2007057843 A JP 2007057843A JP 2005243296 A JP2005243296 A JP 2005243296A JP 2005243296 A JP2005243296 A JP 2005243296A JP 2007057843 A JP2007057843 A JP 2007057843A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- liquid
- optical element
- voltage
- specific gravity
- refractive index
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B26/00—Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
- G02B26/004—Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements based on a displacement or a deformation of a fluid
- G02B26/005—Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements based on a displacement or a deformation of a fluid based on electrowetting
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B5/00—Optical elements other than lenses
- G02B5/005—Diaphragms
Abstract
【解決手段】第1の液体44の透過量を第2の液体46の透過量より低くするために第1の液体44に混合するカーボンブラックの混合比を変えることで第1の液体44の屈折率を変えられることを見出した。すなわち、第1の液体44と第2の液体46は実質的に等しい比重を有するように形成されており、第1の液体44に混合するカーボンブラックの混合量によって第1の液体44の屈折率を調節するようにしている。
【選択図】図15
Description
この光学素子10では、図17に示すように、厚さ方向において互いに対向する端面壁12と、両端面壁12を接続する側面壁14とを有する密閉された容器16と、容器16に封入された有極性または導電性を有する第1の液体20と、容器16に封入され第1の液体20よりも透過率が高い第2の液体22とを備えている。
そして、第1の液体20と第2の液体22として互いに混合しない性状のものを用い、かつ、第1の液体20と第2の液体22として互いに比重の等しいものを用い、容器16内に空気などを混入せずにそれら第1の液体20と第2の液体22のみを封入すると、容器16を回転させても揺らしても第1の液体20と第2の液体22のみを容器16に封入した当初の状態が維持され、界面24が端面壁12にほぼ平行した状態が維持される。
図中符号28は第1の液体20に電圧を印加するための電極、30は電極28を覆う絶縁膜である。
そして、前記電圧印加手段によって第1の液体20に電圧を印加することにより電気毛管現象によってそれら第1の液体20と第2の液体22の界面24を図17に実線と破線で示す間にわたって変形させ、これにより端面壁12を通り容器16の厚さ方向に延在する光の透過路18を形成させるように構成されている。
具体的には、印加電圧が零の状態では光の透過方向と直交する方向の全域に図17に実線で示すように第1の液体20が延在することで光の透過を阻止、あるいは、減少させ、印加電圧を上昇させると図17に破線で示すように第2の液体22を両方の端面壁12に接触することで透過路18が形成され、印加電圧を調整することで第2の液体22と一方の端面壁12との接触面積を増減させ透過路18の大きさを調整するようにしている。
すなわち、第1の液体20と第2の液体22としてその比重の等しい液体を選択しなければならない。
したがって、光学素子10を製造するに際し、使用する液体の種類に制限があり、所望の特性を有する光学素子10を作ることが困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、所望の特性を有する光学素子を簡単に製造できるようにすることにある。
図2は電気毛管現象の原理説明図であり、(A)は電圧印加前の状態を示す図、(B)は電圧印加後の状態を示す図である。
図2(A)に示すように、基板1の表面上に第1の電極2が形成され、この電極2の表面に絶縁膜3が形成されている。
この絶縁膜3の表面に有極性または導電性を有する第1の液体4が位置しており、第1の液体4には第2の電極5が電気的に接続されている。
図2(A)に示すように、第1の電極2と第2の電極5との間に電圧Eが印加されていない状態では、第1の液体4は表面張力によってその表面が上方に凸のほぼ球面をなしている。このときに絶縁膜3の表面と、第1の液体4が絶縁膜3に接触している部分における液面の角度θ、すなわち接触角θをθ0とする。
ところが、図2(B)に示すように、第1の電極2と第2の電極5との間に電圧Eが印加された状態では、絶縁膜3の表面に例えばプラス電荷が帯電することで第1の液体4を構成する分子に電界(静電気力)が作用する。これにより、第1の液体4を構成する分子が引き寄せされることで、第1の液体4の絶縁膜3に対する濡れ性が良くなり、接触角θはθ0よりも小さなθ1となる。また、接触角θは電圧Eの値が大きくなるに従って小さくなる。
このような現象を電気毛管現象という。
図1は光学素子40の構成を示す断面図である。
図1に示すように、光学素子40は、容器42と、第1の液体44と、第2の液体46と、電圧印加手段を含んで構成されている。
容器42は、厚さ方向において互いに対向する端面壁4202と、両端面壁4202を接続する側面壁4204とを有し、それら両端面壁4202と側面壁4204とにより密閉された収容室42Aを有している。
端面壁4202は円板状を呈し、側面壁4204は端面壁4202の外径と同じ寸法の外径を有する円筒状を呈し、収容室42Aは扁平な円柱状を呈している。
また、端面壁4202および側面壁4204は、絶縁性を有する材料で形成され、さらに、端面壁4202は光を透過する透明な材料で形成されている。
端面壁4202を構成する材料として、例えば、透明で絶縁性を有する合成樹脂材料あるいは透明なガラス材料を用いることができる。
側面壁4204の内側には側面壁4204の全周に沿って第1の電極48(負極電極)が円筒状に延在形成され、第1の電極48の内側には第1の電極48の全域を覆うように第1の電極48の全周に沿って絶縁膜50が円筒状に延在形成されている。
2つの端面壁4204のうちの一方の端面壁4204の内面のうち第2の電極52の内側全域に光を透過する透明な親水膜54が形成されている。親水膜54は第1の液体44に対する濡れ性が第2の液体46に対する濡れ性よりも高くなるように形成されている。
容器42の外部には出力電圧が可変の電源56が設けられ、電源56の負電圧出力端子が第1の電極48に電気的に接続され、電源56の正電圧出力端子が第2の電極52に電気的に接続されている。
第1の電極48、第2の電極52、電源56によって前記電圧印加手段が構成されている。
第2の液体46は、第1の液体44と互いに混合しないものであり容器42に封入されている。
また、第1の液体44と第2の液体46は実質的に等しい比重を有しかつ第1の液体44の透過率は第2の液体46の透過率よりも低くなるように形成されている。なお、本発明者の実験によれば、第2の液体46に対する第1の液体44の比重差が0.5%以内、好ましくは0.2%以内であれば、容器42の姿勢を変えても第1の液体44と第2の液体46を封入した当初の状態が維持され、第1の液体44と第2の液体46の間の界面62が端面壁4202にほぼ平行した状態が維持される。
第1の液体44および第2の液体46については後で詳述する。
親水膜58は第1の液体44に対する濡れ性が第2の液体46に対する濡れ性よりも高くなるように構成されたものであり、言い換えると、親水膜58に対する第1の液体44の接触角は、親水膜58に対する第2の液体46の接触角よりも小さい値となるように構成されている。
親水膜58は、例えば親水性ポリマーや界面活性剤を側面壁4204の内面に塗布することで形成することができ、従来公知の様々な材料を採用可能である。
撥水膜60は第2の液体46に対する濡れ性が第1の液体44に対する濡れ性よりも高くなるように構成されている。言い換えると、撥水膜60に対する第2の液体46の接触角は、撥水膜60に対する第1の液体44の接触角よりも小さい値となるように構成されている。
撥水膜60は、例えばフッ化化合物などからなる撥水処理剤を側面壁4204の内面に塗布することで形成することができ、従来公知の様々な材料を採用可能である。
これにより、第1の液体44が位置する端面壁4202の内面の外周全周に位置する第1の液体44箇所の全域は、第2の電極52に接触することで第2の電極52に電気的に接続された状態となり、かつ、収容室42Aの外周全周に位置する第1の液体44の箇所の全域は、絶縁膜50、親水膜58、撥水膜60を介して第1の電極48に臨んだ状態となる。
したがって、電源56から第1の電極48、第2の電極52に電圧が印加されると、第1の液体44に電圧が印加されることになる。
図3は光学素子40に電圧が印加されていない状態を示す説明図、図4は光学素子40に第1の電圧E1が印加された状態を示す説明図、図5は光学素子40に第1の電圧よりも大きい値の第2の電圧E2が印加された状態を示す説明図、図6は光学素子40に第2の電圧よりも大きい値の第3の電圧E3が印加された状態を示す説明図である。
電源56から第1の電極48、第2の電極52に電圧が印加されない状態(E=0V)では、図3に示すように、収容室42Aの外周全周に位置する第1の液体44の箇所の全域は親水膜58の表面に接触しその接触角は90度となり、収容室42Aの外周全周に位置する第2の液体46の箇所の全域は撥水膜60の表面に接触しその接触角は90度となっている。
したがって、第1の液体44と第2の液体46の間に形成される界面62は平坦面を呈している。
この際、第1の液体44が光の透過方向と直交する方向の全域にわたって延在することにより容器40の厚さ方向に進行する光は遮断された状態となる。
この際の第1の液体44の撥水膜60に対する接触角は90度よりも小さなものとなり、側面壁4204(撥水膜60)の部分では第1の液体44が側面壁4204に沿って第2の液体46に進入している。
これにより、端面壁4202(親水膜54)上で界面62が接触している領域には、第1の液体44が存在しなくなり、収容室42Aの中央に(両端面壁4202の中央に)第2の液体46のみが存在する領域64が形成され、この領域64により端面壁4202を通り容器42の厚さ方向に延在する光の透過路66が形成される。
そして、収容室42Aの中央に(両端面壁4202の中央に)形成された第2の液体46のみが存在する領域64の直径が拡大され、光の透過路66の直径が拡径される。
したがって、電源56から第1の電極48、第2の電極52に印加される電圧を調整することで、第2の液体46のみが存在する領域64の直径を拡大および縮小させることができ、光の透過路66の直径を拡径および縮径する絞り動作を行うことができる。
したがって、電圧を印加した状態で光の透過路66を確実に形成することができ薄型化を図る上で有利となる。
また、従来のように、電圧印加が無い状態で、第1、第2の液体20、22の界面62が第1の液体44が第2の液体46に対して凸状の曲面を呈している場合には(図17(A)参照)、第2の液体46が第1の液体44と第1の電極48の間に介在する現象が生じ、したがって、第1の電極48から印加される電圧が第2の液体46によって邪魔されるため第1の液体44に電圧が印加されにくく、第1の液体44における電気毛管現象を確実に生じさせることができず、絞り動作の安定化を図る上で不利が生じる。
これに対して、光学素子40では、第1、第2の液体44、46の界面62が平坦面を呈しているので、第2の液体46が第1の液体44と第1の電極48の間に介在する現象がなく、したがって、第1の電極48から印加される電圧が第2の液体46によって邪魔されること無く第1の液体44に印加されるため、第1の液体44における電気毛管現象を確実に生じさせることができ、しぼり動作の安定化を図る上で有利となる。
また、第2の液体46が位置する側面壁4204箇所に撥水膜60を形成したため、第1の液体44が撥水膜60の箇所まで位置した場合には、撥水膜60上で第1の液体44の液面が円滑に動きやすいので、絞りの動作速度の高速化を図る上で有利となる。
また、第1の液体44側の端面壁4202上に親水膜54を形成したので、第1の液体44が親水膜54に対して良く濡れる。したがって、第2の液体46が第1の液体44側の端面壁4202にいったん接触した後でその端面壁4202から離れる際に、親水膜54から第2の液体46が離間しやすくなり、絞りの動作速度の高速化を図る上で有利となる。
比重と屈折率とが互いに異なる3種類の液体を混合することで第1の液体44を得、本発明者は、それら3種類の液体の混合比を変えることで第1の液体44の比重および屈折率をそれぞれ大きな範囲で変えられることを見出した。
例えば、2種類の液体を用いて第1の液体44を得る場合から説明する。
2種類の液体として純水とエタノールとを用いて第1の液体44を得、それらの混合比を変える。
図7に示すように、それらの混合比を変えていくと、第1の液体44の比重と屈折率は、直線的にあるいは曲線的に変化していく。
また、2種類の液体として純水とエチレングリコールとを用いて第1の液体44を得、それらの混合比を変える。
図8に示すように、それらの混合比を変えていくと、第1の液体44の比重と屈折率は、直線的にあるいは曲線的に変化していく。
なお、純水の比重は1.0、屈折率は1.333であり、エタノールの比重は0.789、屈折率は1.361であり、エチレングリコールの比重は1.113、屈折率は1.430である。
すなわち、図9に示すように、第1の液体44が2種類の液体A(屈折率がRa、比重がSa)と、液体B(屈折率がRb、比重がSb)を混合することで構成される場合、液体A、Bの混合比を変えることで、第1の液体44の屈折率と比重は、図中座標Oで示すように、座標(Ra、Sa)と座標(Rb、Sb)を結ぶ直線上でしか調整することができない。
例えば、3種類の液体として純水とエタノールとエチレングリコールとを用いて第1の液体44を得、それらの混合比を変える。
図10に示すように、純水とエタノールとエチレングリコールの混合比を変えることで、純水とエタノールとエチレングリコールの3つの座標を結んだ三角形の大きな領域R内で第1の液体44の比重と屈折率を変えることが可能である。
すなわち、図11に示すように、第1の液体44が3種類の液体A(屈折率がRa、比重がSa)と、液体B(屈折率がRb、比重がSb)と、液体C(屈折率がRc、比重がSc)を混合することで構成される場合、液体A、B、Cの混合比を変えることで、第1の液体44の屈折率と比重は、図中座標Oで示すように、座標(Ra、Sa)と座標(Rb、Sb)と座標(Rc、Sc)とを結ぶ三角形の領域R内で調整することができる。
一方、図10には、市販された各種のシリコンオイルの比重および屈折率の座標が点在されている。
したがって、三角形の領域R内に点在する市販のシリコンオイルを第2の液体46として使用し、純水とエタノールとエチレングリコールとを混合し比重および屈折率を上記のシリコンオイルと実質的に等しくした第1の液体44を得ることができる。
光学素子40では、前記微粒子としてカーボンブラックが用いられ、カーボンブラックは、第1の液体44に対して満遍なく混合されるように、それらの表面に親水コーティング処理がなされており、前記親水コーティング処理は、例えば、カーボンブラックの表面に親水基を形成することでなされる。
したがって、第1の液体44は、カーボンブラックが混合されることで黒色を呈しており、0.1mm程度の厚さで光を遮光できるように形成され、光学素子の薄型化に有利となっている。
第1の液体44の屈折率と第2の液体46の屈折率を実質的に等しく形成すると、界面62におけるレンズ効果の発生を防止でき、絞り動作を確実に行わせる上で有利となる。
また、エタノールを水に混合して第1の液体44を形成すると、凝固点(融点)を下げることができ、寒冷地で凝固することを防止できるので、光学素子40の寒冷地での使用が可能となる。
光学素子40では、エタノールの凝固点は−114度であり、エチレングリコールの凝固点は−13度であり、第1の液体44の凝固点を−40度以下とすることが可能である。
すなわち、互いに比重が異なる2種類の液体を混合した場合には、2種類の液体の混合比を変えることで得られる第1の液体の比重は、図9に示すように、それら液体の座標を結んだ直線の範囲内でしか変えることができない。
これに対して、3種類の液体を混合した場合には、図10に示すように、純水とエタノールとエチレングリコールの3つの座標を結んだ三角形の大きな領域R内で第1の液体44の比重を変えることが可能となる。
したがって、第1の液体44の比重と第2の液体46の比重とを簡単に実質的に等しくでき、所望の特性を有する光学素子40を簡単に製造することができる。
さらに、図10、図11に示すように、比重とともに屈折率が異なる少なくとも3種類の液体、例えば、純水とエタノールとエチレングリコールを混合して第1の液体44を得るようにしたので、第1の液体44の比重と第2の液体46の比重とを簡単に実質的に等しくできるとともに、同時に、第1の液体44の屈折率と第2の液体46の屈折率とを簡単に実質的に等しくでき、レンズ効果の発生を防止する上で有利となる。
図12は様々な種類の液体の比重および屈折率を示す図、図13は用いる各種液体の比重および屈折率の数値を示す図である。
例えば、図12に示すように、用いる液体としてA群、B群、C群、D群のものが挙げられ、各A乃至D群に用いる液体の具体名を図13に示す。
A群は、屈折率が1.32以上1.41未満で、比重が0.9以上1.2未満である。
B群は、屈折率が1.32以上1.41未満で、比重が0.6以上0.9未満である。
C群は、屈折率が1.41以上1.63未満で、比重が1.05以上1.7未満である。
D群は、屈折率が1.41以上1.6未満で、比重が0.8以上1.05未満である。
したがって、3種類の液体として、これらA群乃至D群の中から選んだ任意の3つの群のそれぞれから選んだ3種類の液体の座標を結んだ三角形の大きな領域内で、それらの混合比を変えることで比重と屈折率を変えることが可能である。
すなわち、従来公知の様々な液体を選択し、それらの混合比を変えることで比重と屈折率を簡単に変えることが可能である。
図14に示すように、第1の液体44が3種類の液体A(屈折率がRa、比重がSa)と、液体B(屈折率がRb、比重がSb)と、液体C(屈折率がRc、比重がSc)と、液体D(屈折率がRd、比重がSd)を混合することで構成される場合、液体A、B、C、Dの混合比を変えることで、第1の液体44の屈折率と比重は、図中座標Oで示すように、座標(Ra、Sa)と座標(Rb、Sb)と座標(Rc、Sc)と座標(Rd、Sd)を結ぶ四角形の領域R内で簡単に調整することができる。
この場合にも、四角形の領域R内に位置する市販のシリコンオイル(不図示)を第2の液体46として使用し、前記4種類の液体を混合し比重および屈折率を上記のシリコンオイルと実質的に等しくした第1の液体44を得ることができる。
また、光学素子40では、第1の液体44に直流電圧を印加することで電気毛管現象を発生させる場合について説明したが、第1の液体44に印加する電圧は直流電圧に限定されるものではなく、交流電圧やパルス電圧、あるいは、ステップ状に増減する電圧など、どのような電圧を用いてもよく、要は第1の液体44に電気毛管現象を発生させることができればよい。
次に、上述の光学素子40を前提とした本発明の第1の実施の形態について説明する。
本発明者は、第1の液体44の透過量を第2の液体46の透過量より低くするために第1の液体44に混合するカーボンブラックの混合比を変えることで第1の液体44の屈折率を変えられることを見出した。
そして、第1の実施の形態では、第1の液体44と第2の液体46は実質的に等しい比重を有するように形成されており、第1の液体44に混合するカーボンブラックの混合量によって第1の液体44の屈折率を調節するようにしている。
図15は第1の液体44に混合するカーボンブラックの混合量に対する屈折率を示す図、図16は図15の各座標の数値を示す図である。なお、図15、図16においてカーボンブラックの混合量を示す単位は重量%である。
図15、図16に示すように、第1の液体44に混合するカーボンブラックの混合比(混合量)が増加するに従って屈折率がほぼ比例して増加していることがわかる。
第1の液体44の屈折率と第2の液体46の屈折率とが等しくない場合には、第1の液体44と第2の液体46との界面62におけるレンズ効果が発生し、絞り動作を確実に行わせる上で不利が生じる。
本実施の形態によれば、第1の液体44に混合するカーボンブラックの混合量を調節することで、第1の液体44の屈折率を第2の液体46の屈折率と実質的に等しくなるように設定することが簡単にできる。
したがって、第1の液体44と第2の液体46との界面62におけるレンズ効果の発生を確実に防止でき、絞り動作を確実に行わせる上で有利となる。
また、第1の液体44にカーボンブラックを混合することで第1の液体44の比重が僅かであるが増加するので、第1の液体44の比重についてはカーボンブラックの混合分を考慮することが好ましい。
前記微粒子は、金属微粒子、あるいは、金属化合物の微粒子であってもよく、金属微粒子としては例えば金を用いることができ、金属化合物の微粒子としては例えば酸化チタンを用いることができる。
また、前記微粒子がカーボンブラックのように第1の液体44に混合しにくい性状を有する場合には、親水コーティング処理をする必要があるが、第1の液体44に混合しやすい性状を有する場合には、親水コーティング処理を行う必要はない。
Claims (8)
- 厚さ方向において互いに対向する端面壁と、前記両端面壁を接続する側面壁とを有する密閉された容器と、
前記容器に封入された有極性または導電性を有する第1の液体と、
前記容器に封入され前記第1の液体と互いに混合しない第2の液体と、
前記第1の液体に電圧を印加する電圧印加手段とを備え、
前記第1の液体と第2の液体は等しい比重を有し、かつ、前記第1の液体は光を透過しない材料からなる微粒子が混合されることで、前記第1の液体の透過率が前記第2の液体の透過率よりも低くなるように形成され、
前記電圧印加手段による電圧印加によりそれら前記第1の液体と第2の液体の界面が変形し、前記端面壁を通り前記容器の厚さ方向に延在する光の透過路が形成される光学素子であって、
前記第1の液体と前記第2の液体とは屈折率が実質的に等しく形成され、
前記第1の液体の屈折率は、前記微粒子の混合量が調節されることで設定されている、
ことを特徴とする光学素子。 - 前記第1の液体は比重が異なる3種類以上の液体が混合することで、前記第2の液体と比重が実質的に等しく形成されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記第1の液体は3種類以上の液体から構成され、前記3種類以上の液体は水、エタノールおよびエチレングリコールの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記微粒子は、それらの表面に親水コーティング処理がなされていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記親水コーティング処理は前記微粒子の表面に親水基を形成することでなされることを特徴とする請求項4記載の光学素子。
- 前記微粒子は、カーボンブラック、あるいは、金属微粒子、あるいは、金属化合物の微粒子であることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
- 前記第2の液体はシリコンオイルであることを特徴とする請求項3記載の光学素子。
- 前記電圧印加手段は、前記側面壁の内面の全周に設けられた第1の電極と、前記第1の液体が位置する側の前記端面壁の内面の外周に設けられた第2の電極とを含んで構成されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005243296A JP2007057843A (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | 光学素子 |
US11/509,150 US7646545B2 (en) | 2005-08-24 | 2006-08-24 | Optical element |
US12/583,214 US8064141B2 (en) | 2005-08-24 | 2009-08-17 | Optical element |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005243296A JP2007057843A (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | 光学素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007057843A true JP2007057843A (ja) | 2007-03-08 |
Family
ID=37803725
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005243296A Pending JP2007057843A (ja) | 2005-08-24 | 2005-08-24 | 光学素子 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US7646545B2 (ja) |
JP (1) | JP2007057843A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009204685A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Sony Corp | 液体光学素子 |
JP2013064995A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Samsung Electronics Co Ltd | 開口数制御ユニット、可変型光プローブ、映像診断システム、深度スキャニング方法、イメージ検出方法、及び映像診断方法 |
KR101745942B1 (ko) * | 2012-12-12 | 2017-06-27 | 한국전자통신연구원 | 카본 블랙의 표면 개질 방법 및 카본 블랙을 포함하는 표시 장치 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007057807A (ja) * | 2005-08-24 | 2007-03-08 | Sony Corp | 光学素子 |
JP4967290B2 (ja) * | 2005-09-22 | 2012-07-04 | ソニー株式会社 | 光学素子 |
JP4442682B2 (ja) * | 2007-11-27 | 2010-03-31 | ソニー株式会社 | 光学素子 |
CN102272653B (zh) * | 2008-12-30 | 2015-06-17 | 得利捷扫描集团有限公司 | 液体透镜图像捕捉装置 |
TWI451127B (zh) * | 2012-02-10 | 2014-09-01 | Au Optronics Corp | 電濕潤顯示器 |
KR101931373B1 (ko) * | 2012-04-17 | 2018-12-20 | 리쿠아비스타 비.브이. | 전기 습윤 표시장치용 기판 및 이의 제조 방법 |
US9645472B2 (en) * | 2015-06-23 | 2017-05-09 | Intel Corporation | Magnetic fluid shutter operation |
US9749536B2 (en) | 2015-06-23 | 2017-08-29 | Intel Corporation | Ferrofluid material interface for magnetic shape-memory element configuration |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58132555A (ja) | 1982-02-03 | 1983-08-06 | 富士写真フイルム株式会社 | 感光物質包装用フイルム |
US4690749A (en) * | 1985-12-16 | 1987-09-01 | Universities Space Research Association | Polymer-coated surfaces to control surface zeta potential |
JP2000356750A (ja) | 1999-06-16 | 2000-12-26 | Canon Inc | 表示素子および表示装置 |
US6702483B2 (en) | 2000-02-17 | 2004-03-09 | Canon Kabushiki Kaisha | Optical element |
JP4424708B2 (ja) | 2000-02-17 | 2010-03-03 | キヤノン株式会社 | 光学素子、絞り又はシャッターをレンズ素子に内蔵する光学系および撮影装置 |
JP4521919B2 (ja) | 2000-03-03 | 2010-08-11 | キヤノン株式会社 | 光学装置 |
JP4521920B2 (ja) | 2000-03-03 | 2010-08-11 | キヤノン株式会社 | 光学素子の静電容量検出装置、および静電容量検出装置を備えた光学装置 |
JP4572265B2 (ja) | 2003-08-19 | 2010-11-04 | 株式会社三重ティーエルオー | 実績管理支援システム及び実績管理支援プログラム |
JP4464693B2 (ja) | 2004-01-20 | 2010-05-19 | 東海カーボン株式会社 | 半導体封止材用カーボンブラック着色剤およびその製造方法 |
JP4124748B2 (ja) | 2004-02-24 | 2008-07-23 | 行田電線株式会社 | 同軸プラグコネクタ |
US7265911B2 (en) * | 2005-08-22 | 2007-09-04 | Eastman Kodak Company | Zoom lens system having variable power element |
-
2005
- 2005-08-24 JP JP2005243296A patent/JP2007057843A/ja active Pending
-
2006
- 2006-08-24 US US11/509,150 patent/US7646545B2/en not_active Expired - Fee Related
-
2009
- 2009-08-17 US US12/583,214 patent/US8064141B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009204685A (ja) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Sony Corp | 液体光学素子 |
JP2013064995A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Samsung Electronics Co Ltd | 開口数制御ユニット、可変型光プローブ、映像診断システム、深度スキャニング方法、イメージ検出方法、及び映像診断方法 |
US9629552B2 (en) | 2011-09-16 | 2017-04-25 | Samsung Electronics Co., Ltd. | Numerical aperture (NA) controlling unit, variable optical probe including the NA controlling unit, and depth scanning method using the NA controlling unit |
KR101745942B1 (ko) * | 2012-12-12 | 2017-06-27 | 한국전자통신연구원 | 카본 블랙의 표면 개질 방법 및 카본 블랙을 포함하는 표시 장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US8064141B2 (en) | 2011-11-22 |
US7646545B2 (en) | 2010-01-12 |
US20090310205A1 (en) | 2009-12-17 |
US20070047119A1 (en) | 2007-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4310704B2 (ja) | 光学素子 | |
JP2007057843A (ja) | 光学素子 | |
JP4967290B2 (ja) | 光学素子 | |
JP2006250974A (ja) | 光学素子 | |
JP2007057807A (ja) | 光学素子 | |
JP2007086451A5 (ja) | ||
JP4626697B2 (ja) | 光学素子、撮像装置及び駆動方法 | |
US20060200106A1 (en) | Image processing method and image processing apparatus | |
JP4332176B2 (ja) | 流体チャンバーの一端に多重突起が形成された可変焦点レンズ | |
JP2010079096A (ja) | 光学素子及び撮像装置 | |
KR101239151B1 (ko) | 가변 초점 유체렌즈 | |
JP2009128791A (ja) | 光学素子 | |
CN109031651B (zh) | 一种高光焦度的电润湿液体透镜 | |
JP5256843B2 (ja) | 光学素子及びその製造方法 | |
JP2016050951A (ja) | 凹型フレネルレンズ及び凹型フレネルレンズの制御方法 | |
JP5397358B2 (ja) | 光学素子、撮像装置及び駆動方法 | |
KR101175929B1 (ko) | 가변 초점 유체렌즈 | |
JP4543320B2 (ja) | 光学素子 | |
JP4879532B2 (ja) | 表示素子および表示装置 | |
TW202011075A (zh) | 具有懸浮粒子的電潤濕設備 | |
KR20070088969A (ko) | 반사형 디스플레이 장치 | |
Dash et al. | Variable Focal Length Microlens by Low Voltage Electrowetting on Dielectric (EWOD) Actuation | |
KR20060126145A (ko) | 액체렌즈 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090511 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090514 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090703 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090804 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20090810 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090928 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20091014 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20091201 |