JP2007312620A - 移植機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で移植爪を上昇位置で安定的に保持できる移植機を提供することを目的とする。
【解決手段】移植爪21L・21Rをロータリケース32・32の一端に設け、ロータリケース32・32の回動により移植爪21L・21Rを昇降開閉駆動する移植機1であって、ロータリケース32・32と、本機との間にデテント機構100・100を設け、ロータリケース32・32を上昇位置で保持可能に構成した。そして、デテント機構100をロータリケース32に固定したデテントプレート101と、一端を機体側に枢支して他端にデテントバネ103を連結したデテントアーム102とにより構成した。また、デテント機構100をロータリケース32の回動上死点Dを過ぎた位置に配置した。
【選択図】図8
【解決手段】移植爪21L・21Rをロータリケース32・32の一端に設け、ロータリケース32・32の回動により移植爪21L・21Rを昇降開閉駆動する移植機1であって、ロータリケース32・32と、本機との間にデテント機構100・100を設け、ロータリケース32・32を上昇位置で保持可能に構成した。そして、デテント機構100をロータリケース32に固定したデテントプレート101と、一端を機体側に枢支して他端にデテントバネ103を連結したデテントアーム102とにより構成した。また、デテント機構100をロータリケース32の回動上死点Dを過ぎた位置に配置した。
【選択図】図8
Description
本発明は、苗供給部から供給される苗を圃場面に植え付ける左右一対の移植爪と、各移植爪を駆動する左右の駆動機構とを備え、各駆動機構に駆動源からの動力を一本の植付用駆動軸に伝達して、左右の移植爪を駆動する移植機に関し、より詳細には、駆動機構のロータリケースを上昇位置で保持可能に構成したデテント機構に関する。
従来から、機体左右方向に移植爪を一対備え、該移植爪内にその上方に配置した苗供給部から苗を供給して、圃場面に苗を植え付けるようにした移植機が公知となっている。例えば、特許文献1および2に記載のとおりである。また、苗供給部から供給される苗を圃場面に植え付ける左右一対の移植爪と、各移植爪を駆動する左右の駆動機構とを備え、各駆動機構に駆動源からの動力を一本の植付用駆動軸を介して伝達して、左右の移植爪を駆動する移植機において、前記植付用駆動軸の両側に、各移植爪の駆動機構に対応する動力断接手段を設けた移植機が、同一出願人により既に出願されている(特願2006−006827号)。
この移植機は、前記動力断接手段を植付用駆動軸に軸方向に相対回転不能かつ摺動可能に設けたクラッチ体と、植付用駆動軸上に遊嵌した伝動体に設けた係合体とを係合可能に備え、該伝動体を駆動機構と連動連結して構成したものである。さらに、この移植機は、前記動力断接手段の伝動体にその位置保持機構を設け、該伝動体に設けた係合体とクラッチ体とが係合解除状態のとき、該位置保持機構により伝動体の位置を保持し、駆動機構を介して前記移植爪を苗供給位置に維持するように構成したものである。このような構成とすることで、動力断接手段により非駆動側とされる移植爪が圃場面に突き刺さるのを防止して、移植爪の損傷を回避することができる。また、苗供給部から移植爪への苗の供給が良好となる。さらに、クラッチ体と係合体との係合状態の切替を確実に行うことができる。
特開2003−230306号公報
特開2005−245339号公報
しかし、この移植機の位置保持機構は、伝動体であるスプロケットに引張バネを取り付けて、このバネによりスプロケットの位置を保持し、駆動機構を介して移植爪を上部に引き上げて、移植爪を苗供給位置に維持するように構成したものであるが、バネで引き上げているため移植爪の上部停止位置(苗の受継位置)が安定しなかった。また、移植爪を持ち上げるためにバネ力の大きな引張バネが左右一対必要であった。
本発明は以上の状況に鑑み、簡単な構成で移植爪を上昇位置で安定的に保持できる移植機を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上のとおりであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、
移植爪をロータリケースの一端に設け、該ロータリケースの回動により該移植爪を昇降開閉駆動する移植機であって、
前記ロータリケースと、本機との間にデテント機構を設け、該ロータリケースを上昇位置で保持可能に構成したものである。
移植爪をロータリケースの一端に設け、該ロータリケースの回動により該移植爪を昇降開閉駆動する移植機であって、
前記ロータリケースと、本機との間にデテント機構を設け、該ロータリケースを上昇位置で保持可能に構成したものである。
請求項2においては、
前記デテント機構を前記ロータリケースに設けた当接手段と、一端を機体側に枢支して他端に弾性体を連結したデテントアームとにより構成したものである。
前記デテント機構を前記ロータリケースに設けた当接手段と、一端を機体側に枢支して他端に弾性体を連結したデテントアームとにより構成したものである。
請求項3においては、
前記当接手段を前記ロータリケースに固定したデテントプレートとしたものである。
前記当接手段を前記ロータリケースに固定したデテントプレートとしたものである。
請求項4においては、
前記デテント機構を前記ロータリケースの回動上死点を過ぎた位置に配置したものである。
前記デテント機構を前記ロータリケースの回動上死点を過ぎた位置に配置したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、デテント機構により移植爪を上昇位置で保持でき、停止位置を安定させることができる。また、移植爪を持ち上げるための強力なバネをなくすことができる。
請求項2においては、デテント機構を簡単に構成でき、安価に製作できる。また、ロータリケースの回動を弾性体によりショックを吸収して停止させることができる。
請求項3においては、当接手段をデテントプレートとして、ロータリケースへ別部品で取り付けることで、ロータリケースを直接デテントアームへ当接させる場合に比べて、デテントのタイミング調節が簡単であり、摩耗した場合の部品の交換が容易である。特に、デテントプレートを耐摩耗性に優れる鉄板等とすることにより、アルミニウムケースであるロータリケースを当接手段とするよりも耐摩耗性が向上し、部品の寿命が延びる。
請求項4においては、ロータリケースの回転停止位置が回動上死点を過ぎた位置なので、逆回転することなく停止させることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る移植機の全体的な構成を示す側面図、図2は同じく平面図、図3は移植部の背面図、図4は移植爪の側面図、図5は移植機の動力伝達機構を示すスケルトン図、図6は動力断接手段およびカム機構の一部断面平面図、図7は動力断接手段とカム機構と潅水機構の側面図、図8はデテント機構の側面図、図9はカム機構の側面図である。
まず、本発明の一実施例に係る移植機の全体的な構成について説明する。図1、図2に示すように、移植機1においては、機体フレーム2の前部上にエンジン3が載置され、前後中途部上に走行用トランスミッション4Aと植付用トランスミッション4Bとを備えるミッションケース5が配設されている。機体フレーム2の後部上にはハンドル部材となるハンドルフレーム6が連設され、これが機体フレーム2より後方へ略水平方向に延設されている。そして、該ハンドルフレーム6の前後中途部上に苗供給部7が備えられ、後部に運転操作部9が構成されている。
前記機体フレーム2の前部には左右方向に延設された前輪支持軸10が左右中途部で支持されている。前輪支持軸10の左右両側には前輪支持フレーム11・11の一端が取り付けられ、該前輪支持フレーム11・11の他端に前輪12・12が回転自在に支持されている。
また、前記機体フレーム2の前後中途部付近では、ミッションケース5の走行用トランスミッション4Aから後輪駆動軸13が左右方向に突出されている。後輪駆動軸13の左右両側には駆動ケース14の一端が連設され、該駆動ケース14の後端に後輪15が回転自在に支持されている。
そして、前記前輪支持フレーム11と駆動ケース14とがリンク機構を介して連結されるとともに、機体フレーム2の下部に設けられた油圧シリンダ16と駆動ケース14とがリンク機構を介して連結されて、該油圧シリンダ16の伸縮動作により前輪支持フレーム11と駆動ケース14とがそれぞれ前輪支持軸10と後輪駆動軸13とを中心に回動可能とされている。これにより、走行機体が昇降可能とされている。
また、前記ハンドルフレーム6上の苗供給部7では、複数の苗搬送ポット17が長円形状に連設され、水平面上を回転可能とされている。各苗搬送ポット17はその底部に開閉可能な蓋体を有し、移植部20上方の適宜位置まで搬送されると、蓋体を開いて底部を開口し、該苗搬送ポット17内に保持された苗を落下させて移植部20に供給するように構成されている。
前記苗供給部7の左右側方および上方には苗載台18・18・19が配置されている。各苗載台18はハンドルフレーム6に取り付けられ、これに移植用の苗が載置されている。苗載台18上の苗は、移植作業時に作業者により苗載台18から順次空になった苗搬送ポット17に補給される。
前記移植部20は苗供給部7の下方であって、ミッションケース5の後方に配置されている。移植部20には左右一対の移植爪21L・21Rが設けられ、各移植爪21L・21Rが駆動機構30・30により前後開閉かつ上下昇降可能とされている。移植爪21L・21Rは上昇されるときに閉じられて、上昇端で前記苗供給部の苗搬送ポットから落下する苗を保持し、その先端が下降され圃場面に突入されて下降端に達したときに開かれて、苗を圃場面に植え付けるように構成されている。
そして、このように苗を苗供給部7の苗搬送ポット17から移植部20の左右の各移植爪21L・21Rに供給し、該移植爪21L・21Rで圃場面に植え付けたあとに、左右の移植爪21L・21Rの後方に配設された覆土輪23・23により苗の根部に土をよせて覆土が行われる。こうして、移植機1による一つの苗の移植が完了となる。
次に、前記移植部20の構成について詳細に説明する。図3、図4に示すように、移植部20には、苗を苗供給部7から圃場面へ搬送する左右一対の移植爪21L・21Rや、移植爪21L・21Rをそれぞれ駆動させる駆動機構30・30が設けられている。駆動機構30・30は、移植爪21L・21Rの左右一側にそれぞれ配置されたロータリケース32・32、移植爪21L・21Rの左右他側に配置された昇降ガイド33・33、これらを連結するアームやリンクなどから構成されている。
前記左右の各駆動機構30においては、機体フレーム2上のフレーム31に左右方向に突設された支点軸34の一端がロータリケース32内に突入されて、該支点軸34にロータリケース32が回転自在に支持されている。該ロータリケース32の外側側面の支点軸34外周部には従動スプロケット35が固設され、該スプロケット35を介してロータリケース32に植付用トランスミッション4Bからの動力が伝達されて、該ロータリケース32が支点軸34を中心として回転駆動するように構成されている。
また、図3および図8に示すように、ロータリケース32・32と、本機との間にはデテント機構100・100が設けられており、詳細については後述するがこのデテント機構100・100により、支点軸34を中心として回動駆動するロータリケース32が上昇位置で保持されるように構成されている。
前記ロータリケース32内では支点軸34に外嵌された第一歯車と、ロータリケース32に回転可能に軸支された第二歯車と、スプロケット35と反対側に突出された出力軸36に外嵌された第三歯車とが直列的に配置され、これらの歯車が順に噛合されている。そして、ロータリケース32外で出力軸36にアーム37の一端が固設されている。
ここで、前記第一歯車と第三歯車とは歯数が二対一となるように形成され、ロータリケース32が支点軸34に対して一回転すると、アーム37はロータリケース32とは逆方向に一回転する構成とされている。これにより、植付用トランスミッション4Bからの動力によりロータリケース32が回転駆動するとき、アーム37が機体に対して支点軸34を中心に回転揺動されるようになっている。
そして、前記アーム37の他端に連結軸39の一端が固設され、該連結軸39上に条幅に合わせて移植爪支持体40の一側(前側)が軸受を介して回転自在に支持されている。移植爪支持体40は左右のプレートから構成されており、左右のプレート間の連結軸39上に開閉カム41が固設されている。
前記移植爪支持体40の他側(後側)には苗供給部7からの苗を受ける漏斗状のカップ40aが形成され、該カップ40a下部に移植爪21が配置されている。カップ40aの前後中心から同距離だけ離れた前後位置には支点軸43・43が左右水平方向に設けられ、各支点軸43・43に移植爪21L(21R)の前後一端がそれぞれ支持されている。
前記移植爪21L(21R)は前後略対称に形成したくちばし状の爪部21a・21aからなり、これらを前後に合わせることで閉じた状態となって苗を保持し、前後に離間させることで開いた状態となって苗を落下させることができるように構成されている。前後の爪部21a・21aは、その上部がカップ40aの前後中央で左右両側に設けられた枢支軸44・44で枢支されて、前後に連結されている。そして、枢支軸44・44とカップ40a上部との間にばね49・49がその付勢力で枢支軸44・44を持ち上げるように介装され、これにより移植爪21が前後に爪部21a・21aを合わせて閉じられている。
また、前記移植爪21のうち開閉カム41側の爪部21aを支持する支点軸43上には当接アーム45の一端が枢支され、該当接アーム45の他端にローラ46が開閉カム41の外周に当接するように設けられている。こうして、爪部21aが開閉カム41の回転時にその外周形状に応じて回動する当接アーム45によって回動可能とされている。
なお、当接アーム45と爪部21a上部との間には爪開閉量調節機構47が設けられており、該爪開閉量調節機構47は当接アーム45と爪部21aの両者間にボルト48を螺装し、該ボルト48を回動することにより両者の間隔を調節して、爪部21aの回動量を調節できるように構成されている。
このようにして、爪部21aはばね49・49により移植爪21を閉じるように付勢されるとともに、その回動が当接アーム45にローラ46を介して当接する開閉カム41により規制されている。つまり、移植爪21は常に閉じ方向に付勢されるが、開閉カム41により当接アーム45を介して爪部21aが一時的に回動されることによって強制的に開くように開閉制御されている。
また、前記移植爪支持体40の前部に上方に延出する延出部40bが形成され、該延出部40bに昇降ガイド33に向かって突出するように支持軸50が設けられている。支持軸50の突出端にはローラ51が設けられ、これが上下方向に延設された昇降ガイド33内に転動可能に嵌入されて、昇降時に移植爪21をガイドするように構成されている。
このような構成において、移植部20では植付用トランスミッション4Bから駆動機構30に動力が伝達される際に、移植爪21L(21R)は上昇端で閉じられ、前後の爪部21a・21aの間に苗供給部からの苗が供給され保持される。この状態で移植爪21L(21R)がロータリケース32の回動に伴って昇降ガイド33に沿って下降され、下降端に至ると、圃場の土壌表面部に爪部21aが突入した状態で開閉カム41の回動により当接アーム45を介して爪部21aが支点軸43を中心として前後に回動されて、移植爪21L(21R)が開かれ、圃場面に苗が植え付けられる。植付後、更なるロータリケース32の回動によって移植爪21L(21R)は上昇され、上昇端に至るまでの過程で開閉カム41の回転により閉じられる。これが繰り返され、移植爪21L(21R)による苗の植付が行われる。
続いて、前記移植機の動力伝達機構について説明する。図5に示すように、駆動源となるエンジン3の動力は出力軸61から走行用トランスミッション4Aの入力軸62にプーリやベルトを介して伝達される。走行用トランスミッション4Aに入力された動力は、ギヤ機構などを介して変速されたあと、前記後輪駆動軸13に伝達され、さらに駆動ケース14に備えられたスプロケットやチェーンなどを介して後輪15に伝達される。
また、走行用トランスミッション4Aで変速された動力はその出力軸63から植付用トランスミッション4Bの入力軸64にプーリやベルトを介して伝達される。植付用トランスミッション4Bに入力された動力はギヤ機構などで変速されたあと、植付用駆動軸65に伝達される。植付用駆動軸65はミッションケース5の後上部から左右方向に突出され、該植付用駆動軸65を介して植付用トランスミッション4Bから苗供給部7と移植部20とに動力が伝達可能とされている。
すなわち、植付用トランスミッション4Bからの動力は、植付用駆動軸65の一端からスプロケットやチェーンなどからなる減速機構66やギヤ機構67を介して苗供給部7の入力軸68に伝達され、該入力軸68から駆動スプロケットと従動スプロケットとを介してこれらに巻回された長円形状に連設された苗搬送ポット17・17・・・に伝達される。こうして、苗搬送ポット17・17・・・が長円軌跡を描くように搬送され、前述のように適宜位置で苗搬送ポット17から移植部20の移植爪21L・21Rに苗が供給可能とされている。
また、植付用トランスミッション4Bからの動力は、植付用駆動軸65の他端からスプロケットやチェーンを介して移植部の左右の各移植爪21L・21Rに対し設けられた前記駆動機構30・30に伝達され、各駆動機構30により移植爪21L・21Rそれぞれに伝達される。こうして、移植爪21L・21Rが昇降ガイド33に沿って昇降可能とされるとともに、その昇降位置に応じて適宜開閉可能に、つまり上昇端では閉じて苗搬送ポット17から落下する苗を受けて保持し、下降端では開いて苗を圃場面に植え付けることができるように構成されている。
このような動力伝達機構において、植付用トランスミッション4Bと左右の移植爪21L・21Rの駆動機構30・30との間に、駆動機構30・30への動力の断接を行う左右一対の動力断接手段72・72が設けられ、動力断接手段72・72により左右の移植爪21L・21Rの駆動時期を変更して交互に植え付けられるように構成されている。
次に、前記動力断接手段72・72について説明する。図6、図7に示すように、前記左右の動力断接手段72・72は植付用駆動軸65、本実施例では植付用駆動軸65に一体的に連結された延長軸65aに設けられている。延長軸65aは左右の駆動機構30・30の前方に配置され、該延長軸65aの左右両側に駆動機構30・30に動力を伝達するための伝動体として駆動スプロケット73・73が配置されている。駆動スプロケット73・73は延長軸65aに相対回転自在に遊嵌され、駆動機構30・30のロータリケース32・32に設けられた従動スプロケット35・35とチェーン74・74を介して連動連結されている。
前記左右の各駆動スプロケット73の左右一側にはクラッチ体75が配置されている。クラッチ体75は延長軸65aに相対回転不能に嵌合され、軸方向に摺動可能とされている。クラッチ体75は円錐形状の当接部75aと、該当接部75aの頂部に中央が位置する円盤形状の係合部75bとを備えて構成されている。係合部75bは係合孔75cを有して駆動スプロケット73側に配置され、該係合孔75cに駆動スプロケット73から突設される係合体となるクラッチピン73aがクラッチ体75の摺動位置に応じて係合可能とされている。
前記クラッチ体75の駆動スプロケット73と反対側にはクラッチバネ76が配置されている。クラッチバネ76は延長軸65aに嵌合され、当接部75aに接して設けられている。該クラッチバネ76によりクラッチ体75は駆動スプロケット73側に付勢され、係合孔75cでクラッチピン73aと係合する係合位置まで摺動されるようになっている。すなわち、クラッチ体75は通常ではクラッチピン73aと係合しない空転位置ではなく、係合位置に保持されるようになっている。
よって、クラッチ体75が係合孔75cでクラッチピン73aとが係合する場合には、クラッチ体75と駆動スプロケット73とが一体となり、延長軸65a(植付用駆動軸65)とともに一体的に回転する。この状態が動力接続状態であり、植付用駆動軸65から駆動機構30に動力が伝達されて、移植爪21L(21R)が駆動されることになる。一方、クラッチ体75が係合孔75cでクラッチピン73aと係合しない場合には、駆動スプロケット73は延長軸65a(植付用駆動軸65)に対し空転する。この状態が動力切断状態であり、植付用駆動軸65から駆動機構30に動力は伝達されず、移植爪21L(21R)は停止した状態に維持される。このようにして、左右の動力断接手段72・72が構成されている。
そして、前記左右の動力断接手段72・72のクラッチ体75とクラッチピン73aとの係合状態を切り替え、植付用駆動軸65から左右の各駆動機構30への動力を断接するためのカム機構80が延長軸65aに設けられている。前記カム機構80は、前記延長軸65aと平行に配置して駆動されるカム軸81と、該カム軸81上に左右のクラッチ体75・75と対向するように設けた左右のカム82L・82Rとを備え、該カム軸81に左右のカム82L・82Rを相対回転不能に取り付けて構成されている。
前記カム82L・82Rは突出部82La・82Raと切欠部82Lb・82Rbとを備え、側面視で略半月状に形成されている。そして、該カム82L・82Rはカム軸81の回転に伴って一体的に回転される際に、突出部82La・82Raで係合位置にあるクラッチ体75・75の当接部75a・75aに当接し、さらなる回転によりクラッチ体75・75をクラッチバネ76・76の付勢力に抗して駆動スプロケット73と反対側に押しながら空転位置まで摺動させて、クラッチ体75とクラッチピン73aとの係合を解除させるようになっている。
左右のカム82L・82Rはカム軸81周りに互いの位相を180度ずらしてカム軸81に固定され、カム軸81の回転によって一方のカム82L(82R)が突出部82La(82Ra)でクラッチ体75の当接部75aと当接し、クラッチ体75とクラッチピン73aとを係合解除状態とする回転位置となる場合に、他方のカム82R(82L)は切欠部82Rb(82Lb)のためにクラッチ体75に作用しないので、クラッチ体75がクラッチバネ76の付勢力により摺動されて当接部75aが移動し、クラッチ体75とクラッチピン73aとを係合状態とする回転位置となるように配置されている。
ここで、左右のカム82L・82Rのうち、一方のカム82L(82R)はキー85を介してカム軸81に位相角度変更可能、かつ、着脱可能に取り付けられている。詳しくは、カム軸81上の左右一側にキー溝を穿設してキー85が嵌合され、該キー85に係合可能なキー溝81a・81bが左右一方のカムのボス部82dの内周に180度位置をずらして設けられて、該カム82L(82R)がキー85を介してカム軸81に着脱可能に取り付けられている。こうして、本実施例では左右のカム82L・82Rはカム軸周りに互いの位相を180度ずらして取り付けているが、カム軸周りに同位相にも取付可能とされている。但し、位相の変更機構はキーを用いる構成に限定するものではなく、カム82とカム軸81をスプライン嵌合、またはセレーション嵌合などで嵌合して、位相をずらせる構成とすることも可能である。
そして、前記植付用駆動軸65の延長軸65aの左右中途部に第一ギヤ83が固設されるとともに、カム軸81の左右中途部に第二ギヤ84が固設され、該第一ギヤ83と第二ギヤ84とが噛合されている。第一ギヤ83と第二ギヤ84とはそのギヤ比が1対2となるように形成され、該第一ギヤ83と第二ギヤ84を介して延長軸65aからカム軸81に動力が伝達されるときに、カム軸81が延長軸65a(植付用駆動軸65)の半分の回転速度で回転するように構成されている。
このような構成において、延長軸65aが一回転する場合、第一ギヤ83と第二ギヤ84を介してカム軸81が半回転し、図9(a)に示すように、左右一方のカム82L(82R)が突出部82Laでクラッチ体75の当接部75aに当接しつつ、クラッチ体75をクラッチバネ76に抗して軸方向に空転位置まで摺動させて、クラッチ体75とクラッチピン73aとの係合を解除させる。これにより、クラッチ体75と駆動スプロケット73との固定が解かれて、延長軸65aに対して駆動スプロケット73が空転状態となり、駆動機構30への動力が切断されて左右一方の移植爪21L(21R)が停止される。
このとき、左右他方のカム82R(82L)は、図9(b)に示すように、切欠部82Rb(82Lb)にてクラッチ体75の当接部75aから離間する。同時に、クラッチ体75がクラッチバネ76の付勢力により空転位置から係合位置まで摺動され、該クラッチ体75とクラッチピン73aとが係合される。これにより、クラッチ体75と駆動スプロケット73とが嵌合固定されて、駆動スプロケット73が延長軸65aと一体的に回転されることになり、駆動機構30に動力が伝達されて他方の移植爪21R(21L)が駆動される。なお、移植爪21Rと移植爪21Lは上昇位置において所定時間保持されている。つまり、苗補給するために、両移植爪は所定のタイミングの間、重複して上昇位置に位置する状態が設定されている。
そして、延長軸65aがさらに一回転するうちに、カム軸81もさらに半回転され、該カム軸81上の左右のカム82L・82Rが前記と反対の回転位置まで回転され、左右一方のカム82L側でクラッチ体75とクラッチピン73aとが係合され、他方のカム82Rでクラッチ体75とクラッチピン73aとの係合が解除される。つまり、前記と反対に左右一方の移植爪21L(21R)が駆動され、他方の移植爪21R(21L)の駆動が停止される。
このようにして、本実施例の移植機1では左右の移植爪が延長軸65aの回転に伴って、一方の移植爪21L(21R)が上下一往復した後に動力断接手段72により動力を断たれて停止され、他方の移植爪21R(21L)が動力断接手段72により動力を伝達されて駆動されるように、左右の移植爪21L・21Rが交互に駆動され、一方の移植爪21L(21R)による苗移植位置に対して他方の21R(21L)による苗移植位置を走行機体の進行方向に半ピッチずらして苗を植える、いわゆる千鳥植えが行われるようになっている。なお、このように駆動される移植部20に対して、苗供給部7は前記減速機構66により同調して駆動するように構成されている。
次に、デテント機構100・100の構成について詳細に説明する。なお、左右のデテント機構100・100はそれぞれ略同一の構成であるため、以下、特に断りのない限り、一方のデテント機構100の構成について説明する。図8に示すように、デテント機構100は当接手段であるデテントプレート101と、デテントアーム102と、デテントバネ103とを備えて構成されている。
デテントプレート101は略「へ」字状に形成されている鉄板であって、デテントプレート101の中途部に略三角形状の凸部が形成されて当接部101aとし、両端がロータリケース32先端に固定されている。ここで、先端とは回動中心(支点軸34)に対して反対方向の端部を言う。具体的には、デテントプレート101の下側(図8において下側)はロータリケース32の外形に沿った形状に形成されており、機体左右方向の半割りケース(アルミニウムケース)としたロータリケース32を固定するボルト32a・32aにより、デテントプレート101の両端がロータリケース32と共締めされて強固に固定されている。なお、ロータリケース32にデテントプレート101を固定する方法はこれに限定するものではない。
当接部101aはデテントプレート101の先端側(図8において上側)の外周縁の中途部から、略三角形状に延出されて形成されている。この当接部101aはデテントアーム102の先端に軸支されているローラ110に当接するように配設されており、当接部101aの当接面はローラ110の接線方向としている。つまり、支点軸34の軸心と出力軸36の軸心とを結ぶ線を中心線O1とすると、中心線O1と平行に当接部101aの当接面が形成されており、ロータリケース32の回転方向で中心線O1よりも前側に配置されている。こうして、当接部101a先端の半径ができるだけ短く、当接面が長くなるようにしている。
デテントアーム102は板状部材であって、デテントアーム102の一端が、本機に溶接される等して固定されている取付部材106に回転自在に軸支されている。具体的には、取付部材106はプレートが平面視「コ」字状に折り曲げられて形成されており、後方を開放して本機に固定されている。そして、取付部材106の上下中央部には支点軸105が横架されており、この支点軸105にデテントアーム102の一端(上端)が回転自在に軸支されている。また、デテントアーム102の他端(下端)には係止軸109が側方に突設されており、この係止軸109上にローラ110が回転自在に軸支されている。そして、係止軸109にはデテントバネ103の一端が係止されており、デテントバネ103の他端が、本機にボルト止めされる等して固定されている取付部材108に係止されている。具体的には、取付部材108の側面の前端に係止軸107が突設されており、この係止軸107にデテントバネ103の他端が係止されている。これにより、デテントアーム102は支点軸105を中心として時計回り方向(前方)に回動するように付勢されており、デテントアーム102の上部前面が、取付部材106に設けられているストッパ104に当接して保持されている。こうして、デテントアーム102がストッパ104に当接して保持された状態において、ローラ110は、デテントプレート101の当接部101aが支点軸34を中心として回動した時の回動軌跡上に位置するように配設されている。
ストッパ104はボルトで構成されて取付部材106の折り曲げ部の前下部に螺装固定されており、このストッパ104にデテントアーム102の上部前面が当接される。ストッパ104はボルトの突出長を調整することにより、ローラ110の位置(図8に示す両矢印方向)を調整できるとともに、ロックナットによりボルトがロックされてローラ110の位置が位置決めされる。
また、デテント機構100のローラ110は、ロータリケース32が回動上死点Dを若干通り過ぎた位置に配置されている。つまり、側面視においてロータリケース32の中心線O1が鉛直線(ロータリケース32の回動上死点D)より時計回り方向に角度θ回動された位置で、デテントプレート101の当接部101aがローラ110に当接して、ロータリケース32が上昇位置で保持されるように構成されている。この時、デテントアーム102と中心線O1とは略平行となり、ローラ110および支点軸105は支点軸34の斜め上後方に配置されている。
そして、デテント機構100・100により、支点軸34を中心として回動駆動するロータリケース32が次のようにして上昇位置で保持される。
前述のように一方の移植爪21L(21R)が上下一往復した後に動力断接手段72により動力が断たれてデテント機構100により上昇位置で停止される。つまり、移植爪21L(21R)が上昇端に至ると、クラッチ体75とクラッチピン73aとが係合解除状態となり、動力断接手段72が動力切断状態となる。このとき、ロータリケース32は回動上死点D付近(ロータリケース32が略直立した状態)に位置しており、この位置で動力断接手段72が動力切断状態となるように構成されている(図4参照)。
そして、動力断接手段72が動力接続状態から動力切断状態になると、ロータリケース32に植付用トランスミッション4Bからの駆動力が伝達されなくなるが、ロータリケース32は慣性力にて回動し続け、デテントプレート101の当接部101aがデテントアーム102のローラ110に当接して、ロータリケース32の回動が停止される。つまり、ロータリケース32の回動上死点Dより時計回り方向に傾斜角度θ回動された位置で、デテントプレート101の当接部101aがローラ110に当接して、ロータリケース32が上昇位置で保持される。この上昇位置は苗供給部7から苗が供給される苗供給位置となり、その位置に維持される。
ここで、前述のようにデテントアーム102の係止軸109にはデテントバネ103の一端が係止され、デテントバネ103の他端は本機に固定されている取付部材108に係止されており、デテントアーム102は支点軸105を中心として時計回り方向に回動するように付勢されている。このため、慣性力にて回動するロータリケース32のデテントプレート101の当接部101aがデテントアーム102のローラ110に当接した際の衝撃が、デテントバネ103により吸収されてロータリケース32の回動が停止される。このとき、ロータリケース32は上死点Dを過ぎ、衝撃がデテントバネ103により吸収されるので、当接の反力により逆方向に回転することはない。また、当接後においては移植爪21L(21R)等の重量により回転力(図8に示す片矢印方向)が生じ、当接部101aがローラ110に当接した状態が維持される。
その後、カム82L(82R)が回転して、他方の移植爪21R(21L)の動力断接手段72が「接」となって動力が伝達されて駆動される。つまり、クラッチ体75とクラッチピン73aとが係合状態となって、動力断接手段72が動力接続状態となり、ロータリケース32に植付用トランスミッション4Bからの駆動力が伝達される。
そうすると、図8において二点鎖線で図示する状態のように、ロータリケース32が時計回り方向に回動駆動されて、当接部101aがローラ110に当接しつつ、当接部101aによりローラ110がデテントバネ103の付勢力に抗して後方に押されて、デテントアーム102が支点軸105を中心として反時計回り方向に回動される。
そして、ロータリケース32がさらに回動駆動されてローラ110が後方に押されると、デテントアーム102が回動されて後方に待避され、デテントプレート101がデテントアーム102(ローラ110)を乗り越えて、ロータリケース32が支点軸34を中心として時計回り方向に回動駆動される。このとき、ローラ110は係止軸109に軸支されて回転可能であるため、デテントプレート101の当接部101aに当接しつつ、ローラ110上を滑らかに転動することができる。
その後、デテントアーム102はデテントバネ103の付勢力により、支点軸105を中心として時計回り方向に回動されて、ストッパ104に当接されて、デテントアーム102の回動が停止される。
一方、デテントアーム102(ローラ110)を乗り越えたロータリケース32は、下方に回転して植付後に上昇回動して回動上死点D付近で再び、動力断接手段72が動力接続状態から動力切断状態になり、ロータリケース32は慣性力にて回動し続け、デテントプレート101の当接部101aがデテントアーム102のローラ110に当接すると、ロータリケース32の回動が停止されて、上述の動作が繰り返される。
なお、本実施例においては、当接手段をデテントプレート101としているが、ロータリケース32を形成して当接手段を構成し、ロータリケース32を直接デテントアーム102へ当接させることも可能である。
以上のように、本実施例の移植機1は、移植爪21L・21Rをロータリケース32・32の一端に設け、ロータリケース32・32の回動により移植爪21L・21Rを昇降開閉駆動する移植機1であって、ロータリケース32・32と、本機との間にデテント機構100・100を設け、ロータリケース32・32を上昇位置で保持可能に構成したものである。このような構成とすることで、デテント機構100・100により移植爪21L・21Rを上昇位置で保持でき、停止位置を安定させることができる。また、移植爪21L・21Rを持ち上げるための強力なバネをなくすことができる。
そして、デテント機構100をロータリケース32に固定したデテントプレート101と、一端を機体側に枢支して他端にデテントバネ103を連結したデテントアーム102とにより構成したものであるため、デテント機構100を簡単に構成でき、安価に製作できる。また、ロータリケース32の回動をデテントバネ103によりショックを吸収して停止させることができる。
また、当接手段をロータリケース32に固定したデテントプレート101としたものであるため、当接手段をデテントプレート101として、ロータリケース32へ別部品で取り付けることで、ロータリケース32を直接デテントアーム102へ当接させる場合に比べて、デテントのタイミング調節が簡単であり、摩耗した場合の部品の交換が容易である。特に、デテントプレート101を耐摩耗性に優れる鉄板とすることにより、アルミニウムケースであるロータリケース32を当接手段とするよりも耐摩耗性が向上し、部品の寿命が延びる。
また、デテント機構100をロータリケース32の回動上死点Dを過ぎた位置に配置したものであるため、ロータリケース32の回転停止位置が回動上死点Dを過ぎた位置なので、逆回転することなく停止させることができる。
1 移植機
21L・21R 移植爪
32 ロータリケース
100 デテント機構
101 デテントプレート
102 デテントアーム
103 デテントバネ
D 回動上死点
21L・21R 移植爪
32 ロータリケース
100 デテント機構
101 デテントプレート
102 デテントアーム
103 デテントバネ
D 回動上死点
Claims (4)
- 移植爪をロータリケースの一端に設け、該ロータリケースの回動により該移植爪を昇降開閉駆動する移植機であって、
前記ロータリケースと、本機との間にデテント機構を設け、該ロータリケースを上昇位置で保持可能に構成したことを特徴とする移植機。 - 前記デテント機構を前記ロータリケースに設けた当接手段と、一端を機体側に枢支して他端に弾性体を連結したデテントアームとにより構成したことを特徴とする請求項1に記載の移植機。
- 前記当接手段を前記ロータリケースに固定したデテントプレートとしたことを特徴とする請求項2に記載の移植機。
- 前記デテント機構を前記ロータリケースの回動上死点を過ぎた位置に配置したことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の移植機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006143035A JP2007312620A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | 移植機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006143035A JP2007312620A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | 移植機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007312620A true JP2007312620A (ja) | 2007-12-06 |
Family
ID=38847069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006143035A Pending JP2007312620A (ja) | 2006-05-23 | 2006-05-23 | 移植機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007312620A (ja) |
-
2006
- 2006-05-23 JP JP2006143035A patent/JP2007312620A/ja active Pending
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