JP4099132B2 - 野菜移植機 - Google Patents
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Description
このような野菜移植機は、シャーシの前半部にエンジンやミッションケースを配設し、前輪及び後輪(駆動輪)を設けるとともに、シャーシの後半部に野菜の苗等を圃場に形成された畝に所定の間隔で所定の深さに移植するための移植部や、該移植部に供給される苗を載置するための苗載置台や、作業者が各種操作を行うための操作系(レバー等)を設けている。
そして、移植部の植付軌跡の前後間隔を変えて植付間隔を変更する植付間隔変更連動装置として無段変速装置を設けて、前後間隔を無段階に変更して植付間隔を微調整できるようにした技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
また、移植部の駆動を行う苗取出駆動系と、機体の走行を行う走行駆動系とを備え、該走行駆動系に無段変速手段を介して苗取出駆動系を連動連結させて、植付間隔の調節を簡単な構成にて正確に行えるようにした技術が公知となっている(例えば、特許文献2参照)。
また、植付間隔を変更する株間変速レバーにおいて、従来では、株間変速レバーのシャフト部に三段の溝を設けて、この溝にベルトカバー位置を合わせることで変速段の位置を確認するようにしていた。
また、従来の株間変速レバーの変速段を合わせる方法においては、変速段を合わせ難く、特に、中間の変速段に合わせ難かったのである。
このような問題点を鑑み、本発明においては、植付間隔の設定幅を広くして、各種作物の植付に対応できる野菜移植機を提供するものである。また、植付間隔の変速を行う株間変速レバーの操作を誤りなく行えるようにするものである。
図1は本発明の実施の一形態である野菜移植機の左側面図、図2は本発明の実施の一形態である野菜移植機の平面図、図3は野菜移植機のシャーシ前半部の要部平面図、図4は補強部材を示す要部平面図、図5は前輪支持軸を示す側面図、図6は後輪駆動軸を示す側面図、図7は移植爪の平面図、図8は移植爪の側面図、図9はベルト式無段変速装置の側面図、図10はミッションケースの内部構成を示す断面図、図11は株間変速機構を説明するミッションケースの拡大断面図、図12は株間変速レバー及びガイドパネルの構成を示す図、図13は別実施例のガイドパネルの構成を示す図である。
なお、以下の説明においては図1中の矢印Aの方向を野菜移植機101の機体の「前方」とする。
また、箱形フレーム401の中途部より支持フレーム113を横架し、ミッションケース104より後輪駆動軸115を水平方向側方に突出し、該後輪駆動軸115の両側に駆動ケース116・116の一端を連設して、該駆動ケース116・116の他端に後輪117・117を回転可能に支持している。
箱形フレーム401は上方が開口した略箱形の構造部材であり、箱形フレーム401の前部にはエンジン103がボルト等により固定され、箱形フレーム401の後部にはミッションケース104がボルト等により固定される。また、エンジン103とミッションケース104との間には油圧ポンプ403が固設され、箱形フレーム401の下部に設けられた油圧式のアクチュエータである油圧シリンダ404に圧油を供給可能としている。
図5に示す如く、パイプ110aは断面視略六角形のパイプであり、前記箱形フレーム401の前端部に回動可能に軸支される。このとき、パイプ110aの長手方向は機体左右方向と略一致し、かつパイプ110aの右半部において箱形フレーム401に軸支される。また、パイプ110aの中途部にはアーム110dが突設されている。
パイプ110b・110cは断面視略六角形のパイプであり、前記パイプ110aに対して相対回転不能かつ摺動可能な外径を有している。
パイプ110bはパイプ110aにその右端部より嵌装され、パイプ110bの右端部には機体右側の前輪支持フレーム111の一端が固設される。前輪支持フレーム111の他端には右側の前輪112が回転可能に軸支される。パイプ110cはパイプ110aにその左端部より嵌装され、パイプ110cの左端部には機体左側の前輪支持フレーム111の一端が固設される。前輪支持フレーム111の他端には左側の前輪112が回転可能に軸支される。
回動支持部材407から突設されたブラケット407aは機体フレーム102の後端部に固設されたブラケット102aにボルト締結により固定される。
パイプ115bはパイプ115aにその左端部より嵌装され、パイプ110bの左端部には機体左側の駆動ケース116の一端が固設される。該駆動ケース116の他端には左側の後輪112が回転可能に軸支される。
駆動伝達軸115cから突出している駆動伝達軸115dの端部は駆動ケース116に軸支される。該駆動伝達軸115dの端部には駆動ケース116内にてスプロケット(図示せず)が外嵌される。
また、後輪駆動軸115のパイプ115aから突設されている別のアーム115fにはロッド409の後端が回動可能に枢着され、ロッド409の前端は箱形フレーム401の下部に設けられた油圧シリンダ404のシリンダロッドの端部に回動可能に枢着される。なお、油圧シリンダ404のシリンダロッドの軸線方向は箱形フレーム401の前後方向と略一致し、シリンダロッドは機体の前方に伸長する。
ハンドルフレーム106は平面視略U字型に屈曲されたパイプ部材であり、ハンドルフレーム106の右端部はミッションケース104の右側面後部上方にボルト締結により固定され、ハンドルフレーム106の左端部は昇降ガイド153を介して左側の後フレーム405の中途部に固設される。また、ハンドルフレーム106の左端部は支持部材410(図2に図示)を介してミッションケース104の左側面後部上方にボルト締結により固定される。
後フレーム405・405はハンドルフレーム106を下方から支持するための部材であり、後フレーム405・405の後端はハンドルフレーム106の左右中途部に固設され、後フレーム405・405の前端は後部支持部材406の左右端部に固設される。
そのため、従来の野菜移植機の場合、走行中に圃場に凹凸等があって姿勢が変化すると、シャーシの前半部と後半部との接続箇所においてねじれが生じやすく、野菜移植機のシャーシの前半部に対して後半部が揺れたり、あるいは振動するという問題が発生していた。
そこで、本発明の野菜移植機101においては、図3、図4および図6に示す如く、箱形フレーム401の後端部から左側方に突設された後部支持部材406の左端部と、後輪駆動軸115の中途部との間を補強部材411で固定した。
また、棒状の部材である補強軸113cは、その両端が左右の支持フレーム113・113に嵌装される形で、箱形フレーム401の左右方向に横架される。該補強軸113cにより、箱形フレーム401の剛性が向上し、箱形フレーム401、支持フレーム113および後輪駆動軸115のねじれが防止される。
また、箱形フレーム401を機体の左右中心からずれた位置(本実施例では機体右寄り)に配置することにより、前輪支持軸110、支持フレーム113、後輪駆動軸115の上方かつ箱形フレームの側方(本実施例においてはエンジン103およびミッションケース104の左側方)に大きなスペースが生じるが、該スペースに灌水用の水を貯溜するタンク等の重量物を配設しても補強部材によりシャーシの剛性が向上しているので、シャーシがねじれたり撓んだりすることを防止することが可能となる。
移植部120はミッションケース104の後方かつ苗供給装置107の下方に配設される。該移植部120は、野菜の苗を苗供給装置107から畝125へ搬送する左右一対の移植爪151・151と、各移植爪151の左右一側にそれぞれ配置され駆動部となるロータリケース152・152と、各移植爪151の左右他側に配置してガイド部となる昇降ガイド153・153と、これらを連結するアームやリンク等から構成されている。昇降ガイド153・153はシャーシの後半部を構成する後フレーム405・405、後部支持部材406またはハンドルフレーム106および後部支持部材406に固設されたフレーム413、フレーム414、フレーム415のうち、フレーム414およびフレーム415にそれぞれ固設され、ロータリケース152・152から突出した支点軸154・154はフレーム413およびフレーム414にそれぞれ固設される。移植爪151・151はフレーム413とフレーム414の間およびフレーム414とフレーム415の間に配設され、該移植爪151・151は苗供給部107の下方で側面視楕円状の軌跡で昇降するように構成されている。
従って、ミッションケース104からの駆動力によりロータリケース152が回転駆動するとき、見かけ上出力軸156は野菜移植機101の機体に対して回転しておらず、アーム157は野菜移植機101の機体に対して回動せずに支点軸154を中心に揺動することとなる。
移植爪151の開閉機構は、カップ160aの前部と後部に同距離はなれた位置に爪支点軸163・163を左右水平方向に設け、爪支点軸163に移植爪151の上部の前後一端を枢支している。そして、移植爪151は前後略対称に構成したくちばし状の爪部151a・151aを合わせた状態で苗を収納支持し、開いた状態で苗を落下させるようにしており、合わせる側の爪部151a上部のカップ160aの左右両側に枢支軸164・164を設けて前後の爪部151a・151aを連結している。そして、該枢支軸164・164とカップ160a上部との間にバネ169・169を介装して枢支軸164・164を持ち上げるように付勢し、移植爪151を閉じるようにしている。
そして、下端位置まで下降すると、開閉カム161の回動により、該開閉カム161に当接した当接アーム165が回動し(開閉カム161の小径部に当接する)、爪支点軸163・163を中心に爪部151aが回動し、移植爪151・151が開き、畝125中の下端位置で苗が落下放出される。更に回動すると、移植爪151・151が上昇されて、上昇位置で開閉カム161の回転により左右一対の移植爪151・151が同時に閉じられるのである。
スクレーパ420は、移植爪支持体160の反対側となる爪部151aの外周面に付着した土等を除去するためのものであり、主に支持部421、摺動筒422、摺動棒423、バネ424、ローラ425、当接部材426、ガイド棒427等で構成される。
摺動棒423の下端には当接部材426が設けられる。当接部材426はゴムや樹脂等の可撓性の材質からなり、移植爪支持体160の反対側となる爪部151aの外周面に当接されている。
株間調節は、走行駆動速度に対する作業駆動速度(移植部120の駆動速度)を変速することで、行われるものである。
図9に示すように、野菜移植機101には、株間調節に関わる変速手段として、ベルト式無段変速装置352が設けられている。
無段変速プーリ353は、ミッションケース104の外側(本実施例では機体右側)へ突出する株間変速入力軸356上に外側の割りプーリ353aが固設される。一方、内側の割りプーリ353aは株間変速入力軸356上に軸心方向に摺動自在に設けられ、株間変速入力軸356上に設けたスプリング384にて外側の割りプーリ353aに近接する方向に付勢されており、株間変速入力軸356には主変速機構および副変速機構を経て変速後のエンジン103からの駆動力が伝達される。
また、出力プーリ354は、同じくミッションケース104の外側(本実施例では機体右側)へ突出する株間変速出力軸357に固設されており、株間変速出力軸357には、ベルト式無段変速装置352における変速後の動力が伝達される。株間変速出力軸357は、ミッションケース104内でギヤ等を介して、植付出力軸104aに駆動力を伝達する。
変速切替手段440は第一テンションローラ441、第二テンションローラ442、テンションアーム443、株間調節ハンドル359、等で構成される。
このように、第一テンションローラ441と第二テンションローラ442でベルト355を挟むように配置しているため、テンションを大きくした場合であっても第一テンションローラ441のみでベルト355を張る場合よりも、無段変速プーリ353と出力プーリ354に接触するベルト長を長くしているものである。
株間調節ハンドル359の下端部にはネジ部359bが形成され、該ネジ部359bは円柱状のネジ受け360aに螺挿され、該ネジ受け360aは一端をテンションアーム443の後端部に回動可能に枢着される。
また、第一テンションローラ441よりも出力プーリ354側に第二テンションローラ442を配置して、第一テンションローラ441と第二テンションローラ442を枢支軸445に対して約90度位相をずらして配置して、該第二テンションローラ442にベルト355の外周面を当接させたので、被動側となる出力プーリ354のベルト355の巻き角度を約180度一定とすることができ、株間を安定させることができる。
本発明においては、上記したベルト式無段変速装置352による株間調節に加えて、ミッションケース104内部に3段変速式の株間変速機構を別設して、株間の調節幅を広くするように構成している。
株間変速入力軸356の後方には走行変速軸321を並設しており、該走行変速軸321上にはスプロケットギヤ323を設けるとともに、小径ギヤ322aと大径ギヤ322bとを有する変速ギヤ322を摺動可能にスプライン嵌合している。走行変速軸321の後下方には走行出力軸104bを設けており、該走行出力軸104b上に設けたスプロケット309と前記スプロケットギヤ323のスプロケット部にチェン325を巻回して、走行出力軸104bを駆動するようにしている。
株間変速出力軸357には第一カウンタ軸332に設けたギヤと噛合するギヤを複数設け、第一カウンタ軸332には第二カウンタ軸331に設けたギヤ371・372と常時噛合するギヤ378・376を設けている。また、前記株間変速出力軸357には間欠変更軸341に設けた遊転ギヤ381・382・383と噛合する伝動ギヤ386・387・388を備えている。
間欠変更軸341に伝達された動力はギヤ363を介して植付出力軸104aに伝達される。
株間変速軸344は株間変速レバーにより株間を「狭」「中」「広」の3段階に変更可能に構成しており、株間変速軸344の移動距離にともなって間欠変更軸341の爪部材392の先端部が係合する遊転ギヤが決定される。そして、係合された遊転ギヤに従って間欠変更軸341の回転数が決定され、植付出力軸104aの回転速度を変更して、株間距離を変更するのである。
株間変速レバー450は棒状の株間変速軸344と、該株間変速軸344の先端部に設けた球形状の取手454と、株間変速軸344の周面に設けられたパイプ452と、株間変速軸344の中途部から垂直方向に突設した突起部453とから構成されている。
前記パイプ452には三つの溝を設けており、外側から株間「狭」用の溝452a、株間「中」用の溝452b、株間「広」用の溝452cとしている。
従来の構成においては、前記パイプ452に設けた溝452a・452b・452cにベルトカバーの挿入位置を合わせることで株間変速の位置合わせをおこなっていたのである。
前記株間変速レバー450の側方には板状のガイドパネル461を立設しており、該ガイドパネル461にはクランク状または階段状に長孔を開口したレバーガイド461aを設けている。そして、該レバーガイド461aに株間変速レバー450の突起部453を挿通させて、株間変速レバー450の移動を規制するようにしている。
例えば、図13に示すように、ガイドパネル461のレバーガイド461bを階段状に形成して、該レバーガイド461a内に株間変速レバー450の突起部453を挿通して、株間変速軸344を半径方向に回転することで自動的に上下移動するように構成してもよいものである。
103 エンジン
104 ミッションケース
104a 植付出力軸
107 苗供給部
341 間欠変更軸
343 クラッチ軸
344 株間変速軸
352 ベルト式無段変速装置
357 株間変速出力軸
Claims (2)
- 苗供給部から取出した苗を移植部に受継いで圃場に植付けるようにした野菜移植機において、株間調節のためのベルト式無段変速装置を備えるとともに、ミッションケース内に有段式の株間変速機構を設け、該株間変速機構に連動する株間変速レバーに突起部を設けて、該株間変速レバーと平行にレバーガイドを設け、該レバーガイドで前記突起部を案内するように構成したことを特徴とする野菜移植機。
- 前記ベルト式無段変速装置を無段変速プーリと出力プーリとにベルトを巻回して構成し、該無段変速プーリと出力プーリの間のベルトの内周面と外周面に当接する第一テンションローラと第二テンションローラを配置し、該第一テンションローラと第二テンションローラをテンションアームの両側で枢支し、該テンションアームの中途部を枢支軸で枢支したことを特徴とする請求項1に記載の野菜移植機。
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