JP2007311262A - 電荷輸送材料組成物の製造方法、電荷輸送材料組成物、電荷輸送性薄膜、電荷輸送性薄膜の製造方法および有機電界発光素子 - Google Patents

電荷輸送材料組成物の製造方法、電荷輸送材料組成物、電荷輸送性薄膜、電荷輸送性薄膜の製造方法および有機電界発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、高い電荷注入・輸送能、特に高い正孔注入・輸送能を有する電荷輸送材料組成物及び電荷輸送性薄膜を提供することを課題とする。また、低電圧で駆動可能であり、駆動安定性に優れた有機電界発光素子を得ることを課題とする。
【解決手段】 電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送材料組成物を製造する方法であって、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物に紫外線を照射することを特徴とする、電荷輸送材料組成物の製造方法。または、電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送性薄膜を製造する方法であって、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物を用いて薄膜を形成し、該薄膜に紫外線を照射することを特徴とする、電荷輸送性薄膜の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機デバイス、特に有機電界発光素子に使用される電荷輸送材料組成物の製造方法および電荷輸送性薄膜の製造方法に関するものである。
近年、電界発光(electroluminescence:EL)素子としては、ZnS等の無機材料に
代わり、有機材料を用いた電界発光素子(有機電界発光素子)の開発が行なわれている。有機電界発光素子において、その発光効率の高さは重要な要素の1つであるが、発光効率については、芳香族アミン化合物を含む正孔輸送層と、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体からなる発光層とを設けた有機電界発光素子により、大幅に改善された。
有機電界発光素子の需要拡大に向けた大きな課題は、駆動電圧の低下である。例えば、携帯機器の表示素子ではバッテリーからの低電圧駆動が要請され、また、携帯用途以外の一般的用途においても、駆動ICのコストは駆動電圧に依存し、駆動電圧が低い方が低コストになる。また、連続駆動時に徐々に駆動電圧が上昇していくことも、表示素子の安定した表示特性を維持する上で大きな課題となっている。
これらの課題を解決するために、正孔輸送性化合物に各種の電子受容性化合物を混合して用いる試みがなされている。
例えば、特許文献1では、正孔輸送性高分子化合物に、電子受容性化合物としてトリス(4−ブロモフェニルアミニウムヘキサクロロアンチモネート)(TBPAH)を混合することで、低電圧駆動が可能な有機電界発光素子が得られることが開示されている。
また、特許文献2では、電荷輸送性化合物と特定のイオン化合物を含有する正孔注入層を形成することで、低電圧駆動が可能な有機電界発光素子が得られることが開示されている。
これらの技術によりある程度の駆動電圧を低くすることができたが、省電力化のためには更なる低電圧化が求められている。
特開平11−283750号公報 国際公開WO2005/089024号公報
本発明は、高い電荷注入・輸送能、特に高い正孔注入・輸送能を有する電荷輸送材料組成物及び電荷輸送性薄膜を提供することを課題とする。
また、低電圧で駆動可能であり、駆動安定性に優れた有機電界発光素子を得ることを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物或いは電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送性薄膜に紫外線を照射することによって、低電圧で、高い電荷輸送能、特に高い正孔輸送能を有する電荷輸送材料組成物或いは電荷輸送性薄膜を得られることがわかり本発明に到達した。
すなわち、本発明は、電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送材料組成物を製造する方法であって、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物に紫外線を照射することを特徴とする、電荷輸送材料組成物の製造方法、該製造方法により製
造された電荷輸送材料組成物、該組成物を用いて形成された電荷輸送性薄膜および該電荷輸送性薄膜を有する有機電界発光素子に存する。
また、本発明は、電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送性薄膜を製造する方法であって、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物を用いて薄膜を形成し、該薄膜に紫外線を照射することを特徴とする、電荷輸送性薄膜の製造方法、該製造方法により製造された電荷輸送性薄膜および該電荷輸送性薄膜を有する有機電界発光素子に存する。
本発明によれば、低電圧で電荷輸送可能な薄膜を製造することが可能になる。該電荷輸送性薄膜を有機電界発光素子の電荷輸送層として用いれば、低電圧化が可能であり、発光効率が高く、長寿命で信頼性の高い有機電界発光素子が得られる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容に特定はされない。
[I.電荷輸送材料組成物の製造方法]
本発明に係る電荷輸送材料組成物の製造方法は、電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送材料組成物を製造する方法であって、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物に紫外線を照射することを特徴とする製造方法である。
本発明における電荷輸送性材料組成物は、薄膜として電荷輸送性デバイスの陽極と陰極の間に存在し、電荷輸送性を担う。このような電荷輸送性デバイスとしては、たとえば、太陽電池、薄膜トランジスタ、電界発光素子、電子ペーパー、OPC等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明における電荷輸送材料組成物を有機電界発光素子の有機層に用いる場合について詳細に説明する。
電荷輸送材料組成物は、電荷輸送性薄膜を形成して、該薄膜を有機層として使用されることが好ましい。有機電界発光素子においては、後述するように、陽極と陰極との間に各種の有機層(例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層等)が積層して設けられる。本発明における電荷輸送材料組成物を用いて形成された電荷輸送性薄膜は、これらの有機層のうち何れに用いてもよいが、陽極に近い位置に(又は陽極上に直接)形成される有機層に用いられることが好ましい。通常は、有機電界発光素子の正孔注入層または正孔輸送層として用いられる。但し、その他の材料を含有させることにより、その他の層に用いられてもよく、該組成物或いは該薄膜に発光材料等を含有させることにより、発光層としての機能を持たせてもよい。
[I−1.電荷輸送材料組成物]
電荷輸送材料組成物は、電荷輸送材料および酸化剤を含有する。電荷輸送材料組成物は、溶剤を含有していてもよい。溶剤を含有していることにより、基材上に塗布・印刷することで容易に電荷輸送性薄膜を均一に形成することができる。
(電荷輸送材料)
本発明の電荷輸送材料組成物に含有される電荷輸送材料の種類は特に制限されないが、芳香族アミン化合物、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オリゴチオフェン誘導体等が挙げられる。中でも、非晶質性、溶媒への溶解度、可視光の透過率の点から、芳香族アミン化合物が好ましい。また、正孔輸送能の観点からは、4.5eV〜5.5eVのイオン化ポテンシャルを有する化合物であることが好ましい。
芳香族アミン化合物の中でも、本発明では特に、芳香族三級アミン化合物が好ましい。なお、本発明でいう芳香族三級アミン化合物とは、芳香族三級アミン構造を有する化合物であって、芳香族三級アミン由来の基を有する化合物も含む。
芳香族三級アミン化合物は、高分子化合物であっても低分子化合物であってもかまわない。また、本発明の電荷輸送材料組成物に含有される電荷輸送材料としての芳香族三級アミン化合物は単独化合物であっても複数の化合物の混合物であってもかまわない。混合物である場合、高分子化合物と低分子化合物の混合物であってもかまわない。
芳香族三級アミン化合物としては、例えば、ビナフチル系化合物(特開2004−014187)および非対称1,4−フェニレンジアミン化合物(特開2004−026732)が好ましい。また、従来、有機電界発光素子における正孔注入・輸送性の薄膜形成材料として利用されてきた化合物を使用してもかまわない。
正孔注入・輸送性の薄膜形成材料として利用されてきた、従来公知の化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン等の3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物(特開昭59−194393号公報);4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族アミン化合物(特開平5−234681号公報);トリフェニルベンゼンの誘導体でスターバースト構造を有する芳香族トリアミン化合物(米国特許第4,923,774号);N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族ジアミン化合物(米国特許第4,764,625号);α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ジ(p−トリル)アミノフェニル)−p−キシレン(特開平3−269084号公報);分子全体として立体的に非対称なトリフェニルアミン誘導体(特開平4−129271号公報);ピレニル基に芳香族ジアミノ基が複数個置換した化合物(特開平4−175395号公報);エチレン基で3級芳香族アミンユニットを連結した芳香族ジアミン化合物(特開平4−264189号公報);スチリル構造を有する芳香族ジアミン(特開平4−290851号公報);チオフェン基で芳香族3級アミンユニットを連結した化合物(特開平4−304466号公報);スターバースト型芳香族トリアミン化合物(特開平4−308688号公報);ベンジルフェニル化合物(特開平4−364153号公報);フルオレン基で3級アミンを連結した化合物(特開平5−25473号公報);トリアミン化合物(特開平5−239455号公報);ビスジピリジルアミノビフェニル(特開平5−320634号公報);N,N,N−トリフェニルアミン誘導体(特開平6−1972号公報);フェノキサジン構造を有する芳香族ジアミン(特開平7−138562号公報);ジアミノフェニルフェナントリジン誘導体(特開平7−252474号公報);ヒドラゾン化合物(特開平2−311591号公報);シラザン化合物(米国特許第4,950,950号公報);シラナミン誘導体(特開平6−49079号公報);ホスファミン誘導体(特開平6−25659号公報);キナクリドン化合物等が挙げられる。
また、フタロシアニン誘導体又はポルフィリン誘導体の好ましい具体例としては、ポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリンコバルト(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン銅(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリン亜鉛(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィリンバナジウム(IV)オキシド、5,10,15,20−テトラ(4−ピリジル)−21H,23H−ポルフィリン、29H,31H−フタロシアニン銅(II)、フタロシアニン亜鉛(II)、フタロシアニンチタン、フタロシアニンオキシドマグネシウム、フタロシアニン鉛、フタロシアニン銅(II)、4,4’,4”,4'''−テトラアザ−29H,31H−フタロシアニン等が挙
げられる。
また、オリゴチオフェン誘導体の好ましい具体例としては、α−ターチオフェンとその誘導体、α−セキシチオフェンとその誘導体、ナフタレン環を含有するオリゴチオフェン誘導体(特開6−256341)等が挙げられる。
電荷輸送材料組成物は必要に応じて、これら電荷輸送材料の2種以上を混合して用いてもよい。
芳香族三級アミン高分子化合物の好ましい例としては、下記式(I)または下記式(II)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が挙げられる。
Figure 2007311262
また、芳香族三級アミン高分子化合物の別の好ましい例としては、上記式(II)表わされる繰り返し単位と下記式(III)表わされる繰り返し単位とを有する高分子化合物が挙
げられる。
Figure 2007311262
(式(I)中、Ar〜Arは各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表わす。Ar〜Arは各々独立して、置換基を有していてもよい2価の芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表わす。
式(II)および式(III)中、Ar〜Arは各々独立して、置換基を有していてもよ
い2価の芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい2価の芳香族複素環基を表わす。Xは、下記の連結基群X1の中から選ばれる連結基を表わす。)
連結基群X1:
Figure 2007311262
(上記連結基群X1において、Ar11〜Ar27は、各々独立して、置換基を有していてもよい、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。R31およびR32は、各々独立して、水素原子または任意の置換基を表す。R33〜R35は任意の基を表す。)
Ar〜Ar及びAr11〜Ar27としては、任意の芳香族炭化水素環又は芳香族複素環由来の、1価又は2価の基が適用可能である。これらは各々同一であっても、互いに異なっていてもよい。また、任意の置換基を有していてもよい。但し、上記式(II)で表わされる繰り返し単位と上記式(III)で表わされる単位とを有する高分子化合物の場合
には、ArとArは同一ではない。
なお、上記ArとArが同一ではないとは、例えば、ArとArがいずれもフェニレン基(ベンゼン環)であって、それぞれ窒素原子と酸素原子との結合位置が異なるもの、例えば後掲の例示化合物P−29−1のように1,4−フェニレン基と1,3−フェニレン基であるような場合も含む。
前記芳香族炭化水素環としては、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環が挙げられる。具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオランテン環、フルオレン環などが挙げられる。
前記芳香族複素環としては、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環が挙げられる。具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環などが挙げられる。
また、Ar〜Ar、Ar11〜Ar16、Ar18、Ar19、Ar21〜Ar26としては、上に例示した1種類又は2種類以上の芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環由来の2価の基を2つ以上連結して用いることもできる。
この場合の任意の2価の連結基を例示するならば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリールアミノ基(−N(Ar)−:Arはアリール基)、アルキルアミ
ノ基(−N(R)−:Rはアルキル基)、カルボニル基、エーテル基が挙げられる。
31、R32は、水素原子または任意の置換基が適用可能であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。ここで、適用可能な置換基を例示するならば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、シリル基、シロキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が挙げられる。芳香族炭化水素基および芳香族複素環基としては、上記Ar〜Ar27として例示したものが挙げられる。
33〜R35は、任意の2価の基が適用可能である。ここで、適用可能な2価の基を例示するならば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、芳香族炭化水素環由来の2価の基、芳香族複素環由来の2価の基が挙げられ、1種類または2種類以上の2価の基を連結して用いることもできる。芳香族炭化水素基および芳香族複素環基としては、上記Ar〜Ar27として例示したものが挙げられる。
Ar〜Ar及びAr11〜Ar27の芳香族炭化水素環及び/又は芳香族複素環由来の基が有してもよい置換基としては、例えば、下記の置換基群Zより選ばれる1種または2種以上が挙げられる。
〈置換基群Z〉
メチル基、エチル基等の好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜8のアルキル基;
ビニル基等の好ましくは炭素数2〜11、さらに好ましくは炭素数2〜5のアルケニル基;
エチニル基等の好ましくは炭素数2〜11、さらに好ましくは炭素数2〜5のアルキニル基;
メトキシ基、エトキシ基等の好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基、ピリジルオキシ基等の好ましくは炭素数4〜25、さらに好ましくは炭素数5〜14のアリールオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の好ましくは炭素数2〜11、さらに好ましくは炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;
ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の好ましくは炭素数2〜20、さらに好ましくは炭素数2〜12のジアルキルアミノ基;
ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−カルバゾリル基等の好ましくは炭素数10〜30、さらに好ましくは炭素数12〜22のジアリールアミノ基;
フェニルメチルアミノ基等の好ましくは炭素数6〜25、さらに好ましくは炭素数7〜17のアリールアルキルアミノ基;
アセチル基、ベンゾイル基等の好ましくは炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜7のアシル基;
フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;
トリフルオロメチル基等の好ましくは炭素数1〜8、さらに好ましくは炭素数1〜4のハロアルキル基;
メチルチオ基、エチルチオ基等の好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6のアルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等の好ましくは炭素数4〜25、さらに好ましくは炭素数5〜14のアリールチオ基;
トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等の好ましくは炭素数2〜33、さらに好ましくは炭素数3〜26のシリル基;
トリメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等の好ましくは炭素数2〜33、さらに好ましくは炭素数3〜26のシロキシ基;
シアノ基;
フェニル基、ナフチル基等の好ましくは炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数6〜18の芳香族炭化水素基;
チエニル基、ピリジル基等の好ましくは炭素数3〜28、さらに好ましくは炭素数4〜17の芳香族複素環基
上記各置換基の分子量としては、400以下、中でも250以下程度が好ましい。
高分子化合物の溶解性、耐熱性の点から、Ar〜Arは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、チオフェン環、ピリジン環からなる群より選ばれる環由来の2価の基、および、前記群から選ばれる1種または2種以上の環を直接結合により連結した2価の基が好ましく、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、ナフチレン基がさらに好ましい。
また、特にArおよびArはともに、置換基を有していてもよいフェニレン基または置換基を有していてもよいフェニレン基が複数個連結された基(例えば、ビフェニレン基、ターフェニレン基等)であること、すなわち、下記式(IV)で表されるフェニレン基、又は、フェニレン基を直接結合により連結した2価の基であることが特に好ましい。
Figure 2007311262
(式(IV)中、pは自然数を表し、1〜3が好ましい。式(IV)中のベンゼン環は任意の置換基を有していてもよいが、置換基を有していないことが好ましい。)
Ar〜Arは、置換基を有する場合はその置換基も含めて、各々、分子量1000以下、特に500以下であることが好ましい。
高分子化合物の溶解性、耐熱性の点から、Ar、Ar、Arは、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいナフチル基が好ましく、1または2置換のフェニル基、無置換のフェニル基がさらに好ましく、ビフェニル基が特に好ましい。また、Ar、Ar、Arは、電荷輸送性の点から、ジフェニルアミノ基、N−カルバゾリル基等のジアリールアミノ基を置換基として有する、フェニル基、ビフェニル基が好ましい。
高分子化合物の正孔注入・輸送性の点から、Ar6およびAr7は、下記式(V)で表されるような、1種又は2種以上の芳香族炭化水素基Ar41、Ar42が、アリールアミノ基(−N(Ar43)−)で連結されてなる2価の基であることが好ましい。
Figure 2007311262
(式(V)中、Ar41〜Ar43は、各々独立して、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を表す。)
Ar41〜Ar43の芳香族炭化水素基としては、Ar11〜Ar27の芳香族炭化水素基として挙げたものを使用できる。また、置換基としては、前述の置換基群Zから選ばれた1種
又は2種以上が挙げられる。
また、Ar、Ar、Arの分子量は、置換基も含めて、1000以下、特に500以下であることが好ましい。
高分子化合物の溶解性、耐熱性の点から、Xは、下記の連結基群X2の中から選ばれる連結基であることが好ましい。
〈連結基群X2〉
Figure 2007311262
(上記連結基群X2において、Ar11〜Ar16、R31,R32は連結基群X1におけると同義である。)
特に、Ar11〜Ar16は、置換基を有していてもよいp−フェニレン基であることが好ましく、Ar17は、置換基を有していてもよいフェニル基であることが好ましい。また、R31、R32は、各々独立して、置換基を有していてもよい、炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基であることが特に好ましい。
溶解性、耐熱性、正孔注入・輸送性の点から、高分子化合物は、繰り返し単位(I)、(II)、(III)のそれぞれに、部分構造として、N−カルバゾリル基を有することが好
ましい。なお、上記N−カルバゾリル基は任意の位置に任意の置換基を有していてもよく、その置換基としては、前述の置換基群Zから選ばれるものが挙げられる。
以下に、本発明において適用可能な、式(I)、(II)、(III)で表わされる繰り返
し単位の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
式(I)の好ましい具体例
Figure 2007311262
Figure 2007311262
Figure 2007311262
Figure 2007311262
上記具体例のうち、耐熱性、電荷輸送性の点で、より好ましくは(P−1)〜(P−11),(P−13)〜(P−18),(P−20),(P−21),(P−23),(P−25),(P−26)の繰り返し単位であり、更に好ましくは、(P−1),(P−3),(P−4),(P−6),(P−9),(P−10)の繰り返し単位である。
式(II)、(III)の好ましい具体例
Figure 2007311262
Figure 2007311262
Figure 2007311262
該高分子化合物は、上記の繰り返し単位のうち、何れか一種のみからなる単独重合体であってもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で含有する共重合体であってもよい
。後者の場合、共重合体の形態はブロック共重合でもランダム共重合でもよい。
また、本発明の電荷輸送材料組成物は、上に説明した芳香族三級アミン高分子化合物などの高分子化合物のうち、何れか一種のみを単独で含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で含有していてもよい。また、高分子化合物は、以下に記載するような他の繰り返し単位が含まれていてもよい。
Figure 2007311262
(Xは、前記連結基群X1の中から選ばれる連結基を表す。)
該高分子化合物の重量平均分子量は、通常1,000,000以下、好ましくは300,000以下、より好ましくは100,000以下であり、また通常1,000以上、好ましくは3,000以上、より好ましくは10,000以上である。
通常、この重量平均分子量はSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)測定により決定される。SEC測定では高分子量成分ほど溶出時間が短く、低分子量成分ほど溶出時間が長くなるが、分子量既知のポリスチレン(標準試料)の溶出時間から算出した校正曲線を用いて、サンプルの溶出時間を分子量に換算することによって、重量平均分子量が算出される。
分子量がこの上限値を超えると、不純物の高分子量化によって精製が困難となる場合があり、また分子量がこの下限値を下回ると、ガラス転移温度および、融点、気化温度などが低下するため、耐熱性が著しく損なわれるおそれがある。
本発明の高分子化合物のガラス転移温度は、通常90℃以上であり、有機電界発光素子の耐熱性を含めた駆動安定性の点で好ましくは110℃以上、さらに好ましくは130℃以上である。
また、酸化される電位は、通常+0.3〜+1.3Vvs.SCEであり、正孔注入・輸
送性の点で、好ましくは+0.5〜+1.1Vvs.SCEであり、イオン化ポテンシャル
は、通常4.6〜5.6eVであり、正孔注入・輸送性の点で、好ましくは4.9〜5.4eVである。
(酸化剤)
次に、酸化剤について説明する。
酸化剤とは、酸化力を有し、本発明の電荷輸送材料から一電子受容する能力を有する化合物が好ましく、具体的には、電子親和力が4eV以上である化合物が好ましく、5eV以上の化合物である化合物がさらに好ましい。
例としてはトリアリールホウ素化合物、ハロゲン化金属、ルイス酸、有機酸、アリールアミンとハロゲン化金属との塩、アリールアミンとルイス酸とのイオン塩、4−イソプロピル−4’−メチルジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラ
ート等の有機基の置換したオニウム塩、塩化鉄(III)(特開平11−251067)、
ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の高原子価の無機化合物、テトラシアノエチレン等のシアノ化合物、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(特開2003−31365)等の芳香族ホウ素化合物、フラーレン誘導体、ヨウ素等、下記式(VI−1)〜(VI−3)で表わされるイオン化合物が挙げられる。
上記の化合物のうち、強い酸化力を有する点で有機基の置換したオニウム塩、高原子価の無機化合物が好ましく、種々の溶剤に可溶で湿式塗布に適用可能である点で有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物が好ましい。特に、有機基の置換したオニウム塩が好ましく、中でもヨードニウム塩が好ましい。
酸化剤として好適な有機基の置換したオニウム塩、シアノ化合物、芳香族ホウ素化合物の具体例としては、WO2005/089024号公報に記載のものが挙げられ、その好適例も同様であるが、何らそれらに限定されるものではない。
また、耐熱性が高いという点から、酸化剤は、下記式(VI−1)〜(VI−3)で表わされるイオン化合物であることが好ましい。
Figure 2007311262
上記式(VI−1)〜(VI−3)中、R11、R21及びR31は、各々独立に、A1〜A3と炭素原子で結合する有機基を表わす。R12、R22、R23及びR32〜R34は、各々独立に、任意の基を表わす。R11〜R34のうち隣接する2以上の基が、互いに結合して環を形成していてもよい。
1〜A3は何れも周期表第3周期以降の元素であって、A1は長周期型周期表の第17
族に属する元素を表わし、A2は長周期型周期表の第16族に属する元素を表わし、A3は長周期型周期表の第15族に属する元素を表わす。
1 n1−〜Z3 n3−は、各々独立に、対アニオンを表わす。n1〜n3は、各々独立に、対アニオンのイオン価を表わす。)
上記式(VI−1)〜(VI−3)中、R11、R21及びR31は、各々独立に、A1〜A3と炭素原子で結合する有機基を表わし、R12、R22、R23及びR32〜R34は、各々独立に、任意の置換基を表わす。R11〜R34のうち隣接する2以上の基が、互いに結合して環を形成していてもよい。
11、R21及びR31としては、A1〜A3との結合部分に炭素原子を有する有機基であれば、本発明の趣旨に反しない限り、その種類は特に制限されない。R11、R21及びR31の分子量は、それぞれ、その置換基を含めた値で、通常1000以下、好ましくは500以下の範囲である。R11、R21及びR31の好ましい例としては、正電荷を非局在化させる点から、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が挙げられる。中でも、正電荷を非局在化させるとともに熱的に安定であることから、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が好ましい。
芳香族炭化水素基としては、5又は6員環の単環又は2〜5縮合環由来の1価の基であり、正電荷を当該基上により非局在化させられる基が挙げられる。その具体例としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ペリレン環、テトラセン環、ピレン環、ベンズピレン環、クリセン環、トリフェニレン環、アセナフテン環、フルオレン環等の由来の一価の基が挙げられる。
芳香族複素環基としては、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の1価の基であり、正電荷を当該基上により非局在化させられる基が挙げられる。その具体例としては、フラン環、ベンゾフラン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、オキサジアゾール環、インドール環、カルバゾール環、ピロロイミダゾール環、ピロロピラゾール環、ピロロピロール環、チエノピロール環、チエノチオフェン環、フロピロール環、フロフラン環、チエノフラン環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環、シノリン環、キノキサリン環、フェナントリジン環、ベンゾイミダゾール環、ペリミジン環、キナゾリン環、キナゾリノン環、アズレン環等の由来の一価の基が挙げられる。
アルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基であって、その炭素数が通常1以上、また、通常12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が通常2以上、通常12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基等が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数が通常2以上、通常12以下、好ましくは6以下のものが挙げられる。具体例としては、エチニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
12、R22、R23及びR32〜R34の種類は、本発明の趣旨に反しない限り特に制限されない。R12、R22、R23及びR32〜R34の分子量は、それぞれ、その置換基を含めた値で、通常1000以下、好ましくは500以下の範囲である。R12、R22、R23及びR32〜R34の例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノ基、水酸基、チオール基、シリル基等が挙げられる。中でも、R11、R21及びR31と同様、電子受容性が大きい点から、A1〜A3との結合部分に炭素原子を有する有機基が好ましく、例としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が好ましい。特に、電子受容性が大きいとともに熱的に安定であることから、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基が好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基としては、R11、R21及びR31について先に説明したものと同様のものが挙げられる。
アミノ基としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基等が挙げら
れる。
アルキルアミノ基としては、炭素数が通常1以上、また、通常12以下、好ましくは6以下のアルキル基を1つ以上有するアルキルアミノ基が挙げられる。具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
アリールアミノ基としては、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、また、通常25以下、好ましくは15以下の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を1つ以上有するアリールアミノ基が挙げられる。具体例としては、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、トリルアミノ基、ピリジルアミノ基、チエニルアミノ基等が挙げられる。
アシルアミノ基としては、炭素数が通常2以上、また、通常25以下、好ましくは15以下のアシル基を1つ以上有するアシルアミノ基が挙げられる。具体例としては、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数が通常1以上、また、通常12以下、好ましくは6以下のアルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、また、通常25以下、好ましくは15以下の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を有するアリールオキシ基が挙げられる。具体例としては、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、ピリジルオキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、炭素数が通常1以上、また、通常25以下、好ましくは15以下のアシル基が挙げられる。具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数が通常2以上、また、通常10以下、好ましくは7以下のアルコキシカルボニル基が挙げられる。具体例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、また、通常25以下、好ましくは15以下の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を有するものが挙げられる。具体例としては、フェノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、炭素数が通常2以上、また、通常10以下、好ましくは7以下のアルキルカルボニルオキシ基が挙げられる。具体例としては、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基等が挙げられる。
アルキルチオ基としては、炭素数が通常1以上、また、通常12以下、好ましくは6以下のアルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基等が挙げられる。
アリールチオ基としては、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、また、通常25以下、好ましくは14以下のアリールチオ基が挙げられる。具体例としては、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、ピリジルチオ基等が挙げられる。
アルキルスルホニル基及びアリールスルホニル基の具体例としては、メシル基、トシル基等が挙げられる。
スルホニルオキシ基の具体例としては、メシルオキシ基、トシルオキシ基等が挙げられる。
シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基など挙げられる。
以上、R11、R21、R31、R12、R22、R23、及びR32〜R34として例示した基は、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、更に他の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類は特に制限されないが、例としては、上記R11、R21、R31、R12、R22、R23、及びR32〜R34としてそれぞれ例示した基の他、ハロゲン原子、シアノ基、チオシアノ基、ニトロ基等が挙げられる。中でも、耐熱性及び電子受容性の妨げにならない観点から、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基が好ましい。
式(VI−1)〜(VI−3)中、A1〜A3は、何れも周期表第3周期以降(第3〜第6周期)の元素であって、A1は、長周期型周期表の第17族に属する元素を表わし、A2は、第16族に属する元素を表わし、A3は、第15族に属する元素を表わす。
中でも、電子受容性及び入手容易性の観点から、周期表の第5周期以前(第3〜第5周期)の元素が好ましい。即ち、A1としてはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子のうち何れ
かが好ましく、A2としてはテルル原子、セレン原子、硫黄原子のうち何れかが好ましく
、A3としてはアンチモン原子、ヒ素原子、リン原子のうち何れかが好ましい。
特に、電子受容性、化合物の安定性の面から、式(VI−1)におけるA1が臭素原子又
はヨウ素原子である化合物、又は、式(VI−2)におけるA2がセレン原子又は硫黄原子
である化合物が好ましく、中でも、式(VI−1)におけるA1がヨウ素原子である化合物
が最も好ましい。
式(VI−1)〜(VI−3)中、Z1 n1−〜Z3 n3−は、各々独立に、対アニオンを表わす。対アニオンの種類は特に制限されず、単原子イオンであっても錯イオンであってもよい。但し、対アニオンのサイズが大きいほど負電荷が非局在化し、それに伴い正電荷も非局在化して電子受容能が大きくなるため、単原子イオンよりも錯イオンの方が好ましい。
1〜n3は、各々独立に、対アニオンZ1 n1−〜Z3 n3−のイオン価に相当する任意の正の整数である。n1〜n3の値は特に制限されないが、何れも1又は2であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
1 n1−〜Z3 n3−の具体例としては、水酸化物イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、シアン化物イオン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、過塩素酸イオン、過臭素酸イオン、過ヨウ素酸イオン、塩素酸イオン、亜塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次亜リン酸イオン、ホウ酸イオン、イソシアン酸イオン、水硫化物イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサクロロアンチモン酸イオン;酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、安息香酸イオン等のカルボン酸イオン;メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオン;メトキシイオン、t−ブトキシイオン等のアルコキシイオンなどが挙げられる。
特に、対アニオンZ1 n1−〜Z3 n3−としては、化合物の安定性、溶媒への溶解性の点で、下記式(VI−4)〜(VI−6)で表わされる錯イオンが好ましく、サイズが大きいという点で、負電荷が非局在化し、それに伴い正電荷も非局在化して電子受容能が大きくなるため、下記式(VI−6)で表わされる錯イオンが更に好ましい。
Figure 2007311262
式(VI−4)及び(VI−6)中、E1及びE3は、各々独立に、長周期型周期表の第13族に属する元素を表わす。中でもホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子が好ましく、化合物の安定性、合成及び精製のし易さの点から、ホウ素原子が好ましい。
式(VI−5)中、Eは、長周期型周期表の第15族に属する元素を表わす。中でもリン原子、ヒ素原子、アンチモン原子が好ましく、化合物の安定性、合成及び精製のし易さ、毒性の点から、リン原子が好ましい。
式(VI−4)及び(VI−5)中、X4及びX6は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表わし、化合物の安定性、合成及び精製のし易さの点からフッ素原子、塩素原子であることが好ましく、フッ素原子であることが最も好ましい。
式(VI−6)中、Ar61〜Ar64は、各々独立に、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表わす。芳香族炭化水素基、芳香族複素環基の例示としては、R11、R21及びR31について先に例示したものと同様の、5又は6員環の単環又は2〜4縮合環由来の1価の基が挙げられる。中でも、化合物の安定性、耐熱性の点から、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、トリアジン環、キノリン環、イソキノリン環由来の1価の基が好ましい。
Ar61〜Ar64として例示した芳香族炭化水素基、芳香族複素環基は、本発明の趣旨に反しない限りにおいて、更に別の置換基によって置換されていてもよい。置換基の種類は特に制限されず、任意の置換基が適用可能であるが、電子吸引性の基であることが好ましい。
Ar61〜Ar64が有してもよい置換基として好ましい電子吸引性の基を例示するならば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;シアノ基;チオシアノ基;ニトロ基;メシル基等のアルキルスルホニル基;トシル基等のアリールスルホニル基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等の、炭素数が通常1以上、通常12以下、好ましくは6以下のアシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、炭素数が通常2以上、通常10以下、好ましくは7以下のアルコキシカルボニル基;フェノキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等の、炭素数が通常3以上、好ましくは4以上、通常25以下、好ましくは15以下の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を有するアリールオキシカルボニル基;アミノカルボニル基;アミノスルホニル基;トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基等の、炭素数が通常1以上、通常10以下、好ましくは6以下の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基にフッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子が置換したハロアルキル基、などが挙げられる。
中でも、Ar61〜Ar64のうち少なくとも1つの基が、フッ素原子又は塩素原子を置換基として1つ又は2つ以上有することがより好ましい。特に、負電荷を効率よく非局在化する点、及び、適度な昇華性を有する点から、Ar61〜Ar64の水素原子がすべてフッ素
原子で置換されたパーフルオロアリール基であることが最も好ましい。パーフルオロアリール基の具体例としては、ペンタフルオロフェニル基、ヘプタフルオロ−2−ナフチル基、テトラフルオロ−4−ピリジル基等が挙げられる。
対アニオンの分子量は、通常100以上、好ましくは300以上、更に好ましくは400以上、また、通常5000以下、好ましくは3000以下、更に好ましくは2000以下の範囲である。該化合物の分子量が小さすぎると、正電荷及び負電荷の非局在化が不十分なため、電子受容能が低下するおそれがあり、対アニオンの分子量が大きすぎると、該化合物自体が電荷輸送の妨げとなるおそれがある。
以下に式(VI−4)〜(VI−6)で表わされる対アニオンの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007311262
本発明の電荷輸送材料組成物は、上に説明した各種の酸化剤のうち、何れか一種を単独で含有していてもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で含有していてもよい。二種以上の酸化剤を含有する場合には、上記式(VI−1)〜(VI−3)のうち何れか一つの式に該当する酸化剤を二種以上組み合わせてもよく、それぞれ異なる式に該当する二種以上の酸化剤を組み合わせてもよい。
本発明の電荷輸送材料組成物に含有される酸化剤の割合は、電荷輸送材料組成物全体に対する重量比の値で、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、また、通常99重量%以下、好ましくは99重量%以下さらに好まし
くは90重量%以下である。二種以上の電荷輸送材料を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
本発明の電荷輸送材料組成物における酸化剤の含有量は、電荷輸送材料に対する値で、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、また、通常200重量%以下、好ましくは100重量%以下である。二種以上の酸化剤を併用する場合には、これらの合計の含有量が上記範囲に含まれるようにする。
なお、電荷輸送材料組成物の形成時或いは形成後に、上記電荷輸送材料が、この酸化剤と反応することにより、成膜後の電荷輸送材料組成物中では、電荷輸送材料のカチオンラジカル及びイオン化合物が生成している場合がある。
(溶剤)
本発明の電荷輸送材料組成物は、溶剤を含んでいてもよい。電荷輸送材料組成物に含まれる溶剤は、電荷輸送材料組成物に含まれる前記本発明の電荷輸送材料および酸化剤を溶解する溶剤であれば特に限定されることはない。ここで、該電荷輸送材料および酸化剤を溶解する溶剤とは、該電荷輸送材料を通常0.05重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上溶解する溶剤である。
また、特に、有機電界発光素子においては、正孔注入・輸送性を高くし、有機電界発光素子の駆動電圧を低下させるためには、酸化剤を含有する正孔注入層を形成することが好ましい。このため、有機電界発光素子の正孔注入層を湿式製膜法にて形成するための電荷輸送材料組成物にあっては、用いる溶剤は、この酸化剤を0.005重量%以上溶解することが好ましく、0.05重量%以上溶解することがより好ましく、0.5重量%以上溶解することがさらに好ましい。
さらに、前述したように、有機電界発光素子の正孔注入層を湿式製膜法にて形成するために用いる溶剤は、本発明の電荷輸送材料組成物に含まれる、電荷輸送材料、酸化剤、それらの混合から生じる電荷輸送材料のカチオンラジカルを失活させる失活物質または失活物質を発生させるものを含まないものが好ましい。失活させる失活物質または失活物質を発生させるものとしては、例えば、プロトン酸およびハロゲン系溶媒、エチルアルコール等のアルコール系溶媒が挙げられる。
好ましい溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒およびエステル系溶媒が挙げられる。具体的には、エーテル系溶媒としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセタート(PGMEA)等の脂肪族エーテル;1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、アニソール、フェネトール、2−メトキシトルエン、3−メトキシトルエン、4−メトキシトルエン、2,3−ジメチルアニソール、2,4−ジメチルアニソール等の芳香族エーテル等が挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル等の脂肪族エステル;酢酸フェニル、プロピオン酸フェニル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸n−ブチル等の芳香族エステル等が挙げられる。これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの溶媒の電荷輸送材料組成物中の濃度は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、より好ましくは50%重量以上、また、通常99.999重量%以下、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下の範囲である。
なお、溶媒として、前述した溶媒以外にも、必要に応じて、各種の他の溶媒を含んでいてもよい。このような他の溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等
のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。ただし、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒は、電荷輸送材料、酸化剤、それらの混合から生じる電荷輸送材料のカチオンラジカルを溶解する能力が低いため、エーテル系溶媒およびエステル系溶媒等と混合して用いることが好ましい。
なお、有機電界発光素子は、多数の有機化合物からなる層を積層して形成するため、各層がいずれも均一な層であることが要求される。湿式成膜法で層形成する場合、層形成用の溶液(組成物)に水分が混入することにより、塗膜に水分が混入して膜の均一性が損なわれるため、電荷輸送材料組成物中の水分含有量はできるだけ少ない方が好ましい。
具体的には、本発明の電荷輸送材料組成物を用いて湿式成膜法にて層形成する場合、この電荷輸送材料組成物中に含まれる水分量は、1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下である。
また、一般に、有機電界発光素子は、陰極等の水分により著しく劣化する材料が多く使用されているため、素子の劣化の観点からも、水分の存在は好ましくない。
電荷輸送材料組成物中の水分量を低減する方法としては、例えば、窒素ガスシール、乾燥剤の使用、溶媒を予め脱水する、水の溶解度が低い溶媒を使用する等の方法が挙げられる。なかでも、水の溶解度が低い溶媒を使用する場合は、湿式成膜工程中に、形成された膜が大気中の水分を吸収して白化する現象を防ぐことができるため好ましい。
この様な観点からは、本発明の電荷輸送材料組成物を用いて、特に湿式成膜法により膜形成する用途に用いる場合、該電荷輸送材料組成物は、例えば、25℃における水の溶解度が1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下である溶媒を、組成物中に10重量%以上含有することが好ましい。なお、この水溶解度条件を満たす溶媒が電荷輸送材料組成物中に30重量%以上であればより好ましく、50重量%以上であれば特に好ましい。
本発明の電荷輸送材料組成物中の電荷輸送材料、酸化剤および必要に応じて添加可能な成分(正孔輸送性化合物、レベリング剤など)などの固形分濃度は、通常0.01重量%以上、好ましくは0.05重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.5重量%以上、最も好ましくは1重量%以上であり、通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下、最も好ましくは20重量%以下である。この濃度が下限を下回ると、薄膜を形成する場合、厚膜を形成するのが困難となり、上限を超えると、薄膜を形成するのが困難となる。
また、本発明の電荷輸送材料組成物において、酸化剤/電荷輸送材料および酸化剤の重量混合比は、通常0.1/99.9以上であり、より好ましくは0.5/99.5以上であり、さらに好ましくは1/99以上であり、最も好ましくは2/98以上で、通常90/10以下であり、より好ましくは70/30以下であり、さらに好ましくは50/50以下である。この比が下限を下回ったり、上限を超えたりすると、正孔注入性や耐熱性が低下するおそれがある。
(組成物の物性等)
本発明の電荷輸送材料組成物を用いた湿式成膜法により層形成して有機電界発光素子を製造する場合、用いる電荷輸送材料組成物に水分が存在すると、形成された膜に水分が混入して膜の均一性が損なわれるため、本発明の電荷輸送材料組成物中の水分含有量はできるだけ少ない方が好ましい。また一般に、有機電界発光素子は、陰極等の水分により著しく劣化する材料が多く使用されているため、電荷輸送材料組成物中に水分が存在した場合、乾燥後の膜中に水分が残留し、素子の特性を低下させる可能性が考えられ好ましくない。
具体的には、本発明の電荷輸送材料組成物中に含まれる水分量は、通常1重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、より好ましくは0.01重量%以下である。
電荷輸送材料組成物中の水分濃度の測定方法としては、日本工業規格「化学製品の水分測定法」(JIS K0068:2001)に記載の方法が好ましく、例えば、カールフィッシャー試薬法(JIS K0211−1348)等により分析することができる。
本発明の電荷輸送材料組成物は、湿式成膜プロセスでの安定性、例えば、インクジェット成膜法におけるノズルからの吐出安定性を高めるためには、常温で均一な液状であることが好ましい。常温で均一な液状とは、組成物が均一相からなる液体であり、かつ組成物中に粒径0.1μm以上の粒子成分を含有しないことをいう。
本発明の電荷輸送材料組成物の粘度については、極端に低粘度の場合は、例えば成膜工程における過度の液膜流動による塗面不均一、インクジェット成膜におけるノズル吐出不良等が起こりやすくなり、極端に高粘度の場合は、インクジェット成膜におけるノズル目詰まり等が起こりやすくなる。このため、本発明の組成物の25℃における粘度は、通常1mPa・s以上、好ましくは3mPa・s以上、より好ましくは5mPa・s以上であり、通常1000mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以下、より好ましくは50mPa・s以下である。
また、本発明の電荷輸送材料組成物の表面張力が高い場合は、基板に対する成膜用液の濡れ性が低下する、液膜のレベリング性が悪く、乾燥時の成膜面乱れが起こりやすくなる等の問題が発生するため、本発明の組成物の20℃における表面張力は、通常50mN/m未満、好ましくは40mN/m未満である。
さらに、本発明の電荷輸送材料組成物の蒸気圧が高い場合は、溶媒の蒸発による溶質濃度の変化等の問題が起こりやすくなる。このため、本発明の組成物の25℃における蒸気圧は、通常50mmHg以下、好ましくは10mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下である。
尚、本発明の電荷輸送材料組成物は、上述の電荷輸送材料、酸化剤、溶剤に加えて、その他の成分を含有していてもよい。
[I−2.電荷輸送材料組成物の製造方法]
本発明の電荷輸送材料組成物の製造方法は、該組成物に紫外線を照射することを特徴とする。
まず、本発明の製造方法においては、上述の電荷輸送材料及び酸化剤を含有する組成物を調製する。該組成物は溶剤を含有することが好ましく、溶剤を含有する場合、本発明の電荷輸送材料組成物は、電荷輸送材料、酸化剤および必要に応じて添加可能な成分よりなる溶質を、適当な溶剤に溶解させることにより調製される。溶解工程に要する時間を短縮するため、および組成物中の溶質濃度を均一に保つため、通常液を撹拌しながら溶質を溶解させる。溶解工程は常温で行ってもよいが、溶解速度が遅い場合は加熱して溶解させることもできる。溶解工程終了後、必要に応じて、フィルタリング等の濾過工程を経由してもよい。
本発明においては、上記調製された組成物に紫外線を照射する。通常、電荷輸送性材料組成物または電荷輸送性薄膜は、紫外線の照射により劣化が促進されるため、400〜500nmの波長以下の光をカットしたイエロールームで製造されるが、本発明では、電荷輸送材料から酸化剤への電子移動を促進させるため、あえて紫外線を照射することを試みた。紫外線を照射することにより、組成物中の電荷輸送材料が励起されて電荷輸送材料から酸化剤へ電子移動し、カチオンラジカルが増加し、正孔輸送性が向上する効果が得られると推察される。
電荷輸送材料は通常可視光に対して透明であり、紫外光領域に吸収を持つ。したがって
本発明で使用する紫外線とは、電荷輸送材料の吸収端以下の波長のものを言い、通常波長100nm以上であり、200nm以上が好ましく、通常500nm以下、450nm以下であることが好ましい。電荷輸送材料は、通常芳香族系化合物であるため、波長200nm〜450nmの紫外線が好ましい。
紫外線の照射方法としては、特に限定されるものではないが、上記調製した組成物に直接照射してもよいし、適当な容器に入れて紫外線を照射することも好ましい。容器が紫外線を透過する場合は容器を密閉した状態で紫外線を照射してもよいし、容器が紫外線を遮蔽する場合は、例えば蓋を開封し、開口部から紫外線を照射してもよい。照射に使用する装置としては、特に限定はされないが、キセノンランプ、水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、紫外線蛍光灯、D2ランプ、カーボンアーク灯、LEDなどが用いられる。
また、組成物が溶剤を含む場合の組成物の液温度は、特に限定されるものではないが、通常、常温であるが、さらに冷却したり、加熱したりしてもよい。
紫外線の照射量は、通常10mJ/cm2以上、好ましくは100mJ/cm2以上、通常50000mJ/cm2
下、好ましくは10000mJ/cm2以下である。下限を下回ると、電荷輸送材料から
酸化剤への電子移動が不十分の可能性があり好ましくなく、上限を上回ると電荷輸送材料から酸化剤への電子移動が飽和して効果が無くなったり、電荷輸送材料組成物の劣化の恐れがあり好ましくない。
通常、紫外線は組成物表面で吸収されるため、攪拌しながら紫外線を照射することが好ましい。
紫外線の照射面積としては、組成物の入った容器全体に紫外線が照射されることが好ましいが、組成物の一部を照射してもよい。その場合は、紫外線照射後に組成物を攪拌することが好ましく、組成物を撹拌しながら照射することも好ましい。
紫外線照射後の組成物は、加熱熱処理などを施してもよい。
別の紫外線照射方法としては、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物を用いて薄膜を形成し、該薄膜に紫外線を照射してもよい。
薄膜の形成方法については、以下に詳述する。
尚、電荷輸送材料組成物を保管する場合は、過剰な紫外線が照射されるのを防ぐため、紫外線の透過を防ぐことのできる容器、例えば、褐色ガラス瓶等に充填し、密栓して保管することが好ましい。保管温度は、通常−30℃以上、好ましくは0℃以上で、通常50℃以下、好ましくは30℃以下である。
II.電荷輸送性薄膜の製造方法
本発明は、電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送性薄膜を製造する方法であって、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物を用いて薄膜を形成し、該薄膜に紫外線を照射することを特徴とする、電荷輸送性薄膜の製造方法に関する。
すなわち、本発明においては、低電圧駆動の有機電界発光素子が得られる電荷輸送性薄膜を得るためには、該電荷輸送性薄膜を形成するための電荷輸送材料組成物に紫外線を照射してもよいし、また、電荷輸送性薄膜を形成後に電荷輸送性薄膜自身に紫外線を照射してもよい。また、両方を行ってもよい。
本発明の電荷輸送性薄膜の製造方法において、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製する方法は、上記電荷輸送材料組成物の製造方法で記載したものと同様である。
電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、薄膜を形成する。薄膜の形成方法としては、溶融押し出し法、延伸法、圧延法、湿式成膜法などが挙げられるが、通常は湿式成膜法を用いて形成する。
湿式成膜法としては、スピンコート法、スプレーコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、ダイコート法、ディップコート法等の手法が挙げられる。
本発明においては、該膜の乾燥前に紫外線を照射してもよいし、乾燥後に紫外線を照射してもよい。 乾燥前の溶液状態では、電荷輸送材料と酸化剤が拡散して電荷輸送材料から酸化剤への電子移動確率が高まり、好ましい。
しかしながら、塗布環境によっては揮発性の低い溶媒を含む場合、乾燥条件によって膜質が変わることがあるため、この場合は乾燥後に紫外線を照射することが好ましい。
紫外線の照射方法としては、特に限定されるものではないが、上記電荷輸送材料組成物の製造方法における紫外線照射条件(紫外線照射量等)、紫外線の照射方法と同様であり、好ましい条件も同様である。
薄膜に紫外線を照射する前または照射した後、該薄膜を乾燥し、溶剤を除去することにより、電荷輸送性薄膜が形成される。乾燥の手法は特に限定されないが、例としては加熱乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。加熱乾燥の場合の条件としては、例えば、ホットプレート上で100℃程度、1分間以上加熱する等の条件が挙げられる。
加熱温度(加熱時における電荷輸送性薄膜の最高温度)は、加熱処理による脱溶剤効果、表面平坦化効果及び脱水効果を十分に得るために、100℃以上が好ましく、180℃以上が更に好ましく、200℃以上が特に好ましい。一方、加熱温度の上限は、電荷輸送材料および/または酸化剤が熱分解という問題があるため、通常400℃以下、好ましくは300℃以下である。
加熱の方式(加熱手段及び加熱の方法)は特に制限されないが、例としては、加熱炉(ベーク炉)内に基板を配置して塗布膜を加熱させる炉内ベーク方式、プレート(ホットプレート)上に基板を搭載しそのプレートを介して塗布膜を加熱させるホットプレート方式、密閉可能なチャンバー内に基板を配置してチャンバー内を減圧して溶媒を揮発させるか、塗布膜を減圧しさらに加熱させる減圧加熱方式、前記基板の上面側及び下面側にヒーターを配置し、前記ヒーターから電磁波(例えば赤外線)を照射して、前記塗布膜を加熱する方式が挙げられる。
尚、電荷輸送性薄膜の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。
III.有機電界発光素子
本発明の電荷輸送性薄膜を用いることにより作製される有機デバイスの例として、有機電界発光素子について説明する。有機電界発光素子は、基板上に陽極及び陰極を有するとともに、陽極と陰極との間に通常複数の有機層が積層されてなる、積層型の構成を有する。そして、複数の有機層のうちの何れかの有機層(好ましくは上述の様に正孔注入層)が、上述の電荷輸送性薄膜(電荷輸送材料及び酸化剤を少なくとも含有する層)として形成される。本発明の有機電界発光素子は、上記本発明の製造方法により得られた電荷輸送性薄膜を有することを特徴とする。
図1は、本発明の有機電界発光素子の構造の一例を模式的に示す断面図である。図1に示す有機電界発光素子10aは、基板1の上に、陽極2、正孔注入層3、有機発光層4、電子注入層5及び陰極6を、この順に積層して構成される。この構成の場合、通常は正孔注入層3が上述の電荷輸送性薄膜に該当し、有機発光層4が電荷輸送性薄膜上に形成され
る有機層に該当することになる。
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性に留意する必要がある。基板のガスバリヤ性が小さすぎると、基板を通過した外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板の少なくとも片面に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
陽極2は、後述する有機発光層側の層(正孔注入層3又は有機発光層4など)への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極2は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/又はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック、或いは、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行なわれることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子、導電性高分子微粉末などの場合には、適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。更に、導電性高分子の場合は、電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することもできる(Applied Physics Letters, 1992年, Vol.60, pp.2711参照)。陽極2は異なる物質で積層して形成することも可能である。
陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下の範囲である。不透明で良い場合、陽極2は基板1と同一でもよい。また、更には上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
なお、陽極に付着した不純物を除去し、イオン化ポテンシャルを調整して正孔注入性を向上させることを目的として、陽極表面を紫外線(UV)/オゾン処理したり、酸素プラズマ、アルゴンプラズマ処理することが好ましい。また、正孔注入の効率を更に向上させ、かつ、有機層全体の陽極への付着力を改善させる目的で、正孔注入層と陽極との間に公知の陽極バッファ層を挿入してもよい。
正孔注入層3は、陽極2から有機発光層4へ正孔を輸送する層である。本発明の電荷輸送性薄膜は、他の層に使用されてもよいが、この正孔注入層として使用されることが好ましい。よって、正孔注入層3は、上述の電荷輸送性材料及び酸化剤を含有する。これらの成分の詳細についは、上記電荷輸送材料組成物の欄において記載した通りである。更に、正孔注入層3は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。
正孔注入層3を陽極2上に形成する手法としては、湿式成膜法、溶融押し出し法が挙げられるが、上述したように、均質で欠陥がない薄膜を容易に得られる点や、形成のための時間が短くて済む点から、上記のとおり湿式成膜法が好ましい。また、陽極2として一般的に用いられるITO(インジウム・スズ酸化物)は、その表面が10nm程度の表面粗さ(Ra)を有するのに加えて、局所的に突起を有することが多く、短絡欠陥を生じ易いという課題があった。陽極2の上の正孔注入層3を湿式成膜法により形成することは、溶融押し出し法で形成する場合と比較して、陽極2表面の凹凸に起因する素子の欠陥の発生を低減するという利点をも有する。湿式成膜法により正孔注入層3を形成する手法の詳細
は、先の電荷輸送性薄膜の製造方法で説明した通りである。
正孔注入層3の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは5nm以上、更に好ましくは10nm以上、また、通常1000nm以下、好ましくは500nm以下、更に好ましくは100nm以下の範囲である。
正孔注入層3の上には有機発光層4が設けられる。有機発光層4は、電界を与えられた電極間において、陽極2から正孔注入層3を通じて注入された正孔と、陰極6から電子注入層5を通じて注入された電子との再結合により励起されて、主たる発光源となる層である。
有機発光層4は、少なくとも、発光の性質を有する材料(発光材料)を含有するとともに、好ましくは、少なくとも正孔輸送の性質を有する材料(正孔輸送性化合物)、電子輸送の性質を有する材料(電子輸送性化合物)を含有する。更に、有機発光層4は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の成分を含有していてもよい。これらの材料としては、後述のように湿式成膜法で有機発光層4を形成する観点から、何れも低分子系の材料を使用することが好ましい。
発光材料としては、任意の公知の材料を適用可能である。例えば、蛍光発光材料であってもよく、燐光発光材料であってもよい。内部量子効率の観点からは、燐光発光材料の方が高効率でのぞましい。発光材料の例としては、緑色蛍光材料であるクマリン545T(C545T)、緑燐光材料であるfac tris(2−(p−tolyl)−pyridine)iridium)(Ir(tpy)3)等のIr錯体が挙げられる。
低分子系の正孔輸送性化合物の例としては、前述の(電荷輸送材料)の欄で例示した各種の化合物の他、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代表される、2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4′,4″−トリス(1−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(Journal of Luminescence, 1997年, Vol.72-74, pp.985)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chemical Communications, 1996年, pp.2175)、2,2′,7,7′−テトラキス−(ジフェニルアミノ)−9,9′−スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synthetic Metals, 1997年, Vol.91, pp.209)等が挙げられる。
低分子系の電子輸送性化合物の例としては、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール(BND)や、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)や、バソフェナントロリン(BPhen)や、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP、バソクプロイン)、2−(4−ビフェニリル)−5−(p−ターシャルブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(tBu−PBD)や、4,4’−ビス(9−カルバゾール)−ビフェニル(CBP)等がある。
有機発光層4の形成は、湿式成膜法、真空蒸着法が挙げられるが、上述したように、均質で欠陥がない薄膜を容易に得られる点や、形成のための時間が短くて済む点、更には、本発明の製造方法による正孔注入層3(電荷輸送性薄膜)の不溶化の効果を享受できる点から、湿式成膜法が好ましい。湿式成膜法により有機発光層4を形成する場合、上述の材料を適切な溶剤に溶解させて塗布溶液を調製し、それを上述の形成・加熱後の正孔注入層3(電荷輸送性薄膜)の上に塗布・成膜し、乾燥して溶剤を除去することにより形成する。その詳細は、先の電荷輸送性薄膜の製造方法の欄で説明した内容と基本的に同様である。
有機発光層4の膜厚は、通常5nm以上、好ましくは10nm以上、さらに好ましくは15nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは200nm以下、さらに好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層5は、陰極6から注入された電子を効率良く有機発光層4へ注入する役割を果たす。電子注入を効率よく行なうには、電子注入層5を形成する材料は、仕事関数の低い金属が好ましい。例としては、ナトリウムやセシウム等のアルカリ金属、バリウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属等が用いられる。その膜厚は通常0.1nm以上、5nm以下が好ましい。
更に、後述するバソフェナントロリン等の含窒素複素環化合物や8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体に代表される有機電子輸送材料に、ナトリウム、カリウム、セシウム、リチウム、ルビジウム等のアルカリ金属をドープする(特開平10−270171号公報、特開2002−100478号公報、特開2002−100482号公報などに記載)ことにより、電子注入・輸送性が向上し優れた膜質を両立させることが可能となるため好ましい。この場合の膜厚は通常、5nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常200nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
電子注入層5は、湿式成膜法或いは真空蒸着法により、有機発光層4上に積層することにより形成される。湿式成膜法の場合の詳細は、正孔注入層3及び有機発光層4の場合と同様である。一方、真空蒸着法の場合には、真空容器内に設置されたるつぼ又は金属ボートに蒸着源を入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後
、るつぼ又は金属ボートを加熱して蒸発させ、るつぼ又は金属ボートと向き合って置かれた基板上の有機発光層4上に電子注入層5を形成する。
アルカリ金属の蒸着は、クロム酸アルカリ金属と還元剤をニクロムに充填したアルカリ金属ディスペンサーを用いて行なう。このディスペンサーを真空容器内で加熱することにより、クロム酸アルカリ金属が還元されてアルカリ金属が蒸発される。有機電子輸送材料とアルカリ金属とを共蒸着する場合は、有機電子輸送材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々の
るつぼ及びディスペンサーを同時に加熱して蒸発させ、るつぼ及びディスペンサーと向き合って置かれた基板上に電子注入層を形成する。このとき、電子注入層の膜厚方向において均一に共蒸着されるが、膜厚方向において濃度分布があっても構わない。
陰極6は、有機発光層側の層(電子注入層5又は有機発光層4など)に電子を注入する役割を果たす。陰極6の材料としては、前記の陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率良く電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属又はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。陰極6の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上に更に、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層すると、素子の安定性が増すので好ましい。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。なお、陰極6の厚みは、陽極2と同様である。
以上、図1に示す層構成の有機電界発光素子を中心に説明してきたが、本発明の有機電界発光素子は、その趣旨を逸脱しない範囲において、別の構成を有していてもよい。例えば、その性能を損なわない限り、陽極2と陰極6との間に、上記説明にある層の他に任意の層を有していてもよく、また、任意の層が省略されていてもよい。
図2は、本発明の有機電界発光素子の構造の別の例を模式的に示す断面図である。なお
、図2において、図1と同様の構成要素については同一の符号を付して表わし、その説明は省略する。図2に示す有機電界発光素子10bは、図1の有機電界発光素子10aと同様の構成に加えて、正孔注入層3と有機発光層4との間に正孔輸送層7を有している。この構成の場合、この正孔輸送層7が、電荷輸送性薄膜(正孔注入層3)上に形成される有機層に該当することになる。
正孔輸送層7は、正孔注入層から発光層への正孔注入特性を向上させ、低電圧化を図るために用いられる。また、通常正孔輸送層に用いられる材料は電子輸送性が低いため、発光層から陽極側への電子移動を防止し、発光層内での電子と正孔の再結合効率を高める、すなわち、発光効率を向上させる機能を有することもできる。
図3は、本発明の有機電界発光素子の構造の別の例を模式的に示す断面図である。なお、図3においても、図1と同様の構成要素については同一の符号を付して表わし、その説明は省略する。図3に示す有機電界発光素子10cは、図1の有機電界発光素子10aと同様の構成に加えて、正孔注入層3と有機発光層4との間に電子阻止層8を有している。この構成の場合、この電子阻止層8が、電荷輸送性薄膜(正孔注入層3)上に形成される有機層に該当することになる。
電子阻止層8は、有機発光層4から移動してくる電子が正孔注入層3に到達するのを阻止することで、有機発光層4内で正孔との再結合確率を増やし、生成した励起子を発光層4内に閉じこめる役割と、正孔注入層3から注入された正孔を効率よく有機発光層4の方向に輸送する役割がある。特に、発光物質として燐光材料を用いたり、青色発光材料を用いたりする場合は効果的である。電子阻止層7に求められる特性としては、正孔輸送性が高く、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いこと等が挙げられる。更に、本発明においては、有機発光層4を湿式成膜法で作製することにより、製造容易であることに特徴がある為、電子阻止層7にも湿式成膜適合性が求められる。このような電子阻止層7に用いられる材料としては、F8−TFBに代表されるジオクチルフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体(国際公開第2004/084260号公報記載)等が挙げられる。
電子阻止層8は、正孔注入層3や有機発光層4と同様、湿式成膜法を用いて形成することもできるが、通常は真空蒸着法により形成される。真空蒸着法の手順の詳細は、電子注入層5の場合と同様である。
以上、図1〜3を用いて説明した各構成の他にも、本発明の有機電界発光素子の構成としては、様々な変形例が考えられる。
例えば、有機発光層4と電子注入層5の間に、電子輸送層を設けてもよい。
電子輸送層は、素子の発光効率を更に向上させることを目的として設けられるもので、電界を与えられた電極間において陰極6から注入された電子を効率よく有機発光層4の方向に輸送することができる化合物より形成される。
電子輸送層に用いられる電子輸送性化合物としては、陰極6又は電子注入層5からの電子注入効率が高く、かつ、高い電子移動度を有し注入された電子を効率よく輸送することができる化合物であることが必要である。このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体、オキサジアゾール誘導体、ジスチリルビフェニル誘導体、シロール誘導体、3−又は5−ヒドロキシフラボン金属錯体、ベンズオキサゾール金属錯体、ベンゾチアゾール金属錯体、トリスベンズイミダゾリルベンゼン(米国特許第5645948号明細書)、キノキサリン化合物(特開平6−207169号公報)、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2−t−ブチル−9,10−N,N’−ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛などが挙げられる。
電子輸送層も、正孔注入層3や有機発光層4と同様、湿式成膜法を用いて形成することもできるが、通常は真空蒸着法により形成される。真空蒸着法の手順の詳細は、電子注入層5の場合と同様である。
電子輸送層の膜厚は通常1nm以上、好ましくは5nm以上、また、通常300nm以下、好ましくは100nm以下の範囲である。
また、例えば、有機発光層4と電子注入層5との間に、正孔阻止層を設けてもよい。
正孔阻止層は、正孔阻止層は、有機発光層4の上に、有機発光層4の陰極6側の界面に接するように積層されるが、陽極2から移動してくる正孔を陰極6に到達するのを阻止する役割と、陰極6から注入された電子を効率よく有機発光層4の方向に輸送することができる化合物より形成される。正孔阻止層を構成する材料に求められる物性としては、電子移動度が高く正孔移動度が低いこと、エネルギーギャップ(HOMO、LUMOの差)が大きいこと、励起三重項準位(T1)が高いことが挙げられる。
このような条件を満たす正孔阻止材料としては、ビス(2−メチル−8−キノリノラト),(フェノラト)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリノラト),(トリフェニルシラノラト)アルミニウム等の混合配位子錯体、ビス(2−メチル−8−キノラト)アルミニウム−μ−オキソ−ビス−(2−メチル−8−キノリラト)アルミニウム二核金属錯体等の金属錯体、ジスチリルビフェニル誘導体等のスチリル化合物(特開平11−242996号公報)、3−(4−ビフェニルイル)−4−フェニル−5(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール等のトリアゾール誘導体(特開平7−41759号公報)、バソクプロイン等のフェナントロリン誘導体(特開平10−79297号公報)が挙げられる。更に、国際公開第2005−022962号公報に記載の2,4,6位が置換されたピリジン環を少なくとも1個有する化合物も、正孔阻止材料として好ましい。
正孔阻止層も、正孔注入層3や有機発光層4と同様、湿式成膜法を用いて形成することもできるが、通常は真空蒸着法により形成される。真空蒸着法の手順の詳細は、電子注入層5の場合と同様である。
正孔阻止層の膜厚は、通常0.5nm以上、好ましくは1nm以上、また、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。
また、陰極6と有機発光層4又は電子輸送層との界面に、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF)、酸化リチウム(LiO)、炭酸セシウム(II)(CsCO)等の極薄絶縁膜(0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Applied Physics Letters, 1997年, Vol.70, pp.152;特開平10
−74586号公報;IEEE Transactions on Electron Devices, 1997年, Vol.44, pp.1245;SID 04 Digest, pp.154等参照)。
また、以上説明した層構成において、基板以外の構成要素を逆の順に積層することも可能である。例えば、図1の層構成であれば、基板1上に他の構成要素を陰極6、電子注入層5、有機発光層4、正孔注入層3、陽極2の順に設けることになる。
更には、少なくとも一方が透明性を有する2枚の基板の間に、基板以外の構成要素を積層することにより、本発明の有機電界発光素子を構成することも可能である。
また、基板以外の構成要素(発光ユニット)を複数段重ねた構造(発光ユニットを複数積層させた構造)とすることも可能である。その場合には、各段間(発光ユニット間)の界面層(陽極がITO、陰極がAlの場合は、それら2層)の代わりに、例えば五酸化バナジウム(V)等からなる電荷発生層(Carrier Generation Layer:CGL)を設
けると、段間の障壁が少なくなり、発光効率・駆動電圧の観点からより好ましい。
更には、本発明の有機電界発光素子は、単一の有機電界発光素子として構成してもよく、複数の有機電界発光素子がアレイ状に配置された構成に適用してもよく、陽極と陰極がX−Yマトリックス状に配置された構成に適用してもよい。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(実施例1)
電荷輸送材料として下記式(Q−1)の繰り返し構造を有するポリマー(重量平均分子質量6920;ガラス転移温度160℃)2重量%と酸化剤として4−イソプロピルー4’−メチルジフェニルヨード二ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート0.8重量%を、溶剤として安息香酸エチルとジフェニルエーテルを重量比で1:1に混合した溶媒に溶解させた組成物(A1)を得た。
この組成物を褐色ガラス瓶に5cc入れ、径が10mmφである口を上部に開口したままとした。ウシオ電機製露光装置UX−1000SM−ACS01にて、開口部から、28mW/cmの紫外線を約72秒間照射、すなわち、光量2000mJ/cmのUV光を照射し、電荷輸送材料組成物(B1)を作製した。
UX−1000SM−ACS01に使用されている光源は超高圧水銀灯であり、照射した紫外線の主波長は365nm(i線)、405nm(h線)、436nm(g線)、である。ここまでの操作は、常温、常圧、常湿で行った。
次にガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を120nmの厚さに堆積したもの(三容真空社製、スパッタ成膜品)を通常のフォトリソグラフィー技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、界面活性剤水溶液による超音波洗浄、超純水による水洗、超純水による超音波洗浄、超純水による水洗の順で洗浄後、圧縮空気で乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行なった。
洗浄処理したITO基板上に、UV処理した電荷輸送材料組成物(B1)を用いてスピンコート法にて電荷輸送性薄膜(C1)を形成した。スピンコートは気温23℃、相対湿度40%の大気中で行ない、スピナ回転数は1500rpm、スピナ時間は30秒とした。塗布後、ホットプレート上で80℃1分間加熱乾燥した後、オーブン大気中で230℃30分加熱し、膜厚25nmの電荷輸送性薄膜を得た。
次に、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が2×10-6Torrになるまで排気した。陰極として、アルミニウムをモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度4Å/秒、真空度5×10−6Torrで膜厚80nmのアルミニウム層を形成して陰極を形成した。以上の様にして、2mm×2mmのサイズの通電部分を有する電荷輸送性薄膜デバイスが得られた。
IV特性測定として、このデバイスの陰極をアース側とし、陽極側に電圧をかけて流れる電流値を測定した。電界強度が±1000000V/cm、±500000V/cmのときの電流密度を表1に記す。
Figure 2007311262
(実施例2)
組成物(A1)へのUV照射量が、28mW/cmの紫外線を約179秒間照射、すなわち、光量5000mJ/cmとした以外は実施例1と同様にし、電荷輸送性薄膜デバイスを作製した。
実施例1同様にこのデバイスのIV特性を測定した結果を表1に記す。
(実施例3)
実施例1と同様に組成物(A1)を調製し、UV照射せずに実施例1と同様に洗浄処理したITO基板上に実施例1と同様にスピンコートし、薄膜を形成した。スピンコートは気温23℃、相対湿度40%の大気中で行ない、スピナ回転数は1500rpm、スピナ時間は30秒とした。塗布後、ホットプレート上で80℃1分間加熱乾燥した後、オーブン大気中で230℃30分間加熱し、膜厚25nmの薄膜を得た。
この薄膜を、ウシオ電機製露光装置UX−1000SM−ACS01にて、28mW/cmの紫外線を約36秒間照射、すなわち、光量1000mJ/cmのUV光を照射し、電荷輸送性薄膜(C2)を作製した。
紫外線を照射する際の操作は、常温、常圧、常湿で行った。
この電荷輸送性薄膜をもちいて、実施例1同様にして電荷輸送性デバイスを作製し、実施例1同様にこのデバイスIV特性を測定した結果を表1に記す。
(実施例4)
UV照射量が、28mW/cmの紫外線を約179秒間照射、すなわち、光量5000mJ/cmとした以外は実施例3と同様にし、電荷輸送性薄膜デバイスを作製した。
実施例1同様にこのデバイスのIV特性を測定した結果を表1に記す。
(比較例1)
組成物(A1)にUV照射しなかった以外は実施例1と同様にし、電荷輸送性薄膜デバイスを作製した。
実施例1同様にこのデバイスのIV特性を測定した結果を表1に記す。
以上、実施例1,2の結果から、本発明の電荷輸送材料組成物の製造方法により製造された、電荷輸送材料組成物は低電圧で電流を流すことから、該組成物を用いて形成された電荷輸送性薄膜は電荷注入および電荷輸送性に優れており、該電荷輸送性薄膜を有する有機電界発光素子は低電圧で発光し、そのため電力発光効率が高く長時間駆動しても劣化しにくい。
また、本発明の電荷輸送性薄膜の製造方法により製造された電荷輸送性薄膜は、低電圧で電流を流し、電荷注入および電荷輸送性に優れていることから、該電荷輸送性薄膜は、電力発光効率が高く長時間駆動しても劣化しにくい有機電界発光素子の作製に有用である
Figure 2007311262
本発明の有機電界発光素子の一例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の一例を示した模式的断面図である。 本発明の有機電界発光素子の一例を示した模式的断面図である。
符号の説明
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 有機発光層
5 電子注入層
6 陰極
7 正孔輸送層
8 電子阻止層
10a〜10c 有機電界発光素子

Claims (10)

  1. 電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送材料組成物を製造する方法であって、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物に紫外線を照射することを特徴とする、電荷輸送材料組成物の製造方法。
  2. 紫外線の照射量が10mJ/cm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電荷輸送材料組成物の製造方法。
  3. 該組成物が、さらに溶剤を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の電荷輸送材料組成物の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の製造方法により製造された電荷輸送材料組成物。
  5. 請求項4に記載の組成物を用いて形成された電荷輸送性薄膜。
  6. 電荷輸送材料および酸化剤を含有する電荷輸送性薄膜を製造する方法であって、電荷輸送材料および酸化剤を含有する組成物を調製後、該組成物を用いて薄膜を形成し、該薄膜に紫外線を照射することを特徴とする、電荷輸送性薄膜の製造方法。
  7. 紫外線の照射量が10mJ/cm以上であることを特徴とする、請求項6に記載の電荷輸送材性薄膜の製造方法。
  8. 該組成物が、さらに溶剤を含有することを特徴とする、請求項6または7に記載の電荷輸送材料性薄膜の製造方法。
  9. 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の製造方法により製造された電荷輸送性薄膜。
  10. 請求項5または9に記載の電荷輸送性薄膜を有する有機電界発光素子。
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