JP2005340042A - 有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】架橋性を有する低分子量の芳香族有機アミン、特に、トリアリールアミンの架橋体からなる正孔注入輸送層を備えた高性能を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】本発明によれば、一般式(I)
Figure 2005340042

で表される3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンがそのエチレン性不飽和結合によって架橋した架橋体からなる正孔注入輸送層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関し、詳しくは、分子中に多官能エチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの溶液のコーティングと上記トリアリールアミンの紫外線照射による架橋の組合わせによって製膜した正孔注入輸送層を備えた高い性能を有する有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法に関する。
近年、種々の有機エレクトロルミネッセンス素子が低電圧直流駆動、高効率、高輝度を有し、また、薄型化できるので、バックライトや照明装置のほか、ディスプレイ装置として、その実用化が進められている。
この有機エレクトロルミネッセンス素子は、代表的には、透明基板、例えば、ガラス基板上にITO膜(酸化インジウム−酸化スズ膜)のような透明電極からなる陽極が積層されており、この陽極上に有機正孔注入輸送層、有機発光層及び金属電極からなる陰極がこの順序にて積層されてなるものであり、上記陽極と陰極は外部の電源に接続されている。場合によっては、有機発光層と陰極との間に有機電子輸送層が積層されることもある。このほかにも、種々の構成とした有機エレクトロルミネッセンス素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような有機エレクトロルミネッセンス素子においては、上記有機正孔注入輸送層は、陽極に密着していて、この陽極から正孔を有機発光層に注入し、輸送すると共に、電子をブロックし、他方、有機電子輸送層は、陰極に密着していて、この陰極から電子を有機発光層に輸送し、そこで、有機発光層において、陰極から注入した電子と陽極から有機発光層に注入した正孔とが再結合するときに発光が生じ、これが透明電極(陽極)と透明基板を通して外部に放射される。
従来、有機エレクトロルミネッセンス素子の製作においては、それ自体、アモルファス膜を形成し得る低分子量有機化合物を蒸着法によって陽極上に成膜して、正孔注入輸送層を形成する場合が多い(例えば、特許文献2及び3参照)。しかし、一般に、このような蒸着法によって正孔注入輸送層を形成するには、高価な蒸着装置を必要とするうえに、生産性が悪いという問題がある。更に、一般に、低分子量有機化合物は結晶化や凝集を起こすおそれがあり、また、ガラス転移温度も殆どの場合、60〜110℃程度であるので、従来、低分子量有機化合物からなる正孔注入輸送層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子は耐久性に問題がある。
そこで、近年、コーティング法にて製膜したポリマーからなる正孔注入輸送層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子も種々、提案されている。そのようなポリマーは、代表的には、従来より正孔注入輸送剤として知られている低分子量芳香族アミンを側鎖に有せしめた構造を有しており(例えば、特許文献4〜6参照)、従って、そのようなポリマーを得るためのモノマーの製造が容易ではなく、しかも、その正孔注入輸送層としての性能も尚、十分であるとはいい難い。
更に、上記ポリマーは、一般に、多くの有機溶剤に溶解し、従って、そのようなポリマー溶液を用いて正孔注入輸送層を製膜するので、多くの場合、その上に更に有機溶剤を含む溶液をコーティングして発光層等を製膜すれば、上記正注入輸送層を溶解させて、その性能を損なうおそれがあった。
特開平6−1972号公報 特開平1−224353号公報 特開平9−188653号公報 特開平8−54833公報 特開平9−12630号公報 特開2002−124389号公報
本発明は、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子における上述した問題を解決するためになされたものであって、架橋性を有する低分子量のトリアリールアミン、特に、トリアリールアミンの架橋体からなる正孔注入輸送層を備えた高性能を有する有機エレクトロルミネッセンス素子とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、一般式(I)
Figure 2005340042
(式中、Rは一般式(II)
Figure 2005340042
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R3 はアルキレン基を示す。)
で表される基である。)
で表される3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンがそのエチレン性不飽和結合によって架橋した架橋体からなる正孔注入輸送層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
更に、本発明によれば、上記3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの溶液を陽極表面に塗布した後、これに紫外線を照射し、上記トリアリールアミンをそのエチレン性不飽和結合によって架橋させて、陽極上に正孔注入輸送層を形成する工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法が提供される。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、正孔注入輸送層は前記一般式(I)で表される3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの架橋体からなり、この架橋体は酸化電位が低いので、正孔注入効率が高く、従って、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、低い駆動電圧にて高い輝度を示す。
更に、本発明によれば、上記3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの溶液を陽極上にコーティングし、このコーティング層に紫外線を照射して、上記トリアリールアミンを架橋させ、かくして、正孔注入輸送層を形成する。また、正孔注入層と正孔輸送層とを別の層として積層する構造とする場合には、上記3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの溶液を陽極上にコーティングし、このコーティング層に紫外線を照射し、上記トリアリールアミンを架橋させて、正孔注入層を形成し、次いで、この正孔注入層の上に正孔輸送層を形成する。
このように、本発明によれば、正孔注入輸送層(又は正孔注入層)は、上記トリアリールアミンの架橋体であって、一般に溶剤に不溶性であるので、このようにして、正孔注入輸送層を形成した後、脂肪族や芳香族の炭化水素、ジメチルホルムアミドやテトラヒドロフラン等を有機溶媒とする溶液をコーティングしても、正孔注入輸送層に乱れを生じないので、全層をコーティング法によって形成して、有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができ、かくして、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造を簡単化し、製造費用の低減に寄与することができる。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子においては、一般式(I)
Figure 2005340042
(式中、Rは一般式(II)
Figure 2005340042
(式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R3 はアルキレン基を示す。)
で表される基である。)
で表される3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンがそのエチレン性不飽和結合によって架橋した架橋体からなる正孔注入輸送層を備えている。
本発明によれば、上記一般式(I)で表されるアリールアミン中の上記一般式(II)で表される基において、好ましくは、R1 は水素原子であり、R2 は水素原子又はメチル基であり、R3 は特に限定されるものではないが、通常、炭素数1〜12の鎖状又は分岐鎖状アルキレン基であり、好ましくは、炭素数1〜4の鎖状アルキレン基である。従って、上記一般式(II)で表される基は、好ましくは、アクリロイルオキシアルキレン基又はメタクリロイルオキシアルキレン基である。
上記一般式(I)で表されるアリールアミンは、3官能のエチレン性不飽和結合を有し、従って、このようなアリールアミンに紫外線を照射すれば、そのエチレン性不飽和結合によって相互に反応して架橋体を形成する。そこで、本発明によれば、上記一般式(I)で表されるアリールアミンを適宜の有機溶媒、例えば、脂肪族炭化水素溶媒や芳香族炭化水素溶媒に溶解して溶液とし、これを陽極上にコーティングし、乾燥した後、これに紫外線を照射して、上記アリールアミンを架橋させることによって、このアリールアミンの架橋体からなる正孔注入輸送層を均質で透明な薄膜として得ることができる。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、その一例を図1に示すように、例えば、ガラスからなる透明基板1上に透明電極からなる陽極2が密着して積層、支持されており、この透明電極上に有機正孔注入層3a、有機正孔輸送層3、有機発光層4及び金属電極からなる陰極5がこの順序で積層されてなるものである。上記陽極と陰極は外部の電源6に接続されている。従って、従来の有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置と同様に、上記発光層における発光を上記透明基板から外部に放射させる。
しかし、本発明においては、場合によっては、前述したように、有機発光層と陰極との間に有機電子輸送層が積層されてもよく、また、正孔輸送層と発光層とを単一の層としてもよく、陽極と正孔輸送層との間に導電性高分子層(バッファー層)を積層してもよい。また、正孔油層層3を省略してもよい。この場合には、前記正孔注入層3aが正孔輸送層を兼ねる正孔注入輸送層である。このように、本発明において、有機エレクトロルミネッセンス素子の積層構造は、特に、限定されるものではない。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記正孔注入輸送層が前述した3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンがそのエチレン性不飽和結合によって架橋した架橋体からなる点に特徴を有し、更に、上記正孔注入輸送層の製膜なる観点からは、前記3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの溶液を適宜手段、例えば、スピンコート法によって、陽極の表面に塗布した後、これに紫外線を照射し、上記トリアリールアミンをそのエチレン性不飽和結合によって架橋させ、製膜して、陽極上に正孔注入輸送層を形成する点に特徴を有する。このようにして得られる正孔注入輸送層の膜厚は、通常、1nmから1μmの範囲である。この正孔輸送層の上に常法に従って、有機発光層と陰極を積層すれば、有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
前述したように、正孔注入層と正孔輸送層を別の層として、これらを積層する構造とする場合には、前記3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの溶液を陽極の表面に塗布した後、これに紫外線を照射し、上記トリアリールアミンをそのエチレン性不飽和結合によって架橋させ、製膜して、陽極上に正孔注入層を形成し、次いで、この正孔注入層の上に常法に従って正孔輸送層を形成してもよい。
このような場合において、正孔輸送層は、正孔輸送層として機能することが従来より知られている任意の低分子量有機化合物を用いて、常法に従って、上記正孔注入層上に製膜すればよい。正孔輸送層として機能することが従来より知られている低分子量有機化合物として、例えば、4,4’−ビス(N,N−フェニル−m−トリルアミノ)ジフェニルアミン(TPD)、4,4’,4”−トリス(N,N−フェニル−m−トリルアミノ)トリフェニルアミン(MTDATA)、N,N−ビス(1−ナフチル)−N,N−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)等を挙げることができる。
このようにして、正孔注入輸送層を形成し、又は正孔注入層と正孔輸送層を形成した後、これらの層の上に常法に従って、有機発光層と陰極を積層すれば、本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
本発明によれば、前記3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの架橋体からなる正孔注入輸送層は、殆どの有機溶媒、例えば、芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等に溶解しないので、正孔注入輸送層又は正孔輸送層の上に直接に有機発光層をコーティング法によって形成することができる。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子においては、上記正孔注入輸送層以外の層、即ち、透明基板、陽極、有機発光層、電子輸送層及び金属電極は、従来より知られているものが適宜に用いられる。従って、陽極としては、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO)や酸化スズ−酸化インジウム等からなる透明電極が用いられ、陰極には、アルミニウム、マグネシウム、インジウム、銀等の単体金属や、これらの合金、例えば、Al−Mg合金、Ag−Mg合金等の金属電極が用いられ、透明基板としては、通常、ガラス基板が用いられる。
有機発光層には、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3 )が用いられ、その膜厚は、通常、1nmから1μmの範囲である。また、有機エレクトロルミネッセンス素子が電子輸送層を含むときは、その膜厚は、通常、1nmから1μmの範囲であり、導電性高分子層を含むときは、その膜厚は、通常、1〜100nmの範囲である。
以下に参考例と共に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。参考例における化合物Dの製造のスキームを以下に示す。
Figure 2005340042
参考例1
N,N’−ジフェニル−1,4−フェニレンジアミン39.2g(0.151モル)、安息香酸2−ヨウ化エチル41.7g(0.151モル)、銅粉20g、炭酸カルシウム50g及びメシチレン100gを四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、165℃で還流させながら、22時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物を熱トルエン300mLで抽出し、濃縮して、析出物を濾過にて除去した。得られた濾液をトルエン/ヘキサン(1/1)混合溶媒から始めて、トルエン/ヘキサン(2/1)混合溶媒、次いで、トルエン/ヘキサン(3/1)混合溶媒を溶離液として用いて、シリカゲルクロマトグラフィーにて分離精製して、化合物(a)5.8g(収率9.4%)を得た。
次に、この化合物(a)5.8g(0.0142モル)、トリ(4−ヨードフェニル)アミン2.95g(0.0047モル)、銅粉2g、炭酸カリウム8g及びデカリン10gを四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、175℃で24時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物にトルエン150mLを加え、30分間攪拌還流させた後、吸引濾過して不溶物を除去し、得られた濾液を50mLまで濃縮した。この濃縮物をトルエン/エタノール(100/1)混合溶媒を溶離液として用いて、シリカゲルクロマトグラフィーにて分離精製して、構造式(B)において
Figure 2005340042
である化合物(b)3.7g(収率18.0%)を得た。
次いで、上記化合物(b)3.7g(0.0025モル)、水酸化カリウム5gを水20gに溶解させた水溶液及びジオキサン20gを三つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下、還流温度100℃で6時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物にトルエンを加え、分液にて有機層を得た後、これを2回水洗したこの有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、濃縮し、この濃縮物をトルエン/エタノール(100/1)混合溶媒を溶離液として用いて、シリカゲルクロマトグラフィーにて分離精製して、構造式(B)において、
Figure 2005340042
である化合物(c)2.8g(収率96.0%)を得た。
上記化合物(c)2.8g(0.0024モル)、ピリジン8.6g及び脱水テトラヒドロフラン30mLを3つ口フラスコに仕込んだ。塩化メタクリロイル3.8gをテトラヒドロフラン15mLに溶解させて溶液とし、この溶液を窒素雰囲気下、氷冷、攪拌しながら、30分間かけて、上記化合物Cの溶液に滴下した後、氷冷下に5時間反応させた。反応終了後、得られた反応混合物にエタノール10mLを加え、析出物を濾過にて除去した後、得られた濾液を濃縮し、この濃縮物をトルエン/エタノール(100/1)混合溶媒を溶離液として用いて、シリカゲルクロマトグラフィーにて分離精製して、構造式(B)において、
Figure 2005340042
である化合物(d)を得た。
元素分析(C908176 として):
C H N
理論値 79.68 6.02 7.23
測定値 79.71 6.01 7.20
分子量:
1356.7(分子イオンピーク)
この化合物(d)のFT−IRスペクトルを図2に示し、示差走査熱量測定(DSC)曲線を図3に示す。DSC曲線から化合物(d)がガラス転移温度150.1℃を有することが示される。
この化合物(d)10mgをトルエン20mLに溶解させ、これに支持電解質として過塩素酸テトラブチルアンモニウム212mgを溶解させ、参照電極としてAg/Ag+ を用いて、酸化還元電位を測定した。図4にサイクリックボルタモグラムを示すように、酸化還元は可逆的であり、酸化電位は0.19V(vs Ag/Ag+)であり、イオン化ポテンシャルは5.2eVであった。
実施例1
片面にITO膜をコーティングした板ガラス(山容真空(株)製)をアセトンを用いる超音波洗浄とメタノールを用いる蒸気洗浄を施した後、低圧水銀灯を用いて、紫外線を10分間照射した。
この後、直ちに、参考例1で得た化合物(d)をトルエンに15重量%濃度に溶解させたコーティング液を大気中、スピンコーター(1500rpm)にて3分間塗布し、風乾して、上記ガラス板上にコーティング層を形成した。このコーティング層の上方40mmの距離から低圧水銀灯(照射能力3000mJ/cm2)にて紫外線を5分間照射して、上記化合物(d)を架橋させ、かくして、厚み60nmの正孔注入輸送層を上記ガラス板上に製膜した。
次式(e)
Figure 2005340042
で表される繰返し単位を有するポリマーからなるフルオレン系青色発光剤をトルエンに溶解させたコーティング液を調製し、このコーティング液を上記正孔注入輸送層の上にスピンコーター(1500rpm)にて3分間塗布し、風乾して、上記ガラス板上に厚み80nmの発光層を形成した。
発光剤として上記フルオレン系青色発光剤を用いた理由は、このポリマーのサイクリックボルタンメトリーにおけるイオン化ポテンシャルが前記化合物(d)と同じように高く、透明電極(陽極)、正孔輸送層及び発光層の各層を+0.3eV程度の段差で形成することができることによる。
更に、この発光層の上にフッ化リチウム、カルシウム及びアルミニウムをこの順序で真空蒸着して、陰極を作製した。即ち、フッ化リチウムを蒸着速度0.1nm/秒の速度で蒸着し、厚み1nmに製膜し、次いで、この上にカルシウムを蒸着速度0.3nm/秒の速度で蒸着し、厚み20nmに製膜し、次いで、この上にアルミニウムを蒸着速度0.2nm/秒の速度で蒸着し、厚み200mに製膜した。
このようにして得た有機エレクトロルミネッセンス素子を発光輝度測定機(ミノルタ(株)製)に取付け、電極間に0〜200Vの電圧を印加したときの発光輝度を測定した。結果を図5に示す。
実施例2
実施例1と同様にして、ガラス板上に前記化合物(d)のコーティング液を塗布、風乾し、紫外線架橋させて、厚み40nmの正孔注入層を上記ガラス板上に製膜した。次いで、この正孔注入層上に次式(f)
Figure 2005340042
で表されるN,N−ビス(1−ナフチル)−N,N−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)を真空蒸着装置を用いて、蒸着速度0.1nm/秒の速度で蒸着し、厚み10nmの正孔輸送層を製膜した。
次に、この正孔輸送層の上に発光剤としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq3) を同様にして、蒸着速度0.1nm/秒の速度で蒸着し、厚み50nmの発光層を製膜した。更に、この発光層の上にマグネシウム−銀合金(Mg/Al重量比=10/1)を厚み200nmに蒸着して陰極とした。
このようにして得た有機エレクトロルミネッセンス素子について、実施例1と同様にして、電極間に0〜200Vの電圧を印加して発光輝度を測定した。結果を図5に示す。
比較例1
ポリ(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホネート(PEDT/PSS、バイエル社製ベイトロンP TP AI 4083、樹脂水分散液、樹脂分1.5重量%)を0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、不純物を除いて、コーティング液とし、これを実施例1と同様に処理した板ガラスの表面にスピンコーター(1000rpm)にて3分間塗布し、200℃で10分間加熱乾燥して、上記ガラス板上に厚み60nmの正孔注入輸送層を製膜した。
次いで、実施例1と同様にして、上記正孔注入輸送層上に前記フルオレン系青色発光剤のト1.5重量%濃度トルエン溶液を大気中、スピンコーター(1500rpm)にて3分間塗布し、60℃で30分間加熱乾燥して、厚み80nmの発光層を形成した。更に、この発光層の上に実施例1と同様にしてフッ化リチウム/カルシウム/アルミニウムの3層からなる陰極を製膜して、有機エレクトロルミネッセンス素子を得た。このようにして得た有機エレクトロルミネッセンス素子について、実施例1と同様にして、電極間に0〜200Vの電圧を印加して発光輝度を測定した。結果を図5に示す。
本発明に従って、3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンがそのエチレン性不飽和結合によって架橋した架橋体からなる正孔注入輸送層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、比較例によるエレクトロルミネッセンス素子に比べて、低い駆動電圧にて高い輝度を示す。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の断面図である。 化合物(d)のFT−IRスペクトルである。 化合物(d)のDSC曲線である。 化合物(d)のサイクリックボルタモグラムである。 本発明による有機エレクトロルミネッセンス素子と比較例による有機エレクトロルミネッセンス素子の印加電圧と発光輝度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1…透明基板
2…透明電極(陽極)
3…有機正孔輸送層
3a…有機正孔注入層
4…有機発光層
5…金属電極(陰極)
6…電源

Claims (3)

  1. 一般式(I)
    Figure 2005340042
    (式中、Rは一般式(II)
    Figure 2005340042
    (式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R3 はアルキレン基を示す。)
    で表される基である。)
    で表される3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンがそのエチレン性不飽和結合によって架橋した架橋体からなる正孔注入輸送層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 一般式(II)で表される基において、Rがアクリロイルオキシアルキレン基又はメタクリロイルオキシアルキレン基である請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 請求項1に記載の3官能のエチレン性不飽和結合を有するトリアリールアミンの溶液を陽極表面に塗布した後、これに紫外線を照射し、上記トリアリールアミンをそのエチレン性不飽和結合によって架橋させ、製膜して、陽極上に正孔注入輸送層を形成する工程を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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