JP2007309100A - エンジン始動用蓄電池の劣化判別方法および劣化判別装置 - Google Patents

エンジン始動用蓄電池の劣化判別方法および劣化判別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジン始動時の電圧脈動を用いて、エンジン始動性を反映した、蓄電池の劣化判別を精度よく行うこと。また、車両や蓄電池仕様の差による影響を抑制すること。
【解決手段】エンジン始動用セルモータに電力を供給するエンジン始動用蓄電池の劣化判別において、セルモータ駆動時に発生する蓄電池電圧脈動をモニターし、セルモータ駆動直前における蓄電池電圧V0と、蓄電池脈動における、2回目以降であるn回目の電圧ボトム値VSnを計測し、V0とVSnを比較して蓄電池の劣化判別を行う。例えば、VSnとV0の差分ΔVn(=V0−VSn)に応じて劣化判別を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は車両用をはじめとする、エンジン始動に用いられる蓄電池の劣化判別方法と、その装置に関する。
自動車用蓄電池をはじめとするエンジン始動用蓄電池として、主に鉛蓄電池が使用され、る。このようなエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法として、蓄電池の開路電圧や所定負荷での放電電圧に基づく方法や、電解液比重(希硫酸濃度)に基づく方法が広く一般に用いられている。
これらの方法は鉛蓄電池の劣化状態をある程度まで把握することは可能であるが、開路電圧測定を除き、専用の放電装置や比重測定器が必要となり、一般の車両オーナーが手軽に蓄電池の劣化を判別することは困難である。
このような放電装置や比重測定器を用いず、一般の車両オーナーが手軽に蓄電池の劣化を判別する方法として、特許文献1には、エンジン始動直後の蓄電池電圧の最低値VS1を検出し、この値から蓄電池の劣化状態を判別する装置を蓄電池に常時装着することが示されている。
図1に示したように、エンジン始動用のセルモータを蓄電池で起動した瞬間(セルモータ回転数は0rpm)、蓄電池電圧は急激に低下したのち、セルモータの回転とともに、蓄電池電圧は一旦上昇する。その後、エンジン始動トルクの変動に応じて蓄電池電圧は脈動する。エンジン始動が完了し、セルモータが停止した後は、エンジン駆動力によって、オルタネータで発電が行われ、これによって蓄電池が充電されるため、蓄電池電圧は急激に上昇する。
特開2006−8038号公報
しかしながら、特許文献1のように、エンジン始動直後の初回の蓄電池電圧値のボトム値(図1におけるVS1)で蓄電池の劣化を判別する方法では、車両によって劣化判別精度に大きな差があることがわかってきた。これは、ある車両では、蓄電池電圧のボトム値VS1と劣化状態とは強い相関が出るものの、一方では、他の車両ではこのような相関が殆どない、という車両固有の特性によるものであった。
すなわち、車両仕様によっては、蓄電池の劣化とともに、セルモータ始動電流が低下するものがある。このような車両では、VS1の値が比較的高くなり、蓄電池劣化とVS1との相関性が明確に生じないことが現象として起こっていた。このような車両でVS1を用いた蓄電池の劣化判別を行った場合、判別精度が大幅に低下することがあり、その結果、車両間で劣化判別精度に大きな差が生じていた。
本発明では、前記したように、車両仕様が変化した場合においても、極めて高い精度でエンジン始動用蓄電池の劣化状態を判別する方法および装置を提供するものである。
前記した課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、エンジン始動用セルモータに電力を供給するエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法であり、セルモータ駆動前の蓄電池電圧V0を計測し、セルモータ駆動時に発生する蓄電池電圧脈動において、セルモータ起動直後におけるn回目(n≧2)の電圧ボトム値VSnを計測し、前記V0と前記VSnを比較して前記蓄電池の劣化を判別するエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法を示すものである。
さらに、本発明の請求項2に係る発明は、請求項1のエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法において、前記V0と前記VSnの差分ΔVn(=V0−VSn)に応じて前記蓄電池の劣化を判別するものである。
また、本発明の請求項3に係る発明は、請求項2のエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法において、初回のエンジン始動における前記ΔVnを、前記ΔVnの初期値ΔVniとして計測し、任意のk回目のエンジン始動における前記ΔVnを計測し、前記ΔVnと前記ΔVniの比により、前記蓄電池の劣化を判別するものである。
また、本発明の請求項4に係る発明は、請求項2のエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法において、エンジン始動回数Sを計数し、初回(S=1)から所定のm回(S=m)におけるエンジン始動時のΔVnをそれぞれのエンジン始動回数毎に求め、これら複数の前記ΔVn値から、前記ΔVnの初期値ΔVniを設定し、任意のk回目(S=k、但し、k≧m)のエンジン始動における前記ΔVnと、前記ΔVniの比により、前記蓄電池の劣化を判別するものである。
さらに、本発明の請求項5に係る発明は、エンジン始動用セルモータに電力を供給するエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置であり、セルモータ駆動前の蓄電池電圧V0を計測するとともに、セルモータ駆動時に発生する蓄電池電圧脈動において、セルモータ起動直後におけるn回目(n≧2)の電圧ボトム値VSnを計測する電圧計測手段を備え、前記V0と前記VSnを比較して前記蓄電池の劣化を判別する、劣化判別手段を備えたエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置を示すものである。
また、本発明の請求項6に係る発明は、請求項5に係るエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置において、前記V0と前記VSnの差分ΔVn(=V0−VSn)に応じて前記蓄電池の劣化を判別するものである。
さらに、本発明の請求項7に係る発明は、請求項6に係るエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置において、初回のエンジン始動における前記ΔVnを前記ΔVnの初期値ΔVniとして計測し、任意のk回目のエンジン始動における前記ΔVnを計測し、前記ΔVnと前記ΔVniの比により、前記蓄電池の劣化を判別するものである。
そして、本発明の請求項8に係る発明は、請求項6に係るエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置において、エンジン始動回数Sを計数し、初回(S=1)から所定のm回(S=m)におけるエンジン始動時のΔVnをそれぞれのエンジン始動回数毎に求め、これら複数の前記ΔVn値から、前記ΔVnの初期値ΔVniを設定し、任意のk回目(S=k、但し、k≧m)のエンジン始動における前記ΔVnと、前記ΔVniの比により、前記蓄電池の劣化を判別するものである。
本発明は、上記の構成を有することにより、エンジン始動時における、セルモータ駆動直前の蓄電池電圧値と、2回目以降のn回目の電圧ボトム値とを比較することにより、様々な車両において、特にエンジン始動性の観点から精度の高い蓄電池の劣化判別が可能となる。
以下、本発明の実施の形態によるエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法およびその装置を、図面を参照しながら説明する。
図2は本発明によるエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置1がエンジン始動用蓄電池2(以下、蓄電池2という)に接続され、かつ車両に搭載された状態を示す図である。なお、エンジン(図示せず)を始動するためのセルモータ3が始動スイッチ4を介して蓄電池2に接続されている。
本発明の劣化判別装置1は、蓄電池2の電圧を測定する電圧測定手段11を有している。この電圧測定手段11により、セルモータ駆動前の蓄電池電圧V0と、セルモータ駆動時に発生する蓄電池電圧脈動において、n回目(n≧2)における電圧ボトム値VSnを計測する。
図3は、エンジン始動用蓄電池でセルモータを駆動し、エンジン始動をおこなった時の蓄電池電圧変化と、V0、VS1、VSn(図3の例では、VS2,VS3,VS4)との対応を示す。ここで、初期状態としたのは、蓄電池が劣化の進行していない状態であり、良好なエンジン始動性を有している状態での電圧変化を示す。また、劣化進行状態としたのは、蓄電池の劣化が進行し、エンジン始動性能が低下した状態での電圧変化を示す。
図3に示したように、セルモータを駆動する際、エンジン気筒数等他、車両構造に起因して蓄電池電圧は周期的な脈動を示す。
本発明では、図3に示したような、周期的な電圧脈動におけるボトム値、特に初回のボトム値VS1を除く、n回目(n≧2)のボトム値VSnと、セルモータ駆動前の蓄電池電圧V0を電圧計測手段11により計測し、これら値から劣化判別手段12により、蓄電池2の劣化判別を行う。
図3に示したように、蓄電池の劣化状態によって、V0および初期のボトム値VS1は大きく変化しないものの、n回目(n≧2)のボトム値VSnはその劣化状態によって大きく変動するため、本発明では、VSnとV0値から劣化判別を行う。
なお、電圧計測手段11では、蓄電池電圧をミリ秒オーダーで常時計測するとともに、これら値をメモリー等に記憶させておき、蓄電池電圧変化よりエンジン始動を検出し、n回目(n≧2)の電圧ボトム値をVSnとして順次サンプリングしていく。また、エンジン始動を検出した時点より所定時間前の蓄電池電圧をエンジン始動前の蓄電池電圧V0として前記したメモリーから読み取ればよい。
前記して得たV0およびVSnからこれらの差分ΔVn(=V0−VSn)として求め、このΔVn値から蓄電池の劣化判別が可能となる。また、VSn値およびΔVnは車両毎に異なるため、蓄電池が劣化していない、初期状態におけるΔVnをΔVniとして計測しておき、任意のエンジン始動時におけるΔVnとΔVniとの比率、例えば(ΔVn/ΔVni)(但し、n≧2)をパラメータとして蓄電池の劣化判別を行うことにより、車両による劣化判別精度のばらつきを抑制することができる。
初期状態の蓄電池では、(ΔVn/ΔVni)=1となり、蓄電池の劣化の進行に応じて、(ΔVn/ΔVni)値が増大していく。一方、(ΔVn/ΔVni)値の逆数(ΔVni/ΔVn)値を劣化判別のパラメータとして設定した場合、初期状態の蓄電池では、(ΔVni/ΔVn)=1となり、蓄電池の劣化の進行に応じて、(ΔVn/ΔVni)値が減少していく。
例えば、劣化判別のパラメータとして、(ΔVn/ΔVni)値を用いる場合、この(ΔVn/ΔVni)値について、あらかじめ蓄電池の劣化度合い、例えば残存容量との関係を求めておき、蓄電池のエンジン始動性が低下し、蓄電池交換が必要となる(ΔVn/ΔVni)値の判別値Aを設定し、(ΔVn/ΔVni)値が判別値A以上となる場合に、蓄電池交換をユーザに告知するための表示を、表示手段14を用いて行えばよい。表示手段14としては、LED等の発光デバイスによる表示、LCDに代表される表示デバイスによる表示、あるいは電子ブザー音等、音響による告知を含む。
また、複数の発光デバイスを、劣化判別のパラメータである、(ΔVn/ΔVni)値、あるいは(ΔVni/ΔVn)値の変化に応じて順次発光させることにより、蓄電池の劣化状態を段階的に表示することもできる。
本発明において、初期状態におけるΔVniの計測方法としては、対象蓄電池を車両に搭載した後の初回のエンジン始動時におけるΔVnを、ΔVnの初期値ΔVniとして計測すればよく、この値をメモリーに記憶させ、劣化判別時に逐一メモリーより、ΔVni値を読み出せばよい。
また、より好ましい初期状態におけるΔVniの設定方法としては、対象蓄電池を車両に搭載した後のエンジン始動回数Sを計数する、エンジン始動回数計数手段13を設け、初回(S=1)から所定のm回(S=m)まで、それぞれの回毎にΔVn、すなわち、複数のΔVnを計測し、これらの値から初期状態におけるΔVniを設定する。
例えば、これらエンジン始動毎に求めた複数のΔVn値の算術平均値をΔVniとすることができる。また、他の例として、これらの値の中央値をΔVniとすることができる。さらに他の例では、これらの値の最大値と最小値を削除し、残りの値の算術平均や中央値をΔVniとすることができる。
初期状態のΔVniを設定するにあたり、1回のエンジン始動時の計測データでは、計測エラーやその他のばらつきの影響を受けやすいため、前記したように、複数回のΔVn値から初期状態のΔVniを設定することが、劣化判別精度を向上させる上で好ましい。
なお、エンジン始動回数計数手段13として、例えば、図3に示したエンジン始動時の蓄電池電圧変化において、V0値からVS1値への急激な蓄電池電圧低下を検出し、この検出回数をエンジン始動回数Sとすることができる。V0値からVS1値への急激な蓄電池電圧低下の検出は、電圧計測手段11によって所定時間間隔で連続して蓄電池電圧をサンプリングし、このサンプリングした蓄電池電圧データ列において、蓄電池電圧値変化および、時間当たりの蓄電池電圧変化によって検出することができる。
1回目の蓄電池電圧ボトム値VS1は、セルモータへの突入電流であり、ほぼ、開路状態での蓄電池の内部抵抗値とセルモータの巻き線抵抗によって支配される。一方、2回目以降の蓄電池電圧ボトム値VSn値は、セルモータの駆動トルクと、セルモータ駆動時の蓄電池内部抵抗を反映するため、1回目の蓄電池電圧ボトム値VS1値で劣化判別する場合に比較して、実際のセルモータ駆動時における、蓄電池の残存容量とエンジン始動性をより正確に評価でき、このエンジン始動性をより反映した蓄電池の劣化判別が可能となる。
なお、VSn値を計測する際、n値は2以上とするが、エンジン始動と同時にセルモータの負荷が低下し、蓄電池電圧の顕著な脈動が無くなるため、nは2〜4の値とすることが好ましい。また、蓄電池電圧の脈動は、本発明で検出対象となる、ボトム値−ボトム値の時間が0.2秒程度の電圧脈動に加えて、より短周期の電圧変動が加わっている。したがって、ボトム値の検出方法として、セルモータ起動時から、初回のボトム値VS1を除き、少なくとも1つのボトム値が含まれる時間(図3の例では、0.4秒程度)、連続した電圧計測を繰り返し、得られた電圧データにおける最低値をボトム値として採用すれば、比較的簡便にボトム値の検出を行うこともできる。
(本発明例)
前記した実施形態による劣化判別装置を装着したエンジン始動用の鉛蓄電池(以下、蓄電池)を様々な車両に搭載し、実車モニター試験を行った。本発明例においては、新品の蓄電池を車両に搭載し、蓄電池電圧ボトム値VS2とセルモータ起動10秒前の蓄電池電圧をV0値として計測し、これらの差分ΔV2=V0−VS2として、それぞれの初期状態の蓄電池、および実車走行を経た蓄電池について、それぞれΔV2を求めた。
初期状態のΔVni値、本発明例ではΔV2i値は、新品状態の蓄電池の初回から5回目のそれぞれのエンジン始動におけるΔV2の平均値とした。
そして、実車走行を経た蓄電池についてΔV2値を求め、劣化判別のパラメータとして(ΔV2/ΔV2i)値を求めた。その後、蓄電池の5時間率容量を測定し、蓄電池の残存容量を確認した。
(比較例)
比較例は、本発明例での蓄電池電圧ボトム値VS2を初回の蓄電池電圧ボトム値VS1に置換したものである。比較例においても、実車モニター試験を行った。すなわち、新品の蓄電池を車両に搭載し、初回の蓄電池電圧ボトム値VS1とセルモータ起動10秒前の蓄電池電圧をV0値として計測し、これらの差分ΔV1=V0−VS1として、それぞれの初期状態の蓄電池、および実車走行を経た蓄電池について、それぞれΔV1を求めた。
初期状態のΔV1i値、本発明例ではΔV1i値は、新品状態の蓄電池の初回から5回目のそれぞれのエンジン始動におけるΔV1の平均値とした。
そして、実車走行を経た蓄電池についてΔV1値を求め、劣化判別のパラメータとして(ΔV1/ΔV1i)値を求めた。その後、蓄電池の5時間率容量を測定し、蓄電池の残存容量を確認した。
なお、車両は互いにメーカが異なる3種の車両A、車両Bおよび車両Cについて行った。用いた蓄電池は、車両Aが本発明例および比較例ともに34B17形始動用鉛蓄電池、車両Bは、本発明例および比較例ともに55D23形始動用鉛蓄電池、車両Cは、本発明例および比較例ともに80D26形始動用鉛蓄電池である。
図4に本発明例の実車モニター試験における蓄電池の残存容量と、劣化判別のパラメータ(ΔV2/ΔV2i)との関係を示す。なお、図4においては、蓄電池の残存容量を新品の蓄電池における残存容量に対する比率(%)で示した。したがって、初期状態の残存容量は100%となる。
また、図5に、比較例の実車モニター試験における蓄電池の残存容量と、劣化判別のパラメータ(ΔV1/ΔV1i)との関係を示す。なお、図5においても、図4と同様、蓄電池の残存容量を新品の蓄電池における残存容量に対する比率(%)で示した。したがって、初期状態の残存容量は100%となる。
図4から、本発明例によれば、車両および蓄電池機種が異なっても、蓄電池の残存容量と劣化判別パラメータ(ΔV2/ΔV2i)との関係は、互いに極めて類似している。したがって、これらの関係から代表的な劣化判別パラメータ(ΔV2/ΔV2i)−残存容量の関係をあらかじめ設定しておけばよい。劣化判別パラメータ(ΔV2/ΔV2i)を計測することにより、蓄電池の残存容量、すなわち劣化状態の判別が可能となる。ちなみに、車両Bの特性を標準とした場合、劣化判別パラメータ(ΔV2/ΔV2i)=2での残存容量は、車両Aについては、実測値が23%に対して本発明例によれば20.2%、車両Cについては、実測値が18.7%に対して本発明例によれば20.2%であり、実測値との差を誤差とした場合、この誤差は−1.5〜2.8%であった。この結果から、後述する比較例によるものと比較して極めて優れた判別精度を有していることが確認できる。
一方、比較例に関しては、図5に示したように、車両および蓄電池機種が異なることにより、蓄電池の残存容量と劣化判別パラメータ(ΔV1/ΔV1i)との関係は、本発明例に比較して大きくばらつく結果となっている。特に、車両Cにおいては、車両Aおよび車両Bに比較して劣化判別パラメータと残存容量との相関性が低下している。
比較例において、例えば、車両Bでの特性を標準とした場合、劣化判別パラメータ(ΔV1/ΔV1i)=2とした場合における蓄電池の残存容量は、車両Aについては、実測値が17.2%に対し、比較例によれば10%となり、その誤差は7.2%であり、本発明例に比較して精度が顕著に低下していた。さらに、車両Cにいたっては、劣化判別パラメータが2まで上昇しないため、残存容量が検出不能となった。
なお、本実施例では、ΔV1iおよびΔV2iの設定を初回から5回目のエンジン始動時におけるΔV1およびΔV2のそれぞれ平均値としたが、初回のエンジン始動におけるΔV1値およびΔV2値をそれぞれΔV1i値およびΔV2iとした場合も、同様の実車モニター試験結果が得られた。
但し、この場合には本発明例および比較例ともに、2%程度の若干の誤差増大が認められる。このことを勘案すれば、初回のエンジン始動時のΔV2を初期値ΔV2iとして設定した場合においても、比較例に比べて誤差は極めて低いレベルで抑制されており、本発明の効果が顕著に得られることがわかる。
一般的に、蓄電池の残存容量が10〜30%の領域に低下すると、エンジン始動が不能となるが、本発明例では、このような残存容量領域で、残存容量に対する劣化判別パラメータの変化率(図4における曲線の傾き)が、比較例に対して大きくなるとともに、それらの車両間のばらつきも抑制される。したがって、車両の仕様差の影響が顕著に抑制されるとともに、エンジン始動可能−エンジン始動不能の境界領域において、精度のよい蓄電池の劣化判別が可能となる。
一方、比較例では、蓄電池残存容量が10〜30%のエンジン始動可否の境界領域において、残存容量に対する劣化判別パラメータ(図5における曲線の傾き)が本発明例に比較して小さく、また、それらの車両間のばらつきも多い。また、特に車両Cでは、蓄電池劣化が進行しても、劣化判別パラメータの上昇が抑制されているため、判定精度は急激に低下する。また劣化判別パラメータの判別しきい値の選択によっては(例えばΔV1/ΔV1i=2の場合)、劣化判別自体が不能となる。
本発明によれば、車両や蓄電池の仕様差が抑制され、特に、エンジン始動可能−エンジン始動不能の境界領域で、精度の高い残存容量検知が可能となり、エンジン始動用の蓄電池の、特にエンジン始動性を考慮した劣化判別を顕著に高い精度で行うことができる。
本発明によれば、エンジン始動時の蓄電池電圧脈動を利用して蓄電池の劣化判別を行うことから、車両用をはじめとする多くのエンジン始動用蓄電池の劣化判別に好適である。
エンジン始動時における蓄電池電圧の経時変化の一例を示す図 本発明のエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置を示す図 エンジン始動時における蓄電池電圧の経時変化の一例を示す他の図 本発明例における蓄電池残存容量と劣化判別パラメータとの関係を示す図 比較例における蓄電池残存容量と劣化判別パラメータとの関係を示す図
符号の説明
1 劣化判別装置
2 蓄電池
3 セルモータ
4 始動スイッチ
11 電圧計測手段
12 劣化判別手段
13 エンジン始動回数計数手段
14 表示手段

Claims (8)

  1. エンジン始動用セルモータに電力を供給するエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法であり、
    セルモータ駆動前の蓄電池電圧V0を計測し、
    セルモータ駆動時に発生する蓄電池電圧脈動において、
    セルモータ起動直後におけるn回目(n≧2)の電圧ボトム値VSnを計測し、
    前記V0と前記VSnを比較して前記蓄電池の劣化を判別するエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法。
  2. 前記V0と前記VSnの差分ΔVn(=V0−VSn)に応じて前記蓄電池の劣化を判別する請求項1に記載のエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法。
  3. 初回のエンジン始動における前記ΔVnを、前記ΔVnの初期値ΔVniとして計測し、
    任意のk回目のエンジン始動における前記ΔVnを計測し、前記ΔVnと前記ΔVniの比により、前記蓄電池の劣化を判別する請求項2に記載のエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法。
  4. エンジン始動回数Sを計数し、初回(S=1)から所定のm回(S=m)におけるエンジン始動時のΔVnをそれぞれのエンジン始動回数毎に求め、これら複数の前記ΔVn値から、前記ΔVnの初期値ΔVniを設定し、
    任意のk回目(S=k、但し、k≧m)のエンジン始動における前記ΔVnと、前記ΔVniの比により、前記蓄電池の劣化を判別する請求項2に記載のエンジン始動用蓄電池の劣化判別方法。
  5. エンジン始動用セルモータに電力を供給するエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置であり、
    セルモータ駆動前の蓄電池電圧V0を計測するとともに、
    セルモータ駆動時に発生する蓄電池電圧脈動において、
    セルモータ起動直後におけるn回目(n≧2)の電圧ボトム値VSnを計測する電圧計測手段を備え、
    前記V0と前記VSnを比較して前記蓄電池の劣化を判別する、劣化判別手段を備えたエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置。
  6. 前記V0と前記VSnの差分ΔVn(=V0−VSn)に応じて前記蓄電池の劣化を判別する請求項5に記載のエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置。
  7. 初回のエンジン始動における前記ΔVnを、前記ΔVnの初期値をΔVniとして計測し、任意のk回目のエンジン始動における前記ΔVnを計測し、前記ΔVnと前記ΔVniの比により、前記蓄電池の劣化を判別する請求項6に記載のエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置。
  8. エンジン始動回数Sを計数し、初回(S=1)から所定のm回(S=m)におけるエンジン始動時のΔVnをそれぞれのエンジン始動回数毎に求め、これら複数の前記ΔVn値から、前記ΔVnの初期値ΔVniを設定し、任意のk回目(S=k、但し、k≧m)のエンジン始動における前記ΔVnと、前記ΔVniの比により、前記蓄電池の劣化を判別する請求項6に記載のエンジン始動用蓄電池の劣化判別装置。
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