JP2007309096A - 内燃機関の気液分離構造 - Google Patents

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昇一 舘山
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Abstract

【課題】この発明はブローバイガス中のオイルを分離回収するための気液分離室をヘッドカバーの上に備えるタイプの内燃機関の気液分離構造に関し、ブローバイガスに含まれるオイルを効率的に分離し、かつ、分離したオイルを効率的に潤滑油として利用することを目的とする。
【解決手段】ヘッドカバー10の吸気側窓22と排気側窓24を覆うように、気液分離室カバー30,32を設ける。気液分離室カバー30,32の中に形成される気液分離室を、前記窓22,24を利用してヘッドカバー10の内部空間に連通させるための開口部を有する。開口部の位置と合致するように、気液分離室の内部に羽根車26を配置する。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関の気液分離構造に係り、特に、ブローバイガス中のオイルを分離回収するための気液分離室をヘッドカバーの上に備えるタイプの内燃機関の気液分離構造に関する。
従来、例えば特開2005−113799号公報に開示されるように、内燃機関において発生するブローバイガスに含まれるオイルを回収するための装置が知られている。上記公報には、具体的には、ブローバイガス中のオイルを回収するためのオイルセパレータが開示されている。
上記従来のオイルセパレータは、円筒状のケーシングと、その内部に配置される羽根車とを備えている。ケーシングは、一端において内燃機関の内部空間に連通しており、その他端において内燃機関の吸気系に連通している。また、ケーシングの底部には、オイル回収系に通じる回収孔が設けられている。
内燃機関の運転中は、吸気系からケーシングに吸気負圧が導入される。その結果、ケーシングの内部には、内燃機関の内部空間から吸気系へ向かうブローバイガスの流れが生ずる。ブローバイガスは、ケーシング内を流れる過程で、羽根車にあたって羽根車を回転させる。ブローバイガス中のオイルは、羽根車に付着し、その後、遠心力により羽根車から分離される。分離されたオイルは、ケーシング底部の回収孔から流出して回収される。
羽根車を用いた上記の構成によれば、ブローバイガスが多量であっても、効率的にその内部のオイルをガスから分離することができる。このため、上記従来のオイルセパレータによれば、優れたオイル回収能力を実現することが可能である。
特開2005−113799号公報 実開平2−149809号公報
しかしながら、上記従来のオイルセパレータは、ブローバイガスから分離したオイルを、そのまま回収するものにすぎない。すなわち、このオイルセパレータによっては、分離したオイルを、そのまま内燃機関の潤滑油として利用することはできない。この点、上記従来のオイルセパレータは、オイルの利用効率の点で、必ずしも理想的なものではなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、ブローバイガスに含まれるオイルを効率的に分離することができ、かつ、分離したオイルを効率的に潤滑油として利用することのできる内燃機関の気液分離構造を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の気液分離構造であって、
内部空間に通じる窓を有するヘッドカバーと、
前記窓を覆うように前記ヘッドカバーに取り付けられる気液分離室カバーと、
前記気液分離室カバーの中に形成される気液分離室を、前記窓を利用して前記ヘッドカバーの内部空間に連通させるための開口部と、
前記開口部の位置と合致するように前記気液分離室の内部に配置される羽根車と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
ヘッドカバーの内部空間に配置されるカムを備え、
前記開口部は、前記カムの位置と合致するように設けられていることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記羽根車は、前記開口部を通って前記ヘッドカバーの内部空間に突出するように設けられていることを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、前記ヘッドカバーの内部空間から前記気液分離室に流入するガスによるオイル持ち去り量が多いほど、前記羽根車を高速で回転させる羽根車駆動手段を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、前記羽根車駆動手段は、
前記羽根車に回転トルクを与えるモータと、
内燃機関の運転状態に応じて、前記オイル持ち去り量が多いほど前記羽根車が高速で回転するように、前記モータを制御するモータ制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第4の発明において、前記羽根車駆動手段は、カムの回転、若しくは内燃機関の回転を前記羽根車に伝達する機関回転伝達機構を含むことを特徴とする。
また、第7の発明は、第1乃至第6の発明の何れかにおいて、
前記羽根車に設けられたオイルシャワー孔と、
前記オイルシャワー孔にオイルを供給するオイル供給手段と、
内燃機関の運転状態に基づいて、オイル不足条件の成否を判断する判断手段と、
前記オイル不足条件の成立時に、前記オイルシャワー孔からオイルが吐出されるように、前記オイル供給手段を制御するオイル供給制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第8の発明は、第7の発明において、前記羽根車の停止位置を、前記オイルシャワー孔が前記開口部を介して前記ヘッドカバーの内部空間に向かう位置に規制する羽根車停止位置規制手段を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、ヘッドカバーに取り付けられた気液分離室カバーの中に、気液分離室を形成することができる。気液分離室の中には、ヘッドカバーの内部空間に連通する開口部と合致するように羽根車が配置される。このような構成によれば、開口部から気液分離室へはブローバイガスが流入しないため、ブローバイガスは、気液分離室の内部で所望の流れを形成する。ブローバイガスが気液分離室の内部を流通する過程で、ブローバイガス中のオイルは、羽根車の作用によって効率的に分離される。その後、分離されたオイルは、開口部からヘッドカバーの内部空間に戻され、潤滑油として有効に利用される。
第2の発明によれば、羽根車が配置される開口部は、カムの位置と合致するように設けられている。このため、本発明によれば、ブローバイガスから分離したオイルを、カムの潤滑に有効利用することができる。
第3の発明によれば、羽根車の一部は、開口部を通ってシリンダヘッドの内部に収納される。このような構成によれば、気液分離室の高さを抑えることができ、内燃機関を薄型化することができる。
第4の発明によれば、ブローバイガスにより持ち去られるオイル量が多いほど羽根車を高速で回転させることができる。羽根車は、高速で回転するほど高いオイル分離能力を発揮する。このため、本発明によれば、オイルの分離能力を過不足なく発揮することができ、効率的にオイルの回収を図ることができる。
第5の発明によれば、内燃機関の運転状態に応じて、オイル持ち去り量の多少に合致するように、モータにより羽根車を駆動することができる。このため、本発明によれば、極めて効率的にブローバイガス中のオイルを回収して利用することができる。
第6の発明によれば、カム若しくは内燃機関の回転を伝達する機構によって羽根車を駆動することができる。このような構成によれば、機関回転数が高いほど、羽根車を高速で回転させることができる。オイル持ち去り量は、機関回転数が高いほど多量になり易い。このため、本発明によれば、複雑な制御を用いることなく、オイル持ち去り量に応じた回転速度を羽根車に与えることができる。
第7の発明によれば、羽根車に設けられたオイルシャワー孔から、内燃機関の内部にオイルを供給することができる。内燃機関が、十分なオイル持ち去り量を生じさせる領域で運転している場合は、羽根車によって回収したオイルにより、十分な潤滑を得ることができる。しかしながら、内燃機関の運転領域中には、回収により得られるオイル量によっては、十分な潤滑が得られない領域が存在することがある。本発明によれば、そのような領域で、羽根車のオイルシャワーからオイルを供給することにより、常に所望の潤滑能力を確保することができる。
第8の発明によれば、羽根車の停止位置を、オイルシャワー孔が開口部を介してヘッドカバーの内部空間に向かう位置に規制することができる。羽根車が上記の位置で停止していれば、羽根車の停止中においてもオイルシャワーから内燃機関の内部にオイルを供給することができる。このため、本発明によれば、オイルが不足する状況下で、常にオイルシャワーから内燃機関の内部にオイルを供給することができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。本実施形態の気液分離構造は、ヘッドカバー10を備えている。ヘッドカバー10は、直列4気筒式の内燃機関に用いられるものであり、各気筒と干渉しない位置に、5つのアッパ軸受け12を有している。
アッパ軸受け12は、それぞれ、吸気カムシャフト14を保持するための軸受け部、及び排気カムシャフト16を保持するための軸受け部を有している。アッパ軸受け12には、それぞれ、ロア軸受け18が固定される。吸気カムシャフト14及び排気カムシャフト16は、アッパ軸受け12とロア軸受け18との間に、回動可能な状態で保持される。
吸気カムシャフト14には、気筒毎に2つの吸気カム(図示せず)が設けられている。また、排気カムシャフト16には、気筒毎に2つの排気カム20が設けられている。上述したヘッドカバー10には、吸気カムシャフト14の長手方向に延在する吸気側窓22と、排気カムシャフト16の長手方向に延在する排気側窓24とが設けられている。吸気側窓22及び排気側窓24は、それぞれ、ヘッドカバー10の上から、全ての吸気カム及び全ての排気カム20の目視が可能となるように設けられている。
ヘッドカバー10の上には、吸気側窓22に対応するように、4つの羽根車26が配置される。羽根車26は、中心軸28により、個々の気筒の吸気カムに対応する位置に、回動可能に保持される。尚、便宜上図示を省略しているが、羽根車及び中心軸は、排気側にも配置される。
ヘッドカバー10の上には、また、吸気側窓22を塞ぐ気液分離室カバー30と、排気側窓24を塞ぐ気液分離室カバー32とが配置される。気液分離室カバー30,32の中には、それぞれ、気液分離室が形成される。
図2は、吸気側に形成される気液分離室34の内部構造を説明するための断面図である。吸気側の気液分離室34は、具体的には、図2に示すように、気液分離室カバー30と、底板36とで囲まれた空間に形成される。底板36は、気液分離室カバー30の長手方向に沿って延在するように、つまり、ヘッドカバー10の吸気側窓22(図1参照)に沿って延在するように設けられている。
底板36には、図2における左側の端部付近(図示されていない部分)に、吸気側窓22に通じるガス吸入孔が設けられている。他方、気液分離室カバー30には、図2における右側の端部付近(図示されていない部分)に、ガス流出孔が設けられている。そして、ガス流出孔は、内燃機関の吸気系に連通している。
底板36には、更に、個々の羽根車26の外形と合致する開口部38が設けられている。開口部38は、より具体的には、吸気カムシャフト14が備える吸気カムのそれぞれと対応する位置に設けられている。羽根車26は、開口部38及び吸気側窓22を介して、それぞれの吸気カムの近傍において、ヘッドカバー10(図1参照)の内部空間に露出している。
内燃機関の運転中は、気液分離室34のガス流出孔に吸気負圧が導かれる。底板36の開口部38は、羽根車26によって多分に塞がれているため、上記の如く導かれた負圧は、気液分子室34を伝ってガス吸入孔まで導かれる。
ガス吸入孔は、上記の如くヘッドカバー10の内部空間に開口している。また、内燃機関の運転中は、ヘッドカバー10の内部空間にブローバイガスが流出する。気液分離室34に導かれた吸気負圧は、そのブローバイガスを、ガス吸入孔から気液分離室34に流入させる。ガス吸入孔から流入したブローバイガスは、気液分離室34の内部を流れて(図2中に示す破線の矢印参照)ガス流出孔に至り、その後、内燃機関の吸気系に吸い込まれて処理される。
ヘッドカバー10の内部空間には、摺動部の潤滑を得るためのオイルが存在している。このため、気液分離室34に吸入されるブローバイガス中には、排気ガスの他にオイルも含まれている。ブローバイガスが、オイルを含んだままの状態で吸気系に流れるとすると、オイルの消費量が不当に増える事態が生ずる。このため、ブローバイガス中に含まれるオイルは、排気ガスから分離して回収することが望ましい。
本実施形態の構成によれば、気液分離室34の内部を流れるブローバイガスは、ガス流出孔に至る前に羽根車26に当たる。羽根車26は、このようなガスの当たりを受けて回転するように構成されている。ブローバイガス中のオイルは、羽根車26に当たることにより羽根車26に付着する。また、回転する羽根車26に付着したオイルは、遠心力を受けて羽根車26から脱離する。複数の羽根車26のそれぞれが上記の現象を生じさせることにより、ブローバイガスに混在するオイルは、気液分離室34の内部を流通する過程において効率的にガスから分離される。このため、本実施形態の構成によれば、オイル消費量の増大を伴うことなく、効率的にブローバイガスの換気を行うことができる。
羽根車26によってガス中から分離されたオイルは、個々の羽根車26に対応する開口部38から、ヘッドカバー10の内部空間に戻される。開口部38は、吸気カムの近傍に設けられているため、戻されたオイルは、吸気カムの近傍に供給される。
本実施形態の気液分離構造は、排気側の気液分離室カバー32の内部にも、吸気側と同様に設けられた羽根車や開口部が設けられている。このため、排気側においても、吸気側と同様に、気液分離室の内部で、ブローバイガス中のオイルが羽根車によって効率的に分離される。また、排気側の気液分離室の内部で分離されたオイルは、排気カム20(図1参照)の近傍に戻される。
このため、本実施形態の構成によれば、吸気側及び排気側の双方において、ブローバイガスに含まれるオイルを効率的に分離し、かつ、分離したオイルを効率的に潤滑油として利用することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、気液分離室34の底部に底板36を設けて、底板36に、羽根車26の外形と合致する開口部38を設けることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、気液分離室34の底部は、羽根車26の周囲に不必要に大きな隙間が存在しない構造であれば足りる。従って、吸気側窓22の開口部が、羽根車26の外形との間に大きな隙間を生じさせないものである場合は、底板36を省略して、吸気側窓22により開口部を構成することとしてもよい。この点は、排気側においても同様である。
上述した実施の形態1では、ヘッドカバー10を、アッパ軸受け12を一体に備える軸受け一体型としている。ヘッドカバーが軸受け一体型である場合は、ヘッドカバーをシリンダヘッドに組み付けた状態で、吸気カム及び排気カムの近傍が目視できることが便利である。そして、本実施形態におけるヘッドカバー10は、吸気側窓22及び排気側窓24を備えているため、上記の要求に応えることができる。
また、羽根車26によって分離したオイルを、効率的に内燃機関の潤滑油として利用するためには、気液分離室を内部空間に連通させる開口部をヘッドカバー10に設けることが必要である。本実施形態におけるヘッドカバー10によれば、吸気側窓22及び排気側窓24により、この要求にも応えることができる。この点、本実施形態の構成は、多くの効果を同時に実現し得るという点において、実機への搭載に適したものである。
しかしながら、本発明の構成は、これに限定されるものではない。すなわち、ヘッドカバー10は、その内部空間に通じる開口部を備えていれば十分であり、必ずしも軸受け一体側である必要はない。ヘッドカバー10は、アッパ軸受け12を後付けで固定タイプのものであってもよい。
また、上述した実施の形態1では、気液分離室の開口部を、吸気カム或いは排気カムの近傍に設けることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、気液分離室の開口部は、分離・回収したオイルを戻す上で適切な位置も設けられていればよく、内燃機関に対する要求に応じて任意の位置に設ければよい。
実施の形態2.
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。図3は、本発明の実施の形態2の特徴部分を説明するための図であり、図2と同様に、吸気側の気液分離室34の近傍を表している。排気側の構造は、吸気側の構造と実質的に同じであるため、ここでは、両者の代表例として吸気側の構造を説明する。尚、図3において、図2に示す要素と同一の要素には、共通する符号が付されている。
本実施形態の気液分離構造においては、図3に示すように、羽根車26が、底板36の開口部38から、ヘッドカバー10の内部空間に突出するように配置されている。本実施形態の構造は、吸気側及び排気側の双方において、羽根車が、上記の如く配置されている点を除いて実施の形態1の構造と同様である。
羽根車26を底板36から突出させる構造によれば、羽根車26の収納に要する気液分離室34の高さを減らすことができる。つまり、本実施形態の構造によれば、実施の形態1の場合に比して、気液分離室カバー30,32の高さを低くすることができる。このため、本実施形態の構造によれば、実施の形態1の場合と同様の効果を達成しつつ、内燃機関のコンパクト化を図ることができる。
実施の形態3.
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、本発明の実施の形態3の特徴部分を説明するための図であり、図2と同様に、吸気側の気液分離室34の近傍を表している。排気側の構造は、吸気側の構造と実質的に同じであるため、ここでは、両者の代表例として吸気側の構造を説明する。尚、図4において、図2に示す要素と同一の要素には、共通する符号が付されている。
本実施形態の気液分離構造においては、図4に示すように、羽根車26の中心軸28にモータ50が連結されている。中心軸28は、気液分離室34の内部に回動可能に保持されている。また、全ての羽根車26は、中心軸28に固定されている。このような構成によれば、モータ50により羽根車26を駆動することができる。
モータ50には、ECU(Electronic Control Unit)52が接続されている。ECU52には、機関回転数NEに応じた出力を発する回転数センサ54、及び内燃機関の吸入空気量Gaに応じた信号を発するエアフロメータ56が接続されている。ECU52は、回転数センサ54及びエアフロメータ56の出力に基づいて、モータ50の回転を制御することができる。
図5は、本実施形態においてECU52が実行するルーチンのフローチャートである。図5に示すルーチンでは、先ず、機関回転数NEと、内燃機関の負荷率KLとが取得される(ステップ100)。負荷率KLは、吸入空気量Gaに基づいて、公知の手法により算出することができる。
次に、機関回転数NE及び負荷率KLに基づいて、羽根車26の目標回転数が取得される(ステップ102)。ブローバイガスによって持ち去られるオイルの量は、内燃機関の運転状態によって変化する。具体的には、オイル持ち去り量は、高負荷高回転領域において多量となり易く、負荷率KLが低くなるほど、また、機関回転数NEが低くなるほど少量となり易い。
気液分離室34におけるオイル分離能力は、羽根車26の回転速度が早いほど高くなる。従って、オイル持ち去り量が多く、高いオイル分離能力が求められる状況下では羽根車26を高速で回転させることが望ましい。他方、オイル持ち去り量が少ない領域では、羽根車26を無駄に回転させる必要はない。
本実施形態において、ECU52は、上記の事情に鑑みて、オイル持ち去り量の多い領域では羽根車26が高速回転し、他方、オイル持ち去り量が少ない領域では、羽根車26が低速回転し、または停止するように、モータ50を駆動する。
ECU52は、内燃機関の運転状態との関係で、モータ50の目標回転数、つまり、羽根車26の目標回転数を定めたマップを記憶している。このマップは、より具体的には、機関回転数NEと負荷率KLとをパラメータとして定められており、オイル持ち去り量が多い領域ほど、目標回転数が高くなるように定められている。上記ステップ102では、このマップに従って目標回転数(最低値は0)が設定される。
図5に示すルーチンでは、次に、目標回転数が実現されるようにモータ50の制御が行われる(ステップ104)。以上の処理によれば、羽根車26を、オイル持ち去り量に応じた速度で回転させることができる。このため、本実施形態の構成によれば、無駄なエネルギ消費を伴うことなく、必要なオイル分離能力を確保することができ、全ての運転領域で効率的にオイルの回収を図ることができる。
ところで、上述した実施の形態3においては、羽根車26を、モータ50により駆動することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、羽根車26は、モータ50に変えて、クランクシャフトの回転、或いはカムシャフトの回転を伝達する機構により駆動することとしてもよい。このような構成におれば、何ら電気的な制御を実行することなく、羽根車26を機関回転数NEに応じた速度で回転させることが可能である。オイル持ち去り量は、機関回転数NEに応じて増減するため、このような構成によっても、簡易的には、羽根車26の回転速度をオイル持ち去り量の多少に対応させることが可能である。
尚、上述した実施の形態3においては、モータ50及びECU52が、前記第4の発明における「羽根車駆動手段」に相当している。また、ECU52が、前記第5の発明における「モータ制御手段」に相当している。更に、羽根車26にクランクシャフト或いはカムシャフトの回転を伝える機構を設けることにより、前記第6の発明における「機関回転伝達機構」を実現することができる。
実施の形態4.
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施の形態4について説明する。図6は、本発明の実施の形態4の特徴部分を説明するための図であり、図2と同様に、吸気側の気液分離室34の近傍を表している。排気側の構造は、吸気側の構造と実質的に同じであるため、ここでは、両者の代表例として吸気側の構造を説明する。尚、図6において、図2又は図4に示す要素と同一の要素には、共通する符号が付されている。
本実施形態の気液分離構造は、気液分離室34の中に、複数の羽根車60と、それらが固定される中心軸62とを備えている。中心軸62には、モータ50が連結されている。羽根車60は、実施の形態3の場合と同様に、モータ50により回転させることができる。
中心軸62には、連結器64を介してオイル供給ポンプ66が連結されている。オイル供給ポンプ66は、ECU52により制御することができる。中心軸62の内部には、軸方向に延在するオイル通路(図示せず)が設けられている。更に、羽根車60には、それぞれ、上記のオイル通路に連通するオイルシャワー孔68が設けられている。
オイル供給ポンプ66は、図示しないオイル溜まりからオイルを吸引して連結器64に向けて吐出することができる。連結器64は、中心軸62を回動可能に保持しながら、中心軸62のオイル通路にオイルを供給することができるように構成されている。上記の構成によれば、羽根車60が回転しているか否かに関わらず、オイル供給ポンプ66を作動させることにより、羽根車60が備えるオイルシャワー孔68から、オイルを噴射させることが可能である。
本実施形態の気液分離機構は、ECU52に、上記図5に示すルーチンと共に、後述する図7に示すルーチン、及び図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。図7は、羽根車60の停止位置を制御するためのルーチンである。また、図8は、オイル供給ポンプ66の状態を制御するためのルーチンである。
本実施形態の気液分離機構では、実施の形態3の場合と同様に、内燃機関の運転状態に応じて羽根車60の回転が制御される。羽根車60が回転している場合は、オイルシャワー孔68から噴射されたオイルは、羽根車60の回転と同期して吸気カムに直接噴射される。他方、羽根車60の停止中にオイルシャワーを吸気カムに直接噴射するためには、オイルシャワー孔68が吸気カムの方向に向かう位置で羽根車60を停止させる必要がある。
図7は、上記の要求が満たされるように羽根車60の停止位置を規制するためのルーチンである。図7に示すルーチンでは、先ず、内燃機関の運転状態、具体的には、吸入空気量Gaと機関回転数NEが検出される(ステップ110)。
次に、内燃機関の運転状態に基づいて、羽根車60の停止が要求されているか否かが判断される(ステップ112)。具体的には、図5に示すステップ102で参照したマップに従って設定される羽根車60の目標回転数が0であるかが判別される。
その結果、羽根車60の停止が要求されていないと判断された場合は、そのまま今回の処理サイクルが終了される。他方、羽根車60の停止が要求されていると判断された場合は、オイルシャワー孔68が下向きとなる位置で、つまり、吸気カムの方向を向く位置で羽根車60が停止するように、モータ50が制御される(ステップ114)。
上記の処理によれば、羽根車60が回転していると否とに関わらず、内燃機関の内部において、常に、オイルシャワー孔68からのオイルを、吸気カムに直接吹きかけ得る状態を維持することができる。
図8は、気液分離室34の内部で分離・回収できるオイルが、潤滑に必要な量に満たない場合にオイルシャワーを作動させるためにECU52が実行するルーチンのフローチャートである。図8に示すルーチンでは、先ず、機関回転数NEと、負荷率KLとが取得される(ステップ120)。本ステップの処理は、図5に示すステップ102の処理と同様である。
次に、現在の運転領域が、オイル不足領域であるかが判別される(ステップ122)。内燃機関の潤滑に必要なオイル量は、内燃機関の運転状態に基づいて特定することが可能である。他方、気液分離室34の内部で、ブローバイガス中から分離・回収し得るオイル量も、内燃機関の運転状態に基づいて特定することが可能である。このため分離・回収し得るオイルが、潤滑に必要なオイル量に対して不足しているか否か(以下、この条件を「オイル不足条件」と称す)も、内燃機関の運転状態に基づいて判断することが可能である。ECU52は、内燃機関の運転状態(機関回転数NE及び負荷率KL)をパラメータとして、オイル不足条件の成否を定めたマップを記憶している。本ステップ122では、そのマップに基づいて、現在の運転領域が、オイル不足領域であるか否かが判断される。
現在の運転領域がオイル不足領域でないと判断された場合は、気液分離室34から供給されるオイルによって十分な潤滑が得られていると判断できる。この場合は、オイルシャワー孔68からオイルを供給する必要がない。このため、上記の判断がなされた場合は、オイル供給ポンプ66がオフとされる(ステップ124)。
現在の運転領域がオイル不足領域であると判断された場合は、オイルシャワー孔68からのオイル供給が必要であると判断できる。このため、このような判断がなされた場合は、オイル供給ポンプ66がオンとされる(ステップ126)。
以上の処理によれば、ブローバイガス中から分離・回収したオイル量では十分な潤滑が得られない場合に限り、オイルシャワーによるオイル供給を行うことができる。このため、本実施形態の気液分離システムによれば、内燃機関の全運転領域において、無駄なエネルギ消費を伴うことなく、必要十分なオイル供給を実現することができる。
ところで、上述した実施の形態4においては、実施の形態3の場合と同様に、図5に示すルーチンを実行すること、つまり、オイル持ち去り量の多少に合わせて羽根車60の回転速度を制御することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、オイルシャワー孔68がカムの方向を向く位置で羽根車60を停止させる制御(図7参照)、及び、オイル不足条件の成立時にオイルシャワー孔68からオイルを噴射させる制御(図8参照)は、必ずしも、羽根車60の回転速度をオイル持ち去り量に対応させる制御(図5参照)と組み合わせて実行する必要はない。
更に、上述した実施の形態4では、オイル不足条件の成立時にオイルシャワー孔68からオイルを噴射させる制御(図8参照)を、オイルシャワー孔68がカムの方向を向く位置で羽根車60を停止させる制御(図7参照)と組み合わせて実行することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、前者の制御は、後者の制御との組み合わせではなく、単独で行うこととしてもよい。この場合、羽根車60の停止時には、オイルシャワーが直接的にカムに噴射されない事態が生じ得るが、開口部38からヘッドカバー10の内部には、オイルシャワーによるオイルが供給されるため、潤滑油の不足を補ううえでの効果は得ることができる。
尚、上述した実施の形態4においては、オイル供給ポンプ66が前記第7の発明における「オイル供給手段」に相当していると共に、ECU52が、ステップ122の処理を実行することにより前記第7の発明における「判断手段」が、ステップ126の処理を実行することにより前記第7の発明における「オイル供給制御手段」が、それぞれ実現されている。
更に、上述した実施の形態4においては、ECU52が、図7に示すルーチンを実行することにより、前記第8の発明における「羽根車停止位置規制手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1の気液分離構造を説明するための分解斜視図である。 本発明の実施の形態1の気液分離構造の特徴部分を説明するための図である。 本発明の実施の形態2の気液分離構造の特徴部分を説明するための図である。 本発明の実施の形態3の気液分離構造の特徴部分を説明するための図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4の気液分離構造の特徴部分を説明するための図である。 本発明の実施の形態4において羽根車の停止位置を規制するために実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態4においてオイルシャワーのオン・オフを切り換えるために実行されるルーチンのフローチャートである。
符号の説明
10 ヘッドカバー
12 アッパ軸受け
14 吸気カムシャフト
16 排気カムシャフト
18 ロア軸受け
22 吸気側窓
24 排気側窓
26;60 羽根車
28;62 中心軸
30,32 気液分離室カバー
34 気液分離室
36 底板
38 開口部
50 モータ
52 ECU(Electronic Control Unit)
54 回転数センサ
56 エアフロメータ
66 オイル供給ポンプ
68 オイルシャワー孔

Claims (8)

  1. 内部空間に通じる窓を有するヘッドカバーと、
    前記窓を覆うように前記ヘッドカバーに取り付けられる気液分離室カバーと、
    前記気液分離室カバーの中に形成される気液分離室を、前記窓を利用して前記ヘッドカバーの内部空間に連通させるための開口部と、
    前記開口部の位置と合致するように前記気液分離室の内部に配置される羽根車と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の気液分離構造。
  2. ヘッドカバーの内部空間に配置されるカムを備え、
    前記開口部は、前記カムの位置と合致するように設けられていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の気液分離構造。
  3. 前記羽根車は、前記開口部を通って前記ヘッドカバーの内部空間に突出するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の気液分離構造。
  4. 前記ヘッドカバーの内部空間から前記気液分離室に流入するガスによるオイル持ち去り量が多いほど、前記羽根車を高速で回転させる羽根車駆動手段を備えることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の気液分離構造。
  5. 前記羽根車駆動手段は、
    前記羽根車に回転トルクを与えるモータと、
    内燃機関の運転状態に応じて、前記オイル持ち去り量が多いほど前記羽根車が高速で回転するように、前記モータを制御するモータ制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項4記載の内燃機関の気液分離構造。
  6. 前記羽根車駆動手段は、カムの回転、若しくは内燃機関の回転を前記羽根車に伝達する機関回転伝達機構を含むことを特徴とする請求項4記載の内燃機関の気液分離構造。
  7. 前記羽根車に設けられたオイルシャワー孔と、
    前記オイルシャワー孔にオイルを供給するオイル供給手段と、
    内燃機関の運転状態に基づいて、オイル不足条件の成否を判断する判断手段と、
    前記オイル不足条件の成立時に、前記オイルシャワー孔からオイルが吐出されるように、前記オイル供給手段を制御するオイル供給制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の内燃機関の気液分離構造。
  8. 前記羽根車の停止位置を、前記オイルシャワー孔が前記開口部を介して前記ヘッドカバーの内部空間に向かう位置に規制する羽根車停止位置規制手段を備えることを特徴とする請求項7記載の内燃機関の気液分離構造。
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