JP2010084536A - 内燃機関の油中希釈燃料分離装置 - Google Patents

内燃機関の油中希釈燃料分離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の潤滑オイル中に含まれる燃料をオイルの劣化を抑制して効率良く分離することができる内燃機関の油中希釈燃料分離装置を提供する。
【解決手段】本油中希釈燃料分離装置20は、潤滑オイルを貯留するオイル貯留部21(オイルパン)と、オイル貯留部を第1室21aと第2室21bとに仕切り可能及び連通可能に動作する仕切板22と、内燃機関の被潤滑部のうちのピストン3を潤滑した潤滑オイルを第1室側に案内するオイル案内部23(バッフルプレート)と、オイル案内部により案内される潤滑オイルを第1室側及び第2室側へ振り分け案内可能に動作する案内板24と、第1室に貯留される潤滑オイルに含まれる燃料成分を分離する分離手段25(ヒータ)と、を備え、第2室内には、第2室内の潤滑オイルを被潤滑部に供給するためのオイルポンプ18bを有するオイル通路18が配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の油中希釈燃料分離装置に関し、さらに詳しくは、内燃機関の潤滑オイル中に含まれる燃料をオイルの劣化を抑制して効率良く分離することができる内燃機関の油中希釈燃料分離装置に関する。
従来の内燃機関の油中希釈燃料分離装置として、潤滑オイルの燃料混入による希釈を抑制するために潤滑オイルを加熱してオイル中に含まれる燃料を気化分離するものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記特許文献1には、内燃機関のオイル回路の途中にオイルヒータを設け、このヒータによりオイル回路を流れる潤滑オイルを加熱して燃料を気化分離することが開示されている。
また、上記特許文献2には、オイルパンの底部にヒータを設け、このヒータによりオイルパン内の潤滑オイルを加熱して燃料を気化分離することが開示されている。
特開2004−190513号公報 特開2004−340056号公報
しかし、上記特許文献1では、オイルパンとエンジンの被潤滑部とを連絡するオイル通路又はこのオイル通路に設けられたバイパス通路を通る比較的大量の潤滑オイルをヒータで加熱しているので、熱エネルギーロスが大きい。また、上記特許文献2では、オイルパン内の全オイルを加熱しているので、上述の問題が極めて顕著なものとなる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、内燃機関の潤滑オイル中に含まれる燃料をオイルの劣化を抑制して効率良く分離することができる内燃機関の油中希釈燃料分離装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の通りである。
1.内燃機関の潤滑オイルを貯留するオイル貯留部と、
前記オイル貯留部を第1室と第2室とに仕切り可能且つ前記第1室及び前記第2室を連通可能に動作する仕切板と、
前記内燃機関の本体内に設けられ且つ前記内燃機関の被潤滑部のうちのピストンを潤滑した潤滑オイルを前記第1室側に向かって案内するオイル案内部と、
前記オイル案内部により前記第1室側に向かって案内される前記潤滑オイルを、該第1室側及び前記第2室側へ振り分け案内可能に動作する案内板と、
前記第1室に貯留される潤滑オイルに含まれる燃料成分を分離する分離手段と、を備え、
前記第2室内には、該第2室内の潤滑オイルを前記被潤滑部に供給するためのオイルポンプを有するオイル通路が配設されていることを特徴とする内燃機関の油中希釈燃料分離装置。
2.前記第1室側に貯留された潤滑オイルを前記第2室側へ送るための送りポンプを有するオイル送り通路を更に備える上記1.記載の内燃機関の油中希釈燃料分離装置。
3.前記オイル貯留部は、前記第1室を構成する底壁が前記第2室を構成する底壁より高位である段差状に形成され、且つ、該第1室側の底壁が該第2室側に向かって傾斜する上記1.記載の内燃機関の油中希釈燃料分離装置。
4.前記分離手段は、燃料成分を気化させて分離するヒータである上記1.乃至上記3.のいずれかに記載の内燃機関の油中希釈燃料分離装置。
本発明の内燃機関の油中希釈燃料分離装置によると、オイル貯留部を第1室と第2室とに仕切り可能且つ第1室及び第2室を連通可能に動作する仕切板と、内燃機関の被潤滑部のうちのピストンを潤滑した潤滑オイルを第1室側に向かって案内するオイル案内部と、オイル案内部により第1室側に向かって案内される潤滑オイルを第1室側及び第2室側へ振り分け案内可能に動作する案内板と、第1室に貯留される潤滑オイルに含まれる燃料成分を分離する分離手段と、を備えている。これにより、内燃機関の被潤滑部であるピストンを潤滑した燃料成分の混入が比較的多い潤滑オイルのうち、燃料成分の混入が特に多い潤滑オイルを、オイル案内部及び案内板により第1室側に案内し、仕切板により仕切られたオイル貯留部の第1室側に貯留し、この状態で、分離手段により燃料成分を分離することができる。この結果、燃料が特に多く混入した潤滑オイルを選択的に第1室内に導入することができ、また、その燃料を特に多く含んだ潤滑オイルをオイル貯留部に貯留されている他の潤滑オイルと混合させることなく、隔離した状態で燃料分離することができ、従来のように燃料を多く含む、含まないに拘わらず潤滑オイルを非選択的に加熱して燃料を気化分離するものと比較して効率的に燃料を分離させることができる。また、燃料成分が分離された後は、仕切板により第1室と第2室とを連通させてオイル貯留部を一体とすることができるので、被潤滑部に供給可能な潤滑オイルの貯留量を、オイル貯留部に貯留されているすべての潤滑オイルとすることができる。この結果、効率的な燃料分離を実現しつつ、潤滑オイルの総貯留量は必要以上に多く確保しなくてもよい。
また、前記第1室側に貯留された潤滑オイルを前記第2室側へ送るための送りポンプを有するオイル送り通路を更に備える場合は、燃料成分が特に多く混入している潤滑オイルを第1室に導入する前に、第1室に貯留されている潤滑オイルを第2室側へ送ることができる。この結果、燃料成分の多い潤滑オイルと少ない潤滑オイルとを混合させることなく、燃料成分が比較的多く含まれている潤滑オイルのみを選択的に分離することができ、更に効率よく燃料を分離させることができる。
更に、前記オイル貯留部が、前記第1室を構成する底壁が前記第2室を構成する底壁より高位である段差状に形成され且つ該第1室側の底壁が該第2室側に向かって傾斜する場合は、ポンプ等を用いることなく、第1室及び第2室を仕切る仕切板を動作することにより、燃料成分が特に多く混入している潤滑オイルを第1室に導入する前に、第1室に貯留されている燃料成分の混入が比較的少ない潤滑オイルを第2室側へ流入させることができる。この結果、ポンプ等を用いることなく、燃料成分の多い潤滑オイルと少ない潤滑オイルとを混合させることなく、燃料成分が特に多く含まれている潤滑オイルのみを選択的に分離することができ、更に効率よく燃料を分離させることができる。
また、前記分離手段が、燃料成分を気化させて分離するヒータである場合は、簡易な構成の分離手段とすることができ、また、潤滑オイルのうちの燃料を特に多く含んだ潤滑オイルのみを選択的に加熱して燃料成分を気化させて分離するので、潤滑オイル全体を加熱する場合と比較して、加熱によって潤滑オイルが必要以上に劣化することを抑制することができる。
本実施形態に係る内燃機関の油中希釈燃料分離装置は、以下に述べるオイル貯留部、仕切板、オイル案内部、案内板及び分離手段を備えている。
上記「オイル貯留部」は、内燃機関の潤滑オイルを貯留する限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。上記オイル貯留部としては、例えば、内燃機関の本体の下部に設けられるオイルパン等を挙げることができる。
上記「仕切板」は、上記オイル貯留部を第1室と第2室とに仕切り可能且つ第1室及び第2室を連通可能に動作する限り、その形状、材質、仕切形態、動作形態等は特に問わない。この仕切板の材質としては、例えば、鉄、アルミニウム等の金属製、樹脂製等を挙げることができる。また、この仕切板の動作形態としては、例えば、駆動源により任意の回転軸を中心に回動可能に動作する形態(例えば、図1〜4等参照)、形状記憶合金とばねとの組み合わせにより温度変化に伴って伸縮する形態等が挙げられる。
上記第2室内には、第2室内の潤滑オイルを内燃機関の被潤滑部に供給するためのオイルポンプを有するオイル通路が配設されている。
上記オイル貯留部がオイルパンである場合には、通常、オイル通路の一端側にはオイルストレーナが設けられ、このオイルストレーナがオイルパン内に配置されている。
上記オイル通路としては、例えば、配管、内燃機関の本体又は機構部に形成された通路、空間等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
上記オイルポンプとしては、例えば、トロコイド式、内接ギヤ式、外接ギヤ式、インナギヤ式等を挙げることができる。このオイルポンプは、例えば、内燃機関の駆動力により作動されたり、内燃機関とは別の駆動源により作動されたりできる。
ここで、例えば、上記第1室のオイル貯留容積は、第2室のオイル貯留容積より小さいことができる。この第1室のオイル貯留容積C1と第2室のオイル貯留容積C2との比(C1/C2)が0.2〜0.5(特に0.25〜0.3)であることが好ましい。第1室内で比較的少量の潤滑オイル中の燃料をより効率良く分離できると共に、仕切板により仕切られた状態であっても、第2室内により大量の潤滑オイルを確保できるためである。
上記「オイル案内部」は、上記内燃機関の被潤滑部であるピストンを潤滑した潤滑オイルを上記第1室側に向かって案内する限り、その構造、形状、材質等は特に問わない。
また、上記オイル案内部と共に、上記内燃機関の本体内には、(1)エンジンのシリンダブロックに形成され且つクランク室とヘッドカバー内とを連絡する連絡路を通ってオイル貯留部内に戻される潤滑オイルを第2室側のオイル貯留部に案内する他のオイル案内部が設けられていたり、(2)エンジンのチェーンケース又はベルトケースを通ってオイル貯留部内に戻される潤滑オイルを第2室側のオイル貯留部に案内する他のオイル案内部が設けられていたりすることができる。これにより、他のオイル案内部により燃料が殆ど混入してしない潤滑オイルが第2室側に案内されて導入でき、第1室での潤滑オイル中の燃料の分離効率をより向上させることができる。分離効率の更なる向上といった観点から、上記(1)(2)形態の組み合わせであることが好ましい。
上記(1)(2)形態では、例えば、(a)上記第2室が、エンジンのシリンダブロックに形成され且つクランク室とヘッドカバー内とを連絡する連絡路の直下に配置されていたり、(b)上記第2室が、エンジンのチェーンケース又はベルトケースの直下に配置されていたりすることができる。これにより、燃料が殆ど混入してしない潤滑オイルを第2室内に落下させて導入でき、第1室内での潤滑オイル中の燃料の分離効率をより向上させることができる。分離効率の更なる向上といった観点から、上記(a)(b)形態の組み合わせであることが好ましい。
上記「案内板」は、上記オイル案内部により上記第1室側に向かって案内される上記潤滑オイルを上記第1室側及び上記第2室側へ振り分け案内可能に動作する限り、その形状、材質、仕切形態、動作形態等は特に問わない。案内板の材質としては、例えば、鉄、アルミニウム等の金属製、樹脂製等を挙げることができる。また、この案内板の動作形態としては、例えば、駆動源により任意の回転軸を中心に回動可能に動作する形態(例えば、図3等参照)等が挙げられる。
上記「分離手段」は、上記潤滑オイルに含まれる燃料成分を分離する限り、その構造、分離形態等は特に問わない。この分離手段は、例えば、上記オイル貯留部内、クランク室内等の空間等、内燃機関の内側に設けられていたり、内燃機関の外側に設けられていたりすることができる。
上記分離形態としては、例えば、(1)潤滑オイルと燃料との沸点の違いを利用する形態(加熱による気化分離等)、(2)潤滑オイルと燃料との比重の違いを利用する形態(遠心分離等)等を挙げることができる。また、これら(1)及び(2)を組み合わせるようにしてもよい。
上記(1)形態の分離手段としては、例えば、潤滑オイルを加熱して燃料を気化分離するヒータ等を備える分離手段を挙げることができる。上記(2)形態の分離手段としては、例えば、筒状の分離器本体内に導入した潤滑オイルを旋回させることにより燃料成分をその軸心側へ集約して分離する遠心分離器等を挙げることができる。
ここで、本実施形態に係る内燃機関の油中希釈燃料分離装置は、以下に述べるオイル送り通路を更に備えることができる(例えば、図3等参照)。
上記「オイル送り通路」は、上記第1室側に貯留された潤滑オイルを上記第2室側へ送るための送りポンプを有する限り、その構造、配設形態等は特に問わない。
上記オイル送り通路としては、例えば、配管、内燃機関の本体又は機構部に形成された通路、空間等のうちの1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。
上記送りポンプとしては、例えば、トロコイド式、内接ギヤ式、外接ギヤ式、インナギヤ式等を挙げることができる。このオイルポンプは、例えば、内燃機関の駆動力により作動されたり、内燃機関とは別の駆動源により作動されたりできる。
ここで、本実施形態に係る内燃機関の油中希釈燃料分離装置は、上記オイル貯留部は、上記第1室を構成する底壁が上記第2室を構成する底壁より高位である段差状に形成され、且つ、上記第1室側の底壁が上記第2室側に向かって傾斜することができる(例えば、図4等参照)。これにより、燃料成分が比較的多く混入している潤滑オイルを第1室に導入する前に、第1室に貯留されている燃料成分の混入が比較的少ない潤滑オイルを第2室側へ流入させ、燃料成分の多い潤滑オイルと少ない潤滑オイルとを混合させることなく、燃料成分が比較的多く含まれている潤滑オイルのみを選択的に分離することができるからである。
尚、上記「内燃機関の被潤滑部」としては、上記ピストン以外に、例えば、クランクシャフト、コネクティングロッド、カムシャフト、駆動系等を挙げることができる。これらのうち、クランクシャフト、コネクティングロッド、ピストン等を潤滑してオイル貯留部に戻される潤滑オイル中には、ピストンの気筒内壁面の隙間から漏れる比較的多くの燃料が混入している。一方、カムシャフト、駆動系等を循環してオイル貯留部に戻される潤滑オイル中には殆ど燃料が混入していない。また、ピストン周りを潤滑する潤滑オイルは、通常、ピストンと気筒との隙間を介してオイル貯留部内に戻される。一方、ヘッド周りを潤滑する潤滑オイルは、通常、エンジンのシリンダブロック及びシリンダヘッドに形成されクランク室とヘッドカバー内の空間とを連絡する連絡路を介してオイル貯留部内に戻されたり、エンジンのチェーンケース又はベルトケースを介してオイル貯留部内に戻されたりする。
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
(1)エンジンの構成
本実施例1に係るエンジン1は、図1に示すように、気筒2が形成されたシリンダブロック1aと、このシリンダブロック1aの上部に固定されたシリンダヘッド1bとを備えている。このシリンダブロック1aの気筒2内には、ピストン3が往復動自在に支持されている。また、シリンダブロック1aの下部には、クランクシャフト4を回転自在に支持してなるクランクケース1cが固定されている。このクランクシャフト4は、コネクティングロッド5を介してピストン3に連結されている。このピストン3の上方には、ピストン3の頂面とシリンダヘッド1bの壁面と気筒2の壁面とに囲まれた燃焼室6が形成されている。
上記シリンダヘッド1bには、その一端側が吸気管7aに接続され且つその他端側が燃焼室6に接続される吸気ポート8aと、その一端側が排気管7bに接続され且つその他端側が燃焼室6に接続される排気ポート8bと、が形成されている。また、シリンダヘッド1bには、吸気ポート8aを開閉する吸気弁9a及び排気ポート8bを開閉する排気弁9bが設けられると共に、これら吸気弁9a及び排気弁9bを駆動するカムシャフト10a,10bがそれぞれ回転自在に支持されている。さらに、シリンダヘッド1bの上部には、上記動弁機構を覆うシリンダヘッドカバー1dが取り付けられている。上記吸気管7aの一端側は、エアクリーナボックス11に接続されている。この吸気管7aの途中には、吸気管7a内を流れる吸気量を調整するスロットルバルブ12が設けられている。
上記シリンダヘッドカバー1d内の空間13には、その一端側が吸気管7aのスロットルバルブ12の下流側に接続された第1還流路15の他端側がPCVバルブ15aを介して接続されている。また、シリンダヘッドカバー1d内の空間13には、その一端側が吸気管7aのスロットルバルブ12の上流側に接続された第2還流路16の他端側が接続されている。
上記クランクケース1cの下部には、潤滑オイルを貯留するオイルパン21(本発明に係る「オイル貯留部」として例示する。)が取り付けられている。このオイルパン21とエンジン1の被潤滑部とは、オイル通路18を含むオイル循環経路(図示省略)を介して連絡されている。
(2)油中希釈燃料分離装置の構成
本実施例1に係る油中希釈燃料分離装置20は、図1に示すように、潤滑オイルを貯留するオイルパン21を備えている。このオイルパン21には、クランクシャフト4の軸方向と平行な直線方向に沿って延びる板状の仕切板22が設けられている。この仕切板22により、オイルパン21内は第1室21aと第2室21bとに仕切られている。また、仕切板22は、図示しない駆動源により、その上端側の回転軸Aを中心として、第1室21aと第2室21bとを連通可能に回動する。
また、オイルパン21の第2室21b側には、上記オイル通路18の一端側に設けられたオイルストレーナ18aが配置される。このオイル通路18の途中には、オイルパン21内の潤滑オイルをエンジン1の被潤滑部に供給するためのオイルポンプ18bが設けられている。また、第2室21bは、エンジン1のシリンダブロック1a及びシリンダヘッド1bに形成され且つクランク室14とシリンダヘッドカバー1d内の空間13とを連絡する連絡路17の直下に配置されている。
上記クランクケース1cの下部であってオイルパン21の上部には、ピストン3と気筒2との隙間を通ってオイルパン21に戻される潤滑オイルを第1室21a側に案内する板状のバッフルプレート23(本発明に係るオイル案内部として例示する)が設けられている。また、バッフルプレート23の潤滑オイルを案内する方向の端部側には、案内板24が設けられている。案内板24は、図示しない駆動源により、仕切板22と同じ回転軸Aを中心として回動し、バッフルプレート23により案内される潤滑オイルを第1室21a側及び第2室21b側に振り分け案内可能である。
また、仕切板22によりオイルパン21が第1室21aと第2室21bとに仕切られた状態で、第1室21aのオイル貯留容積C1は約1.2lに設定されており、第2室21bのオイル貯留容積C2は約4lに設定されている。したがって、第1室21aのオイル貯留容積C1と第2室21bのオイル貯留容積C2との比(C1/C2)が0.3とされている。
オイルパン21の第1室21aに対応する底壁及び側壁の一部には、ヒータ25(本発明に係る分離手段として例示する。)が設けられている。
(3)油中希釈燃料分離装置の作用
次に、上記構成の油中希釈燃料分離装置20の作用について説明する。本実施例では、寒冷始動時や、油温が上昇しきっていない低油温運転時(油温40℃程度)、筒内噴射型のエンジンにおいてポスト噴射やパイロット噴射等の副噴射が行われている場合等、ピストン3を潤滑した潤滑オイルの燃料希釈率が特に高い運転状態の時に、その潤滑オイルを選択的に燃料分離する例を説明する。尚、上記のような、ピストン3を潤滑した潤滑オイルの燃料希釈率が特に高い運転状態であるか否かは、エンジンを制御するECU等の情報を参照して判別することができる。
最初に、図2(a)に示すように、仕切板22の下端が少し開けて第1室21a及び第2室21bを連通させた状態にする。この状態で、燃料成分の混入比率が特に高い潤滑オイルを第1室21a側に導入する。即ち、案内板24を潤滑オイルが第1室21aに案内される位置に回動させ、ピストン3を潤滑した燃料希釈率が特に高い潤滑オイルを第1室21aへ案内して貯留する。このようにして、第1室21a側に貯留されていた潤滑オイルを第2室21b側に排出させるようにする。
第1室21a側の潤滑オイルの入れ替えが十分に行われたら、図2(b)に示すように、仕切板22を完全に閉じて第1室21aと第2室21bとを仕切る。第1室21aに貯留された潤滑オイルは、仕切板22により第2室から仕切られた状態で、ヒータ25により加熱され、燃料成分が気化分離される。
また、エンジン1の運転によりピストン3及び気筒2がある程度昇温され、ピストン3を潤滑してバッフルプレート23に落下してくる潤滑オイルに含まれる燃料成分が比較的少なくなったら、図2(c)に示すように、案内板24を回動させて、潤滑オイルを第2室21bに案内するようにする。一方、第1室21a内の潤滑オイルは、この間もヒータ25により加熱され続け、燃料分離されている。
第1室21aの潤滑オイルから燃料成分が十分に分離されたら、図2(d)に示すように、仕切板22を回動させて第1室21a及び第2室21bを連通させ、第1室21a側の潤滑オイルと第2室21b側の潤滑オイルを一体化する。
尚、気化された燃料は、ブローバイガスに混じって、連絡路17を介してクランク室14からシリンダヘッドカバー1d内の空間13に送られる。そのブローバイガスは、エンジン1の低負荷運転状態(スロットルバルブの開度が小さな運転状態)では第1還流路15を介して吸気管7aに還流され、エンジン1の高負荷運転状態(スロットルバルブの開度が大きな運転状態)では第1還流路15に加えて第2還流路16を介して吸気管7aに還流される。
また、エンジン1の低負荷運転状態では、第2還流路16を介して吸気管7aのスロットルバルブ12の上流を流れる新気がシリンダヘッドカバー1d内の空間13に吸い込まれ、その空間13内のブローバイガスが換気されることとなる。
(4)実施例の効果
以上より、本実施例では、エンジン1の被潤滑部であるピストン3を潤滑した潤滑オイルであって、燃料成分による希釈度が特に高い潤滑オイルは、バッフルプレート23上に落下して第1室21a側に案内され、案内板24により第1室21a側に案内され、仕切板により仕切られた第1室21aに貯留されて燃料分離される。このように、燃料成分の混入比率が特に高い潤滑オイルを選択的に第1室21aに導入し、他の潤滑オイルから隔離した状態で燃料分離を行うようにしたので、従来のように燃料を多く含む、含まないに拘わらず潤滑オイルを非選択的に加熱して燃料を気化分離するものと比較して効率的に燃料を分離させることができる。
また、燃料成分が分離された後は、仕切板22を回動させて第1室と第2室とを連通させ、オイルパン21を一体とすることができるので、被潤滑部に供給可能な潤滑オイルの貯留量を、オイルパン21に貯留されているすべての潤滑オイルとすることができる。これにより、効率的な燃料分離を実現しつつ、潤滑オイルの総貯留量は必要以上に多く確保しなくてもよい。また、燃料混合比率が特に高い潤滑オイルを第1室21aに導入する際、仕切板22を半開状態にして第1室21a側に貯留されている潤滑オイルを第2室21b側へ排出するようにして、燃料混合比率の高い潤滑オイルをより多く第1室21aに導入するようにしたので、より効率的な燃料分離を行うことができる。
更に、分離手段としてヒータ25を用いるようにしたので、簡易な構成の油中希釈燃料分離装置とすることができる。更に、潤滑オイルのうちの燃料を特に多く含んだ潤滑オイルのみを選択的に加熱して燃料成分を気化させて分離するようにしたので、潤滑オイル全体を加熱する場合と比較して、加熱によって潤滑オイルが必要以上に劣化することを抑制することができる。
また、本実施例では、第2室21b内には、ピストン3を潤滑した潤滑オイルのうち、燃料を特に多く含んでいる潤滑オイルが直接流入しないようにしたので、被潤滑部に供給される潤滑オイルを燃料希釈による粘度低下率の小さい潤滑オイルとすることができ、被潤滑部の潤滑不良を防止することができる。
更に、本実施例では、第1室21aのオイル貯留容積を第2室21bのオイル貯留容積より小さくしたので、第1室21aに貯留される潤滑オイル、即ち、加熱されるために貯留される潤滑オイルの貯留量を比較的少量とすることができると共に、第2室21bに貯留される、被潤滑部に供給可能な潤滑オイルの貯留量は比較的多量とすることができる。その結果、効率的な燃料分離を実現しつつ、潤滑オイルの総貯留量は必要以上に多く確保しなくてもよい。
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、分離手段として、潤滑オイルを加熱して燃料を気化分離するヒータ25を用いるようにしたが、これに限定されず、例えば、筒状の分離基本体内に導入した潤滑オイルを旋回させることにより燃料成分をその軸心側に集約して分離する等の遠心分離式の分離手段としてもよい。
また、上記実施例では、第1室21aに燃料混合率の特に高い潤滑オイルを導入する際、仕切板22を半開状態にして導入し、第1室側に貯留されている潤滑オイルを排出するようにしたが、これに限定されず、例えば、ポンプ等を用いて、第1室21a側に燃料成分の混入比率が特に高い潤滑オイルを導入する前に、第1室21aに貯留されている潤滑オイルを第2室21b側へ送るようにしてもよい。即ち、例えば、図3に示すように、第1室21aと第2室21bとを連絡するオイル送り通路26を設け、オイルパン21の第1室21a側にオイル送り通路26の一端側に設けられたオイル吸込口26a配置し、送りポンプ26bを介して潤滑オイルを第2室21b側へ送るようにしてもよい。これにより、第1室21aにて燃料分離される潤滑オイルを、より燃料混入率の高い潤滑オイルとすることができ、より一層分離効率を向上させることができる。
更に、上記実施例では、オイルパン21の底壁の全面を同じ高さにするようにしたが、これに限定されず、例えば、図4に示すように、第1室21a側の底壁を第2室21b側の底壁と比較して高い位置に設けるようにし、且つ、第1室21a側の底壁が第2室21b側に向かって傾斜するように設けてもよい。これによると、仕切板22を回動させて第1室21aと第2室21bとを連通させた際に、第1室21a側に貯留されている潤滑オイルを第2室21bに自然流入させることができるので、燃料成分が特に多く混入している潤滑オイルのみを第1室21aに導入して燃料分離を行うことができ、分離効率をより一層向上させることができる。
また、上記実施例では、仕切板22を回動させるようにしたが、これに限定されず、例えば、形状記憶合金とばねとの組み合わせにより伸縮する仕切板及び案内板を用いるようにしてもよい。これにより、駆動源等を用いて回動させることなく、エンジン1の運転により潤滑オイルの温度が上昇し、燃料成分が自然に気化できる状態になった場合に、駆動源等を用いることなく、潤滑オイルの温度により仕切板が縮小して第1室21a及び第2室21bが連通するようにできる。
内燃機関の潤滑オイル中に含まれる希釈燃料を分離する技術として広く利用される。
実施例に係る油中希釈燃料分離装置を示す説明図である。 実施例に係る油中希釈燃料分離装置を作用をそれぞれ説明する説明図であり、(a)は仕切板が半開状態で第1室及び第2室が連通している状態且つ案内板が潤滑オイルを第1室へ案内可能な状態、(b)は仕切板がオイル貯留部を第1室及び第2室に仕切っている状態且つ案内板が潤滑オイルを第1室へ案内可能な状態、(c)は仕切板がオイル貯留部を第1室及び第2室に仕切っている状態且つ案内板が潤滑オイルを第2室へ案内可能な状態、(d)は仕切板が全開状態で第1室及び第2室が連通している状態且つ案内板が潤滑オイルを第2室へ案内可能な状態をそれぞれ示す。 他の形態の油中希釈燃料分離装置を示す説明図である。 更に他の形態の油中希釈燃料分離装置を示す説明図である。
符号の説明
1;エンジン、1a;シリンダブロック、1b;シリンダヘッド、1c;クランクケース、1d;シリンダヘッドカバー、2;気筒、3;ピストン、4;クランクシャフト、5;コネクティングロッド、6;燃焼室、7a;吸気管、7b;排気管、8a;吸気ポート、8b;排気ポート、9a;吸気弁、9b;排気弁、10a,10b;カムシャフト、11;エアクリーナボックス、12;スロットルバルブ、13;空間、14;クランク室、15;第1還流路、15a;PCVバルブ、16;第2還流路、17;連絡路、18;オイル通路、18a;オイルストレーナ、18b;オイルポンプ、20;油中希釈燃料分離装置、21;オイルパン、21a;第1室、21b;第2室、22;仕切板、23;バッフルプレート、24;案内板、25;ヒータ、26;オイル送り通路、26a;オイル吸込口、26b;送りポンプ、A;回転軸。

Claims (4)

  1. 内燃機関の潤滑オイルを貯留するオイル貯留部と、
    前記オイル貯留部を第1室と第2室とに仕切り可能且つ前記第1室及び前記第2室を連通可能に動作する仕切板と、
    前記内燃機関の本体内に設けられ且つ前記内燃機関の被潤滑部のうちのピストンを潤滑した潤滑オイルを前記第1室側に向かって案内するオイル案内部と、
    前記オイル案内部により前記第1室側に向かって案内される前記潤滑オイルを該第1室側及び前記第2室側へ振り分け案内可能に動作する案内板と、
    前記第1室に貯留される潤滑オイルに含まれる燃料成分を分離する分離手段と、を備え、
    前記第2室内には、該第2室内の潤滑オイルを前記被潤滑部に供給するためのオイルポンプを有するオイル通路が配設されていることを特徴とする内燃機関の油中希釈燃料分離装置。
  2. 前記第1室側に貯留された潤滑オイルを前記第2室側へ送るための送りポンプを有するオイル送り通路を更に備える請求項1記載の内燃機関の油中希釈燃料分離装置。
  3. 前記オイル貯留部は、前記第1室を構成する底壁が前記第2室を構成する底壁より高位である段差状に形成され、且つ、該第1室側の底壁が該第2室側に向かって傾斜する請求項1記載の内燃機関の油中希釈燃料分離装置。
  4. 前記分離手段は、燃料成分を気化させて分離するヒータである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の油中希釈燃料分離装置。
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