JP2007308526A - 塩化ビニル系共重合体の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明が解決しようとする課題は、塩化ビニル系共重合体の製造に際し、得られる共重合体の組成を均一にし、有機溶剤に対する溶解性を向上させることである。
【解決手段】 塩化ビニル単量体、脂肪酸ビニル系単量体、その他ラジカル重合性単量体の懸濁、もしくは微細懸濁重合において、塩化ビニル単量体の一部と脂肪酸ビニル系単量体を重合器に仕込んでから重合を開始し、重合中に、残りの塩化ビニル単量体、および懸濁安定剤に混合もしくは懸濁させたその他ラジカル重合性単量体を連続仕込みする。
【選択図】 なし

Description

本発明は塩化ビニル系共重合体の製造方法に関する。詳しくは、各種有機溶剤に対する溶解性が優れた塩化ビニル系共重合体を製造する方法に関する。
塩化ビニル系共重合体のうち酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体は、古くから印刷用インク、各種塗料や磁性記録媒体のバインダー、接着剤用途等に広く用いられている。
このような塩化ビニル系共重合体の製造は通常、塩化ビニル単量体と共重合可能な単量体と塩化ビニル単量体の混合物を酢酸ブチル、酢酸エチルのようなエステル系溶媒、もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒中で溶液重合する方法や、前記単量体を水系媒体中でおもに水溶性高分子分散剤や乳化剤を用いて懸濁、微細懸濁、もしくは乳化させ、ラジカル開始剤の存在下で重合する方法が用いられている。
ラジカル共重合反応では共重合させる各単量体の重合反応性の違いによって、生成する共重合体中の各成分の組成が仕込み組成に一致するとは限らず、一方の成分がランダムに共重合体中に分布する場合や、ある部分で連続的、すなわちブロック的に導入される場合、あるいは極端な例として、ある単量体成分のみが優先的に重合する結果、その単量体からなる単独重合体を生成してしまう場合など、意図した組成や構造を得るのが困難なことが多い。
また、塩化ビニル単独重合体は塩化ビニル単量体にほとんど溶解しないため、水系媒体中での懸濁、もしくは微細懸濁重合では重合の進行と共に重合体が沈殿してくるという特徴を有している。したがって塩化ビニル単量体とその他単量体との共重合では、均一な共重合組成を実現するのが一層困難である。
さらに、生成する共重合体の有機溶剤に対する溶解性は前記のような共重合組成によって大きく変化する。例えば、一方の成分がブロック的に共重合体中に分布したり、それぞれの単独重合体の割合が多くなると溶解性に劣る共重合体しか得られず、前記のような用途に使用することは実質的に不可能となる。特に塩化ビニル単独重合体は有機溶剤への溶解性が低く、脂肪酸ビニル系単量体やその他の単量体を共重合させることでその溶解性を向上させる必要がある。
このような観点から、均一な共重合組成を有する塩化ビニル系共重合体の製造には、重合反応中に終始均一な溶液状態を保つことができる溶液重合が適しており、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリル酸ヒドロキシプロピルの三元共重合体を酢酸イソプロピル中で共重合させる方法が開示されている(特許文献1)。しかしこの方法をはじめとする溶液重合は大量の溶剤が必要であり、コストが高くなる。また、最終的に共重合体を固体として得るためには再沈殿操作等によって溶液から共重合体を単離、乾燥する操作が必要になるため、操作が煩雑でかつコストが一層高くなるという問題がある。
また、溶液重合のような均一反応系での重合のみならず、懸濁重合や微細懸濁重合といった不均一反応系でのラジカル共重合において生成共重合体中の各成分組成を制御する方法としては、各単量体成分を追加仕込みする方法が知られている。例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、水酸基含有有機基を有するビニル系単量体からなる三元共重合体を水系媒体中で重合する方法として、各単量体の一部をあらかじめ仕込んで重合を開始し、次いで、各単量体を連続的に追加仕込みする方法が開示されている(特許文献2)。このように、重合系内における各単量体濃度を常に均一に保つために単量体を連続的に追加仕込みする方法は、共重合体組成を均一にするのに有効な手段である。しかし、水系媒体中でのこれら共重合体の製造では、水系媒体中に分散した単量体油滴の中で重合が進行するため、連続的に追加する単量体がこれらの分散油滴に素早く取り込まれなければならず、この観点からは特許文献2の方法でもまだ不充分であった。すなわち、連続追加する各単量体が単独で油滴を形成したり、ある単量体成分のみが単量体油滴に取り込まれる結果、それらの単独重合体を生成したり、共重合組成が不均一となることによって、全体的な共重合組成を均一にすることが著しく困難であった。
さらに、塩化ビニル系共重合体の製造にあたり、重合時にポリエチレンオキサイド、またはオキシエチレン・オキシプロピレンブロックコポリマーのような特定の分散剤、すなわち懸濁安定剤を使用することによって得られる共重合体の有機溶剤溶解性を向上させる方法が開示されている(特許文献3)。この方法では、塩化ビニル系共重合体の重合に用いられる一般的な分散剤である、部分ケン化ポリ酢酸ビニルやセルロース系分散剤を用いる場合に比較して確かに有機溶剤溶解性は改良されるものの、未だ改良効果が不充分であった。
米国特許3755271号公報 日本国特許第3401352号公報 特開第2001−114839号公報
本発明の課題は、共重合体組成が均一で、有機溶剤への溶解性に優れる塩化ビニル系共重合体を低コストで製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題に対し鋭意検討を重ねた結果、塩化ビニル単量体および脂肪酸ビニル系単量体とその他のラジカル重合性単量体との共重合体を水系媒体中で重合させることにより塩化ビニル系共重合体を製造する方法において、追加するその他のラジカル重合性単量体が重合系内に存在する単量体油滴の内部に素早く取り込まれるように工夫された方法を用いることで共重合体組成が著しく均一になることを発見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、塩化ビニル単量体および脂肪酸ビニル系単量体とその他のラジカル重合性単量体との共重合体を、油溶性開始剤の存在下に水系媒体中で重合させることにより製造するに際し、重合器内に、重合開始剤と、各単量体の所定仕込み量のうち、塩化ビニル単量体の一部と脂肪酸ビニル系単量体全部を仕込んでから攪拌下に内容物を昇温し、次いで残りの塩化ビニル単量体と、懸濁安定剤の水溶液に、混合もしくは懸濁させたその他のラジカル重合性単量体全部を連続的に重合器に仕込むことを特徴とする塩化ビニル系共重合体の製造方法(請求項1)、単量体の仕込み組成が、塩化ビニル単量体50〜96重量%、脂肪酸ビニル系単量体3〜25重量%、その他単量体1〜25重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法(請求項2)、始めに仕込む塩化ビニル単量体の割合が、塩化ビニル単量体の所定仕込み量に対して10〜50重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法(請求項3)、塩化ビニル単量体とその他のラジカル重合性単量体の連続的仕込みを重合転化率55〜70%の間に終了することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法(請求項4)、および脂肪酸ビニル系単量体が酢酸ビニルであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法(請求項5)、をその内容とする。
本発明によれば、有機溶剤溶解性に優れた塩化ビニル系共重合体を得ることができる。また、本発明によれば、顔料分散性に優れた塩化ビニル系共重合体を得ることができる。また、本発明によれば、接着性に優れた塩化ビニル系共重合体を得ることができる。
本発明の重合器は水系媒体中での塩化ビニル系共重合体の製造に使用される一般的なものでよい。すなわち、攪拌機、内部ジャケット、外部ジャケット、バッフル、主副原料投入口などを備えた耐圧容器でよく、重合中、重合反応熱を除去するためのリフラックスコンデンサーを備えたものであってもよい。また、攪拌翼の形態はパドル型、ブルマージン型、ファウドラー型、タービン型など、塩化ビニル系共重合体の製造に使用される一般的なものでよい。
本発明で使用する塩化ビニル単量体の仕込み組成は、得られる塩化ビニル系共重合体をインク、塗料等に使用する場合の塗膜強度や重合安定性を顧慮すると、全単量体の総量に対して50〜96重量%が好ましく、70〜90重量%がさらに好ましい。
本発明では、使用する単量体のうち塩化ビニル単量体の一部と脂肪酸ビニル系単量体全部を初期に重合器内に仕込むが、ここで初期に仕込む塩化ビニル単量体の割合は、主に重合安定性を考慮すると、使用する塩化ビニル単量体の総量に対して10〜50重量%が望ましく、15〜35重量%がさらに望ましい。初期に仕込む塩化ビニル単量体の割合が使用する塩化ビニル単量体の総量に対して10〜50重量%の範囲にあれば、得られる塩化ビニル系共重合体は好ましい有機溶剤溶解性、顔料分散性、接着性を発現することができる。
さらに本発明においては、残りの塩化ビニル単量体と、懸濁安定剤の水溶液に混合、もしくは懸濁させたその他のラジカル重合性単量体を重合中連続的に仕込むが、これら単量体の連続仕込みは、初期仕込みの終了後攪拌下に内容物を所定重合温度まで昇温する途中、もしくは昇温の完了後に開始する。ここで昇温の完了とは重合内容液の温度が所定重合温度に達した時点を意味する。連続仕込みの仕込み速度に特に制限はなく、連続仕込みする単量体、もしくは単量体分散液の量や、仕込みに使用するポンプの能力から決定される仕込み所要時間等、おもに機械的要因によって任意に設定すればよいが、より均一な共重合体組成を得るためには、連続仕込みが重合転化率55〜70%の間に終了するように速度を設定するのが好ましく、重合転化率60〜65%の間に終了するように速度を設定するのがさらに好ましい。重合転化率55〜70%の間に終了するような範囲で速度を設定すると、得られる塩化ビニル系共重合体は好ましい有機溶剤溶解性、顔料分散性、接着性を発現することができる。
前記塩化ビニル単量体およびその他のラジカル重合性単量体の連続仕込みに関しては仕込み開始、もしくは仕込み終了の順序にも特に制限はなく、どちらを先に開始、もしくは終了しても良い。
その他のラジカル重合性単量体と混合、もしくはその他のラジカル重合性単量体を懸濁させる目的で用いる懸濁安定剤としては、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、酢酸ビニルーマレイン酸共重合体、スチレンーマレイン酸共重合体、ゼラチン、デンプン、ポリエチレンオキサイド、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ、水溶液として用いる。懸濁安定剤の濃度は溶解性や水溶液の粘度に支障が生じない限り任意に設定することができるが、通常1〜10重量%とするのが好ましい。
上記懸濁安定剤水溶液とその他のラジカル重合性単量体の混合比率は任意に設定することができるが、通常重量比で1/10〜10/1とするのが好ましい。
本発明における脂肪酸ビニル系単量体としては、例えば酢酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、モノクロロ酢酸ビニル等が挙げられるが、塩化ビニル単量体との共重合性や得られる塩化ビニル系共重合体の有機溶剤溶解性を考慮すると酢酸ビニルが特に望ましい。脂肪酸ビニル系単量体の仕込み組成は、得られる塩化ビニル系共重合体をインク、塗料等に使用する場合の塗膜強度や重合安定性を顧慮すると、全単量体の仕込み総量に対して3〜25重量%が好ましく、6〜18重量%がさらに好ましい。
また、本発明におけるその他のラジカル重合性単量体としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステル類や、等が挙げられ、得られる塩化ビニル系共重合体をインク、塗料等に使用する場合の塗膜強度や重合安定性を顧慮すると、全単量体の仕込み総量に対して1〜25重量%が好ましい。
次に、本発明における油溶性重合開始剤は本発明の目的が達成できるものであればその種類や使用量に特に制限はないが、これらの開始剤のうち10時間半減期温度が30〜65℃のものを1種又は2種以上使用するのが好ましい。重合開始剤の例としては、アセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキサイド、2,4,4トリメチルペンチル−2−パーオキシネオデカノエート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4,−ジメチルバレロニトリル等のアゾ系開始剤等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。また、これらの開始剤は、重合反応開始前に一括して仕込む方法の他、重合反応中に連続的、あるいは断続的、分割的に仕込む方法も用いることができる。さらに、これらの開始剤は一般に有機溶剤で希釈して使用される他、高分子懸濁安定剤や乳化剤、界面活性剤の水溶液や分散液に溶解、混合、懸濁、分散させて用いても何ら問題はない。
本発明に用いる重合用の懸濁安定剤は、前記したその他のラジカル重合性単量体と混合、もしくはその他のラジカル重合性単量体を懸濁させる目的で用いる懸濁安定剤と同様のものを用いることができる。すなわち、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、酢酸ビニルーマレイン酸共重合体、スチレンーマレイン酸共重合体、ゼラチン、デンプン、ポリエチレンオキサイド、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられ、これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
さらに従来塩化ビニル系共重合体の製造に使用される重合度調節剤、連鎖移動剤、pH調節剤、ゲル化性改良剤、帯電防止剤、乳化剤、安定剤、スケール防止剤等やこれらの仕込み方法も、本発明の目的が達成できるものや方法であれば特に制限はない。
本発明の塩化ビニル系共重合体は、各種有機溶剤に対する溶解性が要求される用途、例えば、印刷用インク、各種塗料や磁性記録媒体のバインダー、接着剤等、有機溶剤に溶解して用いる用途に好適に使用することができる。
以下に、本発明の具体的実施例について詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例では特にことわりのない限り「部」は重量部、「%」は重量%を表す。また本実施例の水は全てイオン交換水を用いた。
得られた塩化ビニル系共重合体の特性値は次の方法により測定した。
(1)有機溶剤溶解性
塩化ビニル系共重合体10gを酢酸エチル90gに投入し、室温下で30分間攪拌した。その後溶液を静置し、1時間後の溶液を肉眼観察によって以下のように5段階で評価した。
5:完全に均一溶解しており透明である
4:ごくわずかに不溶分があるもののほぼ透明である
3:不溶分がありやや白濁している
2:不溶分が多く白濁している
1:不溶分が分離沈殿している
(2)顔料分散性
(1)で調製した塩化ビニル系共重合体の酢酸エチル溶液にカーボンブラック(三菱化学社製MA−100)0.1gを添加し、30分間攪拌混合した。得られた溶液を平滑なガラス板上に幅50mm、厚み0.1mmとなるように塗布し、常温下で12時間以上放置した。次いで、塗膜の表面状態を肉眼観察によって以下のように5段階で評価した。
5:顔料が完全に分散しており表面が平滑である
4:ごくわずかに未分散物があるものの表面がほぼ平滑である
3:未分散物があり表面に少し凹凸が見られる
2:未分散物があり表面に多数凹凸が見られる
1:未分散物があり表面に多数の大きな凹凸が見られる
(3)接着性
(1)で調製した塩化ビニル系共重合体の酢酸エチル溶液をポリエステルフィルム上に幅50mm、厚み0.1mmとなるように塗布し、常温下で12時間以上放置した。次いで、JIS−K5400号に準拠し碁盤目試験を実施した。
5:100%ポリエステルフィルム上に残留する
4:75%ポリエステルフィルム上に残留する
3:50%ポリエステルフィルム上に残留する
2:25%ポリエステルフィルム上に残留する
1:全てはがれる
(その他の単量体の調製)
(その他単量体1)
平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを水に溶解して3%水溶液とした。この水溶液にアクリル酸ヒドロキシエチルをその濃度が50重量%となるよう混合し、充分攪拌して均一な水溶液を調製した。
(その他単量体2)
平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを水に溶解して3%水溶液とした。この水溶液にメタクリル酸ヒドロキシプロピルをその濃度が50重量%となるよう混合し、充分攪拌して懸濁液を調製した。
(実施例1)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部(全単量体の合計100部に対して、以下同じ)、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表5に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例2)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体2水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体2、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表5に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体2の仕込み総量は5部である。
(実施例3)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始してステアリン酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表5に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例4)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体4部、および塩化ビニル単量体22.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表5に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例5)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体23部、および塩化ビニル単量体18部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表5に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例6)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体22.5部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表5に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は2部である。
(実施例7)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体17.3部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表5に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は23部である。
(実施例8)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体39.2部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表5に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は45%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
Figure 2007308526
(実施例9)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体10.4部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表6に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は12%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例10)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液、および塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表6に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例11)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。その他単量体1水溶液、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表6に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例12)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および57%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表6に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例13)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で前記その他単量体1水溶液、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および62%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表6に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例14)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率57%、および62%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表6に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
(実施例15)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で前記その他単量体1水溶液の連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率68%、および62%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表6に示した。本実施例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%、その他単量体1の仕込み総量は5部である。
Figure 2007308526
(比較例1)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で純分100%のアクリル酸ヒドロキシエチルの連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表7に示した。本比較例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%である。またその他単量体は、純分100%のアクリル酸ヒドロキシエチル5部を連続仕込みとした。
(比較例2)
攪拌翼および外部ジャケットを備えた内容積27リットルのステンレス製重合器に、平均重合度が800でケン化度72%の部分ケン化ポリ酢酸ビニルを0.12部、重合度調節剤として2−メルカプトエタノール0.15部、油溶性開始剤としてtert−ブチルパーオキシネオデカノエートを0.03部及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシドを0.03部、水180部を投入した後、重合器を密閉した。この重合器内を真空ポンプで脱気した後、攪拌を開始して酢酸ビニル単量体8部、および塩化ビニル単量体21.8部を仕込み、重合器外部ジャケットを利用して内容液を昇温した。昇温途中、内温が30℃に達した時点で純分100%のメタクリル酸ヒドロキシプロピルの連続仕込みを開始した。重合器内の温度を63℃まで昇温し、引き続き63℃一定で重合を行った。また、重合器内の温度が63℃に到達した時点で残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みを開始した。その他単量体1、および残りの塩化ビニル単量体の連続仕込みはそれぞれ重合転化率60%、および68%の時点で終了するように仕込み速度を調整した。重合器内圧が定常圧より0.05MPa降圧した時点で未反応塩化ビニル単量体を回収し、塩化ビニル系共重合体を得た。得られた共重合体を乾燥した後、一連の評価に供した。評価結果は表7に示した。本比較例における初期仕込み塩化ビニル単量体比率は25%である。またその他単量体は、純分100%のメタクリル酸ヒドロキシプロピル5部を連続仕込みとした。
Figure 2007308526
Figure 2007308526
Figure 2007308526
Figure 2007308526

Claims (5)

  1. 塩化ビニル単量体および脂肪酸ビニル系単量体とその他のラジカル重合性単量体との共重合体を、油溶性開始剤の存在下に水系媒体中で重合させることにより製造するに際し、重合器内に、重合開始剤と、各単量体の所定仕込み量のうち、塩化ビニル単量体の一部と脂肪酸ビニル系単量体全部を仕込んでから攪拌下に内容物を昇温し、次いで残りの塩化ビニル単量体と、懸濁安定剤の水溶液に、混合もしくは懸濁させたその他のラジカル重合性単量体全部を連続的に重合器に仕込むことを特徴とする塩化ビニル系共重合体の製造方法。
  2. 単量体の仕込み組成が、塩化ビニル単量体50〜96重量%、脂肪酸ビニル系単量体3〜25重量%、その他単量体1〜25重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法。
  3. 始めに仕込む塩化ビニル単量体の割合が、塩化ビニル単量体の所定仕込み量に対して10〜50重量%であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法。
  4. 塩化ビニル単量体とその他のラジカル重合性単量体の連続的仕込みを重合転化率55〜70%の間に終了することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法。
  5. 脂肪酸ビニル系単量体が酢酸ビニルであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の塩化ビニル系共重合体の製造方法。
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