JP2007307070A - 医療器具および血管内異物除去用カテーテル - Google Patents

医療器具および血管内異物除去用カテーテル Download PDF

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Abstract

【課題】血管内の異物を確実に捕捉して除去することができる医療器具および血管内異物除去用カテーテルを提供すること。
【解決手段】医療器具9は、ワイヤ本体と、ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管10内の塞栓物200を捕捉する捕捉部72とを有する血管内異物除去用ワイヤ7と、血管内異物除去用ワイヤ7が挿通可能なカテーテル1Aとを有し、カテーテル1A内に血管内異物除去用ワイヤ7を挿通した状態で血管100内に挿入して使用される。カテーテル1Aは、先端に開口するルーメンを有するカテーテル本体2Aと、カテーテル本体2Aの先端部に設けられ、ルーメンの先端開口211が拡張するように変形する変形部3Aとを有している。この変形部3Aは、通電により変形する電気活性ポリマーと、電気活性ポリマーに通電するため電極とを有し、電極への通電により先端開口211の縁部が拡張するように作動するアクチュエータを備えている。
【選択図】図18

Description

本発明は、医療器具および血管内異物除去用カテーテルに関する。
厚生労働省の人口動態統計によれば、日本人の死因の一位は癌、二位は心臓病、三位は脳卒中であり、特に脳卒中による死亡や後遺症が増加し、治療方法の確立が急務となっている。
近年、脳卒中の治療において急性期の脳梗塞治療に血栓溶解剤を用いた血栓溶解療法が開発され治療効果をあげているがその限界も指摘されている。すなわち、血栓溶解剤では血栓溶解に長時間を要したり、小さくなった血栓がさらに飛んで新たな塞栓部位を形成したり、また、血栓溶解剤で溶解しない血栓があることが医師の経験から認められている。
脳梗塞の場合、梗塞発症後3時間以内に血流が再開できれば救命の確率が高くなるばかりか、後遺症を少なくすることが米国や欧州で証明され、脳血管内に挿入可能で血栓を直接取ることができる医療器具の開発が強く求められている。このような医療器具としては、例えば、特許文献1に記載された血管内異物除去用ワイヤ(医療用回収デバイス)が知られている。
この血管内異物除去用ワイヤは、ワイヤ本体と、ワイヤ本体から分岐し、ワイヤ本体と反対側の端部が互いに連結された複数の分岐ワイヤとを有している。各分岐ワイヤは、それぞれ、外方に向かって湾曲したアーチ状をなしている。このような分岐ワイヤにより、血管内の異物(物質)を捕捉する球状をなす異物捕捉空間が形成される。
しかしながら、このような構成の血管内異物除去用ワイヤでは、異物が異物捕捉空間より大きい場合、当該異物が異物捕捉空間に入り込むことができずに、この異物を捕捉することができないという問題があった。また、異物が異物捕捉空間より小さい場合、当該異物が異物捕捉空間に入り込んだとしても、この異物が隣接する分岐ワイヤ同士の間隙から離脱し、捕捉されないという問題があった。
特表2002−537934号公報
本発明の目的は、血管内の異物を確実に捕捉して除去することができる医療器具および血管内異物除去用カテーテルを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(17)の本発明により達成される。
(1) 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部とを有する血管内異物除去用ワイヤと、
前記血管内異物除去用ワイヤが挿通可能なカテーテルとを有し、
前記カテーテル内に前記血管内異物除去用ワイヤを挿通した状態で、血管内に挿入して使用される医療器具であって、
前記カテーテルは、
先端に開口するルーメンを有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端部に設けられ、前記ルーメンの先端開口が拡張するように変形する変形状態となる変形部とを有し、
前記変形部は、通電により変形する電気活性ポリマーと、前記電気活性ポリマーに通電するための少なくとも2つの電極とを有し、前記電極間への通電により前記先端開口の縁部の少なくとも一部が拡張するように作動するアクチュエータを備えることを特徴とする医療器具。
(2) 前記異物捕捉部が、前記ルーメンの先端開口から突出した突出状態と、前記ルーメン内に収納される収納状態とを取り得るように、前記血管内異物除去用ワイヤが前記カテーテルに対し移動可能に設置され得る上記(1)に記載の医療器具。
(3) 前記変形部は、前記突出状態の前記異物捕捉部が前記異物を捕捉したとき、前記変形状態で前記異物に当接して、該異物に対する前記異物捕捉部の捕捉を補助する機能を有する上記(2)に記載の医療器具。
(4) 前記変形部は、前記突出状態の前記異物捕捉部が前記異物を捕捉したとき、前記変形状態で前記異物に当接して、該異物を前記異物捕捉部との間で挟持する機能を有する上記(2)または(3)に記載の医療器具。
(5) 前記変形部は、前記変形状態で、前記突出状態の前記異物捕捉部および/または該異物捕捉部に捕捉された異物を前記ルーメン内に導入する機能を有する上記(2)ないし(4)のいずれかに記載の医療器具。
(6) 前記アクチュエータは、前記電極間への通電により前記先端開口の縁部のほぼ全周が拡張するものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療器具。
(7) 前記アクチュエータの前記電極間への印加電圧の大小により前記変形部の拡径の程度を設定し得るよう構成されている上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療器具。
(8) 前記アクチュエータは、複数の電気活性ポリマー片が周方向に沿って配置されており、前記各電気活性ポリマー片にそれぞれ電極が設けられている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医療器具。
(9) 前記各電気活性ポリマー片は、先端から基端に向かってその幅が漸減するような形状をなしている上記(8)に記載の医療器具。
(10) 前記各電気活性ポリマー片のそれぞれに対する通電/切電を選択することにより、前記変形部の拡径の方向および/または拡径の程度を設定し得るよう構成されている上記(8)または(9)に記載の医療器具。
(11) 前記変形部の内周面には、微小な凹凸が形成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の医療器具。
(12) 前記変形部には、該変形部の内側と外側とを連通する小孔が形成されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の医療器具。
(13) 前記小孔は、前記変形部が前記変形状態となったときに開口する上記(12)に記載の医療器具。
(14) 前記変形部は、前記変形状態で、血管内の血流を制御する機能を有する上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の医療器具。
(15) 前記異物捕捉部の前記突出状態を維持する状態維持手段をさらに有する上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の医療器具。
(16) 前記異物捕捉部は、ワイヤ本体の先端から分岐する少なくとも2つの分岐ワイヤ部と、分岐ワイヤ部間に架設された複数のフィラメント部とを有する上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の医療器具。
(17) 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部とを有する血管内異物除去用ワイヤが挿通可能な血管内異物除去用カテーテルであって、
前記血管内異物除去用カテーテルは、
先端に開口し、前記血管内異物除去用ワイヤが挿通可能な異物除去ワイヤ挿通用ルーメンを有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端部に設けられ、前記異物除去ワイヤ挿通用ルーメンの先端開口が拡張するように変形する変形状態となる変形部とを有し、
前記変形部は、通電により変形する電気活性ポリマーと、前記電気活性ポリマーに通電するための少なくとも2つの電極とを有し、前記電極間への通電により前記先端開口の縁部の少なくとも一部が拡張するように作動するアクチュエータを備え、
さらに、前記カテーテル本体の基端部に接続されたハブと、該ハブに設けられ、前記異物除去ワイヤ挿通用ルーメンと連通する開口部を備える血管内異物除去用ワイヤ挿通用ポートとを備えることを特徴とする血管内異物除去用カテーテル。
本発明によれば、異物捕捉部と変形状態の変形部とにより、血管内の異物を確実に捕捉して除去することができる。
また、変形状態の変形部が、捕捉された異物を異物捕捉部との間で挟持する機能を有する場合には、異物が異物捕捉部から不本意に離脱するのが防止される、すなわち、異物を確実に捕捉することができる。これにより、異物を血管内から確実に除去することができる。
また、変形状態の変形部が、突出状態の異物捕捉部および/または該異物捕捉部に捕捉された異物をルーメン内に導入する機能を有する場合には、異物をルーメン内に収納することができ、よって、当該異物を血管内から確実に除去することができる。
以下、本発明の医療器具および血管内異物除去用カテーテルを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の医療器具(第1実施形態)が有する血管内異物除去用ワイヤの異物捕捉部付近の平面図、図2は、本発明の医療器具(第1実施形態)が有する血管内異物除去用ワイヤの異物捕捉部付近の側面図、図3および図4は、それぞれ、本発明の医療器具(第1実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の斜視図(図3はアクチュエータが通電されていない状態、図4はアクチュエータに通電している状態)、図5は、図3に示すカテーテルの縦断面図、図6は、図4に示すカテーテルの縦断面図、図7は、図3に示すカテーテルのアクチュエータの斜視図、図8は、本発明の医療器具が有する状態維持手段の一例を示す縦断面図、図13〜図18は、それぞれ、本発明の医療器具の使用方法の一例を順を追って説明するための図(部分縦断面図)である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図6、図8、図13〜図18中(図9〜図12も同様)の右側を「基端」、左側を「先端」と言う。また、図3および図4では、それぞれ、血管内異物除去用ワイヤを省略して描いている。
各図に示す医療器具9は、血管内異物除去用ワイヤ7と、血管内異物除去用ワイヤ7が挿通可能なカテーテル(血管内異物除去用カテーテル)1Aとを備えている。この医療器具9は、カテーテル1A内に血管内異物除去用ワイヤ7を挿通した組立状態(例えば、図5および図6参照)で、血管10内に挿入して使用される、すなわち、血管10内の異物を捕捉して除去するものである。また、組立状態では、血管内異物除去用ワイヤ7がカテーテル1Aに対し移動可能となっている。
なお、医療器具(血管内異物除去用医療器具)9で捕捉される血管10内の異物としては、例えば、血栓、血餅等の塞栓の原因となる異物(以下、「塞栓物200」と言う)が挙げられる。
まず、血管内異物除去用ワイヤについて説明する。
この血管内異物除去用ワイヤ7は、長尺なワイヤ本体71と、ワイヤ本体71の先端に設けられ、血管10内の塞栓物200を捕捉可能な捕捉部(異物捕捉部)72とを有している。以下、各部の構成について説明する。
ワイヤ本体71は、全長に渡って適度な剛性および弾性(可撓性)を有している。ワイヤ本体71の構造としては、特に限定されず、例えば、単線からなるもの、複数本を束ねたもの、中空状のもの、多層構造のもの、芯材とその外周に巻回されたコイルとを有するもの、これらを組み合わせたものなどであってもよい。
また、ワイヤ本体71の構成材料としては、特に限定されず、各種金属材料や各種プラスチック等を単独または組み合わせて用いることができる。
また、ワイヤ本体71は、基端側に位置し、比較的硬い第1の部位と、先端側に位置し、比較的柔軟な第3の部位と、前記第1の部位と前記第3の部位との間に位置し、可撓性が変化する第2の部位とを有するものであることが好ましい。換言すれば、ワイヤ本体71は、剛性(曲げ剛性、ねじり剛性等)が基端から先端に向かって漸減するようなものであるのが好ましい。これにより、手元での操作が先端部まで確実に伝達し、血管10内での走行性や屈曲部での操作性に優れるとともに、先端部の柔軟性を向上し、血管の損傷を防ぐことができる。すなわち、ワイヤ本体71のトルク伝達性、押し込み性(プッシャビリティ)、耐キンク性(耐折れ曲がり性)を維持しつつ、より高い安全性を確保することができる。
ワイヤ本体71の外面(表面)には、カテーテル1Aの内面(内層6a)との摩擦抵抗を軽減する被覆層が設けられていてもよい。これにより、カテーテル1Aに対する挿入・抜去をよりスムーズに行うことができる。この被覆層としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂の被覆層(テフロンコート(「テフロン」は登録商標))や、湿潤時に潤滑性を有する親水性ポリマーコート等が挙げられる。
このようなワイヤ本体71の先端側には、捕捉部72が設けられている。この捕捉部72が、カテーテル1A(ルーメン(異物除去ワイヤ挿通用ルーメン)21)の先端開口211から突出した突出状態(例えば図16〜図18参照)と、カテーテル1A内に収納される収納状態とを取り得る。
捕捉部72は、突出状態(自然状態)では、図1、図16〜図18に示すような状態(この状態を以下「拡大状態」と言う)になっている。この拡大状態では、捕捉部72の内側に、血管10内の塞栓物200を捕捉可能な異物捕捉空間721が形成される。これにより、塞栓物200を捕捉することができる。
捕捉部72は、収納状態では、拡大状態から、折り畳まれるようにして、カテーテル1A内に収納可能な大きさに収縮するように変形する(図15参照)。これにより、捕捉部72がカテーテル1Aのルーメン21内を円滑に移動することができる。
このような捕捉部72は、自身の弾性により、収納状態から拡大状態(突出状態)へと変形(復元)可能になっている。
以下では、特に断らない限り、捕捉部72の形状、大きさについての説明は、拡大状態(自然状態)におけるものである。
図1および図2に示すように、捕捉部72は、ワイヤ本体71の先端から分岐するように(互いに離間するように)延設された2本の分岐ワイヤ部73a、73bと、分岐ワイヤ部73aと分岐ワイヤ部73bとの間に架設された3本のフィラメント部74a、74b、74cとで構成されている。
分岐ワイヤ部73a、73bの基端部は、それぞれ、ワイヤ本体71の先端部に固定(固着)されている。この固定の方法は、特に限定されないが、例えば、分岐ワイヤ部73a、73bの基端部をそれぞれワイヤ本体71の先端部に編み付け(巻き付け)、ろう接、溶接、接着剤による接着等を施すことにより固定することができる。
本実施形態では、ワイヤ本体71の先端部には、分岐ワイヤ部73a、73bのワイヤ本体71に対する固定部(ロウ付け部)を覆うコイル711が設けられている。コイル711の外表面は、平滑になっており、これにより、より高い安全性が得られる。
分岐ワイヤ部73aの先端部と分岐ワイヤ部73bの先端部との間には、線状をなす3本のフィラメント部74a、74b、74cが架け渡されるように設けられている。これらのフィラメント部74a、74b、74cは、それぞれ、その中央部分が先端側に張り出すように湾曲しつつ、分岐ワイヤ部73aの先端部と分岐ワイヤ部73bの先端部とを接続している。換言すれば、図1に示す平面視で、分岐ワイヤ部73a、73bとフィラメント部74a、74b、74cとは、ほぼ楕円(長円)を描くように配置されている。本実施形態では、フィラメント部74a、74b、74cの先端部が滑らかに湾曲した形状をなしていることにより、血管10の内壁にダメージを与えるのを防止することができ、より高い安全性が得られる。
図2に示すように、フィラメント部74aは、ほぼ、ワイヤ本体71の中心軸の延長線を通る平面(図2の紙面に垂直な平面)上に位置している。すなわち、フィラメント部74aは、図2に示す側面視で、ワイヤ本体71の中心軸の延長線にほぼ重なって見える。
また、フィラメント部74b、74cは、ワイヤ本体71の中心軸の延長線からの距離が先端方向に向かって増大するように傾斜している。すなわち、図2に示す側面視で、フィラメント部74bは、左上がりに傾斜しており、フィラメント部74cは、左下がりに傾斜している。
また、このように配置されたフィラメント部74a、74b、74cは、収縮状態では、拡大状態のときより、各フィラメント部74a、74b、74cの先端部同士が接近している。
捕捉部72には、このような分岐ワイヤ部73a、73bおよびフィラメント部74a、74b、74cに囲まれるようにして、塞栓物200を捕捉する異物捕捉空間721が形成されている。換言すれば、フィラメント部74a、74b、74cにより、籠状の異物保持部が形成されている。図16に示すように、血管内異物除去用ワイヤ7は、この異物捕捉空間721に塞栓物200を収納するようにして捕捉する。このような捕捉部72では、一旦捕捉した塞栓物200が脱落(離脱)するようなことがなく、確実に塞栓物200を除去することができる。
本実施形態では、捕捉部72には、図2中の上側、下側のいずれからでも塞栓物200を異物捕捉空間721に捕捉(収納)することができる。これにより、より容易な操作でより確実に塞栓物200を捕捉することができる。
また、このような捕捉部72の構成材料(素材)としては、例えば、ステンレス鋼(SUS304等)、βチタン鋼、Co−Cr合金、ピアノ線、プラチナ−イリジウム合金(Pt90/Ir10、Pt80/Ir20等)その他の貴金属のバネ合金、ニッケルチタン合金等のバネ性を有する合金等の各種金属材料や、樹脂製のモノ・マルチ繊維であるのが好ましい。
次に、カテーテル1Aについて説明する。
カテーテル1Aは、可撓性を有し、先端23に開口するルーメン21を有するカテーテル本体2Aと、カテーテル本体2Aの先端部22に設けられ変形部3Aと、カテーテル本体2Aの基端部に装着されたハブ4とを備えている。変形部3Aは、その外径がカテーテル本体2Aの外径とほぼ同等となる初期状態(縮径状態(図3、図5および図15参照))と、ルーメン21の先端開口211が拡張するように変形する拡張(拡径)状態(変形状態(図4、図6、図17および図18参照))とに変形可能である。すなわち、変形部3Aは、選択的に拡径状態と縮径状態とに切り替えるよう変形が可能である。
以下、各部の構成について説明する。
図5および図6に示すように、カテーテル本体2Aの内部には、カテーテル本体2Aのほぼ全長にわたってルーメン21が形成されている。このルーメン21は、例えば、血管内異物除去用ワイヤ7や血管内異物除去用ワイヤ7で捕捉された塞栓物200、ガイドワイヤ30等の通路として機能するものである。また、ルーメン21は、造影剤、薬液、洗浄液のような液体を移送する流路としても機能するものである。
カテーテル本体2Aの先端部22は、開口しており、その縁部231が丸みを帯びているのが好ましい。これにより、カテーテル1Aを血管10内に挿入する際に、挿入をより円滑に行うことができ、血管内壁へダメージを与えることも防止することができ、挿入の操作性および安全性が向上する。
カテーテル本体2Aは、好ましくは複数の層の積層体で構成されている。すなわち、図5(図6も同様)に示すように、カテーテル本体2Aは、内層6aと外層6bとを積層してなるものである。この場合、カテーテル本体2Aの先端部22は、内層6aおよび外層6bのいずれか一方で構成されているのが好ましい。図示の構成では、先端部22は、外層6bで構成されている。すなわち、内層6aは、変形部3Aの手前まで形成され、それより先端側は、内層6aの外径がテーパ状に減少している。なお、内層6aの先端は、必ずしもテーパ状になっていなくてもよく、直角に終端していてもよい。
内層6aおよび外層6bの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT、PEN等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、その他各種のエラストマー(例えば、ポリアミド系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマー)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、内層6aと外層6bの構成材料は、同じでも異なっていてもよい。
内層6aと外層6bの構成材料が異なる場合、それらの柔軟性(剛性)が異なる材料を用いることができる。例えば、図5に示す構成(先端部22が外層6bのみで構成されている)の場合、外層6bを内層6aより柔軟性に富む材料で構成することにより、カテーテル本体2Aの先端部22、すなわち、変形部3Aをそれより基端側の部分よりも柔軟性に富むものとすることができ、血管10への挿入時の安全性をより向上することができる。また、変形部3Aが容易かつ確実に変形することができる。
また、内層6aは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、高密度ポリエチレン等の材料で構成することにより、カテーテル本体2Aのルーメン21内における例えば血管内異物除去用ワイヤ7やガイドワイヤ30等の摺動性を向上することができる。この場合、内層6aは、比較的硬い材料となるので、カテーテル本体2Aの先端部22は、外層6bのみで構成されたものとするのが好ましい。
図5に示すように、カテーテル本体2Aの管壁の内部、すなわち、内層6aと外層6bとの間には、補強部材6cが設置(埋設)されているのが好ましい。これにより、カテーテル1Aにおけるトルク伝達性、押し込み性、耐キンク性、追従性等が向上し、血管10への挿入の際の操作性が向上するとともに、ルーメン21の内圧(液圧)が高まった際の耐圧性が向上する。
補強部材6cは、カテーテル本体2Aのほぼ全長にわたって配設されているが、カテーテル本体2Aの先端部22には、配設されていないのが好ましい(図5参照)。これにより、前述したように、先端部22の柔軟性を十分に確保することができ、血管10への挿入時の追従性、安全性をより向上することができる。
このような補強部材6cとしては、横断面が円形または平板状の線状体61で構成されたものが好ましく、特に、線状体61を網状またはコイル状に形成したものがより好ましい。このような補強部材6cは、線状体61の材料、線径、線状体61の配設密度(網目の大きさやコイルの巻き数等に依存する)等の条件を適宜選択することにより、容易に、補強部材6cの強度を所望の強度に調整することができるという利点がある。
線状体61の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、タングステン、ピアノ線、Ni−Ti系合金等の金属材料や、アラミド、ケブラー等の強化樹脂繊維、炭素繊維等が挙げられる。
また、線状体61の線径は、特に限定されないが、3〜100μm程度が好ましく、30〜70μm程度がより好ましい。
カテーテル本体2Aが、内層6a、外層6bおよびこれらの間に介挿される補強部材6cで構成される場合、まず内層6aの表面に補強部材6cを設置し、その上から外層6bを被せ、これらを例えば加熱により一体化することにより製造することができる。このとき、外層6bとして、熱収縮チューブを用いることもできる。また、内層6aおよび外層6bのいずれか一方は、例えばコーティング、ディッピング、スプレー等の塗布法により形成された塗膜であってもよい。
なお、本発明において、カテーテル本体2Aは、単一の層で構成されているものでもよいことは、言うまでもない。この場合、補強部材6cを設けるときは、カテーテル本体2Aを構成する層中に埋設するのが好ましい。
図示されていないが、カテーテル本体2Aの先端部22(またはその他の箇所)は、造影性、特にX線造影性を有するものであってもよい。これにより、X線透視下で生体内におけるカテーテル本体2Aの先端部22の位置を確認することができる。
カテーテル本体2AにX線造影性を付与する方法としては、先端部22を構成する樹脂材料に、酸化ビスマスや硫酸バリウムやタングステン等の粒子を10〜60質量%程度含有させるか、先端部22よりも基端側の先端部22近傍に、PtやAu等の高X線造影性を有する金属リングまたはコイルを埋設する方法を例示することができる。
カテーテル本体2Aの先端部22には、変形部3Aが設けられている。この変形部3Aは、通電により先端開口211の縁部231のほぼ全周が拡張するように作動するアクチュエータ5Aを有している。
このアクチュエータ5Aは、複数(本実施形態では、8つ)の単位アクチュエータ(小アクチュエータ)55Aで構成されている。また、これらの単位アクチュエータ55Aは、変形部3Aの管壁に、その周方向に沿って等間隔に埋設(配置)されている。
図7(図5および図6も同様)に示すように、単位アクチュエータ55Aは、通電により変形する電気活性ポリマー(電気活性ポリマー片)51aと、電気活性ポリマー51aに通電するための2つの電極52aおよび52bとを有している。ここで、「通電」とは、電極52a、52bで電気活性ポリマー51aに電圧を印加することを言う。
電気活性ポリマー51aは、先端から基端に向かってその幅が漸減するような形状、すなわち、二等辺三角形(くさび状)をなす板部材で構成されている。
この電気活性ポリマー51aとしては、静電力に応じて変形する、またはその変形によって電場が変化するような、実質的に絶縁性を有する任意のポリマーまたはゴムが含まれていればよい。具体的には、電気活性ポリマー51aとしては、例えば、NuSil CF19−2186(NuSilテクノロジー社製)を含むものが挙げられる他、任意の誘電エラストマーポリマー、シリコーンラバー、フルオロエラストマー、ダウコーニング730(ダウコーニング社製)のようなシリコーン系ポリマー、4900 VHBアクリルシリーズ(3M社製)のようなアクリル系ポリマー等が挙げられる。
電気活性ポリマー51aの外側(図7中上側)の面511には、層状の電極52aが接合(積層)されている。また、電気活性ポリマー51aの内側(図7中下側)の面512には、層状の電極52bが接合(積層)されている。
図5〜図7に示すように、電極52aは、当該電極52aに接合されたリード線54aを介して電源(図示せず)のプラス電極に接続されている。このリード線54aは、そのほとんどの部分がカテーテル本体2Aの外層6bに埋設され、基端方向に延在している。なお、リード線54aの電極52aに対する接合方法としては、特に限定されないが、例えば、レーザ光による溶接、超音波による溶接、高周波による溶接、導電性接着剤による接着等が挙げられる。また、電源としては、交流電源または直流電源を用いることができる。
また、電極52bは、当該電極52bに接合されたリード線54bを介して電源(図示せず)のマイナス電極に接続されている。このリード線54bは、そのほとんどの部分がカテーテル本体2Aの内層6aに埋設され、基端方向に延在している。
電極52aおよび52bとしては、導電性を有する材料で構成されていればよく、特に、金、銀、白金、銅等のような金属の微粒子や、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができ、また、これらの材料と電気活性ポリマー51aの構成材料との混合物を用いることができる。
電極52aおよび52bがこのような材料で構成されている場合、当該電極52aおよび52bが造影性、特にX線造影性を有することとなる。これにより、X線透視下で生体内におけるカテーテル本体2Aの先端部22の位置を確認することができる。
また、各電極52aおよび52bには、水不透過性および絶縁性を有する被覆層が積層されていてもよい。これにより、各電極52aおよび52bから体腔内への漏電を防止することができる。被覆層の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のような樹脂材料を用いることができる。
また、被覆層に造影性(X線造影性)を有する材料を配合してもよい。これにより、X線透視下で生体内におけるカテーテル本体2Aの先端部22の位置を確認することができる。
また、各リード線54aおよび54bの途中には、スイッチ(図示せず)が設置されている。
次に、このように構成されたアクチュエータ5Aの作動、およびこの作動より変形する変形部3Aについて説明する。
図7(図3および図5も同様)に示す状態(初期状態)のアクチュエータ5Aの各電極52a、52b間に電圧を印加することにより、電気活性ポリマー51aの電極52a側の面511付近は、マイナス電荷が均一に分布する、すなわち、マイナスに帯電する。また、各電気活性ポリマー51aの電極52b側の面512付近は、プラス電荷が均一に分布する、すなわち、プラスに帯電する。
これにより、電気活性ポリマー51aでは、マイナスに帯電した面511と、プラスに帯電した面512とが引き合う。その結果、面511と面512との距離(厚さt)が減少する。ここで、電気活性ポリマー51aの体積は一定であるので、厚さtが減少した分、面511および512の面積がそれぞれ増加する。
これにより、各単位アクチュエータ55Aは、その基端側の頂部551の角度θが大きくなるとともに、頂部551に対向する(先端側の)面(底面)552の周方向の長さLが大きく(長く)なるように変形する。
このようなアクチュエータ5A(各単位アクチュエータ55A)変形により、カテーテル本体2Aの縁部231は、その全周が拡張する、すなわち、変形部3Aでは、その外径および内径がそれぞれ、先端方向に向って漸増し、よって、変形部3Aが確実に拡張状態となる(図4および図6参照)。
また、拡張状態のアクチュエータ5A(変形部3A)では、電極52a、52b間の電圧の印加を停止すると、面511と面512との引き合いが解消される。これにより、電気活性ポリマー51aの形状が復元され、よって、アクチュエータ5Aが初期状態となる。
このように、変形部3A(アクチュエータ5A)は、電気活性ポリマー51aと、電気活性ポリマー51aに通電するための2つの電極52aおよび52bとを有する単位アクチュエータ55Aを備えた、簡単な構成となっている。これにより、変形部3Aは、通電/切電により迅速かつ確実に初期状態と拡張状態と取り得る。すなわち、変形部3Aは、応答性と再現性とが優れたものである。
図18に示すように、医療器具9では、突出状態の捕捉部72が塞栓物200を捕捉したとき、拡張状態の変形部3Aが、塞栓物200の基端側から当該塞栓物200に当接する。これにより、塞栓物200を捕捉部72と拡張状態の変形部3Aとの間で挟持することができる。このような挟持状態となることにより、塞栓物200が捕捉部72(異物捕捉空間721)から不本意に離脱するのが防止される、すなわち、塞栓物200を確実に捕捉することができる。これにより、挟持状態のまま、塞栓物200を血管10内から確実に除去することができる。
このように、拡張状態の変形部3Aは、捕捉部72の塞栓物200に対する捕捉を補助する機能を有するものである。
また、挟持状態では、拡張状態の変形部3Aの内周面35が塞栓物200に接触する。このため、例えば挟持状態のまま塞栓物200を血管10内から除去する過程で、拡張状態の変形部3Aの内周面35と塞栓物200との間に、摩擦力が発生(または増加)する。これにより、塞栓物200を確実に捕捉することができ、よって、当該塞栓物200を確実に除去することができる。
また、捕捉された塞栓物200の大きさにもよるが、当該塞栓物200がルーメン21内に収納可能な程度の大きさである場合、カテーテル1Aと血管内異物除去用ワイヤ7とを相対的に移動させる(操作する)ことにより、突出状態の捕捉部72と、この捕捉部72に捕捉された塞栓物200とが、拡張状態の変形部3Aの内周面35に案内されて、ルーメン21内に導入される(収納される)。この状態で医療器具9を血管10内から抜去することにより、塞栓物200をより確実に除去することができる。
また、図17に示す状態で、拡張状態の変形部3Aは、血管10内の血流を制御する、すなわち、抑制することができる。これにより、例えば、塞栓物200が血流によって捕捉部72から離脱するのを防止することができる。
また、塞栓物200の形状(内径の大きさ)よっては、カテーテル1Aの縁部231の全周を拡張する必要がない場合がある。このような場合には、各単位アクチュエータ55A(電気活性ポリマー51a)のそれぞれに対する通電/切電を選択することにより、カテーテル1Aの縁部231の一部を拡張する、すなわち、変形部3Aの拡径の方向および/または拡径の程度(以下、「変形の程度」という)を設定することができる。
例えば、8つの単位アクチュエータ55Aのうちの図3中の上側の4つの単位アクチュエータ55Aを作動させる。これにより、カテーテル1Aの縁部231は、その図中の上側の部分のみが拡径する。
また、8つの単位アクチュエータ55Aのうちの隣接しない、すなわち、1つずつおきに、4つの単位アクチュエータ55Aを作動させる。これにより、カテーテル1Aの縁部231は、全ての単位アクチュエータ55Aを作動させたときよりも、拡径の程度を抑制することができる。
また、カテーテル1Aの縁部231(変形部3A)の拡径の程度を変更する方法としては、前述した方法、すなわち、各単位アクチュエータ55Aのそれぞれに対する通電/切電を選択する方法の他に、各単位アクチュエータ55Aの電極52a、52b間への印加電圧の大きさを変更する方法が挙げられる。
変形部3Aは、各単位アクチュエータ55Aに印加することができる許容電圧の範囲内において、印加する電圧を最大に設定した場合、変形部3Aが最大に拡径して、外径φDが最大(φDmax)となる。また、変形部3Aは、印加する電圧を最小、すなわち、零と設定した場合、各単位アクチュエータ55Aが作動せず、外径φDが最小(φDmin)、すなわち、初期状態となる。また、変形部3Aは、印加する電圧を最大と最小との間の任意の大きさに設定した場合、外径φDmaxと外径φDminとの間の外径φDとなる。
このように、カテーテル1Aでは、捕捉部72で捕捉された塞栓物200の大きさに対応して、変形部3Aの変形の程度を適宜設定することができる。これにより、塞栓物200の大きさに関わらず、当該塞栓物200に変形部3Aを好適に添える(当接する)ことができ、よって、その塞栓物200を確実に捕捉して除去することができる。すなわち、症例(栓物200の大きさの程度)に応じた治療を行うことができる。
また、電極52a(電極52bも同様)には、例えば、当該電極52aを構成する金属材料と異なる材料で構成された層が少なくとも1層積層されていてもよい。
積層される層の構成材料としては、例えば、導電率が、電気活性ポリマー51aの導電率より大きく、電極52aの導電率より小さいものが挙げられる。このような構成材料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックやコロイド銀を含むフルオロエラストマー、比較的少量のヨウ化ナトリウムを含む水性ラテックスラバー乳濁液、テトラチイアフルバレン/テトラシアノキノジメタン(TTF/TCNQ)電荷移動媒体を含むポリウレタン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を主材料とするものを用いることができる。
このような材料で構成された層が、例えば電極52aに設けられている場合、電源により各電極52a、52b間に電圧を印加したとき、電気活性ポリマー51aの電極52a側の面511付近の電荷の分布を促進する、すなわち、電気活性ポリマー51aの面511付近に電荷を集中させることができる。
また、このようなことから、電極52aに設けられた層を電荷分布層ということができる。
また、本実施形態では、電極52aが電源のプラス電極に接続され、電極52bが電源のマイナス電極に接続されているが、これに限定されず、電極52aが電源のマイナス電極に接続され、電極52bが電源のプラス電極に接続されていてもよい。
また、変形部3Aの内周面35には、微小な凹凸が形成されている、すなわち、粗面加工が施されているのが好ましい。これにより、図18に示す状態では、塞栓物200が拡張状態の変形部3Aの内周面35に対して滑り難くなる。よって、変形部3Aの内周面35から塞栓物200が離脱するのが確実に防止されて、すなわち、塞栓物200がより確実に捕捉されて、血管10から除去される。
また、変形部3Aには、変形部3Aが拡張状態となったときに開口する2つの小孔(スリット)34が形成されている。これらの小孔34は、互いに対向する位置に配置されている。各小孔34は、変形部3Aの管壁、すなわち、外周面31から内周面35を貫通するものである。これにより、各小孔34を介して、変形部3Aの内側と外側とが連通する。このような小孔34が形成されていることにより、図17に示す状態で、例えば拡張状態の変形部3Aの外径が血管10の内径とほぼ同等となった場合でも、各小孔34を血液が通過することができ、よって、血管10内の血流を確保することできる。従って、各小孔34は、血流を確保する流路(バイパス)としての機能を発揮することができる。
各小孔34は、変形部3Aが拡張状態となったときに開口するものであるが、これに限定されず、例えば、変形部3Aが初期状態となったときにも開口するものであってもよい。
カテーテル本体2Aの基端部には、ハブ4が設置されている。図8に示すように、ハブ4は、管状体で構成されたハブ本体41と、ハブ41に収納されているリング状部材42と、リング状部材42を押圧する押圧部材43とを有している。
ハブ本体41の基端部411には、ハブ本体41の長手方向に沿って形成された円柱状の凹部44が設けられている。この凹部44は、ハブ本体41の内径より拡径したものである。また、ハブ本体41の基端部411の外周には、押圧部材43と螺合する雄ネジ部45が形成されている。
ハブ本体41の凹部44には、リング状部材42が収納されている。リング状部材42は、弾性材料で構成されている。このリング状部材42は、自然状態で、その内径の大きさがハブ本体41の内径とほぼ同等であり、外径の大きさが凹部44の内径とほぼ同等である。ここで、「自然状態」とは、リング状部材42に外力が付されていない状態をいう。
押圧部材43は、円板状の円板状部431と、円板状部431と同心的に設けられた筒状の筒状部432と、筒状部432と同様に、円板状部431と同心的に設けられた円柱状の円柱状部433とで構成されている。
筒状部432の内周面には、ハブ本体41(基端部411)の雄ネジ部45と螺合する雌ネジ部434が形成されている。これにより、押圧部材43は、ハブ本体41に対して螺合しつつ回転することができる。
円柱状部433は、その外径の大きさが凹部44の内径とほぼ同等である。
このような構成の押圧部材43には、押圧部材43をその長手方向に貫通する貫通孔435が形成されている。この貫通孔435の径は、その大きさがハブ本体41の内径とほぼ同等である。これにより、ハブ本体41内を挿通した血管内異物除去用ワイヤ7およびガイドワイヤ30は、それぞれ、ハブ4の基端側へ突出することができる。
押圧部材43とハブ本体41とを螺合させるにつれて、リング状部材42は、押圧部材43の円柱状部433の先端面に押圧される。この押圧により、リング状部材42は、弾性変形して外径が拡径しようとするが、リング状部材42の外周面421が凹部44の内周面441により規制されており、リング状部材42の外径が拡径することができない。このため、リング状部材42は、その内径が確実に縮径することとなる(図3中のリング状部材42’参照)。これにより、ハブ本体41内を挿通している血管内異物除去用ワイヤ7をリング状部材42の内周面422が押圧(圧縮)し、よって、血管内異物除去用ワイヤ7を確実に固定することができる。
このように、カテーテル1Aでは、ハブ本体41の凹部44と、リング状部材42と、押圧部材43とにより、血管内異物除去用ワイヤ7を固定する固定手段(状態維持手段)が構成されている。この固定手段により、突出状態の血管内異物除去用ワイヤ7のワイヤ本体71を確実に固定することができる、すなわち、捕捉部72がカテーテル1A(カテーテル本体2A)の先端開口211から突出した状態を確実に維持することができる。これにより、図18に示す状態、すなわち、拡張した変形部3Aと捕捉部72とが塞栓物200を挟持した状態が確実に維持される。よって、塞栓物200をより確実に捕捉して除去することができる。なお、固定手段は、ハブ本体41内を挿通しているガイドワイヤ30も確実に固定することができる。
ハブ4(リング状部材42は除く)の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、各種金属材料や各種プラスチック等を単独または組み合わせて用いることができる。
また、リング状部材42を構成する弾性材料としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料(特に加硫処理したもの)や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
次に、医療器具9の使用方法の一例について詳細に説明する。
[1] 図13は、血管10内に血栓等の塞栓物200が詰まり、血流を阻害している状態を示している。塞栓物200は、血圧により血管10の内壁に押し付けられ、容易に移動しない状態になっている。また、塞栓物200は、X線透視下で、その血管10に対する位置が予め確認されている。
カテーテル1Aと、そのルーメン21内に挿通されたガイドワイヤ30とを、血管10内に挿入し、カテーテル1Aの先端開口211から突出させたガイドワイヤ30の先端部301を塞栓物200より奥(末梢側)まで挿入する。すなわち、ガイドワイヤ30の先端部301が塞栓物200と血管10の内壁との隙間を通り抜けて、塞栓物200を越えた状態とする。この操作は、ガイドワイヤ30として、例えば潤滑性に優れるマイクロガイドワイヤを使用することにより、より容易に行うことができる。また、この操作では、カテーテル1Aの変形部3Aは、初期状態となっている。
[2] ガイドワイヤ30の先端部301が塞栓物200を越えたら、ガイドワイヤ30に対しカテーテル1Aを前進させ、図14に示すように、カテーテル1Aの初期状態の先端部22(変形部3A)を塞栓物200と血管10の内壁との隙間に入り込ませる。このとき、カテーテル1Aの変形部3Aは、ガイドワイヤ30に沿って円滑に隙間に入り込むので、この操作は容易に行うことができる。
なお、従来の治療としては、この状態で例えばカテーテル1Aを介して逆行性に血栓溶解剤を流し、血栓溶解を速めることが行なわれてきたが、血栓溶解剤で溶けない血栓があることや溶解に長時間かかることがしばしば医師により経験されている。本発明は、そのような場合にも有用である。
[3] 図14に示す状態から、ガイドワイヤ30を抜去し、カテーテル1Aのルーメンに血管内異物除去用ワイヤ7を挿入する(図15参照)。捕捉部72をカテーテル1Aの先端開口211から突出させると、収縮状態でカテーテル1A内にあった捕捉部72は、自身の弾性により自動的に展開し、拡大状態となる。捕捉部72が拡大状態になると、塞栓物200を捕捉する異物捕捉空間721が形成される。
[4] 異物捕捉空間721が形成された状態、すなわち、突出状態で、カテーテル1Aのみを僅かに基端方向(図16中矢印方向)に移動させ、カテーテル1Aの先端部22を塞栓物200の手前に引き戻すと、図16に示すように、捕捉部72の異物捕捉空間721に塞栓物200がすくい取られるようにして、捕捉(収納)される。すなわち、塞栓物200は、図16中の上側から異物捕捉空間721に入り込む。
[5] 捕捉部72に塞栓物200が収納されたら、初期状態の変形部3Aを拡張状態にする(図17参照)。その後、カテーテル1Aに対し血管内異物除去用ワイヤ7を基端方向(図17中矢印方向)に牽引する。これにより、塞栓物200は、捕捉部72と拡張状態の変形部3Aとにより、挟持される。
この挟持状態では、塞栓物200は、医療器具9(捕捉部72および拡張状態の変形部3A)に確実に保持され、捕捉部72からの脱落(離脱)を防止しつつ、確実に回収することができる。
[6] 前記挟持状態を維持しつつ、医療器具9全体を、すなわち、血管内異物除去用ワイヤ7をカテーテル1Aとともに抜去する。これにより、親のガイディングカテーテルまたはシースイントロデューサー(図示せず)内に塞栓物200が回収(除去)される。
なお、前記[5]では、カテーテル1Aに対し血管内異物除去用ワイヤ7を基端方向に牽引した(移動させた)が、これに限定されず、血管内異物除去用ワイヤ7に対しカテーテル1Aを先端方向に押圧して(移動させて)もよい。このような操作によっても、塞栓物200を捕捉部72と拡張状態の変形部3Aとにより挟持することができる。
<第2実施形態>
図9および図10は、それぞれ、本発明の医療器具(第2実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の平面図(図9はアクチュエータが通電されていない状態、図10はアクチュエータに通電している状態)である。
以下、これらの図を参照して本発明の医療器具の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、単位アクチュエータ(電気活性ポリマー)の形状が異なること以外は第1実施形態とほぼ同様である。
図9および図10に示すカテーテル1B(カテーテル本体2B)では、アクチュエータ5Bは、長方形の板状をなす、複数の単位アクチュエータ55Bで構成されている。
各単位アクチュエータ55Bは、第1実施形態の各単位アクチュエータ55Aとほぼ同様の構成、すなわち、電気活性ポリマー51aと、電極52aおよび52bとで構成されたものである。したがって、各単位アクチュエータ55Bの作動状態も各単位アクチュエータ55Aの作動状態とほぼ同様である。
このような構成のアクチュエータ5Bの作動により、拡張状態の変形部3Bは、先端側の部分32、すなわち、アクチュエータ5Bが埋設されている部分32では、外径φDがほぼ一定となり、当該部分32より基端側の部分33では、外径φDが基端方向に向って漸減したものとなる(図10参照)。
これにより、拡張状態の変形部3Bは、塞栓物200の大きさにもよるが、特に部分32とそれより基端側近傍部分(部分33)とで、内周面35の塞栓物200に対する接触面積が前記第1実施形態の変形部3Aの内周面35よりも大きくなる。よって、塞栓物200をより確実に捕捉することができる。
<第3実施形態>
図11および図12は、それぞれ、本発明の医療器具(第3実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の平面図(図11はアクチュエータが通電されていない状態、図12はアクチュエータに通電している状態)である。
以下、これらの図を参照して本発明の医療器具の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、変形部が初期状態でテーパ状に縮径していること以外は第2実施形態とほぼ同様である。
図11に示すカテーテル1Cでは、初期状態の変形部3Cは、その外径が先端方向に向って漸減したテーパ状をなしている。
また、変形部3Cには、長方形の板状をなす複数の単位アクチュエータ55Bで構成されたアクチュエータ5Bが埋設されている。各単位アクチュエータ55Bに電圧を印加することにより、変形部3Cは、初期状態から図12に示す状態(拡張状態)になる。
このような構成のカテーテル1Cでは、変形部3Cを初期状態(縮径状態)としたとき、カテーテル1Cを変形部3Cから血管10内に挿入する操作を容易に行うことができる。
また、変形部3Cは、各単位アクチュエータ55Bに印加する電圧の程度により、図10とほぼ同様の状態に拡径することができる。
<第4実施形態>
図19は、本発明のカテーテル(医療器具の第4実施形態)の基端部付近の平面図である。
以下、この図を参照して本発明のカテーテルについて説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、ハブの構成が異なること以外は第1実施形態とほぼ同様である。
図19に示すカテーテル1Dは、カテーテル本体2Aの基端部に接続された(設けられた)ハブ4Aと、ハブ4Aに設けられたポート(血管内異物除去用ワイヤ挿通用ポート)48とを有している。
ハブ4Aは、筒体で構成され、その先端部46がカテーテル本体2Aの基端部に液密に接合されている。また、ハブ4Aには、リード線54aおよび54bの一部がそれぞれ埋設され、基端側に突出している。
ハブ4Aの基端部47には、当該基端部47から突出したポート48が一体的に形成されている。このポート48は、ハブ4Aを介してルーメン21と連通する開口部481を備えている。
このような構成のカテーテル1Dでは、ポート48の開口部481から血管内異物除去用ワイヤ7をルーメン21に挿入することができる。
以上、本発明の医療器具および血管内異物除去用カテーテルを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、医療器具および血管内異物除去用カテーテルを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の医療器具および血管内異物除去用カテーテルは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
例えば、第1実施形態のアクチュエータを構成する複数の単位アクチュエータの一部を、第2実施形態の単位アクチュエータに変更してもよい。
また、第3実施形態の変形部に、第1実施形態の変形部のような小孔が形成されていてもよい。
また、血管内異物除去用ワイヤでは、フィラメント部は、3本設置されているが、この設置本数は、特に限定されず、2〜20本であるのが好ましく、4〜10本であるのがより好ましい。
本発明の医療器具(第1実施形態)が有する血管内異物除去用ワイヤの異物捕捉部付近の平面図である。 本発明の医療器具(第1実施形態)が有する血管内異物除去用ワイヤの異物捕捉部付近の側面図である。 本発明の医療器具(第1実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の斜視図(アクチュエータが通電されていない状態)である。 本発明の医療器具(第1実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の斜視図(アクチュエータに通電している状態)である。 図3に示すカテーテルの縦断面図である。 図4に示すカテーテルの縦断面図である。 図3に示すカテーテルのアクチュエータの斜視図である。 本発明の医療器具が有する状態維持手段の一例を示す縦断面図である。 本発明の医療器具(第2実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の平面図(アクチュエータが通電されていない状態)である。 本発明の医療器具(第2実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の平面図(アクチュエータに通電している状態)である。 本発明の医療器具(第3実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の平面図(アクチュエータが通電されていない状態)である。 本発明の医療器具(第3実施形態)が有するカテーテルの変形部付近の平面図(アクチュエータに通電している状態)である。 本発明の医療器具の使用方法の一例を順を追って説明するための図(部分縦断面図)である。 本発明の医療器具の使用方法の一例を順を追って説明するための図(部分縦断面図)である。 本発明の医療器具の使用方法の一例を順を追って説明するための図(部分縦断面図)である。 本発明の医療器具の使用方法の一例を順を追って説明するための図(部分縦断面図)である。 本発明の医療器具の使用方法の一例を順を追って説明するための図(部分縦断面図)である。 本発明の医療器具の使用方法の一例を順を追って説明するための図(部分縦断面図)である。 本発明のカテーテル(医療器具の第4実施形態)の基端部付近の平面図である。
符号の説明
1A、1B、1C、1D カテーテル(血管内異物除去用カテーテル)
2A、2B カテーテル本体
21 ルーメン(異物除去ワイヤ挿通用ルーメン)
211 先端開口
22 先端部
23 先端
231 縁部
3A、3B、3C 変形部
31 外周面
32、33 部分
34 小孔(スリット)
35 内周面
4、4A ハブ
41 ハブ本体
411 基端部
42、42’ リング状部材
421 外周面
422 内周面
43 押圧部材
431 円板状部
432 筒状部
433 円柱状部
434 雌ネジ部
435 貫通孔
44 凹部
441 内周面
45 雄ネジ部
46 先端部
47 基端部
48 ポート(血管内異物除去用ワイヤ挿通用ポート)
481 開口部
5A、5B アクチュエータ
51a 電気活性ポリマー
511、512 面
52a、52b 電極
54a、54b リード線
55A、55B 単位アクチュエータ(小アクチュエータ)
551 頂部
552 面
6a 内層
6b 外層
6c 補強部材
61 線状体
7 血管内異物除去用ワイヤ
71 ワイヤ本体
711 コイル
72 捕捉部(異物捕捉部)
721 異物捕捉空間
73a、73b 分岐ワイヤ
74a、74b、74c フィラメント部
9 医療器具(血管内異物除去用医療器具)
10 血管
30 ガイドワイヤ
301 先端部
200 塞栓物

Claims (17)

  1. 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部とを有する血管内異物除去用ワイヤと、
    前記血管内異物除去用ワイヤが挿通可能なカテーテルとを有し、
    前記カテーテル内に前記血管内異物除去用ワイヤを挿通した状態で、血管内に挿入して使用される医療器具であって、
    前記カテーテルは、
    先端に開口するルーメンを有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端部に設けられ、前記ルーメンの先端開口が拡張するように変形する変形状態となる変形部とを有し、
    前記変形部は、通電により変形する電気活性ポリマーと、前記電気活性ポリマーに通電するための少なくとも2つの電極とを有し、前記電極間への通電により前記先端開口の縁部の少なくとも一部が拡張するように作動するアクチュエータを備えることを特徴とする医療器具。
  2. 前記異物捕捉部が、前記ルーメンの先端開口から突出した突出状態と、前記ルーメン内に収納される収納状態とを取り得るように、前記血管内異物除去用ワイヤが前記カテーテルに対し移動可能に設置され得る請求項1に記載の医療器具。
  3. 前記変形部は、前記突出状態の前記異物捕捉部が前記異物を捕捉したとき、前記変形状態で前記異物に当接して、該異物に対する前記異物捕捉部の捕捉を補助する機能を有する請求項2に記載の医療器具。
  4. 前記変形部は、前記突出状態の前記異物捕捉部が前記異物を捕捉したとき、前記変形状態で前記異物に当接して、該異物を前記異物捕捉部との間で挟持する機能を有する請求項2または3に記載の医療器具。
  5. 前記変形部は、前記変形状態で、前記突出状態の前記異物捕捉部および/または該異物捕捉部に捕捉された異物を前記ルーメン内に導入する機能を有する請求項2ないし4のいずれかに記載の医療器具。
  6. 前記アクチュエータは、前記電極間への通電により前記先端開口の縁部のほぼ全周が拡張するものである請求項1ないし5のいずれかに記載の医療器具。
  7. 前記アクチュエータの前記電極間への印加電圧の大小により前記変形部の拡径の程度を設定し得るよう構成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の医療器具。
  8. 前記アクチュエータは、複数の電気活性ポリマー片が周方向に沿って配置されており、前記各電気活性ポリマー片にそれぞれ電極が設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載の医療器具。
  9. 前記各電気活性ポリマー片は、先端から基端に向かってその幅が漸減するような形状をなしている請求項8に記載の医療器具。
  10. 前記各電気活性ポリマー片のそれぞれに対する通電/切電を選択することにより、前記変形部の拡径の方向および/または拡径の程度を設定し得るよう構成されている請求項8または9に記載の医療器具。
  11. 前記変形部の内周面には、微小な凹凸が形成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の医療器具。
  12. 前記変形部には、該変形部の内側と外側とを連通する小孔が形成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の医療器具。
  13. 前記小孔は、前記変形部が前記変形状態となったときに開口する請求項12に記載の医療器具。
  14. 前記変形部は、前記変形状態で、血管内の血流を制御する機能を有する請求項1ないし13のいずれかに記載の医療器具。
  15. 前記異物捕捉部の前記突出状態を維持する状態維持手段をさらに有する請求項1ないし14のいずれかに記載の医療器具。
  16. 前記異物捕捉部は、ワイヤ本体の先端から分岐する少なくとも2つの分岐ワイヤ部と、分岐ワイヤ部間に架設された複数のフィラメント部とを有する請求項1ないし15のいずれかに記載の医療器具。
  17. 可撓性を有する長尺なワイヤ本体と、該ワイヤ本体の先端側に設けられ、血管内の異物を捕捉する異物捕捉部とを有する血管内異物除去用ワイヤが挿通可能な血管内異物除去用カテーテルであって、
    前記血管内異物除去用カテーテルは、
    先端に開口し、前記血管内異物除去用ワイヤが挿通可能な異物除去ワイヤ挿通用ルーメンを有するカテーテル本体と、前記カテーテル本体の先端部に設けられ、前記異物除去ワイヤ挿通用ルーメンの先端開口が拡張するように変形する変形状態となる変形部とを有し、
    前記変形部は、通電により変形する電気活性ポリマーと、前記電気活性ポリマーに通電するための少なくとも2つの電極とを有し、前記電極間への通電により前記先端開口の縁部の少なくとも一部が拡張するように作動するアクチュエータを備え、
    さらに、前記カテーテル本体の基端部に接続されたハブと、該ハブに設けられ、前記異物除去ワイヤ挿通用ルーメンと連通する開口部を備える血管内異物除去用ワイヤ挿通用ポートとを備えることを特徴とする血管内異物除去用カテーテル。
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