JP2007215864A - カテーテル - Google Patents

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Abstract

【課題】血管の狭窄部の診断、拡張治療等において、操作が容易で目的部位のX線造影が良好に行えるカテーテルを提供すること。
【解決手段】カテーテル1Aは、生体内に挿入して使用されるものである。このカテーテル1Aは、可撓性を有し、先端部22に開口するルーメン21が形成されたカテーテル本体2Aと、カテーテル本体2Aの側面に開口し、ルーメン21に連通する側孔3aと、側孔3aを開閉する開閉手段とを有している。この開閉手段は、通電/切電により開閉するシャッタ5Aで構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、カテーテルに関する。
冠状動脈(冠動脈)の狭窄あるいは閉塞の治療に近年経皮的冠状動脈形成術(PTCA)あるいはステント治療等が行われている。このPTCAは、冠動脈の病変(狭窄部あるいは閉塞部)にガイドワイヤ(GW)を通し、このGWに沿わせ、病変部にバルーンカテーテルあるいはステントをもっていき拡張する手技であるが、通常、これらGW、バルーンカテーテル、ステント等を冠動脈に導入するためにガイディングカテーテルが使用される。
しかし、このガイディングカテーテルは、前記のようにこれを経て他のデバイスを冠動脈の入口まで導入するため、ガイディングカテーテルの先端部は、冠動脈の入口部にPTCA等の手技中配置される。また、ガイディングカテーテルの中を他のデバイスが通るため、比較的太いサイズのものが使用される。このため、患者の冠動脈の径が小さい場合、ガイディングカテーテルの先端が冠動脈入口部を塞いでしまうおそれがある。
これらのことを防ぐために、側孔の付いたガイディングカテーテルが使用される。側孔があると、ガイディングカテーテルの先端が冠動脈の入口を塞いでしまった場合でも、大動脈→側孔→ガイディングカテーテル内腔→冠動脈の血流が確保でき、虚血状態になることを回避できるからである。
しかし、この側孔付きのガイディングカテーテルを使用した場合、通常、治療中あるいは治療後、GWやバルーンカテーテルの位置確認、狭窄の広がり具合確認等のためにX線透視あるいは撮影が行われ、このときX線造影剤がガイディングカテーテルの基部より注入され、これを通し、X線造影剤が冠動脈に注入される。このX線造影剤の注入に側孔無しのガイディングカテーテルを用いた場合は、冠動脈に効率的に注入されるが、側孔付きガイディングカテーテルを用いた場合は、この側孔からX線造影剤が大動脈に漏れてしまい、十分な冠動脈の造影像が得られない場合も生じる。
従来、特許文献1に記載されているような側孔付きガイディングカテーテルにおいて、カテーテル本体外周上に、外筒(アウタージャケット)を被せ、外筒の移動により、前記側孔を開閉させるというものが開示されている。
しかしながら、この仕様において、ガイディングカテーテルの上にさらに外筒を必要とするため、その分、さらに太くなるという問題がある。また、外筒をスライドさせることにより、ガイディングカテーテルが配置場所からずれてしまうという問題がある。また、曲がった状態で外筒をスライドさせるのは、困難が伴うといった問題があり、実用上好ましくない。
特開平9−285546号公報
本発明の目的は、血管の狭窄部の診断、拡張治療等において、操作が容易で目的部位のX線造影が良好に行えるカテーテルを提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1) 生体内に挿入して使用されるカテーテルであって、
可撓性を有し、先端部に開口するルーメンが形成されたカテーテル本体と、
前記カテーテル本体の側面に開口し、前記ルーメンに連通する側孔と、
前記側孔を開閉する開閉手段とを有し、
前記開閉手段は、通電/切電により開閉するシャッタで構成されていることを特徴とするカテーテル。
(2) 前記シャッタは、通電により変形する電気活性ポリマーと、前記電気活性ポリマーに通電するための少なくとも2つの電極とを有し、前記電極間に通電することにより作動するアクチュエータを備える上記(1)に記載のカテーテル。
(3) 前記電気活性ポリマーは、前記側孔の周囲に配置されている上記(2)に記載のカテーテル。
(4) 前記側孔は、円形、楕円形またはスリット状をなしている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のカテーテル。
(5) 前記カテーテル本体の前記側孔が形成された部位は、カテーテル本体のそれより基端側の部位に比べ柔軟性に富んだ部位である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のカテーテル。
(6) 前記カテーテル本体の前記側孔が形成された部位は、可撓性を有し、かつ、所望の形状に湾曲した湾曲部を構成している上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のカテーテル。
(7) 前記カテーテルは、ガイドワイヤまたは治療用カテーテルを目的部位へ導入するためのガイディングカテーテルである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のカテーテル。
本発明によれば、シャッタで構成された開閉手段の作動により、側孔が開閉自在となるため、側孔を介しての液体の不本意な流入出が確実に防止され、よって、血管の狭窄部の診断、拡張治療等において、操作が容易で目的部位のX線造影が良好に行える。
以下、本発明のカテーテルを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1および図2は、それぞれ、本発明のカテーテルの第1実施形態を示す斜視図(図1はシャッタが開いている状態、図2はシャッタが閉じている状態)、図3は、図1に示すカテーテルの縦断面図、図4は、図2に示すカテーテルの縦断面図、図5は、図1に示すカテーテルの開閉手段としてシャッタの斜視図である。なお、説明の都合上、図1〜図4中の右側を「基端」、左側を「先端」という。
図1〜図4に示すカテーテル1Aは、生体内に挿入して、この状態で、例えばガイドワイヤまたは治療用カテーテルを目的部位へ導入するためのガイディングカテーテルである。
このカテーテル1Aは、可撓性を有し、先端部22に開口するルーメン21が形成されたカテーテル本体2Aと、カテーテル本体2Aの側面に開口し、ルーメン21に連通する側孔3aと、側孔3aを開閉する開閉手段としてのシャッタ(アクチュエータ)5Aとを有している。
図3および図4に示すように、カテーテル本体2Aの内部には、カテーテル本体2Aのほぼ全長にわたってルーメン21が形成されている。このルーメン21は、例えば造影剤、薬液、洗浄液のような液体を移送する流路として機能するものである。
カテーテル本体2Aの先端部22は、開口しており、その縁部231が丸みを帯びている。これにより、カテーテル1Aを血管等の生体内に挿入する際に、挿入をより円滑に行うことができ、血管内壁へダメージを与えることも防止することができ、挿入の操作性および安全性が向上する。
カテーテル本体2Aは、好ましくは複数の層の積層体で構成されている。すなわち、図3(図4も同様)に示すように、カテーテル本体2Aは、内層6aと外層6bとを積層してなるものである。この場合、カテーテル本体2Aの先端部22は、内層6aおよび外層6bのいずれか一方で構成されているのが好ましい。図示の構成では、先端部22は、外層6bで構成されている。すなわち、内層6aは、側孔3a付近まで形成され、それより先端側は、内層6aの外径が減少している。
内層6aおよび外層6bの構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT、PEN等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)、その他各種のエラストマー(例えば、ポリアミド系、ポリエステル系等の熱可塑性エラストマー)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、内層6aと外層6bの構成材料は、同じでも異なっていてもよい。
内層6aと外層6bの構成材料が異なる場合、それらの柔軟性(剛性)が異なる材料を用いることができる。例えば、図3に示す構成(先端部22が外層6bのみで構成されている)の場合、外層6bを内層6aより柔軟性に富む材料で構成することにより、カテーテル本体2Aの先端部22(側孔3aが形成された部位)をそれより基端側の部分よりも柔軟性に富むものとすることができ、先端部22の形状とも相まって、血管への挿入時の安全性をより向上することができる。
また、内層6aは、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、高密度ポリエチレン等の材料で構成し、外層6bは、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等の材料で構成することにより、カテーテル本体2Aのルーメン21内における例えばデバイスの摺動性を向上し、挿入操作をより円滑かつ確実に行うことができる。
図3に示すように、カテーテル本体2Aの管壁の内部、すなわち、内層6aと外層6bとの間には、補強部材6cが設置(埋設)されているのが好ましい。これにより、カテーテル1Aにおけるトルク伝達性、押し込み性、耐キンク性、追従性等が向上し、血管への挿入の際の操作性が向上するとともに、ルーメン21の内圧(液圧)が高まった際の耐圧性が向上する。
補強部材6cは、カテーテル本体2Aのほぼ全長にわたって配設されているが、カテーテル本体2Aの先端部22には、配設されていないのが好ましい(図3参照)。これにより、前述したように、先端部22の柔軟性を十分に確保することができ、血管への挿入時の追従性、安全性をより向上することができる。
このような補強部材6cとしては、線状体61で構成されたものが好ましく、特に、線状体61を網状またはコイル状に形成したものがより好ましい。このような補強部材6cは、線状体61の材料、線径、線状体61の配設密度(網目の大きさやコイルの巻き数等に依存する)等の条件を適宜選択することにより、容易に、補強部材6cの強度を所望の強度に調整することができるという利点がある。
線状体61の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼、タングステン、ピアノ線、Ni−Ti系合金等の金属材料や、アラミド、ケブラー等の強化樹脂繊維、炭素繊維等が挙げられる。
また、線状体61の線径は、特に限定されないが、3〜100μm程度が好ましく、20〜60μm程度がより好ましい。
カテーテル本体2Aが、内層6a、外層6bおよびこれらの間に介挿される補強部材6cで構成される場合、まず内層6aの表面に補強部材6cを設置し、その上から外層6bを被せ、これらを例えば加熱により一体化することにより製造することができる。このとき、外層6bとして、熱収縮チューブを用いることもできる。また、内層6aおよび外層6bのいずれか一方は、例えばコーティング、ディッピング、スプレー等の塗布法により形成された塗膜であってもよい。
なお、本発明において、カテーテル本体2Aは、単一の層で構成されているものでもよいことは、言うまでもない。この場合、補強部材6cを設けるときは、カテーテル本体2Aを構成する層中に埋設するのが好ましい。
図示されていないが、カテーテル本体2Aの先端部22(またはその他の箇所)には、造影性、特にX線造影性を有する例えばリングまたはコイル状の部材が設置(埋設)されていてもよい。これにより、X線透視下で生体内におけるカテーテル本体2Aの先端部22の位置を確認することができる。
カテーテル本体2Aの先端部22には、ルーメン21内の液体を外部に噴出する液体噴出部3が形成されている。本実施形態では、液体噴出部3は、カテーテル本体2Aの側面にカテーテル本体2Aの管壁を貫通するように形成された(図示では1つ)側孔3aと、先端23に形成された開口(先端開口)とで構成されている。ルーメン21内の液体(造影剤等)は、先端23や、側孔3aを介して噴出され、血管内に注入される。
側孔3aの形状は、特に限定されないが、例えば、円形、楕円形またはスリット状のものが挙げられる。スリットの形状としては、例えば一文字状、十文字状のもの等複数の切れ込みのあるものが挙げられる。なお、本実施形態では、側孔3aの形状に、円形を一例として挙げている。
側孔3aの形成位置は、特に限定されないが、カテーテル本体2Aの先端23から、5.0〜100mmの箇所であるのが好ましい。
また、カテーテル本体2Aにおいて、先端部22(側孔3aが形成された部位)は、可撓性を有し、かつ、所望の形状に湾曲した湾曲部を構成していてもよい。
これにより、カテーテル1Aの先端23を冠動脈の入口に容易に導くことができる。また、例えばガイドワイヤまたは治療用カテーテルを目的部位へ確実に導入することができる。したがって、血管狭窄部の診断や拡張治療等をより確実に行なうことができる。
側孔3aの周囲には、側孔3aを、通電/切電により開閉する開閉手段としてのシャッタ5Aが設置されている。このシャッタ5Aは、カテーテル1Aの先端部22に埋設さている。
図1(図2〜図4も同様)に示すように、シャッタ5Aは、全体形状が円環状(ドーナツ状)をなし、側孔3aの周囲を取り囲むように、すなわち、側孔3aと同心的に配置されている。
図5に示すように、シャッタ5Aは、通電により変形する電気活性ポリマー51aと、電気活性ポリマー51aに通電するための2つの電極52aおよび52bとを有している。ここで、「通電」とは、電極52a、52bで電気活性ポリマー51aに電圧を印加することを言う。
電気活性ポリマー51aは、円環状の板部材で構成されている。
この電気活性ポリマー51aとしては、静電力に応じて変形する、またはその変形によって電場が変化するような、実質的に絶縁性を有する任意のポリマーまたはゴムが含まれていればよい。具体的には、電気活性ポリマー51aとしては、例えば、NuSil CF19−2186(NuSilテクノロジー社製)を含むものが挙げられる他、任意の誘電エラストマーポリマー、シリコーンラバー、フルオロエラストマー、ダウコーニング730(ダウコーニング社製)のようなシリコーン系ポリマー、4900 VHBアクリルシリーズ(3M社製)のようなアクリル系ポリマー等が挙げられる。
電気活性ポリマー51aの外側(図5中上側)の面511には、層状の電極52aが接合(積層)されている。また、電気活性ポリマー51aの内側(図5中下側)の面512には、層状の電極52bが接合(積層)されている。
図3〜図5に示すように、電極52aは、リード線54aを介して電源(図示せず)のプラス電極に接続されている。このリード線54aは、そのほとんどの部分がカテーテル本体2Aの外層6bに埋設され、基端方向に延在している。
また、電極52bは、リード線54bを介して電源(図示せず)のマイナス電極に接続されている。このリード線54bは、そのほとんどの部分がカテーテル本体2Aの内層6aに埋設され、基端方向に延在している。
電極52aおよび電極52bとしては、導電性を有する材料で構成されていればよく、特に、金、銀、白金、銅等のような金属の微粒子や、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等を用いることができ、また、これらの材料と電気活性ポリマー51aの構成材料との混合物を用いることができる。
次に、このように構成されたシャッタ5Aの作動について説明する。
図5(図1および図3も同様)に示す状態(以下、この状態を「初期状態(開口状態)」と言う)のシャッタ5Aの各電極52a、52b間に電圧を印加することにより、電気活性ポリマー51aの電極52a側の面511付近は、マイナス電荷が均一に分布する、すなわち、マイナスに帯電する。また、各電気活性ポリマー51aの電極52b側の面512付近は、プラス電荷が均一に分布する、すなわち、プラスに帯電する。
これにより、電気活性ポリマー51aでは、マイナスに帯電した面511と、プラスに帯電した面512とが引き合う。その結果、面511と面512との距離(厚さt)が減少する。
ここで、電気活性ポリマー51aの体積は一定であるので、厚さtが減少した分、面511および512の面積がそれぞれ増加する。これらの面511および512の面積の増加により、シャッタ5A(電気活性ポリマー51a)の内径φDが減少(縮径)して、当該シャッタ5Aが図2および図4に示す状態(以下、この状態を「閉塞状態」と言う)となる。閉塞状態のシャッタ5Aにより、側孔3aが実質的に塞がれて、確実に閉状態となる。
また、閉塞状態のシャッタ5Aでは、電極52a、52b間の電圧の印加を停止すると、面511と面512との引き合いが解消される。これにより、電気活性ポリマー51aの形状が復元され、すなわち、シャッタ5Aの内径φDが増大し、よって、シャッタ5Aが初期状態となる。初期状態のシャッタ5Aにより、側孔3aが確実に開状態となり、当該側孔3aを介してルーメン21とカテーテル本体2Aの外方(外周側)とが連通する。
このように構成されたシャッタ5Aは、通電/切電により迅速かつ確実に初期状態と閉塞状態と取り得る。すなわち、シャッタ5Aは、応答性と再現性とが優れたものである。
これにより、任意のタイミングで側孔3aを開状態と閉状態とに変えることができる。
仮にカテーテル本体2Aの先端23が血管の壁部(例えば、冠動脈入口部)により塞がれた場合でも、開状態の側孔3aを介しての血流が冠動脈に供給され、血流遮断による合併症が起こることはない。また、仮に冠動脈入口部がカテーテル本体2Aの先端部22により塞がれた場合、造影時には冠動脈への血流が途絶えるが、血流が途絶えるのは造影剤注入時だけであるため、血流遮断による合併症の発生を回避することが可能となる。
また、電極52a(電極52bも同様)には、例えば、当該電極52aを構成する金属材料と異なる材料で構成された層が少なくとも1層積層されていてもよい。
積層される層の構成材料としては、例えば、導電率が、電気活性ポリマー51aの導電率より大きく、電極52aの導電率より小さいものが挙げられる。このような構成材料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラックやコロイド銀を含むフルオロエラストマー、比較的少量のヨウ化ナトリウムを含む水性ラテックスラバー乳濁液、テトラチイアフルバレン/テトラシアノキノジメタン(TTF/TCNQ)電荷移動媒体を含むポリウレタン等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を主材料とするものを用いることができる。
このような材料で構成された層が、例えば電極52aに設けられている場合、電源により各電極52a、52b間に電圧を印加したとき、電気活性ポリマー51aの電極52a側の面511付近の電荷の分布を促進する、すなわち、電気活性ポリマー51aの面511付近に電荷を集中させることができる。
また、このようなことから、電極52aに設けられた層を電荷分布層ということができる。
また、本実施形態では、電極52aが電源のプラス電極に接続され、電極52bが電源のマイナス電極に接続されているが、これに限定されず、電極52aが電源のマイナス電極に接続され、電極52bが電源のプラス電極に接続されていてもよい。
<第2実施形態>
図6および図7は、それぞれ、本発明のカテーテルの第2実施形態を示す斜視図(図6はシャッタが開いている状態、図7はシャッタが閉じている状態)、図8は、図6に示すカテーテルの縦断面図、図9は、図7に示すカテーテルの縦断面図、図10は、図6に示すカテーテルの開閉手段としてシャッタの斜視図である。なお、説明の都合上、図6〜図9中の右側を「基端」、左側を「先端」という。
以下、これらの図を参照して本発明のカテーテルの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、シャッタの形状および設置箇所が異なること以外は第1実施形態とほぼ同様である。
図6に示すカテーテル1B(カテーテル本体2B)の液体噴出部3を構成する側孔3bは、ほぼ楕円形をなしている。この側孔3bは、その長軸方向がカテーテル本体2Bの中心軸方向(長手方向)とほぼ直交している、すなわち、短軸方向がカテーテル本体2Bの中心軸方向とほぼ平行となっている。
図6〜図9に示すように、カテーテル本体2Bの先端部22には、側孔3bに近接し、当該側孔3bを介して対抗する2つのシャッタ(アクチュエータ)5Bが埋設されている。これらのシャッタ5Bは、それぞれ、形状が円盤状をなし、面方向がカテーテル本体2Bの中心軸とほぼ平行となるように、カテーテル本体2Bの中心軸方向に沿って配置されている。
各シャッタ5Bは、通電により変形する電気活性ポリマー51bと、電気活性ポリマー51bに通電するための2つの電極52cおよび52dとを有している。
図10に示すように、電気活性ポリマー51bは、円形の板状体(円盤)で構成されたものである。
電気活性ポリマー51bの構成材料としては、例えば、前記第1実施形態の電気活性ポリマー51aについての説明で挙げた材料を用いることができる。
電気活性ポリマー51bの外側(図10中上側)の面513には、層状の電極52cが接合されている。また、電気活性ポリマー51bの内側(図10中下側)の面514には、層状の電極52dが接合されている。
電極52cおよび52dの構成材料としては、例えば、前記第1実施形態の電極52a(電極52bも同様)についての説明で挙げた材料を用いることができる。
また、電極52cは、リード線54cを介して電源(図示せず)のプラス電極に接続されている。また、電極52dは、リード線54dを介して電源(図示せず)のマイナス電極に接続されている。
次に、以上のように構成されたシャッタ5Bの作動と、シャッタ5Bによって開閉する側孔3bの作動とについて説明する。
初期状態(図1、図8および図10に示す状態)のシャッタ5Bの電極52c、52d間に電圧を印加することにより、電気活性ポリマー51bの面513付近は、マイナス電荷が均一に分布する、すなわち、マイナスに帯電する。また、電気活性ポリマー51bの面514付近は、プラス電荷が均一に分布する、すなわち、プラスに帯電する。
これにより、電気活性ポリマー51bでは、マイナスに帯電した面513と、プラスに帯電した面514とが引き合う。その結果、面513と面514との距離(厚さt)が減少する。
ここで、電気活性ポリマー51bの体積は一定であるので、厚さtが減少した分、面513および514の面積、すなわち、外径φDが増加(拡径)する(以下、この状態を「拡径状態」と言う)。
これにより、側孔3bの内周面31が先端側および基端側から押圧されて、当該側孔3bが確実に閉状態となる(図7、図9参照)。
また、拡径状態のシャッタ5Bでは、電極52c、52d間の電圧の印加を停止すると、面513と面514との引き合いが解消される。これにより、電気活性ポリマー51bの形状が復元され、よって、シャッタ5Bが初期状態となる。このとき、側孔3bの内周面31に対する押圧が解除され、当該側孔3bは、確実に開状態となる。
このような構成のカテーテル1Bにより、前記第1実施形態のカテーテル1Aとほぼ同様の効果、すなわち、側孔3bが開閉自在となるため、カテーテル本体2Aに対する側孔3bを介しての液体の不本意な流入出が確実に防止され、よって、血管狭窄部の診断や拡張治療等における例えば生体内への造影剤の注入等の操作が容易となる。
なお、本実施形態では、電極52cが電源のプラス電極に接続され、電極52dが電源のマイナス電極に接続されているが、これに限定されず、電極52cが電源のマイナス電極に接続され、電極52dが電源のプラス電極に接続されていてもよい。
また、シャッタ5Bの設置数や配置パターンは図示の構成に限定されないことは、言うまでもない。シャッタ5Bの設置数は、例えば、3つ以上でもよいし、それらの配置も限定されないが、側孔3bに対して対称的に配されることが好ましい。
以上、本発明のカテーテルを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、医療用具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のカテーテルは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、側孔の形成数は、前記各実施形態では1つであるが、これに限定されず、例えば、2つ以上であってもよい。
また、側孔の形成箇所は、前記各実施形態ではカテーテル本体の先端部であるが、これに限定されず、例えば、先端部より基端側の部位であってもよい。
本発明のカテーテルの第1実施形態を示す斜視図(シャッタが開いている状態)である。 本発明のカテーテルの第1実施形態を示す斜視図(シャッタが閉じている状態)である。 図1に示すカテーテルの縦断面図である。 図2に示すカテーテルの縦断面図である。 図1に示すカテーテルの開閉手段としてシャッタの斜視図である。 本発明のカテーテルの第2実施形態を示す斜視図(シャッタが開いている状態)である。 本発明のカテーテルの第2実施形態を示す斜視図(シャッタが閉じている状態)である。 図6に示すカテーテルの縦断面図である。 図7に示すカテーテルの縦断面図である。 図6に示すカテーテルの開閉手段としてシャッタの斜視図である。
符号の説明
1A、1B カテーテル
2A、2B カテーテル本体
21 ルーメン
22 先端部
23 先端
231 縁部
3 液体噴出部
3a、3b 側孔
31 内周面
5A、5B シャッタ(アクチュエータ)
51a、51b 電気活性ポリマー
511、512、513、514 面
52a、52b、52c、52d 電極
54a、54b、54c、54d リード線
6a 内層
6b 外層
6c 補強部材
61 線状体

Claims (7)

  1. 生体内に挿入して使用されるカテーテルであって、
    可撓性を有し、先端部に開口するルーメンが形成されたカテーテル本体と、
    前記カテーテル本体の側面に開口し、前記ルーメンに連通する側孔と、
    前記側孔を開閉する開閉手段とを有し、
    前記開閉手段は、通電/切電により開閉するシャッタで構成されていることを特徴とするカテーテル。
  2. 前記シャッタは、通電により変形する電気活性ポリマーと、前記電気活性ポリマーに通電するための少なくとも2つの電極とを有し、前記電極間に通電することにより作動するアクチュエータを備える請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記電気活性ポリマーは、前記側孔の周囲に配置されている請求項2に記載のカテーテル。
  4. 前記側孔は、円形、楕円形またはスリット状をなしている請求項1ないし3のいずれかに記載のカテーテル。
  5. 前記カテーテル本体の前記側孔が形成された部位は、カテーテル本体のそれより基端側の部位に比べ柔軟性に富んだ部位である請求項1ないし4のいずれかに記載のカテーテル。
  6. 前記カテーテル本体の前記側孔が形成された部位は、可撓性を有し、かつ、所望の形状に湾曲した湾曲部を構成している請求項1ないし5のいずれかに記載のカテーテル。
  7. 前記カテーテルは、ガイドワイヤまたは治療用カテーテルを目的部位へ導入するためのガイディングカテーテルである請求項1ないし6のいずれかに記載のカテーテル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009056289A (ja) * 2007-06-29 2009-03-19 Biosense Webster Inc 光学的に透明で、電気伝導性のある先端部を有する焼灼カテーテル
JP2018519956A (ja) * 2015-07-13 2018-07-26 シーティーアイ バスキュラー アーゲーCTI Vascular AG 血管疾患および非血管疾患を治療するための、液圧作動且つ機能的に統合可能なカテーテルシステム
CN113082452A (zh) * 2020-01-08 2021-07-09 四川大学华西医院 一种股动脉插管

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