JP2007303564A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用動力伝達装置のケース振動を抑制し、且つ構造が容易である車両用動力伝達装置の振動低減構造を提供する。
【解決手段】第1および第2潤滑油貯留部70、78は、ケース20の壁面と、そのケース20の壁面に沿ってその壁面との間に所定の距離隔てて配設された板状の第1および第2貯留部形成部材68、76とで形成されると共に、ケース20の壁面と潤滑油65とが直接接するように貯留されるため、車両用動力伝達装置10のケース20の振動は、潤滑油貯留部70、78に貯留された潤滑油65によって吸収され、ケース20で発生するケース振動および、そのケース振動によって発生する振動音が減衰させられる。このように、車両用動力伝達装置10のケース20の壁面に潤滑油貯留部70、78を設けるだけの容易な構造で振動を減衰させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用動力伝達装置に関するものであり、特に車両用動力伝達装置のケース内に配設されている歯車の噛合部や電動機などから発生する振動や、その振動によって生じる振動音の低減に関するものである。
車両に備えられる動力伝達装置のケース内には、エンジンなどの駆動源によって回転駆動させられる入力軸や、その入力軸の回転を変速して終減速機に伝達するカウンタ軸などに備えられている噛合歯車などの複数の被駆動部材、或いはこれらの被駆動部材に駆動力を出力する電動機などが収容されている。被駆動部材は、車両用動力伝達装置のケースに固定されているベアリング等の回転支持部材を介して回転可能に支持されており、被駆動部材である歯車の噛合部や電動機などから発生した振動は、ベアリングを介して或いは空気中の伝播により直接的に車両用動力伝達装置のケースに伝達され、この振動によってケースが振動させられると、その振動およびその振動による振動音が車内に伝わり運転者のドライブフィーリングに影響を及ぼす恐れがあった。この問題に対して、特許文献1では、エンジン下端に設けられているオイルパン上面に複数個のスリットを形成すると共に、これらのスリットにダンピング材を充填することで振動を抑制させる技術が開示されている。
特開平1−271609号公報 特開2004−180477
ところで、特許文献1の振動抑制装置では、スリットにダンピング材を充填することで振動が抑制されているが、ダンピング材をケースに設けるなど、構造が複雑であり、コストアップを招く問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両用動力伝達装置のケース振動を抑制し、且つ構造が容易である車両用動力伝達装置の振動低減構造を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)駆動源により回転駆動させられる被駆動部材を収容するケースと、そのケースの壁面との間に液体を貯留するための液体貯留部とを備える車両用動力伝達装置において、(b)前記液体貯留部は、前記ケースの壁面と、そのケースの壁面に沿ってその壁面との間に所定の距離隔てて配設された板状の貯留部形成部材とで形成されると共に、前記ケースの壁面と前記液体とが直接接するように貯留されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用動力伝達装置において、前記液体貯留部は、前記車両用動力伝達装置のケースの内部に形成されるものであり、前記貯留部形成部材は、前記ケースの内壁面に沿って配設されるものであることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1の車両用動力伝達装置において、前記液体貯留部は、前記車両用動力伝達装置のケースの外部に形成されるものであり、前記貯留部形成部材は、前記ケースの外壁面に沿って配設されるものであることを特徴とする。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項2または3の車両用動力伝達装置において、前記貯留部形成部材は、少なくとも前記ケース内に収容されている前記被駆動部材近傍の前記ケースの壁面に沿って配設されていることを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項2乃至4の何れかの車両用動力伝達装置において、前記貯留部形成部材は、前記車両用動力伝達装置内に備えられている駆動源近傍の前記ケースの壁面に沿って配設されていることを特徴とする。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項2乃至5の何れかの車両用動力伝達装置において、前記貯留部形成部材は、前記ケースのうち相対的に剛性の低い部位に沿って配設されていることを特徴とする。
また、請求項7にかかる発明の要旨とするところは、請求項2乃至6の何れかの車両用動力伝達装置において、前記液体は、前記ケース内の下部に形成されている油溜まりに貯留されている潤滑油であることを特徴とする。
また、請求項8にかかる発明の要旨とするところは、請求項7の車両用動力伝達装置において、前記被駆動部材の一部は、前記油溜まりに貯留されている潤滑油に浸漬され、前記液体は、その被駆動部材によって掻き上げられた潤滑油であることを特徴とする。
また、請求項9にかかる発明の要旨とするところは、請求項2乃至6の何れかの車両用動力伝達装置において、前記液体はポンプによって循環させられる潤滑油または冷却液であることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記液体貯留部は、前記ケースの壁面と、そのケースの壁面に沿ってその壁面との間に所定の距離隔てて配設された板状の貯留部形成部材とで形成されると共に、前記ケースの壁面と前記液体とが直接接するように貯留されるため、車両用動力伝達装置のケースの振動は前記液体貯留部に貯留された液体によって吸収され、前記ケースで発生するケース振動およびケース振動によって発生する振動音が減衰させられる。また、液体貯留部に液体を貯留させることで、ケースの固有振動数を変化させ、振動を低減させる所謂マス効果を得ることができる。このように、車両用動力伝達装置のケースの壁面に液体貯留部を設けるだけの容易な構造で振動をきわめて効果的に減衰させることができる。
また、請求項2にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記液体貯留部は、前記車両用動力伝達装置のケースの内壁面に沿って形成されるものであるため、ケース内部に形成された液体貯留部の液体によって振動が吸収させられ、ケース振動を低減させることができる。また、ケース内に配設されている歯車などから発生する振動音が、液体を通過する際に減衰させられることで遮音される。
また、請求項3にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記液体貯留部は、前記車両用動力伝達装置のケースの外部に形成されるものであるため、ケース外部に形成された液体貯留部の液体によって振動が吸収させられ、ケース振動を低減させることができる。また、ケースが振動音の音源となる場合でも、その振動音が、液体を通過する際に減衰させられることで遮音される。
また、請求項4にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記貯留部形成部材は、少なくとも前記ケース内に収容されている前記被駆動部材近傍の前記ケースの壁面に沿って配設されているため、前記被駆動部材近傍で発生する振動および振動音を効果的に減衰させることができる。
また、請求項5にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記貯留部形成部材は、前記車両用動力伝達装置内に備えられている駆動源近傍の前記ケースの壁面に沿って配設されているため、駆動源近傍で発生する振動および振動音を効果的に減衰させることができる。
また、請求項6にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記貯留部形成部材は、前記ケースのうち相対的に剛性の低い部位に沿って配設されているため、その剛性の低い部位で発生する振動および振動音を効果的に減衰させることができる。
また、請求項7にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記液体は、前記ケース内の下部に形成されている油溜まりに貯留されている潤滑油であるため、特に別の液体供給回路を設ける必要がなく、構成がシンプルとなる。これにより、この構成による部品点数の増大を抑制することができる。
また、請求項8にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記被駆動部材の一部は、前記油溜まりに貯留されている潤滑油に浸漬され、前記液体は、その被駆動部材によって掻き上げられるため、車両の駆動時の際は、潤滑油が掻き上げられることで、油溜まりの貯留量が減少し、被駆動部材が浸漬される部位も減少するため、被駆動部材の駆動抵抗を低減させることができる。
また、請求項9にかかる発明の車両用動力伝達装置によれば、前記液体はポンプによって循環させられる潤滑油または冷却液であるため、液体を安定的に前記液体貯留部に貯留させることができる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用動力伝達装置10の骨子図である。図1の車両用動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであり、走行用駆動源としてのエンジン12、クラッチ14、変速機16、および終減速機18を備えている。
変速機16および終減速機18は、共に共通のトランスアクスルケース20(以後はケース20と記載する)内に配設されてトランスアクスル22を構成している。変速機16は、車両の車幅方向に互いに平行な一対の入力軸24、カウンタ軸26間にギヤ比が異なる複数の変速ギヤ対28a〜28eが配設されると共に、それらの変速ギヤ対28a〜28eに対応して複数の噛合クラッチ30a〜30eが設けられた平行軸式の変速機構と、それらの噛合クラッチ30a〜30eの3つのクラッチハブスリーブ32a、32b、32cの何れかを選択的に移動させて変速段を切り換えるシフト・セレクトシャフト34とを備えており、前進5段の変速段が成立させられるようになっている。入力軸24およびカウンタ軸26には、さらに後進ギヤ対36が配設され、図示しない出力シャフトに配設された後進用アイドル歯車と噛み合わされることにより後進変速段が成立させられるようになっている。カウンタ軸26には、出力歯車38が配設されて終減速機18のファイナルギヤ40と噛み合わされている。なお、本実施例のトランスアクスルケース20が、本発明のケースに対応しており、出力歯車38およびファイナルギヤ40が、本発明の被駆動部材に対応している。
前記シフト・セレクトシャフト34を操作することにより、噛合クラッチ30eが係合されると、変速比(入力軸24の回転数/カウンタ軸26の回転数)が最も大きい第1変速段が成立させられる。また、噛合クラッチ30dが係合されることにより変速比が2番目に大きい第2変速段が成立させられ、噛合クラッチ30cが係合されることにより変速比が3番目に大きい第3変速段が成立させられ、噛合クラッチ30bが係合されることにより変速比が4番目に大きい第4変速段が成立させられ、噛合クラッチ30aが係合されることにより変速比が最も小さい第5変速段が成立させられる。
終減速機18は、傘歯車式のもので、一対のサイドギヤ42R、42Lにはそれぞれドライブシャフト44R、44Lがスプライン嵌合などによって連結され、カウンタ軸26からの動力を左右の前輪(駆動輪)46R、46Lに分配し、回転駆動させる。
また、入力軸24はケース20に固定された一対のベアリング50および52によって回転可能に支持され、カウンタ軸26はケース20に固定された一対のベアリング54および56によって回転可能に支持され、ドライブシャフト44Rはケース20に固定されたベアリング58によって回転可能に支持され、ドライブシャフト44Lはケース20に固定されたベアリング60によって回転可能に支持されている。
図2は、図1において、たとえば第5変速段が成立(噛合クラッチ30aが係合)させられているものとして、太い一点鎖線で示される断面を矢印Aの方向から見た矢視図である。ここで、図2において下方に位置する最も大きい円が、図1のファイナルギヤ40に対応しており、そのファイナルギヤ40に接する二重円の内周円が、図1の出力歯車38に対応している。また、その二重円の外周円が、図1のカウンタ軸26に備えられている変速ギヤ対28aのカウンタ歯車62に対応しており、そのカウンタ歯車62である外周円と接する円が、図1の入力軸24に備えられている変速ギヤ対28aの入力歯車64に対応している。すなわち、図2においては、出力歯車38とファイナルギヤ40との外周歯が互いに噛み合い、カウンタ歯車62と入力歯車64との外周歯が互いに噛み合っている状態を示している。
ここで、ケース20の鉛直方向下部には潤滑油65を貯留するための油溜まり66が形成されており、所定量の潤滑油65が貯留されている。また、ファイナルギヤ40の鉛直方向下部は、この油溜まり66に貯留されている潤滑油65に部分的に浸漬されている。
また、入力歯車64、出力歯車38、およびカウンタ歯車62を覆うように鋼板等の板材から成る板状の第1貯留部形成部材68が配設されている。第1貯留部形成部材68は、図示しないボルトなどによって、ケース20の内壁面71に沿って、その内壁面71との間に所定の距離隔てて固定されている。この第1貯留部形成部材68およびケース20の内壁面71によって、入力歯車64、出力歯車38、カウンタ歯車62などの被駆動部材近傍のケース20の内壁面71に沿って、第1潤滑油貯留部70が形成されている。
第1貯留部形成部材68の鉛直方向下方に位置する一端側には、第1潤滑油貯留部70に貯留された潤滑油65を少量排出するための比較的小断面の排出口72が形成されており、鉛直方向上方に位置する他端側には、ファイナルギヤ40の外周歯によって掻き上げられた潤滑油65を受け入れるための比較的大きな断面積の第1開口74が形成されている。
一方、ファイナルギヤ40の側面を覆うように板状の第2貯留部形成部材76が設けられている。第2貯留部形成部材76は、図示しないボルトなどによって、ケース20の内壁面71に沿って、その内壁面71との間に所定の距離隔てて固定されている。この第2貯留部形成部材76およびケース20の内壁面71によって、ファイナルギヤ40などの被駆動部材近傍のケース20の内壁面71に沿って、第2潤滑油貯留部78が形成される。
第2貯留部形成部材76の鉛直方向上方に位置する一端側には、ファイナルギヤ40の外周歯によって掻き上げられた潤滑油65を受け入れるための比較的大きな断面積の第2開口80が形成されており、鉛直方向下方に位置する側である他端側には、油溜まり66と連通する比較的小断面積の連通口82が形成されている。また、本実施例では、ケース20に形成されている図示しないリブの間隔が比較的広い箇所など、ケース20のうち相対的に剛性の低い部位に沿って、或いは振動の発生源である歯車の近傍となる部位に沿って第1貯留部形成部材68および第2貯留部形成部材76が配設されている。なお、第1潤滑油貯留部70および第2潤滑油貯留部78は、図2の各回転軸の軸心方向においてもケース20の内壁面71に沿って形成されている。
このように構成されるトランスアクスル22において、図示しないエンジンなどの駆動源によって、たとえば第5変速段が成立させられた状態、すなわち噛合クラッチ30aが係合された状態で駆動させられると、入力軸24に設けられている変速ギヤ対28aの入力歯車64が矢印方向(反時計方向)に回転させられ、その入力歯車64と噛み合うカウンタ歯車62が矢印方向(時計方向)に回転させられる。また、カウンタ歯車62はカウンタ軸26を介して出力歯車38と一体的に接続されており、出力歯車38はカウンタ歯車62と同回転方向(時計方向)に回転させられ、その出力歯車38と噛み合うファイナルギヤ40は、矢印方向(反時計方向)に回転させられる。なお、本実施例の入力歯車64およびカウンタ歯車62が、本発明の被駆動部材に対応している。
ここで、ファイナルギヤ40が矢印方向(反時計方向)に回転させられると、ファイナルギヤ40の鉛直方向下部の一部が潤滑油65に浸漬されているため、油溜まり66の潤滑油65がファイナルギヤ40の回転によって掻き上げられ、掻き上げられた潤滑油65の一部は、第1開口74内に受け入れられる。第1開口74内に浸入した潤滑油65は、第1貯留部形成部材68に沿って流入し、第1潤滑油貯留部70内に貯留される。なお、第1潤滑油貯留部70に形成されている排出口72は、第1開口74に浸入する潤滑油量に比べて少量の潤滑油65が排出され、第1潤滑油貯留部70内の潤滑油65が確保できるような大きさとなっている。また、掻き上げられた潤滑油65の一部は、直接的に或いはケース20の内壁面71を伝って第2開口80内に受け入れられ、第2潤滑油貯留部78内に貯留される。
ここで、トランスアクスル20が駆動の際には、各回転軸に設けられている歯車の噛合部などから振動が発生し、その振動がケース20に伝達され、ケース20が振動させられる。具体的には、たとえばカウンタ歯車62と入力歯車64との噛合部や出力歯車38とファイナルギヤ40との噛合部で発生した振動、或いは入力軸24などの回転軸が回転させられる際に発生する振動などが、ケース20に固定された入力軸24を支持するベアリング50、52、カウンタ軸26を支持するベアリング54、56、ドライブシャフト44L、44Rを支持するベアリング58、60を介してケース20に伝達されることで、ケース20が振動させられる。
この振動に対して、第1潤滑油貯留部70および第2潤滑油貯留部78の潤滑油65がケース20の壁面に接するように貯留されており、この潤滑油65によってケース20で発生した振動エネルギが吸収されることで、振動がきわめて効果的に減衰させられる。また、振動が減衰させられることで、この振動による振動音も同様に減衰させられる。さらに、ケース20内の入力歯車64およびカウンタ歯車62の噛合部などで発生した振動音に対しても第1および第2潤滑油貯留部70、78を通過する際に減衰させられることで遮音される。
また、第1潤滑油貯留部70および第2潤滑油貯留部78に潤滑油65が貯留されることで、ケース20の固有振動数を変化させ、ケース20に伝達される振動による共振を抑制する、所謂マスダンパとしての機能を得ることができる。
さらに、ケース20の下部に位置する油溜まり66の潤滑油65は、ファイナルギヤ40に掻き上げられるため、油溜まり66内の潤滑油65の貯留量が減少し、車両の駆動の際には、ファイナルギヤ40が油溜まり66の潤滑油65に浸漬される量も減少するため、ファイナルギヤ40の駆動抵抗が低減させられる。
上述のように、本実施例によれば、第1および第2潤滑油貯留部70、78は、ケース20の壁面と、そのケース20の壁面に沿ってその壁面との間に所定の距離隔てて配設された板状の第1および第2貯留部形成部材68、76とで形成されると共に、ケース20の壁面と潤滑油65とが直接接するように貯留されるため、車両用動力伝達装置10のケース20の振動は、潤滑油貯留部70、78に貯留された潤滑油65によって吸収され、ケース20で発生するケース振動および、そのケース振動によって発生する振動音が減衰させられる。また、潤滑油貯留部70、78に潤滑油65を貯留させることで、ケース20の固有振動数を変化させ、振動を低減させる所謂マス効果を得ることができる。このように、車両用動力伝達装置10のケース20の壁面に潤滑油貯留部70、78を設けるだけの容易な構造できわめて効果的に振動を減衰させることができる。
また、前述の実施例によれば、第1および第2潤滑油貯留部70、78は、車両用動力伝達装置10のケース20の内壁面71に沿って形成されるものであるため、ケース20内部に形成された第1および第2潤滑油貯留部70、78の潤滑油65によって、ケース振動を低減させることができる。また、ケース20内に配設されている被駆動部材から発生する振動音が、第1および第2潤滑油貯留部70、78を通過することで減衰させられ、遮音させることができる。
また、前述の実施例によれば、第1および第2貯留部形成部材68、76は、少なくともケース20内に収容されている入力歯車64、カウンタ歯車62、出力歯車38、およびファイナルギヤ40などの被駆動部材近傍のケース20の内壁面71に沿って配設されているため、前記被駆動部材近傍で発生する振動および振動音を効果的に減衰させることができる。
また、前述の実施例によれば、第1および第2貯留部形成部材68、76は、ケース20のうち相対的に剛性の低い部位に沿って配設されているため、その剛性の低い部位で発生する振動および振動音を減衰させることができる。
また、前述の実施例によれば、ケース20内の下部に形成されている油溜まり66に貯留されている潤滑油65を利用するため、特に別の液体供給回路を設ける必要がなく、構成がシンプルとなる。これにより、この構成による部品点数の増大を抑制することができる。
また、前述の実施例によれば、ファイナルギヤ40の鉛直方向下部の一部は、油溜まり66に貯留されている潤滑油65に浸漬され、その潤滑油65は、ファイナルギヤ40によって掻き上げられるため、車両の駆動時の際は、潤滑油65が掻き上げられることで、油溜まり66の貯留量が減少し、ファイナルギヤ40が浸漬される部位も減少するため、ファイナルギヤ40の駆動抵抗が低減させられる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図3は、本発明の他の実施例であるトランスアクスル100の断面図であり、図1において、たとえば第5変速段が成立させられているものとして、太破線で示される断面を矢印A方向から見た矢視図に対応している。図3においても、ケース20内には、前述の実施例と同様の配置で、出力歯車38、ファイナルギヤ40、カウンタ歯車62、および入力歯車64が配設され、それぞれの外周歯が動力伝達可能に噛み合っている。
本実施例では、ケース20の外部の外壁面99に沿って第1貯留部形成部材101および第2貯留部形成部材103が配設されている。第1および第2貯留部形成部材101、103は、図示しないボルトなどによって、ケース20の外壁面99に沿って、その外壁面99との間に所定の距離隔てて配設されている。この第1および第2貯留部形成部材101、103とケース20の外壁面99によって、第1および第2潤滑油貯留部105、107が、ケース20の外壁面99に沿って形成される。
ここで、本実施例では、油溜まり66に貯留されている潤滑油65は、たとえば電動モータで駆動するポンプ102によって第1および第2潤滑油貯留部105、107内に貯留される。また、第1および第2潤滑油貯留部105、107内に貯留された潤滑油65は、第1および第2潤滑油貯留部105、107の鉛直方向下部に形成されている第1排出口104および第2排出口106から油溜まり66に排出されることで循環させられている。
このように、構成されるトランスアクスル100において、前述の実施例と同様に、車両が駆動した際は、第1および第2潤滑油貯留部105、107内の潤滑油65によって、ケース20に伝達された振動エネルギが吸収されることで、振動が減衰させられる。また、第1および第2潤滑油貯留部105、107は、ケース20の外壁面99に沿って形成されているため、ケース20で発生する振動音は、第1および第2潤滑油貯留部105、107内を通過することで減衰させられる。これより、トランスアクスル100は、前述したトランスアクスル22に比べてもさらに遮音性に優れた構造となっている。なお、ケース20内の入力歯車64およびカウンタ歯車62の噛合部などの被駆動部材で発生した振動音に対しても、トランスアクスル22と同様に第1および第2潤滑油貯留部105、107内を通過する際に減衰させられる。
上述のように、本実施例によれば、第1および第2液体貯留部105、107は、トランスアクスル100のケース20の外壁面99に形成されるものであるため、ケース20の外壁面99に沿って形成された第1および第2潤滑油貯留部105、107内の潤滑油65によって、ケース20の振動を減衰させることができ、前述の実施例のトランスアクスル22と同様の効果が得られる。また、ケース20で発生した振動音に対しても第1および第2潤滑油貯留部105、107内を通過した際に、減衰させられるため、特に遮音性に優れたトランスアクスル100となる。
また、前述の実施例によれば、潤滑油65はポンプ102によって循環させられるため、潤滑油65が安定して油溜まり66に貯留される。
ここで、振動および振動音を減衰させるための液体を、潤滑油65の代わりにエンジンを冷却するためのクーラント108(冷却水)を利用することもできる。たとえば、図4に示されるように、ラジエータ110およびエンジン112を通過したクーラント108を第1および第2潤滑油貯留部105、107内に貯留し、その第1および第2潤滑油貯留部105、107の鉛直方向下部に形成されている排出口から排出することで、クーラント108の循環回路が形成される。このような構成においても、トランスアクスル100と同様の効果が得られる。なお、本実施例のクーラント108が、本発明の冷却液に対応している。
図5は、本発明のさらに他の実施例であるトランスアクスル130を簡略化した断面図である。ケース20内には、クランク軸132にダンパ134を介して連結された入力軸136が配設されており、その入力軸136に対して相対回転可能に第1電動機MG1および第2第2電動機MG2が配設されている。第1電動機MG1は、ケース20に接続された第1非回転部材138に回転不能に固定された第1ステータ140と、その第1ステータ140の内周側に配設された第1ロータ142と、その第1ロータ142を支持すると共にベアリング144および146を介してケース20に相対回転可能に支持された第1ロータ支持軸148とを備えている。一方、第2電動機MG2は、ケース20に接続された第2非回転部材150に回転不能に固定された第2ステータ152と、その第2ステータ152の内周側に配設された第2ロータ154と、その第2ロータ154を支持すると共にベアリング156および158を介してケース20に相対回転可能に支持された第2ロータ支持軸160とを備えている。なお、第1電動機MG1および第2電動機MG2が、本発明の駆動源に対応している。
本実施例においては、ケース20の外壁面161に沿って、貯留部形成部材162が配設されている。貯留部形成部材162は、図示しないボルトなどによって、外壁面161との間に所定の距離を隔てて配設されている。この貯留部形成部材162およびケース20の外壁面161によって、潤滑油貯留部164が形成されることで、潤滑油65が貯留されている。なお、潤滑油65は、たとえば図示しないポンプによって循環されている。
このように構成されるトランスアクスル130において、第1電動機MG1および第2電動機MG2が駆動すると、ベアリング(144、146、156、158)を介してケース20に振動が伝達される。このケース20の振動に対しても、前述したトランスアクスル100と同様にケース20の外壁面161に沿って潤滑油貯留部164が形成されているため、トランスアクスル100と同様の効果が得られ振動および振動音が減衰される。
このように、前述した実施例においても、トランスアクスル100と同様の効果が得られ、また、貯留部形成部材162は、第1電動機MG1および第2電動機近傍のケース20の外壁面161に沿って配設されているため、第1電動機MG1および第2電動機MG2近傍で発生する振動および振動音を減衰させることができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、本実施例の車両用動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両用のものであったが、特にこれに限定するものではなく、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両用のものなど、他の形式の車両用動力伝達装置に本発明を適用することができる。
また、前述したトランスアクスル100では、第1および第2潤滑油貯留部105、107への潤滑油65の貯留は、ポンプ102によって行われているが、ケース20の壁面に第1および第2潤滑油貯留部105、107と連通する供給穴を形成し、ファイナルギヤ40から掻き上げられた潤滑油65をその供給穴から第1および第2潤滑油貯留部105、107へ供給する構造であっても構わない。
また、前述した実施例では、クーラントを用いたトランスアクスル100において、ラジエータ110に対して直列に第1および第2潤滑油貯留部105、107が接続されているが、接続方法はこれに限定されるものではなく、ラジエータ110に対して並列に接続するなど、他の接続形式であっても構わない。
また、前述したトランスアクスル130では、潤滑油貯留部164には、潤滑油65が貯留される構造となっているが、潤滑油65に代わってクーラント(冷却水)が貯留される構造であっても構わない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が適用された車両用動力伝達装置を説明するための骨子図である。 図1のトランスアクスルを矢印A方向から見た矢視図である。 本発明の他の実施例であるトランスアクスルを図1において、矢印A方向から見た矢視図である。 図3のトランスアクスルのさらに他の態様を説明するための図である。 本発明のさらに他の実施例であるトランスアクスルを簡略した断面図である。
符号の説明
10:車両用動力伝達装置 20:トランスアクスルケース(ケース) 38:出力歯車(被駆動部材) 40:ファイナルギヤ(被駆動部材) 62:カウンタ歯車(被駆動部材) 64:入力歯車(被駆動部材) 65:潤滑油 66:油溜まり 68、101:第1貯留部形成部材 70、105:第1潤滑油貯留部 71:内壁面 76、103:第2貯留部形成部材 78、107:第2潤滑油貯留部 102:ポンプ 108:クーラント(冷却液) 162:貯留部形成部材 164:潤滑油貯留部 MG1:第1電動機(駆動源) MG2:第2電動機(駆動源)

Claims (9)

  1. 駆動源により回転駆動させられる被駆動部材を収容するケースと、該ケースの壁面との間に液体を貯留するための液体貯留部とを備える車両用動力伝達装置であって、
    前記液体貯留部は、前記ケースの壁面と、該ケースの壁面に沿って該壁面との間に所定の距離隔てて配設された板状の貯留部形成部材とで形成されると共に、前記ケースの壁面と前記液体とが直接接するように貯留されることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記液体貯留部は、前記車両用動力伝達装置のケースの内部に形成されるものであり、前記貯留部形成部材は、前記ケースの内壁面に沿って配設されるものであることを特徴とする請求項1の車両用動力伝達装置。
  3. 前記液体貯留部は、前記車両用動力伝達装置のケースの外部に形成されるものであり、前記貯留部形成部材は、前記ケースの外壁面に沿って配設されるものであることを特徴とする請求項1の車両用動力伝達装置。
  4. 前記貯留部形成部材は、少なくとも前記ケース内に収容されている前記被駆動部材近傍の前記ケースの壁面に沿って配設されていることを特徴とする請求項2または3の車両用動力伝達装置。
  5. 前記貯留部形成部材は、前記車両用動力伝達装置内に備えられている駆動源近傍の前記ケースの壁面に沿って配設されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れかの車両用動力伝達装置。
  6. 前記貯留部形成部材は、前記ケースのうち相対的に剛性の低い部位に沿って配設されていることを特徴とする請求項2乃至5の何れかの車両用動力伝達装置。
  7. 前記液体は、前記ケース内の下部に形成されている油溜まりに貯留されている潤滑油であることを特徴とする請求項2乃至6の何れかの車両用動力伝達装置。
  8. 前記被駆動部材の一部は、前記油溜まりに貯留されている潤滑油に浸漬され、前記液体は、該被駆動部材によって掻き上げられた潤滑油であることを特徴とする請求項7の車両用動力伝達装置。
  9. 前記液体はポンプによって循環させられる潤滑油または冷却液であることを特徴とする請求項2乃至6の何れかの車両用動力伝達装置。
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