JP2007303512A - クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】車両部品に様々な外力が加わった場合でも、車体に対する固定状態が好適に維持できるようにする。
【解決手段】本体部材52へピン部材65を挿入して取り付けた際に、該本体部材52に設けた係止爪部62の係止凹部62Aと該ピン部材65に設けた係止面部66Aとの間の最大幅Wを、係止口部14の開口間隔Vにより適宜大きくなるよう設定した。また、係止面部66Aの所要位置には、外力が加わってクリップ50が傾斜変位した際に、係止口部14の第2端縁14Bが係止可能な係止陥凹部80を設けた。これにより、クリップ50が外力により傾斜変位したとしても、係止口部14から脱抜することを確実に防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、クリップに関し、更に詳細には、車両部品に取り付けたもとで車両内装部材の裏側に位置する車体に設けた係止口部へ突入して係止させることで、この車両部品を該車両内装部材の表側に固定するクリップに関するものである。
乗用車等の車両における乗員室内のルーフ部分には、アシストグリップ、サンバイザー、バックミラー等の種々車両部品が、車両内装部材の裏側に位置する車体に固定した状態で取り付けられている。例えば図5は、車両内装部材として車体10のルーフ部分に取り付けられるルーフライニング12の表側に、車両部品であるアシストグリップAGを取り付けた状態を例示した概略説明図、また図6は図5のVI−VI線断面図である。このアシストグリップAGは、湾曲形状に形成されて把持部をなす樹脂製のグリップ本体AG1を主体とし、このグリップ本体AG1の両端取付部AG2,AG2へ回動可能に取り付けた樹脂製のクリップ20,20を、ルーフライニング12の裏側に位置する車体10へ固定することで、ルーフライニング12の表側へ回動可能に取り付けられている。
各々のクリップ20は、図7および図8に例示するように、アシストグリップAGのグリップ本体AG1に回動可能に取り付けられ、中央部に挿通口24を開設した本体部材22と、この本体部材22の後方側から挿通口24へ挿通して装着されるピン部材35とから基本的に構成されている。本体部材22は、ルーフライニング12に密着する基盤部26の後方側に一体的に形成され、アシストグリップAGに取り付けるための取付片30,30を有する支持枠部28と、該基盤部26の前方側に一体的に形成されて車体10に穿設した係止口部14へ突入して係止される第1係止爪部32および第2係止爪部34,34とから構成されている。またピン部材35は、前述した挿通口24への挿通が許容されると共に第1係止爪部32および第2係止爪部34,34に沿って延出する係止ピン部36と、この係止ピン部36へ一体的に形成されて支持枠部28に整合する指先押圧部38とから構成されている。そして、本体部材22に対して支持枠部28側(後方側)からピン部材35を差し込むことで、該本体部材22の前側に、前述した第1係止爪部32、第2係止爪部34,34および係止ピン部36から構成されて、車体10の係止口部14へ突入して係止される突状係止部40が形成される。
従って図8に例示するように、先ず、アシストグリップAGに取り付けた本体部材22の第1係止爪部32および第2係止爪部34,34を車体10の係止口部14へ挿通させると、該第2係止爪部34,34は、弾性変形しながら係止口部14を通過した後に、該係止口部14における左右の第3端縁14Cおよび第4端縁14Dに係止される。次いで、ピン部材35を本体部材22へ後方から差し込むことで、該ピン部材35の係止ピン部36が係止口部14における下側の第2端縁14Bに接触し、本体部材22を上方へ押し上げるようになる。これにより、図6に例示したように、第1係止爪部32に設けた係止凹部32Aが係止口部14における上側の第1端縁14Aに係止し、また係止ピン部36に設けた係止面部36Aが該係止口部14における下側の第2端縁14Bへ当接する一方、第2係止爪部34,34が内側へ弾性変形することが規制される。従って、車体10に対するクリップ20の固定および抜止めが図られ、ルーフライニング12の表側にアシストグリップAGが取り付けられる。このような形態のクリップに関しては、例えば引用文献1に開示されている。
特開2002−349526号公報
前述したクリップ20は、乗員がアシストグリップAGを使用する際、図6において1点鎖線で表示した回動規制位置において下向きの荷重が該アシストグリップAGへ加わるため、上方に位置する第1係止爪部32に形成した係止凹部32Aを係止口部14の第1端縁14Aへ強固に係止させる構造を採用している。従って、後側から突入させる装着態様となっているピン部材35の係止ピン部36が、係止口部14の第2端縁14Bへ強固に係止される構造となっていなくても、アシストグリップAGの使用時にクリップ20が車体10から脱抜する不都合が発生することがない。
しかしながら、近年生産される乗用車では、図5および図6に例示したように、側面衝突時にサイドドア16のガラスを被覆して乗員を保護するエアバッグ装置(カーテンエアバッグ装置ともいう)AUが装備される車種があるが、この場合のエアバッグ装置AUは、アシストグリップAGの下側に隣接した位置に設置されている。従って、エアバッグ装置AUが作動した際には、図9に例示するように、膨張を開始したエアバッグAU1がルーフライニング12を内側から押圧し、該ルーフライニング12の変形により画成された隙間から下方へ膨張展開するようになる。
ここで、前述した従来のクリップ20は、図6に例示するように、係止口部14における第1端縁14Aと第2端縁14Bとの開口間隔Vと、これら第1端縁14Aおよび第2端縁14Bに夫々当接する突状係止部40における係止凹部32Aと係止面部36Aの前側端部との距離である最大幅Wとが、略同一となるように設定されていた。しかも、ピン部材35の係止ピン部36に設けた係止面部36Aが、前述したエアバッグ装置AUに隣接して位置しているため、エアバッグAU1の押圧力によりルーフライニング12が乗員室内方向へ変形した際に、図9に例示したように、その力により突状係止部40が係止口部14から脱抜するおそれがあった。特に、クリップ20が図9の状態へ傾動変位した場合、係止口部14の第1端縁14Aが奥側(図の左側)へ変位すると共に第2端縁14Bが乗員室側(図の右側)へ変位するおそれがあり、実際にこのように変位すると当該係止口部14の開口間隔Vが拡大してしまうから、突状係止部40が一段と脱抜し易くなってしまう。
従って本発明は、車両部品に外力が加わった場合は勿論、車両内装部品に外力が加わった場合でも、車体に対する固定状態が好適に維持できるようにしたクリップを提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明は、
車両内装部材の裏側に位置する車体に設けられ、所要の開口間隔を以て対向する第1端縁および第2端縁を有する係止口部へ突入して係止されるクリップであって、車両部品に取り付けられ、中央部に挿通口を形成した本体部材と、この本体部材に一体的に設けられ、前記第1端縁へ係止される係止凹部を有する係止爪部と、前記挿通口へ挿通させた状態で前記本体部材に取り付けられ、前記第2端縁へ当接する係止面部を有するピン部材とからなり、前記本体部材へ前記ピン部材を取り付けることで前記係止凹部が前記第1端縁へ係止されるクリップにおいて、
前記係止凹部と係止面部との間の最大幅が、前記開口間隔より大きく設定されていることを要旨とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、係止凹部と係止面部との最大幅を係止口部の開口間隔より適宜大きく設定してあるため、クリップが外力により傾斜状態に姿勢変位しても係止口部から脱抜することがなく、よって車両内装部材の表側に取り付けた車両部品を好適に固定できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記係止面部の所要位置に、前記第2端縁が係止可能な係止陥凹部を設けたことを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、クリップが外力により傾斜状態に姿勢変位した際に、係止陥凹部へ係止口部の第2端縁が整合して嵌合するようになり、当該クリップの必要以上の姿勢変位を適切に規制し得る。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記車体と車両内装部材との間に画成された空間に設置したエアバッグ装置に隣接して固定されることを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、エアバッグ装置の作動時には、エアバッグの押圧力により適宜傾斜状態へ姿勢変位して車両内装部材の変形を許容する一方、所定の傾斜状態へ姿勢変位した後にはこれ以上の姿勢変位が規制されるため、車両部品が乗員室内へ脱抜されることを防止し得る。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記車両部品はアシストグリップであることを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、アシストグリップを乗員が使用した際に該アシストグリップを好適に固定できると同時に、エアバッグ装置の作動時にエアバッグの押圧力により車両内装部材が変形しても、アシストグリップを好適に保持できる。
本発明に係るクリップによれば、車両部品に外力が加わった場合は勿論、車両内装部品に外力が加わって場合でも、車体に対する固定状態が好適に維持できる等の利点がある。
次に、本発明に係るクリップにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本発明のクリップは、車両内装部材の裏側に位置する車体に設けた係止口部へ突入して係止される突状係止部を有し、車両部品に取り付けたもとで突状係止部を係止口部へ係止させることで、車両部品を車両内装部材の表側に固定するために供される。そこで後述する実施例では、車両部品としてアシストグリップ、車両内装部材としてルーフライニングを例示し、該アシストグリップをルーフライニングの表側に取り付けるために供されるクリップを例示する。
図1は、本実施例のクリップを利用して、アシストグリップをルーフライニングの表側に取り付けた状態を例示した概略断面図であり、図2は、アシストグリップに取り付けた本実施例のクリップおよび車体に設けた係止口部を示した概略斜視図である。また図3は、本実施例のクリップの構成部材を、一部破断した分解状態で例示した概略斜視図である。なお後述する実施例では、車体10に対する側をクリップの前側、アシストグリップAGを装着する側を該クリップの後側とする。
本実施例のクリップ50を固定するための係止口部14は、図2および図3等に例示したように矩形状を呈し、その上縁が第1端縁14A、下縁が第2端縁14B、左側端縁および右側端縁が夫々第3端縁14Cおよび第4端縁14Dとされる。そして、第1端縁14Aと第2端縁14Bとの上下の開口間隔=V、第3端縁14Cと第4端縁14Dとの左右の開口間隔=Hとされている。なお係止口部14は、図1に例示したように、乗員室に設置したルーフライニング12に設けた開口部12Aを介して乗員室へ露出した状態とされ、クリップ50の装着が可能となっている。
本実施例のクリップ50は、図7に例示した従来のクリップ20と基本的構成が同一となっており、図3に例示したように、アシストグリップAGのグリップ本体AG1に回動可能に取り付けられ、中央部に挿通口54を開設した本体部材52と、この本体部材52の前面側に一体的に突設され、前述した係止口部14に突入して係止される係止第1係止爪部62および第2係止爪部64,64と、この本体部材52の後方側から挿通口54へ挿通して装着されるピン部材65とから構成されている。そして、本体部材52へピン部材65を挿通させた状態で取り付けることで、前述した第1係止爪部62および第2係止爪部64,64が係止口部14へ係止されるようになっている。すなわち本実施例のクリップ50は、従来のクリップ20と比較すると、本体部材52は基本的に同一で変更はなく、ピン部材65の形態を変更したものとなっている。
本体部材52は、例えばABS等の合成樹脂からインジェクション成形された一体成形品である。この本体部材52は、ルーフライニング12の表面へ密着する基盤部56の後面側に一体的に形成されて、アシストグリップAGに取り付けるための取付片60,60を有する支持枠部58と、該基盤部56の前面側に一体的に形成されて車体10に穿設した矩形状の係止口部14へ突入して係止される前述の第1係止爪部62および第2係止爪部64,64とから構成されている。第1係止爪部62は、基盤部56において挿通口54の上縁部に隣接して突設され、左右方向は勿論、上下方向への弾性変形も規制された状態に形成されている。一方、第2係止爪部64,64は、基盤部56において挿通口54の左側縁部および右側縁部に夫々隣接して突設され、上下方向へは変形しないものの、左右方向への弾性変形は許容された状態に形成されており、ピン部材65の挿通前では相互に近接して収斂的に変形し得るようになっている。なお、第2係止爪部64,64の膨出部64A,64A間の間隔Sは、係止口部14の開口間隔Hより適宜大きく設定されている(図3)。
支持枠部58は、略蒲鉾型を呈する縦断面形状とされ、前述したピン部材65における指先押圧部68が、その内側空間に整合して収容されるようになっている。そして、支持枠部58の内側には、挿通口54の左右に隣接して弾性保持片72,72が後方へ向けて対向的に突設されている。これら弾性保持片72,72は、ピン部材65を本体部材52へ挿通させる際には係止ピン部66の左右両端面に弾力的に当接して案内部材としての機能を発現する一方、ピン部材65が完全に装着された際には当該ピン部材65に係合して脱抜防止部材としての機能を発現するようになっている。
ピン部材65は、例えばABS等の合成樹脂からインジェクション成形された一体成形品である。このピン部材65は、前述した挿通口54への挿通が許容されるサイズ・断面形状に形成されて第1係止爪部62および第2係止爪部64,64に沿って延出する係止ピン部66と、この係止ピン部66の後端部へ一体的に形成されて支持枠部58へ整合する指先押圧部68とから構成されている。このピン部材65は、図7に例示した従来のピン部材35と比較すると、係止ピン部66の全長が1.5倍程度に延長した形態となっており、その下面にプレート状の係止面部66Aが一体に形成されていると共に、先端部は先細に形成されている。また、指先押圧部68に近接した係止ピン部66の後端両側には、前述した弾性保持片72,72の先端膨出部が整合する陥凹部74,74が形成されている(図1,図4)。
更に、係止ピン部66における係止面部66Aには、図1および図3に例示したように、該係止ピン部66を本体部材52へ完全に挿入させたときに係止口部14の第2端縁14に整合する位置より前側の部分に、左右方向へ延在する鈎状の係止陥凹部80が形成されている。この係止陥凹部80は、図4に例示すると共に後述するように、エアバッグ装置AUの作動によるエアバッグAU1の押圧力でルーフライニング12の変形が発現し、これに基づいて本実施例のクリップ50が車体10に対して傾動的に姿勢変位した際に、係止口部14の第2端縁14Bが整合して嵌合させるようにすることで、当該クリップ50の傾斜姿勢への姿勢変位を規制するためのものである。
なお、鈎状を呈する係止陥凹部80は、図3に図示したように、前側が略垂直の端面80Aとなっていると共に、後側が前方に向け傾斜する傾斜面80Bとなっている。このため、ピン部材65を本体部材52へ突入させる際には、傾斜面80Bが第2端縁14Bへ当接するようになり、該ピン部材65の挿通に支障をきたすことはない。そして、クリップ50が車体10に対して傾斜的に姿勢変位した際には、端面80Aが第2端縁14Bへ当接して係止されるようになるから、クリップ50の脱抜が好適に規制される。
前述のように構成された本実施例のクリップ50は、図8に例示した従来のクリップ50と同様に、先ず、アシストグリップAGに取り付けた本体部材52の第1係止爪部62および第2係止爪部64,64を車体10の係止口部14へ挿通させ、該係止口部14における左右の第3端縁14Cおよび第4端縁14Dに係止させる。次いで、ピン部材65を本体部材52へ完全に差し込むことで(本体部材52へピン部材65を予め半分程度突入させておいてもよい)、ピン部材65の係止ピン部66における係止面部66Aが係止口部14の第2端縁14Bに接触するため、本体部材52は上方へ押し上げられるようになる。これにより、図1に例示したように、第1係止爪部62に設けた係止凹部62Aが係止口部14の第1端縁14Aに係止し、また係止ピン部66に設けた係止面部66Aが該係止口部14の第2端縁14Bへ当接する。
そして、本体部材52に設けた第1係止爪部62および第2係止爪部64,64と、ピン部材65に設けた係止面部66Aとにより、略ブロック形態の突状係止部70が形成される。すなわち突状係止部70は、ピン部材65の係止ピン部66により収斂的な弾性変形が規制された第2係止爪部64,64が係止口部14における左右の第3端縁14Cおよび第4端縁14Dに夫々係止され、第1係止爪部62および係止面部66Aが係止口部14における上下の第1端縁14Aおよび第2端縁14Bに夫々係止されるため、係止口部14に対してがたつくことなく整合する。
ここで、本実施例のクリップ50では、前述したように、ピン部材65における係止ピン部66の全長を大きく設定してある。このため、ピン部材65を本体部材52に挿入(取り付け)することで構成される突状係止部70は、図1に例示したように、係止ピン部66の長手方向軸線と直交する方向における係止凹部62Aと係止面部66Aとの間の幅は係止口部14の開口間隔Vと略同一であるが、該係止凹部62Aと該係止面部66Aの前側端部との距離となる最大幅Wは、係止ピン部66の延長に伴って拡大している。すなわち、係止凹部62Aと係止面部66Aとの間の最大幅Wは、ピン部材65の係止ピン部66の長さが長くなる程に大きくなるため、本実施例の場合では開口間隔Vより5mm程度大きくなっている。
すなわち、クリップ50の傾動変位時における突状係止部70の脱抜防止を考慮した場合、突状係止部70の最大幅Wは、係止口部14の開口間隔Vより5mm以上大きく設定すればよい。突状係止部70の最大幅Wをこのように設定すれば、クリップ50が図4の状態へ傾動変位して、係止口部14の第1端縁14Aが奥側(図の左側)へ変位すると共に第2端縁14Bが乗員室側(図の右側)へ変位し、当該係止口部14の開口間隔Vが拡大したとしても、該開口間隔Vが突状係止部70の最大幅Wより大きくなることはないから、突状係止部70が係止口部14から脱抜することが好適に防止される。
前述した本実施例のクリップ50では、次のような作用効果を奏する。先ず、突状係止部70における係止凹部62Aと係止面部66Aとの最大幅Wを係止口部14の開口間隔Vより適宜大きく設定してあるため、クリップ50が傾斜状態に姿勢変位しても突状係止部70が係止口部14から脱抜することがなく、よってルーフライニング12の表側に取り付けたアシストグリップAGは、エアバッグAU1の展開後も脱抜することがない。また、ピン部材65の係止面部66Aへ係止陥凹部80を設けたことにより、クリップ50が傾斜状態に姿勢変位した際に、係止陥凹部80へ係止口部14の第2端縁14Bが整合して嵌合するようになり、当該クリップ50の必要以上の姿勢変位を適切に規制し得る。
そして、本実施例のクリップ50は、エアバッグ装置AUに隣接して取り付けられている場合、該エアバッグ装置AUの作動時には、エアバッグAU1の押圧力により適宜傾斜状態へ姿勢変位してルーフライニング12の変形を許容するため、エアバッグAU1の膨張展開に支障を来たすことがない。しかも、所定の傾斜状態へ姿勢変位した後には、これ以上の姿勢変位が規制される。
なお前述した実施例では、車両部品としてアシストグリップAGを例示したが、本願が対象とする車両部品は、この他にルームミラーやサンバイザー等も含まれる。
また、車両内装部材もルーフライニング12に限定されるものではなく、ドアパネル、ピラーガーニッシュ等、種々車両内装部材が対象とされる。
本発明に係るクリップは、車両部品に取り付けたもとで車両内装部材の裏側に位置する車体に設けた係止口部へ突入して係止させることで、この車両部品を該車両内装部材の表側に固定するよう機能するもので、乗用車等の車両に好適に実施可能である。
本実施例のクリップを利用して、アシストグリップをルーフライニングの表側に取り付けた状態を例示した概略断面図。 アシストグリップに取り付けた本実施例のクリップおよび車体に設けた係止口部を示した概略斜視図。 本実施例のクリップの構成部材を、一部破断した分解状態で例示した概略斜視図。 エアバッグ装置の作動によるルーフライニングの変形に基づき、クリップが傾動変位した状態を示した説明断面図。 車体のルーフ部分に取り付けられるルーフライニングの表側に、アシストグリップを取り付けた状態を例示した概略説明図。 図5のVI−VI線断面図。 従来のクリップの構成部材を、一部破断した分解状態で例示した概略斜視図。 従来のクリップを利用してアシストグリップを取り付ける状態を示した説明断面図。 エアバッグ装置の作動によるルーフライニングの変形に基づいてクリップが傾動変位し、これにより該クリップが車体から脱抜するおそれがあることを示した説明断面図。
符号の説明
10 車体,12 ルーフライニング(車両内装部材),14 係止口部,14A 第1端縁,
14B 第2端縁,62A 係止凹部,66A 係止面部,70 突状係止部,
80 係止陥凹部,AG アシストグリップ(車両部品),AU エアバッグ装置,
V 開口間隔,W 最大幅

Claims (4)

  1. 車両内装部材(12)の裏側に位置する車体(10)に設けられ、所要の開口間隔(V)を以て対向する第1端縁(14A)および第2端縁(14B)を有する係止口部(14)へ突入して係止されるクリップであって、車両部品(AG)に取り付けられ、中央部に挿通口(54)を形成した本体部材(52)と、この本体部材(52)に一体的に設けられ、前記第1端縁(14A)へ係止される係止凹部(62A)を有する係止爪部(62)と、前記挿通口(54)へ挿通させた状態で前記本体部材(52)に取り付けられ、前記第2端縁(14B)へ当接する係止面部(66A)を有するピン部材(65)とからなり、前記本体部材(52)へ前記ピン部材(65)を取り付けることで前記係止凹部(62A)が前記第1端縁(14A)へ係止されるクリップにおいて、
    前記係止凹部(62A)と係止面部(66A)との間の最大幅(W)が、前記開口間隔(V)より大きく設定されている
    ことを特徴とするクリップ。
  2. 前記係止面部(66A)の所要位置に、前記第2端縁(14B)が係止可能な係止陥凹部(80)を設けた請求項1記載のクリップ。
  3. 前記車体(10)と車両内装部材(12)との間に画成された空間に設置したエアバッグ装置(AU)に隣接して固定される請求項1または2記載のクリップ。
  4. 前記車両部品(AG)はアシストグリップである請求項1〜3の何れかに記載のクリップ。
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