JP2007301598A - 溶接用位置決め治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】一般的なスタッド,スタッド溶接用フェルールやスタッドガンを用いて、タイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行に簡単に良好な状態でスタッド溶接することができる新規な溶接用位置決め治具を提供する。
【解決手段】溶接用位置決め治具を、梁材のフランジに係合されるフランジ係合部材1aとタイトフレームを位置規制するタイトフレーム位置規制部材1bとから成る一対のベース部材1,1と、両ベース部材1,1に固定されてフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置を規定している一対の支持部材2,2と、両支持部材2,2にそれぞれその両端が固定されておりタイトフレームの梁材の長手方向への移動を規制する一対の当接部材3,3と、両支持部材2,2に固定されておりスタッドガンのノズル部が摺動自在に挿通される筒状を成しスタッドガンを案内せしめる4つの案内部材4,4,4,4とから構成する。
【選択図】図1
【解決手段】溶接用位置決め治具を、梁材のフランジに係合されるフランジ係合部材1aとタイトフレームを位置規制するタイトフレーム位置規制部材1bとから成る一対のベース部材1,1と、両ベース部材1,1に固定されてフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置を規定している一対の支持部材2,2と、両支持部材2,2にそれぞれその両端が固定されておりタイトフレームの梁材の長手方向への移動を規制する一対の当接部材3,3と、両支持部材2,2に固定されておりスタッドガンのノズル部が摺動自在に挿通される筒状を成しスタッドガンを案内せしめる4つの案内部材4,4,4,4とから構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、スタッド溶接用フェルール及びスタッドが装着されたスタッドガンを用いて、少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmであるタイトフレームをH形鋼,みぞ形鋼,軽みぞ形鋼,リップみぞ形鋼,角形鋼管等の梁材のフランジ上にスタッド溶接する際に、スタッドガンを所定位置へ案内するための溶接用位置決め治具に関するものである。
一般に、折板屋根等の屋根部材を固定するために用いられるタイトフレームとしては、屋根部材が固定される山部と、この山部の長手方向の両側に連続して形成されH形鋼,みぞ形鋼,軽みぞ形鋼,リップみぞ形鋼,角形鋼管等の梁材の平面状を成すフランジ上に固定するための載置部とから成り、山部が1つしかないものや複数設けられているもの等の様々な形状のものが存在する。
そして、このようなタイトフレームを梁材のフランジ上に固定する際には、例えば梁材のフランジ上の所定位置にタイトフレームの載置部を載置した後に、略断面を垂直な固定片とその固定片の下端を略直角に屈曲した支持片とその支持片の先端を下方に略コ字状に屈曲して形成した嵌合溝と支持片の途中を1段屈曲した段差部とから形成された取付具を一対用い、2つの取付具の固定片を背中合わせにし、タイトフレームの載置部上から嵌合溝を梁材のフランジに引っかけると共に、ボルト−ナットにて固定片同士を締結することによりタイトフレームを梁材に固定する方法(例えば、特許文献1参照。)や、梁材のフランジ上の所定位置にタイトフレームの載置部を載置した後に、このタイトフレームの載置部の側縁部とフランジとが当接する部位の略全周に亘って被覆アーク溶接やガスシールドアーク溶接等のアーク溶接により溶接を行うことによりタイトフレームを梁材に固定する方法(例えば、特許文献2参照。)等が広く知られている。
しかしながら、前者の取付具を用いてタイトフレームを梁材に固定する場合には、タイトフレームは梁材に対してボルトや溶接等によって直接固定されておらず、タイトフレームは取付具の固定片によって梁材に押さえ付けられているだけであるから屋根部材を浮き上がらせるような強力な吸引力が屋根部材に作用すると取付具の固定片が持ち上げられるように変形して、タイトフレーム自体が梁材上を長手方向や幅方向にズレてしまったり、タイトフレーム自体がズレることにより梁材から外れてしまったりするという欠点があった。
一方、後者のアーク溶接により溶接を行うことによりタイトフレームを梁材に固定する場合には、前者の取付具を用いてタイトフレームを梁材に固定する場合と比較して充分な固定強度を得ることができるもののの、タイトフレームの載置部の側縁部とフランジとが当接する部位の略全周に亘ってアーク溶接により溶接を行わなければならないため溶接部分の長さが長いので時間と労力とが非常に掛かってしまうというと欠点があり、また溶接作業を行う場所が足場の悪い高所で転落事故が発生し易い危険な場所であるので、作業者は足場や他の作業者等に充分に注意しながら溶接作業を行わなくてはならないから、作業効率が悪化してしまったり、溶接作業の質が低下してしまったりするという欠点があった。
そして、何れの場合においても、タイトフレームを梁材のフランジ上の所定位置に載置した後に固定しなければならないので、タイトフレームを正確に梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行に固定しようとすると、予め墨壺等で墨付けをして位置合わせを行ってタイトフレームを梁材のフランジ上の所定位置に載置した後に、タイトフレームが所定位置よりズレないように正確に位置合わせされた状態を維持しながら、取付具やアーク溶接によってタイトフレームを梁材のフランジ上に慎重に固定しなければならないので、その作業性が非常に悪いという欠点があるばかりでなく、一旦少しでもズレた状態でタイトフレームが梁材のフランジ上に固定されてしまうと、タイトフレームに屋根部材がうまく固定できなくなってしまうという欠点があった。
このようなアーク溶接と比べて、比較的簡単に短時間で溶接を行うことができると共に、その溶接に用いられるスタッドガン自体が軽量で前記の如く足場の悪い高所で転落事故が発生し易い危険な場所であっても比較的取扱い易いという特徴を有し、従来より円柱状やネジ状のスタッドを起立した状態で母材上に溶接するために多用されるスタッド溶接を用いて、タイトフレームを梁材にスタッド溶接により固定する方法も考えられる。
しかしながら、このようなスタッド溶接を利用してタイトフレームを梁材にスタッド溶接により固定する場合には、梁材のフランジ上の所定位置にタイトフレームの載置部を位置せしめてスタッド溶接を行うことになるが、この際にスタッドが溶接されるタイトフレームの載置部の部位の表面側から裏面側及びその部位の直下の梁材のフランジの表面までの部位を総て溶融させなければならず、単にスタッドを母材上にスタッド溶接する通常のスタッド溶接と比較して比較的大径なスタッドを用いて大電流でスタッド溶接を行うことになるため、大型の電気設備等が必要になるばかりでなく、またタイトフレームの載置部の溶接される部位の板厚が2〜4mmであるので、このような比較的大径なスタッドを用いて大電流でスタッド溶接を行うと、溶接された箇所の近傍の部位の強度がその周辺の部位と比較して低下してしまうので、前記の如く屋根部材を浮き上がらせるような強力な吸引力が屋根部材に作用すると溶接された箇所の近傍でタイトフレームが破断し易いという欠点があるばかりでなく、タイトフレーム全体の強度が不均一となってしまうという欠点があった。
そこで、比較的大径なスタッドや大電流を必要とせずスタッド溶接を利用してタイトフレームを梁材にスタッド溶接により固定することができる方法として、例えば母材に鋼板,プラスチック,木材等の板状部材を重ね合わせて接合するに際し、板状部材の重ね合わせ部にリベット穴を設け、このリベット穴にリベットの軸部を挿通させるとともに、このリベットの挿通端面を母材の重ね合わせ部に当接させ母材にスタッド溶接する方法(例えば、特許文献3参照。)や、板状部材に孔を穿設し、その孔部分を挟んで板状部材の片面に母材、他面に板状の当て金をそれぞれ重ね合わせ、当て金の表面にアークスタッド溶接機に着脱自在に把持されたスタッドの先端を接触し、次いでアークスタッド溶接機を起動させてスタッドの先端と当て金の間に放電を自動的に行わせることにより、スタッドの先端と共にそれに接触する当て金部分を溶融させ、板状部材の孔の縁部と母材との間を溶接固定する方法(例えば、特許文献4参照。)等を利用して、タイトフレームを梁材にスタッド溶接により固定することが考えられる。
しかしながら、前者の方法ではタイトフレームの載置部に予めリベット穴を設けなければならないが、タイトフレームが長さの長いものである場合には多数のリベット穴を設けなければならず、しかもそのタイトフレームの載置部に強度を維持するためのリブ等が形成されている場合にはその部位を除いた部位を選んでリベット穴を設けなければならないから、非常に手間がかかるという欠点があるばかりでなく、またタイトフレームの載置部と梁材のフランジとが互いに溶融して強固に結合されているのではなくタイトフレームの載置部は単に梁材のフランジ上に溶接されたリベットを介して係止されているのみの状態であるから、その結合状態が直接溶接されたものに比して脆弱であるという欠点もあり、更に前記の如く屋根部材を浮き上がらせるような強力な吸引力が屋根部材に作用するとリベットの頭部やリベット穴が変形してしまったりしてタイトフレームが梁材より簡単に外れてしまうという欠点もあり、また更にはこのようなスタッド溶接方法ではリベットとスタッドが一体となった特殊なスタッドを用いる必要があるので、溶接する際のコストが高くなってしまうという欠点があった。
一方、後者の方法ではタイトフレームの載置部と当て金とスタッドの先端とがそれぞれ溶融して強固に結合されるものの、前者の方法と同様にタイトフレームの載置部に予め孔を穿設しなければならないと共にその孔部分を挟んでタイトフレームの載置部の裏面側に梁材のフランジ、表面側に板状の当て金をそれぞれ重ね合わせた状態でスタッド溶接を行わなければならないから、非常に手間がかかるという欠点があるばかりでなく、タイトフレームの載置部の孔が当て金によって遮られた状態でスタッド溶接を行なわなければならないから、正確なタイトフレームの載置部の孔の位置が把握できない状態でスタッド溶接を行わなくてはならないのでその作業性が悪いという欠点もあり、またアークにより当て金を溶融させた後にタイトフレームの載置部の孔周辺部,梁材のフランジ及びスタッドの先端を溶融させてスタッド溶接する構成となっているから、当て金の材質や厚さやタイトフレームの載置部の孔の大きさや長さ等の様々な条件に合わせて、アークを発生させる電流の通電時間や電圧等の管理や調整を行わなければならないので、その管理や調整が非常に難しいという欠点もあり、更にはこのような非常に難しい電流の通電時間や電圧等の管理や調整を自動的に行わせる場合には、新たな制御機構を設けた特殊なスタッド溶接機が必要であるという欠点もあった。
また、何れの方法においてもタイトフレームの載置部に予め孔等を設けた状態でスタッド溶接が行われるから、若し一カ所でも溶接した後に接合の強度不足に気付いた場合であっても、後から更に溶接箇所を増やすことが非常に困難であるという欠点があり、更にそれぞれタイトフレームの載置部の孔等をスタッド溶接するものであるから、前記の如く屋根部材を浮き上がらせるような強力な吸引力が屋根部材に作用するとタイトフレームの山部側の載置部が浮いてしまうことによって、タイトフレーム全体の接合強度が著しく低下してしまう危険性を有しているという欠点もあり、更には前記の如きタイトフレームを正確に梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行に固定する際における作業性の悪さを一切解消することができないという欠点もあった。
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、スタッド溶接用フェルール及びスタッドが装着されたスタッドガンを用いて少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmであるタイトフレームを梁材のフランジ上にスタッド溶接する際に、スタッドガンを所定位置へ案内するための溶接用位置決め治具であって、特に一般的なスタッド,スタッド溶接用フェルールやスタッドガンを用いて、タイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行に簡単に良好な状態でスタッド溶接することができる新規な溶接用位置決め治具を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、先ずタイトフレームの載置部を梁材のフランジ上にスタッド溶接する方法について検討した処、スタッドの下端より放出されるアークによってタイトフレームの載置部の側端縁から梁材のフランジの表面に亘って効率的に溶融させることができれば、一般的なスタッド,スタッド溶接用フェルールやスタッドガンを用いたとしても、タイトフレームや梁材自体に特別な加工を施すことなく、タイトフレームの載置部を梁材のフランジ上に直接スタッド溶接することができることに着目した。
そして、本発明者らは更に検討を重ねた結果、梁材のフランジにスタッド溶接されるタイトフレームの載置部が少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmであれば、直径が8〜13mmで下端にフラックス部が突出形成されている一般的なスタッド及び余盛形成部の下面がスタッド挿通穴の軸線に対して直角な一般的なスタッド溶接用フェルールを用いたとしても、スタッドガンに装着されたスタッド及びスタッド溶接用フェルールと、梁材のフランジ上に溶接されるタイトフレームの載置部との位置関係を或る一定の条件の範囲内とすることによって、スタッドの下端より放出されるアークによりタイトフレームの載置部の側端縁から梁材のフランジの表面に亘って効率的に溶融させることができるので、タイトフレームの載置部を梁材のフランジ上に良好な状態でスタッド溶接することができることを究明した。
即ち、このタイトフレームの載置部を梁材のフランジ上に良好な状態でスタッド溶接することができる位置関係の一定の条件とは、スタッド溶接用フェルールの余盛形成部の下面がタイトフレームの載置部の側端縁及び梁材のフランジの表面に当接し、スタッドの中心軸と梁材のフランジの表面とで形成される角度が70〜80度の所定角度で且つスタッドの中心軸がタイトフレームの載置部の側端縁に位置する状態と梁材の幅方向から見てタイトフレームの載置部の側端縁から梁材のフランジ側にスタッドの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあることであり、更にこのような良好な状態でスタッド溶接することができる位置関係の一定の条件の範囲内において、タイトフレームの載置部側部の山部側近傍、即ちタイトフレームの山部の両側の立上がり部近傍に位置するそれぞれの載置部の両側部の合計4箇所の部位で、タイトフレームの載置部を梁材のフランジ上にスタッド溶接すれば、タイトフレームを強固に梁材のフランジ上に固定することができることを究明したのである。
そこで、次に熟練した作業者でなくとも常に前記の如き良好な状態でスタッド溶接することができる位置関係の一定の条件の範囲内で正確にタイトフレームの載置部を梁材のフランジ上にスタッド溶接することができる溶接用位置決め治具について、更に研究を重ねた結果、タイトフレームを梁材のフランジ上に載置した後に、正確にタイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行な状態となるように簡単に位置合わせができ且つスタッド溶接等の作業を行っている間にタイトフレームが幅方向へとズレてしまうことがないように維持することができる機構、スタッド溶接等の作業を行っている間にタイトフレームが長手方向へとズレてしまうことがないように維持する機構、及び前記の如き良好な状態でスタッド溶接することができる位置関係の一定の条件の範囲内で、且つタイトフレームの載置部側部の山部側近傍の計4箇所の部位で簡単にタイトフレームの載置部を梁材のフランジ上にスタッド溶接できるように、スタッド溶接用フェルール及びスタッドが装着されたスタッドガンのノズル部を誘導案内することができる機構を備えた溶接用位置決め治具であれば、一般的なスタッド,スタッド溶接用フェルールやスタッドガンを用いて、タイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行に簡単に良好な状態でスタッド溶接することができることを究明して本発明を完成したのである。
即ち本発明は、余盛形成部の下面がスタッド挿通穴の軸線に対して直角なスタッド溶接用フェルール及びその直径が8〜13mmで下端にフラックス部が突出形成されているスタッドが装着されたスタッドガンを用いて、少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmであるタイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に該梁材の長手方向と平行にスタッド溶接する際に、スタッドガンを所定位置へ案内するための溶接用位置決め治具であって、
梁材のフランジ及びタイトフレームの載置部を跨いで底面に設けられている凹溝の対向する内面をフランジの両側縁に当接せしめて梁材のフランジに係合されるフランジ係合部材と、底面に設けられている凹溝の対向する内面を梁材のフランジ上に載置されるタイトフレームの載置部の両側縁にそれぞれ当接せしめてタイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行にに位置規制するタイトフレーム位置規制部材とから成り、該フランジ係合部材と該タイトフレーム位置規制部材との少なくとも何れかが梁材のフランジ上及び/又はタイトフレームの載置部上に当接する一対のベース部材と、
両該ベース部材を梁材の長手方向と直角にタイトフレームの山部を挟んで対峙して位置せしめるように梁材のフランジの幅方向にタイトフレームの山部からそれぞれ所定距離離れた位置で両該ベース部材に固定されて、該フランジ係合部材と該タイトフレーム位置規制部材との相対位置を規定している一対の支持部材と、
一対の支持部材にそれぞれその両端が固定されておりタイトフレームの山部のそれぞれの立上がり部に当接してタイトフレームの梁材の長手方向への移動を規制する一対の当接部材と、
スタッド溶接用フェルールの余盛形成部の下面がタイトフレームの載置部の側端縁及び梁材のフランジの表面に当接し、スタッドの中心軸と梁材のフランジの表面とで形成される角度が70〜80度の所定角度で且つスタッドの中心軸がタイトフレームの載置部の側端縁に位置する状態と梁材の幅方向から見てタイトフレームの載置部の側端縁から梁材のフランジ側にスタッドの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあり且つタイトフレームの載置部側部の山部側近傍にスタッドガンを案内せしめるように、それぞれの該支持部材に固定されておりスタッド溶接用フェルール及びスタッドが装着されたスタッドガンのノズル部が摺動自在に挿通される筒状を成す4つの案内部材と、
から構成されていることを特徴とする溶接用位置決め治具である。
梁材のフランジ及びタイトフレームの載置部を跨いで底面に設けられている凹溝の対向する内面をフランジの両側縁に当接せしめて梁材のフランジに係合されるフランジ係合部材と、底面に設けられている凹溝の対向する内面を梁材のフランジ上に載置されるタイトフレームの載置部の両側縁にそれぞれ当接せしめてタイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行にに位置規制するタイトフレーム位置規制部材とから成り、該フランジ係合部材と該タイトフレーム位置規制部材との少なくとも何れかが梁材のフランジ上及び/又はタイトフレームの載置部上に当接する一対のベース部材と、
両該ベース部材を梁材の長手方向と直角にタイトフレームの山部を挟んで対峙して位置せしめるように梁材のフランジの幅方向にタイトフレームの山部からそれぞれ所定距離離れた位置で両該ベース部材に固定されて、該フランジ係合部材と該タイトフレーム位置規制部材との相対位置を規定している一対の支持部材と、
一対の支持部材にそれぞれその両端が固定されておりタイトフレームの山部のそれぞれの立上がり部に当接してタイトフレームの梁材の長手方向への移動を規制する一対の当接部材と、
スタッド溶接用フェルールの余盛形成部の下面がタイトフレームの載置部の側端縁及び梁材のフランジの表面に当接し、スタッドの中心軸と梁材のフランジの表面とで形成される角度が70〜80度の所定角度で且つスタッドの中心軸がタイトフレームの載置部の側端縁に位置する状態と梁材の幅方向から見てタイトフレームの載置部の側端縁から梁材のフランジ側にスタッドの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあり且つタイトフレームの載置部側部の山部側近傍にスタッドガンを案内せしめるように、それぞれの該支持部材に固定されておりスタッド溶接用フェルール及びスタッドが装着されたスタッドガンのノズル部が摺動自在に挿通される筒状を成す4つの案内部材と、
から構成されていることを特徴とする溶接用位置決め治具である。
そして、このような本発明に係る溶接用位置決め治具において、両ベース部材に、その両端が回転自在に取り付けられていると共にタイトフレームの山部に当接しない形状に形成されている取手が設けられていれば、タイトフレームを梁材のフランジ上に載置した後に本発明に係る溶接用位置決め治具を設置し易いので好ましく、またベース部材が、フランジ係合部材とタイトフレーム位置規制部材とが一体をなすように形成されていれば、本発明に係る溶接用位置決め治具を構成する部材を少なくすることができて好ましいことも究明したのである。
また、当接部材のそれぞれの端部が、支持部材の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材に任意の位置で固定するための固定手段が設けられていたり、案内部材が、支持部材の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材に任意の位置で固定するための固定手段が設けられていたりすれば、当接部材や案内部材の位置を変更するだけで、一つの本発明に係る溶接用位置決め治具により様々な形状や寸法のタイトフレームに対応することができて好ましく、更に案内部材が、上部がラッパ状に拡径されていれば、筒状を成すそれぞれの案内部材にスタッドガンのノズル部を挿入し易いので、その作業性が向上して好ましいことも究明したのである。
本発明に係る溶接用位置決め治具は、前記の如き構成から成るものであるから、フランジ係合部材とタイトフレーム位置規制部材とから成る一対のベース部材とこれらを固定する一対の支持部材によって、タイトフレームを梁材のフランジ上に載置した後に、正確にタイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行な状態となるように簡単に位置合わせができ且つそスタッド溶接等の作業を行っている間にタイトフレームが幅方向へとズレてしまうことがないように維持することができるので、予め墨壺等で墨付けをするような煩わしい位置合わせ作業を一切行う必要がないばかりでなく、タイトフレームを梁材のフランジ上の所定位置に載置した後にタイトフレームがその所定位置よりズレないように手で押えながら溶接等の固定作業を行う必要がないから、作業性を格段に向上させることができ、また正確にタイトフレームを梁材のフランジ上の幅方向中央に梁材の長手方向と平行な状態で確実に維持するので、ズレた状態でタイトフレームが梁材のフランジ上に固定してしまったり、タイトフレームに屋根部材がうまく固定できなくなってしまったりすることを完全に防止することができるのである。
そして、本発明に係る溶接用位置決め治具は、タイトフレームの山部のそれぞれの立上がり部に当接する一対の当接部材によって、タイトフレームの山部を挟持する構成となっているから、スタッド溶接等の作業を行っている間にタイトフレームが長手方向へとズレてしまうことがないように維持するので、タイトフレームがその所定位置よりズレないように手で押えながら溶接等の固定作業を行う必要がないから、作業性を格段に向上させることができ、またタイトフレームが長手方向へズレることがないので、正確にタイトフレームの載置部側部の山部側近傍の計4箇所の部位へとスタッド溶接を行うことができる。
また、本発明に係る溶接用位置決め治具は、前記の如き良好な状態でスタッド溶接することができる位置関係の一定の条件の範囲内となるように、スタッドガンのノズル部を誘導案内することができるから、スタッド溶接用フェルール及びスタッドが装着されたスタッドガンのノズル部を、本発明に係る溶接用位置決め治具の筒状を成す案内部材に、そのスタッド溶接用フェルールの余盛形成部の下面がタイトフレームの載置部の側端縁及び梁材のフランジの表面に当接するまで挿入した後に、スタッドガンを起動させるだけで、スタッドの下端より放出されるアークによりタイトフレームの載置部の側端縁から梁材のフランジの表面に亘って効率的に溶融させることができるので、熟練した作業者でなくともタイトフレームを梁材のフランジ上に常に良好な状態で簡単にスタッド溶接することができるばかりでなく、タイトフレームを梁材のフランジ上にに直接スタッド溶接するものであるから、タイトフレームや梁材のフランジ自体に一切加工を施す必要がないのである。
更に、本発明に係る溶接用位置決め治具では、直径が8〜13mmで下端にフラックス部が突出形成されている一般的なスタッド,余盛形成部の下面がスタッド挿通穴の軸線に対して直角な一般的なスタッド溶接用フェルール及び一般的なスタッドガンを用いることができるから、特殊なスタッド、スタッド溶接用フェルールや、スタッド溶接機等を準備する必要が一切なく、コストの安い汎用品を使用することできるので、導入コストやランニングコストを安価にすることができ非常に経済的である。
更に、本発明に係る溶接用位置決め治具では、前記の如き良好な状態でスタッド溶接することができる位置関係の一定の条件の範囲内において更にタイトフレームの載置部側部の山部側近傍の計4箇所の部位で簡単にタイトフレームの載置部を梁材のフランジ上にスタッド溶接できるから、タイトフレームを強固に梁材のフランジ上に固定することができるので、屋根部材を浮き上がらせるような強力な吸引力が屋根部材に作用してもタイトフレームの載置部が浮いてしまったり、タイトフレームの溶接箇所が外れてしまったりすること防止することができる。
そして、このような本発明に係る溶接用位置決め治具において、両ベース部材にその両端が回転自在に取り付けられていると共にタイトフレームの山部に当接しない形状に形成されている取手が設けられていれば、タイトフレームを梁材のフランジ上に載置した後に本発明に係る溶接用位置決め治具を設置し易いので好ましいばかりでなく、例えば本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接を行った直後に、スタッド溶接によって発生する熱により案内部材や支持部材等が熱くなってしまった場合には、この取手を利用すれば本発明に係る溶接用位置決め治具を安全に撤去することができるので好ましい。
また、ベース部材がフランジ係合部材とタイトフレーム位置規制部材とが一体をなすように形成されていれば、本発明に係る溶接用位置決め治具を構成する部材を少なくすることができるので、本発明に係る溶接用位置決め治具を軽量化できると共に、その製造コストを安価にすることができて好ましい。
更に、当接部材のそれぞれの端部が、支持部材の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材に任意の位置で固定するための固定手段が設けられていたり、案内部材が、支持部材の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材に任意の位置で固定するための固定手段が設けられていたりすれば、当接部材や案内部材の位置を変更するだけで、一つの本発明に係る溶接用位置決め治具により様々な形状や寸法のタイトフレームに対応することができて好ましく、更に案内部材が、上部がラッパ状に拡径されていれば、筒状を成すそれぞれの案内部材にスタッドガンのノズル部を挿入し易いので、その作業性が向上して好ましい。
以下、図面により本発明に係る溶接用位置決め治具について詳細に説明する。
図1は本発明に係る溶接用位置決め治具の1実施例を示す斜視説明図、図2は図1に示す本発明に係る溶接用位置決め治具の設置状態を示す平面説明図、図3は図2の側面説明図、図4は図2の正面説明図、図5は本発明に係る溶接用位置決め治具の案内部材にスタッド溶接用フェルール及びスタッドが装着されたスタッドガンのノズル部を挿入した状態の1例をスタッドガンの一部を省略して示す側断面説明図、図6は図5に示す状態からスタッドガンによりアークを発生させることによってタイトフレームの載置部を梁材のフランジ上に溶接した後の状態の1例をスタッドガンの一部を省略して示す側断面説明図、図7は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際におけるスタッドの中心軸と梁材のフランジの表面とで形成される角度について模式的に示す側面説明図、図8は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際におけるスタッドの中心軸がタイトフレームの載置部の側端縁に位置する状態を模式的に示す側面説明図、図9は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際における側面から見て梁材の幅方向から見てタイトフレームの載置部の側端縁から梁材のフランジ側にスタッドの直径の1/6ズレて位置する状態を模式的に示す側面説明図、図10は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際に使用されるスタッド溶接用フェルールの1例を示す斜視説明図、図11は図10の側断面説明図、図12は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際に使用されるスタッド溶接用フェルールの他の1例を示す斜視説明図、図13は図12の側断面説明図、図14は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際に使用されるスタッドの1例を示す斜視説明図である。
図1は本発明に係る溶接用位置決め治具の1実施例を示す斜視説明図、図2は図1に示す本発明に係る溶接用位置決め治具の設置状態を示す平面説明図、図3は図2の側面説明図、図4は図2の正面説明図、図5は本発明に係る溶接用位置決め治具の案内部材にスタッド溶接用フェルール及びスタッドが装着されたスタッドガンのノズル部を挿入した状態の1例をスタッドガンの一部を省略して示す側断面説明図、図6は図5に示す状態からスタッドガンによりアークを発生させることによってタイトフレームの載置部を梁材のフランジ上に溶接した後の状態の1例をスタッドガンの一部を省略して示す側断面説明図、図7は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際におけるスタッドの中心軸と梁材のフランジの表面とで形成される角度について模式的に示す側面説明図、図8は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際におけるスタッドの中心軸がタイトフレームの載置部の側端縁に位置する状態を模式的に示す側面説明図、図9は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際における側面から見て梁材の幅方向から見てタイトフレームの載置部の側端縁から梁材のフランジ側にスタッドの直径の1/6ズレて位置する状態を模式的に示す側面説明図、図10は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際に使用されるスタッド溶接用フェルールの1例を示す斜視説明図、図11は図10の側断面説明図、図12は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際に使用されるスタッド溶接用フェルールの他の1例を示す斜視説明図、図13は図12の側断面説明図、図14は本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接する際に使用されるスタッドの1例を示す斜視説明図である。
図面中、1は梁材HのフランジH1及びタイトフレームTの載置部T1を跨いで底面に設けられている凹溝1aaの対向する内面をフランジH1の両側縁に当接せしめて梁材HのフランジH1に係合されるフランジ係合部材1aと、底面に設けられている凹溝1baの対向する内面を梁材HのフランジH1上に載置されるタイトフレームTの載置部T1の両側縁にそれぞれ当接せしめてタイトフレームTを梁材HのフランジH1上の幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行に位置規制するタイトフレーム位置規制部材1bとから成り、フランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの少なくとも何れかが梁材HのフランジH1上及び/又はタイトフレームTの載置部T1上に当接する一対のベース部材であり、タイトフレームTを梁材HのフランジH1上に載置した後に、図2〜図4に示す如く正確にタイトフレームTを梁材HのフランジH1上の幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行な状態となるように簡単に位置合わせさせ、且つスタッド溶接等の作業を行っている間にタイトフレームTが幅方向へとズレてしまうことがないようにその状態を維持させると共に、後述する支持部材2を梁材HのフランジH1上方に支持する役目を果たす。
この一対のベース部材1,1は、図2〜4に示す如くそのフランジ係合部材1aの底面に設けられている凹溝1aaの対向する内面がフランジH1の両側縁に、そのタイトフレーム位置規制部材1bの底面に設けられている凹溝1baの対向する内面が梁材HのフランジH1上に載置されるタイトフレームTの載置部T1の両側縁にそれぞれ当接せしめられること、及びフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの少なくとも何れかが梁材HのフランジH1上及び/又はタイトフレームTの載置部T1上に当接せしめられることによって、正確にタイトフレームTを梁材HのフランジH1上の幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行な状態となるように簡単に位置合わせさせ且つその状態を維持させるものである。
そして、この一対のベース部材1,1は、後述する一対の支持部材2,2によってそのフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置を規定された状態でそれぞれ梁材Hの長手方向と直角にタイトフレームTの山部T2を挟んで対峙して位置せしめるように梁材HのフランジH1の幅方向にタイトフレームTの山部T2からそれぞれ所定距離離れた位置でそれぞれ固定されており、例えば図示しないがそのフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置が離れている位置であってもよく、図1〜図4に示す如くそのフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置がそれぞれが当接したような位置、即ちフランジ係合部材1aがタイトフレーム位置規制部材1bに固定された状態であってもよく、この場合にフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとが溶接により固定されていたり、ボルトとナットによって締結されていたり、単に当接された状態で一対の支持部材2,2にそれぞれ固定されいたりしてもよい。
この一対のベース部材1,1としては、図1〜図4に示す如くそのフランジ係合部材1aがタイトフレーム位置規制部材1bに固定されていると共に後述する一対の支持部材2,2がそれぞれのベース部材1,1のタイトフレーム位置規制部材1b,1bに固定されている態様や、図示しないがそのタイトフレーム位置規制部材1bがフランジ係合部材1aに固定されていると共に一対の支持部材2,2がそれぞれのベース部材1,1のフランジ係合部材1a,1aに固定されている態様や、図示しないが一対の支持部材2,2がそれぞれのフランジ係合部材1a,1a及びタイトフレーム位置規制部材1b,1bにそれぞれ固定されている態様において、そのフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置がそれぞれが当接したような位置にある態様や、そのフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置が離れている位置にある態様等の様々な態様が存在するが、何れの態様であってもタイトフレームTを梁材HのフランジH1上の幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行に位置規制するため、そのフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの少なくとも何れかが梁材HのフランジH1上及び/又はタイトフレームTの載置部T1上に当接する必要がある。
また、図示しないが一対のベース部材1,1が、フランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとが一体をなすように形成されている態様であれば、本発明に係る溶接用位置決め治具を構成する部材を少なくすることができるので、本発明に係る溶接用位置決め治具を軽量化できると共に、その製造コストを安価にすることができて好ましい。
そして、図1〜図4に示す如く両ベース部材1,1に、その両端が回転自在に取り付けられていると共にタイトフレームTの山部T2に当接しない形状に形成されている取手5が設けられていれば、タイトフレームTを梁材HのフランジH1上に載置した後に本発明に係る溶接用位置決め治具を設置し易いので好ましいばかりでなく、例えば本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてスタッド溶接を行った直後に、スタッド溶接によって発生する熱により後述する案内部材4や支持部材2等が熱くなってしまった場合には、この取手5を利用すれば本発明に係る溶接用位置決め治具を安全に撤去することができるので好ましい。
2は両ベース部材1,1を梁材Hの長手方向にタイトフレームTの山部T2を挟んで対峙して位置せしめるように梁材HのフランジH1の幅方向にタイトフレームTの山部T2からそれぞれ所定距離離れた位置で両ベース部材1,1に固定されて、フランジ係合部材1aと該タイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置を規定している一対の支持部材であり、後述する当接部材3や案内部材4を所定位置に支持する役目を果たす。
この一対の支持部材2,2としては、図1〜図4に示す如く円柱状をなしていたり、図示しないが角柱状をなしていたりしてもよく、またベース部材1のフランジ係合部材1aに固定されていたり、タイトフレーム位置規制部材1bに固定されていたり、フランジ係合部材1a及びタイトフレーム位置規制部材1bに固定されていたりしてもよいが、少なくとも一対のベース部材1,1をそのフランジ係合部材1aとタイトフレーム位置規制部材1bとの相対位置を規定された状態でそれぞれ梁材Hの長手方向と直角にタイトフレームTの山部T2を挟んで対峙して位置せしめるように梁材HのフランジH1の幅方向にタイトフレームTの山部T2からそれぞれ所定距離離れた位置で固定できるものである必要がある。
3は一対の支持部材2,2にそれぞれその両端が固定されておりタイトフレームTの山部T2のそれぞれの立上がり部T3に当接してタイトフレームTの梁材Hの長手方向への移動を規制する一対の当接部材であり、図2及び図4に示す如くタイトフレームTの山部T2のそれぞれの立上がり部T3,T3に当接することにによって、タイトフレームTの山部T2を挟持し、スタッド溶接等の作業を行っている間にタイトフレームTが長手方向へとズレてしまうことがないように維持する役目を果たす。
この一対の当接部材3,3としては、図示しないが予めタイトフレームTの山部T2のそれぞれの立上がり部T3に当接する位置となるようにそれぞれその両端が支持部材2,2に固定されているものであってもよいが、図1〜図4に示す如く当接部材3のそれぞれの端部が、支持部材2,2の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材2,2に任意の位置で固定するための固定手段3aが設けられていれば、一つの本発明に係る溶接用位置決め治具により様々な形状や寸法の山部T2を有するタイトフレームTに対応することができて好ましい。
そして、この当接部材3のそれぞれの端部が、支持部材2の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材2に任意の位置で固定するための固定手段3aが設けられている態様としては、例えば図1〜図4に示す如く当接部材3のそれぞれの端部が支持部材2,2の長手方向に摺動自在となるように円筒状をなし且つこの端部の円筒状部の外側面より内側面へ向けて雌ねじが穿設貫通されていると共に、手回し可能な蝶ボルト等からなる固定手段3aを円筒状部の雌ねじへ螺合せしめてその先端で支持部材2の外周面を押圧することにより支持部材2に任意の位置で固定するような構成のものを例示することができる。
4はスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面がタイトフレームTの載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接し、スタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θが70〜80度の所定角度で且つスタッドSの中心軸がタイトフレームTの載置部T1の側端縁に位置する状態と梁材Hの幅方向から見てタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1側にスタッドSの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあり且つタイトフレームTの載置部T1側部の山部T2側近傍にスタッドガンを案内せしめるように、それぞれの支持部材2,2に固定されておりスタッド溶接用フェルールF及びスタッドSが装着されたスタッドガンのノズル部Nが摺動自在に挿通される筒状を成す4つの案内部材であり、図5に示す如く良好な状態でスタッド溶接することができる位置関係の一定の条件の範囲内で、且つタイトフレームTの載置部T1側部の山部T2側近傍の計4箇所の部位で簡単にタイトフレームTの載置部T1を梁材HのフランジH1上にスタッド溶接できるように、スタッド溶接用フェルールF及びスタッドSが装着されたスタッドガンのノズル部Nを誘導案内する役目を果たす。
この案内部材4は、図5及び図6に示す如くスタッド溶接用フェルールF及びスタッドSが装着されたスタッドガンのノズル部Nが摺動自在に挿通できるように円筒状をなしており、スタッド溶接用フェルールF及びスタッドSが装着されたスタッドガンのノズル部Nを、そのスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面がタイトフレームTの山部T2側近傍の載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接するまで挿入した際に、スタッドS,梁材HのフランジH1の表面及びタイトフレームTの載置部T1の側端縁の位置関係が、前記の如き良好な状態でスタッド溶接することができる一定の条件の範囲内となるような角度でそれぞれ支持部材2,2に固定されている。
この案内部材4としては、図示しないがスタッドS,梁材HのフランジH1の表面及びタイトフレームTの載置部T1の側端縁の位置関係が、前記の如く良好な状態でスタッド溶接することができる一定の条件の範囲内となるような角度で、且つスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面がタイトフレームTの山部T2側近傍の載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接するように予め支持部材2に固定されているものであってもよいが、図1〜4に示す如く案内部材4が、支持部材2の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材2に任意の位置で固定するための固定手段4aが設けられていれば、一つの本発明に係る溶接用位置決め治具により様々な形状や寸法の山部T2を有するタイトフレームTに対応することができて好ましいばかりでなく、梁材HのフランジH1の表面及びタイトフレームTの載置部T1の側端縁の位置関係を前記の如く良好な状態でスタッド溶接することができる一定の条件の範囲内で調整することができるので、例えば様々な状況に合わせてスタッド溶接の条件を変更したい場合に対応することができて好ましい。
そして、案内部材4が、支持部材2の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材2に任意の位置で固定するための固定手段4aが設けられていれる態様としては、例えば図1〜図4に示す如く案内部材4の支持部材2に固定されている部位が支持部材2,2の長手方向に摺動自在となるように円筒状をなし且つこの円筒状部の外側面より内側面へ向けて雌ねじが穿設貫通されていると共に、手回し可能な蝶ボルト等からなる固定手段4aを円筒状部の雌ねじへ螺合せしめてその先端で支持部材2の外周面を押圧することにより支持部材2に任意の位置で固定するような構成のものを例示することができる。
次に、このような本発明に係る溶接用位置決め治具によりタイトフレームTを梁材HのフランジH1上にスタッド溶接する際に使用されるスタッド溶接用フェルールF及びスタッドSについて簡単に説明する。
スタッド溶接用フェルールFとしては、余盛形成部F1の下面がスタッド挿通穴F2の軸線に対して直角な形状のものであれば何でもよく、例えば図10及び図11に示す如く余盛形成部F1にガス抜き用溝F3が設けられているものや、図12及び図13に示す如く余盛形成部F1の底面が平面状を成すもの等の一般に市販されているスタッド溶接用フェルールが適宜使用でき、そしてこのスタッド溶接用フェルールFは、図5及び図6に示す如くそのスタッド挿通穴F2にスタッドSを挿通された状態でスタットガンのノズル部Nに装着される。
尚、このスタッド溶接用フェルールFの材料としては、耐熱性や電気絶縁性等の観点からセラミックスが好適に使用される。
スタッドSとしては、その直径が8〜13mmで下端にフラックス部S1が突出形成されているものであれば何でもよく、例えば一般に市販されているスタットボルト等も使用することができるが、図14に示す如く破断部用ノッチS2が形成されているスタッドを使用すれば、タイトフレームTを梁材HのフランジH1上にスタッド溶接した後にスタッドSの上方側の部位をハンマー等で打撃したり専用の工具で力を加えたりすることにより、破断部用ノッチS2を破断させてスタッドSの上方側の部位を除去することができるから、タイトフレームTを梁材HのフランジH1上に溶接した後にタイトフレームTに屋根部材を固定する際に、溶接されたスタッドSが邪魔にならないので好ましく、またスタッドSの上方側の部位をハンマー等で打撃したり専用の工具で力を加えたりした際に、スタッドSの破断部用ノッチS2のみが破断したことを確認することによって、スタッド溶接を行った後にタイトフレームTが梁材HのフランジH1上にに適正な強度で溶接されているが否かを簡単に判定することができるので好ましい。
次いで、このような本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてタイトフレームTを梁材HのフランジH1上の幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行にスタッド溶接する方法について詳細に説明する。
初めに準備として、余盛形成部F1の下面がスタッド挿通穴F2の軸線に対して直角なスタッド溶接用フェルールF,その直径が8〜13mmで下端にフラックス部S1が突出形成されているスタッドS及びスタッドガンを用意し、少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmであるタイトフレームTを、梁材HのフランジH1上の略幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行な状態となるように、梁材HのフランジH1上に載置する。
このような準備が完了した後に、梁材HのフランジH1上の略幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行に載置されたタイトフレームTの山部T2がその当接部材3,3に位置するように、且つ一対のベース部材1,1のそれぞれのフランジ係合部材1aの底面に設けられている凹溝1aaが梁材HのフランジH1及びタイトフレームTの載置部T1を跨ぐように、本発明に係る溶接用位置決め治具をタイトフレームTの上方より載置する。
この際、一対のベース部材1,1のそれぞれのフランジ係合部材1a,1aの溝1aaの対向する内面が梁材HのフランジH1の両側縁に当接し、一方でそれぞれのタイトフレーム位置規制部材1b,1bの凹溝1baの対向する内面が梁材HのフランジH1上に載置されたタイトフレームTの載置部T1の両側縁に当接していない状態で本発明に係る溶接用位置決め治具が少し上方に浮いた状態となっている場合には、タイトフレームTを幅方向に少しづつ移行させるだけで、タイトフレーム位置規制部材1b,1bの凹溝1baに梁材HのフランジH1上に載置されたタイトフレームTの載置部T1が嵌って本発明に係る溶接用位置決め治具が下方へ少し落ちると、タイトフレーム位置規制部材1b,1bの凹溝1baの対向する内面がタイトフレームTの載置部T1の両側縁に当接する状態、即ち正確にタイトフレームTを梁材HのフランジH1上の幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行な状態となるので、簡単に位置合わせができる。
かくして本発明に係る溶接用位置決め治具が載置されると、タイトフレームTは、一対のベース部材1,1によりその幅方向への移動を規制され、且つ一対の当接部材3,3がタイトフレームTの山部T2のそれぞれの立上がり部T3,T3に当接することによりその長手方向への移動を規制された状態となるから、スタッド溶接等の作業を行ったとしても、タイトフレームTがその所定位置よりズレてしまうことがないので作業性を格段に向上させることができる。
更に、前記の如く本発明に係る溶接用位置決め治具が載置されると、4つの案内部材4は、既に良好な状態でスタッド溶接することができる一定の条件の範囲内でそれぞれタイトフレームTの載置部T1側部の山部T2側近傍にスタッドガンを案内せしめることができる状態となるのである。
次に、スタッドSをスタッド挿通穴F2に挿通させた状態でスタッド溶接用フェルールF及びスタッドSをスタッドガンに装着せしめる。尚、この操作は予め行ってもよい。
次いで、案内部材4に、スタッド溶接用フェルールF及びスタッドSが装着されたスタッドガンのノズル部Nを挿入する。
この際、スタッドガンのノズル部Nは、図5に示す如く案内部材4によってスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面がタイトフレームTの載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接し、スタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θが70〜80度の所定角度で且つスタッドSの中心軸がタイトフレームTの載置部T1の側端縁に位置する状態と梁材Hの幅方向から見てタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1側にスタッドSの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあり且つタイトフレームTの載置部T1側部の山部T2側近傍に案内せしめられる。
より具体的には、図5に示す如くスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面をタイトフレームTの載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接させた状態で、言い換えればスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面がタイトフレームTの載置部T1の側端縁の2箇所及び梁材HのフランジH1の表面の1箇所の計3箇所で当接させた状態で、図7に示す如くスタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θが70〜80度となるように、且つ図8に示す如くスタッドSの中心軸がタイトフレームTの載置部T1の側端縁に位置する状態と、図9に示す如く梁材Hの幅方向から見てタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1側にスタッドSの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンが案内せしめられる。
即ち、図5に示す如くスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面をタイトフレームTの載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接させた状態において、スタッドSとタイトフレームTの載置部T1との位置関係が図8に示す如くスタッドSの中心軸がタイトフレームTの載置部T1側の側端縁に位置する状態に近付けば近付く程、図7に示すスタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θは鈍角になり、一方スタッドSとタイトフレームTの載置部T1の側端縁との位置関係が図9に示す如く梁材Hの幅方向から見てタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1側にスタッドSの直径の1/6ズレて位置する状態に近付けば近付く程、図7に示すスタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θは鋭角になるのであり、このようにスタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θが70〜80度の範囲内にあることにより、スタッドSの下端より放出されるアークによりタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1の表面Bに亘って効率的に溶融させることができるので、タイトフレームTの載置部T1を梁材HのフランジH1上に良好な状態でスタッド溶接することができるのである。
これは、スタッドSとタイトフレームTの載置部T1の側端縁との位置関係がスタッドSの中心軸がタイトフレームTの載置部T1の側端縁に位置する図8に示す如き状態よりも更にスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面と梁材HのフランジH1の表面とが当接する部位をタイトフレームTの載置部T1の側端縁の方向へ接近させた状態となる場合には、アークが放出されるスタッドSの下端はタイトフレームTの載置部T1の表面に対向することになるから、アークはタイトフレームTの載置部T1の表面から側縁部へ集中して梁材HのフランジH1の溶融量が少なくなって充分な溶接強度が得られず、一方スタッドSとタイトフレームTの載置部T1の側端縁との位置関係が側端縁から梁材HのフランジH1側にスタッドSの直径の1/6ズレて位置する図9に示す如き状態よりも更にスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面と梁材HのフランジH1の表面とが当接する部位をタイトフレームTの載置部T1の側端縁から離反させた状態となる場合には、アークが放出されるスタッドSの下端とタイトフレームTの載置部T1の側縁部との間の距離が遠すぎるから、アークは梁材HのフランジH1の表面へ集中してしまい梁材HのフランジH1の表面のみが溶融してしまうので、アークによりタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1の表面に亘って効率的に溶融させるためには、スタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θが70〜80度で且つスタッドSの中心軸がタイトフレームTの載置部T1の側端縁に位置する状態と梁材Hの幅方向から見てタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1側にスタッドSの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあるようにスタッドガンを案内せしめる必要がある。
次いで、このように案内部材4にスタッド溶接用フェルールF及びスタッドSが装着されたスタッドガンのノズル部Nを挿入した後に、スタッドガンによりアークを発生させることによってタイトフレームTの載置部T1の側縁部を梁材HのフランジH1上に溶接する。
より具体的には、案内部材4にによって図5に示す如くスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面がタイトフレームTの載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接し、スタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θが70〜80度の所定角度で且つスタッドSの中心軸がタイトフレームTの載置部T1の側端縁に位置する状態と梁材Hの幅方向から見てタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1側にスタッドSの直径の1/6ズレて位置する状態との間にあり且つタイトフレームTの載置部T1側部の山部T2側近傍にスタッドガンのノズル部Nを案内せしめられた状態でスタッドガンを起動させると、先ず弱い電流がスタッドSのフラックス部S1とタイトフレームTの載置部T1及び梁材HのフランジH1との間に流れると共にスタッドSのみがタイトフレームTの載置部T1及び梁材HのフランジH1より離反する方向へ引き上げられることによりパイロットアークが発生し、その後に更に強い電流を流すことによってスタッドSの下端より強力なアークが放出され、この強力なアークによりタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1の表面に亘って溶融すると共にスタッドSの下端側も溶融した後に、予め設定された時間が経過した後にスタッドSがタイトフレームTの載置部T1及び梁材HのフランジH1と当接する方向へ押し戻されると共に電流が遮断され、しかる後にタイトフレームTの載置部T1の側端縁と梁材HのフランジH1の表面とスタッドSの下端側とが冷却されることにより、図6に示す如く溶融したタイトフレームTの載置部T1の側端縁と梁材HのフランジH1の表面とスタッドSの下端側とが一体となって固化し、タイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1の表面に亘って適度な余盛が形成されることによって、タイトフレームTの載置部T1の側縁部を梁材HのフランジH1上に溶接される。
この際、図5に示す如くスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面をタイトフレームTの載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接させた状態では、スタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面がタイトフレームTの載置部T1の側端縁の2箇所及び梁材HのフランジH1の表面の1箇所の計3箇所で当接し、一方スタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面と梁材HのフランジH1の表面との間(図5においてスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1が梁材HのフランジH1の表面と当接している部位の左側に形成された三角形状の部位)、及びスタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面とタイトフレームTの載置部T1の表面との間(図5において前記三角形状の部位の左側に形成された左に開放した部位)に隙間が生じてしまうのであるが、これらの隙間がスタッドS自体の大きさと比してそれ程大きくないため、前記の如くスタッドガンによりアークを発生させることによってタイトフレームTの載置部T1の側縁部を梁材HのフランジH1上に溶接しても、これらの隙間からは余分な溶融した金属やスパッタ等が排出されるだけであるので、これらの隙間の存在に左右されることなくタイトフレームTの載置部T1を梁材HのフランジH1上に良好な状態でスタッド溶接することができるのである。
かくして、このように案内部材4にスタッド溶接用フェルールF及びスタッドSが装着されたスタッドガンのノズル部Nを挿入した後に、スタッドガンによりアークを発生させることによってタイトフレームTの載置部T1の側縁部を梁材HのフランジH1上に溶接する操作を、タイトフレームTの載置部T1側部の山部T2側近傍の計4箇所の部位について繰り返し行うことにより、タイトフレームTを梁材HのフランジH1上の幅方向中央に梁材Hの長手方向と平行に良好な状態でスタッド溶接した後に、本発明に係る溶接用位置決め治具を持ち上げて撤去すればよい。
この際、スタッドSとして、図14に示す如く破断部用ノッチS2が形成されているスタッドを使用した場合には、スタッドSの上方側の部位をハンマー等で打撃したり専用の工具で力を加えたりすることにより破断させてスタッドSの不要な上方側の部位を除去すればよい。
以下、本発明に係る溶接用位置決め治具を用いてタイトフレームTを梁材HのフランジH1上にスタッド溶接する実施例を示すが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
尚、実施例1〜3において用いられた各部材は以下の通りである。
スタッド溶接用フェルール:日本スタッドウェルディング社製,製品名:KSN−10
スタッド:日本スタッドウェルディング社製 製品名:NBLノックオフシリーズ(標準スタッド10φ)
タイトフレーム:日本鐵板社製,製品名:HK500用タイトフレームFタイプ
梁材:新日本製鉄社製錆止め塗料塗布済みH型鋼,製品名:SS400
スタッド溶接装置本体:日本スタッドウェルディング社製,製品名:NSW15T
スタッドガン:日本スタッドウェルディング社製,製品名:NS40SD(ダンパー付)
スタッド溶接用フェルール:日本スタッドウェルディング社製,製品名:KSN−10
スタッド:日本スタッドウェルディング社製 製品名:NBLノックオフシリーズ(標準スタッド10φ)
タイトフレーム:日本鐵板社製,製品名:HK500用タイトフレームFタイプ
梁材:新日本製鉄社製錆止め塗料塗布済みH型鋼,製品名:SS400
スタッド溶接装置本体:日本スタッドウェルディング社製,製品名:NSW15T
スタッドガン:日本スタッドウェルディング社製,製品名:NS40SD(ダンパー付)
実施例1では、本発明に係る溶接用位置決め治具を用いて前記の如き方法によりてタイトフレームTを梁材HのフランジH1上にスタッド溶接を行った。詳しくは、タイトフレームTの各溶接される箇所の板厚は2.8mmであり、スタッド溶接用フェルールF及びスタッドSをスタッドガンに装着せしめた後に、スタッド溶接用フェルールFの余盛形成部F1の下面がタイトフレームTの載置部T1の側端縁及び梁材HのフランジH1の表面に当接させ、スタッドSの中心軸と梁材HのフランジH1の表面とで形成される角度θが概ね70〜80度の範囲で、且つ梁材Hの幅方向から見てスタッドSの中心軸がタイトフレームTの載置部T1の側端縁から梁材HのフランジH1側に概ね0〜1.6mmの範囲(即ち、スタッドSの直径の0〜1/6ズレて位置する状態)となるように図1〜図4に示す如き溶接用位置決め治具を用いてガンを位置せしめ、しかる後にスタッドガンによりアークを発生させることによって溶接を行った。尚、溶接条件の詳細は、溶接電流が700A,溶接時間が0.40sec,突出代が8mm,引上げ代が1.0mmである。
尚、実施例2及び3についても、上記実施例1と同様である。
尚、実施例2及び3についても、上記実施例1と同様である。
試験方法は、実施例1〜3において梁材HのフランジH1上にスタッド溶接されたタイトフレームTの山部T2を梁材HのフランジH1側と離反する方向へと引張り、タイトフレームT又は溶接箇所等が破断した時点での最大張力を測定した。測定結果は、下記表1に示す通りである。
表1の結果からも明らかなように、本発明に係る溶接用位置決め治具を用いて前記の如き方法によりてタイトフレームTを梁材HのフランジH1上にスタッド溶接した場合には、最大張力の平均が25.93kNであり、またそのバラツキも±5kN以内に収まるものであるから、タイトフレームTに求められる溶接強度を充分に満たしていることが判明した。
1 ベース部材
1a フランジ係合部材
1aa 凹溝
1b タイトフレーム位置規制部材
1ba 凹溝
2 支持部材
3 当接部材
3a 固定手段
4 案内部材
4a 固定手段
5 取手
T タイトフレーム
T1 載置部
T2 山部
T3 立上がり部
H 梁材
H1 フランジ
F スタッド溶接用フェルール
F1 余盛形成部
F2 スタッド挿通穴
F3 ガス抜き用溝
S スタッド
S1 フラックス部
S2 破断部用ノッチ
N スタッドガンのノズル部
θ スタッドの中心軸と梁材のフランジの表面とで形成される角度
1a フランジ係合部材
1aa 凹溝
1b タイトフレーム位置規制部材
1ba 凹溝
2 支持部材
3 当接部材
3a 固定手段
4 案内部材
4a 固定手段
5 取手
T タイトフレーム
T1 載置部
T2 山部
T3 立上がり部
H 梁材
H1 フランジ
F スタッド溶接用フェルール
F1 余盛形成部
F2 スタッド挿通穴
F3 ガス抜き用溝
S スタッド
S1 フラックス部
S2 破断部用ノッチ
N スタッドガンのノズル部
θ スタッドの中心軸と梁材のフランジの表面とで形成される角度
Claims (6)
- 余盛形成部(F1)の下面がスタッド挿通穴(F2)の軸線に対して直角なスタッド溶接用フェルール(F)及びその直径が8〜13mmで下端にフラックス部(S1)が突出形成されているスタッド(S)が装着されたスタッドガンを用いて、少なくともその溶接される部位の板厚が2〜4mmであるタイトフレーム(T)を梁材(H)のフランジ(H1)上の幅方向中央に該梁材(H)の長手方向と平行にスタッド溶接する際に、スタッドガンを所定位置へ案内するための溶接用位置決め治具であって、
梁材(H)のフランジ(H1)及びタイトフレーム(T)の載置部(T1)を跨いで底面に設けられている凹溝(1aa)の対向する内面をフランジ(H1)の両側縁に当接せしめて梁材(H)のフランジ(H1)に係合されるフランジ係合部材(1a)と、底面に設けられている凹溝(1ba)の対向する内面を梁材(H)のフランジ(H1)上に載置されるタイトフレーム(T)の載置部(T1)の両側縁にそれぞれ当接せしめてタイトフレーム(T)を梁材(H)のフランジ(H1)上の幅方向中央に梁材(H)の長手方向と平行に位置規制するタイトフレーム位置規制部材(1b)とから成り、該フランジ係合部材(1a)と該タイトフレーム位置規制部材(1b)との少なくとも何れかが梁材(H)のフランジ(H1)上及び/又はタイトフレーム(T)の載置部(T1)上に当接する一対のベース部材(1,1)と、
両該ベース部材(1,1)を梁材(H)の長手方向と直角にタイトフレーム(T)の山部(T2)を挟んで対峙して位置せしめるように梁材(H)のフランジ(H1)の幅方向にタイトフレーム(T)の山部(T2)からそれぞれ所定距離離れた位置で両該ベース部材(1,1)に固定されて、該フランジ係合部材(1a)と該タイトフレーム位置規制部材(1b)との相対位置を規定している一対の支持部材(2,2)と、
該一対の支持部材(2,2)にそれぞれその両端が固定されておりタイトフレーム(T)の山部(T2)のそれぞれの立上がり部(T3)に当接してタイトフレーム(T)の梁材(H)の長手方向への移動を規制する一対の当接部材(3,3)と、
スタッド溶接用フェルール(F)の余盛形成部(F1)の下面がタイトフレーム(T)の載置部(T1)の側端縁及び梁材(H)のフランジ(H1)の表面に当接し、スタッド(S)の中心軸と梁材(H)のフランジ(H1)の表面とで形成される角度が70〜80度の所定角度で且つスタッド(S)の中心軸がタイトフレーム(T)の載置部(T1)の側端縁に位置する状態と梁材(H)の幅方向から見てタイトフレーム(T)の載置部(T1)の側端縁から梁材(H)のフランジ(H1)側にスタッド(S)の直径の1/6ズレて位置する状態との間にあり且つタイトフレーム(T)の載置部(T1)側部の山部(T2)側近傍にスタッドガンを案内せしめるように、それぞれの該支持部材(2,2)に固定されておりスタッド溶接用フェルール(F)及びスタッド(S)が装着されたスタッドガンのノズル部(N)が摺動自在に挿通される筒状を成す4つの案内部材(4,4,4,4)と、
から構成されていることを特徴とする溶接用位置決め治具。 - 両ベース部材(1,1)に、その両端が回転自在に取り付けられていると共にタイトフレーム(T)の山部(T2)に当接しない形状に形成されている取手(5)が設けられている請求項1に記載の溶接用位置決め治具。
- ベース部材(1)が、フランジ係合部材(1a)とタイトフレーム位置規制部材(1b)とが一体をなすように形成されている請求項1又は2に記載の溶接用位置決め治具。
- 当接部材(3)のそれぞれの端部が、支持部材(2)の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材(2)に任意の位置で固定するための固定手段(3a)が設けられている請求項1から3までの何れか1項に記載の溶接用位置決め治具。
- 案内部材(4)が、支持部材(2)の長手方向に移動自在な形状に形成されていると共に、支持部材(2)に任意の位置で固定するための固定手段(4a)が設けられている請求項1から4までの何れか1項に記載の溶接用位置決め治具。
- 案内部材(4)が、上部がラッパ状に拡径されている請求項1から5までの何れか1項に記載の溶接用位置決め治具。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006132766A JP2007301598A (ja) | 2006-05-11 | 2006-05-11 | 溶接用位置決め治具 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2006
- 2006-05-11 JP JP2006132766A patent/JP2007301598A/ja not_active Withdrawn
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