JP2007300898A - 植物表皮の除去装置及び植物表皮の除去方法 - Google Patents

植物表皮の除去装置及び植物表皮の除去方法 Download PDF

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弘典 ▲松▼原
Hironori Matsubara
Kensuke Suzuki
健祐 鈴木
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Abstract

【課題】中実体の外面に表皮を有する植物(例えば靭皮植物)に対して、より強い摩擦力を植物外面に作用させることでその表皮を除去することにある。
【解決手段】除去装置17は、植物10を強制搬送する搬送部20と、植物10の表皮6を中実体から剥ぐ皮剥ぎ部30とを有し、搬送部20と皮剥ぎ部30は、植物10の搬送方向に直列配列されており、搬送部20は、回動力を付与されて植物10の搬送方向に正回転する2つのローラ22,26間に植物10を挟んで搬送力を付与する機構として構成されており、皮剥ぎ部30は、回動力を付与されて植物10の搬送方向に逆回転するローラ32(36)を有し、逆回転するローラ32(36)に植物10を当接させて植物10に対してその表皮6を中実体2,4から剥ぐことのできる摩擦力を付与する機構として構成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、中実体の外面に表皮を有する植物(例えば、野菜や靭皮植物)の表皮の除去装置及び植物表皮の除去方法に関する。
従来、摩擦力を利用して植物の表皮を除去する技術が知られている。例えば特許文献1には、竹の子の表皮を剥く対向配置した2つのローラを有する皮剥き装置が記載されている。皮剥き装置の2つのローラ外周には、竹の子の表皮との係りをよくするため(係止力を強めるため)の螺旋状の溝が設けられている。2つのローラ間に竹の子を投入すると竹の子がローラの回転力を受けて(摩擦力が作用して)軸回りに回転する。竹の子が回転するうちに、竹の子の皮の縁がローラ外周の螺旋状の溝と係り合い、竹の子より表皮がむき剥がされていく。つまり本装置では、摩擦力を有するローラに対して更に係止力を付与することで竹の子の中実体より表皮を除去する。
ここで上記植物の一例として苧麻(別名:ラミー、カラムシ)やケナフなどの靭皮植物があり、この靭皮植物の繊維が車輌などの内装品に使用されている(特許文献2を参照)。靭皮植物の繊維は、靭皮植物外面を覆う表皮とその芯部の中間に位置する靭皮部にある。靭皮部は、複数の繊維同士が接着成分(例えば、ヘミセルロースやペクチン)により互いに接着されてなる。靭皮繊維を採取するには、例えば、靭皮植物に熱をかけて接着成分を柔らかくする前処理を行い表皮ごと靭皮部を芯部より分離する。分離した表皮及び靭皮部を加圧リファイナなどの解繊機にて解繊処理して数本から数十本の靭皮繊維からなる靭皮繊維束を採取する。
しかしながら靭皮植物の中には苧麻などのようにその表皮の硬いものがある。解繊処理時において硬い表皮が残っていると硬い表皮に靭皮繊維が絡まるなどして解繊しにくく、繊維板に硬い表皮が混入することで繊維板の品質が低下する。このため、硬い表皮を有する靭皮植物においては解繊処理の前に表皮を除去しておくことが望ましい。
そこで、特許文献1の皮剥き装置に前処理をした靭皮植物を投入すると、靭皮植物外面の傷(ムケしろ)などに螺旋の溝が係り、そこから表皮がむき剥がされていく。
特開2000−4856号公報 特開平10−264117号公報
しかしながら上述の皮剥き装置では螺旋状の溝の係止力により、靭皮植物の表皮とともに靭皮部までもがむき剥がされてしまう。つまり靭皮植物では靭皮部と表皮とが連なっているので、表皮にできたムケしろに螺旋状の溝が係り合うと表皮及び靭皮部が一緒になって芯部よりむき剥がされるのである。もっともローラ表面に溝を付けることなく平滑状として(係止力を作用させずに)摩擦力のみを靭皮植物の外面に作用させればよいが、当該ローラより作用する摩擦力は、靭皮植物などの植物に対して、その表皮を除去できるほど強く作用するものではなかった。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、より強い摩擦力を植物外面に作用させることで植物の表皮を除去することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1の発明の植物表皮の除去装置は、中実体の外面に表皮を有する植物の表皮に摩擦力を作用させてその表皮を除去する植物表皮の除去装置であって、植物を強制搬送する搬送部と、植物の表皮を中実体から剥ぐ皮剥ぎ部とを有し、搬送部と皮剥ぎ部は、植物の搬送方向に直列配列されており、搬送部は、回動力を付与されて植物の搬送方向に正回転する2つのローラ間に植物を挟んで搬送力を付与する機構として構成されており、皮剥ぎ部は、回動力を付与されて植物の搬送方向に逆回転するローラを有し、逆回転するローラに植物を当接させて植物に対してその表皮を中実体から剥ぐことのできる摩擦力を付与する機構として構成されていることを特徴とする。
第1の発明の植物表皮の除去装置では、皮剥ぎ部と搬送部とが直列に配置される。搬送部は2つのローラを有し、この2つのローラに回動力を付与することで植物の搬送方向に正回転させる。そして2つのローラ間に植物を挟み、挟んだ植物に対して搬送力を付与して強制搬送する。そして皮剥ぎ部はローラを有し、このローラは、回動力を付与されて植物の搬送方向に逆回転する。搬送方向に対して逆向きに回転するローラが植物の外面に当接することで、植物に対してその表皮を中実体から剥ぐ(除去する)ことのできる摩擦力(従来よりも強い摩擦力)が植物の外面に作用する。
「中実体の外面に表皮を有する植物」とは、中実体の外面を表皮が覆う植物のことである。中実体とは、表皮で覆われた植物の内部構造体のことである。例えば、靭皮植物の中実体とは靭皮部及び芯部である。植物の具体例としては、例えば、ゴボウ,きゅうり,ダイコン,竹の子,長芋又はレンコンなどの長尺な棒状の野菜や、苧麻,ケナフ,ジュート,アサ,コウゾ又はミツマタなどの靭皮植物である。
また、第2の発明の植物表皮の除去装置は、第1の発明に記載された植物表皮の除去装置であって、搬送部は、皮剥ぎ部の配置位置より植物の搬送方向下流位置の配置位置とされており、皮剥ぎ部は、回動力を付与されて植物の搬送方向に逆回転する2つのローラ間に植物を挟んで植物に対してその表皮を中実体から剥ぐことのできる摩擦力を付与する機構として構成され、皮剥ぎ部の2つのローラは植物の搬送方向に逆回転及び正回転の回動力が付与可能とされており、皮剥ぎ部の2つのローラの回転は、搬送される植物が搬送部により強制搬送が可能となったことを検出する検出手段に基づいて正回転から逆回転に切り替えられることを特徴とする。
第2の発明の植物表皮の除去装置では、搬送部を、皮剥ぎ部の配置位置より植物の搬送方向下流位置に配置し、更に植物表皮の除去装置に検出手段を設ける。
皮剥ぎ部は、2つのローラを有し、この2つのローラ間に植物を挟み込む。皮剥ぎ部の2つのローラは、回動力を付与されることで植物の搬送方向に逆回転するとともに正回転する。皮剥き部の2つのローラを正回転させることにより搬送部まで植物を搬送する。そして検出手段により、皮剥ぎ部より搬送部へと植物が搬送されたこと(搬送部により植物が強制搬送可能となったこと)を検出する。この検出手段に基づいて、皮剥ぎ部の2つのローラの回転を正回転から逆回転に切り替えて植物の表皮を除去する。植物の外面には、皮剥ぎ部の2つのローラによって、より均一な摩擦力が作用する。上述の構成によれば、植物には、正回転する皮剥ぎ部又は搬送部により搬送力が付与される。このため連続して植物を投入しても、除去装置内で植物が渋滞してその流れが滞る(滞留する)ことが少なくなる。
ここで、皮剥ぎ部のローラの摩擦力は、2つのローラ間の隙間間隔(クリアランス)を調節して押圧力を変えることで容易に変更できる。また、2つのローラの摩擦係数を調節することによっても変更できる。なおローラの摩擦係数は、ローラを構成する材料及びローラ表面の粗さ(材質)を適宜変更することにより調節することができる。
また、第3の発明の植物表皮の除去装置は、第1の発明又は第2の発明に記載された植物表皮の除去装置であって、搬送部は、皮剥ぎ部の配置位置より植物の搬送方向下流位置の配置位置とされており、搬送部の2つのローラは、皮剥ぎ部のローラに付与された摩擦力よりも強い摩擦力を付与されていることを特徴とする。
第3の発明の植物表皮の除去装置では、搬送部が、植物の搬送方向下流位置に配置される。搬送部の搬送力は、2つのローラの摩擦力により生じる。そして、搬送部の2つのローラに付与された摩擦力は、皮剥ぎ部のローラに付与された摩擦力よりも強い。このため搬送部の搬送力がより確実に植物に付与され、本除去装置内における植物の搬送がよりスムーズに行われる。よって本除去装置に連続して植物を投入した場合であっても、植物の搬送がよりスムーズに行われるので、本除去装置内に植物が滞留することが低減される。
また、第4の発明の植物表皮の除去装置は、第3の発明に記載された植物表皮の除去装置であって、搬送部の2つのローラは、皮剥ぎ部のローラよりも高い摩擦係数を有することを特徴とする。
第4の発明の植物表皮の除去装置では、搬送部の2つのローラが、皮剥ぎ部のローラよりも摩擦係数の高い材質で構成されてなる。このため、搬送部の2つのローラ間のクリアランス(押圧力)を厳密に調整しなくとも、搬送部の2つのローラに付与された摩擦力を、皮剥ぎ部のローラに付与された摩擦力よりも強くすることができる。よって、搬送部の2つのローラ間のクリアランス調節機構を有さない簡易な構成(例えば、予め2つのローラの配置位置を固定した備え付けの構成)の装置でも植物表皮の除去が可能となる。
また、第5の発明の植物表皮の除去装置は、第1の発明から第4の発明のいずれかに記載された植物表皮の除去装置であって、皮剥ぎ部の配置位置より植物の搬送方向上流位置には、植物の表皮を傷付ける傷付部が配置され、傷付部は、植物の搬送方向に正回転する2つのローラ間に植物を挟んで植物の表皮を傷付ける機構として構成されており、傷付部としての第1の傷付部と第2の傷付部とは植物の搬送方向に連なって配置されており、第2の傷付部の2つのローラは、第1の傷付部の2つのローラの軸線に対してその軸線の角度を異ならして配置されていることを特徴とする。
第5の発明の植物表皮の除去装置では、皮剥ぎ部の配置位置より植物の搬送方向上流位置に傷付部が配置されている。傷付部は、植物の搬送方向に正回転する2つのローラにより構成されている。2つのローラの少なくとも1つは、例えば横断面凹凸形状を有し、正回転する2つのローラ間に植物を挟むことで植物の表皮を傷付ける(ムキしろを付ける)。
また傷付部は、第1の傷付部と第2の傷付部とからなる。第1の傷付部と第2の傷付部は植物の搬送方向に連なって配置されている。そして第2の傷付部の2つのローラは、第1の傷付部の2つのローラの軸線に対してその軸線の角度を異ならして配置されている。
このため、第1の傷付部が一の方向から植物表皮にムキしろを付け、第2の傷付部が、一の方向とは角度の異なる他の方向から植物表皮にムキしろを付けるので、植物の表皮にはより均一にムキしろが付けられることとなる。例えば、第2の傷付部の2つのローラを、第1の傷付部の2つのローラと互いの軸線を相互に直交させた状態で配置する。この場合、第1の傷付部が、植物の表皮に上下方向(一の方向)からムキしろを付け、続いて第2の傷付部が、植物の表皮に左右方向(一の方向とは90°角度の異なる他の方向)からムキしろを付ける。
また、第6の発明の植物表皮の除去装置は、第5の発明に記載された植物表皮の除去装置であって、皮剥ぎ部及び傷付部の少なくとも一方は、当接する植物に押されて弾性変形可能な柔軟性を有する第一ローラと、植物に押されても弾性変形しないだけの剛性を有する第二ローラとからなる2つのローラを有することを特徴とする。
第6の発明の植物表皮の除去装置では、皮剥ぎ部及び傷付部の少なくとも一方は、第一ローラと第二ローラとからなる2つのローラを有する。第一ローラは、当接する植物に押圧されて弾性的に変形可能な柔軟性を有する。第二ローラは、当接する植物に押圧されても弾性変形しないだけの剛性を有する。そして、第一ローラと第二ローラとの間を植物が通過するとき、植物は、剛性を有する第二ローラに当接しつつ第一ローラを押圧する。このとき押圧された第一ローラが、植物が通過可能となるように弾性変形することで、第一ローラと第二ローラとの間に植物が通過可能なクリアランスが確保される。
また、第7の発明の植物表皮の除去方法は、植物を、植物の搬送方向に正回転する2つのローラ間に挟んで強制的に搬送する搬送工程を有し、搬送工程では、搬送される植物を、植物の搬送方向に逆回転する2つのローラ間に挟み、2つのローラより摩擦力を作用させて植物の表皮を中実体から剥ぐことを特徴とする。
第7の発明の植物表皮の除去方法では、搬送工程において、植物の搬送方向に対して逆回転する2つのローラより均一な摩擦力が植物外面に作用する。このため植物には、当該2つのローラより得られるべき摩擦力が植物外面により均一に作用する。そして、2つのローラは搬送方向とは逆向きに回転するので、当該2つのローラより得られるべき摩擦力(従来よりも強い摩擦力)が作用する。このため、植物の表皮除去の確実性をより高めることができる。また、皮剥ぎ部の2つのローラの摩擦力を植物の種類に応じて調節することにより、靭皮植物を含めた複数種類の植物の表皮除去を行うことができる。
なお上述の場合において、中実体の外面に表皮を有する植物が靭皮植物の場合には、搬送工程の前に、植物の表皮内側の接着成分を柔らかくする前処理工程を行うことが望ましい。前処理工程を行うことにより、より靭皮部から表皮が剥がれやすくなる。このため、植物表皮の除去がより簡単となる。
更に、本発明に係る植物表皮の除去装置は、上記手段以外に次の各手段をとることができる。すなわち、第5の発明の植物表皮の除去装置であって、第1の傷付部は、第一ローラ装置と、それに連接する第二ローラ装置とで構成され、第一ローラ装置及び第二ローラ装置は、当接する植物に押されて弾性変形可能な柔軟性を有する第一ローラと、植物に押されても弾性変形しないだけの剛性を有する第二ローラとからなる2つのローラで構成され、第一ローラ装置は、第一ローラが一方側に配置されてなり、第二ローラ装置は、一方側とは異なる他方側に第一ローラが配置されてなることを特徴とする。
上述の手段によれば、第一ローラが弾性変形することで、第一ローラと第二ローラとの間に植物が通過可能なクリアランスが確保される。そして植物の表皮には、第二ローラ装置の第二ローラより一方側からムキしろが付けられ、第一ローラ装置の第二ローラにより一方側とは異なる他方側よりムキしろが付けられる。
第1の発明の植物表皮の除去装置及び第7の発明の植物表皮の除去方法によれば、植物表皮の除去の確実性を高めることができる。また、靭皮植物を含めた複数種類の植物の表皮除去を行うことができる。
第2の発明によれば、連続した植物表皮の除去が可能となる。
第3の発明によれば、連続した植物表皮の除去がより確実に可能となる。
第4の発明によれば、簡易な構成で植物表皮の除去が可能となる。
第5の発明によれば、植物表皮をムラなく除去することができる。
第6の発明によれば、簡易な構成により、2つのローラ間に植物が通過可能なクリアランスが確保される。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図1〜6を用いて説明する。図1〜4及び図6には、植物の搬送方向が矢線Aで示されている。
図1は、植物表皮の除去装置の内部構造(植物の表皮を除去するための機構)を示す斜視図である。本実施例では、図1の向かって左側を搬送方向上流とし、向かって右側を搬送方向下流とする。
植物表皮の除去装置17は、靭皮植物などの植物の外面を覆う表皮を除去するための装置である。植物表皮の除去装置17は、直方体形状の本体18と、本体18内部に配置された植物の表皮を除去するための機構とからなる。除去するための機構は、搬送方向上流から下流に向けて傷付部45と皮剥ぎ部30と搬送部20とが直列配置されて構成されている。除去機構の上方には、除去された植物の表皮を洗い流すための散水管16が配置されている。また除去機構の下方にも、除去された植物の表皮を洗い流すための散水管12が配置されている。以下、植物の表皮を除去する除去機構の構成要素について説明する。
傷付部45は、搬送方向上流に位置した第1の傷付部55と第2の傷付部40よりなる。本実施例の第1の傷付部55は、搬送方向の最も上流側に配置された第一ローラ装置60と、それに連接する第二ローラ装置50とで構成される。
第一ローラ装置60は、その横断面(軸心に対して直交に交わる平面で切断して得られる断面)が円形状のスポンジ状の第一上側ローラ62と、その横断面が凹凸形状の樹脂製の第一下側ローラ66とが上下に対向配置されて構成されている。第一上側ローラ62は、本体18の第1側壁18aと第2側壁18cとに架け渡された状態で回動自在に軸支されている。つまり、その回動中心軸(第一上側ローラ軸64)が、第1側壁18aと第2側壁18cを貫通し、両側壁18a,18cの外面に配置された軸受60a,60aにて回動自在に支持されている。また第一下側ローラ66も、本体18の第1側壁18aと第2側壁18cとに架け渡された状態で回動自在に軸支されている。第一下側ローラ軸68は軸受60bにて支持されている。
第二ローラ装置50は、上述の第一ローラ装置60と上下のローラ配置を逆にして構成されている。つまり、その横断面が凹凸形状の樹脂製の第二上側ローラ52と、その横断面が円形状のスポンジ状の第二下側ローラ56とが上下に対向配置されて構成されている。そして第二上側ローラ52及び第二下側ローラ56は、本体18の第1側壁18aと第2側壁18cとに架け渡された状態で回動自在に軸支されている。第二上側ローラ軸54は軸受50aにて回動自在に支持されている。第二下側ローラ軸58は軸受50bにて回動自在に支持されている。
ここで、第一ローラ装置60の第一上側ローラ62と第二ローラ装置50の第二下側ローラ56とが本発明の「第一ローラ」に該当する。第一ローラ装置60の第一上側ローラ62は上側(一方側)に配置され、第二ローラ装置50の第二下側ローラ56は下側(一方側とは異なる他方側)に配置されている。そして、両ローラ56,62は共にスポンジ状の構造を有し、後述の通り、当接する植物に押されて弾性変形可能な柔軟性を有する。
そして、第一ローラ装置60の第一下側ローラ66と第二ローラ装置50の第二上側ローラ52とが本発明の「第二ローラ」に該当する。両ローラ52,66は共に樹脂製の中実構造を有し、当接する植物に押されても弾性変形しないだけの剛性を有する。
第2の傷付部40は、その横断面が凹凸形状の樹脂製の左側ローラ42と、同じく断面が凹凸形状の樹脂製の右側ローラ46とが左右に対向配置されて構成されている。
そして左側ローラ42は、本体18の底面18bに立設された軸棒44に回動自在に軸支されている。右側ローラ46は、同じく底面18bに立設された軸棒48に回動自在に軸支されている。このため、第2の傷付部40の左側ローラ42及び右側ローラ46は、上述の第一ローラ装置60の第一上側ローラ62及び第一下側ローラ66(第二ローラ装置50の第二上側ローラ52及び第二下側ローラ56)と互いの軸線を相互に直交して(互いの軸線の角度を植物の軸線周方向に90°異ならして)配置されることとなる。
また左側ローラ42の軸棒44と右側ローラ46の軸棒48とは弾性ばね(図示略)で互いに接する方向へ付勢されている。したがって、左側ローラ42及び右側ローラ46は、その間に植物が通過可能となるよう互いに離れる方向に弾性的に拡開可能になっている。
皮剥ぎ部30は、その横断面が円形状のスポンジ状の上側除去ローラ32と、同じくその横断面が円形状のスポンジ状の下側除去ローラ36とが上下に対向配置されて構成されている。そして後述の通り、上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36により植物外面に摩擦力を作用させて表皮を除去する。上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36の摩擦力は、上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36間のクリアランス(押圧力)と材質(摩擦係数)及び回転速度とを適宜変更することで調節可能である。例えば、苧麻の表皮を除去する時は、その摩擦係数が0.5〜2.0の材質からなる上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36を使用することが望ましい。
そして上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36は、本体18の第1側壁18aと第2側壁18cとに架け渡された状態で回動自在に軸支されている。上側除去ローラ軸34は軸受30aにて回動自在に支持されている。下側除去ローラ軸38は軸受30bにて回動自在に支持されている。
なお、皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36は共にスポンジ状の構造を有し、後述の通り、当接する植物に押されて弾性変形可能な柔軟性を有する。
搬送部20は、その横断面が円形状の上側搬送ローラ22と、同じくその横断面が円形状の下側搬送ローラ26とが上下に対向配置されて構成されている。上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26は、上述の皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36よりも摩擦係数の高い材質(本実施例においては、ローラの材料としてゴムを用い、且つ所望の表面粗さに調整した)にて構成されている。
そして搬送部20の上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26は、本体18の第1側壁18aと第2側壁18cとに架け渡された状態で回動自在に軸支されている。上側搬送ローラ軸24は軸受20aにて回動自在に軸支されている。下側搬送ローラ軸28は軸受20bにて回動自在に支持されている。
また、上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26間のクリアランスは、皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36間のクリアランスよりも小さく設定されている。このため上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26は、皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36よりも植物外面に作用する押圧力が強められている。
また、上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26は、傷付部45及び皮剥ぎ部30の各ローラよりもその径寸法が小さくされている。このため上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26は、傷付部45及び皮剥ぎ部30のローラと比較して回転数が高められ易い構成となっている。
そして本体18の搬送方向下流側の出口には検出手段14が配設されている。検出手段14は、植物の搬送経路を跨ぐようにレーザ光発信機14aとレーザ光受信機14bとが対向配設されて構成されている。レーザ光発信機14aとレーザ光受信機14bの間を植物が通過することでレーザ光が遮られる。レーザ光が遮られることで検出手段14より検出信号が発信される。検出手段14より発信された検出信号に基づき、後述する第二モータ86の回転方向(正回転又は逆回転)が切り替えられる(図2〜4を参照)。そして、皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36の回転方向(正回転又は逆回転)が切り替えられる。
次に、植物の表皮を除去する除去機構の動力伝達機構(回動力付与機構)について図2〜4を参照して説明する。図2は、植物表皮の除去装置の正面図である。図3は、植物表皮の除去装置の平面図である。図4は、図2のB−B線断面図である。
本体18の下部には、上述の除去機構に動力を付与するための第一モータ76及び第二モータ86が配設されている。
先ず、第一モータ76に関する動力伝達機構について説明する。第一モータ76の軸73には駆動スプロケット74が固定されている。また第一ローラ装置60の第一下側ローラ軸68には、駆動スプロケット74と対応する位置に従動スプロケット68bが固定されている(図4を参照)。駆動スプロケット74と従動スプロケット68bとは無端状の第一チェン72が相互に噛み合い巻き回されることで連結されている。このため、第一モータ76の正回転に連動して第一下側ローラ軸68が正回転し、第一下側ローラ66を植物の搬送方向に正回転させる。
ここで「植物の搬送方向に正回転」とは、予め定められた搬送方向(本実施例では矢線Aで示す方向)へと植物を搬送するローラの回転方向を意味する。
第一下側ローラ軸68には更に駆動ギア68aが固定されている。また第一上側ローラ軸64には、その駆動ギア68aに噛み合う従動ギア64aが固定されている(図3を参照)。第一下側ローラ66の正回転が駆動ギア68aと従動ギア64aとを介して第一上側ローラ62に伝達される。このため、第一上側ローラ62を植物の搬送方向に正回転させることができる。
第一ローラ装置60の第一下側ローラ軸68には、更に第一伝達スプロケット68cが固定されている。また第二ローラ装置50の第二下側ローラ軸58には、第一伝達スプロケット68cと対応する位置に第二伝達スプロケット58cが固定されている。第二伝達スプロケット58cと第一伝達スプロケット68cとは無端状の第二チェン70が相互に噛み合い巻き回されることで連結されている。このため、第一下側ローラ軸68の正回転に連動して第二下側ローラ軸58が正回転し、第二下側ローラ56を植物の搬送方向に正回転させる。
第二下側ローラ軸58には更に駆動ギア58bが固定されている。第二上側ローラ軸54には、駆動ギア58bに噛み合う従動ギア54aが固定されている。第二下側ローラ56の正回転が駆動ギア58bと従動ギア54aとを介して第二上側ローラ52に伝達される。このため第二上側ローラ52を植物の搬送方向に正回転させることができる。
第二ローラ装置50の第二下側ローラ軸58には、更に第三伝達スプロケット58aが固定されている。また搬送部20の下側搬送ローラ軸28には、第三伝達スプロケット58aと対応する位置に第四伝達スプロケット28aが固定されている。第三伝達スプロケット58aと第四伝達スプロケット28aとは無端状の第三チェン78が相互に噛み合い巻き回されることで連結されている。このため、第二下側ローラ軸58の正回転に連動して下側搬送ローラ軸28が正回転し、下側搬送ローラ軸28を植物の搬送方向に正回転させる。ここで第四伝達スプロケット28aは、第三伝達スプロケット58aより径が小さく歯数が少ない。このため第二下側ローラ軸58の正回転は、第三伝達スプロケット58aから第四伝達スプロケット28aに伝達されることで、下側搬送ローラ軸28に回転数を増して伝達されることとなる。
下側搬送ローラ軸28には更に駆動ギア28bが固定されている。上側搬送ローラ軸24には、駆動ギア28bに噛み合う従動ギア24aが固定されている。下側搬送ローラ26の正回転が駆動ギア28bと従動ギア24aとを介して上側搬送ローラ22に伝達される。このため上側搬送ローラ22を植物の搬送方向に正回転させることができる。
次に、第二モータ86に関する動力伝達機構について説明する。第二モータ86の軸83には駆動スプロケット84が固定されている。また皮剥ぎ部30の下側除去ローラ軸38には、駆動スプロケット84と対応する位置に従動スプロケット38aが固定されている。従動スプロケット38aと駆動スプロケット84とは無端状の第四チェン80が相互に噛み合い巻き回されることで連結されている。このため、第二モータ86の逆回転又は正回転に連動して下側除去ローラ軸38が逆回転又は正回転し、下側除去ローラ36を植物の搬送方向に逆回転又は正回転させる。
下側除去ローラ軸38には更に駆動ギア38bが固定されている。また上側除去ローラ軸34には、駆動ギア38bに噛み合う従動ギア34aが固定されている。下側除去ローラ36の逆回転又は正回転が駆動ギア38bと従動ギア34aとを介して上側除去ローラ32に伝達される。このため上側除去ローラ32を植物の搬送方向に逆回転又は正回転させることができる。
本実施例における上述の構成によれば、第一ローラ装置60の第一上側ローラ62及び第一下側ローラ66と、第二ローラ装置50の第二上側ローラ52及び第二下側ローラ56と、搬送部20の上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26とは、第一モータ76により回転動力を付与されて植物の搬送方向に連動して正回転する。また搬送部20の上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26は、第一ローラ装置60及び第二ローラ装置50の各ローラよりも単位時間当たりの回転数が多い。
一方、皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32と下側除去ローラ36は、第一モータ76とは異なる第二モータ86により回転動力を付与されて植物の搬送方向に正回転又は逆回転する。このため、皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32と下側除去ローラ36を、第1の傷付部55及び搬送部20の各ローラと独立して植物の搬送方向に逆回転又は正回転させることができる。
次に、表皮の硬い靭皮植物の苧麻(使用するのは苧麻の茎である)を例にとり、植物の表皮を除去する方法について説明する。図5は、苧麻の茎の内部構成を示す断面図である。苧麻10は、内部コア2a及びコア2bからなる芯部2と、芯部2の外面を覆う靭皮部4と、靭皮部4の表面を覆い苧麻の外面を構成する表皮6とからなる。靭皮部4は、靭皮繊維4aと接着成分4bから構成される。
先ず前処理工程として、苧麻10の靭皮部4中の接着成分4bを柔らかくする。前処理工程を行うことで靭皮部4と表皮6の結合が弱くなり、靭皮部4から表皮6をより効率良く除去し易くなる。前処理方法としては、例えば、苧麻10を130℃〜180℃の温度で蒸煮する蒸煮処理がある。また接着成分4bを微生物により分解するレッティング処理がある。レッティング処理として例えば、苧麻10を、自然界に存在する池や沼などの水中に沈めて数日間常温で放置する。靭皮部4中の接着成分4bを水中の微生物により低分子化して柔らかくする。
図6は、図1に示す植物の表皮を除去するための機構の断面図である。同図の(I)は、皮剥ぎ部の各ローラが正回転したときの様子を示す。同図の(II)は、皮剥ぎ部の各ローラが逆回転したときの様子を示す。
上述の前処理後の苧麻10を、上述の植物表皮の除去装置17に投入する。
投入された苧麻10は、第一ローラ装置60の第一上側ローラ62と第一下側ローラ66の間に挟み込まれつつ通過していく。このとき苧麻10は、その横断面が凹凸形状の樹脂製の第一下側ローラ66に下方から当接することで、苧麻10外面の下側に凹凸状のムケしろが付けられる。そして同時に苧麻10は、第一下側ローラ66の上方に対向して配置された第一上側ローラ62を押圧する。押圧された第一上側ローラ62は、そのスポンジ状の構造に由来する柔軟性により苧麻10を包み込むように凹み変形する(苧麻10が通過可能となるよう弾性変形する)。このため、第一上側ローラ62と第一下側ローラ66の間に苧麻10が通過可能なクリアランスが確保される。そして第一上側ローラ62と第一下側ローラ66は植物の搬送方向に正回転する。このため苧麻10は、搬送方向Aへの搬送力が付与されて第二ローラ装置50へと搬送される。
続いて苧麻10は、第二ローラ装置50を通過する。このとき苧麻10は、その横断面が凹凸形状の樹脂製の第二上側ローラ52に上方から当接することで、苧麻10外面の上側に凹凸状のムケしろが付けられる。そして同時に苧麻10は、第二上側ローラ52の下方に対向して配置された第二下側ローラ56を押圧する。押圧された第二下側ローラ56は、そのスポンジ状の構造に由来する柔軟性により苧麻10を包み込むように凹み変形する(苧麻10が通過可能となるよう弾性変形する)。このため、第二上側ローラ52と第二下側ローラ56の間に苧麻10が通過可能なクリアランスが確保される。そして第二上側ローラ52と第二下側ローラ56は、植物の搬送方向に正回転する。このため苧麻10は、搬送方向Aへの搬送力が付与されて第2の傷付部40へと搬送される。
続いて苧麻10は、第2の傷付部40を通過する。このとき、その横断面が凹凸形状の左側ローラ42と、同じく横断面が凹凸形状の右側ローラ46とが左右から苧麻10外面に押圧される(図1を参照)。このため、苧麻10左右の表皮6に傷が付けられる。
また苧麻10をその間に挟んだ左側ローラ42及び右側ローラ46は互いに離れる方向に弾性的に拡開する。これにより左側ローラ42及び右側ローラ46の間には苧麻10が通過可能となるクリアランスが確保される。なお苧麻10には、上述の第1の傷付部55(第一ローラ装置60及び第二ローラ装置50)により搬送方向Aへの搬送力が付与されている。このため苧麻10は、第2の傷付部40に滞留することなく次の皮剥き部30へと搬送される。
上述の構成によれば、傷付部45を苧麻10が通過することで、その表皮6に上下左右から均一にムキしろが付けられる。このため、後述する皮剥き部30では、苧麻10の表皮6をムラなく剥がして除去することができる。
苧麻10は、続いて皮剥ぎ部30を通過する。皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32と下側除去ローラ36は、スポンジ状の構造に由来する柔軟性により苧麻10を包み込むように凹み変形する(苧麻10が通過可能となるよう弾性変形する)。このため、上側除去ローラ32と下側除去ローラ36の間に苧麻10が通過するクリアランスが確保される。そして上側除去ローラ32と下側除去ローラ36は、上述の検出手段14より検出信号が発信されていないので苧麻10の搬送方向に正回転する。つまり、皮剥き部30においても苧麻10に搬送方向Aへの搬送力が付与される。このため苧麻10は、皮剥き部30に滞留することなく次の搬送部20へと搬送される。
苧麻10は、続いて搬送部20を通過する。搬送部20の上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26には予め苧麻10が通過可能なクリアランスが確保されている。そして上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26は植物の搬送方向に正回転する。更に、上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26は、上述の通り、他の各部のローラよりも摩擦力が強く回転数が高い。このため苧麻10は、搬送方向Aへの強い搬送力が付与されて検出手段14(搬送方向下流の出口)へと強制的に搬送される。
搬送部20を通過した苧麻10は、検出手段14のレーザ光発信機14aとレーザ光受信機14b(図1を参照)の間を通過する。検出手段14のレーザ光が苧麻10により遮られる。このため、検出手段14により、皮剥ぎ部30より搬送部20へと苧麻10が搬送されたこと(搬送部20により苧麻10が強制搬送可能となったこと)が検出される。
そして検出手段14より検出信号が発信される。この検出信号に基づいて、第二モータ86の回転の向きが正回転から逆回転に切り替えられる(図2〜4を参照)。このため、皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32と下側除去ローラ36の正回転が逆回転に切り替えられる。上側除去ローラ32と下側除去ローラ36が逆回転することで苧麻10の表皮6が除去されていく。つまり、上側除去ローラ32と下側除去ローラ36が減速して正回転時の1/8程度の回転数となった頃から、苧麻10の表皮6を除去可能な摩擦力が苧麻10外面に作用し始める。そして上側除去ローラ32と下側除去ローラ36が逆回転に移行することで最大に近い摩擦力が均一に苧麻10外面に作用する。このため苧麻10の表皮6が除去される。
このとき、皮剥ぎ部30の上側除去ローラ32と下側除去ローラ36はスポンジ状の構造に由来する柔軟性により苧麻10の外面を覆うように包み込む。このため、苧麻10の外面全面に摩擦力を作用させることができる。
除去された表皮6は、逆回転する上側除去ローラ32と下側除去ローラ36に付着して靭皮部4より除去される。靭皮部4は、搬送部20の上側搬送ローラ22及び下側搬送ローラ26により芯部2とともに搬送方向Aの搬送力が作用する。このため靭皮部4は、表皮6と分離されて搬送方向下流の出口へ搬送される。よって、苧麻10の靭皮部4を芯部2に残しつつ、その表皮6のみを除去することができる。そして、上側除去ローラ32と下側除去ローラ36に付着した表皮6は、上述の散水管12,16の散水孔(図示しない)から散水された水により洗い流される。
このように苧麻10から表皮6を取り除いておくことで解繊処理時において靭皮繊維4aを効率的に採取することができる。例えば、靭皮部4の接着成分4bを水で除去しつつ靭皮繊維4aを採取する。こうして得られた靭皮繊維4aを材料として繊維板を製造する。製造された繊維板は、表皮6がほとんど混入していないので品質の高いものとなる。
本実施例にかかる植物表皮の除去装置17及び植物表皮の除去方法によれば、上述の通り、苧麻10の表皮6の除去の確実性をより高めることができる。
また搬送部20により苧麻10に搬送力がより確実に付与される。このため、本除去装置17内に苧麻10が滞留することなくその搬送がよりスムーズとなる。よって、本除去装置17に連続して苧麻10を投入することができる。つまり、連続投入した苧麻10の表皮6の除去がより確実に可能となる。
本実施例に係る植物表皮の除去装置及び除去方法は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他各種の実施の形態を取り得る。
本実施例では、2つのローラ(上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36)からなる皮剥ぎ部30の例を説明した。これとは異なり、1つのローラ(上側除去ローラ32又は下側除去ローラ36)で皮剥ぎ部30を構成してもよい。例えば、上側除去ローラ32のみで構成される皮剥ぎ部とする。この場合、上側除去ローラ32の下側対向位置に板材を配置しておくとよい。上側除去ローラ32と板材との間に植物が挟まれることで、上側除去ローラ32及び板材より植物に対して押圧力が作用するので、上側除去ローラ32より植物に対して所望の摩擦力を付与することができる。
また本実施例では、皮剥ぎ部30の2つのローラ(上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36)が共に逆回転する例を説明した。これとは異なり、上側除去ローラ32又は下側除去ローラ36のいずれか1つを逆回転させ、他方を正回転又は停止する構成としてもよい。例えば上側除去ローラ32を第二モータ86にて逆回転させ、下側除去ローラ36を、第一モータ76及び第二モータ86とは異なる第三モータに接続して正回転又は停止させる。また下側除去ローラ36を第一モータ76に接続して正回転させてもよい。
本実施例では、第一ローラ装置60と第二ローラ装置50からなる第1の傷付部55の例を説明した。これとは異なり、第1の傷付部を、その横断面が凹凸形状の樹脂製の上側ローラと、同じく横断面が凹凸形状の樹脂製の下側ローラとを上下に対向配置して構成してもよい。この場合には、上側ローラ及び下側ローラを、前述した左側ローラ42及び右側ローラ46と同じく、その間に植物が通過可能となるよう互いに離れる方向に弾性的に拡開可能に支持しておく。これによれば、第1の傷付部を構成する部品点数が少なくなるので装置の構造がより簡略化される。
また本実施例では、互いに離れる方向に弾性的に拡開する左側ローラ42及び右側ローラ46にて構成される第2の傷付部40の例を説明した。これとは異なり、第2の傷付部40を、前述した第1の傷付部55と同じく、その横断面が円形状のスポンジ状のローラと、横断面凹凸形状の樹脂製のローラを左右に対向配置して構成してもよい。これによれば、2つのローラの軸棒にバネを設けて拡開する構成とする必要がなく、簡易な構成であっても、2つのローラ間に植物が通過可能なクリアランスを得ることができる。
本実施例では、スポンジ状の上側除去ローラ32及び下側除去ローラ36とで構成される皮剥き部30の例を説明した。これとは異なり、ゴム又は樹脂製の除去ローラで構成される皮剥き部としてもよい。このとき皮剥ぎ部を、上述の傷付部45のように第一ローラ装置と第二ローラ装置で構成するとよい。つまり、上側除去ローラ及び下側除去ローラとで構成される第一のローラ装置により、上下方向から植物外面に摩擦力を作用させる。左側除去ローラ及び右側除去ローラとで構成された第二ローラ装置により、左右方向から植物外面に摩擦力を作用させる。スポンジ状のローラと比較してゴム製又は樹脂製のローラは、ローラ表面が滑らかなので、植物との摩擦による磨耗が少ない。このため、ローラの耐用期間が長くなる。なおゴム製又は樹脂製のローラの場合、付着した表皮を除去するための水が各ローラ間に入り込むことで植物外面にその摩擦力が十分に作用しないこともある。よって、ゴム製又は樹脂製のローラに付着した植物の表皮はブレード等の物理的手段や圧縮空気などで除去することが好ましい。
更に、皮剥ぎ部30のローラを、その毛先が植物を臨むように配置されたブラシ状構造としてもよい。ゴボウなどの表皮の硬い植物については、ブラシの毛先を利用して植物外面に摩擦力を不均一に作用させることで好適にその表皮を除去することができる。
本実施例では、搬送部20の各ローラ22,26を構成する材質の摩擦係数を高めることで、搬送部20の摩擦力を皮剥ぎ部30の摩擦力よりも強くする例を説明した。これとは異なり、搬送部の各ローラ間のクリアランスを狭めて押圧力を強くすることで、搬送部の摩擦力を皮剥ぎ部の摩擦力よりも強くしてもよい。これによれば、搬送部の各ローラの材質が皮剥ぎ部の各ローラの材質と同じものであっても、搬送部で作用させる摩擦力を強くすることができる。特に上述の例のように、皮剥ぎ部の各ローラの材質としてゴムや樹脂を用いる場合には好適である。
更に、搬送部の各ローラに係止力を付与することにより搬送力を強めてもよい。例えば、搬送部の各ローラ外周に一条の凸部を付けることで係止力を付与する。また搬送部の間ローラの横断面を凹凸形状としてもよい。上述のように搬送部の各ローラに強い摩擦力や係止力を付与することで、各ローラがより高速で回転した場合であっても植物外面と各ローラとの滑りをより軽減することができる。
本実施例においては、レーザ光発信機14aとレーザ光受信機14bとで構成される検出手段14の例を示した。これとは異なり、搬送部の各ローラの回転数を逐一検出する回転数検出センサを使用してもよい。回転数検出センサは、搬送部の両ローラに植物が挟まれることにより、各ローラの回転数が少なくなることを直接的に検出する。このため、検出信号を素早く皮剥き部に送信することができる。よって、皮剥き工程を素早く始めることができる。
本実施例においては、苧麻10を例にとり表皮6の除去方法を説明した。この他、他の中実体の外面に表皮を有する植物についても表皮除去が可能である。つまり、皮剥ぎ部の2つのローラの摩擦力を植物の種類に応じて調節することにより、靭皮植物を含めた複数種類の植物の表皮除去を行うことができる。
植物表皮の除去装置の内部構造(植物の表皮を除去するための除去機構)を示す斜視図である。 植物表皮の除去装置の正面図である。 植物表皮の除去装置の平面図である。 図2のB−B線断面図である。 苧麻の茎の内部構成を示す断面図である。 植物の除去方法を説明するための除去機構の断面図であり、(I)は、皮剥ぎ部の各ローラが正回転したときの様子を示し、(II)は、皮剥ぎ部の各ローラが逆回転したときの様子を示す。
符号の説明
2 芯部
4 靭皮部
6 表皮
10 苧麻
12,16 散水管
14 検出手段
17 植物表皮の除去装置
18a 第1側壁
18b 底面
18c 第2側壁
18 本体
20 搬送部
22 上側搬送ローラ
24 上側搬送ローラ軸
24a 従動ギア
26 下側搬送ローラ
28 下側搬送ローラ軸
28a 第四伝達スプロケット
28b 駆動ギア
30 皮剥ぎ部
32 上側除去ローラ
34 上側除去ローラ軸
34a 従動ギア
36 下側除去ローラ
38 下側除去ローラ軸
38a 従動スプロケット
38b 駆動ギア
40 傷付部
42 左側ローラ
44,48 軸棒
45 第一の傷付部
46 右側ローラ
50 第二ローラ装置
52 第二上側ローラ
54a 従動ギア
54 第二上側ローラ軸
55 傷付部
56 第二下側ローラ
58 第二下側ローラ軸
58a 第三伝達スプロケット
58b 駆動ギア
58c 第二伝達スプロケット
60 第一ローラ装置
62 第一上側ローラ
64 第一上側ローラ軸
64a 従動ギア
66 第一下側ローラ
68 第一下側ローラ軸
68a 駆動ギア
68b 従動スプロケット
68c 第一伝達スプロケット
70 第二チェン
72 第一チェン
74 駆動スプロケット
76 第一モータ
78 第三チェン
80 第四チェン
84 駆動スプロケット
86 第二モータ

Claims (7)

  1. 中実体の外面に表皮を有する植物の表皮に摩擦力を作用させてその表皮を除去する植物表皮の除去装置であって、
    前記植物を強制搬送する搬送部と、前記植物の表皮を中実体から剥ぐ皮剥ぎ部とを有し、該搬送部と該皮剥ぎ部は、前記植物の搬送方向に直列配列されており、
    前記搬送部は、回動力を付与されて前記植物の搬送方向に正回転する2つのローラ間に前記植物を挟んで搬送力を付与する機構として構成されており、
    前記皮剥ぎ部は、回動力を付与されて前記植物の搬送方向に逆回転するローラを有し、該逆回転するローラに前記植物を当接させて前記植物に対してその表皮を中実体から剥ぐことのできる摩擦力を付与する機構として構成されていることを特徴とする植物表皮の除去装置。
  2. 請求項1に記載の植物表皮の除去装置であって、
    前記搬送部は、前記皮剥ぎ部の配置位置より前記植物の搬送方向下流位置の配置位置とされており、
    前記皮剥ぎ部は、回動力を付与されて前記植物の搬送方向に逆回転する2つのローラ間に前記植物を挟んで前記植物に対してその表皮を中実体から剥ぐことのできる摩擦力を付与する機構として構成され、前記皮剥ぎ部の2つのローラは前記植物の搬送方向に逆回転及び正回転の回動力が付与可能とされており、
    前記皮剥ぎ部の2つのローラの回転は、搬送される前記植物が前記搬送部により強制搬送が可能となったことを検出する検出手段に基づいて正回転から逆回転に切り替えられることを特徴とする植物表皮の除去装置。
  3. 請求項1又は2に記載の植物表皮の除去装置であって、
    前記搬送部は、前記皮剥ぎ部の配置位置より前記植物の搬送方向下流位置の配置位置とされており、
    前記搬送部の2つのローラは、前記皮剥ぎ部のローラに付与された摩擦力よりも強い摩擦力を付与されていることを特徴とする植物表皮の除去装置。
  4. 請求項3に記載の植物表皮の除去装置であって、
    前記搬送部の2つのローラは、前記皮剥ぎ部のローラよりも高い摩擦係数を有することを特徴とする植物表皮の除去装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の植物表皮の除去装置であって、
    前記皮剥ぎ部の配置位置より前記植物の搬送方向上流位置には、前記植物の表皮を傷付ける傷付部が配置され、
    該傷付部は、前記植物の搬送方向に正回転する2つのローラ間に該植物を挟んで該植物の表皮を傷付ける機構として構成されており、
    前記傷付部としての第1の傷付部と第2の傷付部とは前記植物の搬送方向に連なって配置されており、
    前記第2の傷付部の2つのローラは、第1の傷付部の2つのローラの軸線に対してその軸線の角度を異ならして配置されていることを特徴とする植物表皮の除去装置。
  6. 請求項5に記載の植物表皮の除去装置であって、
    前記皮剥ぎ部及び傷付部の少なくとも一方は、当接する前記植物に押されて弾性変形可能な柔軟性を有する第一ローラと、前記植物に押されても弾性変形しないだけの剛性を有する第二ローラとからなる2つのローラを有することを特徴とする植物表皮の除去装置。
  7. 中実体の外面に表皮を有する植物の表皮に摩擦力を作用させてその表皮を除去する植物表皮の除去方法であって、
    前記植物を、前記植物の搬送方向に正回転する2つのローラ間に挟んで強制的に搬送する搬送工程を有し、
    該搬送工程では、搬送される前記植物を、前記植物の搬送方向に逆回転する2つのローラ間に挟み、該2つのローラより摩擦力を作用させて該植物の表皮を中実体から剥ぐことを特徴とする植物表皮の除去方法。


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