JP2007299834A - プリント基板及び電子部品収納基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
プリント基板及びこのプリント基板に電子部品が収納された電子部品収納基板において、基板35と、この基板を貫通する貫通孔45と、貫通孔45の開口部を囲むように基板の両面に形成されたリング状のランド部40,41とを有し、ランド部40,41を、その内径または内接円の直径が貫通孔の開口径よりも大きく、各内縁が貫通孔の開口部に対して非接触となるように配置する構成とし、また、この貫通孔に電子部品60が収納された構成とする。
【選択図】図12
Description
表面実装型のチップ部品は、長手を有する形状であり、その形状から、円筒形チップ部品と角形チップ部品とに分類されるが、所謂「0603」チップや「0402」チップと称される小型のチップ部品は、一般的に角形チップ部品であるため、通常、この角形チップ部品がプリント基板内に収納される電子部品として用いられる。
ここで、「0603」チップとは、長さが約0.6mm,幅が約0.3mmであるチップ部品を称し、「0402」チップとは、長さが約0.4mm,幅が約0.2mmであるチップ部品を称する。
また、表面実装型のチップ部品は、通常、長手方向の両端にそれぞれ電極を有している。
特許文献1に記載の電子部品収納基板は、その厚さ方向に、第1の内面形状を有する第1収納部と、第1の内面形状よりも大きい内面形状を有する第2収納部とを有し、この収納部にチップ部品が収納され、チップ部品の各電極に接続する配線パターンがそれぞれ形成されたものである。
そこで、特許文献1に記載の電子部品収納基板は、収納部とこの収納部に収納されたチップ部品との隙間を樹脂で充填する構成となっている。隙間を樹脂で充填することにより、このショート不良を防止することができる。
しかしながら、樹脂を充填する工程や、基板表面を平坦化するために充填後の余剰樹脂を除去する工程が必要になるので、工程が複雑化する。工程の複雑化は生産性を悪化させると共に生産コストを高くする要因となるため、その改善が望まれる。
チップ部品の電極と配線パターンとが剥離すると、その剥離の程度にも因るが、電極と配線パターンとの接続抵抗が大きくなったり、断線してオープン不良となる。
チップ部品の主の構成材料はセラミックであり、その熱膨張係数は約5〜10ppm/℃である。また、プリント基板の主の構成材料はエポキシ樹脂であり、その厚さ方向の熱膨張係数は約40〜100ppm/℃であり、セラミックに対して4倍以上の値である。
この熱膨張係数の差に電子部品収納基板(プリント基板)の厚さをかけ算したものが熱膨張量の差となる。
しかしながら、Snと配線パターン材料であるCu(銅)とは密着性に劣るため、特許文献1に記載の電子部品収納基板に収納されるチップ部品の電極材料は、Ni(ニッケル),Cr(クロム),Ti(チタン)のいずれかの単体またはその合金とすることが望ましく、そのため、チップ部品の電極材料が限定されてしまう。
しかしながら、工程途中でチップ部品をプリント基板に収納するため、収納後の工程でこのプリント基板が不良になった場合、収納されたチップ部品も無駄になってしまう。従って、部材のロスが多くなり生産コストが高くなることが考えられ、その改善が望まれる。
1)基板(35)と、該基板をその厚さ方向に貫通する貫通孔(45)と、前記基板の一面側において、前記貫通孔の開口部を囲むように形成されたリング状の第1のランド部(40)と、前記基板の他面側において、前記貫通孔の開口部を囲むように形成されたリング状の第2のランド部(41)と、を有し、前記第1のランド部及び第2のランド部は、各内径または各内接円の直径が前記貫通孔の開口径よりも大きく、各内縁が前記貫通孔の開口部に対して非接触となるように配置されてなることを特徴とするプリント基板(50)である。
2)前記第1のランド部及び第2のランド部の少なくともいずれか一方は不連続部(80a,80b)を有することを特徴とする1)項記載のプリント基板である。
3)前記各内径または各内接円の直径の値をR1とし、前記貫通孔の開口径の値をR2とすると、前記R1と前記R2との差(R1−R2)が、0.02mm〜0.2mmの範囲内にあることを特徴とする1)項または2)項記載のプリント基板である。
4)1)項乃至3)項のいずれか1項に記載のプリント基板と、長手を有すると共に該長手の両端にそれぞれ電極部(61a,61b)を有し、前記長手の方向が前記貫通孔の軸方向となるように前記貫通孔に収納された電子部品(60)と、前記第1のランド部と該第1のランド部側の前記電極部とを電気的に接続する第1の接続部と、前記第2のランド部と該第2のランド部側の前記電極部とを電気的に接続する第2の接続部と、を有することを特徴とする電子部品収納基板(70)である。
5)前記プリント基板の厚さ方向において、前記プリント基板と前記電子部品との熱膨張量の差が0.015μm/℃以下であることを特徴とする4)項記載の電子部品収納基板である。
6)前記プリント基板は、前記基板と前記第1のランド部及び前記第2のランド部との間に、ヤング率が5GPa以下である絶縁層(17,18)がそれぞれ配置されてなることを特徴とする4)項記載の電子部品収納基板である。
図1〜図6は、本発明のプリント基板及び電子部品収納基板の第1実施例における第1工程〜第6工程をそれぞれ説明するための模式的断面図である。
図7及び図8は、本発明のプリント基板及び電子部品収納基板の第1実施例における第7工程を説明するための模式的断面図である。
図9は、本発明のプリント基板及び電子部品収納基板の第1実施例における第8工程を説明するための模式的断面図である。
図10及び図11は、本発明のプリント基板及び電子部品収納基板の第1実施例における第9工程を説明するための模式的断面図である。
図12は、本発明のプリント基板及び電子部品収納基板の第1実施例における第10工程を説明するための模式的断面図である。
図13及び図14は、本発明のプリント基板及び電子部品収納基板の第2実施例を説明するための模式的断面図である。
また、第1実施例における電子部品収納基板は、上記のプリント基板の貫通孔にチップ部品が収納され、各ランド部と各電極とがそれぞれ電気的に接続されたものである。
第2実施例におけるプリント基板及び電子部品収納基板は、上記のランド部に不連続部を設けたものである。
表面実装型のチップ部品として、チップ抵抗,チップコンデンサ,及びチップコイル等がある。
そして、収納されたチップ部品の各電極と各ランド部とは、それぞれ半田や導電性樹脂により電気的に接続することができる。
また、大判のコア材に第1工程〜第8工程を行った後にこのコア材を分断することによって複数のプリント基板50を得るが、図1〜図12では、説明をわかりやすくするために単体のプリント基板50を示すこととする。
まず、コア材2の両面に銅箔3a,3bが貼り合わされた、所謂、両面銅貼り板(単に、両面板という場合もある)1を準備する。
第1実施例では、コア材2の厚さt2を0.4mm、銅箔3a,3bの厚さをそれぞれ18μmとした。
また、コア材2は、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させた複合材料からなり、このコア材2の厚さ方向の熱膨張係数を、以下の手段により約30ppm/℃に調整した。
このコア材2の厚さ方向の熱膨張係数は、ガラスクロスとエポキシ樹脂との構成比率によって変えることができる。即ち、ガラスクロスの構成材料である二酸化ケイ素(SiO2)の熱膨張係数は約1〜5ppm/℃であり、エポキシ樹脂の熱膨張係数は約40〜100ppm/℃であるので、ガラスクロスのエポシキ樹脂に対する構成比率を大きくすることにより上述の熱膨張係数を小さくすることができ、この構成比率を小さくすることにより上述の熱膨張係数を大きくすることができる。
このコア材2の熱膨張係数を約30ppm/℃とした理由については後述することとする。
なお、図1では、説明をわかりやすくするために、ガラスクロスを破線で模式的に表している。
この貫通孔5は、ドリル加工やレーザ加工等により穿設することができる。第1実施例では、ドリル加工により、その直径が0.2mmとなるように貫通孔5を穿設した。
銅箔3a,3bのそれぞれの表面に例えば酸系のエッチング液を用いた表面処理を施して、各表面に形成されている自然酸化層を除去する。
次に、この自然酸化層が除去された銅箔3a,3bの各表面及び貫通孔5の内面に、例えば銅からなる第1めっき層7a,7bを形成する。この第1めっき層7a,7bは、例えば、無電解銅めっきを行った後さらに電解銅めっきを行うことで形成することができる。
内面が第1めっき層7a,7bで覆われた貫通孔5をIVH(Interstitial Via Hole)10と称す。
IVH10の内部に充填材9を充填する。
詳しくは、充填材9である孔埋め用インクを、例えばスクリーン印刷法により、IVH10の内部に充填させた後に硬化させる。その後、第1めっき層7a,7bの各表面より突出して硬化した余分なインクを、例えばバフ研磨により除去することによって、充填材9が充填された後の両面銅貼り板1の各表面を略平坦な面にする。
孔埋め用インクとしては市販の孔埋め用インクを使用することができ、孔埋め用インクを充填する他の充填方法としてロールコート法等を用いることができる。
フォトリソ法により、第1めっき層7a及び銅箔3aを選択的にエッチングして第1配線層11を形成し、また、第1めっき層7b及び銅箔3bを選択的にエッチングして第2配線層12を形成する。
この第1配線層11及び第2配線層12は、IVH10によって互いに電気的に接続されている。第1配線層11の厚さt11及び第2配線層12の厚さt12はそれぞれ30μmである。
上述の工程を経た両面銅貼り板1を両面配線板15と称す。
第1配線層11及び第2配線層12をそれぞれ覆うように、両面配線板15の両面に第1絶縁層17及び第2絶縁層18を形成する。
第1実施例では、第1絶縁層17の厚さt17(第1配線層11の表面上の厚さ)及び第2絶縁層18の厚さt18(第2配線層12の表面上の厚さ)をそれぞれ50μmとした。
また、第1絶縁層17及び第2絶縁層18は、エポキシ樹脂に無機フィラーを含浸させた複合材料からなり、この第1絶縁層17及び第2絶縁層18の熱膨張係数(特に厚さ方向の熱膨張係数)を以下の手段により約30ppm/℃に調整した。
無機フィラーの材料として、炭酸カルシウム(CaCO3),二酸化ケイ素(SiO2),及び酸化アルミニウム(Al2O3)等を用いることができる。
第1実施例では、エポキシ樹脂として熱硬化性のものを用い、無機フィラーの材料として二酸化ケイ素を用いた。
第1絶縁層17及び第2絶縁層18の熱膨張係数を約30ppm/℃とした理由については後述することとする。
まず、第1絶縁層17の所定位置にレーザ加工を行って第1配線層11が露出するように有底穴20を形成し、第2絶縁層18の所定位置にレーザ加工を行って第2配線層12が露出するように有底穴21を形成する。
第1実施例では、有底穴20及び有底穴21の各開口径を90μmとした。
内面が第2めっき層24a,24bで覆われた有底穴20及び有底穴21をLVH(Laser Via Hole)26及びLVH27と称す。
この第3配線層30及び第4配線層31が形成された両面配線板15を4層配線板35と称す。
従って、4層配線板35の厚さt35(第3配線層30の表面30aから第4配線層31の表面31aまでの距離に相当する)は、0.62mmである。
挿入図A1は、図6中の破線部A1を、図6における上側から見た平面図である。
挿入図A1に示すように、第3配線層30は、4層配線板35の所定位置に、内径R40aが0.52mm、外径R40bが0.8mmのリング状のランド部40を有している。
挿入図B1は、図6中の破線部B1を、図6における下側から見た平面図である。
挿入図B1に示すように、第4配線層31は、4層配線板35のランド部40と対応する位置に、内径R41aが0.42mm、外径R41bが0.7mmのリング状であり、その中心がランド部41の中心と一致するランド部41を有している。
まず、図7に示すように、4層配線板35に貫通孔43を、その中心軸がランド部40及びランド部41の各中心を通るようにドリル加工により穿設する。
第1実施例では、貫通孔43を、その直径R43bが0.30mmとなるように穿設した。
この第1の径部43aは、4層配線板35のランド部40が形成されている面側からその厚さ方向に、穿設する深さt43aが4層配線板35の厚さt35の約半分(0.31mm)となるように形成されている。
この第1の径部43aと第2の径部43bとが4層配線板35の厚さ方向に連接されてなる孔部45は、後述するチップ部品60を収納するための収納部45となる。
挿入図A2は図7中の破線部A2を図7における上側から見た平面図であり、挿入図B2は図7中の破線部B2を図7における下側から見た平面図であり、挿入図A3は図8中の破線部A3を図8における上側から見た平面図であり、挿入図B3は図8中の破線部B3を図8における下側から見た平面図である。
そこで、第1実施例では、図7中の挿入図A2,B2、及び、図8中の挿入図A3,B3に示すように、貫通孔43を、その中心軸がランド部40及びランド部41の略中心を通るように穿設する際に、ドリルが各ランド部40,41に接触しないように、各ランド部40,41の形状をリング状とし、貫通孔43の直径R43b(0.30mm)に対して、ランド部40の内径R40aを0.52mm、ランド部41の内径R41aを0.42mmとそれぞれ大きくした。
従って、上述の構成とすることにより、貫通孔43を穿設する際に、ドリルが各ランド部40,41に接触しないので、バリの発生を抑制することができる。
従って、上述の構成とすることにより、バリの発生を抑制して、ランド部40略中心を通るように第1の径部43aを穿設することができる。
第7工程を経た4層配線板35の両面に、所定の開口部を有するソルダーレジスト47a,47bを形成する。
第1実施例では、感光性を有するインク状のソルダーレジストをスクリーン印刷法を用いて4層配線板35の両面に塗布して乾燥させた後、フォトリソ法を用いて開口部を形成することによって、ソルダーレジスト47a,47bを形成した。
また、第1実施例では、図9中の挿入図A4,B4に示すように、ソルダーレジスト47aのランド部40における開口径R47aを0.7mmとし、ソルダーレジスト47bのランド部41における開口径R47bを0.6mmとした。
なお、挿入図A4は図9中の破線部A4を図9における上側から見た平面図であり、挿入図B4は図9中の破線部B4を図9における下側から見た平面図である。
長さが0.6mm、幅が0.3mm、厚さが0.2mmの直方体状であり、長手方向の両端に電極部61a,61bを有するチップ部品60を準備する。
このチップ部品60は、所謂「0603」チップと称する表面実装型の角形チップ部品であり、このようなチップ部品として、チップ抵抗,チップコンデンサ,及びチップコイル等の受動部品がある。
図10(a)では、説明をわかりやすくするために、チップ部品60を図10(b)に示す矢視S1からの斜視図で示している。
図10(b)は、チップ部品60を図10(a)における上側から見たときの模式的断面図である。
第1実施例では、プリント基板50の厚さ方向において、チップ部品60の電極部61b側の端面の位置がランド部41の表面{図10(c)における下側の面}と略一致するように、チップ部品60を第2の径部43b内に圧入させた。
このとき、チップ部品60の電極部61a側の端面とランド部40の表面{図10(c)における上側の面}との距離(プリント基板50の厚さ方向における距離)は20μmである。
また、チップ部品60を第2の径部43b内に挿入させた際、チップ部品60の対角長さL60(約0.36mm)は第2の径部43bの直径R43b(0.30mm)よりも若干大きいので、チップ部品60を第2の径部43b内に圧入することによって、チップ部品60は第2の径部43bに強嵌合する。
プリント基板50のランド部40とチップ部品60の電極部61aとを半田65によって電気的に接続し、また、ランド部41と電極部61bとを半田65によって電気的に接続することにより、図12(a)に示すように、第3配線層30と第4配線層31とをこのチップ部品60を介して電気的に接続されてなる電子部品収納基板70を得る。
また、電子部品収納基板70は、半田付けの際、半田の溶融粘度がめっき液対して非常に大きく、また、半田の表面張力によって、半田が収納部45とチップ部品60との隙間に入り込まないので、この隙間を樹脂で充填する必要がない。
また、発明者らは、電子部品収納基板に熱ストレスが加えられたときにチップ部品の電極と半田との剥離を防止する他の手段として、電子部品収納基板における絶縁層のヤング率に着目した。
そして、各電子部品収納基板70に熱衝撃試験を行って、熱衝撃試験後の各電子部品収納基板70におけるチップ部品の電極と半田との剥離の有無について調べ、その結果を図13にまとめた。
熱衝撃試験条件として、−(マイナス)50℃で30分保持した後125℃で30分保持することを1サイクルとし、これを500サイクルを行った。
図13は、電子部品収納基板70の厚さ方向におけるチップ部品60とプリント基板50との熱膨張量の差と、チップ部品の電極と半田との剥離の有無と、の関係を示すグラフである。
また、図13は、絶縁層のヤング率と、チップ部品の電極と半田との剥離の有無と、の関係を示すグラフである。
図13中の(a)は電子部品収納基板70の厚さが0.42mmのときの上記の関係を示し、(b)はこの厚さが0.62mmのときの上記の関係を示している。
また、図13中の“○”は、その条件においてチップ部品の電極と半田とが剥離しなかったものを示し、“×”は剥離したものを示している。
従って、この電子部品収納基板70の厚さ方向におけるプリント基板50とチップ部品60との熱膨張量の差は、{(30−5ppm/℃)×0.62mm}、即ち、0.0155μm/℃である。
図13に示すように、絶縁層のヤング率を5GPa以下にすることによって、チップ部品の電極と半田との剥離を防止できることを確認した。
絶縁層のヤング率を5GPa以下にすることによって、プリント基板50とチップ部品60との熱膨張量の差によって生じる熱応力をこの絶縁層で吸収できるため、チップ部品の電極と半田との剥離を防止できるものと考えられる。
図14において、挿入図A7は、図14中の破線部A7を図14における上側から見た平面図であり、挿入図B7は図14中の破線部B7を図14における下側から見た平面図である。
図15において、挿入図A8は、図15中の破線部A8を図15における上側から見た平面図であり、挿入図B8は図15中の破線部B8を図15における下側から見た平面図である。
また、図15において、(a)は挿入図A8における矢視S2からのA8a−A8b断面図であり、(b)は挿入図B8における矢視S3からのB8a−B8b断面図である。
なお、第1実施例と同じ構成要素については同じ符号を付すこととする。
第2実施例は、上述した第1実施例の第6工程において、ランド部40及びランド部41を形成する際、図14(挿入図A7,B7)に示すように、ランド部40が約100μmの幅w80aの不連続部80aを有するように、また、ランド部41が約100μmの幅w80bの不連続部80bを有するように、各ランド部40,41を形成する点で異なり、それ以外の工程及び条件は第1実施例と同様である。
この電子部品収納基板100は、プリント基板90のランド部40とチップ部品60の電極部61aとが半田65によって電気的に接続され、ランド部41と電極部61bとが半田65によって電気的に接続されている。
また、この電子部品収納基板100において、ランド部40の不連続部80aは、半田65が溶融した際の半田65の表面張力により、半田65で埋まらずに空洞状になっている。同様に、ランド部41の不連続部80bは、半田65が溶融した際の半田65の表面張力により、半田65で埋まらずに空洞状になっている。
例えば、ランド部40及び電極部61aにクリーム半田を塗布してリフロー炉でこのクリーム半田を溶融させた後、固化させることによって、ランド部40と電極部61aとはこの固化された半田65によって電気的に接続させる。
次に、ランド部41及び電極部61bにクリーム半田を塗布してリフロー炉でこのクリーム半田を溶融させる際、上記の間隙部の空気が熱膨張することによって、塗布されたクリーム半田の一部を外部に飛散させてしまう場合がある。
この飛散によって、塗布されたクリーム半田の量が不足するため、ランド部41と電極部61bとの接続が不十分になり、接続抵抗が大きくなったり、断線不良が発生する場合がある。
その後、ランド部41と電極部61bとを半田付けする際に、間隙部の空気が熱膨張しても、この膨張した空気は空洞状の不連続部80aを通って外部に放出されるため、上述したクリーム半田の飛散を防止することができる。
分断後の全てのプリント基板50,90を所定の検査基準に基づいて検査して良品のプリント基板50,90を選別し、この良品のプリント基板50,90のみに第9工程〜第10工程を行うことによって、チップ部品等の部材のロスを低減できると共に、生産性を向上させることができるため、生産コストを低減することができる。
発明者らが鋭意実験した結果、チップ部品60の対角長さL60と第2の径部43bの直径R43bとの差(R43b−L60)が40〜80μmの範囲内になるように設定することにより、チップ部品を破損させることなく第2の径部43bに強嵌合させることができる。
この場合、第1の径部43a内に挿入されたチップ部品60を安定させて第2の径部43bに嵌着させるためには、第2の径部43bでチップ部品60を嵌着可能とする範囲内であれば、第1の径部43aの深さt43aを深くすることが好ましい。
発明者が鋭意実験した結果、ランド部40の内径R40aと第1の径部43aの直径R43aとの差(R40a−R43a)が、0.02mmよりも小さいと第1の径部43aを形成するためのドリルがこのランド部40に接触してバリが発生する場合があり、0.2mmよりも大きいとチップ部品の電極部61aとランド部40との距離が広くなりすぎて電極部61bとランド部41とを半田で安定して接続させることが困難になる。
従って、上述の差(R40a−R43a)を0.02mm〜0.2mmの範囲内に設定することが望ましい。
図16に示すように、他のランド部90a,90b,90c,90dの形状に対応して、ランド部40(41)に切り欠き部92a,92b,92c,92dを設ける構成とすることにより、ランド部同士の配置密度を向上させることができる。
例えば、ソルダーレジストの開口径R47a,R47bをランド部40の外径R40b及びランド部41の外径R41bよりも大きくして、ランド部40及びランド部41が完全に露出するようにしてもよい。
プリント基板の厚さ方向におけるチップ部品60の電極部61a,61b側の端面の位置とランド部40,41の表面の位置との各距離について、図17を用いて説明する。図17は、プリント基板の厚さ方向におけるチップ部品の電極部側の端面の位置とランド部の表面の位置との距離について説明するための模式的断面図である。
従って、各距離D1,D2が0〜50μmの範囲内となるように、チップ部品の長さ及び基板の厚さt35を設定することが必要である。
発明者らが鋭意実験した結果、不連続部80a,80bの幅w80a,w80bが20μmよりも狭い場合この不連続部80a,80bを安定して形成することが困難になり、また、200μmよりも広い場合この不連続部80a,80bを跨ぐように半田を形成することが困難になるため、不連続部80a,80bの幅w80a,w80bを20〜200μmの範囲内とすることが望ましい。
この場合、チップ部品のサイズに対応して、上述した関係を満たすようにプリント基板を設計する必要がある。
半田の代わりに銅ペースト等のペースト状またはインク状の導電性樹脂を塗布して硬化させることによって、ランド部40,41と電極部61a,61bとを電気的に接続するようにしてもよい。
導電性樹脂は、印刷法やディスペンス法等の周知の塗布方法によって塗布することができる。
Claims (6)
- 基板と、
該基板をその厚さ方向に貫通する貫通孔と、
前記基板の一面側において、前記貫通孔の開口部を囲むように形成されたリング状の第1のランド部と、
前記基板の他面側において、前記貫通孔の開口部を囲むように形成されたリング状の第2のランド部と、
を有し、
前記第1のランド部及び第2のランド部は、各内径または各内接円の直径が前記貫通孔の開口径よりも大きく、各内縁が前記貫通孔の開口部に対して非接触となるように配置されてなることを特徴とするプリント基板。 - 前記第1のランド部及び第2のランド部の少なくともいずれか一方は不連続部を有することを特徴とする請求項1記載のプリント基板。
- 前記各内径または各内接円の直径の値をR1とし、前記貫通孔の開口径の値をR2とすると、前記R1と前記R2との差(R1−R2)が、0.02mm〜0.2mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1または請求項2記載のプリント基板。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプリント基板と、
長手を有すると共に該長手の両端にそれぞれ電極部を有し、前記長手の方向が前記貫通孔の軸方向となるように前記貫通孔に収納された電子部品と、
前記第1のランド部と該第1のランド部側の前記電極部とを電気的に接続する第1の接続部と、
前記第2のランド部と該第2のランド部側の前記電極部とを電気的に接続する第2の接続部と、
を有することを特徴とする電子部品収納基板。 - 前記プリント基板の厚さ方向において、前記プリント基板と前記電子部品との熱膨張量の差が0.015μm/℃以下であることを特徴とする請求項4記載の電子部品収納基板。
- 前記プリント基板は、前記基板と前記第1のランド部及び前記第2のランド部との間に、ヤング率が5GPa以下である絶縁層がそれぞれ配置されてなることを特徴とする請求項4記載の電子部品収納基板。
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